JP3377561B2 - 建材用無機質複合成形体およびその製造方法 - Google Patents
建材用無機質複合成形体およびその製造方法Info
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Description
内、外壁材、屋根材、床材、天井材等に使用して、好適
な新規な建材用無機質複合成形体およびその製造方法に
関する。
なる複合建材としてはレジンコンクリートが公知である
が、この種の建材は多量の樹脂を使用し、耐火性に難が
ある一方で、硬くて脆く、切断、釘打ち等の加工性に欠
ける欠点があり、汎用建材として使用されるに至ってい
ない。
結合する方法として、シェルモールド用途で用いられる
レジンコーテッドサンド法がある。しかし、レジンコー
テッドサンドは無機質砂状粒子の表面に熱硬化性樹脂の
薄層を形成し、その薄層を通して無機質中実砂状粒子の
結合を行う点接着系なので樹脂量は少なくできる反面、
建築材料用途で用いるには強度が小さく、またレジンコ
ンクリートと同様に靭性に欠ける欠点があるので、その
ままでは建材用途では利用できない。
れらの欠点を解決するために、繊維強化法を採用する試
みがあり、例えば特開昭57−177846号公報にお
いて種々の繊維質素材を鋳物砂と混合使用しているが、
配合可能な繊維量に技術的な制約があり、1重量%を超
える添加量にはできていないので、建材分野での有効利
用には結び付いていない。また、繊維質素材としてロー
ビングまたはストランド状の集束された無機質繊維につ
いては何ら開示されていない。
は、特公昭57−30383号公報において、粒径が
0.06〜0.3mmの粗粒フライアッシュとフェノー
ル樹脂との混合物、あるいはこれらと粒径1.0mm以
下の軽石との混合物と、チョップドストランド状のガラ
ス繊維とを交互に散布成層し、ガラス繊維が粗粒フライ
アッシュとフェノール樹脂との混合物中にほぼ均一に分
散したマット状物とし、これを熱プレスして複合建材板
を得る技術を開示した。
合建材板は、多量の無機質粒体を含む熱硬化性樹脂中に
相対的に多量のガラス繊維を分散させ得る点で、破壊強
度、靭性、耐衝撃性に優れた性能を示すが以下の点でま
だ不十分であった。 (1) 無機質粒体を樹脂が埋める構造を取るので、粒子
同士を確実に結合するには、相対的に多量の樹脂を必要
とし、耐火性に課題が残る。 (2) 切削加工性を付与するためには、フライアッシ
ュ、多孔質粒子等の脆い粒子を用いることが必要であ
り、硬質の中実粒子を用いると、切削性、釘打ち性、ビ
ス留め性等の加工性は制限される。従って使用可能な無
機質粒体の選択の幅が小さい。 (3) 多孔質粒子等を用いるので、空隙率が大きくな
り、樹脂率当たりの物性、特に弾性率が小さくなる。
技術の前記のような難点を改善し、少ない樹脂量で強
度、靭性、耐火性、切削性、釘打ち性、ビス留め性等の
加工性(以下、単に加工性という)共に優れた建材用無
機質成形体を提供することである。
を解決するため鋭意研究を行った結果、シェルモールド
用途の熱硬化性樹脂被覆無機質中実砂状粒子を用いた建
築材料の創作という視点から検討を加え、熱硬化性樹脂
で表面が被覆された無機質中実砂状粒子の層に集束状の
無機質繊維が分散した構造の繊維・粒子構成体を熱硬化
により一体化させて得られる成形体が、建築材料として
用いるのに優れた強度、靭性、耐火性、加工性を有する
ことを見い出し、本発明を完成した。
機質繊維とを熱硬化により一体化してなり、空隙を有す
る構造であって、前記無機質繊維は1体積%以上の割合
で分散して位置し、ロービングまたはストランド状の集
束繊維であることを特徴とする建材用無機質複合成形
体。
成する表面層と、無機質軽量骨材と熱硬化性樹脂とを必
須成分とするコア層とから形成される層状構造体を熱硬
化により一体化してなることを特徴とする建材用無機質
複合成形体。
粒子と無機質繊維とを熱硬化により一体化してなる建材
用無機質複合成形体の製造方法において、10mm以上
の長さを有するロービングまたはストランド状の集束さ
れた無機質繊維を散布または載置して無機質繊維層を形
成する工程と、該工程で得られる無機質繊維層上に熱硬
化性樹脂を被覆した無機質砂状粒子を散布して、少なく
とも前記無機質繊維束間隙に無機質砂状粒子が分散した
構成体を形成する工程とを含むことを特徴とする建材用
無機質複合成形体の製造方法。
る。図2は本発明の一実施態様である無機質繊維ロービ
ングを用いた板状体を連続的に成形する場合の概念を示
す立面フローシートである。以下図2に従って説明す
る。始めにロービングカッター13によって無機質繊維
ロービングを所定長さに切断し、チョップドストランド
状として離型シート5上に散布する。離型シート5は移
送用コンベア11上に置かれており、定速度で移動させ
て、離型シート上に均一な厚みの間隙量の多い繊維層を
形成する。
よびセラミック繊維を集束させて得られるストランドま
たはロービングから任意に選択されたものが使用されて
いるが、成形作業性、経済性の観点から、ガラス繊維ス
トランド製品、例えば、ストランド自体およびその成形
加工体であるチョップドストランドマットまたはコンテ
ィヌアスストランドマット等が好ましい。これらのガラ
ス繊維ストランド製品は、5〜25μmのモノフィラメ
ントを50〜250本引き揃えて、バインダーを加えて
1本としたストランドをベースとしたもので、力学的効
果を期待するには10mm以上の繊維長として用いるこ
とが好ましい。
断熱・保温材等で用いられるガラスウール、ロックウー
ルは繊維間隔が狭く無機質中実砂状粒子を繊維間隙内に
有効に分散させることが出来ないので使用に適さない。
ティニュアスストランドマット等の既に賦形されている
繊維を使用する場合には、ロービングカッター装置を用
いず、単に離型シート上に置くだけでよく、工程がより
簡略となる。
硬化性樹脂を被覆した無機質中実砂状粒子2をコンベア
14によって定量的に切り出し、同様にして繊維層上に
散布する。このとき無機質中実砂状粒子が予め成層され
た繊維層の繊維束間隙に入り得る粒径以下に調整されて
いると、散布された樹脂被覆無機質中実砂状粒子は繊維
間隙を滑落して、その間隙を充填してゆき、結果として
樹脂被覆無機質中実砂状粒子中に無機質繊維が分散した
構造を形成する。このため、無機質中実砂状粒子は平均
粒径0.5mm以下、好ましくは0.3mm以下に調整
して用いられる。
ドで用いられる、山砂、川砂、浜砂、蛙目硅砂、風化硅
砂等の天然硅砂、コニカル砂、硅石硅砂等の人造硅砂、
オリビンサンド、マグネシアサンド、ジルコンサンド、
クロマイトサンド等の特殊砂またはこれらの再生砂、レ
ジンコンクリート、あるいはレジンモルタルに用いられ
る硼砂、人工骨材や大理石、御影石、石灰石、安山岩、
炭酸カルシウム等の砕石またはセメント、石膏、ガラ
ス、陶磁器、貝殻等の破砕粒状物、アルミナ、ベンガラ
が使用できる。これらの無機質中実砂状粒子は1種類に
限るものではなく、2種以上を併用することができる。
樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、エポキシ樹脂、不飽和
ポリエステル樹脂、ジアリルフタレート樹脂、ポリウレ
タン樹脂、アルキッド樹脂等、一般に熱硬化性樹脂とし
て分類される常温で固体状のものは任意に使用すること
ができるが、特に耐火性の点からフェノール樹脂が好適
である。
の表面に熱硬化性樹脂を被覆させたものであり、例え
ば、樹脂の溶融点以上の温度に予熱された無機質中実砂
状粒子と熱硬化性樹脂とを混練して、該無機質中実砂状
粒子の表面に熱硬化性樹脂を被覆させる方法A、予め有
機溶剤に溶解させた熱硬化性樹脂と無機質中実砂状粒子
とを混練した後、溶剤を揮発させて無機質中実砂状粒子
の表面に熱硬化性樹脂を被覆させる方法Bまたは粉末状
の熱硬化性樹脂と有機溶剤とを併用して無機質中実砂状
粒子の表面に熱硬化性樹脂を被覆させる方法Cにより製
造することができる。中でも、強度の発現性、経済性お
よび生産性の観点から、方法Aが特に好ましい。
なくとも繊維束間隙を充填するに足りる量であれば良い
が、過剰に散布し、無機質繊維分散層と無機質中実砂状
粒子単独層の互層とすることも、また図1に示したよう
に、繊維を散布する前工程で、別の散布装置2′から樹
脂被覆無機質中実砂状粒子を散布成層し、無機質繊維分
散層を無機質中実砂状粒子層でサンドイッチとすること
もできる。さらに、複数の散布装置、ロービングカッタ
ー等を移送コンベア上に並列に配置し、樹脂被覆無機質
中実砂状粒子と無機質繊維の散布を複数回繰り返し行っ
てもよい。これらの操作で無機質繊維層を得られる成形
体の厚さ方向に対して、任意の位置に置くことができ、
また成形体を任意の厚みとできる。
成体は必要があれば振動、圧縮等の操作を加えて充填性
を改善し、厚みを調整することもできる。このようにし
て得られた繊維・粒子構成体を熱プレスあるいは加熱炉
に入れ、無機質中実砂状粒子表面の熱硬化性樹脂を硬化
させ、無機質中実砂状粒子を点状に結合するとともに、
これらの粒子を介して無機質繊維を同様に点状に結合し
て本発明の無機質複合成形体は得られる。
て必要な物性と加工性を合わせ持たせるためには、各原
料の配合割合はそれぞれ以下の範囲であることが望まし
い。まず、無機質中実砂状粒子と熱硬化性樹脂の配合割
合は、無機質中実砂状粒子の真容積に対して、熱硬化性
樹脂は3〜12容積%の範囲であることが望ましい。
では必要な物性が得られず、また12容量部を超えると
きは、切削過程で樹脂層と無機質中実砂状粒子が共に破
壊されるため、使用する無機質中実砂状粒子が硬質であ
ると切削性が阻害されることになり、無機質中実砂状粒
子の選択に大きな制約を生じる。熱硬化性樹脂を3〜1
2容積%の範囲で用いると、切削操作中に樹脂層がより
優先的に破壊し、無機質中実砂状粒子は破壊せずにはじ
き飛ばされるようになった。このため、実用上、硬質な
無機質中実砂状粒子を用いても切削性を付与できるよう
になり、使用可能な無機質中実砂状粒子の制約を外すこ
とができた。
然のことながらこの樹脂量の規定は必要ない。このため
に、無機質繊維の配合割合は、得られる成形体に対する
体積含有率で少なくとも2〜6%の範囲である繊維分散
層部分が存在することが望ましい。その理由は、2%未
満では引張りや衝撃性に対する繊維補強効果が十分では
なく、また釘打ち、ビス留め性が劣る。6%を超えると
繊維束間隙中に無機質砂状粒子を十分に分散させること
が困難となり、やはり物性の向上は期待できなくなるか
らである。
の条件を満たす各原料(無機質繊維、無機質中実砂状粒
子および熱硬化性樹脂)の構成割合は、無機質繊維の間
隙率や樹脂被覆無機質中実砂状粒子の充填率で変動する
ため特に限定されないが、一般的には、無機質繊維分散
層では、得られる成形体に対する体積含有率で、無機質
繊維2〜6%、無機質中実砂状粒子45〜65%、熱硬
化性樹脂2〜8%となり残部は空隙となる。また、無機
質中実砂状粒子単独層では、同じく、無機質中実砂状粒
子60〜70%、熱硬化性樹脂2〜9%となり残部は空
隙となる。
宜の金型内に各成形原料を順次充填する方法でもよく、
また、平板ばかりではなく、曲面板とすることや表面に
種々の模様を付与することもできる。
成体を表面層とし、無機質軽量骨材と熱硬化性樹脂とを
必須成分とする組成物を散布成層したコア層を配置し、
これらを熱硬化し、結合一体化する層状構造の無機質複
合成形体とすることもできる。この無機質軽量骨材は火
山礫、抗火石、パーライト、頁岩発泡粒子等の天然およ
び人工骨軽量骨材が用いられる。このような、脆弱で軽
量なコア層に高強度の表面層を配した構造とすることに
より、得られる複合成形体は、比重当たりの機械的強度
が向上し、特に壁材として優れた性質を示すようにな
る。
に説明するが、本発明はこの実施例によって何等限定さ
れるものではない。 (実施例1)繊維径13μm、番手2,400texの
ガラス繊維ロービング(商品名、RS−240PR−3
48CS、日東紡績社製)を繊維長さ38mmに切断し
たチョップドストランド600g/m2を成形金型内に
散布成層した後、ヘキサミンによって熱硬化性を付与し
た平均粒径0.1mmのノボラック型フェノール樹脂被
覆珪砂6400g/m2を散布するとともに、チョップ
ドストランド層の間隙に該樹脂被覆珪砂を充填させて繊
維・粒子構成体を形成した。なお、前記樹脂被覆珪砂に
は、約140℃に予熱し珪砂と所定量(珪砂に対して2
重量%、4重量%および6重量%の3種)のノボラック
型フェノール樹脂(商品名、SP−6905、旭有機材
工業社製)とを混練して珪砂表面に樹脂を溶融被覆した
後、該ノボラック型フェノール樹脂に対して15重量%
のヘキサミンを含む冷却水および少量の滑剤を加えて調
製したものを使用した。この際、ノボラック型フェノー
ル樹脂の使用量が9重量%を超えると粒子間付着が発生
し均一な樹脂被覆珪砂を調製することができなかった。
挿入し、プレス圧力20Kg/cm2、加熱温度160
℃、加熱時間10分の条件で加熱加圧成形して硬化させ
た後、金型より取出して冷却し、厚さ4mmの建材用無
機質複合成形体を3種類製造した。更に、得られた無機
質複合成形体は、幅30mmに切り出して、密度、3点
曲げ試験法(スパン80mm)による曲げ強さと曲げ弾
性率および切削性(以下、単に物性という)を求めた。
なお、フェノール樹脂の密度は1.30g/cm3、珪
砂の密度は2.50g/cm3、ガラス繊維の密度は
2.50g/cm3として、無機質複合成形体を構成す
る各原料成分(樹脂、繊維および珪砂)の体積分率を求
めた。その結果を表1に示した。また、珪砂に対して4
重量%の樹脂被覆珪砂(実施例1の2)を用いて作成し
た無機質複合成形体の曲げ試験におけるストレス−スト
レインカーブを図2に示した。
は、実施例1と同じ条件で建材用無機質複合成形体を3
種類製造した。得られた無機質複合成形体については、
実施例1と同様に物性を測定し、かつ構成する各原料成
分(樹脂および珪砂)の体積分率を求めた。その結果を
表1に示した。また、珪砂に対して4重量%の樹脂被覆
珪砂(実施例1の2)を用いて製造した無機質複合成形
体の曲げ試験におけるストレス−ストレインカーブを図
2に示した。
ス繊維を、それぞれ160g/m2、900g/m2散布
成層し、その上から、実施例1記載の樹脂率4重量%の
樹脂被覆珪砂6,400g/m2を散布し、繊維・粒子
構成体を形成し、実施例1と同じ条件で建材用無機質複
合成形体を2種類製造した。実施例1と同様に物性を測
定し、かつ構成する各原料成分(樹脂、繊維および珪
砂)の体積分率を求めた。
断したチョップドストランド600g/m2および実施
例1記載の樹脂率4重量%の樹脂被覆珪砂を用いる以外
は実施例1と同じ条件で無機質複合成形体を製造した。
得られた建材用無機質複合成形体について実施例1と同
様に物性を測定し、かつ構成する各原料成分(樹脂、繊
維および珪砂)の体積分率を求めた。
x、繊維長さ38mmのガラス繊維チョップドストラン
ド600g/m2をプレス成形金型内に散布成層し、そ
の上から粉末状のノボラック型フェノール樹脂390g
とブレーン値1,800m2/gの粗粒フライアッシュ
(東北電力社製)4,010gとを混合して調製した組
成物を散布し、ガラス繊維束間隙を充填した繊維・組成
物構成体を得る。この繊維組成物構成体を熱プレスに挿
入し、プレス圧力20Kg/cm2、加熱温度160
℃、加熱時間10分の条件で加熱加圧し、金型より取り
出し冷却後、厚さ4mmの建材用無機質成形体を製造し
た。なお、フライアッシュの密度は2.20g/cm3
として計算した。得られた建材用無機質複合成形体につ
いては、実施例1と同様に物性を測定し、かつ構成する
各原料成分(樹脂、繊維および珪砂)の体積分率を求め
た。
x、のガラス繊維ロービングを繊維長さ38mmに切断
したチョップドストランド240g/m2をブレス成形
金型内に散布成層し、その上から実施例1記載の樹脂率
4重量%の樹脂被覆珪砂(実施例1の2)2,000g
/m2を散布し、該樹脂被覆珪砂でガラス繊維束間隙を
充填した表面層の繊維・粒子構成体を形成する。つぎ
に、この表面層の上に粉末状のノボラック型フェノール
樹脂(商品名、NH7000、新日鐵化学社製)7重量
部、ブレーン値1,800m2/gの粗粒フライアッシ
ュ(東北電力社製)50重量部、および粒径0.5〜3
mmに調製した火山礫(オーマル工業社製)43重量部
からなる組成物を7,032g/m2を散布し、コア層
を形成する。さらにこのコア層の上に、前記チョップド
ストランドを240g/m2、樹脂被覆珪砂2,600
g/m2を順に散布し、表面層用の繊維・粒子構成体を
形成する。この層状構成体を熱プレスに挿入し、プレス
圧力20kg/cm2、加熱温度160℃、加熱時間1
5分の条件で加熱加圧し、金型より取り出し冷却後、厚
さ12mmの建材用無機質複合成形体を製造した。この
無機質複合成形体を30mmに切り出し、密度およびス
パン80mmの3点曲げ試験を行い曲げ強さ、曲げ弾性
率を求めた。 密度 1.02 g/cm2 曲げ強さ 107 kg/cm2 曲げ弾性率 560 kg/mm2
実砂状粒子の表面に形成された熱硬化性樹脂の薄層を介
して点状に結合され、かつ空隙を残す無機質中実砂状粒
子層中に、集束された無機質繊維束が分散し、しかもこ
の無機質繊維束が前記の無機質中実砂状粒子表面の熱硬
化性樹脂を介して結合されている構造に構成されてい
る。先ず、機械的強度に関して、熱硬化性樹脂で点状に
結合された無機質中実砂状粒子単味系は、従来技術のよ
うな、粒子間隙を熱硬化性樹脂組成物が充填している粒
子分散型の構造と比べると、低樹脂量域で相対的な強度
発現性の大きい特徴を有するが、建材として用いる水準
では、脆性で十分な強度は得られなかった。これに対
し、本発明では、相互に結合した構造の無機質中実砂状
粒子層中に、無機質繊維束を分散させ、かつ無機質中実
砂状粒子表面の樹脂を介して点接着固定することによっ
て得られた繊維の補強効果と、低樹脂量域で相対的な強
度発現性の大きい点接着構造との相乗効果によって、樹
脂量を増加させることなく、脆性と機械的強度を建材と
して必要な水準に改善することができた。
してその表面で点接着固定されており、繊維束を構成す
るモノフィラメントは比較的少量の集束剤で固定されて
いるので、成形体に力が加わった際、繊維束全体が破壊
する前にモノフィラメントの引き抜けが生じるため、相
対的に大きな靭性が得られることとなった。また、熱硬
化性樹脂を被覆した無機質中実砂状粒子の層中に集束さ
れた無機質繊維束が分散しかつ空隙を有する構造になっ
ているので、相対的に少量の樹脂でよく、耐火性も向上
する。次に、切削性に関して、従来技術のような、粒子
間隙を熱硬化性樹脂組成物が充填している粒子分散型の
構造では、低樹脂量域としても、樹脂濃度が局部的に大
きな硬質部を形成しやすく、必ずしも切削性が改善され
なかった。これに対し、本発明では、無機質中実砂状粒
子表面を予め熱硬化性樹脂で被覆し、樹脂濃度を均一と
し、硬質部の形成を抑えたことにより、切削性を大きく
向上させた。さらに、無機質中実砂状粒子の表面を被覆
している少量の熱硬化性樹脂で点状に結合した本発明の
複合成形体の構造では、樹脂層部分の強度を相対的に小
さくできるので、切削時にこの樹脂層が優先的に破壊
し、大部分の無機質中実砂状粒子は破壊せずに弾き飛ぶ
ようになった。この結果、硬質の中実無機質粒子を用い
ても、その硬質粒子は破壊されることが少ないので、よ
り少ないエネルギーで十分な切削性が得られた。
形体は、熱硬化性樹脂を被覆した無機質中実砂状粒子の
層中に集束された無機質繊維束が分散しかつ空隙を有す
る構造に構成されているため、実施例で示した条件下で
は、破壊強度に関して、同一樹脂量当り、レジンコーテ
ッドサンド法で期待される強度の約1.5倍および多孔
質粒子を用いた場合の3倍以上の強度が得られた。同時
に衝撃強度も改善され、釘打ち、ビス留め固定をも可能
とした。しかも、実用的には2重量%という極めて少量
の熱硬化性樹脂の使用でも、例えば、住宅用の壁材とし
ての要求強度を満たすこととなった。
の無機質中実砂状粒子を用いた場合でも、切削性が優
れ、鋸切断や面取り・孔あけ加工を可能とした。また、
製造方法の観点からは、無機質繊維の樹脂含浸処理や予
備硬化処理等の工程を加えず、ただ集束された無機質繊
維の層(またはマットを載置)のみを形成し、その上
に、熱硬化性樹脂を被覆した無機質中実砂状粒子を散布
するという極めて簡単な手段で、有効な繊維強化が実現
された効果は大きい。
図である。
無機質繊維ロービングを散布し、それに熱可塑性樹脂を
被覆した無機質中実砂状粒子を散布する本発明の無機質
複合成形体の製造方法を説明する断面立面説明図であ
る。
コア層の表裏に本発明の熱硬化性樹脂を被覆した無機質
中実砂状粒子と無機質繊維とを熱硬化により一体化して
空隙を有する無機質複合成形体を形成してなる無機質層
状構成体の断面の説明図である。
レス・ストレイン曲線を示した図である。
Claims (3)
- 【請求項1】 熱硬化性樹脂を被覆した無機質中実砂状
粒子と無機質繊維とを熱硬化により一体化してなり、空
隙を有する構造であって、前記無機質繊維は1体積%以
上の割合で分散して位置し、ロービングまたはストラン
ド状の集束繊維であることを特徴とする建材用無機質複
合成形体。 - 【請求項2】 請求項1記載の無機質複合成形体を形成
する表面層と、無機質軽量骨材と熱硬化性樹脂とを必須
成分とするコア層とから形成される層状構造体を熱硬化
により一体化してなることを特徴とする建材用無機質複
合成形体。 - 【請求項3】 熱硬化性樹脂を被覆した無機質砂状粒子
と無機質繊維とを熱硬化により一体化してなる建材用無
機質複合成形体の製造方法において、1体積%を有する
ロービングまたはストランド状の集束された無機質繊維
を散布または載置して無機質繊維層を形成する工程と、
該工程で得られる無機質繊維層上に熱硬化性樹脂を被覆
した無機質砂状粒子を散布して、少なくとも前記無機質
繊維束間隙中に無機質砂状粒子が分散した構成体を形成
する工程とを含むことを特徴とする建材用無機質複合成
形体の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP18840993A JP3377561B2 (ja) | 1993-07-29 | 1993-07-29 | 建材用無機質複合成形体およびその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
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