JP3382774B2 - アルミホイールの強度増強法 - Google Patents
アルミホイールの強度増強法Info
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- JP3382774B2 JP3382774B2 JP07418496A JP7418496A JP3382774B2 JP 3382774 B2 JP3382774 B2 JP 3382774B2 JP 07418496 A JP07418496 A JP 07418496A JP 7418496 A JP7418496 A JP 7418496A JP 3382774 B2 JP3382774 B2 JP 3382774B2
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は,自動車用のアルミ
ホイールを鋳造または鍛造で製造する場合,アルミホイ
ールの軽量化をはかるために,材料強度の増強をはかる
ためのもので,一般的に応力の一番高いスポーク裏面の
ハブ取付面に近い部分にショットブラストをかけて残留
圧縮応力を加えてアルミホイールの疲労強度を増強しよ
うとするものである。
ホイールを鋳造または鍛造で製造する場合,アルミホイ
ールの軽量化をはかるために,材料強度の増強をはかる
ためのもので,一般的に応力の一番高いスポーク裏面の
ハブ取付面に近い部分にショットブラストをかけて残留
圧縮応力を加えてアルミホイールの疲労強度を増強しよ
うとするものである。
【0002】
【従来の技術】従来から,ショットブラストにより材料
強度を上げることは公知の技術であり,多く用いられ,
アルミホイールの製造にも用いられていた。その場合,
図6(a)に示すように,アルミホイールを鋳造した時
のバリを除去するためにアルミホイールのスポーク裏面
を旋盤により機械加工した後,ショットブラストをかけ
ていたが,裏面全面にショット粒が当たるために,ハブ
取付面,取付軸穴およびリム内外面は,ショットブラス
ト工程完了後,もう1回裏面の機械加工を行うか,ある
いは,機械加工を1回ですませる場合は,図6(b)に
示すように,アルミホイールの裏面全部を機械加工する
だけで,ショットブラストを行わないかの何れかであっ
た。なお,これら裏面の機械加工が終ったら,取付ボル
ト穴のドリル加工を行い,アルミホイールの表面全部を
機械加工し,後は,例えば塗装工程等の次工程に移す。
強度を上げることは公知の技術であり,多く用いられ,
アルミホイールの製造にも用いられていた。その場合,
図6(a)に示すように,アルミホイールを鋳造した時
のバリを除去するためにアルミホイールのスポーク裏面
を旋盤により機械加工した後,ショットブラストをかけ
ていたが,裏面全面にショット粒が当たるために,ハブ
取付面,取付軸穴およびリム内外面は,ショットブラス
ト工程完了後,もう1回裏面の機械加工を行うか,ある
いは,機械加工を1回ですませる場合は,図6(b)に
示すように,アルミホイールの裏面全部を機械加工する
だけで,ショットブラストを行わないかの何れかであっ
た。なお,これら裏面の機械加工が終ったら,取付ボル
ト穴のドリル加工を行い,アルミホイールの表面全部を
機械加工し,後は,例えば塗装工程等の次工程に移す。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】アルミホイールの軽量
化を行うためには,材料の強度アップは是非必要であ
り,作業を容易にし,コストを引下げるためには,裏面
の機械加工は2回に分けることなく,1回ですまさなけ
ればいけない。しかし,スポーク裏部強度増強のための
ショットブラストはスポーク裏部機械加工後でないとそ
の効果はなく,機械加工後のショットブラストであれ
ば,ショット粒によりハブ取付面,取付軸穴およびリム
内外面に傷がつくことを防止しなければならない。ま
た,ショットブラストで生じた粉は充分に取除く必要が
ある。
化を行うためには,材料の強度アップは是非必要であ
り,作業を容易にし,コストを引下げるためには,裏面
の機械加工は2回に分けることなく,1回ですまさなけ
ればいけない。しかし,スポーク裏部強度増強のための
ショットブラストはスポーク裏部機械加工後でないとそ
の効果はなく,機械加工後のショットブラストであれ
ば,ショット粒によりハブ取付面,取付軸穴およびリム
内外面に傷がつくことを防止しなければならない。ま
た,ショットブラストで生じた粉は充分に取除く必要が
ある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明では,この課題を
解決するために,アルミホイールの裏面を機械加工完了
後,スポーク裏面にショットブラストをかけるときに,
そのショット粒がハブ取付面,取付軸穴およびリム内外
面に当たらないように覆いを被せた状態でショットの必
要なスポーク裏部に充分当たるようにしたショットブラ
スト機を設計製作し,これを使用して材料強度増強を行
い,ショットブラスト完了後,取付穴およびアルミホイ
ールの前面を機械加工するようにした。
解決するために,アルミホイールの裏面を機械加工完了
後,スポーク裏面にショットブラストをかけるときに,
そのショット粒がハブ取付面,取付軸穴およびリム内外
面に当たらないように覆いを被せた状態でショットの必
要なスポーク裏部に充分当たるようにしたショットブラ
スト機を設計製作し,これを使用して材料強度増強を行
い,ショットブラスト完了後,取付穴およびアルミホイ
ールの前面を機械加工するようにした。
【0005】すなわち,本発明においては,アルミホイ
ール軸中心部のハブ取付面およびリムの内外周面にショ
ット粒が当たらないように覆いを被せた状態で,アルミ
ホイールをその中心軸を中心に回転させるか,あるい
は,ショットブラストのノズルをアルミホイールの中心
軸を中心に回転させながら,スポークの応力の高い部分
に1本または複数のノズルを用いてショット粒を投射
し,スポークの応力の高い部分に圧縮応力を加えること
により,疲労強度を増強するようにした。
ール軸中心部のハブ取付面およびリムの内外周面にショ
ット粒が当たらないように覆いを被せた状態で,アルミ
ホイールをその中心軸を中心に回転させるか,あるい
は,ショットブラストのノズルをアルミホイールの中心
軸を中心に回転させながら,スポークの応力の高い部分
に1本または複数のノズルを用いてショット粒を投射
し,スポークの応力の高い部分に圧縮応力を加えること
により,疲労強度を増強するようにした。
【0006】また,ショットブラストをかける際に,ス
ポーク裏面のハブ取付面に近い部分にショットブラスト
をかけるようにした。また,2個のリング状縦板の下端
部をスポーク裏面部のハブ取付面側端部とリム内周面側
に位置させ,ショット粒がスポーク部にのみ当たるよう
にした上下動可能な覆いをスポーク部のすぐ上に位置さ
せ,この覆いを上方から貫通して設けたノズルの下端か
らショット粒をスポーク裏面部に投射するようにした。
ポーク裏面のハブ取付面に近い部分にショットブラスト
をかけるようにした。また,2個のリング状縦板の下端
部をスポーク裏面部のハブ取付面側端部とリム内周面側
に位置させ,ショット粒がスポーク部にのみ当たるよう
にした上下動可能な覆いをスポーク部のすぐ上に位置さ
せ,この覆いを上方から貫通して設けたノズルの下端か
らショット粒をスポーク裏面部に投射するようにした。
【0007】さらに,覆い部に圧縮空気を導き,内側の
リング状縦板の下端部とスポーク裏面部のハブ取付面側
端部との間の隙間,および,外側のリング状縦板の下端
部とリム内周面の下端部との間の隙間を通して,圧縮空
気をスポーク裏面部に送り,ショットブラストで生じた
粉を吹飛ばすようにした。そして,このようにすること
により,軽量化しても,充分に強度があり,しかも,シ
ョット傷のないアルミホイールを確実容易に製造するこ
とができるようにした。
リング状縦板の下端部とスポーク裏面部のハブ取付面側
端部との間の隙間,および,外側のリング状縦板の下端
部とリム内周面の下端部との間の隙間を通して,圧縮空
気をスポーク裏面部に送り,ショットブラストで生じた
粉を吹飛ばすようにした。そして,このようにすること
により,軽量化しても,充分に強度があり,しかも,シ
ョット傷のないアルミホイールを確実容易に製造するこ
とができるようにした。
【0008】
【作用】アルミホイール1の破壊は,一般的に,図3に
示すような曲げ荷重の繰返しによってスポーク裏部1
c,特に,内周側の部分1fに発生する。この場合,圧
縮応力よりも引張応力の影響が大きく,引張応力を小さ
くすることにより,疲労強度が増強されることは公知の
事実である。なお,図3は回転曲げ試験で,矢印で示す
ように,一方向に引張荷重をかけている状態を示す。シ
ョットブラストをかけることにより,表面に残留圧縮応
力が発生する。一般的に,その値は2〜3kg/mm2
である。この部分に曲げによる引張応力が発生すると
き,その合成引張応力は,ショットブラストをかけない
ときに比較して,2〜3kg/mm2 低下し,図5に示
すように,破壊するまでの荷重繰返し回数は増加する。
示すような曲げ荷重の繰返しによってスポーク裏部1
c,特に,内周側の部分1fに発生する。この場合,圧
縮応力よりも引張応力の影響が大きく,引張応力を小さ
くすることにより,疲労強度が増強されることは公知の
事実である。なお,図3は回転曲げ試験で,矢印で示す
ように,一方向に引張荷重をかけている状態を示す。シ
ョットブラストをかけることにより,表面に残留圧縮応
力が発生する。一般的に,その値は2〜3kg/mm2
である。この部分に曲げによる引張応力が発生すると
き,その合成引張応力は,ショットブラストをかけない
ときに比較して,2〜3kg/mm2 低下し,図5に示
すように,破壊するまでの荷重繰返し回数は増加する。
【0009】一方,ショットブラストをかけると,機械
加工したハブ取付面その他にショット粒が当たり,傷を
つけるが,本発明では,この部分に覆いを被せると共
に,ショットのノズルを必要な部分に向け,ショット粒
を投射して,ショットを効果的に行うと共に,その他の
部分の傷つきを防止でき,図7に示すように,機械加工
回数を減少できる。また,ショットブラスト面に圧縮空
気を外から導くことによって,ショットブラストで生じ
た粉を吹飛ばす。
加工したハブ取付面その他にショット粒が当たり,傷を
つけるが,本発明では,この部分に覆いを被せると共
に,ショットのノズルを必要な部分に向け,ショット粒
を投射して,ショットを効果的に行うと共に,その他の
部分の傷つきを防止でき,図7に示すように,機械加工
回数を減少できる。また,ショットブラスト面に圧縮空
気を外から導くことによって,ショットブラストで生じ
た粉を吹飛ばす。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明の1実施例を,図1,図2
によって説明する。機械加工第1工程で,ハブ取付面1
a,取付軸穴1bの1部,スポーク裏面1c,リム内周
面1dおよびリム外周面1eの1部を加工されたアルミ
ホイール1を,同じ回転軸上にある回転テーブル2の上
に,取付具7を用いて取付ける。
によって説明する。機械加工第1工程で,ハブ取付面1
a,取付軸穴1bの1部,スポーク裏面1c,リム内周
面1dおよびリム外周面1eの1部を加工されたアルミ
ホイール1を,同じ回転軸上にある回転テーブル2の上
に,取付具7を用いて取付ける。
【0011】その上から内側のリング状縦板とその上方
の水平リング板からなる取付面覆3aと,外側のリング
状縦板からなるリム内面覆3bを持ち,ショットブラス
トノズル4を取付けた上下動可能なショット投射装置3
を降下させ,その蓋3cとアルミホイールのリム内側端
との隙間が小さくなる所に停止させる。ショットブラス
トノズル4は,アルミホイール1のスポーク裏面1cの
応力の大きい部分にショット粒を効果的に投射できる位
置1fに設定,設置する。蓋3cの外周端部の下側に
は,アルミホイール1のリム上端部を内外側から覆うよ
うな2個の短いリング状縦板3eを設けている。
の水平リング板からなる取付面覆3aと,外側のリング
状縦板からなるリム内面覆3bを持ち,ショットブラス
トノズル4を取付けた上下動可能なショット投射装置3
を降下させ,その蓋3cとアルミホイールのリム内側端
との隙間が小さくなる所に停止させる。ショットブラス
トノズル4は,アルミホイール1のスポーク裏面1cの
応力の大きい部分にショット粒を効果的に投射できる位
置1fに設定,設置する。蓋3cの外周端部の下側に
は,アルミホイール1のリム上端部を内外側から覆うよ
うな2個の短いリング状縦板3eを設けている。
【0012】アルミホイール1を取付けた回転テーブル
2は,図示されていない駆動装置により駆動される回転
軸5によって回転させられる。回転テーブル2が回転を
始めると,ショット粒を図示されていない供給装置から
1本ないしは複数本のショット投射装置3のノズル4に
供給し,圧縮空気と共に,ノズル4の先端からアルミホ
イール1のスポーク裏面1cに噴射する。図2に2点鎖
線で示すリング状の範囲Bがショット粒が主に噴射され
る範囲である。そのとき,ショット粒がハブ取付面1a
やリム内面1dに当たらないように,取付面覆3a,リ
ム内面覆3bが防護する。
2は,図示されていない駆動装置により駆動される回転
軸5によって回転させられる。回転テーブル2が回転を
始めると,ショット粒を図示されていない供給装置から
1本ないしは複数本のショット投射装置3のノズル4に
供給し,圧縮空気と共に,ノズル4の先端からアルミホ
イール1のスポーク裏面1cに噴射する。図2に2点鎖
線で示すリング状の範囲Bがショット粒が主に噴射され
る範囲である。そのとき,ショット粒がハブ取付面1a
やリム内面1dに当たらないように,取付面覆3a,リ
ム内面覆3bが防護する。
【0013】更に,その防護効果を大きくするために,
蓋3cの一部に設けた空気取入口3dに送風機などで圧
縮空気を送り込み,取付面覆3aとハブ取付面1aの隙
間およびリム内面覆3bとリム内周面1dの隙間から圧
縮空気をスポーク裏面1cに向けて吹き出させると,機
械加工面を傷めることはない。なお,リム内面覆3bの
上方には,圧縮空気を外側に通す穴3fを複数個設けて
いる。
蓋3cの一部に設けた空気取入口3dに送風機などで圧
縮空気を送り込み,取付面覆3aとハブ取付面1aの隙
間およびリム内面覆3bとリム内周面1dの隙間から圧
縮空気をスポーク裏面1cに向けて吹き出させると,機
械加工面を傷めることはない。なお,リム内面覆3bの
上方には,圧縮空気を外側に通す穴3fを複数個設けて
いる。
【0014】噴射されたショット粒は,スポーク裏面の
内周側の部分である強度増強範囲1fに衝突し,圧縮応
力を付加した後,アルミホイール1のスポークの窓部1
gから下に落ち,回転テーブル2の隙間2aを通って,
下端部のショット粒の出口6aからケース6外に出て,
落下する。圧縮空気は隙間2aを通り,排出口6から排
出される。ショットブラスト完了後,アルミホイール1
をテーブル2から取りはずし,次工程でアルミホイール
1の取付ボルト穴1h,取付軸穴1i,表面1j,リム
外周面1eの前端部1kなどを機械加工し,塗装工程な
どを経て完成させる。
内周側の部分である強度増強範囲1fに衝突し,圧縮応
力を付加した後,アルミホイール1のスポークの窓部1
gから下に落ち,回転テーブル2の隙間2aを通って,
下端部のショット粒の出口6aからケース6外に出て,
落下する。圧縮空気は隙間2aを通り,排出口6から排
出される。ショットブラスト完了後,アルミホイール1
をテーブル2から取りはずし,次工程でアルミホイール
1の取付ボルト穴1h,取付軸穴1i,表面1j,リム
外周面1eの前端部1kなどを機械加工し,塗装工程な
どを経て完成させる。
【0015】図7に,本発明の加工工程を示す。すなわ
ち,旋盤加工による機械加工で,アルミホイール1の裏
面全面を加工し,次に,前記したように,ショットブラ
ストにより,スポーク裏面1c部分にショット粒をショ
ットし,後は,取付ボルト穴1hをドリル加工した後,
アルミホイール1の表面全部,すなわち,図1で下側に
表われている面の全部を旋盤加工する。
ち,旋盤加工による機械加工で,アルミホイール1の裏
面全面を加工し,次に,前記したように,ショットブラ
ストにより,スポーク裏面1c部分にショット粒をショ
ットし,後は,取付ボルト穴1hをドリル加工した後,
アルミホイール1の表面全部,すなわち,図1で下側に
表われている面の全部を旋盤加工する。
【0016】
【実施例】前記説明では,回転テーブル2を回転させて
アルミホイール1を回転させ,ショット投射装置3とケ
ース6は回転させないようにしたが,場合によっては,
アルミホイール1を回転しないように固定しておき,シ
ョット投射装置3の方を回転させるようにしても良い。
ただし,その場合は,ショットブラスト用ノズル4への
ショット粒の連続供給および圧縮空気の供給が少し面倒
になる。
アルミホイール1を回転させ,ショット投射装置3とケ
ース6は回転させないようにしたが,場合によっては,
アルミホイール1を回転しないように固定しておき,シ
ョット投射装置3の方を回転させるようにしても良い。
ただし,その場合は,ショットブラスト用ノズル4への
ショット粒の連続供給および圧縮空気の供給が少し面倒
になる。
【0017】本発明においては,アルミホイール1に荷
重がかかったときに引張応力が高くなる範囲1fにショ
ットブラストをかけ,残留圧縮応力を発生させることに
より,図4に示すように最大引張応力S0 をS’に引下
げることができ,その結果,図5に示す疲労強度特性図
でわかるように,応力SがS0 からS’に下がることに
より,疲労寿命の回数NをN0 からN’に延ばすことが
できる。なお,図4において,左側の断面図はスポーク
部の一断面を示し,真中には,重心を中心にしてスポー
ク裏面1c側には引張応力がかかり,表面側には圧縮応
力がかかることを示している。右側には,ショットによ
る残留圧縮応力の大きさを示す。
重がかかったときに引張応力が高くなる範囲1fにショ
ットブラストをかけ,残留圧縮応力を発生させることに
より,図4に示すように最大引張応力S0 をS’に引下
げることができ,その結果,図5に示す疲労強度特性図
でわかるように,応力SがS0 からS’に下がることに
より,疲労寿命の回数NをN0 からN’に延ばすことが
できる。なお,図4において,左側の断面図はスポーク
部の一断面を示し,真中には,重心を中心にしてスポー
ク裏面1c側には引張応力がかかり,表面側には圧縮応
力がかかることを示している。右側には,ショットによ
る残留圧縮応力の大きさを示す。
【0018】
【発明の効果】本発明においては,特許請求の範囲に記
載したようにし,アルミホイールを製造する工程におい
て,機械加工を完了したアルミホイール軸中心部のハブ
取付面およびリムの内外周面にショット粒が当たらない
ように覆いを被せた状態で,アルミホイールをその中心
軸を中心に回転させるか,あるいは,ショットブラスト
のノズルをアルミホイールの中心軸を中心に回転させな
がら,スポークの応力の高い部分に1本または複数のノ
ズルを用いてショット粒を投射し,スポークの応力の高
い部分に圧縮応力を加えることにより,疲労強度を増強
するようにしたので,アルミホイールの強度を容易に増
強させることができる。
載したようにし,アルミホイールを製造する工程におい
て,機械加工を完了したアルミホイール軸中心部のハブ
取付面およびリムの内外周面にショット粒が当たらない
ように覆いを被せた状態で,アルミホイールをその中心
軸を中心に回転させるか,あるいは,ショットブラスト
のノズルをアルミホイールの中心軸を中心に回転させな
がら,スポークの応力の高い部分に1本または複数のノ
ズルを用いてショット粒を投射し,スポークの応力の高
い部分に圧縮応力を加えることにより,疲労強度を増強
するようにしたので,アルミホイールの強度を容易に増
強させることができる。
【0019】すなわち,アルミホイールに荷重がかかっ
たときに引張応力が高くなる範囲であるスポーク裏面の
ハブ取付面に近い部分にショットブラストをかけるよう
にしたので,その部分に残留圧縮応力を発生させること
により,最大引張応力を引下げることができ,その結
果,疲労寿命回数を延ばすことができる。
たときに引張応力が高くなる範囲であるスポーク裏面の
ハブ取付面に近い部分にショットブラストをかけるよう
にしたので,その部分に残留圧縮応力を発生させること
により,最大引張応力を引下げることができ,その結
果,疲労寿命回数を延ばすことができる。
【0020】その結果,軽量化しても強度の充分なアル
ミホイールを製造することができる。また,旋盤による
機械加工の回数を少なくすることにより,加工時間の低
減および芯出し回数の減少により,芯ぶれ不良の発生率
が低下し,精度の良いアルミホイールがより安価に製作
できる。
ミホイールを製造することができる。また,旋盤による
機械加工の回数を少なくすることにより,加工時間の低
減および芯出し回数の減少により,芯ぶれ不良の発生率
が低下し,精度の良いアルミホイールがより安価に製作
できる。
【0021】また,2個のリング状縦板の下端部をスポ
ーク裏面部のハブ取付面側端部とリム内周面側に位置さ
せ,ショット粒がスポーク部にのみ当たるようにした上
下動可能な覆いをスポーク部のすぐ上に位置させ,この
覆いを上方から貫通して設けたノズルの下端からショッ
ト粒をスポーク裏面部に投射するようにしたので,必要
な部分のみの投射が良く行われ,一方,ショット粒を当
てたくないハブ取付面やリム内周面にはショット粒が全
然当たらないようにすることができ,その部分の機械加
工をする必要はなく,能率が向上する。
ーク裏面部のハブ取付面側端部とリム内周面側に位置さ
せ,ショット粒がスポーク部にのみ当たるようにした上
下動可能な覆いをスポーク部のすぐ上に位置させ,この
覆いを上方から貫通して設けたノズルの下端からショッ
ト粒をスポーク裏面部に投射するようにしたので,必要
な部分のみの投射が良く行われ,一方,ショット粒を当
てたくないハブ取付面やリム内周面にはショット粒が全
然当たらないようにすることができ,その部分の機械加
工をする必要はなく,能率が向上する。
【0022】さらに,覆い部に圧縮空気を導き,内側の
リング状縦板の下端部とスポーク裏面部のハブ取付面側
端部との間の隙間,および,外側のリング状縦板の下端
部とリム内周面の下端部との間の隙間を通して,圧縮空
気をスポーク裏面部に送るようにしたので,ショットブ
ラストにより生じた粉をすみやかに確実に吹飛ばして取
除くことができるし,また,万が一にも,この粉やショ
ット粒がハブ取付面やリム内周面部に来ようとする場合
でも,上記隙間からの圧縮空気の噴出で,それを確実容
易に防止することができる。
リング状縦板の下端部とスポーク裏面部のハブ取付面側
端部との間の隙間,および,外側のリング状縦板の下端
部とリム内周面の下端部との間の隙間を通して,圧縮空
気をスポーク裏面部に送るようにしたので,ショットブ
ラストにより生じた粉をすみやかに確実に吹飛ばして取
除くことができるし,また,万が一にも,この粉やショ
ット粒がハブ取付面やリム内周面部に来ようとする場合
でも,上記隙間からの圧縮空気の噴出で,それを確実容
易に防止することができる。
【図1】本発明の方法を実施するための装置の1実施例
を示す縦断面図である。
を示す縦断面図である。
【図2】図1のA−A線断面図である。
【図3】アルミホイールの回転曲げ試験方法を示す縦断
面図である。
面図である。
【図4】スポーク部の引張応力変化図である。
【図5】疲労強度特性図である。
【図6】従来方法の加工工程フローシートである。
【図7】本発明による加工工程フローシートである。
1 アルミホイール
1a ハブ取付面
1b 取付軸穴
1c スポーク裏面
1d リム内周面
1e リム外周面
1f スポーク裏面1cの強度増強部分(内周面の部
分) 1g 窓部 1j 表面 1k リム外周面1cの前端部 2 回転テーブル 3 ショット投射装置 4 ショットブラスト用ノズル 5 テーブル回転軸 6 ケース
分) 1g 窓部 1j 表面 1k リム外周面1cの前端部 2 回転テーブル 3 ショット投射装置 4 ショットブラスト用ノズル 5 テーブル回転軸 6 ケース
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名)
B24C 1/10
B24C 1/04
Claims (4)
- 【請求項1】 アルミホイールを製造する工程におい
て,機械加工を完了したアルミホイール軸中心部のハブ
取付面およびリムの内外周面にショット粒が当たらない
ように覆いを被せた状態で,アルミホイールをその中心
軸を中心に回転させるか,あるいは,ショットブラスト
のノズルをアルミホイールの中心軸を中心に回転させな
がら,スポークの応力の高い部分に1本または複数のノ
ズルを用いてショット粒を投射し,スポークの応力の高
い部分に圧縮応力を加えることにより,疲労強度を増強
するようにしたアルミホイールの強度増強法。 - 【請求項2】 スポーク裏面のハブ取付面に近い部分に
ショットブラストをかけるようにした特許請求の範囲請
求項1記載のアルミホイールの強度増強法。 - 【請求項3】 2個のリング状縦板の下端部をスポーク
裏面部のハブ取付面側端部とリム内周面側に位置させ,
ショット粒がスポーク部にのみ当たるようにした上下動
可能な覆いをスポーク部のすぐ上に位置させ,この覆い
を上方から貫通して設けたノズルの下端からショット粒
をスポーク裏面部に投射するようにした特許請求の範囲
請求項1または請求項2記載のアルミホイールの強度増
強法。 - 【請求項4】 覆い部に圧縮空気を導き,内側のリング
状縦板の下端部とスポーク裏面部のハブ取付面側端部と
の間の隙間,および,外側のリング状縦板の下端部とリ
ム内周面の下端部との間の隙間を通して,圧縮空気をス
ポーク裏面部に送るようにした特許請求の範囲請求項1
ないしは請求項3記載のアルミホイールの強度増強法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP07418496A JP3382774B2 (ja) | 1996-03-28 | 1996-03-28 | アルミホイールの強度増強法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP07418496A JP3382774B2 (ja) | 1996-03-28 | 1996-03-28 | アルミホイールの強度増強法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH09262770A JPH09262770A (ja) | 1997-10-07 |
JP3382774B2 true JP3382774B2 (ja) | 2003-03-04 |
Family
ID=13539841
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
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