JP3382738B2 - ブラインド内蔵複層ガラス - Google Patents

ブラインド内蔵複層ガラス

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JP3382738B2
JP3382738B2 JP31056294A JP31056294A JP3382738B2 JP 3382738 B2 JP3382738 B2 JP 3382738B2 JP 31056294 A JP31056294 A JP 31056294A JP 31056294 A JP31056294 A JP 31056294A JP 3382738 B2 JP3382738 B2 JP 3382738B2
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幸弘 田島
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    • E06B2009/2646Magnetic screen operator

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  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Structural Engineering (AREA)
  • Architecture (AREA)
  • Civil Engineering (AREA)
  • Blinds (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はブラインド内蔵複層ガラ
スに関し、詳しくは複層ガラスに内蔵したスラットによ
る遮光状態を調節するために設けられているスラット回
転機構に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ブラインド内蔵複層ガラスは、2枚の実
質的に同形の室内側板ガラス(以下「内ガラス」とい
う)及び室外側板ガラス(以下「外ガラス」という)か
らなる複層ガラスと、この複層した内外ガラス間の隙間
を外気から塞ぐようにこれらの外周四辺近傍に組み付け
た枠体(一般に枠体を構成する上下,左右の各フレーム
を「スペーサ」と称する)からなる枠体構造とを有し、
これらにより形成された縦型扁平な隙間空間(内部空
間)に、多数枚のスラットを所定の上下間隔を開けて梯
子状のラダーコードで支持した組立体としてのブライン
ドを収容し、更に遮光状態の調節用として該ラダーコー
ドの上端が連結された回転軸を上部スペーサ内に設け
て、外部から回転軸を回転操作することでスラット群を
回転傾動を行なわせる構造のものとして知られる。
【0003】このブラインド内蔵複層ガラスに組み込ま
れる上記回転軸を含むラダーコード回転機構は、上記の
ようにラダーコードを吊持しかつ軸回り回転可能の回転
軸を内部空間上部(通常上部スペーサ内)に設置し、こ
の回転軸を外部から人為的に軸回り回転させる操作機構
を設けてなるものであり、例えば、上記回転軸と同じ高
さ位置のガラス外面に操作機構を取付けた形式のもの
(特開平2−46160号)、片側の縦スペーサの壁面
を内外に貫通するダイヤル式回転操作軸を設け、このダ
イヤル式回転操作軸の縦スペーサ内の軸部及び上記ラダ
ーコード用回転軸という互いにねじれ関係にある2軸間
に回転伝達ひも掛け回して、外からダイヤル式回転操作
軸を操作した時の回転を該伝達ひもを介してラダーコー
ド用回転軸に伝える形式のもの(実公平2−13677
号、実開平5−67794号)、ラダーコードの垂直紐
に従動用の磁石を組付けると共に、操作用磁石をガラス
外面に摺動可能に取付け、操作用磁石の上下操作によ
り、従動用磁石をガラス内面に接触させた状態で上下方
向に移動させることでラダーコードの片側の紐を上下さ
せることを介して回転軸を回転させる形式のもの(実公
平1−35996号、実開昭62−91895号)等が
知られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、例えば上記の
特開平2−46160号で提案される回転軸と同じ高さ
に回転操作の機構を設けた形式では、操作位置が高すぎ
て手が届き難いなどの操作上の欠点を招くため、製品の
高さ寸法に制約を受けるという問題がある。
【0005】また、上記実公平2−13677号で提案
されるダイヤル式操作機構では、ダイヤルの回転軸がス
ペーサの壁面を内外に貫通するために、内部空間と外気
の封止を無調整,部品無交換で長期間に渡り維持するこ
とが容易でないという問題がある。内部空間の封止が求
められるのは、塵,埃りの侵入を防止して清掃を不要と
し、また建物内外の温度差による内部結露を生じないよ
うに内部空間に乾燥空気を封入,保持することが望まれ
るなどの理由による。
【0006】更に、ラダーコードの垂直紐に磁石を取付
ける上記実公平1−35996号、実開昭62−918
95号提案の機構では、スラットの傾動状態に伴ってラ
ダーコードの前後一対の垂直紐はその間隔を広げたり狭
めたりする動きをするが、内ガラス内面に接触させた垂
直紐に磁石を取付けているために垂直紐の水平方向の動
きが制約されてしまい、その結果、スラットの傾動時の
姿勢、特に最大傾斜時にスラット全体が内ガラス面に寄
せられて遮光状態が不良になる問題を招く。この問題
は、内外ガラス間隔が小さく(例えば10mm程度以
下)、スラット幅長が短いブラインド複層ガラスでは、
スラット同士の重なり代が少ないために致命的欠点とな
ってしまう。
【0007】本発明は、以上のようなブラインド内蔵複
層ガラスに組み込まれている従来形式のラダーコード回
転機構の欠点を解消した新規なラダーコード回転機構を
提供するためになされたものであり、その目的の一つ
は、ガラスの外面から容易に操作できると共に、これに
よりガラス周縁のスペーサに収容すべき各種機構を少な
くでき、スペーサの小型化、開口率(ガラス面の占める
率)の増大が可能なブラインド内蔵複層ガラスを提供す
るところにある。
【0008】また本発明の別の目的は、人為的に操作す
る外部回転操作機構の動きを、スラット回転用の回転軸
に確実に伝えることができるブラインド内蔵複層ガラス
を提供するところにある。
【0009】また更に本発明の別の目的は、内部空間を
確実に外気から封止できる構造のブラインド内蔵複層ガ
ラスを提供するところにある。
【0010】本発明の更に別の目的は、外部の回転操作
機構を極力簡素化し、また操作する者が容易に手の届く
位置に設けることができて操作が容易であり、しかも意
匠的にも優れたブラインド内蔵複層ガラスを提供すると
ころにある。
【0011】又更に本発明の別の目的は、工場等におい
てのアッセンブル作業が容易で、かつ設置施行現場にお
ける作業も容易なブラインド内蔵複層ガラスを提供する
ところにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記の目的を実現する本
発明のブラインド内蔵複層ガラスの特徴は、上記特許請
求の範囲の各請求項に記載した構成をなすところにあ
る。
【0013】本発明の請求項1に記載した発明の特徴
は、隙間を開けて対向する一対の縦型ガラス板と、この
ガラス板の隙間内部を外気から区画するようにガラス板
周縁に組み付けた環状の枠体とを有し、上部の回転軸か
ら垂下したラダーコードでスラット群を回転可能に吊持
したブラインドを、上記ガラス板と枠体で形成した内部
空間内に収容したブラインド内蔵複層ガラスにおいて、
片側のガラス板外面に接触しながら上下移動操作可能に
設けられた外部操作部材、及び該外部操作部材に対向し
て該ガラス板内面に接触しながら上下移動可能に設けら
れた従動部材の対からなる操作機構を、これらに設けた
磁石の吸引力で従動部材が外部操作部材の移動に追随し
て上下移動するように設け、かつ、従動部材下方に設け
た連携紐転向用の軸と上記ブラインドの上部回転軸の間
に正逆回転可能に上部回転軸回転用の連携紐を掛け回す
と共に、該連携紐は従動部材の上下移動に連係してルー
プの一方向又は他方向に移動するように設け、上記外部
操作部材のガラスに接触する面は、低摩擦係数かつガス
不透過性のフィルム又はプレートにより被覆されたとい
う構成をなすところにある。
【0014】本発明のブラインド内蔵複層ガラスは、一
般に四辺状の環状枠体を骨格として形成されたガラス窓
構造物を建物の窓部開口に組み込んでガラス窓を構成す
るものであり、組み込み後においてはガラスは取り外し
できない実質的に固定の構造をなす。そして上記「枠
体」は、一般的にはアルミ製の型材からなる上下,左右
のスペーサを四隅のコーナーブロックで連結して形成さ
れる。これらのスペーサは、必要に応じて内部空間に開
口したU字形,逆U字形に設けられ、例えば上部水平ス
ペーサ(上部スペーサという)はその内部にラダーコー
ドを吊持する上部回転軸を収容するように下向きに開口
した逆U字形に設けられている。ガラスには透明のもの
が用いられるが、すりガラスなど遮光状態の調節作用に
有益な構成のものを除外するものではない。
【0015】隙間空間(内部空間)を外気から区画する
のは、内外空気の流通による汚れを防止し、また内部に
結露が生じないように乾燥空気の封入・保持ができるも
のが望ましく、内部空間を気密的に封止する構成のもの
では、必要に応じて気温変化に伴う封入空気の容積変化
を吸収する手段、例えばダイヤフラム型の容積変化吸収
機構をスペーサ内に設けることもできる。
【0016】上記本発明の構成において、外部操作部材
は室内側のガラス(内ガラス)の外面に接した状態で人
為的に上下移動されるのに適した構造をなしているもの
であればよく、一般的にはプラスチック製,金属製等の
扁平な板状をなしているものが適している。
【0017】またこの外部操作部材は、内ガラス外面に
固定したホルダーに設けた縦方向の溝に嵌合するなどし
て上下移動を案内するように設けることが好ましく、特
にこのホルダーに不透明なものを用いることで、従動部
材等の部材や機構を覆えば意匠的にも優れたブラインド
内蔵複層ガラスとすることができる。
【0018】また上記構成において、内部空間に配置さ
れて内ガラス内面に接触して上下方向に移動可能に設け
られる従動部材は、外部操作部材と同様にプラスチック
製,金属製等の扁平な板状をなしているものが適し、ま
た必ずしも必須とするものではないが、従動部材の上下
移動の案内用ホルダーを設けることもできる。
【0019】またこれらの外部操作部材及び従動部材に
は、相互に吸引力を作用する磁石が設けられて、ガラス
板を挾んで従動部材が外部操作部材の上下移動に追随す
るように構成される。このような磁気吸引力による追随
移動のために、好ましくは、外部操作部材及び従動部材
の双方に、N極とS極が交互に対向するように複数の磁
石を組み付けることがよく、ガラスに接触する面には、
磁性体の防錆、摺動抵抗の低減などを図るために適宜の
プラスチックフィルム又はプラスチックシートを溶着等
の結合手段で被覆している。また更に磁石と共に磁気回
路を構成するための磁性体(例えば鉄板)を設けること
も好ましい。磁石には磁気作用が強いもの、例えばサマ
リウム・コバルト磁石、ネオジウム磁石等の希土類元素
の磁石が好ましく採用される。
【0020】また上記構成においては、従動部材の上下
移動は、ブラインドの上部回転軸を正逆回転させるよう
にループ状に掛け回した連係紐を介して該上部回転軸に
伝達される。
【0021】この連係紐による正逆回転力の伝達のため
の機構は、例えば、内部空間の従動部材下方に連係紐転
向用の軸を固定配置し、この連係紐転向用の軸と上部回
転軸との間に連係紐をループ状に張設すると共に、連係
紐を従動部材に連結固定して構成することができるが、
これに限定されるものではない。連係紐の従動部材への
固定は、紐の両端を従動部材に繋着する他、連係紐を無
端に設けてその中間に形成した結び目を従動部材に孔,
凹部等に引っ掛けるなど、従動部材の上下移動に連係し
て連係紐がループの一方向又は他方向に移動するもので
あればいずれの方式でもよい。上記連係紐転向用の軸の
固定は、縦(側面)スペーサにブラケットを介して固定
する他、例えば、ガラス外面に固定したホルダーに軸固
定用の磁石を組み付けると共に、連係紐転向用の軸の保
持用ブラケットにも磁石を組み付けてこれらの間の磁気
吸引力で固定させるように設けることもできる。連係紐
転向用の軸は、固定の軸であってもよいが、回転ドラ
ム,ローラ等が好ましい。
【0022】上記構成においては、連係紐転向用の軸の
固定位置を上下方向に変更調整するための組付け位置再
定位手段を設けることもできる。これは、上述した連係
紐が経年劣化等により伸びることが考えられるから、こ
のような伸びを生じた場合の回転力伝達に支障がないよ
うに連係紐転向用の軸の固定位置を移動させて連係紐の
張設状態を調整するのが好ましいからである。このよう
な組付け位置再定位手段として具体的には、例えば上記
連係紐転向用の軸の固定用磁石を、内ガラス外面に固定
したホルダーに対して上下方向に位置調整できるように
設ける構成を挙げることができる。
【0023】また、連係紐による正逆回転力の伝達機構
は、無端の連係紐を上記連係紐転向用の軸と上部回転軸
の間にループ状に張設すると共に、この連係紐転向用の
軸をピニオン、従動部材をラックとしたピニオン−ラッ
ク機構により正逆移動させるようにして構成することも
できる。
【0024】本発明の特に好ましい構成としては、従動
部材及び連係紐を内部空間の左右方向の片側に片寄せて
配置すると共に、この配置領域をスラット群の非延設空
間に設け、内ガラス外面に固定する不透明なホルダーに
よってこの非延設空間を外部から遮蔽するように設けた
ものを挙げることができ、このようにすることで遮光性
にも優れ、また意匠的にも優れたブラインド内蔵複層ガ
ラスとすることができる。
【0025】
【作用】本発明によれば、ブラインド内蔵複層ガラスの
寸法等に影響されることなく外部操作部材を、操作者の
手の届く所望の位置に配置でき、ブラインド内の汚れや
結露の防止に有効な内部空間の外気からの封止も確実に
行なえる。
【0026】
【実施例】以下、本発明を図面に示す実施例に基づいて
更に説明する。
【0027】実施例1 図1は本実施例のブラインド内蔵複層ガラスの構成を、
一部を断面した正面図で示した図、図2〜図5はこれに
内蔵されたブラインドにおいてのスラットを略水平姿勢
にしたスラット開時の状態を説明するための図、図6〜
図8はスラット開時から90°傾動させたスラット閉
(遮光)時の状態を説明するための図である。
【0028】これらの図において、1は長方形型の室内
側ガラス、2は同形の室外側ガラスであり、これらの四
辺縁部の間には矩形枠状の枠体3が組みつけられて内側
に内部空間9を形成している。この枠体3は、アルミ製
の部材で形成された上部スペーサ301,下部スペーサ
302,縦スペーサ303,304と、枠体の角部でこ
れらを連結するコーナーブロック305〜308とから
なっている。
【0029】上記上部スペーサ301は下向きに開口し
た逆U字形をなしていて、その内部に回転軸4がその長
尺方向に沿って延設されて、その途中の左右一対の位置
に、ラダーコード吊持用ドラム5,5が該回転軸4と一
体回転するように軸着されている。また回転軸4の片側
(図1では左側)の端部近傍には、後述する回転操作機
構10からの回転力が伝達される回転伝達用ドラム6が
同様に軸着されている。
【0030】そして上記のラダーコード吊持用ドラム
5,5に上端が連結されたラダーコード7,7が内部空
間の下方に吊持されて多数のスラット8,8・・・が一
定の上下方向間隔を開けて支持されている。なお本例に
おいては、これらの各スラットにはその端部(図1の右
側端部)に貫通口(図示せず)を形成して上下方向に架
設した転倒防止用ワイヤー11を挿通させるように設け
ている。このワイヤー11は、スラットの転倒防止と長
尺方向についての位置決め作用を与えるものであり、両
端は上部スペーサ301及び下部スペーサ302に固定
されている。
【0031】また本例のスラットの一部のもの(図1中
に符号801で示す)は、図1に示すように短尺に設け
られ、後述する回転操作機構10と構造が重複しないよ
うに図3に示すスラット非延設空間91を形成してい
る。
【0032】次に、上記回転軸4を回転させるための回
転操作機構10につき説明する。
【0033】本例の回転操作機構10は、スラット開時
の状態を示す図2及びその断面を示した図4,5により
明瞭に説明される。すなわち、該回転操作機構10は、
上下方向に縦長の開口100を有する不透明な板体から
なるホルダー101を接着剤により内ガラス1の外面に
接着固定し、このホルダー101の開口100内縁に設
けた段付保持部102に、縦長板状をなす外部操作部材
103を組付けて、人為的に上下移動操作できる操作部
を形成させると共に、内ガラス1を挾んで内部空間9に
は下記従動部材を対向配置してなっている。
【0034】そして本例においては、上記外部操作部材
103は、プラスチック製の板状磁石ホルダー1031
に上下方向に沿って4個の磁石104,105(ガラス
面にN極が対向する磁石を104で示し、ガラス面にS
極が対向する磁石を105で示した)がガラス面に対し
てN極とS極が交互に対向するように略等間隔に内蔵さ
せ、更にこれら磁石104,105のガラス面とは反対
側の面に磁気回路を形成するための鉄板106を内蔵し
た構造に設けられている。なお本例の外部操作部材10
3のガラスに接触する面には、内蔵する鉄板等の防錆及
び摺動抵抗の低減のために低摩擦係数でガス不透過性の
フィルム又はプレート(図示せず)が溶着等の結合手段
によって被覆されている。またこの外部操作部材103
の外面が操作者の回転操作に適する例えばリブ付き形状
等に設けてもよいことは言うまでもない。
【0035】内部空間に配置された従動部材108は、
外部操作部材103の磁石104,105と反対の極が
対向するように設置される4個の磁石を有する他、略同
じ構成のプラスチック製の板状磁石ホルダー1032及
び鉄板107を有し、その上下端部に連係紐110の両
端が繋着された構造をなしている。
【0036】このような人為的に操作される外部操作部
材103と従動部材108とが、相互に吸引力を作用す
る磁石を対向して有していることによって、外部操作部
材103の上下移動で従動部材108が追随して上下移
動する。
【0037】そしてこの従動部材108の上下移動は、
この従動部材108に両端が繋着されかつ内外ガラス
1,2に沿って沿設された連係紐110を介して上部ス
ペーサ301内の回転軸4に伝えられ、これに軸着した
回転伝達用ドラム6を回転させるようになっている。本
例における連係紐110は、従動部材108の上端のフ
ァスナークリップ1081に繋着された一端から、内ガ
ラス1の内面に沿って上方に延設され、姿勢ガイド板1
11により張設姿勢が整えられながら回転軸4に1回巻
回して回転伝達用ドラム6の爪601,601で固定さ
れた後、姿勢ガイド板111により張設姿勢が整えられ
ながら外ガラス2に沿って下方に延設され、従動部材1
08の下方に固定して設けられた転向用回転ドラム11
2で転回されて、従動部材108の下端のファスナーク
リップ1081に繋着されるように設けられている。
【0038】なお連係紐110が係合する上記転向用回
転ドラム112は、図3に示すように側方スペーサ30
3にビスで固定されたブラケット113により固定的に
支持されている。
【0039】以上の構成をなすブラインド内蔵複層ガラ
スの操作に伴う各部の動きを図面にしたがって説明する
と、図1〜図5に示したスラット開時の状態において
は、各スラット8,8・・・・(801を含む)は水平
な姿勢をなしていて、各部は図1〜図5に示した状態に
ある。
【0040】次に、外部操作部材10を図1の下方に下
動させると、従動部材108がこれに追随して下動し、
この従動部材108に繋着されている連係紐110が、
図4の反時計回り方向に回転される。これによって、ス
ラット8,8・・・・を図6〜図8に示した閉状態に傾
動させ、所定の遮光状態が確保される。また本例におい
ては短尺のスラット801が延設されていない領域(ス
ラット非延設空間91)は、不透明なホルダー101で
カバーされているため遮光状態に支障を生じない。
【0041】なお、図6は図2に、図7は図3に、図8
は図4にそれぞれ対応した位置のスラット閉状態を図示
したものである。
【0042】以上のように、本実施例によれば、ホルダ
ー101で保持された外部操作部材103を人為的に上
下移動操作することで、ブラインドのスラットの開閉を
簡単かつ確実に行なうことができ、また、外部で操作さ
れる機構が、内部空間に収容されている従動部材10
8、連係紐110と非接触であるため、内外に空気を流
通させるような貫通口がなく、内部空間を外気から区画
しかつ封止することが長期間に渡って確実に確保、維持
できる。また、上記構成であるので、室内側から見える
のは外部操作部材,ホルダー、及び連係紐の一部のみで
あるため、ブラインド内蔵複層ガラスとして意匠的にも
優れたものとできる。
【0043】
【発明の効果】本発明により以下に述べる種々の効果を
奏するブラインド内蔵複層ガラスが提供される。
【0044】:ガラスの外面上の回転操作機構により
操作でき、これによってガラスを支える周囲の枠体に回
転機構や操作機構を収容することが不要となって、枠体
寸法を小さくできガラス開口率を高めることができる。
【0045】:ガラス外面上に外部操作部材を設け
て、人為的な操作による力をブラインドの回転軸に確実
に伝えることを保証しながら、内部空間を外気から確実
にかつ経年的にも安定して封止することができて、ブラ
インド清掃の必要性がなく、結露の問題も招くことがな
い。また、上記外部操作部材のガラスに接触する面は、
低摩擦係数かつガス不透過性のフィルム又はプレートに
より被覆されているので、例えば磁石と共に磁気回路を
構成するために設けられた磁性体、例えば鉄板の防錆が
行なえ、摺動抵抗の低減を図ることができる。
【0046】:操作する者が容易に手の届く位置に操
作機構を配置できる構成としたのでブラインド内蔵複層
ガラスの寸法に制約されることがなく、また、縦スペー
サの近傍に操作機構を配置する場合には、ブラインド内
蔵複層ガラスの中央に操作機構を配置する従来例に比べ
て意匠的にも優れている。
【0047】:構造が簡単で部品数も少ないので、工
場等においてのアッセンブル作業が容易で、かつ設置施
行現場における作業も容易である。
【0048】:回転操作機構との重複を避けるために
一部短尺のスラットを使用しても、スラットが延設され
ていない範囲を不透明なホルダーでカバーすれば遮光性
を確保でき、意匠的な不具合も招かない。
【0049】:転向用の軸の位置を再定位する手段を
設けた構成によれば、連係紐が経年使用に伴って伸びて
たるみを生じたような場合にも、ラダーコード吊持用ド
ラムと下部の転向用の回転ドラムの間に掛け回した連係
紐の張設状態を簡単な調整作業で再び緊張状態とでき
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明よりなるブラインド内蔵複層ガラスの実
施例の構成概要を示す一部断面を含む正面図、
【図2】同実施例のスラット開時の回転操作機構部分を
拡大した正面図。
【図3】図2の回転操作機構部分の内部構造を示した
図。
【図4】図2のA−A線の断面図。
【図5】図2のB−B線の断面図。
【図6】図2に対応するスラット閉時の回転操作機構部
分を拡大した正面図。
【図7】図3に対応するスラット閉時の回転操作機構部
分を拡大した正面図。
【図8】図6のC−C線の断面図。
【符号の説明】
1…内(室内側)ガラス、2…外(室外側)ガラス、3
…枠体、4…回転軸、5…ラダーコード吊持用ドラム、
6…回転伝達用ドラム、7…ラダーコード、8…スラッ
ト、9…内部空間、10…回転操作機構、101…ホル
ダー、102…段付保持部、103…外部操作部材、1
04,105…磁石、106,107…鉄板、108…
従動部材、110…連係紐、111…姿勢ガイド板、1
12…転向用回転ドラム、113…ブラケット、301
…上部スペーサ、302…下部スペーサ、303,30
4…側方(縦)スペーサ、305〜308…コーナーブ
ロック。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 曽根 章 東京都中央区日本橋3丁目15番4号 株 式会社ニチベイ内 (56)参考文献 実開 昭62−91895(JP,U) 実開 昭64−2992(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) E06B 9/264 E06B 9/32

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 隙間を開けて対向する一対の縦型ガラス
    板と、このガラス板の隙間内部を外気から区画するよう
    にガラス板周縁に組み付けた環状の枠体とを有し、上部
    の回転軸から垂下したラダーコードでスラット群を回転
    可能に吊持したブラインドを、上記ガラス板と枠体で形
    成した内部空間に収容したブラインド内蔵複層ガラスに
    おいて、 片側のガラス板外面に接触しながら上下移動操作可能に
    設けられた外部操作部材、及び該外部操作部材に対向し
    て該ガラス板内面に接触しながら上下移動可能に設けら
    れた従動部材の対からなる操作機構を、これらに設けた
    磁石の吸引力で従動部材が外部操作部材の移動に追随し
    て上下移動するように設け、かつ、従動部材下方に設け
    た連携紐転向用の軸と上記ブラインドの上部回転軸の間
    に正逆回転可能に上部回転軸回転用の連携紐を掛け回す
    と共に、該連携紐は従動部材の上下移動に連係してルー
    プの一方向又は他方向に移動するように設け、上記外部
    操作部材のガラスに接触する面は、低摩擦係数かつガス
    不透過性のフィルム又はプレートにより被覆されたこ
    と、を特徴とするブラインド内蔵層ガラス。
  2. 【請求項2】 請求項1において、連係紐転向用の軸と
    上部回転軸との間に掛け回した連係紐を、従動部材に連
    結固定したことを特徴とするブラインド内蔵複層ガラ
    ス。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2において、外部操作部材
    の上下移動を案内する不透明なホルダーをガラス外面に
    固定したことを特徴とするブラインド内蔵複層ガラス。
  4. 【請求項4】 請求項3において、従動部材及び連係紐
    を内部空間の左右方向の片側に片寄せて配置すると共
    に、該配置領域はスラット群の非延設空間として設定
    し、不透明なホルダーを該非延設空間を外部から遮蔽す
    るように設けたことを特徴とするブラインド内蔵複層ガ
    ラス。
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