JP3377874B2 - 薄膜センサエレメント及びその製造方法 - Google Patents

薄膜センサエレメント及びその製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は加速度センサエレメント
及び焦電型赤外線センサエレメント等に有用な誘電体薄
膜を用いた薄膜センサエレメント及びその製造方法に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、加速度センサは、自動車、電車な
どの交通産業、宇宙、航空産業、医療、工業計測等の分
野で需要が高まってきている。従来は機械式のものが使
用されていたが、近年、半導体を用いた歪ゲージ式、ま
たは静電容量型に置き換えられつつあり、小型化、高性
能化、低価格性、高信頼性が期待されている。半導体式
の加速度センサは、半導体技術およびマイクロマシニン
グ技術を用いて製造される。歪ゲージ式の加速度センサ
は、例えば図14に示すような構造(H.V. Allen他,セ
ンサー アンド アクチュエーターズ(Sensors and Ac
tuators ),20(1989),pp.153-161)である。図14
において、71は歪ゲージ式の加速度センサエレメン
ト、22はカンチレバー部、23はゲージ抵抗部(ピエ
ゾ抵抗素子)、24は接続電極、25は上部ストッパウ
エハ、26はセンシングウエハ、27は下部ストッパウ
エハ、28エアギャップ、29はおもり部である。おも
り部29、カンチレバー部22、ゲージ抵抗部23より
構成され、おもり部に加速度が加わることで、カンチレ
バー部が歪み、ピエゾ抵抗効果により、その上に形成さ
れた拡散層(ゲージ抵抗部:ピエゾ抵抗素子)の電気抵
抗値が変化する。4個のピエゾ抵抗素子からなるホイー
トストーンブリッジ回路により、加速度信号は電圧出力
の形で検出することができる。
【0003】また、静電容量型の加速度センサは、例え
ば図15に示すような構造(H. Seidel 他,センサー
アンド アクチュエーターズ(Sensors and Actuators),
A21-A23,(1990),pp.312-315)である。図15において、
81は静電容量型の加速度センサエレメント、32は上
部対向電極、33はおもり電極(可動電極)、34は下
部対向電極、35は上部ガラス、36はシリコン樹脂、
37は下部ガラス、38はエアギャップ、39はおもり
部である。静電容量を形成する電極として、一方の電極
をおもり電極33としておもり部31上に設けており、
固定された上部および下部対向電極32、34との間隔
の変化にともなう静電容量の変化量を検出することによ
り加速度信号を得ることができる。静電容量型の場合、
加速度が加わることによる容量変化が大きいため、検出
回路を工夫することで高精度の測定が可能である。半導
体を用いた加速度センサの特徴としては、アンプ等の周
辺回路も一体化が可能であるため、部品点数・接続箇所
の低減により小型化とともに高性能化が実現可能であ
る。
【0004】一方、焦電型赤外線センサは、誘電体薄膜
を応用した熱型の赤外線センサであり、常温動作が可能
であることや感度の波長依存性が小さいことなどの特長
を有し、熱型センサの中では高感度なセンサの1つであ
る。この焦電型赤外線センサは、誘電体材料であるチタ
ン酸ランタン鉛(以下、PLTと称する)が大きな焦電
特性を示すことを利用し、通常、最も高い焦電係数を示
す結晶軸方向であるc軸に結晶配向したPLT膜を用い
て製造される。焦電型赤外線センサは、受光した赤外線
を効率よくセンサ出力に変換するために、赤外線受光量
の変化に対するPLT膜の熱変化を敏感にする必要があ
る。そのため、PLT膜を支える保持構造体の形状やそ
の材料は、熱容量が小さく、かつ熱伝導による熱の損失
が少なくなるように設計される。
【0005】例えば、焦電型赤外線センサを赤外線ポイ
ントセンサなどに用る場合、その心臓部である従来の焦
電型赤外線センサエレメントは図28に示す構造を有し
ている。すなわち、厚さ約3μmのPLT膜204の両
側表面に下部引出し電極223及び上部引出し電極22
5を配置し、熱容量と熱伝導をともに小さくするため
に、ポリイミド樹脂膜222及び232だけで一体とな
ったPLT膜204、下部引出し電極223及び上部引
出し電極225を保持する。さらに、中央部に矩形状断
面を有する貫通穴を有するセラミックス製のセラミック
基板207により、ポリイミド樹脂膜222及び232
の周囲を保持する。なお、206,216,230は導
電性接着剤、208,209は接続電極である。
【0006】上記の構造を有する焦電型赤外線センサエ
レメントは、従来、図29(a)〜(f)に示す方法に
より製造されていた(例えば、高山良一ら,「焦電型赤
外線画像センサ」,ナショナルテクニカルレポート,第
39巻(No.4)(1993年),122ー130ペ
ージ参照)。まず、(100)面でへき開し鏡面研磨し
たMgO単結晶基板221を用意する。MgO単結晶基
板221を600℃に加熱した状態のままで、rfスパ
ッタ法によりチタン酸ランタン鉛のセラミックターゲッ
トをスパッタし、MgO単結晶基板221の表面にc軸
配向のPLT膜204を形成する(図29(a))。次
に、このPLT膜204の上部表面を除いてポリイミド
樹脂を塗布し、第1層ポリイミド樹脂膜222を形成す
る。続いて、その表面にスパッタ法によりNi−Crの
下部引出し電極膜223を形成する(図29(b))。
さらに、その上にポリイミド樹脂を塗布し、第2層ポリ
イミド樹脂膜232を形成する(図29(c))。この
ようにして多層膜構成物が形成されたMgO単結晶基板
221を反転し、中央部に矩形断面の貫通穴を有するア
ルミナ等のセラミックス製のセラミック基板227上に
載せ、接着剤230によりMgO単結晶基板221とセ
ラミック基板227とを接着固定する(図29
(d))。接着後、PLT膜204の熱感度を高める目
的で、MgO単結晶基板221に形成された多層膜構成
物を残してMgO単結晶基板221のMgOをエッチン
グにて完全に除去する(図29(e))。MgO除去に
より新たに表面に露出したPLT膜204の表面にNi
−Crの上部引出し電極膜225を形成する。さらに、
あらかじめセラミック基板227上に形成された接続電
極209及び208と上部引出し電極225及び下部引
出し電極223とを、それぞれ導電性ペースト206及
び216を用いて接続する(図29(f))。このよう
にして、従来の焦電型赤外線センサエレメントが得られ
る。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
半導体式の加速度センサは、半導体技術を用いた集積化
による小型化が可能な反面、アルカリ性溶液による異方
性エッチング等のマイクロマシンニング技術を駆使し
て、おもり部やカンチレバー部を形成する必要があるた
め、製造工程が複雑になるという問題があった。例え
ば、歪ゲージ式の場合、カンチレバー部を形成するのに
異方性エッチング技術を用いるが、カンチレバー部の厚
み等を制御することが難しい。また、耐衝撃性・耐共振
性ということで、おもり部を支えるカンチレバー部が複
数個で構成されるセンサエレメントについては、さらに
各部の寸法等の精度が要求され、製造工程がより高度か
つ複雑になるという問題があった。
【0008】また、上記従来の焦電型赤外線センサエレ
メントでは、ポリイミド樹脂膜222及び223だけで
焦電性誘電体酸化物膜であるPLT膜204を保持し、
セラミック基板207により上記のポリイミド樹脂膜2
22及び223の周囲を保持する構造である。そのた
め、ポリイミド樹脂222及び223とPLT膜204
やセラミック基板207の材料特性の違いによる収縮な
どにより、引出し電極223及び/又は225に切断が
発生しやすいこと、及びPLT膜204を保持するポリ
イミド樹脂膜222及び/又は223に亀裂が発生しや
すいという問題点を有していた。さらに、従来の焦電型
赤外線センサエレメントの製造方法では、(100)面
でへき開し鏡面研磨した高価なMgO単結晶基板を用い
るため、赤外線センサエレメントが高価になってしまう
こと、及び焦電性誘電体酸化物膜を形成した後、PLT
膜204の直下部分のMgO単結晶基板221をエッチ
ングにより注意深く取り除く必要があり、製造工程が複
雑であるという問題点を有していた。
【0009】本発明は、前記従来の問題を解決するた
め、小型・軽量で精度がよく、かつコストの安価な薄膜
センサエレメント及びその製造方法を提供することを目
的とする。さらに別の目的は、下地基板にMgO単結晶
を用いることなく、また薄膜部分を形成するために用い
た下地基板を研磨することなく除去することができる薄
膜センサエレメント及びその製造方法を提供することで
ある。より具体的には、本発明は、小型・軽量で精度が
よく、かつコストの安価な加速度センサと加速度センサ
エレメント及びその製造方法を提供することを目的とす
る。さらに、本発明は、下地基板をMgO単結晶を用い
ることなく、また焦電薄膜部分を形成するために用いた
下地基板を研磨することなく除去することができる焦電
型赤外線センサエレメント及びその製造方法を得ること
を目的としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するた
め、本発明の薄膜センサエレメントは、中央部近傍に略
矩形断面の開口部を有するセンサ保持基板の上に、電極
膜Aと、(100)面配向を有する電極膜Bと、前記電
極膜Aと前記電極膜Bとの間に存在する圧電性誘電体酸
化物膜を少なくとも備えた多層膜構造体を固着したとい
う構成を備えたものである。
【0011】前記構成においては、(100)面配向を
有する電極膜Bの上に圧電性誘電体酸化物膜を配置し、
さらに前記の圧電性誘電体酸化物膜の上に電極膜Aを配
置した多層膜構造体を、開口部を有するセンサ保持基板
上に反転して接着されていることが好ましい。
【0012】また前記構成においては、(100)面配
向を有する電極膜Bが、Pt電極膜及び導電性NiO電
極膜から選ばれる少なくとも一つであることが好まし
い。また前記構成においては、(100)面配向を有す
る電極膜Bが、(100)面配向の岩塩型結晶構造酸化
物膜の表面上に(100)面配向させたPt電極膜であ
ることが好ましい。
【0013】また前記構成においては、(100)面配
向を有する電極膜Bが、金属電極膜の表面上に(10
0)面配向させた導電性NiO電極膜であることが好ま
しい。また前記構成においては、中央部近傍に略矩形断
面の開口部を有するセンサ保持基板上に、その開口部を
覆うように(100)面配向の岩塩型結晶構造酸化物膜
を配置し、その表面上に(100)面配向のPt電極膜
Bを配置し、さらにその上に圧電性誘電体酸化物膜を配
置し、さらに前記の圧電性誘電体酸化物膜の上に電極膜
Aを配置したことが好ましい。
【0014】また前記構成においては、中央部近傍に略
矩形断面の開口部を有するセンサ保持基板上に、その開
口部を覆うように金属電極膜を形成し、その表面上に
(100)面配向の導電性NiO膜Bを配置し、さらに
その上に圧電性誘電体酸化物膜を配置し、さらに前記の
圧電性誘電体酸化物膜の上に電極膜Aを配置したことが
好ましい。
【0015】また前記構成においては、中央部近傍に略
矩形断面の開口部を有するセンサ保持基板上に、その開
口部を覆うように(100)面配向の導電性NiO膜B
を形成し、その表面上に圧電性誘電体酸化物膜を配置
し、さらに前記の圧電性誘電体酸化物膜の上に電極膜A
を配置したことが好ましい。
【0016】また前記構成においては、センサ保持基板
がセラミックで形成されていることが好ましい。また前
記構成においては、岩塩型結晶構造酸化物膜がMgO、
NiO、及びCoOから選ばれる少なくとも一つの膜で
あることが好ましい。
【0017】また前記構成においては、圧電性誘電体酸
化物膜がチタン酸ジルコン酸鉛(PZT)膜であること
が好ましい。また前記構成においては、圧電性誘電体酸
化物膜がチタン酸ランタン酸鉛(PLT)膜であること
が好ましい。
【0018】また前記構成においては、NiO膜にドー
パントとしてリチウムが添加されていることが好まし
い。また前記構成においては、センサエレメントが加速
度センサエレメント及び焦電型赤外線センサエレメント
から選ばれる少なくとも一つの薄膜センサエレメントで
あることが好ましい。
【0019】また前記構成においては、圧電性誘電体酸
化物膜の厚さが100nm〜20μmの範囲であること
が好ましい。次に本発明の第1番目の製造方法は、中央
部近傍に略矩形断面の開口部を有するセンサ保持基板の
上に、電極膜Aと、(100)面配向を有する電極膜B
と、前記電極膜Aと前記電極膜Bとの間に存在する圧電
性誘電体酸化物膜を少なくとも備えた多層膜構造体を固
着した薄膜センサエレメントの製造方法であって、アル
カリハライド基板上に少なくとも(100)面配向を有
する電極膜を形成し、その上に圧電性誘電体酸化物膜を
形成し、その上に電極膜を形成して多層膜構造体とし、
前記多層膜構造体を中央部近傍に略矩形断面の開口部を
有するセンサ保持基板の上に固着した後、水を用いて前
記アルカリハライド基板上を溶解除去するという構成を
備えたものである。
【0020】前記構成においては、アルカリハライド材
料が、Na、K及びCsから選択された少なくとも一種
のアルカリ金属元素と、F、Cl、Br及びIから選択
された少なくとも一種のハロゲン元素との化合物の岩塩
型結晶であることが好ましい。
【0021】また前記構成においては、アルカリハライ
ド材料が、NaF,NaCl,KCl,KBr,CsB
r,KI及びCsIから選ばれる少なくとも一つの塩で
あることが好ましい。
【0022】また前記構成においては、圧電性誘電体酸
化物膜の厚さが100nm〜20μmの範囲であること
が好ましい。また前記構成においては、センサエレメン
トが、加速度センサエレメント及び焦電型赤外線センサ
エレメントから選ばれる少なくとも一つの薄膜センサエ
レメントであることが好ましい。
【0023】次に本発明の第2番目の製造方法は、アル
カリハライド基板上に(100)面配向の岩塩型結晶構
造酸化物膜を形成し、その上に(100)面配向のPt
電極膜を形成し、さらにその上に圧電性誘電体酸化物膜
を形成し、さらに前記の圧電性誘電体酸化物膜の上に電
極膜を形成した多層膜構造体構成物を、中央部近傍に略
矩形断面の開口部を有するセラミック基板に反転して接
着し、水洗して前記アルカリハライド基板を溶解除去す
るという構成を備えたものである。
【0024】次に本発明の第3番目の製造方法は、アル
カリハライド基板上に金属電極膜を形成し、その表面上
に(100)面配向の導電性NiO電極膜を形成し、さ
らにその上に圧電性誘電体酸化物膜を形成し、さらに前
記の圧電性誘電体酸化物膜の上に電極膜を形成した多層
膜構造体構成物を、中央部近傍に略矩形断面の開口部を
有するセラミック基板に反転して接着し、水洗して前記
アルカリハライド基板を溶解除去するという構成を備え
たものである。
【0025】次に本発明の第4番目の製造方法は、アル
カリハライド基板上に(100)面配向の導電性NiO
電極膜を形成し、その表面上に圧電性誘電体酸化物膜を
形成し、さらにその上に電極膜を形成した多層膜構造体
構成物を、中央部近傍に略矩形断面の開口部を有するセ
ラミック基板に反転して接着し、水洗して前記アルカリ
ハライド基板を溶解除去するという構成を備えたもので
ある。
【0026】次に本発明の第5番目の製造方法は、中央
部近傍に略矩形断面の開口部を有するセラミック基板の
前記開口部にアルカリハライドを埋め込み、表面を平滑
にして基板を作製し、前記作られた基板上に(100)
面配向の岩塩型結晶構造酸化物膜を形成し、その表面上
に(100)面配向のPt電極膜を形成し、その上に圧
電性誘電体酸化物膜を形成し、さらに前記の圧電性誘電
体酸化物膜の上に電極膜を形成した後、水洗して前記ア
ルカリハライド基板を溶解除去するという構成を備えた
ものである。
【0027】次に本発明の第6番目の製造方法は、中央
部近傍に略矩形断面の開口部を有するセラミック基板の
前記開口部にアルカリハライドを埋め込み、表面を平滑
にして基板を作製し、前記基板上に金属電極膜を形成
し、その表面上に(100)面配向の導電性NiO膜を
形成し、さらにその上に圧電性誘電体酸化物膜を形成
し、前記の圧電性誘電体酸化物膜の上に電極膜を形成し
た後、水洗して前記アルカリハライド基板を溶解除去す
るという構成を備えたものである。
【0028】次に本発明の第7番目の製造方法は、開口
部を有するセラミック基板の前記開口部にアルカリハラ
イドを埋め込み、表面を平滑にして基板を作製し、前記
基板上に(100)面配向の導電性NiO膜を形成し、
その表面上に圧電性誘電体酸化物膜を形成し、さらに前
記の圧電性誘電体酸化物膜の上に電極膜を形成した後、
水洗して前記アルカリハライド基板を溶解除去するとい
う構成を備えたものである。
【0029】前記した本発明の第1〜7番目の製造方法
においては、圧電性誘電体酸化物膜がチタン酸ジルコン
酸鉛膜であることが好ましい。前記した本発明の第1〜
7番目の製造方法においては、圧電性誘電体酸化物膜が
チタン酸ランタン酸鉛膜であることが好ましい。
【0030】また前記した本発明の第1〜7番目の製造
方法においては、岩塩型結晶構造酸化物膜がMgO、N
iO及びCoOから選ばれる少なくとも一つの膜である
ことが好ましい。
【0031】また前記した本発明の製造方法において
は、NiO膜を用いる場合は、ドーパントとしてリチウ
ムを存在させることが好ましい。
【0032】
【作用】前記した本発明の薄膜センサエレメントによれ
ば、中央部近傍に略矩形断面の開口部を有するセンサ保
持基板の上に、電極膜Aと、(100)面配向を有する
電極膜Bと、前記電極膜Aと前記電極膜Bとの間に存在
する圧電性誘電体酸化物膜を少なくとも備えた多層膜構
造体を固着したので、小型・軽量で精度がよく、かつコ
ストの安価な薄膜センサエレメントを実現することがで
きる。すなわち、本発明はエッチングやポリイミド樹脂
の補強などを使用していないので、きわめて小型・軽量
で精度がよく、かつコストの安価な薄膜センサエレメン
トを実現することができる。
【0033】前記した本発明の加速度センサエレメント
の構成によれば、中央部近傍に略矩形断面の開口部を有
するセンサ保持基板の上に、電極膜Aと、(100)面
配向を有する電極膜Bと、前記電極膜Aと前記電極膜B
との間に存在する圧電性誘電体酸化物膜を少なくとも備
えた多層膜構造体を固着したという構成を備えたことに
より、小型・軽量で精度がよく、かつコストの安価な軽
量自己保持型の加速度センサエレメントを実現できる。
すなわち、(100)面配向を有する電極膜Bを用いた
ことにより、たとえば2〜10μm程度の薄膜化がで
き、かつこの膜は加速度を感知する感度が高く、強度も
実用的には十分であるため、小型・軽量で精度が高いも
のとなる。さらに、半導体加速度センサにおける寸法精
度が必要なマイクロマシンニングの高度な技術を用いる
ことも必要ないので、コストも安価なものとすることが
できる。
【0034】前記において、(100)面配向を有する
電極膜Bの上に圧電性誘電体酸化物膜を配置し、さらに
前記の圧電性誘電体酸化物膜の上に電極膜Aを配置した
多層膜構造体を、中央部近傍に略矩形断面の開口部を有
するセンサ保持基板上に反転して接着されているという
好ましい構成によれば、さらに小型・軽量で精度がよ
く、かつコストの安価な軽量自己保持型の加速度センサ
エレメントを実現できる。
【0035】また前記において、(100)面配向を有
する電極膜Bが、Pt電極膜及び導電性NiO電極膜か
ら選ばれる少なくとも一つであるという好ましい構成に
よれば、さらに小型・軽量で精度がよく、かつコストの
安価な軽量自己保持型の加速度センサエレメントを実現
できる。
【0036】また前記において、(100)面配向を有
する電極膜Bが、(100)面配向の岩塩型結晶構造酸
化物膜の表面上に(100)面配向させたPt電極膜で
あるという好ましい構成によれば、岩塩型結晶構造酸化
物膜の結晶構造が転写されることにより、容易に(10
0)面配向させたPt電極膜を形成できる。
【0037】また前記において、(100)面配向を有
する電極膜Bが、金属電極膜の表面上に(100)面配
向させた導電性NiO電極膜であるという好ましい構成
によれば、岩塩型結晶構造酸化物膜の結晶構造が転写さ
れることにより、容易に(100)面配向させたNiO
電極膜を形成できる。
【0038】また前記において、中央部近傍に略矩形断
面の開口部を有するセンサ保持基板上に、その開口部を
覆うように(100)面配向の岩塩型結晶構造酸化物膜
を配置し、その表面上に(100)面配向のPt電極膜
Bを配置し、さらにその上に圧電性誘電体酸化物膜を配
置し、さらに前記の圧電性誘電体酸化物膜の上に電極膜
Aを配置したという好ましい構成によれば、さらに小型
・軽量で精度がよく、かつコストの安価な軽量自己保持
型の加速度センサエレメントを実現できる。
【0039】また前記において、中央部近傍に略矩形断
面の開口部を有するセンサ保持基板上に、その開口部を
覆うように金属電極膜を形成し、その表面上に(10
0)面配向の導電性NiO膜Bを配置し、さらにその上
に圧電性誘電体酸化物膜を配置し、さらに前記の圧電性
誘電体酸化物膜の上に電極膜Aを配置したという好まし
い構成によれば、さらに小型・軽量で精度がよく、かつ
コストの安価な軽量自己保持型の加速度センサエレメン
トを実現できる。
【0040】また前記において、中央部近傍に略矩形断
面の開口部を有するセンサ保持基板上に、その開口部を
覆うように(100)面配向の導電性NiO膜Bを形成
し、その表面上に圧電性誘電体酸化物膜を配置し、さら
に前記の圧電性誘電体酸化物膜の上に電極膜Aを配置し
たという好ましい構成によれば、さらに小型・軽量で精
度がよく、かつコストの安価な軽量自己保持型の加速度
センサエレメントを実現できる。
【0041】また前記において、センサ保持基板がセラ
ミックで形成されているという好ましい構成によれば、
強度的に優れかつ小型化できる。また前記において、岩
塩型結晶構造酸化物膜がMgO、NiO、及びCoOか
ら選ばれる少なくとも一つの膜であるという好ましい構
成によれば、電極Bに(100)面配向を容易に転写で
きる。
【0042】また前記において、圧電性誘電体酸化物膜
がチタン酸ジルコン酸鉛(PZT)膜、またはチタン酸
ランタン酸鉛(PLT)膜であるという好ましい構成に
よれば、圧電特性に優れたものとなり、加速度の感度を
高くすることができる。
【0043】また前記において、NiO膜にドーパント
としてリチウムが存在するという好ましい構成によれ
ば、電極としての機能を高くすることができる。より具
体的には、2〜10原子%存在することが好ましい。2
原子%未満では、抵抗率が高くなる傾向があり、10原
子%を越えると、抵抗率は低く導電性はあるものの、格
子定数が小さくなる傾向となる。
【0044】次に本発明の第1〜7番目の製造方法の構
成によれば、前記加速度センサーエレメントを効率良
く、合理的に製造できる。たとえば水溶性の基板上に保
持膜を介してセンサ膜を形成した後、水洗により基板部
分を除去する製造工程であるため、小型でかつ低価格な
軽量自己保持型の加速度センサエレメント構造を容易に
製造できる。
【0045】前記において、溶液に溶解し得る基板材料
がアルカリハライドであり、これを溶解する溶液が水で
あるという好ましい構成によればさらに製造が容易にな
る。前記において、アルカリハライド基板としては,た
とえばNaF,NaCl,KCl,KBr,CsBr,
KI及びCsIから選ばれる少なくとも一つの材料を使
用できる。
【0046】本発明の焦電型赤外線センサエレメントは
いずれも、焦電性誘電体酸化物膜を保持するためにポリ
イミド樹脂膜を用いず、ポリイミド樹脂膜よりも薄く、
硬く、かつ収縮率が焦電性誘電体酸化物膜とあまり異な
らない酸化物膜や金属膜等を用いているので、電極切れ
や保持膜の亀裂が起こり難くなる。また、従来使用して
いた(100)面でへき開し鏡面研磨した高価なMgO
単結晶基板を基板に用いる必要がなくなるため、同セン
サエレメントが安価になる。
【0047】本発明の焦電型赤外線センサエレメントの
製造を実現するため、本願の発明者は、基板の種類に関
わらずに単結晶様の(100)面配向の岩塩型結晶構造
酸化物膜のMgO、NiO、CoO膜を作製する技術を
見い出した。これらの膜はマグネシウムアセチルアセト
ナート、ニッケルアセチルアセトナートおよびコバルト
アセチルアセトナートを原料ガスを用いてププラズマM
OCVD法で作製される(例えば、藤井映志ら,ジャパ
ニーズ ジャーナル オブ アプライド フィジック
ス,32巻,1993年,L414ページ〜L416ページ。(Jp
n.J.Appl.Phys.,vol.32, (1993) pp.L4
14-pp.L416. ))。さらに、上記のNiO膜にわずかに
Liを加えた組成にすると、電極として機能する材料に
なることも知られている(エス バン ホーテン,ジャ
ーナル オブ フィジックス アンドケミストリ オブ
ソリッド,17巻,1960年,7 ページ〜17ページ。
(J.Phys.Chem.Solids,vol.17, (1
960) pp.7-pp.17.))。
【0048】すなわち、本発明の焦電型赤外線センサエ
レメントの製造方法は、水に対して大きな溶解度を示す
KBrやKClなどのアルカリハライド基板を用いて、
その上に多層膜構造体構成物を形成し、多層膜構造体構
成物と中央部近傍に開口部を有するセラミック基板とを
接着し、水洗して上記のアルカリハライド基板を除去す
ることにより焦電型赤外線センサエレメントを製造す
る。または、セラミック基板の開口部をアルカリハライ
ドで埋めて、平坦な基板を作成し、その上に多層膜構造
体構成物を形成した後、水洗して上記のアルカリハライ
ドを除去することにより焦電型赤外線センサエレメント
を製造する。アルカリハライドは、水洗により容易に除
去することができるため、従来製造工程において焦電性
誘電体酸化物膜を形成した後、焦電性誘電体酸化物膜の
直下部分を形成しているMgO単結晶基板をエッチング
により注意深く取り除くという工程がなくなり、焦電型
赤外線センサエレメントの製造工程が簡素化される。
【0049】
【実施例】以下、実施例を用いて本発明をさらに具体的
に説明する。まずはじめに、本発明の加速度センサエレ
メントついて説明する。
【0050】(実施例1)本実施例の加速度センサエレ
メント11は、図1に示すように、両表面に加速度検出
用の引出し電極膜3、5が形成されたPZT膜4(大き
さ0.2mm角で厚さ3μm)を、大きさ2mm角で厚
さ2μmのMgO膜2の上に配置した多層構造膜が、中
央部近傍に略矩形断面の1mm角の開口部を有する、大
きさが5mm角で1mm厚のアルミナ(Al23 )製
セラミックのセンサ保持基板7の上記の開口部に、接着
された構造のものである。前記において、セラミックと
してはアルミナ製のほかに、シリカ、ムライト、ガラ
ス、コージェライト、ストロンチウムチタネート、マグ
ルシア(MgO)、ジルコニア等も使用できる。
【0051】以上のように構成された加速度センサエレ
メント11の製造方法について説明する。その製造工程
を図2に示す。まず、KBr粉体を減圧下、800kg
f/cm2 でプレス成形し、表面を研磨して平滑化する
ことにより、3mm角で0.5mm厚の平板型のKBr
基板1を作製した。その基板表面にプラズマ有機金属化
学蒸着(MOCVD)法で同表面に対して垂直方向が<
100>方向に結晶配向した岩塩型結晶構造酸化物のM
gO膜2(大きさ2mm×2mm、厚さ2μm)を形成
した。この膜形成には、CVD原料ガスにマグネシウム
アセチルアセトナートの蒸気および酸素の混合ガスを用
い、KBr基板1を400℃に加熱して行った。さら
に、スパッタ法で、そのMgO膜2の表面上に、Pt膜
をエピタキシャル成長させて、膜面に対して<100>
方向に結晶配向したPt膜の加速度検出用引出し電極膜
3を形成した。さらに、rfマグネトロンスパッタ法で
その引出し電極3の表面上に厚み3μmのc軸に結晶配
向したPZT膜4を形成し、その表面上にスパッタ法で
Ni−Cr膜の加速度検出用の引出し電極膜5を形成し
た。次に、このようにして得られたKBr基板上の多層
膜を反転させて、中央部近傍に略矩形断面の1mm角の
開口部を有する大きさが5mm角で1mm厚のアルミナ
製のセンサ保持基板7のその開口部を覆うように、かつ
センサ保持基板7の表面上に予め、Pdペーストを焼成
して形成された接続電極8、9に上記の多層膜のそれぞ
れの引出し電極膜3、5が接触するように、導電性接着
剤6を用いて接着した。このように作製された構造物を
水洗い処理することにより、KBr基板1を除去し、乾
燥した後、さらにMgO膜2の周辺部分とセンサ保持基
板7の表面をエポキシ樹脂系の接着剤10を用いて接合
強化して、加速度センサエレメント11を作製した。
【0052】これは圧電特性を示すPZT膜4がわずか
2μm厚のMgO膜2のみに支えられているだけにもか
かわらず、十分に強度があり、クラック等による電極の
導通切れが皆無にできることがわかった。
【0053】<100>方向に結晶配向した岩塩型結晶
構造酸化物のMgO膜2の代わりに同じく、それぞれ、
ニッケルアセチルアセトナートおよびコバルトアセチル
アセトナートを原料ガスとして用いたプラズマMOCV
D法で製造された、<100>方向に結晶配向したNi
O膜およびCoO膜を用いた場合も、全く同様のセンサ
エレメントが作製できることがわかった。
【0054】また、KBr基板1の代わりに、同じアル
カリハライド材料のKCl、KI、CsBr、CsIの
いずれかの基板を用いた場合も、全く同様のセンサエレ
メントが作製できることがわかった。
【0055】(実施例2)本実施例の加速度センサエレ
メント21は、図3に示すように、大きさ2mm角で厚
さ0.8μmで電極も兼ねる金属Ni膜13の表面上
に、大きさ0.6mm角で厚さ0.4μmの導電性Ni
O膜12が配置され、さらにその上に大きさ0.2mm
角で3μm厚のPZT膜4が配置され、その上にNi−
Cr電極膜15を配置した多層構造膜を反転して、実施
例1と同様の中央部近傍に略矩形断面の1mm角の開口
部を有する、大きさが5mm角で1mm厚のアルミナ製
のセンサ保持基板7の上記の開口部に、接着した構造の
ものである。
【0056】以上のように構成された加速度センサエレ
メント21の製造方法を以下に説明する。その製造工程
を図4に示す。まず、実施例1と同様にして作製した3
mm角で0.5mm厚の平板型のKBr基板1の表面上
に、rfスパッタ法で大きさ2mm角で厚さ0.8μm
の金属Ni膜13を形成し、さらにその表面上に、プラ
ズマMOCVD法で基板表面に対して垂直方向が<10
0>方向に結晶配向した岩塩型結晶構造酸化物の導電性
NiO膜12(Liを5原子%添加)(大きさ0.6m
m×0.6mm、厚さ0.4μm)を形成した。この膜
形成には、CVD原料ガスにニッケルアセチルアセトナ
ートの蒸気とLiジピバロイルメタンキレートの蒸気お
よび酸素の混合ガスを用い、KBr基板を400℃に加
熱して行った。さらに、その導電性NiO膜12の表面
上に、rfマグネトロンスパッタ法で、PZT膜をエピ
タキシャル成長させることにより厚み3μmのc軸に結
晶配向したPZT膜4(0.2μm×0.2μm)を形
成し、その表面上にスパッタ法でNi−Cr電極膜15
を形成した。
【0057】次に、このようにして得られたKBr基板
1上の多層膜を反転させて、中央部近傍に略矩形断面の
1mm角の開口部を有する大きさが5mm角で1mm厚
のアルミナ製のセンサ保持基板7のその開口部を覆うよ
うに、接着剤20で接着した。次に、ワイヤボンディン
グ法によりAu線17で、Ni−Cr電極膜15と、セ
ンサ基板7の表面上に予めPdペーストを焼成して形成
された接続電極19を接続した。このように作製された
構造物を水洗い処理することにより、KBr基板1を除
去し、乾燥した後、導電性ペースト16で、金属Ni膜
13と、センサ基板7の表面上に予め形成された接続電
極18を接続して、加速度センサエレメント21を作製
した。
【0058】これは圧電特性を示すPZT膜4がわずか
0.8μm厚の金属Ni膜13のみに支えられているだ
けにもかかわらず、十分に強度があり、クラック等によ
る電極の導通切れが皆無にできることがわかった。
【0059】実施例1と同様に、KBr基板1の代わり
に、同じアルカリハライド材料のKCl、KI、CsB
r、CsIのいずれかの粉体をプレス成形して作製した
基板を用いた場合も、全く同様のセンサエレメントが作
製できることがわかった。
【0060】(実施例3)本実施例の加速度センサエレ
メント31は、図5に示すように、大きさ2mm角で厚
さ2μmの電極も兼ねる導電性NiO膜12の表面上
に、大きさ0.2mm角で3μm厚のPZT膜4が配置
され、その上にNi−Cr電極膜15を配置した多層構
造膜を反転して、実施例1と同様の中央部近傍に略矩形
断面の1mm角の開口部を有する、大きさが5mm角で
1mm厚のアルミナ製のセンサ保持基板7の上記の開口
部に、接着した構造のものである。
【0061】以上のように構成された加速度センサエレ
メント31の製造方法を以下に説明する。その製造工程
を図6に示す。まず、実施例1と同様にして作製した3
mm角で0.5mm厚の平板型のKBr基板1の表面上
に、実施例2と同様の方法で、プラズマMOCVD法で
基板表面に対して垂直方向が<100>方向に結晶配向
した岩塩型結晶構造酸化物の導電性NiO膜12(Li
を5原子%添加)(大きさ2mm×2mm、厚さ2μ
m)を形成した。さらに、実施例1と同様のスパッタ法
で、その導電性NiO膜12の表面上に、PZT膜をエ
ピタキシャル成長させることにより厚み3μmのc軸に
結晶配向したPZT膜4(0.2μm×0.2μm)を
形成し、その表面上にNi−Cr電極膜15を形成し
た。次に、このようにして得られたKBr基板1上の多
層膜を反転させて、中央部近傍に略矩形断面の1mm角
の開口部を有する大きさが5mm角で1mm厚のアルミ
ナ製のセンサ基板7のその開口部を覆うように、接着剤
20で接着した。次に、ワイヤボンディング法によりC
u線30で、Ni−Cr電極膜15と、センサ保持基板
7の表面上に予め形成された接続電極19を接続した。
このように作製された構造物を水洗処理することによ
り、KBr基板1を除去し、乾燥した後、導電性ペース
ト16で、導電性NiO膜12と、センサ保持基板7の
表面上に予め形成された接続電極18を接続して、加速
度センサエレメント31を作製した。
【0062】これは圧電特性を示すPZT膜4がわずか
2μm厚のNiO膜12のみに支えられているだけにも
かかわらず、十分に強度があり、クラック等による電極
の導通切れが皆無にできることがわかった。
【0063】実施例1と同様に、KBr基板1の代わり
に、同じアルカリハライド材料のKCl、KI、CsB
r、CsIのいずれかの基板を用いた場合も、全く同様
のセンサエレメントが作製できることがわかった。
【0064】(実施例4)本実施例の加速度センサエレ
メント41は、図7に示すように、実施例1と同様の両
表面に加速度検出用の引出し電極膜3、5が形成された
PZT膜4(大きさ0.2mm角で厚さ3μm)が、大
きさ2mm角で厚さ2μmのMgO膜2の上に配置され
た多層構造膜が、中央部近傍に略矩形断面の1mm角の
開口部を有する、大きさが5mm角で1mm厚のアルミ
ナ製のセンサ保持基板7の上記の開口部に、直接形成さ
れた構造のものである。
【0065】以上のように構成された加速度センサエレ
メント41の製造方法を以下に説明する。その製造工程
を図8に示す。実施例1と同様の1mm角の開口部を有
する大きさが5mm角で1mm厚のアルミナ製のセンサ
保持基板7に、Pdペーストを塗布し1050℃で焼成
することにより、接続電極48、49を形成した。続い
て、上記のセンサ基板の開口部に、KBr粉体を詰め、
固めた後、そのまま減圧下、740℃で加熱することに
よりKBrを融解して、開口部が埋められたセンサ基板
を作製した。KBr充填部は表面を研磨して平滑化し
た。このようにして作製したKBr充填部分101を有
する基板の表面上に、実施例1と同様にして、プラズマ
MOCVD法によって、基板表面に対して垂直方向が<
100>方向に結晶配向した岩塩型結晶構造酸化物のM
gO膜2(大きさ2mm×2mm、厚さ2μm)を形成
した。さらに、スパッタ法で、そのMgO膜2の表面上
に、Pt膜をエピタキシャル成長させることにより、膜
面に対して<100>方向に結晶配向したPt膜の加速
度検出用引出し電極膜3を形成した。さらに、rfマグ
ネトロンスパッタ法でその引出し電極膜3の表面上に厚
み3μmのc軸に結晶配向したPZT膜4を形成し、そ
の表面上にNi−Cr膜の引出し電極膜5を形成した。
このように作製された構造物を水洗い処理することによ
り、KBr充填部分101を除去し、乾燥した後、導電
性ペースト16、46で、それぞれ、引出し電極膜3と
接続電極49を、およびNi−Cr膜の引出し電極膜5
と接続電極48を接続して、加速度センサエレメント4
1を作製した。
【0066】このようにして作製された加速度センサエ
レメント41は、圧電特性を示すPZT膜4がわずか2
μm厚のMgO膜2のみに支えられているだけにもかか
わらず、十分に強度があり、クラック等による電極の導
通切れが皆無にできることがわかった。
【0067】MgO膜2の代わりに同じく、それぞれ、
ニッケルアセチルアセトナートおよびコバルトアセチル
アセトナートを原料ガスとして用いたプラズマMOCV
D法で製造された、<100>方向に結晶配向したNi
O膜およびCoO膜を用いた場合も、全く同様のセンサ
エレメントが作製できることがわかった。
【0068】KBr粉体の代わりに、同じアルカリハラ
イド材料のKCl、KI、CsBr、CsIのいずれか
の粉体を用いた場合も、全く同様のセンサエレメントが
作製できることがわかった。
【0069】(実施例5)本実施例の加速度センサエレ
メント51は、図9に示すように、実施例2と同様の大
きさ2mm角で厚さ0.8μmで電極も兼ねる金属Ni
膜13の表面上に、大きさ0.6mm角で厚さ0.4μ
mの導電性NiO膜12が配置され、さらにその上に大
きさ0.2mm角で3μm厚のPZT膜4が配置され、
その上にNi−Cr電極膜15を配置した多層構造膜
が、中央部近傍に略矩形断面の1mm角の開口部を有す
る大きさが5mm角で1mm厚のアルミナ製のセンサ保
持基板7の上記の開口部に、直接形成された構造のもの
である。
【0070】以上のように構成された加速度センサエレ
メント51の製造方法について、以下に詳しく説明す
る。その製造工程を図10に示す。実施例4と同様にし
て作製した基板の表面上に、rfスパッタ法で大きさ2
mm角で厚さ0.8μmの金属Ni膜13を形成し、さ
らにその表面上に、実施例2と同様の方法でプラズマM
OCVD法で基板表面に対して垂直方向が<100>方
向に結晶配向した岩塩型結晶構造酸化物の導電性NiO
膜12(Liを5原子%添加)(大きさ0.6mm×
0.6mm、厚さ0.4μm)を形成した。さらに、そ
の導電性NiO膜12の表面上に、rfマグネトロンス
パッタ法で、PZT膜をエピタキシャル成長させること
により厚み3μmのc軸に結晶配向したPZT膜4
(0.2μm×0.2μm)を形成し、その表面上にス
パッタ法でNi−Cr電極膜15を形成した。次にワイ
ヤボンディング法によりAu線17で、Ni−Cr電極
膜15と接続電極48を接続した。このように作製され
た構造物を水洗い処理することにより、KBr充填部分
131を除去し、乾燥した後、導電性ペースト16で、
金属Ni膜13と接続電極49を接続して、加速度セン
サエレメント51を作製した。
【0071】この加速度センサエレメント51は、圧電
特性を示すPZT膜4がわずか0.8μm厚の金属Ni
膜13のみに支えられているだけにもかかわらず、十分
に強度があり、クラック等による電極の導通切れが皆無
にできることがわかった。
【0072】実施例4と同様に、KBrの代わりに、同
じアルカリハライド材料のKCl、KI、CsBr、C
sIのいずれかを用いた場合も、全く同様のセンサエレ
メントが作製できることがわかった。
【0073】(実施例6)本実施例の加速度センサエレ
メント61は、図11に示すように、実施例3と同様の
大きさ2mm角で厚さ2μmの電極も兼ねる導電性Ni
O膜42の表面上に、大きさ0.2mm角で3μm厚の
PZT膜4が配置され、その上にNi−Cr電極膜15
を配置した多層構造膜が、実施例4と同様の中央部近傍
に略矩形断面の1mm角の開口部を有する大きさが5m
m角で1mm厚のアルミナ製のセンサ保持基板7の上記
の開口部に、直接形成された構造のものである。
【0074】以上のように構成された加速度センサエレ
メント61の製造方法を以下に説明する。その製造工程
を図12に示す。実施例4と同様にして作製した基板の
表面上に、実施例3と同様の方法で、プラズマMOCV
D法で基板表面に対して垂直方向が<100>方向に結
晶配向した岩塩型結晶構造酸化物の導電性NiO膜42
(Liを5原子%添加)(大きさ2mm×2mm、厚さ
2μm)を形成した。さらに、実施例1と同様のスパッ
タ法で、その導電性NiO膜42の表面上に、PZT膜
をエピタキシャル成長させることにより厚み3μmのc
軸に結晶配向したPZT膜4(0.2μm×0.2μ
m)を形成し、その表面上にNi−Cr電極膜15を形
成した。次に、ワイヤボンディング法によりAu線17
で、Ni−Cr電極膜15と接続電極48を接続した。
このように作製された構造物を水洗い処理することによ
り、KBr充填部分101を除去し、乾燥した後、導電
性ペースト16で、導電性NiO膜42と接続電極49
を接続して、加速度センサエレメント61を作製した。
【0075】この加速度センサエレメント61は、圧電
特性を示すPZT膜4がわずか2μm厚のNiO膜42
のみに支えられているだけにもかかわらず、十分に強度
があり、クラック等による電極の導通切れが皆無にでき
ることがわかった。
【0076】実施例4と同様に、KBrの代わりに、同
じアルカリハライド材料のKCl、KI、CsBr、C
sIのいずれかを用いた場合も、全く同様のセンサエレ
メントが作製できることがわかった。
【0077】(実施例7)図13は加速度センサの一例
のシステムブロック図である。図13において、801
は加速度センサエレメント、802は自己診断信号発生
回路、803は基準電圧発生回路、804は温度補償回
路、805はインピーダンス変換回路、806はフィル
タ回路、807は増幅回路、811は加速度センサであ
る。加速度が加わると、圧電薄膜を有するセンサエレメ
ント801にその加速度の大きさに比例した電荷が発生
する。通常発生する電荷量が微弱で広域の周波数成分を
もつため、インピーダンス変換回路805、フィルタ回
路806、増幅回路807を用いてデジタル出力する。
センサエレメント801、及び信号処理部が正常かどう
かをチェックするため、自己診断信号発生回路802を
設けている。また、使用温度の変動による出力信号の変
動を抑えるために、温度補償回路804を設けている。
以上の構成としたことにより、小型・軽量で精度がよ
く、かつコストの安価な軽量自己保持型の加速度センサ
を実現できた。
【0078】以上の通り本発明の各実施例の加速度セン
サエレメントは、半導体式のような寸法精度が必要なマ
イクロマシンニングの高度な技術を用いることなく、高
性能な加速度センサエレメントが安価に実現できるの
で、それを用いた加速度センサは従来に比べて低価格で
製造できることになる。従って、加速度センサ利用の分
野でより広い範囲に使用できることになるという効果が
生じて、実用面で極めて有効である。
【0079】次に、本発明の焦電型赤外線センサエレメ
ントについて説明する。 (実施例8)以下、本発明の焦電型赤外線センサエレメ
ント及びその製造方法の第1の実施例を、図16及び図
17を参照しつつ説明する。図16は、第1の実施例の
焦電型赤外線センサエレメントの構成を示す斜視図であ
る。図16に示すように、焦電型赤外線センサエレメン
ト111は、中央部近傍に略矩形断面の開口部130を
有するセラミック基板107上に多層膜構造体112を
接着剤110で固定した構造である。セラミック基板1
07は、例えば5mm×5mmで厚さ1mmの矩形状で
あり、中央部近傍の開口部130の大きさは1mm×1
mmである。また、その材質は、例えばアルミナ等であ
る。多層膜構造体112は、(100)面配向の例えば
MgO等の岩塩型結晶構造酸化物膜102(以下、Mg
O膜102と略称する)と、MgO膜102の下に配置
された(100)面配向のPt等の引出し電極膜103
と、引出し電極膜103の下の所定部分に配置された例
えば誘電体材料であるチタン酸ランタン鉛等の焦電性誘
電体酸化物膜104(以下、PLT膜104と略称す
る)と、PLT膜104の下に配置された引出し電極膜
105とを有し、PLT膜部分104がセラミック基板
107の開口部130に位置する。PLT膜104の大
きさは、例えば0.2mm×0.2mmで厚さ3μmで
ある。また、MgO膜102の大きさは、例えば2mm
×2mmで厚さ2μmである。セラミック基板107の
表面の所定部分には、接続電極108及び109が設け
られており、接続電極108及び109にはそれぞれ、
導電性接着剤106を介して引出し電極膜103及び1
05が接続されている。
【0080】以上のように構成された焦電型赤外線セン
サエレメント111の製造方法を図17に示す。まず、
KBr粉体を減圧下、800kgf/cm2 でプレス成
形し、表面を研磨して平滑化し、3mm×3mmで厚さ
0.5mmの平板型のKBr基板101を作製した。次
に、その基板101の表面に、プラズマMOCVD法に
より、同表面に対して垂直方向が<100>方向に結晶
配向した岩塩型結晶構造酸化物のMgO膜102(大き
さ2mm×2mm、厚さ2μm)を形成した(図17
(a))。このMgO膜102の形成には、CVD原料
ガスにマグネシウムアセチルアセトナートの蒸気を用
い、KBr基板101を400℃に加熱して行った。さ
らに、スパッタ法で、そのMgO膜102の表面上の所
定の部分にPt膜をエピタキシャル成長させ、膜面に対
して<100>方向に結晶配向したPt膜の引出し電極
膜103を形成した(図17(b))。さらに、従来の
焦電型赤外線センサエレメントの製造と同様に、rfマ
グネトロンスパッタ法により、引出し電極103の表面
の所定部分及びMgO膜102の引出し電極103が形
成されていない部分の一部の上に厚み3μmのc軸に結
晶配向したPLT膜104を形成した(図17
(b))。次に、PLT膜104とMgO膜102の引
出し電極103が形成されていない部分の表面上にスパ
ッタ法でNiーCr膜の引出し電極膜105を形成した
(図17(c))。
【0081】次に、Pdペーストを焼成して、あらかじ
め表面の所定部分に接続電極108及び109が形成さ
れたセラミック基板107を用意する。そして、上記各
工程を経て得られたKBr基板101上の多層膜構造体
112を反転させて、多層膜構造体112がセラミック
基板107の開口部130を覆い、PLT膜104部分
が開口部130に位置するように、かつ接続電極10
8、109に引出し電極膜103及び105が接触する
ように、導電性接着剤106を用いて接着した(図17
(d))。次に、このように作製された構造物を水洗い
処理することにより、KBr基板101を除去した(図
17(e))。乾燥後、さらにMgO膜102の周辺部
分とセラミック基板107の表面とをエポキシ樹脂系の
接着剤110を用いて接合強化し、焦電型赤外線センサ
エレメント111が完成した(図17(f))。
【0082】このようにして得られた焦電型赤外線セン
サエレメント111において、焦電性を示すPLT膜1
04は、わずか2μm厚のMgO膜102のみによって
支えられているだけである。しかし、PLT膜がポリイ
ミド樹脂膜によって支えられている従来の焦電型赤外線
センサエレメントと比較しても、MgO膜102はポリ
イミド樹脂膜よりも薄く、硬く、かつ収縮率がPLT膜
104とあまり異ならないため、機械的強度は充分であ
り、かつクラック等による電極の導通切れを皆無にする
ことができた。
【0083】なお、<100>方向に結晶配向した岩塩
型結晶構造酸化物のMgO膜102の代わりに、それぞ
れ、ニッケルアセチルアセトナートおよびコバルトアセ
チルアセトナートを原料ガスを用いてププラズマMOC
VD法により製造された、<100>方向に結晶配向し
たNiO膜又はCoO膜を用いた場合でも、同様の性能
を有する焦電型赤外線センサエレメントを作製すること
ができ。
【0084】さらに、KBr基板101の代わりに、同
じアルカリハライド材料のKCl、KI、CsBr、C
sI等の基板を用いた場合でも、同様の性能を有する焦
電型赤外線センサエレメントを作製することができた。
【0085】(実施例9)以下、本発明の焦電型赤外線
センサエレメント及びその製造方法の第2の実施例を、
図18及び図19を参照しつつ説明する。図18は、第
2の実施例の焦電型赤外線センサエレメントの構成を示
す斜視図である。なお、上記図16及び図17に示した
第1の実施例と同一の番号を付した部材は実質的に同一
である。図18に示すように、焦電型赤外線センサエレ
メント211は、中央部近傍に略矩形断面の開口部13
0を有するセラミック基板107上に多層膜構造体11
3を接着剤120で固定した構造である。多層膜構造体
113は、Ni金属電極膜114とその下に配置された
(100)面配向の導電性NiO電極膜115と、導電
性NiO電極膜115の下の所定部分に配置されたPL
T膜104、PLT膜104の下に配置されたNi−C
r電極膜116とを有し、PLT膜104の部分が開口
部130に位置する。金属電極膜114の大きさは、2
mm×2mmで厚さ0.8μmである。導電性NiO膜
112の大きさは、0.6mm×0.6mmで厚さ0.
4μmである。さらに、PLT膜104の大きさは0.
2mm×0.2mmで厚さ3μmである。セラミック基
板107は第1の実施例の物と同じくアルミナ製であ
り、その大きさは5mm×5mmで厚さ1mmであり、
中央部近傍の開口部の大きさは1mm×1mmである。
セラミック基板107の多層膜構造体113が接着され
ている面と同じ面の所定部分には、接続導体118が形
成されており、導電性ペースト121を介して接続導体
118とNi金属電極膜114とが接続されている。ま
た、セラミック基板107の反対側の面の所定の位置に
も接続電極119が形成されており、Au線117によ
り接続電極119とNi−Cr電極膜116とが接続さ
れている。
【0086】以上のように構成された焦電型赤外線セン
サエレメント211の製造方法を図19に示す。まず、
上記第8の実施例と同様にして作製した大きさ3mm×
3mmで厚さ0.5mmの平板型のKBr基板101の
表面上に、rfスパッタ法により大きさ2mm×2mm
で厚さ0.8μmの金属Ni膜114を形成し、さらに
金属Ni膜114の表面上に、プラズマMOCVD法に
より、基板表面に対して垂直方向が<100>方向に結
晶配向した岩塩型結晶構造酸化物の導電性NiO膜11
5(Li添加)(大きさ0.6mm×0.6mm、厚さ
0.4μm)を形成した(図19(a))。この導電性
NiO膜115の形成には、CVD原料ガスにマグネシ
ウムアセチルアセトナートの蒸気とLiジピバロイルメ
タンキレートの蒸気の混合ガスを用い、KBr基板10
1を400℃に加熱して行った。さらに、その導電性N
iO膜115の表面上に、従来の焦電型赤外線センサエ
レメントの製造と同様のrfマグネトロンスパッタ法に
より、PLT膜をエピタキシャル成長させることにより
厚み3μmのc軸に結晶配向したPLT膜104(0.
2μm×0.2μm)を形成した(図19(b))。さ
らに、PLT膜104の表面上にスパッタ法によりNi
−Cr電極膜116を形成した(図19(c))。
【0087】次に、Pdペーストを焼成して、あらかじ
め両表面の所定部分に接続電極118及び119が形成
されたセラミック基板107を用意する。そして、上記
各工程を経て得られたKBr基板101上の多層膜構造
体113を反転させて、多層膜構造体113がセラミッ
ク基板107の開口部130を覆い、PLT膜104部
分が開口部130に位置するように、接着剤120を用
いて接着した(図4(d))。次に、ワイヤボンディン
グ法によりAu線117で、Ni−Cr電極膜116と
セラミック基板107の表面上に形成された接続電極1
19を接続した(図19(d))。次に、このように作
製された構造物を水洗い処理することにより、KBr基
板101を除去し、乾燥した後、導電性ペースト121
により金属Ni膜114とセラミック基板107の表面
上に形成された接続電極118とを接続して、焦電型赤
外線センサエレメント211が完成した(図19
(e))。
【0088】このようにして得られた焦電型赤外線セン
サエレメント211において、焦電性を示すPLT膜1
04は、わずか0.8μm厚の金属Ni膜114のみに
よって支えられているだけである。しかし、PLT膜が
ポリイミド樹脂膜によって支えられている従来の焦電型
赤外線センサエレメントと比較しても、金属Ni膜11
4はポリイミド樹脂膜よりも薄く、硬く、かつ収縮率が
PLT膜104とあまり異ならないため、機械的強度は
充分であり、かつクラック等による電極の導通切れを皆
無にすることができた。
【0089】上記第1の実施例と同様に、KBr基板1
01の代わりに、同じアルカリハライド材料のKCl、
KI、CsBr、CsI等の基板を用いた場合でも、同
様の性能を有する焦電型赤外線センサエレメントを作製
することができた。
【0090】(実施例10)以下、本発明の焦電型赤外
線センサエレメント及びその製造方法の第3の実施例
を、図20及び図21を参照しつつ説明する。図20
は、第3の実施例の焦電型赤外線センサエレメントの構
成を示す斜視図である。なお、上記図16及び図17に
示した第1の実施例、又は図18及び図19に示した第
2の実施例と同一の番号を付した部材は実質的に同一で
ある。図20に示すように、第3の実施例の焦電型赤外
線センサエレメント311は、中央部近傍に略矩形断面
の開口部130を有するセラミック基板107上に多層
膜構造体122を接着剤120で固定した構造である。
多層膜構造体122は、電極を兼ねる導電性NiO膜1
23と、その下に配置されたPLT膜104と、PLT
膜104の下に配置されたNi−Cr電極膜115をと
を有し、PLT膜104の部分が開口部130に位置す
る。導電性NiO膜123の大きさは2mm×2mmで
厚さ2μmであり、PLT膜104の大きさは0.2m
m×0.2mmで厚さ3μmである。セラミック基板1
07は第1の実施例の物と同じくアルミナ製であり、そ
の大きさは5mm×5mmで厚さ1mmであり、中央部
近傍の開口部の大きさは1mm×1mmである。セラミ
ック基板107の多層膜構造体122が接着されている
面と同じ面の所定部分には、接続導体118が形成され
ており、導電性ペースト121を介して接続導体118
とNi金属電極膜114とが接続されている。また、セ
ラミック基板107の反対側の面の所定の位置にも接続
電極119が形成されており、Au線117により接続
電極119とNi−Cr電極膜116とが接続されてい
る。
【0091】以上のように構成された焦電型赤外線セン
サエレメント311の製造方法を図21に示す。まず、
上記第1の実施例と同様にして作製した大きさ3mm×
3mmで厚さ0.5mmの平板型のKBr基板101の
表面上に、第2の実施例と同様に、プラズマMOCVD
法を用いて基板101の表面に対して垂直方向が<10
0>方向に結晶配向した岩塩型結晶構造酸化物の導電性
NiO膜123(Li添加)(大きさ2mm×2mm、
厚さ2μm)を形成した(図21(a))。次に、第1
の実施例と同様のスパッタ法により、導電性NiO膜1
23の表面上に、PLT膜をエピタキシャル成長させる
ことにより厚み3μmのc軸に結晶配向したPLT膜1
04(0.2μm×0.2μm)を形成した(図21
(b))。さらに、PLT膜104の表面上にNi−C
r電極膜116を形成した(図21(c))。
【0092】次に、Pdペーストを焼成して、あらかじ
め両表面の所定部分に接続電極118及び119が形成
されたセラミック基板107を用意する。そして、上記
各工程を経て得られたKBr基板101上の多層膜構造
体122を反転させて、多層膜構造体122がセラミッ
ク基板107の開口部130を覆い、PLT膜104部
分が開口部130に位置するように、接着剤120を用
いて接着した(図21(d))。次に、ワイヤボンディ
ング法によりAu線117で、Ni−Cr電極膜116
とセラミック基板107の表面上に形成された接続電極
119を接続した(図21(d))。次に、このように
作製された構造物を水洗い処理することにより、KBr
基板101を除去し、乾燥した後、導電性ペースト12
1により金属Ni膜114とセラミック基板107の表
面上に形成された接続電極118とを接続して、焦電型
赤外線センサエレメント311が完成した(図21
(e))。
【0093】このようにして得られた焦電型赤外線セン
サエレメント311において、焦電性を示すPLT膜1
04は、わずか2μm厚のNiO膜123のみによって
支えられているだけである。しかし、PLT膜がポリイ
ミド樹脂膜によって支えられている従来の焦電型赤外線
センサエレメントと比較しても、NiO膜123はポリ
イミド樹脂膜よりも薄く、硬く、かつ収縮率がPLT膜
104とあまり異ならないため、機械的強度は充分であ
り、かつクラック等による電極の導通切れを皆無にする
ことができた。
【0094】なお、第1の実施例と同様に、KBr基板
101の代わりに、同じアルカリハライド材料のKC
l、KI、CsBr、CsI等の基板を用いた場合で
も、同様の性能を有する焦電型赤外線センサエレメント
を作製することができた。
【0095】(実施例11)以下、本発明の焦電型赤外
線センサエレメント及びその製造方法の第4の実施例
を、図22及び図23を参照しつつ説明する。図22
は、第4の実施例の焦電型赤外線センサエレメントの構
成を示す斜視図である。なお、上記図16及び図17に
示した第1の実施例と同一の番号を付した部材は実質的
に同一である。図22に示すように、第4の実施例の焦
電型赤外線センサエレメント411は、中央部近傍に略
矩形断面の開口部130を有するセラミック基板107
上に多層膜構造体124が直接形成された構造である。
セラミック基板107は、第1の実施例と同様に、例え
ば5mm×5mmで厚さ1mmの矩形状であり、中央部
近傍の開口130の大きさは1mm×1mmである。ま
た、その材質は、例えばアルミナ等である。多層膜構造
体124は、MgO膜102と、MgO膜102の上に
配置された引出し電極膜103と、引出し電極膜103
の上の所定部分に配置されたPLT膜104と、PLT
膜104の上に配置された引出し電極膜105とを有
し、PLT膜部分104がセラミック基板107の開口
部130の上に位置する。PLT膜104の大きさは、
例えば0.2mm×0.2mmで厚さ3μmである。ま
た、MgO膜102の大きさは、例えば2mm×2mm
で厚さ2μmである。セラミック基板107の表面の所
定部分には、接続電極108及び109が設けられてお
り、引出し電極105と接続電極128とは導電性ペー
スト136により、また引出し電極103と接続電極1
29とは導電性ペースト137により、それぞれ接続さ
れている。
【0096】以上のように構成された焦電型赤外線セン
サエレメント411の製造方法を図23に示す。あらか
じめ、中央部近傍に1mm×1mmの貫通した開口部1
30を有する、大きさが5mm×5mmで厚さ1mmの
アルミナ製のセラミック基板107を用意し、その表面
の所定部分にPdペーストを塗布し1050℃で焼成す
ることにより、接続電極128及び129を形成した。
次に、セラミック基板107の開口部130部分にKB
r粉体を詰め固めた後、減圧下、740℃で加熱するこ
とによりKBrを融解し、空間部分が埋められたセラミ
ック基板171を作製した(図23(a))。なお、K
Br充填部172は表面を研磨して平滑化した。このよ
うにして作製したKBr充填部分172を有する基板1
71の表面上に、第1の実施例と同様にプラズマMOC
VD法により、基板表面に対して垂直方向が<100>
方向に結晶配向した岩塩型結晶構造酸化物のMgO膜1
02(大きさ2mm×2mm、厚さ2μm)を形成した
(図23(b))。さらに、スパッタ法により、MgO
膜102の表面上の所定部分に、Pt膜をエピタキシャ
ル成長させ、膜面に対して<100>方向に結晶配向し
たPt膜の引出し電極膜103を形成した(図23
(b))。さらに、rfマグネトロンスパッタ法によ
り、引出し電極膜103及びMgO膜102の引出し電
極103が形成されていない部分のうちの所定の部分の
表面上に厚み103μmのc軸に結晶配向したPLT膜
104を形成した(図23(d))。さらに、PLT膜
104及びMgO膜102の引出し電極103が形成さ
れていない部分の残りの部分の表面上にNi−Cr膜の
引出し電極膜5を形成した(図23(e))。このよう
に作製された構造物を水洗い処理することにより、KB
r充填部分172を除去し(図23(e))、乾燥後、
導電性ペースト136及び137により、引出し電極膜
103と接続電極129とを、及び引出し電極膜105
と接続電極128とをそれぞれ接続し、焦電型赤外線セ
ンサエレメント411が完成した(図23(f))。
【0097】このようにして得られた焦電型赤外線セン
サエレメント411において、焦電特性を示すPLT膜
104は、わずか2μm厚のMgO膜102のみに支え
られているだけである。しかし、PLT膜がポリイミド
樹脂膜によって支えられている従来の焦電型赤外線セン
サエレメントと比較しても、MgO膜102はポリイミ
ド樹脂膜よりも薄く、硬く、かつ収縮率がPLT膜10
4とあまり異ならないため、機械的強度は充分であり、
かつクラック等による電極の導通切れを皆無にできた。
【0098】なお、MgO膜102の代わりに同じく、
それぞれ、ニッケルアセチルアセトナートおよびコバル
トアセチルアセトナートを原料ガスを用いてププラズマ
MOCVD法で製造された、<100>方向に結晶配向
したNiO膜およびCoO膜を用いた場合でも、同様の
性能を有する焦電型赤外線センサエレメントを作製する
ことができた。さらに、KBr粉体の代わりに、同じア
ルカリハライド材料のKCl、KI、CsBr、CsI
等の粉体を用いた場合でも、同様の性能を有する焦電型
赤外線センサエレメントを作製することができた。
【0099】(実施例12)以下、本発明の焦電型赤外
線センサエレメント及びその製造方法の第5の実施例
を、図24及び図25を参照しつつ説明する。図24
は、第5の実施例の焦電型赤外線センサエレメントの構
成を示す斜視図である。なお、上記各実施例と同一の番
号を付した部材は実質的に同一である。図24に示すよ
うに、第5の実施例の焦電型赤外線センサエレメント5
11は、中央部近傍に略矩形断面の開口部130を有す
るセラミック基板107上に多層膜構造体125が直接
形成された構造である。セラミック基板107は、上記
各実施例と同様に、例えば5mm×5mmで厚さ1mm
の矩形状であり、中央部近傍の開口130の大きさは1
mm×1mmである。また、その材質は、例えばアルミ
ナ等である。多層膜構造体125は、電極を兼ねた金属
Ni膜114と、その上に配置された導電性NiO膜1
15と、導電性NiO膜115の上の所定部分に配置さ
れたPLT膜104と、PLT膜104の上に配置され
たNi−Cr電極膜116とを有し、PLT膜部分10
4がセラミック基板107の開口部130の上に位置す
る。金属Ni膜114の大きさは、例えば2mm×2m
mで厚さ0.8μmであり、導電性NiO膜115の大
きさは、例えば0.6mm×0.6mmで厚さ0.4μ
mである。また、PLT膜104の大きさは、例えば
0.2mm×0.2mmで厚さ3μmである。セラミッ
ク基板107の表面の所定部分には、接続電極128及
び129が設けられており、接続電極129と金属Ni
膜114とは導電性ペースト137により、また接続電
極128とNi−Cr電極膜116とはAu線117に
より接続されている。
【0100】以上のように構成された焦電型赤外線セン
サエレメント511の製造方法を図25に示す。第4の
実施例と同様に、あらかじめ、中央部近傍に1mm×1
mmの貫通した開口部130を有する、大きさが5mm
×5mmで厚さ1mmのアルミナ製のセラミック基板1
07を用意し、その表面の所定部分にPdペーストを塗
布し1050℃で焼成することにより、接続電極128
及び129を形成した。次に、セラミック基板107の
開口部130部分にKBr粉体を詰め固めた後、減圧
下、740℃で加熱することによりKBrを融解し、空
間部分が埋められたセラミック基板171を作製した
(図25(a))。なお、KBr充填部172は表面を
研磨して平滑化した。このようにして作製したKBr充
填部分172を有する基板171の表面上に、rfスパ
ッタ法により金属Ni膜114を形成し、さらに金属N
i膜114の表面上に、実施例2と同様にプラズマMO
CVD法により基板171の表面に対して垂直方向が<
100>方向に結晶配向した岩塩型結晶構造酸化物の導
電性NiO膜115(Li添加)(大きさ0.6mm×
0.6mm、厚さ0.4μm)を形成した(図25
(b))。さらに、導電性NiO膜115の表面上に、
従来の焦電型赤外線センサエレメントの製造と同様のr
fマグネトロンスパッタ法により、PLT膜をエピタキ
シャル成長させることにより厚み3μmのc軸に結晶配
向したPLT膜104(0.2μm×0.2μm)を形
成し、そのPLT膜104の表面上にスパッタ法により
Ni−Cr電極膜116を形成した(図25(c))。
次に、ワイヤボンディング法によりAu線117で、N
i−Cr電極膜116と接続電極128を接続した(図
25(d))。このように作製された構造物を水洗い処
理することにより、KBr充填部分172を除去し、乾
燥後、導電性ペースト137により、金属Ni膜114
と接続電極129とを接続し、焦電型赤外線センサエレ
メント511が完成した(図25(e))。
【0101】このようにして得られた焦電型赤外線セン
サエレメント511において、焦電特性を示すPLT膜
104は、わずか0.8μm厚の金属Ni膜114のみ
に支えられているだけである。しかし、PLT膜がポリ
イミド樹脂膜によって支えられている従来の焦電型赤外
線センサエレメントと比較しても、金属Ni膜114は
ポリイミド樹脂膜よりも薄く、硬く、かつ収縮率がPL
T膜104とあまり異ならないため、機械的強度は充分
であり、かつクラック等による電極の導通切れを皆無に
できた。
【0102】さらに、第4の実施例と同様に、KBrの
代わりに、同じアルカリハライド材料のKCl、KI、
CsBr、CsI等を用いた場合でも、同様の性能を有
する焦電型赤外線センサエレメントを作製することがで
きた。
【0103】(実施例13)以下、本発明の焦電型赤外
線センサエレメント及びその製造方法の第6の実施例
を、図26及び図27を参照しつつ説明する。図26
は、第6の実施例の焦電型赤外線センサエレメントの構
成を示す斜視図である。なお、上記各実施例と同一の番
号を付した部材は実質的に同一である。図26に示すよ
うに、第6の実施例の焦電型赤外線センサエレメント6
11は、中央部近傍に略矩形断面の開口部130を有す
るセラミック基板107上に多層膜構造体126が直接
形成された構造である。セラミック基板107は、上記
各実施例と同様に、例えば5mm×5mmで厚さ1mm
の矩形状であり、中央部近傍の開口130の大きさは1
mm×1mmである。また、その材質は、例えばアルミ
ナ等である。多層膜構造体126は、電極を兼ねた導電
性NiO膜127と、導電性NiO膜127の上の所定
部分に配置されたPLT膜104と、PLT膜104の
上に配置されたNi−Cr電極膜116とを有し、PL
T膜部分104がセラミック基板107の開口部130
の上に位置する。導電性NiO膜127の大きさは、例
えば2mm×2mmで厚さ2μmである。また、PLT
膜104の大きさは、例えば0.2mm×0.2mmで
厚さ3μmである。セラミック基板107の表面の所定
部分には、接続電極128及び129が設けられてお
り、接続電極129と導電性NiO膜127とは導電性
ペースト137により、また接続電極128とNi−C
r電極膜116とはAu線117により接続されてい
る。以上のように構成された焦電型赤外線センサエレメ
ント611の製造方法を図27に示す。第4の実施例と
同様に、あらかじめ、中央部近傍に1mm×1mmの貫
通した開口部130を有する、大きさが5mm×5mm
で厚さ1mmのアルミナ製のセラミック基板107を用
意し、その表面の所定部分にPdペーストを塗布し10
50℃で焼成することにより、接続電極128及び12
9を形成した。次に、セラミック基板107の開口部1
30部分にKBr粉体を詰め固めた後、減圧下、740
℃で加熱することによりKBrを融解し、空間部分が埋
められたセラミック基板171を作製した(図27
(a))。なお、KBr充填部172は表面を研磨して
平滑化した。このようにして作製したKBr充填部分1
72を有する基板171の表面上に、第3の実施例と同
様にプラズマMOCVD法により、基板171の表面に
対して垂直方向が<100>方向に結晶配向した岩塩型
結晶構造酸化物の導電性NiO膜127(Li添加)
(大きさ2mm×2mm、厚さ2μm)を形成した(図
27(b))。さらに、第1の実施例と同様のスパッタ
法により、導電性NiO膜127の表面上に、PLT膜
をエピタキシャル成長させることにより厚み3μmのc
軸に結晶配向したPLT膜104(0.2μm×0.2
μm)を形成し、その表面上にNi−Cr電極膜116
を形成した(図27(c))。次に、ワイヤボンディン
グ法によりAu線117で、Ni−Cr電極膜116と
接続電極128とを接続した(図27(d))。このよ
うに作製された構造物を水洗い処理することにより、K
Br充填部分172を除去し、乾燥後、導電性ペースト
137により導電性NiO膜127と接続電極129と
を接続し、焦電型赤外線センサエレメント611が完成
した(図27(e))。
【0104】このようにして得られた焦電型赤外線セン
サエレメント611において、焦電特性を示すPLT膜
104は、わずか2μm厚の導電性NiO膜127のみ
に支えられているだけである。しかし、PLT膜がポリ
イミド樹脂膜によって支えられている従来の焦電型赤外
線センサエレメントと比較しても、導電性2μm厚のN
iO膜127はポリイミド樹脂膜よりも薄く、硬く、か
つ収縮率がPLT膜104とあまり異ならないため、機
械的強度は充分であり、かつクラック等による電極の導
通切れを皆無にできた。
【0105】さらに、第4の実施例と同様に、KBrの
代わりに、同じアルカリハライド材料のKCl、KI、
CsBr、CsI等を用いた場合でも、同様の性能を有
する焦電型赤外線センサエレメントを作製することがで
きた。
【0106】
【発明の効果】本発明の加速度センサエレメントによれ
ば、中央部分に貫通した空間部分のあるセンサ保持基板
の上に、電極膜Aと、(100)面配向を有する電極膜
Bと、前記電極膜Aと前記電極膜Bとの間に存在する圧
電性誘電体酸化物膜を少なくとも備えた多層膜構造体を
固着したという構成を備えたことにより、小型・軽量で
精度がよく、かつコストの安価な軽量自己保持型の加速
度センサエレメントを実現できる。
【0107】次に本発明の各製造方法によれば、前記加
速度センサーエレメントを効率良く、合理的に製造でき
る。たとえば水溶性の基板上に保持膜を介してセンサ膜
を形成した後、水洗により基板部分を除去する製造工程
であるため、小型でかつ低価格な軽量自己保持型の加速
度センサエレメント構造を容易に製造できる。
【0108】次に本発明の加速度センサによれば、加速
度センサエレメントとインピーダンス変換回路とフィル
タ回路と増幅回路と自己診断信号発生回路と温度補償回
路を少なくとも備えた加速度センサであって、前記加速
度センサエレメントは、中央部分に貫通した空間部分の
あるセンサ保持基板の上に、電極膜Aと、(100)面
配向を有する電極膜Bと、前記電極膜Aと前記電極膜B
との間に存在する圧電性誘電体酸化物膜からなる多層膜
構造体を固着したことにより、小型・軽量で精度がよ
く、かつコストの安価な軽量自己保持型の加速度センサ
を実現できる。
【0109】以上のように、本発明の焦電型赤外線セン
サエレメントによれば、焦電性誘電体酸化物膜を保持す
るために従来のポリイミド樹脂膜を用いず、ポリイミド
樹脂膜よりも薄く、硬く、かつ収縮率が焦電性誘電体酸
化物膜とあまり異ならない酸化物膜や金属膜等を用いて
いるので、電極切れや保持膜の亀裂が起こり憎くなると
いう効果を有する。また、基板として高価な(100)
面でへき開し鏡面研磨したMgO単結晶基板を用いてい
ないため、焦電型赤外線センサエレメントを安価に製造
することができる。さらに、本発明の焦電型赤外線セン
サエレメントの製造方法によれば、下地基板として水洗
により除去可能なアルカリハライドを用いているため、
従来必要であったMgO単結晶基板等をエッチングによ
り注意深く取り除く工程がなくなり、従来のものと同様
の性能を有する焦電型赤外線センサエレメントを安価に
製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の加速度センサエレメントの第1の実
施例の構成を示す部分破断斜視図
【図2】 本発明の加速度センサエレメントの第1の実
施例の製造工程を示すフロー図
【図3】 本発明の加速度センサエレメントの第2の実
施例の構成を示す部分破断斜視図
【図4】 本発明の加速度センサエレメントの第2の実
施例の製造工程を示すフロー図
【図5】 本発明の加速度センサエレメントの第3の実
施例の構成を示す部分破断斜視図
【図6】 本発明の加速度センサエレメントの第3の実
施例の製造工程を示すフロー図
【図7】 本発明の加速度センサエレメントの第4の実
施例の構成を示す部分破断斜視図
【図8】 本発明の加速度センサエレメントの第4の実
施例の製造工程を示すフロー図
【図9】 本発明の加速度センサエレメントの第5の実
施例の構成を示す部分破断斜視図
【図10】 本発明の加速度センサエレメントの第5の
実施例の製造工程を示すフロー図
【図11】 本発明の加速度センサエレメントの第6の
実施例の構成を示す部分破断斜視図
【図12】 本発明の加速度センサエレメントの第6の
実施例の製造工程を示すフロー図
【図13】 本発明の実施例7の加速度センサのシステ
ムブロック図
【図14】 従来の歪ゲージ式の半導体加速度センサエ
レメントの部分破断斜視図
【図15】 従来の静電容量式の半導体加速度センサエ
レメントの部分破断斜視図
【図16】 本発明の焦電型赤外線センサエレメントの
第1の実施例の構成を示す部分破断斜視図
【図17】 本発明の焦電型赤外線センサエレメントの
第1の実施例の製造工程を示すフロー図
【図18】 本発明の焦電型赤外線センサエレメントの
第2の実施例の構成を示す部分破断斜視図
【図19】 本発明の焦電型赤外線センサエレメントの
第2の実施例の製造工程を示すフロー図
【図20】 本発明の焦電型赤外線センサエレメントの
第3の実施例の構成を示す部分破断斜視図
【図21】 本発明の焦電型赤外線センサエレメントの
第3の実施例の製造工程を示すフロー図
【図22】 本発明の焦電型赤外線センサエレメントの
第4の実施例の構成を示す部分破断斜視図
【図23】 本発明の焦電型赤外線センサエレメントの
第4の実施例の製造工程を示すフロー図
【図24】 本発明の焦電型赤外線センサエレメントの
第5の実施例の構成を示す部分破断斜視図
【図25】 本発明の焦電型赤外線センサエレメントの
第5の実施例の製造工程を示すフロー図
【図26】 本発明の焦電型赤外線センサエレメントの
第6の実施例の構成を示す部分破断斜視図
【図27】 本発明の焦電型赤外線センサエレメントの
第6の実施例の製造工程を示すフロー図
【図28】 従来の焦電型赤外線センサエレメントの構
成を示す部分破断斜視図
【図29】 従来の焦電型赤外線センサエレメントの製
造工程を示すフロー図
【符号の説明】
1,101 KBr基板 2,102 MgO膜 3,103 引出し電極膜 4 PZT膜 5,105 引出し電極膜 6,106 導電性接着剤 7 センサ保持基板 8,9,18,19,48,49,108,109,118,119,128,129,208,209
接続電極 10,20,110,120 接着剤 11,21,31,41,51,61,71,81,801 加速度センサエレメン
ト 12,42,115,123,127 導電性NiO膜 13,114 金属Ni膜 15,116 Ni−Cr電極膜 16,46,121,136,137 導電性ペースト 17,117 Au線 22 カンチレバー部 23 ゲージ抵抗部(ピエゾ抵抗素子) 24 接続電極 25 上部ストッパウエハ 26 センシングウエハ 27 下部ストッパウエハ 28 エアギャップ 29,39 おもり部 32 上部対向電極 33 おもり電極(可動電極) 34 下部対向電極 35 上部ガラス 36 シリコン樹脂 37 下部ガラス 38 エアギャップ 39 Cu線 101 KBr基板 104 PLT膜 107 セラミック基板 111,211,311,411,511,611 焦電型赤外線センサエレメ
ント 112,113,122,124,125,126 多層膜構造体130 開口 131,172 KBr充填部分 171 基板 802 自己診断信号発生回路 803 基準電圧発生回路 804 温度補償回路 805 インピーダンス変換回路 806 フィルタ回路 807 増幅回路 811 加速度センサ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 平尾 孝 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電 器産業株式会社内 (72)発明者 高山 良一 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電 器産業株式会社内 (72)発明者 服部 益三 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電 器産業株式会社内 (56)参考文献 特開 平5−332828(JP,A) 特開 昭62−63825(JP,A) 特開 昭62−821(JP,A) 特開 昭60−171425(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01L 37/02 G01P 15/09 G01J 1/02 G01J 5/02

Claims (30)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 中央部近傍に略矩形断面の開口部を有す
    るセンサ保持基板の上に、電極膜Aと、(100)面配
    向を有する電極膜Bと、前記電極膜Aと前記電極膜Bと
    の間に存在する圧電性誘電体酸化物膜を少なくとも備え
    た多層膜構造体を固着した薄膜センサエレメント。
  2. 【請求項2】 (100)面配向を有する電極膜Bの上
    に圧電性誘電体酸化物膜を配置し、さらに前記の圧電性
    誘電体酸化物膜の上に電極膜Aを配置した多層膜構造体
    を、開口部を有するセンサ保持基板上に反転して接着さ
    れている請求項1に記載の薄膜センサエレメント。
  3. 【請求項3】 (100)面配向を有する電極膜Bが、
    Pt電極膜及び導電性NiO電極膜から選ばれる少なく
    とも一つである請求項1に記載の薄膜センサエレメン
    ト。
  4. 【請求項4】 (100)面配向を有する電極膜Bが、
    (100)面配向の岩塩型結晶構造酸化物膜の表面上に
    (100)面配向させたPt電極膜である請求項1に記
    載の薄膜センサエレメント。
  5. 【請求項5】 (100)面配向を有する電極膜Bが、
    金属電極膜の表面上に(100)面配向させた導電性N
    iO電極膜である請求項1に記載の薄膜センサエレメン
    ト。
  6. 【請求項6】 中央部近傍に略矩形断面の開口部を有す
    るセンサ保持基板上に、その開口部を覆うように(10
    0)面配向の岩塩型結晶構造酸化物膜を配置し、その表
    面上に(100)面配向のPt電極膜Bを配置し、さら
    にその上に圧電性誘電体酸化物膜を配置し、さらに前記
    の圧電性誘電体酸化物膜の上に電極膜Aを配置した請求
    項1に記載の薄膜センサエレメント。
  7. 【請求項7】 中央部近傍に略矩形断面の開口部を有す
    るセンサ保持基板上に、その開口部を覆うように金属電
    極膜を形成し、その表面上に(100)面配向の導電性
    NiO膜Bを配置し、さらにその上に圧電性誘電体酸化
    物膜を配置し、さらに前記の圧電性誘電体酸化物膜の上
    に電極膜Aを配置した請求項1に記載の薄膜センサエレ
    メント。
  8. 【請求項8】 中央部近傍に略矩形断面の開口部を有す
    るセンサ保持基板上に、その開口部を覆うように(10
    0)面配向の導電性NiO膜Bを形成し、その表面上に
    圧電性誘電体酸化物膜を配置し、さらに前記の圧電性誘
    電体酸化物膜の上に電極膜Aを配置した請求項1に記載
    の薄膜センサエレメント。
  9. 【請求項9】 センサ保持基板がセラミックで形成され
    ている請求項1に記載の薄膜センサエレメント。
  10. 【請求項10】 岩塩型結晶構造酸化物膜がMgO、N
    iO及びCoOから選ばれる少なくとも一つの膜である
    請求項4または6に記載の薄膜センサエレメント。
  11. 【請求項11】 圧電性誘電体酸化物膜がチタン酸ジル
    コン酸鉛(PZT)膜である請求項1に記載の薄膜セン
    サエレメント。
  12. 【請求項12】 圧電性誘電体酸化物膜がチタン酸ラン
    タン酸鉛(PLT)膜である請求項1に記載の薄膜セン
    サエレメント。
  13. 【請求項13】 NiO膜にドーパントとしてリチウム
    が添加されている請求項3,5,7,8または10に記
    載の薄膜センサエレメント。
  14. 【請求項14】 センサエレメントが、加速度センサエ
    レメント及び焦電型赤外線センサエレメントから選ばれ
    る少なくとも一つの薄膜センサエレメントである請求項
    1に記載の薄膜センサエレメント。
  15. 【請求項15】 圧電性誘電体酸化物膜の厚さが100
    nm〜20μmの範囲である請求項1に記載の薄膜セン
    サエレメント。
  16. 【請求項16】 中央部近傍に略矩形断面の開口部を有
    するセンサ保持基板の上に、電極膜Aと、(100)面
    配向を有する電極膜Bと、前記電極膜Aと前記電極膜B
    との間に存在する圧電性誘電体酸化物膜を少なくとも備
    えた多層膜構造体を固着した薄膜センサエレメントの製
    造方法であって、アルカリハライド基板上に少なくとも
    (100)面配向を有する電極膜を形成し、その上に圧
    電性誘電体酸化物膜を形成し、その上に電極膜を形成し
    て多層膜構造体とし、前記多層膜構造体を中央部近傍に
    略矩形断面の開口部を有するセンサ保持基板の上に固着
    した後、水を用いて前記アルカリハライド基板を溶解除
    去することを特徴とする薄膜センサエレメントの製造方
    法。
  17. 【請求項17】 アルカリハライド材料が、Na、K及
    びCsから選択された少なくとも一種のアルカリ金属元
    素と、F、Cl、Br及びIから選択された少なくとも
    一種のハロゲン元素との化合物の岩塩型結晶である請求
    項16に記載の薄膜センサエレメントの製造方法。
  18. 【請求項18】 アルカリハライド材料が、NaF,N
    aCl,KCl,KBr,CsBr,KI及びCsIか
    ら選ばれる少なくとも一つの塩である請求項16に記載
    の薄膜センサエレメントの製造方法。
  19. 【請求項19】 圧電性誘電体酸化物膜の厚さが100
    nm〜20μmの範囲である請求項16に記載の薄膜セ
    ンサエレメントの製造方法。
  20. 【請求項20】 センサエレメントが、加速度センサエ
    レメント及び焦電型赤外線センサエレメントから選ばれ
    る少なくとも一つの薄膜センサエレメントである請求項
    16に記載の薄膜センサエレメントの製造方法。
  21. 【請求項21】 アルカリハライド基板上に(100)
    面配向の岩塩型結晶構造酸化物膜を形成し、その上に
    (100)面配向のPt電極膜を形成し、さらにその上
    に圧電性誘電体酸化物膜を形成し、さらに前記の圧電性
    誘電体酸化物膜の上に電極膜を形成した多層膜構造体構
    成物を、中央部近傍に略矩形断面の開口部を有するセラ
    ミック基板に反転して接着し、水洗して前記アルカリハ
    ライド基板を溶解除去する薄膜センサエレメントの製造
    方法。
  22. 【請求項22】 アルカリハライド基板上に金属電極膜
    を形成し、その表面上に(100)面配向の導電性Ni
    O電極膜を形成し、さらにその上に圧電性誘電体酸化物
    膜を形成し、さらに前記の圧電性誘電体酸化物膜の上に
    電極膜を形成した多層膜構造体構成物を、中央部近傍に
    略矩形断面の開口部を有するセラミック基板に反転して
    接着し、水洗して前記アルカリハライド基板を溶解除去
    る薄膜センサエレメントの製造方法。
  23. 【請求項23】 アルカリハライド基板上に(100)
    面配向の導電性NiO電極膜を形成し、その表面上に圧
    電性誘電体酸化物膜を形成し、さらにその上に電極膜を
    形成した多層膜構造体構成物を、中央部近傍に略矩形断
    面の開口部を有するセラミック基板に反転して接着し、
    水洗して前記アルカリハライド基板を溶解除去する薄
    センサエレメントの製造方法。
  24. 【請求項24】 中央部近傍に略矩形断面の開口部を有
    するセラミック基板の前記開口部にアルカリハライドを
    埋め込み、表面を平滑にして基板を作製し、前記基板上
    に(100)面配向の岩塩型結晶構造酸化物膜を形成
    し、その表面上に(100)面配向のPt電極膜を形成
    し、その上に圧電性誘電体酸化物膜を形成し、さらに前
    記の圧電性誘電体酸化物膜の上に電極膜を形成した後、
    水洗して前記アルカリハライド基板を溶解除去する薄
    センサエレメントの製造方法。
  25. 【請求項25】 中央部近傍に略矩形断面の開口部を有
    するセラミック基板の前記開口部にアルカリハライドを
    埋め込み、表面を平滑にして基板を作製し、前記基板上
    に金属電極膜膜を形成し、その表面上に(100)面配
    向の導電性NiO膜を形成し、さらにその上に圧電性誘
    電体酸化物膜を形成し、前記の圧電性誘電体酸化物膜の
    上に電極膜を形成した後、水洗して前記アルカリハライ
    ド基板を溶解除去する薄膜センサエレメントの製造方
    法。
  26. 【請求項26】 中央部近傍に略矩形断面の開口部を有
    するセラミック基板の前記開口部にアルカリハライドを
    埋め込み、表面を平滑にして基板を作製し、前記基板上
    に(100)面配向の導電性NiO膜を形成し、その表
    面上に圧電性誘電体酸化物膜を形成し、さらに前記の圧
    電性誘電体酸化物膜の上に電極膜を形成した後、水洗し
    て前記アルカリハライド基板を溶解除去する薄膜センサ
    エレメントの製造方法。
  27. 【請求項27】 圧電性誘電体酸化物膜がチタン酸ジル
    コン酸鉛膜である請求項16,21〜26のいずれか
    記載の薄膜センサエレメントの製造方法。
  28. 【請求項28】 圧電性誘電体酸化物膜がチタン酸ラン
    タン酸鉛膜である請求項16,21〜26のいずれか
    記載の薄膜センサエレメントの製造方法。
  29. 【請求項29】 岩塩型結晶構造酸化物膜がMgO、N
    iO及びCoOから選ばれる少なくとも一つの膜である
    請求項21または24に記載の薄膜センサエレメントの
    製造方法。
  30. 【請求項30】 NiO膜にドーパントとしてリチウム
    を存在させる請求項22,23,25または26に記載
    の薄膜センサエレメントの製造方法。
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