JP3375784B2 - 片面溶接用裏当材 - Google Patents

片面溶接用裏当材

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JP3375784B2 JP10445995A JP10445995A JP3375784B2 JP 3375784 B2 JP3375784 B2 JP 3375784B2 JP 10445995 A JP10445995 A JP 10445995A JP 10445995 A JP10445995 A JP 10445995A JP 3375784 B2 JP3375784 B2 JP 3375784B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は片面溶接技術に関し、特
に溶接中に裏当材から発生する臭及び煙を極力低減し、
溶接作業環境を著しく改善した簡易片面溶接用裏当材に
関する。
【0002】
【従来の技術】片面溶接法は、鋼板を反転することなく
片側のみからの溶接で100%の溶込みを確保でき、高
能率な溶接方法である。このため、片面溶接は造船及び
橋梁等の多くの構造物の溶接に適用されている。特に、
簡易裏当材を使用する片面溶接法は、裏当装置を持ち込
めない現場において、溶接継手の片面溶接を可能にし、
溶接工数の低減に貢献している。
【0003】しかし、従来の簡易裏当材の製造に一般的
に使用する固形フラックスは、フラックスを成形するた
めに必要なフラックス粒子の結合剤として、有機系の結
合剤が使用されていて、溶接中に結合剤が高温に曝さ
れ、変化分解する過程で強い臭と、多量の煙が発生す
る。特に、狭いスペースの中で溶接する場合などは、溶
接の作業環境を劣化させてしまうという問題点があっ
た。
【0004】そこで、このような従来技術の問題点を改
善するために、例えば、水硝子等の無機系粘結剤を使用
してフラックスを混練し、成形し、乾燥した裏当材が開
発されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、この水硝子等
の無機系粘結剤を使用してフラックスを混練した裏当材
は、湿式混練、成型及び乾燥作業が煩雑であり、これが
裏当材の生産性を阻害してしまい、結果として製造コス
トが極めて高くなるという問題点があった。
【0006】本発明はかかる問題点に鑑みてなされたも
のであって、溶接中の臭及び煙の発生が極めて少なく、
良好な裏ビードを得ることができると共に、生産性にも
優れた簡易な構造の片面溶接用裏当材を提供することを
目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明に係る片面溶接用
裏当材は、SiO,MgO,ZrO及びAl
からなる群から選択された1種を固形フラックス全重量
の50%以上含有するか、又は前記群から選択された2
種以上を総量で固形フラックス全重量の70%以上含有
する組成の無機系フラックスを用い、これを、粒子径1
05μm未満の粒子が結合剤全重量の70%以上、粒子
径210μm以上の粒子が10%未満の無機系の粉末又
は粒状の結合剤により成形したものであることを特徴と
する。
【0008】この裏当材の上層に、厚さが1.0〜3.
0mmの布状又はマット状の硝子繊維を配置してもよ
い。
【0009】
【作用】本発明者等は、上記従来技術の問題点を解決す
べく、種々実験研究を繰り返した結果、以下の知見を得
た。固形フラックス成分 フラックス成分としては高温のアーク熱を直接受け、安
定した裏ビードを確保するためには、高融点原料である
ことと、溶接金属に悪影響を及ぼさないことが重要であ
り、このためには、SiO2,MgO,ZrO2又はAl
23が主成分であることが必要である。
【0010】そこで、フラックスの組成としては、Si
2,MgO,ZrO2及びAl23からなる群から選択
された1種を固形フラックス全重量の50%以上含有す
るか、又は前記群から選択された2種以上を総量で固形
フラックス全重量の70%以上含有することが必要であ
る。上記4種成分のいずれかが50重量%未満の場合
は、上記4種成分以外の成分をいくら調整しても、固形
フラックスの溶けかたが不安定になり、健全且つ安定し
た裏ビードは得られない。また、1種のみで50重量%
以上のものがなくても、上記4成分のうち2種以上の和
が固形フラックス全重量の70%以上であれば、一種の
成分が50重量%以上のフラックスと同等の耐火度が得
られ、良好な裏ビードが得られる。しかし、これが70
%未満では他成分を調整しても十分な耐火度が得られず
固形フラックスの溶けかたが不安定となって安定した裏
ビ−ドは得られない。
【0011】結合剤 フラックス粒子間の結合剤として、有機系の結合剤では
前述したように本願発明の目的の一つである溶接中に発
生する悪臭及び煙を防止することができない。また、本
願発明の最大の目的は、従来の無機系結合剤の難点であ
る生産性を向上させることにある。このためには、粉末
若しくは粒状又はその双方の結合剤を使用する必要があ
る。例えば、従来用いられている無機系結合剤として
は、代表的なものに水硝子があるが、これをフラックス
に定量添加した後、混練し、成形し、乾燥する作業は煩
雑で、生産性の点で問題がある。しかし、粉末又は粒状
の結合剤は、フラックスに均一混合することが容易であ
り、結合剤を混合したフラックスを一定の形状及びサイ
ズにすることも容易である。粉末又は粒体の無機系結合
剤としては、例えば低融点ガラス及び硅酸ソーダ等のよ
うに、一定の温度に加熱することによって、軟化又は固
化してフラックス粒子間を結合する特性を有するもので
ある。このような性質があれば、その種類は特に限定さ
れない。しかし、粒子径が105μm未満の粒子径のも
のが70%未満、又は210μm以上の粒子径のものが
10%以上の結合剤では、フラックスに均一混合でき
ず、フラックス粒子間の結合力に強弱が生じ、結果とし
て、成形性、固形化したフラックスの壊れ易さ、及び組
成の不均一が生じることから、裏ビードの品質が損われ
る。このため、結合剤の粒径は105μm未満のものが
70%以上、210μm以上のものが10%未満にする
ことが必要である。
【0012】ガラス繊維 上記したような構成要件を満たせば本発明の目的は達成
できるが、更に裏当材として適用用途を拡大する目的か
ら、即ち裏当材を貼る被溶接材の開先裏面側に目違い、
又は溶接線方向に若干の凹凸が生じているような溶接継
手に対しても適用可能にするため、裏当材の上層にマッ
ト状の硝子繊維を配置する。目違い又は凹凸が生じてい
るような溶接継手の場合には、裏当材と溶接継手との密
着性が損われ、健全な裏ビードを確保できない。このよ
うな溶接継手にも適用することを考慮する場合は、固形
フラックスの上層にある程度の柔軟性と収縮性を有する
布状又はマット状のガラス繊維を配置することが好まし
い。ガラス繊維については特に限定されるものではない
が、成分がSiO2:50〜75重量%、Al23:5
〜25重量%、CaO:10〜30重量%含有したもの
を用いると、光沢があり、スラグ焼付きがない裏ビード
が得られる。
【0013】但し、厚さは裏ビードの安定性に重要な要
因であり、1.0mm未満ではいくら柔軟性があるもの
でも上記したような溶接継手に対して、鋼板との密着性
を確保できず、裏ビードに鋳ばりが生じたり、溶落が生
じたりする。また、反対に厚さが3mmを超えると、下
層に耐火度が高い固形フラックスを使用しても裏ビード
高さが高く、且つ不安定になる。
【0014】
【実施例】次に、本発明の実施例についてその比較例と
比較して説明する。
【0015】表1に示す鋼板、表2に示すワイヤ及び表
3に示す表フラックスを使用して、表4に示す開先形状
及び溶接条件で溶接した。表5は固形フラックス組成を
示し、表6は硝子繊維の内容、結合剤種類及び結合剤粒
子径を示す。そして、溶接試験結果を表7に示す。
【0016】本発明の要件を満たしている実施例No.
1〜9及び被溶接材開先裏面側に1.5mmの目違いの
ある溶接継手について固形フラックスのみで溶接を行っ
た実施例No.10は裏ビードのなじみ及び形状がやや
不良であったが、上層にガラス繊維を配置して溶接した
実施例No.11〜12においては、いずれも良好な溶
接結果が得られた。一方、比較例No.13は固形フラ
ックスの成分が不適正であったため、良好な裏ビードが
得られなかった。比較例No.14は比較例No.13
と同様な結果であった。比較例No.15は結合剤の粒
子が粗いものが多かったために、フラックスの固着性が
不安定で裏ビードの外観及び形状も良好な結果が得られ
なかった。比較例No.16は溶接中の悪臭及びヒュー
ムも少ないビードが得られたが、液体の結合剤のため、
フラックス粉末に均一に混合するために時間を要し、ま
た成型にも長時間かかった。比較例No.17は良好な
裏ビードが得られるものの、溶接中に強い悪臭と多量の
ヒュームが発生した。
【0017】
【表1】
【0018】
【表2】
【0019】
【表3】 その他はCO2,B23,Fe−Si,Fe−Mn等である。
【0020】
【表4】
【0021】
【表5】
【0022】
【表6】 *開先鋼板裏面側に1.5mmの目違い
【0023】
【表7】 但し、実施例10〜12は開先鋼板裏面側に1.5mmの目違いが存在するもの である。
【0024】
【発明の効果】以上説明したように、本発明は、所定の
固形フラックスを含むフラックスを使用し、結合剤とし
て所定の粒径の無機系の粉末又は粒状のものを使用した
ので、溶接中の臭及び煙の発生が極めて少なく、良好な
裏ビードを得ることができると共に、生産性も優れた片
面溶接用裏当材を得ることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭61−195794(JP,A) 特開 昭50−124847(JP,A) 特開 昭52−117847(JP,A) 特開 昭56−136297(JP,A) 特公 昭45−19371(JP,B1) 特公 昭45−25974(JP,B1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B23K 35/36 - 35/368 B23K 37/06

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 SiO,MgO,ZrO及びAl
    からなる群から選択された1種を固形フラックス全
    重量の50%以上含有するか、又は前記群から選択され
    た2種以上を総量で固形フラックス全重量の70%以上
    含有する組成の無機系フラックスを用い、これを、粒子
    径105μm未満の粒子が結合剤全重量の70%以上、
    粒子径210μm以上の粒子が10%未満の無機系の粉
    末又は粒状の結合剤により成形したものであることを特
    徴とする片面溶接用裏当材。
  2. 【請求項2】 その上層に厚さが1.0〜3.0mmの
    布状又はマット状の硝子繊維を配置したことを特徴とす
    る請求項1に記載の片面溶接用裏当材。
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