JP3383926B2 - 中空糸型不均質膜の製造方法 - Google Patents

中空糸型不均質膜の製造方法

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JP3383926B2 JP30790193A JP30790193A JP3383926B2 JP 3383926 B2 JP3383926 B2 JP 3383926B2 JP 30790193 A JP30790193 A JP 30790193A JP 30790193 A JP30790193 A JP 30790193A JP 3383926 B2 JP3383926 B2 JP 3383926B2
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林明 王
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、気体分離、膜型人工
肺、液体からの脱気、液体への気体溶解、パーベ−パレ
−ション、除湿などの用に供せられる、中空糸型不均質
膜の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】結晶性の熱可塑性重合体を中空糸状に溶
融紡糸し、次いで延伸して、中空糸の少なくとも一方の
表面を非多孔質に保ちつつ、それ以外の中空糸壁部を多
孔質化する中空糸型不均質膜の製法(以下溶融法と称す
る)が知られている(例えば特開昭59−19670
6)。溶融法の溶融紡糸工程においては、ノズルから押
し出された溶融樹脂は気体により冷却され固化するが、
冷却用気体としては通常空気が用いられてきた。また中
空糸状に溶融紡糸するために、気体を芯剤として溶融紡
押し出しされるが、芯剤気体として空気や窒素が使用さ
れていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】不均質膜は、強度を保
つための支持体として働く多孔質層の表面に、多孔質層
と同一素材の非多孔層が一体成形された構造を有する膜
であるが、高い気体透過速度を有する膜を成形するには
非多孔層の厚みを極力薄くすることが求められる。
【0004】溶融法による中空糸型不均質膜について、
これまで、高い気体透過速度を得るために紡糸、熱処
理、延伸、熱固定などの工程の製造条件検討が成されて
きた。しかしながら、気体(例えば酸素)透過速度を増
すために、非多孔層を薄くしようとすると、非多孔層に
ピンホールが発生し、気体分離係数(例えば酸素/窒素
分離係数)が低下するため薄膜化に限界があった。本発
明が解決しようとする課題は、ピンホールを発生させる
ことなく、非多孔層をより薄くすることにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、溶融法に
よる中空糸型不均質膜の形成機構について鋭意研究した
結果、非多孔層の形成には、ノズルから押し出された溶
融状態にある中空糸前駆体に接触する気体中の酸素濃度
が影響することを見いだし、本発明に到達した。
【0006】即ち、本発明の要旨は、気体を芯剤として
中空糸ノズルから結晶性熱可塑性重合体を気体中に押し
出して中空糸状に溶融紡糸し、次いで延伸することによ
り、中空糸の少なくとも一方の表面に非多孔質層を形成
し、それ以外の部分を多孔質に成形する不均質膜の製法
であって、中空糸ノズルから押し出された溶融状態にあ
る中空糸前駆体の少なくとも一方の表面に空気より酸素
濃度の高い気体を接触させることを特徴とする中空糸型
不均質膜の製造方法にある。
【0007】以下本発明をさらに詳細に説明する。本発
明の製造方法により得られる中空糸型不均質膜は、中空
糸膜の内表面および/または外側に非多孔層(細孔を有
さない層)を有する中空糸膜である。
【0008】本発明の中空糸膜を製造するために使用さ
れる重合体は結晶性熱可塑性重合体である。重合体は到
達結晶化度が30%以上のものであることが、優れた性
能の不均質膜を製造する上で好ましい。また、本発明の
効果を十分発揮するためには、本発明に使用される結晶
性熱可塑性重合体は酸素による酸化分解性を示す物であ
ることが、中空糸表面に緻密層を形成しやすいため好ま
しい。
【0009】結晶性熱可塑性重合体の例としては、ポリ
エチレン、ポリプロピレン、ポリ−4−メチルペンテン
−1、ポリ−3−メチルブテン−1などのポリオレフィ
ン、ポリアセタ−ル、ポリオキシエチレン、ポリフェニ
レンオキサイドなどのポリエ−テル、ポリメチレンサル
ファイド、ポリエチレンサルファイド、などのポリチオ
エーテル、ポリ塩化ビニリデンなどの塩素含有ポリマ
ー、ポリフッ化ビニリデンなどのフッ素含有ポリマー、
ナイロン6、ナイロン66などのポリアミド、ポリエチ
レンテレフタレ−トなどのポリエステル、ポリスチレ
ン、などを挙げることができる。勿論これらの共重合体
であってもよい。
【0010】これらの中でポリ−4−メチルペンテン−
1、および4−メチルペンテン−1を主要な成分とする
(50重量%以上含有する)共重合体が、気体透過速度
が高くかつ酸素/窒素の分離係数も高い上、到達結晶過
度が高く酸素による酸化分解性を示すため好ましい。4
−メチルペンテン−1を主要な成分とする共重合体の好
ましい共重合成分の例としては、エチレン、プロピレ
ン、ブテン−1、イソブチレン、ペンテン類、ヘキセン
類、その他のαオレフィンなどのオレフィン類が挙げら
れる。
【0011】本発明の製造方法は、まず結晶性熱可塑性
重合体(以下単に重合体と称する場合もある)を使用し
て中空糸を溶融紡糸し、全体が非多孔質の中空糸状成形
物を得る(以下これを中空糸と称する)。即ち、中空糸
紡糸ノズルを用いて、気体を芯として重合体を溶融押し
出しし、ドラフト(溶融状態での延伸)を掛けながら冷
却固化させることで中空糸を得る。本発明は、この際、
ノズルから押し出され溶融状態にある中空糸前駆体の外
側および/または内側に、空気中の酸素濃度(約21モ
ル%)より酸素濃度の高い気体(以下高酸素気体と称す
る)を接触させることが特徴である。ここでいう溶融状
態にある中空糸前駆体とは、ノズルから押し出されて中
空糸状になっているが、まだ固化していない溶融重合体
を言う。
【0012】溶融状態にある中空糸前駆体の内側に高酸
素気体を接触させるには、中空糸溶融紡糸時の芯剤とし
て高酸素気体を使用する方法で実施できる。溶融状態に
ある中空糸前駆体の外側に高酸素気体を接触させるに
は、冷却用気体として高酸素気体を使用する方法で実施
できる。
【0013】高酸素気体の酸素濃度は、40モル%以上
であることが好ましく、90モル%以上であることがさ
らに好ましい。酸素濃度の上限については、濃度が10
0モル%に漸近するに連れ本発明の効果は飽和し、一方
気体のコストは増加するため、経済的に自ずと限界はあ
ろうが、本発明の効果面では限定することを要しない。
気体の使用量が少量で済む芯材気体については、99〜
99.999モル%の酸素であることも好ましい。高酸
素気体の酸素以外の成分としては、溶融重合体と非反応
性の気体であれば任意である。例えば、窒素、炭酸ガ
ス、アルゴンなどが挙げられるが、窒素がコスト面で好
ましい。
【0014】高酸素気体としては、酸素をそのままある
いは空気などの他の気体と混合して用いてもよいし、酸
素富化空気を使用してもよい。酸素富化空気は、分離膜
式やPSA(吸着式)などにより製造することができ
る。
【0015】高酸素気体は、溶融状態にある中空糸前駆
体に接触させれば良く、固化後の高温にある中空糸を冷
却させる気体は高酸素気体でなくても良い。即ちノズル
から押し出された樹脂が固化するまでの部分に高酸素気
体を接触させれば良く、固化後のまだ高温にある中空糸
をさらに冷却する気体の種類や組成を、溶融状態にある
中空糸前駆体の外側に接触する気体の組成と違えること
も可能である。固化後の中空糸をさらに冷却する気体に
ついては、重合体と非反応性の気体であれば、任意であ
る。従って、例えば、ノズルから押し出された重合体が
固化するまでの部分に酸素または酸素富化空気を接触さ
せ、固化後のまだ高温にある中空糸をさらに冷却する気
体として空気を使用することも、製造の経済面から好ま
しい。
【0016】不均質膜の非多孔層の厚みが薄いほど気体
透過速度は高くなるため、一般には、不均質膜の片側表
面にのみ非多孔層が形成されることが好ましい。一方、
本発明においては、高酸素気体が接する側、即ち芯剤
と、溶融状態にある中空糸前駆体の外側に接する気体の
うち酸素濃度が高い側に非多孔層が形成される。従っ
て、中空糸ノズルから押し出された溶融状態にある中空
糸前駆体の一方の表面に高酸素気体を接触させ、他の面
には、酸素濃度が10モル%以下の気体(以下低酸素気
体と称する)を接触させることが膜の任意の側に薄い非
多孔層を形成し易いため好ましい。低酸素気体の酸素濃
度は低いほうが好ましく、5モル%以下であることがさ
らに好ましく、1モル%以下であることが最も好まし
い。低酸素気体についても、酸素以外の気体成分につい
ては、高酸素気体の場合と同様である。低酸素気体とし
ては、窒素または窒素富化空気が好ましい。
【0017】即ち高酸素気体をどちらか一方に接触さ
せ、他方に空気の酸素濃度以下の気体を接触させた場合
は、高酸素気体を接触させた方に非多孔層が形成され易
い。また高酸素気体を溶融状態にある中空糸前駆体の外
側及び内側の両方に接触させる場合でも、内側をより高
濃度の酸素気体に接触させた場合は、内側に非多孔層が
形成され易く、外側をより高濃度の酸素気体に接触させ
た場合は外側に非多孔層が形成され易く、同じ濃度の場
合は両側に形成され易い。このように本発明によると気
体の酸素濃度を調整することにより、比較的容易に希望
する側に非多孔層を形成する事が出来る。
【0018】溶融紡糸の条件は、芯剤として用いる気体
の酸素濃度と、溶融状態にある中空糸前駆体の外側に接
触する気体の酸素濃度の少なくとも一方が空気より酸素
濃度の高い気体を接触させることを除いて、公知の溶融
法不均質膜の製造方法と同様であり、用いる重合体の種
類により、形成しようとする膜に最適な条件を選べば良
い。即ち、溶融押出し温度は重合体の結晶融点(Tm)
以上の温度、好ましくは(Tm+20)℃〜(Tm+2
00)℃であり、ドラフトは50〜10000、好まし
くは200〜1500である。冷却は気体中での冷却で
あり、冷却用気体の温度や風速は、押出された中空糸の
固化点が、好ましくはノズルから5〜200mm、さら
に好ましくは10〜50mmになる様に調節する。紡糸
温度は従来の製法に比べて5〜10℃低くすることが高
性能の不均質膜を製造する上で好ましい。
【0019】但し、溶融紡糸に於て、芯剤として酸素濃
度が空気より高い気体を使用すると、窒素、炭酸ガス、
アルゴンなどを使用した場合に比べて中空糸の内径が小
さくなる傾向があり、重合体や紡糸温度により差はある
ものの、酸素濃度が高くなるほどその傾向は顕著とな
る。酸素の重合体透過速度が高いため芯剤気体が中空糸
外部へ透過散逸することによるものか、あるいは芯剤中
の酸素が溶融重合体と化合し消費されることによるもの
とも推定されるが、その真の理由は不明である。いずれ
にせよ、紡糸された中空糸の断面寸法を測定しつつ芯剤
気体の量を調節することにより、目的の寸法の中空糸を
紡糸することができる。
【0020】溶融紡糸された中空糸を不均質膜化する工
程についても、公知の溶融法不均質膜の製造方法の場合
と同様である。以下、その工程について述べる。溶融紡
糸された中空糸は、必要に応じて熱処理される。熱処理
温度は重合体のTg(ガラス転移点)以上、Tm(結晶
融点)以下である。熱処理を施すことにより重合体の結
晶化度の増加や結晶欠陥の減少を計り、中空糸壁内部を
多孔質化し易くすることができる。
【0021】溶融紡糸されたまたは熱処理された中空糸
は、延伸することにより中空糸壁内部が多孔質化され
る。中空糸壁内部が多孔質化される機構は、溶融押し出
しした結晶性重合体を、ドラフトによる適当な張力下、
かつ適当な温度勾配下で冷却すると、繊維軸に直角な面
内に積層板状結晶が発達し、それを延伸すると結晶間が
開裂し多孔質体となる機構によるといわれている。
【0022】延伸温度、延伸倍率、延伸速度などは特に
限定する必要はなく、重合体に応じて適当な値を選ぶこ
とができる。例えば、延伸温度は(Tm−10)℃以下
であることが好ましく、(Tg+50)℃以下であるこ
とが好ましい。延伸温度の下限は特に設ける必要はな
く、液体窒素温度(マイナス196℃)でも可能であ
る。延伸倍率は1.3〜6が好ましく、2〜4がさらに
好ましい。延伸温度が高いほど延伸倍率を高くすること
好ましい。
【0023】延伸は多段延伸であってよく、温度を順次
上昇させた多段延伸であることが好ましい。多段延伸の
場合には、延伸温度が(Tg+50)℃以下での延伸を
含むことが好ましい。多段延伸の場合には、各段の延伸
倍率は1.1以上であることが好ましく、かつトータル
の延伸倍率が1.3〜6であることが好ましく、2〜4
がさらに好ましい。延伸温度の高い段ほど、その段の延
伸倍率を高くすることが好ましい。
【0024】延伸により形成された中空糸型不均質膜
は、熱固定を施すことにより寸法安定性と耐熱性を付与
する事が好ましい。熱処理温度は重合体のTg以上Tm
以下でありかつ延伸温度より高い温度である。
【0025】形成された中空糸型不均質膜の寸法は任意
であるが、外径0.1〜3mm、多孔質層の厚み0.0
1〜1mm、非多孔層の厚み0.05〜5μm、多孔質
層における細孔の平均孔径0.01〜10μmであるこ
とが好ましい。
【0026】
【実施例】以下実施例により本発明をさらに具体的に説
明するが、これにより本発明が制約されるものではな
い。 [実施例1] <中空糸膜の製造>結晶性熱可塑性重合体としてポリ−
4−メチルペンテン−1(三井石油化学工業(株)製、
TPX−RT−18)を使用し、6ホ−ルの外径6mm
円環型紡糸ノズルを用いて、紡糸温度285℃にて溶融
紡糸した。この時、円環型紡糸ノズルから重合体を押し
出し、円環の内側に設けられた芯剤導入孔から酸素濃度
0.01%未満の窒素を導入して、ドラフト700で引
き取りつつ、酸素濃度40%の窒素富化空気の0.1m
/秒の気流で冷却して巻き取った。得られた中空糸は全
体が非多孔質であった。
【0027】この中空糸を195℃の空気浴中で1分間
熱処理したのち、25℃にて延伸倍率1.4、次いで1
30℃にて延伸倍率1.6だけ延伸し、その後195℃
の空気浴中に1分間滞留させることにより熱固定を行っ
た。
【0028】得られた中空糸膜の寸法は外径240μ
m、内径188μmであり、走査型電子顕微鏡(SE
M)にて観察したところ、外表面には細孔は全く認めら
れず、内表面には孔径約0.05μmの多数の細孔が存
在し、中空糸を斜めに切断した断面には全体に孔径約
0.03μmの細孔が存在した。
【0029】この中空糸膜の気体透過特性をASTM、
D−1434圧力法に基づいて測定したところ、酸素透
過速度が1.9×10-5[cm3(STP)・cm/c
2(外表面積),s,cmHg)、窒素透過速度が
4.6×10-6[cm3(STP)/c m2(外表面
積),s,cmHg)、酸素/窒素分離係数が4.2で
あった。
【0030】なお、重合体(TPX−RT−18)につ
いて、300℃で作製した溶融プレスフィルムを190
℃にて30分熱処理したサンプルの、X線回折法により
測定された結晶化度は約55%であった。
【0031】また素材ポリマーの酸素透過係数を2×1
-9[cm3(STP)/c m2,s,cmHg)とし
て計算すると、この膜の非多孔層の厚みは1.05μm
となる。
【0032】[実施例2]冷却用気体として、ノズル下
10cmまでの部分に、PSA酸素富化装置により製造
した酸素濃度90モル%の酸素富化空気を風速0.1m
/秒で流し、それより下部には空気を風速0.1m/秒
で流したこと以外は実施例1と同様にして中空糸型不均
質膜を作製した。
【0033】得られた中空糸膜の寸法は、外径約232
μm、内径約189μmであった。SEMにて観察した
ところ、外表面には細孔は認められず、内表面には全体
に孔径約0.04μmの細孔が認められ、中空糸を斜め
に切断した断面には孔径約0.03μmの細孔が観察さ
れた。
【0034】この中空糸膜の酸素透過速度は1.9×1
-5[cm3(STP)/cm2(外表面積),s,cm
Hg)、窒素透過速度は4.6×10-6[cm3(ST
P)/cm2(外表面積),s,cmHg)、酸素/窒
素分離係数は4.2であった。また実施例1と同様にし
て計算した非多孔層の厚みは1.05μmとなる。
【0035】[実施例3]芯剤として、99.99モル
%の酸素を使用したこと、芯剤気体の導入量を若干多目
にし(計量せず)、中空糸の外径を実施例1とほぼ同じ
値に調節したこと、および冷却用気体として、膜式窒素
富化装置により製造した酸素濃度10%の窒素富化空気
を風速0.1m/秒で流したこと以外は実施例1と同様
にして中空糸不均質膜を作製した。
【0036】得られた中空糸膜の寸法は、外径約240
μm、内径約188μmであった。SEMにて観察した
ところ、内表面には細孔は認められず、外表面には全体
に孔径約0.15μmの細孔が認められ、中空糸を斜め
に切断した断面には孔径約0.03μmの細孔が観察さ
れた。
【0037】この中空糸膜の酸素透過速度は1.7×1
-5[cm3(STP)/cm2(内表面積),s,cm
Hg)、窒素透過速度は4.0×10-6[cm3(ST
P)/cm2(内表面積),s,cmHg)、酸素/窒
素分離係数は4.2であった。また実施例1と同様にし
て計算した非多孔層の厚みは1.18μmとなる。
【0038】[比較例1]芯剤として酸素濃度0.01
モル%未満の窒素を使用したこと、および冷却用気体と
して空気を使用したこと以外は実施例1と同様にして中
空糸膜を作製した。
【0039】得られた中空糸膜の寸法は、外径約240
μm、内径約187μmであった。SEMにて観察した
ところ、内表面には全体に孔径約0.03μmの細孔が
認められ、外表面には孔径約0.5μmの細孔がまばら
に存在した。中空糸を斜めに切断した断面には孔径約
0.03μmの細孔が観察された。
【0040】この中空糸膜の酸素透過速度は2.3×1
-4[cm3(STP)/cm2(外表面積),s,cm
Hg)、窒素透過速度は8.5×10-5[cm3(ST
P)/cm2(外表面積),s,cmHg)、酸素/窒
素分離係数は2.7であった。酸素/窒素分離係数がポ
リ−4−メチルペンテン−1の分離係数である4.2よ
り低いことから、この膜にはピンホールが発生している
と推定される。
【0041】[比較例2]130℃の延伸倍率を1.4
としたこと以外は比較例1と同様にして中空糸膜を作製
した。
【0042】得られた中空糸膜の寸法は、外径約255
μm、内径約199μmであった。SEMにて観察した
ところ、内表面には全体に孔径約0.03μmの細孔が
認められ、外表面には細孔は認められず、中空糸を斜め
に切断した断面には孔径約0.03μmの細孔が観察さ
れた。
【0043】この中空糸膜の酸素透過速度は1.5×1
-5[cm3(STP)/cm2(外表面積),s,cm
Hg)、窒素透過速度は3.6×10-6[cm3(ST
P)/cm2(外表面積),s,cmHg)、酸素/窒
素分離係数は4.2であった。また実施例1と同様にし
て計算した非多孔層の厚みは1.33μmとなる。
【0044】[比較例3]芯剤および冷却用気体として
空気を使用したこと以外は実施例1と同様にして中空糸
膜を作製した。
【0045】得られた中空糸膜の寸法は、外径約235
μm、内径約182μmであった。SEMにて観察した
ところ、内表面、外表面ともに細孔は認められず、中空
糸を斜めに切断した断面には孔径約0.03μmの細孔
が観察された。
【0046】この中空糸膜の酸素透過速度は7.1×1
-6[cm3(STP)/cm2(外表面積),s,cm
Hg)、窒素透過速度は1.7×10-6[cm3(ST
P)/cm2(外表面積),s,cmHg)、酸素/窒
素分離係数は4.2であった。また実施例1と同様にし
て計算した非多孔層の厚みは2.82μmとなる。
【0047】
【発明の効果】中空糸型不均質膜の表面に形成される非
多孔層の厚みを薄くすることが容易であり、気体透過速
度の高い中空糸型不均質膜が得られる。また膜の任意の
側に非多孔層を形成することが容易である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI D01F 6/00 D01F 6/00 B (56)参考文献 特開 昭59−196706(JP,A) 特開 平4−265133(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B01D 69/08

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 気体を芯剤として中空糸ノズルから結晶
    性熱可塑性重合体を気体中に押し出して中空糸状に溶融
    紡糸し、次いで延伸することにより、中空糸の少なくと
    も一方の表面に非多孔質層を形成し、それ以外の部分を
    多孔質に成形する不均質膜の製法であって、中空糸ノズ
    ルから押し出された溶融状態にある中空糸前駆体の少な
    くとも一方の表面に空気より酸素濃度の高い気体を接触
    させることを特徴とする中空糸型不均質膜の製造方法。
  2. 【請求項2】 溶融状態にある中空糸前駆体に接触させ
    る、空気より酸素濃度の高い気体の酸素濃度が40モル
    %以上である請求項1記載の製造方法。
  3. 【請求項3】 溶融状態にある中空糸前駆体に接触させ
    る、空気より酸素濃度の高い気体の酸素濃度が90モル
    %以上である請求項1記載の製造方法。
  4. 【請求項4】 中空糸ノズルから押し出された溶融状態
    にある中空糸前駆体の一方の表面に空気より酸素濃度の
    高い気体を接触させ、他の面に酸素濃度が10モル%以
    下の気体を接触させる請求項1記載の製造方法。
  5. 【請求項5】 溶融状態にある中空糸前駆体の一方の表
    面に接触させる、空気より酸素濃度の高い気体の酸素濃
    度が40モル%以上である請求項4記載の製造方法。
  6. 【請求項6】 溶融状態にある中空糸前駆体の一方の表
    面に接触させる、空気より酸素濃度の高い気体の酸素濃
    度が90モル%以上である請求項4記載の製造方法。
  7. 【請求項7】 重合体が、4−メチルペンテン−1系重
    合体である請求項1〜6のいずれかに記載の製造方法。
JP30790193A 1993-12-08 1993-12-08 中空糸型不均質膜の製造方法 Expired - Lifetime JP3383926B2 (ja)

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