JP3380860B2 - 発光素子 - Google Patents

発光素子

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JP3380860B2
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洋司 山口
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は大画面ディスプレ
イ装置、特にカラー大画面ディスプレイ装置の画素を構
成する発光素子に関するものである。
【0002】
【従来の技術】図13は実開平5−31099 号公報に記載さ
れた従来の大画面ディスプレイ装置に用いられる発光素
子の分解斜視図、図14(A),(B) は図13の発光素子の側面
断面図およびその陽極近傍の部分拡大図である。図13、
14はいずれも説明の都合上その構造を簡素化して示して
いるものである。図13および図14において、1aは正方
形の蛍光体9がマトリックス状に配列塗布された前面パ
ネル、1bは四角形の枠状をなすスペーサ、1cは各種
制御電極が配設された基板(背面パネル)である。これ
らは発光素子の真空容器1を構成する。2は線状のカソ
ード電極で、蛍光体9の配列の行、あるいは列方向に平
行して架線されている。カソード電極の長手方向を19
0で示す。3は第1の制御電極(走査電極とも言う)、
4は第2の制御電極(データ電極とも言う)である。
【0003】5と6は走査電極3またはデータ電極4を
それぞれ行方向または列方向に接続する配線、7はカソ
ード電極2の長手方向側の外側に向かって傾斜をもつ箱
状のシールド電極で、電子が通過する開口部7aが設け
られている。各蛍光体9は高電圧(約10kV)が印加さ
れ、陽極電極8により囲まれている。ここで、陽極電極
8は蛍光体9と対応した開口部8a、(蛍光体9が正方
形なら開口部も正方形、蛍光体9が矩形なら開口部も矩
形、即ち、ほぼ相似形)を有するシャドウマスク状の平
板構造で、その両端部(カソード電極2の長手方向側の
両端部)を蛍光体9側に折り曲げて第1の折曲げ部20が
構成されている。また、蛍光体9と同電位に荷電されて
いる。以下、ここでは蛍光体9が正方形の場合に限って
説明している。 10は排気部、11は電気力線の形を説明
する線である。90は説明の都合上熱電子の流れを線で
示すものである。
【0004】次に動作について説明する。この発光素子
の基本原理は、カソード電極2から放出された熱電子を
陽極8の方向に加速し、前面パネル1aに塗布された蛍
光体9に衝突させてこれを励起し、発光せしめるもので
ある。カソード電極2から放出された熱電子は第1の制
御電極3(以下走査電極)と第2の制御電極4(以下デ
ータ電極)の電位の組合わせにより、次の様に振る舞
う。
【0005】走査電極3、及びデータ電極4がともに
カソード2に対して正の場合、走査電極3、およびデー
タ電極4の正電位によりカソード2から電子が放出され
る。放出された電子は、所定の開口部7aを通過し、陽
極に達し蛍光体9を発光せしめる。 走査電極3が正で、データ電極4が負の場合、データ
電極4の負電位によりカソード2から放出された電子が
陽極8に達することはできず、蛍光体9は発光しない。 走査電極3が負で、データ電極4が正の場合、走査電
極3の負電位によりカソード2の近傍の電位が負になる
ので、熱電子の放出が抑制され、蛍光体9は発光しな
い。 走査電極3、データ電極4ともに負の場合、カソード
2の近傍の電位が負になるので、熱電子の放出が抑制さ
れ、蛍光体9は発光しない。
【0006】この結果、正の電位が印加された走査電極
3と、正の電位が印加されたデータ電極4の交点に位置
するカソード電極2から放出された電子のみが開口部7
aを通過することができ、対応した蛍光体9が発光する
ことになる。こうして走査電極3に逐次走査信号を印加
するとともに、これと同期してデータ電極4に任意のデ
ータ信号を印加することによって、任意の表示を得るこ
とができるようになる。ここで、カソード電極2は直熱
型の線状カソードが使用される。これは所定の電流が流
れることにより加熱され、熱電子の放出がなされるもの
で消費電力が小さいと言う特徴があるからである。
【0007】また、カソード電極2から放出される電子
が各蛍光体9に均一に照射されるように、カソード2は
各蛍光体9に対応して1本ずつ架線されている。そし
て、また、発光素子としては前面パネルの開口率を大き
くして輝度を上げるために、蛍光体は前面パネルのでき
るだけ端部から塗布しているのに対して、カソード電極
2は極端な端部には配設することが出来ない。そのた
め、電子ビームを蛍光体の端部を含めて全域に均一に照
射するために、特に端部では電子ビームを偏向する必要
があり、特開平01−253148号公報 や実開平5
−31099号公報などにあるように、陽極電極をセパ
レート型からシャドウマスク型に変えたり、単なるシャ
ドウマスク状の平板構造ではなく箱状にすることなども
提案されているが、いずれもその効果は不十分であっ
た。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】従来の発光素子は以上
のように構成されているので、第1の課題は端部まで電
子ビームを均一に照射するためにはシールド電極を外側
に向かって傾斜をもつ箱状の構造につくらざるを得ず、
しかもこの傾斜角度の決定は極めて困難であり、従来の
構成ではシールド電極の傾斜角を最適に決めるために何
回も試作を繰り返す必要がある上、シールド電極の製作
コストも単純な箱形でないため高価となるという問題が
あった。
【0009】第2の課題は、正方形の蛍光体と線状のカ
ソード電極に対して正方形の陽極開口を用いているた
め、全ての蛍光体について、1つの蛍光体の面上で照射
ムラが生じると言う問題があった。第3の課題は端部の
蛍光体と中央部の蛍光体との間に照射量、つまり、明る
さの差が生じるという問題があった。
【0010】この発明は上記のような問題点を解消する
ためになされたもので、陽極構造を工夫することによ
り、シールド電極の形を複雑にしなくても電子ビームの
偏向を行ない、均一な照射を得られるとともに、試作の
繰り返しの少ない、かつ安価な発光素子を得ることを目
的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】この発明に係る発光素子
は、後面に蛍光体をマトリックス状に配列した前面パネ
ル、蛍光体の各々に対応して配置された線状のカソード
電極を前面に有する背面パネル、この前面パネルと背面
パネルとを、周囲を囲うスペーサを介して互に気密接合
した真空容器、この真空容器内のカソード電極と蛍光体
との間に設置されたシールド電極、このシールド電極と
蛍光体との間にあって蛍光体の各々に対応する開口部を
有するシャドウマスク状の平板構造を持つとともに、蛍
光体と同電位に荷電され、且つ、カソード電極の長手方
向に対応する両端部を前面パネル側に折曲げた第1折曲
げ部を有する陽極電極を備えた発光素子において、陽極
電極の開口部の形状は、蛍光体の形状に相似な形状を基
準として、カソード電極に直交する方向の寸法を拡大し
た形状を有するものであることを特徴とするものであ
る。
【0012】また、蛍光体の形状が正方形であり、シー
ルド電極の構造が平板状で、陽極電極の開口部の形状は
カソード電極に直交する方向の寸法がカソード電極に平
行する方向の寸法より大きい矩形であることを特徴とす
るものである。
【0013】また、陽極電極の第1折曲げ部が設けられ
た側の両端部にスペーサの内面に沿ってシールド電極側
に折曲げた第2の折曲げ部を有することを特徴とするも
のである。
【0014】この発明による陽極の開口の寸法は、陽極
の端の開口での偏向を端以外の開口での偏向より大きく
する作用を有する。
【0015】
【発明の実施の形態】実施の形態1.以下、この発明の
実施の形態1を図について説明する。図1(A),(B) にお
いて、17は箱型の(即ち、上面に従来のように山形の斜
面がない)シールド電極、18はこの発明によるシャドウ
マスク状の平板構造をもつ陽極電極で、線状カソード2
の長手方向190からみて陽極18の両端部181 をスペー
サ1bに沿って蛍光体9側に伸ばした第1の折曲げ部20
と、シールド電極17側に伸ばした第2の折曲げ部182 を
設けたものである。図1(B) は陽極18の両端部181 の
部分拡大図及び電気力線11である。
【0016】図14(B) に示した従来の陽極8の場合の電
気力線11と比べ、この図の場合の電気力線11は、シール
ド電極17側に伸ばした第2の折曲げ部182 に引き付けら
れていて、電子ビームをスペーサ1b側に偏向する作用
をもつ(電子ビームは電気力線11に対して直角方向に
進む性質があるので)ことがよくわかる。このような偏
向作用により、電子ビームは両端部の蛍光体9の真中に
照射され、両端部の蛍光体についても画素全域が均一に
光るようになる。
【0017】但し、電子ビームの偏向を適正にするに
は、シールド電極17側に伸ばす第2の折曲げ部182 の長
さを相当程度大きくする必要があるが、あまり長くする
とシールド電極17との間で絶縁破壊が生じるので、十分
には伸せないと言う問題点がある。
【0018】実施の形態2.実施の形態1の方法ではシ
ールド電極17の近くまで伸ばした陽極の第2の折曲げ部
182 がシールド電極17との間で絶縁破壊を起こす恐れが
有るのを解決した実施の形態2による陽極の構造の一例
を図2(A) に示す。図において、スペーサ1bに沿って
陽極電極18の端部181 を蛍光体9側に伸ばした第1の折
曲げ部20と、シールド電極17側にも第2の折曲げ部182
として伸ばし、さらに、シールド電極17側に伸ばした第
2の折曲げ部182 の先端をスペーサ1bに垂直な方向
(内側)に折り曲げて第3の折曲げ部183 としたもので
ある。
【0019】図2(B) に部分拡大図及び電気力線の形11
を示す。シールド電極17側に伸ばした第2の折曲げ部18
2 の先端部をスペーサ1bに垂直な方向に折り曲げ、第
3の折曲げ部183 としたことにより、電気力線11の形
を変え、実施の形態1の場合に比べ第2の折曲げ部18
2の長さが同じ折曲げ長さでもさらに偏向の度合を大き
くすることができるばかりでなく、シールド電極17と
の距離が折り曲げた分短かくなるので絶縁破壊の恐れも
なくなる。
【0020】実施の形態3.本発明の実施の形態3を図
3に示す。実施の形態1の図1の構造の場合、陽極電極
は2又は3枚の板を溶接するなどして製作する必要があ
り、加工が複雑となると言う問題がある。実施の形態3
は図3(A),(B),(C) に示したもので、図3(A) は図1と
同様にスペーサ1bに沿って陽極電極18の一部を蛍光体
9側に伸ばした第1の折曲げ部20と、シールド電極17側
にも伸ばして折曲り部を設けた発光素子の側面図であ
る。図3(B) に示しているのは組み立てる前のハーフエ
ッチング加工(点線で示す)をした陽極電極18、図3
(C) に示しているのは、ハーフエッチング部を折り曲げ
て組み立てたあとの陽極電極18である。
【0021】図において、両端部の開口18a1 〜18a4
は図(C) に示すようにスペーサ1bに沿ってシールド電
極17側に折曲げて第4の折曲げ部184 を設けている。第
4の折曲げ部184は図3(B),(C) に示しているような
エッチング加工をした陽極電極18からつくられているの
で、18a1 から18a4 に示すように陽極電極の開口部の
下の部分のみがとびとびにシールド電極17側に伸ばされ
ている。このような陽極電極18をつくることにより、1
枚の部品をエッチング加工するだけで、蛍光体9側に第
1の折曲げ部20を、又シールド電極17側に第4の折曲げ
部184 を設けることができて、電気力線による電子ビー
ム偏向の効果は実施の形態1と同等の発光素子をつくる
ことができる。しかも、図3(B) に示しているように陽
極電極18は1枚の板からつくることができるので、図1
の場合(この場合、陽極電極の部品点数は2枚にな
る。)に比べて安価につくれるという特長がある。
【0022】なお、図3では第4の折曲げ部184 は、陽
極18の端部181 から少し離れた開口18a1 〜18a4 のと
ころに設けられているように記載されているが、第4の
折曲げ部184 の位置は、ほぼ端部181 に近い位置であれ
ば偏向効果は同じ効果が得られるのであって、それほど
厳密である必要はない。
【0023】又、ここでエッチング加工すると記載して
いるが、所定の寸法精度が確保できればプレス加工でも
よいことは自明であり、又、第4の折曲げ部184 の先端
を図2のように更に折曲げて、先端に第3の折曲げ部1
83を設けてもよいことは自明である。
【0024】実施の形態4.実施の形態1ないし3、あ
るいは従来例の図13、14でも、蛍光体9の数が縦横4個
づつの16画素の場合について示したが、よく使用される
発光素子には蛍光体9の数が縦横8個づつの64画素程度
のもの、あるいは更に多いものもある。
【0025】このように画素数が多い場合には、図13の
シールド電極7の傾斜した面に複数列の開口がならぶよ
うになり、図1ないし図3の方法では、未だ十分な偏向
効果が得られないようになる。このような場合にも効果
のある実施の形態を図4に示す。
【0026】図4(A) は実施の形態4による発光素子の
陽極18であり折り曲げる前のエッチング加工をした陽極
電極18、図4(B) は、ハーフエッチング部を折り曲げて
組み立てたあとの同一の陽極電極18、図4(C) は同一の
陽極電極18の側面図である。なお、開口部18aは4列以
上あるが中央部を省略して記載している。図4では説明
の都合上発光素子の側面図は省き、この発明の中心をな
す陽極電極18に絞って記している。
【0027】図において、両端から2列目の開口部18b
も、両端部の開口18aと同様に、外側のみスペーサ1b
に平行に2列目の開口部18bの一部をシールド電極17側
に折り曲げ、第5の折曲げ部185 を設けている。た
だしこの2列目の開口の第5の折り曲げ部の長さは、2
列目の開口部18bの正方形の一辺の長さをaとすると、
通常それより短いbの長さが適当である。また、この両
端から1列目の開口の第4の折曲げ部184と2列目の
第5の折曲げ部185とでは、2列目の第5の折曲げ部
185の方が短い。このように第5の折曲げ部185
を設けることにより、この折曲げ部に沿って電気力線
(図示せず、図1(B) 参照) がはしるので、この部分に
も偏向作用が生じる。
【0028】図1〜図3に示しているような16画素程度
の精細度の低い発光素子の場合は、この2列目の第5の
折曲げ部185は必要ではない場合が多いが、1発光素
子で64画素以上をもつような高精細発光素子の場合は、
図13のシールド電極7の斜め両端部に画素が2列ある場
合が多く、この例で示したような両端の開口の2列づつ
に折曲げ部を設けて電子ビームを偏向する必要がある。
【0029】このような、両端から2列目の開口の第5
の折曲げ部185 を有する陽極電極18をつくる方法と
して、実施の形態3の場合と同様に1枚の部品をエッチ
ング加工して折曲げることにより陽極電極18を製造で
き、電気力線による電子ビーム偏向の効果は実施の形態
2と同様大きい発光素子をつくることができ安価につく
れるという特長がある。
【0030】実施の形態5.画素数(蛍光体9の数)が
64程度の場合について実施の形態4の図4に示したが、
更に多い場合に本発明を一般的に適用する例を図5に示
す。説明の都合上発光素子の側面図は省き、この発明の
中心をなす陽極電極18に絞って示している。
【0031】図5(A) に示しているのは折り曲げる前の
エッチング加工をした陽極電極18、図5(B) に示してい
るのは、ハーフエッチング部を折り曲げて組み立てたあ
との同一の陽極電極18、図5(C) に示しているのは同一
の陽極電極18の側面図である。尚、図は中央部分を省略
して記載している。図において、すべての開口部は第1
の折曲げ部20の設けられている側の両辺にスペーサ1
bに平行に開口部18aをシールド電極17側に折り曲げた
第6の折曲げ部186を有している。図4と違うところ
はすべての開口部の両辺に折曲げ部を設けたことであ
る。第6の折曲げ部186の長さは穴の位置によって少
しづつ変えてもよい。
【0032】図の中央に近い開口の両側の折り曲げ長さ
は、開口部18aの正方形の一辺の長さをaとすると通常
それより短いbとcの長さとなり、bとcの和は最大で
aとなる。このように折曲げ部を設けることにより、こ
の折曲げ部に沿って電気力線(図6に示す)がはしるの
で、全ての開口に偏向作用が生じる。図6は説明の都合
上、やや誇張して記しているが、図14のB)と比較すべ
き電気力線11の図を示す。ただし、この場合は開口部
の両側に偏向するので、偏向というよりビームの拡大作
用という方が正確である。このようにすることにより設
計の自由度が増える。
【0033】具体的には開口の寸法として最初から大き
めの穴をあけても良いし、小さめの穴で第6の折り曲げ
部186つきにしても良い。このような陽極電極18は、
1枚の板をエッチング加工するだけで、第1の折曲げ部
20と第6の折曲げ部186を有する陽極を製作すること
ができ、電気力線による電子ビームの偏向・拡大の効果
の大きい発光素子を安価につくれるという特長がある。
【0034】ビームの拡大効果によって前述の第2の課
題に対する効果が生まれる。即ち、カソード電極に平行
する方向には、カソード電極に直交する方向よりも強い
ビーム偏向作用が生じ、1つの蛍光体9の面内における
照射ムラが軽減されるのである。この目的のために第6
の折曲げ部186 を使用するときは寸法bは寸法cと
同じであってよい。
【0035】なお図中の第6の折曲げ部186 の寸法
は、開口18aの一辺(寸法a)を両側に折曲げて作るも
のであるので、 a≧a1 +a2 a≧b+c である。ここでa,a1 ,a2 ,b,c,は図5中に示
す寸法である。
【0036】実施の形態6.実施の形態6は図7(A),
(B),(C) に示したもので、本発明の実施の形態2を実施
の形態5に適用したものである。説明の都合上発光素子
の側面図は省き、この発明の中心をなす陽極電極18に絞
ってその実施の形態5との形状の違いを記している。図
7(A) に示しているのは折り曲げる前のエッチング加工
をした陽極電極18、図7(B) に示しているのは、ハーフ
エッチング部を折り曲げて組み立てたあとの同一の陽極
電極18、図7(C) に示しているのは同一の陽極電極18の
側面図である。図において、両端の開口部の第6の折曲
げ部186の先端に第3の折曲げ部183を追設したこ
とである。
【0037】図の両端部の折り曲げ長さは、開口部18a
の正方形の一辺の長さをaとすると、スペーサ1bに沿
って片側がa1、 もう一方の側がa2 、さらにスペーサ
1bに垂直な方向にa3 であり、a1,a2,a3 の和は最
大でaとなる。このように第3の折曲げ部183を追設
することにより、この折曲げ部a2 に沿って電気力線が
はしるので、両端部には実施の形態5の図5の場合より
も強い偏向作用が生じる。図中の寸法については下記の
関係がある。 a≧a1 +a2 +a3 a≧b+c 第3の折曲げ部183は第6の折曲げ部186の先端だ
けでなく、第2の折曲げ部182、第4の折り曲げ部1
84の先端に設けることも可能である。
【0038】実施の形態7.第2の課題に対応する本発
明の実施の形態を図8に示す。実施の形態7は図8(A),
(B) に示したもので、説明の都合上発光素子の側面図を
はぶき、この発明の中心をなす陽極電極18に絞って示し
ている。図8(A) に示しているのは本発明による陽極電
極18の外観図、図8(B) に示しているのは、同じくこの
陽極電極18の側面図である。図13の従来の陽極電極の
開口部8aは正方形の蛍光体9と対応して正方形であっ
たが、本発明ではカソード電極2が図14の(2) に示して
いるように線状である場合に、開口部18aは図8に示す
ようなカソード電極の長手方向190に直交する方向に
長い矩形の開口187 にしたものである。
【0039】陽極電極の開口部18aの形状が矩形の開口
187の方が均一な照射が得られる理由を図9に説明す
る。図9a)は矩形の開口187の短径側断面における電
気力線11の説明図、図9b)は長径側断面における電気力
線11の説明図である。短径の場合、電気力線11が陽極18
の上部(図に向って上方)まで飛び出し、長径の場合は
滑らかになって飛び出しが少いので、電子ビームは、
(電気力線に対して垂直に進むので)短径の方が大きく
偏向される。
【0040】そして、矩形の開口187の線状カソード
電極2の長手方向の長さをa、線状カソード2の径方向
の長さをdとすると、一般にa<dが成り立つ形状のと
きに、狭い部分からの拡大偏向作用が強まり、発光素子
の両端部では十分ではないものの、これ以外の部分の蛍
光体9については電子ビームを蛍光体9の全域に照射す
ることができる。この方法では穴の形を正方形から矩形
に変えるのみの折り曲げのない簡単な構造で、偏向が最
適になり蛍光体9の表面における照射むらを減らすこと
ができる。
【0041】なお、蛍光体9の形状がもともと正方形で
なく、矩形である場合は、陽極電極18の矩形の開口18
7 の形状は、蛍光体9の縦横寸法に比例した相似の形
状を基本として、この基本寸法から、カソード2の径方
向に対応する開口の辺の長さのみを長くすればよい。
【0042】実施の形態8.第3の課題である蛍光体間
の照射量の差を少なくする発明について示す。実施の形
態8は図10(A),(B),(C) に示したもので、図10(A) に示
しているのは折り曲げる前のエッチング加工をした陽極
電極18、図10(B) に示しているのはハーフエッチング部
を折り曲げて組み立てたあとの同一の陽極電極18、図10
(C) に示しているのはその側面図である。図において、
188は縦横の寸法が小さい開口である、即ち、中央部
の開口188 の面積が両端の開口部18aの面積より幾
分(0〜20%)小さくなっている。具体的には図10A)に
記載のように線状カソードの長手方向の両端の開口部の
長さをa、径方向の開口部の長さをdとし、中央部の開
口部の長さをそれぞれa0 とd0 で表せば、一例として
つぎのようになる。 0.9 a≦a0 ≦a 0.9 d≦d0 ≦d
【0043】縦横の寸法が小さい開口188は両端部の
開口18aと異なり偏向の影響を受けないので、実験に
よれば、幾分小さくしても端の蛍光体と同等な照射が得
られることが明らかになった。このようにすることによ
り、全域の蛍光体9に均一に電子ビームを照射すること
ができる。図10は開口が4列の場合であるが開口が6列
の場合には中央部の開口とは図11に示すように両端の開
口18a以外を示すものである。
【0044】実施の形態9.実施の形態1〜8に於て、
説明した技術は、それぞれ単独で用いても効果がある
が、互に組合せて同時に用いることによって、互の不足
を補なって、より良い効果を得ることができる。図12
は、そのような組合せ使用の一例を示すものである。
【0045】実施の形態9は図12(A),(B),(C) に示した
もので、図12(A) に示しているのは折り曲げる前のエッ
チング加工をした陽極電極18、図12(B) に示しているの
はハーフエッチング部を折り曲げて組み立てたあとの同
一の陽極電極18、図12(C) に示しているのはその側面図
である。図の開口187 は矩形状のものである。又、
両端の開口18a1 〜18a4 はスペーサ1bに沿ってシー
ルド電極17(図12には示していない)の方向に折り曲げ
られた第4の折曲げ部184 を有している。即ち実施の形
態3の図3の例と実施の形態7の図8の例とを同時に実
施したものである。
【0046】このようにすることにより、実施の形態7
の欠点である発光素子の両端部の偏向に関しても改善で
き、十分な性能をもつものとなる。なお、これ以外に
も、実施の形態1、2、実施の形態4から6に対して、
矩形の開口部187 をもつ陽極電極18を組み合わせ
て、この実施の形態9で示したのと同様により大きい効
果を得ることができる。
【0047】
【発明の効果】この発明によれば、開口部の形状をカソ
ード電極に直交する方向の寸法を拡大したので狭い方の
辺の拡大偏向作用が強まり、特別な折り曲げを開口部に
設けなくても電子ビームを蛍光体9の全域に照射するこ
とができる。
【0048】また、開口の形状が矩形であるとともに、
両端部の開口はスペーサに沿って蛍光体側とシールド電
極側に折り曲げられている。これにより発光素子の両端
部の偏向に関しても改善でき、十分な性能をもつものと
なる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施の形態1によるこの発明の発光素子の側
面断面図、及び陽極近傍の部分拡大図である。
【図2】 実施の形態2によるこの発明の発光素子の側
面断面図、及び陽極近傍の部分拡大図である。
【図3】 実施の形態3によるこの発明の発光素子の側
面断面図、及び陽極の加工説明図、及び組立後の斜視図
である。
【図4】 実施の形態4によるこの発明の陽極の加工説
明図、及び陽極の折り曲げ後の斜視図、及び断面図であ
る。
【図5】 実施の形態5によるこの発明の陽極の加工説
明図、及び陽極の折り曲げ後の斜視図、及び断面図であ
る。
【図6】 図5の陽極の動作原理説明図である。
【図7】 本発明の実施の形態6の発光素子の陽極の加
工説明図、及びその折曲げ斜視図、及び断面図である。
【図8】 本発明の実施の形態7の発光素子の陽極の斜
視図と断面図である。
【図9】 図8の陽極の動作原理説明図である。
【図10】 実施の形態8の発光素子の陽極の加工説明
図と折曲げ後の斜視図、及び断面図である。
【図11】 図10の陽極板の他の例の断面図である。
【図12】 実施の形態9の発光素子の陽極の加工説明
図と折曲げ後の斜視図及び断面図である。
【図13】 従来の発光素子の分解斜視図である。
【図14】 図13の発光素子の断面図及び動作説明図で
ある。
【符号の説明】
1 真空容器 1a 前面パネル 1b スペーサ 1c 背面パネル 2 カソード電極 3 走査電極 4 データ電極 7 シールド電極 7a 開口部 8 陽極電極 8a 開口部 9 蛍光体 11 電気力線 18 陽極電極 18a 開口部 20 第1の折曲
げ部 90 電子ビーム 181 陽極の端部 182 第2の折
曲げ部 183 第3の折曲げ部 184 第4の折
曲げ部 185 第5の折曲げ部 186 第6の折
曲げ部 187 矩形の開口部 188 縦横寸法
の小さい開口部 190 カソードの長手方向
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI H01J 31/15 H01J 31/15 D (72)発明者 山口 洋司 長崎市丸尾町6番14号 三菱電機株式会 社 長崎製作所内 (72)発明者 長谷川 典久 三重県伊勢市上野町字和田700番地 伊 勢電子工業株式会社内 (72)発明者 龍田 和典 三重県伊勢市上野町字和田700番地 伊 勢電子工業株式会社内 (56)参考文献 特開 平1−246750(JP,A) 特開 平8−153480(JP,A) 実開 平5−31099(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01J 63/06 G09F 9/30 320 G09F 9/30 330 G09F 9/30 341 H01J 31/15

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 後面に蛍光体をマトリックス状に配列し
    た前面パネル、前記蛍光体の各々に対応して配置された
    線状のカソード電極を前面に有する背面パネル、この前
    面パネルと背面パネルとを、周囲を囲うスペーサを介し
    て互に気密接合した真空容器、この真空容器内の前記カ
    ソード電極と前記蛍光体との間に設置されたシールド電
    極、このシールド電極と前記蛍光体との間にあって前記
    蛍光体の各々に対応する開口部を有するシャドウマスク
    状の平板構造を持つとともに、前記蛍光体と同電位に荷
    電され、且つ、前記カソード電極の長手方向に対応する
    両端部を前記前面パネル側に折曲げた第1折曲げ部を有
    する陽極電極を備えた発光素子において、 前記陽極電極の開口部の形状は、前記蛍光体の形状に相
    似な形状を基準として、前記カソード電極に直交する方
    向の寸法を拡大した形状を有するものであることを特徴
    とする発光素子。
  2. 【請求項2】 蛍光体の形状が正方形であり、シールド
    電極の構造が平板状で、陽極電極の開口部の形状はカソ
    ード電極に直交する方向の寸法がカソード電極に平行す
    る方向の寸法より大きい矩形であることを特徴とする請
    求項1に記載の発光素子。
  3. 【請求項3】 陽極電極の第1折曲げ部が設けられた側
    の両端部にスペーサの内面に沿ってシールド電極側に折
    曲げた第2の折曲げ部を有することを特徴とする請求項
    1に記載の発光素子。
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