JP3375796B2 - 走行車両における自動操舵制御装置 - Google Patents

走行車両における自動操舵制御装置

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JP3375796B2 JP21921595A JP21921595A JP3375796B2 JP 3375796 B2 JP3375796 B2 JP 3375796B2 JP 21921595 A JP21921595 A JP 21921595A JP 21921595 A JP21921595 A JP 21921595A JP 3375796 B2 JP3375796 B2 JP 3375796B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、農作業機等の走行車両
を誘導経路に沿って敷設した誘導ケーブルに略沿うよう
に自動操舵制御する装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、図4及び図12に示すよう
に、果樹園等における自動走行型の薬剤散布機(スピー
ドスプレヤ)等の走行車両1においては、作業経路(誘
導経路)に沿って地中に埋設した誘導ケーブル27に交
流電流を流し、この誘導ケーブル27から発生する交流
磁界の強度の変化を走行車両1の前部等に装着した左右
一対のピックアップコイル等の検出器26a,26bに
て検出し、この誘導ケーブル27に対する走行車両1の
横ずれの大きさに対応して発生する左右一対の検出器2
6a,26bでの出力値(電圧値)Va,Vbの差(差
分)を取って、横ずれの大きさ(偏位量)と横ずれの方
向(右か左かの判別)とを求め、これらの検出結果から
走行車両を誘導ケーブルに沿って走行するように、走行
車両における操舵車輪の向きを変えて操舵制御すること
が行われている(特開昭63−28830号公報、特開
昭63−204415号公報、特開平6−161552
号公報等参照)。
【0003】図4及び図12において、誘導ケーブル2
7から立てた鉛直線に対する各検出器26a,26bま
での水平方向距離を各々La、Lb、誘導ケーブル27
から検出器26a,26bまでの垂直方向(高さ方向)
の距離Hとし、誘導ケーブル27が前記左右一対の検出
器26a,26bの水平距離の中点からの横ずれ量をx
とすれば、出力の差(差分)Vdef (=Va−Vb)が零に
なるように操舵制御する。換言すれば、前記La=Lb
となるように操舵制御するのである。
【0004】即ち、前記先行技術の特開昭63−288
30号公報および特開昭63−204415号公報にも
説明され、図12に示すように、前記各検出器26a,
26bでの出力値(出力特性)Va,Vbは、上向き凸
湾曲状の曲線を描くように変化する。
【0005】そして、前記出力差Vdef (=Va−Vb)と
横ずれ量xとが、直線的比例関係にあることを利用し
て、左右一対の検出器26a,26bによる検出値から
横ずれ量xを演算し、これに基づいて操舵制御を実行し
ようとするのである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、出力差
Vdef (=Va−Vb)の曲線は、図8及び図12に示すよ
うに、横ずれ量xが一定以上に大きくなると、差異が少
なくなる。つまり、1つの検出器の真下に誘導ケーブル
27が存在するときその検出器による検出出力値が最大
となり、それから誘導ケーブル27の位置が横方向にず
れるに従って、検出出力値が減少してゆく。
【0007】それ故、出力差Vdef (=Va−Vb)と横ず
れ量xとが直線的に比例する領域から外側に外れる領域
では、出力差Vdef の値の変動が小さくても、横ずれ量
xの変動量が大きいから、前記出力差Vdef の値に基づ
いて横ずれ量xを演算しても操舵の修正に大きい誤差が
発生するという問題があった。
【0008】しかも、前記各出力値(出力特性)Va,
Vb及び出力差Vdef (=Va−Vb)は、誘導ケーブル2
7に対する検出器26a,26bの横ずれ量xの大小に
応じて変化すると共に、前記高さ方向の距離Hの大小に
よっても変化する。
【0009】例えば、前記距離Hが小さいときには、出
力値(検出値)も相対的に大きい曲線C1となり、出力
特性の大きい曲線C1における左右一対の検出器26
a,26bの出力値の差Vdef1(=Va−Vb)は大きい。
前記距離Hが大きくなるに従って、出力値(検出値)が
相対的に小さくなるような曲線C2,C3を示し、例え
ば、出力特性の小さい曲線C2における出力値の差Vde
f2(=Va−Vb)も小さくなる。
【0010】換言すると、前記高さ方向の距離Hが小さ
い場合における横ずれ量xが大きいときの出力差と、前
記距離Hが大きい場合における横ずれ量xが小さいとき
の出力差とが同じ程度になり得る。従って、たとえ、誘
導ケーブルが敷設される誘導経路の路面が平坦であった
としても、走行車両に検出器を取りつける高さ位置に誤
差が生じたり、その取付け高さを変更する等、前述のよ
うに、誘導ケーブルと検出器との相対的高さ位置が変動
すると、前記の横ずれ量を、前記差動出力の値だけで正
確に知ることができないという不便さがあった。
【0011】そこで、本出願人は先に特開平6−161
552号公報において、前記高さ方向の距離Hの大小に
拘らず、前記左右一対の検出器の出力の出力値の差Vde
f1(=Va−Vb)と、当該左右一対の検出器の出力の出力
値の和との比からなる関数が略一定になることを、実験
により確認し、これに基づいた演算結果を利用して操舵
制御を実行することを提案した。
【0012】しかしながら、前記特開平6−16155
2号公報に開示された方式であっても、横ずれ量が大き
い場合には、前記関数が一定にならないという問題があ
った。
【0013】本発明の第1の目的は、この問題を解決す
べくなされたものであり、検出器と誘導ケーブルとの距
離(またはその垂直距離)に応じた補正を実行して、走
行車両が誘導ケーブルから大きく離れない操舵制御を実
現することである。
【0014】第2の目的は、前記補正を適宜時間ごと、
または適宜走行距離ごとに実行することにより、走行車
両が誘導ケーブルから大きく離れない操舵制御を実現す
ることである。
【0015】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するた
め、請求項1に記載の発明では、誘導ケーブルから出る
交流電界を、走行車両に搭載した左右一対の検出器にて
検出して、当該誘導ケーブルに略沿うように操舵する制
御手段を設けてなる走行車両において、前記制御手段
を、前記左右一対の検出器の出力値Va,Vbの差分(Va−
Vb)と和の平均値Vm[ =(Va+Vb)/2] とからなる関
数f(V) =〔(Va−Vb)/(Vm) 3 により、誘導ケー
ブルに対する左右一対の検出器の横ずれ量x=K′[f
(V) −Vo] を演算する横ずれ量演算手段と、補正係数
γ[ =(定数Ko)×(受信強度)]を予め記憶する補
正係数記憶手段と、前記補正係数γを関数とする補正横
ずれ量Δxh(=f( γ) )を演算する補正演算手段
と、前記横ずれ量演算手段による横ずれ量に、前記補正
横ずれ量を加減算して、確定横ずれ量を演算する確定横
ずれ量演算手段とにより構成したものである。
【0016】この場合、前記補正演算手段は、前記補正
係数による補正横ずれ量を、所定時間間隔毎に演算する
ようにしても良いし、所定走行距離間隔毎に演算するよ
うにしても良いのである。
【0017】
【発明の実施の形態】次に、本発明を自動走行型の薬剤
散布機(スピードスプレヤ)を誘導するシステムに適用
した実施の形態について説明する。図1は走行車両1の
側面図、図2は操舵装置4の平面図、図4は走行車両1
の正面図である。スピードスプレヤの走行車両1の前部
側にハンドル3を備えた運転操作部2を有し、走行車両
1には平面視略L字状の薬液タンク4とその後部に噴霧
部5とを備えている。
【0018】噴霧部5は、走行車両1の下面を除く外周
面に適宜間隔で半径外向きに臨ませた多数の噴霧ノズル
6と、その半径外向きに風を送る送風機7が装着され、
前記噴霧ノズル6は走行車両1の左右及び上面との3区
画若しくは左右2区画ごとに噴霧の作業を実行するよう
に散布制御できるものである。
【0019】符号8,8は左右前輪、符号9,9は左右
後輪であり、これらの4輪はエンジン10からの動力が
走行変速機構11を介して各々伝達されて駆動できるい
わゆる4輪駆動型であり、エンジン10からの動力を別
の動力伝達機構12を介して送風機7を回転させ、また
噴霧ノズル6に対する動力ポンプ13を駆動させる。
【0020】ハンドル3付き操舵装置14は、図2に示
すような機械的または油圧系統を含むパワーステアリン
グ機構15であり、このパワーステアリング機構15は
油圧回路16における複動式の油圧シリンダ17にて作
動し、油圧シリンダ17が伸長するとき、平面視W字状
のベルクランク18を介して後輪9,9を左向きに変更
すると共に、連結ロッド19及び平面視V字状のベルク
ランク20を介して前輪8,8を右向きに変更する(油
圧シリンダ17が縮小するときには前輪8が右向きとな
り、後輪9が左向きに変更される)というように、前後
4輪が向きを変えて左右に回動変更できるいわゆる4輪
操舵型である。
【0021】その油圧回路16を図3に示し、符号28
は、自動操舵用の油圧シリンダ17に対する電磁ソレノ
イド式制御弁であり、符号29は走行ブレーキ及びクラ
ッチ作動のための油圧シリンダ30を制御する制御弁で
あり、これらは、油圧ポンプ22からの作動油送りの場
合に前記手動操舵用の制御弁23よりも上流から分岐し
た油圧管に接続する。
【0022】手動操舵のときには、ハンドル3の回動角
度に比例して制御弁23を介して油吐出量を送る油圧モ
ータ21から、前記ステアリング機構15に取付く複動
式の油圧シリンダ17に油を送り、自動操舵制御のとき
には油圧ポンプ22から電磁ソレノイド式制御弁28を
介して油圧シリンダ17に作動油を送る。
【0023】符号25は前輪8の操舵角度を検出できる
ポテンショメータ等の操舵角度センサーであり、この場
合、左右車輪の向き角度の平均値を求めて検出しても良
い。
【0024】なお、前輪と後輪とを別々の油圧シリンダ
式パワーステアリング機構を介して連結して、前輪と後
輪とを個別的に操舵制御するようにしても良い。
【0025】走行車両1の下面には、その前部に左右一
対の検出器26a,26bを設ける。この検出器26
a,26bは、導体をコイル状に巻いたピックアップコ
イルであっても良いし、ホール素子、ホールIC、磁気
抵抗素子、磁気トランジスタであっても良く、交流電流
発生装置にて誘導ケーブル27に印加された適宜周波数
の交流電流により、当該誘導ケーブル27の周囲に発生
する交流磁界の強度を検出することができるものであ
る。誘導ケーブル27は果樹園の作業経路である誘導経
路に沿って形成した溝内に敷設するか、または地中に埋
設する。また、誘導ケーブル27は、走行車両より上方
(高い位置)に空中ケーブルとして架線状に敷設しても
良いのである。
【0026】なお、前記誘導ケーブル27にパルス的に
直流電流を流したり、直流電流にパルス信号を載せる等
して交流磁界を発生させても良い。さらに、敷設する誘
導ケーブル27の形状は通常の断面円形のワイヤ状又は
偏平な帯状であっても良い。
【0027】図5は操舵制御装置32のブロック図を示
し、マイクロコンピュータ等の中央処理装置(CPU)
33には、後述する検出値等のデータ等の読み書き可能
メモリ(RAM)34及び制御プログラムや後述する勾
配等のデータ等を記憶させた読み出し専用メモリ(RO
M)35、及び後述する補正回路62が接続されてい
る。
【0028】また、中央処理装置33には、図6に示す
ように、前記検出器26a,26bからの検出信号を演
算等処理する前処理部37を介して入力する。前処理部
37は、後述の原理に従って求められた所定の比率の式
を演算するためのものであり、該前処理部37は、検出
器26a,26bからの検出信号を増幅する増幅器3
8,38、所定レベルに増幅された信号を平滑にして整
流させたのちデジタル信号に変換するための整流・積分
回路39,39、両検出器の出力値の差分を求める差分
演算回路40、前記左右両検出器26a,26bからの
検出信号の平均値(Vm=(Va+Vb)/2)を求めるため
の平均値演算回路55、平均値Vmからその3乗値を演算
する巾乗演算回路56、及び出力値の差と、前記平均値
Vmの3乗値との比率を演算する比率演算回路等の関数演
算回路57、増幅回路58等からなる。
【0029】この増幅回路58の出力端子59から前記
比率の値を中央処理装置33に入力し、この読み出し専
用メモリ(ROM)35または読み書き可能メモリ(R
AM)34内に記憶させた定数K(後述の値)に基づ
き、前記横ずれ量xを求めるのである。
【0030】また、中央処理装置33には、後述する演
算結果に基づいて前記油圧シリンダ17を駆動する電磁
弁における電磁ソレノイド等の駆動回路36と、距離計
37と、タイマ38とを接続し、後述する制御により駆
動回路36を駆動させて操舵制御を実行するものであ
る。
【0031】(原理) 図7に記述されているように、左右距離2cの検出器2
6a,26baを結ぶ水平直線の中点をOとし、O点か
ら前記水平直線と直交する垂線と平行に誘導ケーブル2
7から垂線を立て、誘導ケーブル27から水平直線迄の
高さ距離y、誘導ケーブル27から垂線までの水平距離
を横ずれ量x、誘導ケーブル27から一方の検出器26
aまでの距離a、誘導ケーブル27から他方の検出器2
6bまでの距離bとすると、三平方の定理から、 (c−x)2 +y2 =a2 (c+x)2 +y2 =b2 となる。 この2式からyを消去し、xについて展開すると、 4cx=(b2 −a2 ) ‥‥(1)式となる。
【0032】一方、各検出器26a,26baの各検出
出力は、前記距離a,bに反比例するので、定数をαと
すると、Va=α/a 、Vb=α/bとなり、前記(1)
式のa,bを消去すると、 4cx=α 2〔(1/Va)2 −(1/Vb)2 〕‥‥(2)式となる。
【0033】ここで、cおよびαは定数であるので、K
=α2 /4cとすれば、 (2)式を展開して、 x=K(Va2 −Vb2 )/(Va2 ・Vb2 ) x=K〔(Va−Vb)・(Va+Vb)/Va2 ・Vb2 〕‥‥(3) となる。(3)式を変形すると、 (Va−Vb)=xVa2 Vb2 /K(Va+Vb)‥‥(4) となる。
【0034】ところで、前記出力値の差(Va−Vb)は、
実験の結果から、図8の点線で示すような曲線となるこ
とが分かっている。そこで、左右両検出器26a,26
baの間に誘導ケーブル27が位置する時、つまり、横
ずれ量xがx1からx2の間では、出力値の差(Va−V
b)を横ずれ量xの変数に対して3次曲線に近似した曲
線、または一次直線に近似しているものと仮定する。
【0035】一方、前記両検出器26a,26baの検
出出力の和(Va+Vb)、もしくは平均値Vm=(Va+Vb)
/2の関数は、左右両検出器26a,26baの間に誘
導ケーブル27が位置する区間では略一定値であり、且
つその一定値は、前記高さ距離yに応じて変化する。そ
こで、前記(4)式の右辺のうちxVa2 Vb2 /(Va+V
b)は、xの一次関数であるから、これに適当な一定の
係数βを掛けることで、横ずれ量xがx1からx2まで
の区間では、前記出力値の差(Va−Vb)と、前記xにつ
いての一次関数とが一致するか又は平行状となると考え
てよい。
【0036】そこで、Va2 Vb2 /(Va+Vb)≒(Va+V
b)3 /8=(Vm)3 と仮定する。つまり、Va2 Vb2
(Va+Vb)を左右両検出器26a,26baの出力の平
均値の3乗と仮定する。
【0037】そうすると、前記(4)式を変形して、 (Va−Vb)/(Vm)3 ・x=1/K ‥‥(5)とな
る。
【0038】本発明者の実験では、横ずれ量xcm、高さ
距離ycmのとき、(5)式における(1/K)の値が
0.117であるとの結果を得た。
【0039】つまり、横ずれ量xがx1からx2までの
区間では、(5)式の左辺の分母と分子との比率が略一
定(1/K)となる。換言すると、出力値の差(Va−V
b)とxVa2 Vb2 /(Va+Vb)の関数とは平行状である
ことが分かる。
【0040】従ってこの結果から理解できるように、上
記のxおよびyのある範囲内では、 前記(5)式を変形して x=〔(Va−Vb)/(Vm)3 〕/0.117 ‥‥(6) の式から、(Va−Vb)/(Vm)3 の値が求まれば、高さ
距離yの値に関係なく、横ずれ量xを求めることができ
る。前記(1/K)の値を実験結果で予め求め、読み出
し専用メモリ(ROM)または、読み書き可能メモリ
(RAM)に予め記憶させておけば良い。
【0041】ところで、前記(6)式を観察すると、横
ずれ量xがx1からx2までの区間では、横ずれ量x
は、関数f(V) =〔(Va−Vb)/(Vm)3 〕と直線的比
例関係にあることが理解できるから、この関数f(V) を
一次関数と仮定して、 (6)式をx=K′[f(V) −Vo] ‥‥(7)に置き換
えることができる。
【0042】しかしながら、横ずれ量xがx1からx2
までの区間を外れる範囲では、図9に示すように、関数
f(V) の測定値(計測値)は横ずれ量xに対して直線性
を保持できない。即ち、前記範囲(x<x1及びx2<
x)では、横ずれ量xの変化率が大きくても、関数
(V) の測定値(計測値)の変化率が小さいため、V値
(左右一対の検出器26a,26bの検出出力に関連す
る物理量)を測定または計測できても正しく横ずれ量x
を求めることができないのである。
【0043】特に、前記関数f(V) を左右両検出器26
a,26bの検出出力に基づいて演算することをハード
ウエア(演算回路)にて構成した場合、直線性を保持で
きる範囲が限定されたり、関数f(V) の値を適宜以下に
制限する必要があるため、横ずれ量xの大きい範囲で
は、正しい横ずれ量xを求めることができないのであっ
た。
【0044】他方、関数f[(Vm)3 ] と横ずれ量xとの
関係を図10に示すが、これから理解できるように、横
ずれ量xの絶対値の増加につれて関数(Vm)3 の値は
する。また、高さ距離yが小さいとき、即ち、検出器
26から誘導ケーブル27まで垂直距離が短いときに
は、曲線D1のように(Vm)3 の値が全体として大き
く、その高さ距離yが大きくなるにつれて、曲線D2、
D3のように(Vm)3 の値が小さくなる。しかも、曲線
D1では横ずれ量xの変化率Δxに対する(Vm)3値の
変化率Δvが少なく、曲線D2、D3になるにつれてΔ
vが大きくなる。換言すると曲線D1ではその勾配が緩
く、曲線D2、D3になるにつれて勾配がきつくなると
いう現象が見られる。
【0045】そこで、補正係数γ=定数Ko×受信強度
を採用する。ここで定数Koは、前記曲線D1〜D3の
類似性に基づくものであり、受信強度は前記曲線D1〜
D3の種別ごとに変化するもの、つまり高さ距離yが高
くなるにつれて検出器26による受信強度が弱くなるこ
とを利用して採用するものである。
【0046】そして、図9において、関数f(V) の測定
値(計測値)と横ずれ量xとが直線性を保持する区間
(通常区間D)、即ちV1≦f(V) ≦V2の区間では、
(7)式に基づいて関数f(V) の測定値(計測値)から
横ずれ量xを求める。他方、f(V) <V1である補正区
間E1や、V2<f(V) である補正区間E2では、前記
図10における(Vm)3 値の変化率Δvに基づく横ずれ
量xの変化率Δxから、適宜一定走行距離毎に、または
適宜一定時間毎に補正横ずれ量Δxh(=γ×一定距離
ΔL)または(=γ×一定時間Δt)を演算して、確定
横ずれ量Gxを求めるように制御するのである。
【0047】例えば、補正区間E2では、f(V) の値が
V2を越えたときは、V2<f(V)になった後の(Vm)
3 値の変化率Δvが一定量を越えて減少すると、前回の
横ずれ量x1(または確定横ずれ量Gx)に補正横ずれ
量Δxhを加算して確定横ずれ量Gxを求める。
【0048】逆に、補正区間E2でf(V) の値がV2を
越えた後に、変化率Δvが一定量を越えて増大すると、
前回の横ずれ量x1(または確定横ずれ量Gx)に補正
横ずれ量Δxhを減算して確定横ずれ量Gxを求めるの
である。
【0049】次に、本発明の操舵制御を、フローチャー
トを参照しながら説明する。
【0050】図11のフローチャートに示すように、操
舵制御をスタートさせると、初期化を実行し(S1)、
次いで両検出器26a,26bの出力値Va,Vbを、前記
タイマ64により適宜時間間隔Δt、または距離計63
にて適宜走行距離ΔLごとに読取り(S2)、RAM3
5に記憶させる。次いで、前述のようにして関数f(V)
の値を演算して求める(S3)。
【0051】次いで、前記関数f(V) が閾値V1(V
2)内であるか否かにより、補正領域にあるか否かを判
別する(S4)。補正領域に入っていないときには(S
4:yes )、前記関数f(V) 値に基づいて、誘導ケーブ
ル27の軸線に対する走行車両1の中心線の横ずれの偏
位量や、車体の横ずれ方向が左右いずれであるかを中央
処理装置33にて演算し、操舵量を決定して通常の操舵
制御を行う(S5)。
【0052】前記関数f(V) が閾値V1より小さい、ま
たは閾値V2より大きいときには(S4:no)、適宜時
間間隔Δtまたは適宜走行距離ΔLごとに、前回補正を
実行したか否かをさらに判別し(S6)、今回の演算に
より最初に補正すべきと判断されたときには(S6:n
o)、補正係数γを読出して記憶させ(S7)、これに
基づいて補正横ずれ量Δxhを後述する演算にて求め
(S8)、前記横ずれ量x1にこの補正横ずれ量Δxh
を加算した確定横ずれ量Gxを求める演算を実行するの
である(S9)。
【0053】もし、前回既に補正を実行していたときに
は(S6:yes )、前記S8にて既に補正係数γは求め
られているから、この記憶された補正係数γのデータを
利用して前回の補正横ずれ量Δxh1に、適宜時間間隔
Δt(または適宜走行距離ΔL)ごとの今回補正横ずれ
量Δxh2を加算(減算)する補正横ずれ量(Δxh)
の演算を実行した後(S8)、確定横ずれ量Gxを求め
る演算を実行するのである(S9)。
【0054】これらにより求められた確定横ずれ量に基
づいて補正付の操舵制御を実行すれば良い(S10)。
つまり、中央処理装置33にて、前記走行車両1に設け
た左右一対の検出器26a,26bで検出した誘導ケー
ブル27に対する横ずれ量を演算し、この検出横ずれ量
と操舵角度センサ25の検出値とから、前記横ずれ量が
小さくなるように操舵制御するための操舵修正指令量信
号を求めて、電気式駆動回路36に駆動パルス信号を与
え、油圧シリンダ17を作動させて誘導ケーブル27に
略沿うような操舵制御、いわゆる電磁誘導操舵制御を実
行するのである。
【0055】このようにして、補正を実行しない通常区
間Dにおいては、前記両検出器26a,26baの出力
値から演算できるf(V) なる一次直線の関数から横ずれ
量を求める。そして、前記通常区間Dより外側の補正区
間E1,E2では、前記の補正を実行して、誘導ケーブ
ル27から大きく外れない操舵制御を実行するのであ
る。
【0056】なお、時間間隔Δtごとに補正演算を実行
して加算するときには、走行車両1の走行速度が大きい
と、その時間間隔Δt中に長い距離だけ前進し、従っ
て、時間Δt後の横ずれ量が大きくなってしまい、修正
すべき操舵量も大きくなって、操舵制御を実行しても蛇
行する等の不都合が発生する。その点、適宜走行距離Δ
Lごとに前記補正演算を実行すれば、走行車両1の走行
速度の大小に無関係に補正することができ、走行速度が
大きい場合の操舵制御で蛇行が発生するという不都合が
無くなる。特に、直線部から方向転換等の湾曲状に誘導
ケーブル27を配置して直線状の誘導経路から平面視U
字状の湾曲誘導経路に走行車両1が入る時や逆に湾曲誘
導経路から直線状の誘導経路に走行車両1が出る時に
は、誘導ケーブルから外れ勝ちになるのを防止できるの
である。
【0057】また、前記通常区間Dから補正区間E1
(E2)に移行するときの境界位置における関数f(V)
の値(閾値)と、補正区間E1(E2)から通常区間D
に移行するときの関数f(V) の値(閾値)とを食い違わ
せることにより移行時の閾値に差異を設けておけば、境
界近傍での操舵制御のハンチング減少を少なくすること
ができる。
【0058】なお、前記実施の形態において、フローチ
ャートにおけるS3が横ずれ量演算手段に対応し、S8
が補正演算手段に対応し、S9が確定横ずれ量を求める
ための確定横ずれ量演算手段に対応し、さらに、RAM
35等のメモリが補正係数記憶手段に対応する。前記補
正量の演算を、マイクロコンピュータの演算部を利用し
てソフトウエアとして構築するほか、それ専用の電子素
子による演算回路としての補正回路62で構築しても良
い。
【0059】そのため、RAM35(または不揮発性メ
モリ)には、予めの実験結果に基づいて、前記両検出器
26a,26baの出力値Va,Vbと前記f(V) の関数の
値とを表にしたマップを記憶させ、また、(Vm)3 値の
変化率Δv、補正係数γ等を記憶させておいても良い。
【0060】本発明では、走行車両1の前後に各々左右
対の検出器を設けて、前部対の検出器の検出・演算結果
から前部操舵装置を作動する一方、後部検出器の検出・
演算結果から後部操舵装置を作動するように構成しても
良い。
【0061】
【発明の作用及び効果】本発明は、誘導ケーブルから出
る交流電界を、走行車両に搭載した左右一対の検出器に
て検出して、当該誘導ケーブルに略沿うように操舵する
制御手段を設けてなる走行車両において、前記制御手段
を、前記左右一対の検出器の出力値Va,Vbの差分(Va−
Vb)と和の平均値Vm[ =(Va+Vb)/2] とからなる関
数f(V) =〔(Va−Vb)/(Vm) 3 により、誘導ケー
ブルに対する左右一対の検出器の横ずれ量x=K′[f
(V) −Vo] を演算する横ずれ量演算手段と、補正係数
γ[=(定数Ko)×(受信強度)]を予め記憶する補
正係数記憶手段と、前記補正係数γを関数とする補正横
ずれ量Δxh(=f( γ) )を演算する補正演算手段
と、前記横ずれ量演算手段による横ずれ量に、前記補正
横ずれ量を加減算して、確定横ずれ量を演算する確定横
ずれ量演算手段とにより構成したものである。
【0062】このように、補正を要しない通常区間であ
れば、左右一対の検出器による検出出力値の差分と和の
平均値とからなる関数により、横ずれ量を演算するだけ
で操舵制御を実行できる。また、補正係数記憶手段で
は、検出器と誘導ケーブルとの距離に応じた当該検出器
の出力値の和の平均値の関数f[(Vm) 3 ] に基づいた
(定数Ko)と(受信強度)との積である補正係数γ
予め記憶してあるから、補正を要する補正区間であると
判断するときには、補正係数γに基づいて誘導ケーブル
に対する検出器の横ずれ量の補正を正確に演算により求
めることができ、この補正横ずれ量Δxhにて走行車両
を誘導ケーブルに沿うように操舵制御することができ
る。
【0063】この場合、前記補正演算手段は、前記補正
係数による補正横ずれ量Δxhを、所定時間間隔毎に演
算するようにしても良いし、所定走行距離間隔毎に演算
するようにしても良いのである。
【0064】そして、所定走行距離間隔毎に演算すれ
ば、走行車両の走行速度が大きい場合であっても、横ず
れ量が大幅に大きく変動しない間隔で補正を実行でき、
より性格な操舵制御が実行できるという効果を奏するの
である。
【図面の簡単な説明】
【図1】薬剤散布機の側面図である。
【図2】操舵装置の概略平面図である。
【図3】操舵装置の制御油圧回路図である。
【図4】走行車両を前面から見た検出器と誘導ケーブル
との位置関係を示す図である。
【図5】制御装置の機能ブロック図である。
【図6】検出器の出力の演算回路の機能ブロック図であ
る。
【図7】検出器と誘導ケーブルとの位置関係を示す説明
図である。
【図8】検出器の出力値差分と横ずれ量との関係を示す
線図である。
【図9】関数f(V) と横ずれ量との関係を示す図であ
る。
【図10】検出器の出力値の和の平均値の3乗の関数
(Vm)3 と横ずれ量との関係を示す図である。
【図11】操舵制御のフローチャートである。
【図12】誘導ケーブルに対する検出器の高さの差異に
よる出力特性の説明図である。
【符号の説明】
1 走行車両 3 ハンドル 8,8 前輪 9,9 後輪 10 エンジン 11 走行変速機構 12 動力伝達機構 13 動力ポンプ 14 操舵装置 16 油圧回路 17 油圧シリンダ 22 油圧ポンプ 23 制御弁 25 操舵角度センサー 26a,26b 検出器 27 誘導ケーブル 32 操舵制御装置 33 中央処理装置 36 駆動回路 37 前処理部 38,58,60 増幅器 40 差分演算回路 55 平均値演算回路 56 巾乗演算回路 57 関数演算回路 59,61 出力端子 62 補正回路 63 距離計 64 タイマ

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 誘導ケーブルから出る交流電界を、走行
    車両に搭載した左右一対の検出器にて検出して、当該誘
    導ケーブルに略沿うように操舵する制御手段を設けてな
    る走行車両において、 前記制御手段を、 前記左右一対の検出器の出力値Va,Vbの差分(Va−Vb)
    と和の平均値Vm[ =(Va+Vb)/2] とからなる関数f
    (V) =〔(Va−Vb)/(Vm) 3 により、誘導ケーブル
    に対する左右一対の検出器の横ずれ量x=K′[f(V) −
    Vo] を演算する横ずれ量演算手段と、補正係数γ[ =(定数Ko)×(受信強度)] を予め記
    憶する補正係数記憶手段と、 前記補正係数γを関数とする補正横ずれ量Δxh(=f
    ( γ) )を演算する補正演算手段と、 前記横ずれ量演算手段による横ずれ量に、前記補正横ず
    れ量を加減算して、確定横ずれ量を演算する確定横ずれ
    量演算手段とにより構成したことを特徴とする走行車両
    における自動操舵制御装置。
  2. 【請求項2】 前記補正演算手段は、前記補正係数によ
    る補正横ずれ量を、所定時間間隔毎に演算することを特
    徴とする請求項1に記載の走行車両における自動操舵制
    御装置。
  3. 【請求項3】 補正演算手段は、前記補正係数による補
    正横ずれ量を、所定走行距離間隔毎に演算することを特
    徴とする請求項1に記載の走行車両における自動操舵制
    御装置。
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