JP3375090B2 - クリーム状食品 - Google Patents

クリーム状食品

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JP3375090B2
JP3375090B2 JP16202393A JP16202393A JP3375090B2 JP 3375090 B2 JP3375090 B2 JP 3375090B2 JP 16202393 A JP16202393 A JP 16202393A JP 16202393 A JP16202393 A JP 16202393A JP 3375090 B2 JP3375090 B2 JP 3375090B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、クリーム状食品に関
し、詳しくは、トーストの上に塗って食するスプレッド
クリームのようなクリーム状を呈する食品に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】従
来、トーストの上にバターを塗って食することは一般的
である。しかし、バターは、乳脂肪を大量に含みカロリ
ーも高いことや、油っぽい食感を有することなどから、
敬遠されることがある。乳脂肪の代わりに、各種の動物
性油脂あるいは植物性油脂を用いたマーガリンもある。
しかし、マーガリンにも、大量の油脂が含まれている点
では、バターと同じような問題を有している。
【0003】バターやマーガリンは、油分を80%程度
もの大量に含み、いわゆる油中水滴型乳化物を構成して
いるので、これを食したときに、油っぽい食感を与える
ことになるものと考えられる。そこで、油分の量を減ら
したマーガリンあるいはバター様の食品を製造すること
が考えられた。しかし、油分を少なくすると、乳化が良
好に行われなくなり、油分が分離してしまったり、バタ
ーやマーガリンに特有の固く安定したクリーム状の組織
を得ることができなくなったりするという問題がある。
しかも、油分の割合を減らしたとしても、油中水滴型乳
化物である限り、食したときに、舌にはまず油分が接触
することになるので、前記した油っぽい食感が残る。
【0004】一方、水中油滴型乳化物として、従来知ら
れている食品に、生クリームやホイップクリーム、マヨ
ネーズあるいはドレッシング等がある。しかし、これら
の水中油滴型乳化剤からなる食品は、液状のものや、ク
リーム状態であっても比較的粘性の小さな柔らかいもの
しか得られず、バターやマーガリンのような、しっかり
とした保形性は有していない。ホイップクリームなどを
トーストに塗ってみると、トースト生地へのしみ込みが
著しく、クリームの水分で生地が湿ったり、凹んだり、
トースト本来のサクッとした食感が損なわれてしまった
りする。バターやマーガリンは、適度な固さと延展性を
備えているため、トーストの上に固まりを載せ、ナイフ
で薄く引き延ばして、トーストの表面に一様な厚みで塗
り拡げることができるが、前記した水中油滴型乳化物か
らなるクリーム状の食品では、広い範囲に塗り拡げるこ
とができない。このような塗り拡げ使用への適応性のこ
とを、スプレッド性とも言われており、従来の水中油滴
型乳化剤からなるクリーム状食品は、スプレッド性に劣
るものであった。
【0005】水中油滴型乳化物のスプレッド性を改善す
るために、水中油滴型乳化物の連続層に親水性のコロイ
ドすなわち各種多糖類を用いることが考えられたが、多
糖類のテクスチャーでは、前記したバター・マーガリン
などの油中水滴型乳化物の連続層のような油脂分独特の
スプレッド性は、どうしても得られなかった。そこで、
この発明の課題は、前記した油中水滴型乳化物からなる
マーガリンやバターなどの問題点を解消するとともに、
従来の水中油滴型乳化物からなるクリーム状食品では得
られない、バター様の保形性やスプレッド性を備えたク
リーム状食品を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決する、こ
の発明にかかるクリーム状食品は、水中油滴型乳化物で
あって、乳化物全体に対して25〜55重量%の油脂と
0.01〜3.0重量%の乳化剤と0.01〜5重量%
の熱ゲル性蛋白質とが配合され、前記乳化剤には、乳化
剤全体の10重量%以上のポリグリセリン縮合リシノレ
イン酸エステルが含まれている。
【0007】水中油滴型乳化物とは、水および親水性物
質からなる水相と油脂および親油性物質からなる油相か
らなる乳化物であって、特に、全体を占める水相の中
に、油相が微細な油滴の形で均一に分散された状態の乳
化物を意味する。なお、通常は、水相の量が、油相の量
よりもかなり多いものであるが、水相と油相の量が同じ
ぐらい、あるいは、水相よりも油相の量が多くても、水
中油滴型の構造を備えた乳化物は存在し得る。
【0008】この発明では、上記のような油相を構成す
る油脂を、乳化物全体に対して25〜55重量%配合し
ておく。好ましくは、30〜50重量%を配合してお
く。油脂の量が少な過ぎると、保形性が悪くなったりゲ
ル感が強くなり過ぎたりするという問題があり、油脂の
量が多過ぎると、乳化安定性が悪くなるという問題があ
る。
【0009】油相を構成する材料としては、バターと同
様の乳脂肪や、マーガリンに使用されるような、牛脂や
豚脂、羊脂、魚油、鯨油その他の動物性油脂、あるい
は、あまに油、桐油、サフラワー油、かや油、くるみ
油、けし油、ひまわり油、綿実油、なたね油、大豆油、
からし油、カボック油、米ぬか油、ごま油、とうもろこ
し油、落花生油、オリーブ油、つばき油、茶油、ひまし
油、やし油、パーム油、パーム核油、ババス油、カカオ
油、シア脂、ボルネオ脂、その他の植物性油脂など、食
品製造に利用可能な各種の油脂が用いられる。また、上
記各油脂を原料にして、水素添加、分別、エステル交換
などを行って、融点調整や酸化安定性付与などの処理を
施し、食用に適するように精製した食用硬化油、食用分
別油、食用エステル交換油などの食用精製加工油脂も使
用できる。さらに、油脂以外の食品素材や添加剤のう
ち、水には溶け難く前記油脂に良好に溶けるような材
料、いわゆる親油性の材料も油相を構成する材料とな
る。
【0010】油脂としては、融点が25〜60℃のもの
が好ましい。融点が低過ぎると、保形性が悪くなるとい
う欠点があり、融点が高過ぎると、スプレッド性が悪く
なるという問題が生じる。油脂の融点は、油脂の種類に
よって異なるが、各種の融点調整処理を行って、所定の
範囲に設定することもできる。水相を構成する材料とし
ては、水のほか、水に良好に溶解する成分を含む材料で
あり、前記した油相の材料以外の材料は、水相の材料と
なる。具体的には、脱脂粉乳や動物性および植物性の蛋
白質、糖類、果汁、着色料、香料、調味料などのほか、
後述する乳化剤や安定剤などの添加剤も含まれる。
【0011】油相の材料と水相の材料から水中油滴型乳
化物を製造するには、基本的には通常の乳化装置や乳化
処理方法が適用される。具体的には、油相および水相の
材料が配合された混合液を、ホモジナイザーなどを用い
て乳化処理すればよい。乳化処理の際に、得られる乳化
物の重量に対して0.01〜3.0重量%の乳化剤を配
合しておく。より好ましくは、0.1〜1.0重量%を
配合しておく。乳化剤としては、従来、各種食品製造に
おける乳化処理に利用されていたような通常の乳化剤が
使用できるが、この発明では、乳化剤全体の重量に対し
て10重量%以上のポリグリセリン縮合リシノレイン酸
エステル(PGPR)を用いる。すなわち、乳化剤とし
て上記PGPRのみを用いてもよいし、PGPRと他の
乳化剤を併用してもよい。好ましくは、PGPRを、乳
化剤全体の25重量%以上配合しておく。併用する他の
乳化剤の具体例としては、グリセリン脂肪酸エステル、
ポリグリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステ
ル、ソルビタン脂肪酸エステル、レシチンが挙げられ
る。
【0012】さらに、乳化物に対して0.01〜5重量
%の熱ゲル性蛋白質を配合しておく。熱ゲル性蛋白質
は、加熱によりゲル化を生じる蛋白質であれば、通常の
食品材料が使用できる。具体的には、卵白、ラクトアル
ブミン等が挙げられる。熱ゲル性蛋白質の添加量が0.
01重量%未満では、乳化物の保形性やトースト塗布時
の性状が悪くなり、5重量%を超えると、乳化安定性や
スプレッド性が悪くなる。
【0013】乳化物には、上記以外にも、必要に応じ
て、各種の食品材料や添加剤を配合しておくことができ
る。たとえば、前記熱ゲル性蛋白質以外の親水性安定剤
を、乳化物に対して0.01〜5重量%配合しておけ
ば、乳化が安定し、乳化物の保形性、スプレッド性が良
好になる。親水性安定剤としては、ゼラチン、各種ガム
類、セルロース等が挙げられる。特に、セルロースは、
熱ゲル性蛋白質を加えることによって起こる組織の荒れ
を改善し、乳化物に滑らかさを与える。
【0014】上記したような材料を用いて、水中油滴型
乳化物からなるクリーム状食品を製造する製造工程は、
通常のクリーム状食品の場合と同様でよい。たとえば、
前記した油相および水相の材料を別々に溶解した後、両
者を混ぜ合わせて乳化処理を行い、得られた乳化物を、
容器に充填したり、必要に応じて冷却したりして、流通
に供すればよい。水中油滴型乳化物を得るには、容器な
どに収容された水相材料の中に、油相材料を少しずつ滴
下しながら攪拌して乳化させるのが良い。この場合、乳
化剤は、水相材料および油相材料の何れに配合しておい
てもよい。
【0015】この発明のクリーム状食品は、前記したよ
うに、トーストの上に塗って食したり、ケーキやデザー
トの上にデコレーションとして絞り出したり、各種料理
に付け加えたりするなど、従来のクリーム状食品が利用
されていた各種用途、あるいは、従来のクリーム状食品
では適用できなかった新たな用途にも利用することがで
きる。
【0016】
【作用】水中油滴型乳化物は、全体の組織が水相で構成
された中に、油相がミクロ状の油滴となって均一に分散
したものである。水中油滴型乳化物を食した場合、舌に
は、まず、全体の組織を構成する水相が接触するので、
油中水滴型乳化物のような油っぽさがなく、さっぱりと
した食感を与えることができる。しかし、水中油滴型乳
化物は、保形性やスプレッド性が悪く、クリーム状食品
をトーストなどに塗ったときに、トースト生地に直ぐに
しみ込んでしまったりする問題がある。
【0017】そこで、この発明では、乳化物に対して
0.01〜3.0重量%の乳化剤を配合し、この乳化剤
には、乳化剤全体の10重量%以上のポリグリセリン縮
合リシノレイン酸エステル(PGPR)が含まれるよう
にし、さらに、乳化物に対して0.01〜5重量%の熱
ゲル性蛋白質を配合しておくことにより、乳化物に対し
て油脂の量が25〜55重量%の範囲にある水中油滴型
乳化物を、良好に得ることができる。
【0018】油脂の量が、前記範囲であれば、水中油滴
型乳化物であっても、油相の割合が比較的多いので、前
記したトースト生地へのしみ込みなどが生じ難く、保形
性やスプレッド性も良好になる。前記割合のPGPRを
用いることで、前記のような油脂の配合割合でも、安定
した水中油滴型乳化物が得られる。また、乳化物の連続
層が水相材料で構成されているにも関わらず、連続層が
油相材料で構成されているのと同等のスプレッド性が得
られる。但し、トーストなどに塗布したときの特性、す
なわち、パン生地への水分移行が生じる問題は、連続層
が水相材料で構成されている限り避け難い。
【0019】そこで、乳化剤としてのPGPRの使用に
加えて、前記割合の熱ゲル性蛋白質を用いることで、乳
化物の乳化状態が安定し、保形性やスプレッド性も高ま
り、トーストに塗布したときのパン生地への水分移行が
良好に阻止できる。以上の結果、水中油滴型乳化物の利
点である、油っぽさのないさっぱりとした食感を有しな
がら、水中油滴型乳化物の欠点である、トースト生地へ
のしみ込みが生じることや、保形性やスプレッド性に劣
るなどという問題を解消することができる。
【0020】
【実施例】クリーム状食品を、その配合を変えて、種々
製造しその特性を評価した。 −実施例1− なお、バターの融点は約37℃であった。乳化剤および
安定剤の配合量X、Yは、下記表1〜7のとおりであ
る。安定剤とは、熱ゲル性蛋白質とその他の安定剤の両
方を含む意味で使用している。乳化剤のうち、MGはモ
ノグリセリン脂肪酸エステルの略称である。 〔クリーム状食品の製造〕バターおよび乳化剤を計り取
り、70℃で加熱溶解させて、第1液を得た。安定剤お
よび脱脂粉乳に水を加え、70℃で加熱溶解させて、第
2液を得た。第2液を攪拌しながら、その中に第1液を
徐々に添加し、80℃まで加温した。80℃に達した
後、150kg/cm2でホモジナイズ処理を行った。得られ
た乳化物を、容器に充填し、5℃で冷却保管した。 〔乳化状態の判定〕各比較例および実施例で得られた乳
化物(但し、乳化物が得られなかった場合は除く)に対
して、乳化状態を調べた。ビーカーに試料1gを計り取
り、熱湯(80℃)を加えて攪拌した。試料が液中に均
一に白濁分散した場合を「水中油滴型」の乳化物である
と判定し、試料が液表面に凝集して均一分散しなかった
場合を「油中水滴型」の乳化物であると判定した。実施
例は、全て水中油滴型乳化物であることが確認された。 〔評価試験〕得られたクリーム状食品に対して、下記の
項目について評価を行った。
【0021】 スプレッド性:試料を5℃で一晩保持
した後、プラスチック板に塗布し、その表面において、
ゲル状粒子状粒子の有無を観察した。ゲル状粒子が全く
認められないものを「非常に良好」と評価し、ゲル状粒
子の量にしたがって、順次「良好」「普通」「不良」と
4段階で評価した。
【0022】 乳化安定性:試料を5℃で一晩保持し
た後、試料表面での油滴の有無を観察した。油滴が認め
られないものから油滴の量にしたがって、上記同様に4
段階で評価した。 生地浸透性:トーストしたパンに試料を塗布し、そ
のときのパン生地の状態を観察した。生地への試料の浸
透が少ないものから多いものへと、前記同様に4段階で
評価した。
【0023】 食 感:試料を5℃で一晩保持した
後、複数のパネラーが試料を食した。油っぽさが無いか
否かなど、食感の良い悪いを、前記同様に4段階で評価
した。 保形性:試料を5℃で一晩保持したもの、および、
試料を室温で放置しておいたものについて、その硬さが
充分であるか否かについて、前記同様に4段階で評価し
た。
【0024】 総合評価:上記各項目の評価結果を元
に採点した。評価基準は、下記のとおりである。 ◎…非常に良好 ○…良好 △…普通 ×…不良
【0025】
【表1】 ───────────────────────────────── 比較例1.1 比較例1.2 比較例1.3 比較例1.4 ───────────────────────────────── 乳化剤: PGPR −− −− −− −− MG 0.30 0.30 0.30 0.30 熱ゲル性蛋白質: 卵白 −− −− −− −− ラクトアルブミン −− −− −− −− 他の安定剤: ゼラチン −− 0.50 −− 0.50 キサンタンガム −− 0.10 0.10 セルロース −− −− 5.00 5.00 ───────────────────────────────── 評価結果: スプレッド性 × × × × 乳化安定性 ○ ○ ○ ○ 生地浸透性 × × × × 食感 △ △ △ △ 保形性 × × × × ─────────────────────────────── 総合評価 × × × × ─────────────────────────────────
【0026】
【表2】 ───────────────────────────────── 比較例1.5 比較例1.6 比較例1.7 比較例1.8 ───────────────────────────────── 乳化剤: PGPR 0.30 0.30 0.30 0.30 MG −− −− −− −− 熱ゲル性蛋白質: 卵白 −− −− −− −− ラクトアルブミン −− −− −− −− 他の安定剤: ゼラチン −− 0.50 −− 0.50 キサンタンガム −− 0.10 −− 0.10 セルロース −− −− 5.00 5.00 ───────────────────────────────── 評価結果: スプレッド性 △ △ △ ○ 乳化安定性 ○ ○ ○ ○ 生地浸透性 × × × × 食感 ○ ○ ○ △ 保形性 △ ○ ○ ○ ─────────────────────────────── 総合評価 × × × × ─────────────────────────────────
【0027】
【表3】 ─────────────────────────── 比較例1.9 比較例1.10 比較例1.11 ─────────────────────────── 乳化剤: PGPR 0.15 0.15 0.15 MG 0.15 0.15 0.15 熱ゲル性蛋白質: 卵白 −− −− −− ラクトアルブミン −− −− −− 他の安定剤: ゼラチン −− 0.50 −− キサンタンガム −− 0.10 −− セルロース −− −− 5.00 ─────────────────────────── 評価結果: スプレッド性 ○ ○ ○ 乳化安定性 ○ ○ ○ 生地浸透性 × × × 食感 ○ ○ ○ 保形性 △ ○ ○ ───────────────────────── 総合評価 × × × ───────────────────────────
【0028】
【表4】 ───────────────────────────────── 比較例1.12 比較例1.13 比較例1.14 比較例1.15 ───────────────────────────────── 乳化剤: PGPR −− −− −− −− MG 0.15 0.30 0.30 0.30 熱ゲル性蛋白質: 卵白 0.30 −− 0.30 −− ラクトアルブミン −− 0.30 −− 0.50 他の安定剤: ゼラチン −− −− 0.50 0.50 キサンタンガム −− −− 0.10 0.10 セルロース −− −− −− −− ───────────────────────────────── 評価結果: スプレッド性 × × × × 乳化安定性 ○ ○ ○ ○ 生地浸透性 ○ ○ ○ ○ 食感 △ △ △ △ 保形性 × × △ △ ─────────────────────────────── 総合評価 × × × × ─────────────────────────────────
【0029】
【表5】 ───────────────────────────────── 実施例1.1 実施例1.2 実施例1.3 実施例1.4 ───────────────────────────────── 乳化剤: PGPR 0.30 0.30 0.15 0.15 MG −− −− 0.15 0.15 熱ゲル性蛋白質: 卵白 0.30 −− 0.30 −− ラクトアルブミン −− 0.50 −− 0.50 他の安定剤: ゼラチン −− −− −− −− キサンタンガム −− −− −− −− セルロース −− −− −− −− ───────────────────────────────── 評価結果: スプレッド性 △ △ ○ ○ 乳化安定性 ○ ○ ○ ○ 生地浸透性 ○ ○ ○ ○ 食感 ○ ○ ○ ○ 保形性 △ △ △ △ ─────────────────────────────── 総合評価 ○ ○ ○ ○ ─────────────────────────────────
【0030】
【表6】 ───────────────────────────────── 実施例1.5 実施例1.6 実施例1.7 実施例1.8 ───────────────────────────────── 乳化剤: PGPR 0.30 0.30 0.30 0.30 MG −− −− −− −− 熱ゲル性蛋白質: 卵白 0.30 −− 0.30 −− ラクトアルブミン −− 0.50 −− 0.50 他の安定剤: ゼラチン 0.50 0.50 −− 0.50 キサンタンガム 0.10 0.10 −− 0.10 セルロース −− −− 5.00 1.00 ───────────────────────────────── 評価結果: スプレッド性 ○ ○ ○ ○ 乳化安定性 ○ ○ ○ ○ 生地浸透性 ○ ○ ○ ○ 食感 ○ ○ ○ ○ 保形性 ○ ○ ○ ○ ─────────────────────────────── 総合評価 ◎ ◎ ◎ ◎ ─────────────────────────────────
【0031】
【表7】 上記試験の結果をみると、乳化剤にPGPRを含まず、
熱ゲル性蛋白質も配合していない比較例1.1 〜1.4 、乳
化剤としてPGPRを使用するが、熱ゲル性蛋白質を配
合していない比較例1.5 〜1.8 、熱ゲル性蛋白質を用い
るが、乳化剤がPGPRではない比較例1.9 〜1.11で
は、安定剤としてゼラチンなどをいくら使用しても、満
足できる性能が発揮できない。これに対し、乳化剤とし
てPGPRを用いるとともに、熱ゲル性蛋白質を配合し
た実施例1.1 〜1.4 では、ゼラチンなどの安定剤を使用
しなくても、優れた性能が発揮できている。また、実施
例1.1 〜1.4 の配合に、さらに、ゼラチンやセルロース
を加えた実施例1.5 〜1.10では、特に優れた性能を示す
ことが実証された。
【0032】−実施例2− 油脂含量による性能の違いを評価した。 前記実施例と同様の工程で、クリーム状食品を製造し、
同様の評価試験を行った。但し、評価基準としては、下
記の2段階で評価を行った。
【0033】○:良好 ×:不良
【0034】
【表8】 ────────────────────────────────── 油脂含量 重量% 10 20 30 40 50 60 ────────────────────────────────── スプレッド性 × × ○ ○ ○ × 乳化安定性 ○ ○ ○ ○ ○ × 生地浸透性 × × ○ ○ ○ × 食感 × × ○ ○ ○ × 保形性 × × ○ ○ ○ × ──────────────────────────────── 総合評価 × × ○ ○ ○ × ────────────────────────────────── 上記試験の結果、油脂含量が少な過ぎても多過ぎても、
良好な結果が得られないことが判る。
【0035】−実施例3− 油脂の性状による性能の違いを評価した。 油脂としては、ナタネ硬化油を用い、製造時における硬
化度の違いによって異なる融点を示すものを、複数種類
選択して使用した。
【0036】前記実施例と同様の工程で、クリーム状食
品を製造し、同様の評価試験を行った。但し、評価基準
としては、下記の2段階で評価を行った。 ○:良好 ×:不良
【0037】
【表9】 ────────────────────────── 油脂融点 ℃ 22 32 41 61 ────────────────────────── スプレッド性 × ○ ○ ○ 乳化安定性 × ○ ○ ○ 生地浸透性 × ○ ○ ○ 食感 × ○ ○ ○ 保形性 × ○ ○ ○ ──────────────────────── 総合評価 × ○ ○ ○ ────────────────────────── 上記試験の結果、油脂の融点が低過ぎると、良好な結果
が得られないことが判る。
【0038】
【発明の効果】以上に述べた、この発明にかかるクリー
ム状食品は、水中油滴型乳化物からなり、従来の油中水
滴型乳化物からなるクリーム状食品の欠点である油っぽ
さがなく、さっぱりとした食感を有しているとともに、
保形性やスプレッド性にも優れたものとなる。
【0039】特に、従来の水中油滴型乳化物で、保形性
などを改善しようとすると、大量の増粘剤を添加する必
要があるが、この発明にかかるクリーム状食品では、増
粘剤などを添加しなくても、大幅な性能の改善が達成で
きる。その結果、製造コストを低減できるとともに、増
粘剤の添加による風味の低下も生じ難い。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平5−23094(JP,A) 特開 昭57−118755(JP,A) 特開 昭56−15644(JP,A) 特開 昭63−279750(JP,A) 特開 昭63−157951(JP,A) 特開 平4−262740(JP,A) 特開 昭58−175428(JP,A) 特開 平6−237690(JP,A) 特開 平6−303924(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A23D 7/00 A23D 7/02

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水中油滴型乳化物であって、乳化物全体
    に対して25〜55重量%の油脂と0.01〜3.0重
    量%の乳化剤と0.01〜5重量%の熱ゲル性蛋白質と
    が配合され、前記乳化剤には、乳化剤全体の10重量%
    以上のポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステルが含
    まれていることを特徴とするクリーム状食品。
  2. 【請求項2】 請求項1のクリーム状食品において、熱
    ゲル性蛋白質に加えて、熱ゲル性蛋白質以外の親水性安
    定剤が、乳化物に対して0.01〜5重量%配合されて
    いるクリーム状食品。
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