JP3374984B2 - Mr素子用材料およびその製造方法 - Google Patents
Mr素子用材料およびその製造方法Info
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- B82—NANOTECHNOLOGY
- B82Y—SPECIFIC USES OR APPLICATIONS OF NANOSTRUCTURES; MEASUREMENT OR ANALYSIS OF NANOSTRUCTURES; MANUFACTURE OR TREATMENT OF NANOSTRUCTURES
- B82Y25/00—Nanomagnetism, e.g. magnetoimpedance, anisotropic magnetoresistance, giant magnetoresistance or tunneling magnetoresistance
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- H—ELECTRICITY
- H01—ELECTRIC ELEMENTS
- H01F—MAGNETS; INDUCTANCES; TRANSFORMERS; SELECTION OF MATERIALS FOR THEIR MAGNETIC PROPERTIES
- H01F1/00—Magnets or magnetic bodies characterised by the magnetic materials therefor; Selection of materials for their magnetic properties
- H01F1/0036—Magnets or magnetic bodies characterised by the magnetic materials therefor; Selection of materials for their magnetic properties showing low dimensional magnetism, i.e. spin rearrangements due to a restriction of dimensions, e.g. showing giant magnetoresistivity
- H01F1/0045—Zero dimensional, e.g. nanoparticles, soft nanoparticles for medical/biological use
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は磁気センサや磁気ヘッド
等に好適なMR素子用材料に関する。
等に好適なMR素子用材料に関する。
【0002】
【従来の技術】磁気抵抗効果(MR効果)を利用したM
RセンサやMRヘッドには、現在主に80wt%Niを中心
とした組成のパーマロイが用いられている。MRセンサ
やMRヘッドには通常スパッタや蒸着等により作製した
薄膜が用いられている。磁気抵抗効果(MR効果)とい
うのは電流磁気効果の一つであり試料に磁界Hを加える
と抵抗率ρが変化する現象である。ρの変化Δρは一般
に抵抗測定用電流iとHとのなす角度およびHの大きさ
に関係する。磁気抵抗効果は普通Δρ/ρで定義され、
特にiとHとが平行であるときを磁気抵抗縦効果とよ
び、iとHが直角であるときを磁気抵抗横効果と呼んで
いる。磁化困難軸方向に外部磁界Hが印加されると、磁
化回転により電気抵抗が変化する。この時の抵抗は R=R0−ΔRsin2θ と表される。ここで、Rは素子の抵抗、R0は磁化Mが
磁化容易軸方向にそろっているときの素子の抵抗、θは
磁化ベクトルMと電流ベクトルIのなす角度であり、Δ
Rは異方性磁気抵抗である。図1にi方向と垂直にHを
加えた時のΔR/R−H曲線の例を示す。MR素子用材
料としては抵抗変化率Δρm/ρ0が大きい材料が求めら
れるが、安定な動作を行うために、保磁力が小さく透磁
率が高い、磁歪定数が小さい、抵抗率の温度係数が小さ
いことも重要である。パーマロイ薄膜ではΔR/Rは室
温で最大約2〜3%程度、NiCo合金では最大約6%
のMR効果が報告されている。最近になりFe/Cr人
工格子多層膜やFe−Ni/Cu/Co人工格子多層膜
が大きなMR効果を示すことが明らかになっている。こ
れは現在通常の磁気抵抗効果と区別し巨大磁気抵抗効果
と呼ばれている。巨大磁気抵抗効果では多層膜の隣接磁
性層の磁化が反平行であることが本質的に効果を増大さ
せていると考えられている。
RセンサやMRヘッドには、現在主に80wt%Niを中心
とした組成のパーマロイが用いられている。MRセンサ
やMRヘッドには通常スパッタや蒸着等により作製した
薄膜が用いられている。磁気抵抗効果(MR効果)とい
うのは電流磁気効果の一つであり試料に磁界Hを加える
と抵抗率ρが変化する現象である。ρの変化Δρは一般
に抵抗測定用電流iとHとのなす角度およびHの大きさ
に関係する。磁気抵抗効果は普通Δρ/ρで定義され、
特にiとHとが平行であるときを磁気抵抗縦効果とよ
び、iとHが直角であるときを磁気抵抗横効果と呼んで
いる。磁化困難軸方向に外部磁界Hが印加されると、磁
化回転により電気抵抗が変化する。この時の抵抗は R=R0−ΔRsin2θ と表される。ここで、Rは素子の抵抗、R0は磁化Mが
磁化容易軸方向にそろっているときの素子の抵抗、θは
磁化ベクトルMと電流ベクトルIのなす角度であり、Δ
Rは異方性磁気抵抗である。図1にi方向と垂直にHを
加えた時のΔR/R−H曲線の例を示す。MR素子用材
料としては抵抗変化率Δρm/ρ0が大きい材料が求めら
れるが、安定な動作を行うために、保磁力が小さく透磁
率が高い、磁歪定数が小さい、抵抗率の温度係数が小さ
いことも重要である。パーマロイ薄膜ではΔR/Rは室
温で最大約2〜3%程度、NiCo合金では最大約6%
のMR効果が報告されている。最近になりFe/Cr人
工格子多層膜やFe−Ni/Cu/Co人工格子多層膜
が大きなMR効果を示すことが明らかになっている。こ
れは現在通常の磁気抵抗効果と区別し巨大磁気抵抗効果
と呼ばれている。巨大磁気抵抗効果では多層膜の隣接磁
性層の磁化が反平行であることが本質的に効果を増大さ
せていると考えられている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、パーマロイ膜
では△R/Rは室温でたかだか2から3%であり実用は
可能であるが高密度記録に対してはまだ十分な感度とは
いえない。NiCo合金膜では、異方性磁界が大きい問
題点がある。また、人工格子多層膜は磁性層と磁性層間
に数オングストローム〜数10オングストロームの膜を
形成する必要があり膜厚制御が困難であり膜界面が乱れ
易く特性の再現性に乏しい問題がある。また基板の温度
が上がるとこの問題が起き易く膜作製の速度を上げるの
にも限界がある。
では△R/Rは室温でたかだか2から3%であり実用は
可能であるが高密度記録に対してはまだ十分な感度とは
いえない。NiCo合金膜では、異方性磁界が大きい問
題点がある。また、人工格子多層膜は磁性層と磁性層間
に数オングストローム〜数10オングストロームの膜を
形成する必要があり膜厚制御が困難であり膜界面が乱れ
易く特性の再現性に乏しい問題がある。また基板の温度
が上がるとこの問題が起き易く膜作製の速度を上げるの
にも限界がある。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記問題点を解決するた
めに本発明者らは、膜や薄帯を製造する際の冷却速度を
上げ強制的に合金化した後これを熱処理する冶金的手法
を用いることにより人工格子多層膜等のMR用材料より
特性ばらつきの小さい高性能なMR素子用材料を見いだ
した。すなわち本発明は組織の少なくとも30%が500オ
ングストローム以下の微細な強磁性結晶粒からなり、か
つ強磁性結晶粒間の少なくとも一部に金属非強磁性相が
存在してることを特徴とする材料がMR素子用材料とし
て優れており、高い△R/Rが得られ、かつ人工格子多
層膜と比べ特性の再現性に優れていることを見出したも
のである。特に金属非強磁性相が強磁性結晶粒の周囲を
囲むように存在している場合に高い△R/Rが得られ
る。本発明合金材料は、人工格子多層膜に比べて特性の
再現性に優れている。非強磁性相はたとえば反強磁性相
等が挙げられる。本発明において組織の少なくとも30%
が500オングストローム以下の微細な強磁性結晶粒であ
る必要がある。これは30%未満では大きな△R/Rが得
られず、500オングストロームを超えると軟磁気特性が
劣化し実用的でなくなるからである。金属非磁性相がC
u,Cr,Mn,Au,Ag,Ruから選ばれた少なくとも一種の元素を
含む場合に特に高い△R/Rが得られる場合が多い。微
細な強磁性結晶粒はFe,Co,Niから選ばれる少なくとも1
つの元素を含有している。本発明材料の典型的な組成は
組成式:M100-X-aX'XM'a(at%)で表され、ここでMはF
e,Co,Niから選ばれる少なくとも一種の元素、M'はTi,Z
r,Hf,V,Nb,Ta,Mo,Wから選ばれた少なくとも一種の元
素、X'はCu,Cr,Mn,Au,Ag,Ruから選ばれた少なくとも一
種の元素であり、0<x≦70、0<a≦20、a+x≦70で表さ
れる組成で高い△R/Rを示す。また、組成式:M
100-X-a-zX'XM'aXz(at%)で表され、ここでMはFe,Co,
Niから選ばれる少なくとも一種の元素、M'はTi,Zr,Hf,
V,Nb,Ta,Mo,Wから選ばれた少なくとも一種の元素、X'は
Cu,Cr,Mn,Au,Ag,Ruから選ばれた少なくとも一種の元素
であり、xはSi,B,P,C,Ga,Alから選ばれる少なくとも一
種の元素であり、0<X≦70、0<a≦20、0<z≦30、a+x
+z≦70で表される組成が高い△R/Rが得られる。本
発明において、非磁性相の厚みは通常数オングストロー
ムから数100オングストローム程度である。また、この
非磁性相は完全に強磁性結晶粒を取り囲む必要はない。
また、本発明材料は必要に応じて多層膜としても良い。
層間にはさむ膜としてはCu,Ag,Au等の非磁性の膜がより
望ましく、強磁性元素と固溶しにくいものがより適して
いる。また、強磁性相の磁歪はより好ましくは零に近い
ことが望ましい。本発明材料は通常次のように製造され
る。液体急冷法により組成式:M 100-x X' x (at%)、0<x≦
70、または組成式:M 100-X-a X' X M' a (at%)、0<x≦7
0、0<a≦20、a+x≦70、または組成式:M 100-X-a-z X' X
M' a X z (at%)、0<x≦70、0<a≦20、0<z≦30、a+x
+z≦70で表され、ここでMはFe,Co,Niから選ばれる少な
くとも一種の元素、M'はTi,Zr,Hf,V,Nb,Ta,Mo,Wから選
ばれた少なくとも一種の元素、X'はCu,Cr,Mn,Au,Ag,Ru
から選ばれた少なくとも一種の元素であり、XはSi,B,P,
C,Ga,Alから選ばれる少なくとも一種の元素である構成
元素が固溶したアモルファスあるいは微細結晶粒薄帯を
製造する工程と、組織の少なくとも30%以上が500オン
グストローム以下の微細な強磁性結晶粒からなり、かつ
強磁性結晶粒間の少なくとも一部に金属非強磁性相が存
在するように熱処理する工程からなる製造方法がある。
本発明においては熱処理前の状態では完全に構成元素が
固溶した状態の方がばらつきが小さく好ましい結果が得
られるが、完全に固溶していなくても本発明の効果を得
ることができ本発明に含まれる。熱処理は熱処理前がア
モルファス状態の場合は結晶化の目的も含まれる。また
強磁性結晶粒間の金属非強磁性相はアモルファス相の場
合もある。また、強磁性相は1相である必要はなく2相
以上存在しても良い。
めに本発明者らは、膜や薄帯を製造する際の冷却速度を
上げ強制的に合金化した後これを熱処理する冶金的手法
を用いることにより人工格子多層膜等のMR用材料より
特性ばらつきの小さい高性能なMR素子用材料を見いだ
した。すなわち本発明は組織の少なくとも30%が500オ
ングストローム以下の微細な強磁性結晶粒からなり、か
つ強磁性結晶粒間の少なくとも一部に金属非強磁性相が
存在してることを特徴とする材料がMR素子用材料とし
て優れており、高い△R/Rが得られ、かつ人工格子多
層膜と比べ特性の再現性に優れていることを見出したも
のである。特に金属非強磁性相が強磁性結晶粒の周囲を
囲むように存在している場合に高い△R/Rが得られ
る。本発明合金材料は、人工格子多層膜に比べて特性の
再現性に優れている。非強磁性相はたとえば反強磁性相
等が挙げられる。本発明において組織の少なくとも30%
が500オングストローム以下の微細な強磁性結晶粒であ
る必要がある。これは30%未満では大きな△R/Rが得
られず、500オングストロームを超えると軟磁気特性が
劣化し実用的でなくなるからである。金属非磁性相がC
u,Cr,Mn,Au,Ag,Ruから選ばれた少なくとも一種の元素を
含む場合に特に高い△R/Rが得られる場合が多い。微
細な強磁性結晶粒はFe,Co,Niから選ばれる少なくとも1
つの元素を含有している。本発明材料の典型的な組成は
組成式:M100-X-aX'XM'a(at%)で表され、ここでMはF
e,Co,Niから選ばれる少なくとも一種の元素、M'はTi,Z
r,Hf,V,Nb,Ta,Mo,Wから選ばれた少なくとも一種の元
素、X'はCu,Cr,Mn,Au,Ag,Ruから選ばれた少なくとも一
種の元素であり、0<x≦70、0<a≦20、a+x≦70で表さ
れる組成で高い△R/Rを示す。また、組成式:M
100-X-a-zX'XM'aXz(at%)で表され、ここでMはFe,Co,
Niから選ばれる少なくとも一種の元素、M'はTi,Zr,Hf,
V,Nb,Ta,Mo,Wから選ばれた少なくとも一種の元素、X'は
Cu,Cr,Mn,Au,Ag,Ruから選ばれた少なくとも一種の元素
であり、xはSi,B,P,C,Ga,Alから選ばれる少なくとも一
種の元素であり、0<X≦70、0<a≦20、0<z≦30、a+x
+z≦70で表される組成が高い△R/Rが得られる。本
発明において、非磁性相の厚みは通常数オングストロー
ムから数100オングストローム程度である。また、この
非磁性相は完全に強磁性結晶粒を取り囲む必要はない。
また、本発明材料は必要に応じて多層膜としても良い。
層間にはさむ膜としてはCu,Ag,Au等の非磁性の膜がより
望ましく、強磁性元素と固溶しにくいものがより適して
いる。また、強磁性相の磁歪はより好ましくは零に近い
ことが望ましい。本発明材料は通常次のように製造され
る。液体急冷法により組成式:M 100-x X' x (at%)、0<x≦
70、または組成式:M 100-X-a X' X M' a (at%)、0<x≦7
0、0<a≦20、a+x≦70、または組成式:M 100-X-a-z X' X
M' a X z (at%)、0<x≦70、0<a≦20、0<z≦30、a+x
+z≦70で表され、ここでMはFe,Co,Niから選ばれる少な
くとも一種の元素、M'はTi,Zr,Hf,V,Nb,Ta,Mo,Wから選
ばれた少なくとも一種の元素、X'はCu,Cr,Mn,Au,Ag,Ru
から選ばれた少なくとも一種の元素であり、XはSi,B,P,
C,Ga,Alから選ばれる少なくとも一種の元素である構成
元素が固溶したアモルファスあるいは微細結晶粒薄帯を
製造する工程と、組織の少なくとも30%以上が500オン
グストローム以下の微細な強磁性結晶粒からなり、かつ
強磁性結晶粒間の少なくとも一部に金属非強磁性相が存
在するように熱処理する工程からなる製造方法がある。
本発明においては熱処理前の状態では完全に構成元素が
固溶した状態の方がばらつきが小さく好ましい結果が得
られるが、完全に固溶していなくても本発明の効果を得
ることができ本発明に含まれる。熱処理は熱処理前がア
モルファス状態の場合は結晶化の目的も含まれる。また
強磁性結晶粒間の金属非強磁性相はアモルファス相の場
合もある。また、強磁性相は1相である必要はなく2相
以上存在しても良い。
【0005】
【実施例】以下本発明を実施例に従って説明するが本発
明はこれらに限定されるものではない。 (実施例1) Febal.Cu10Nb3Si13.5B9なる組成のアモルファス合金薄
帯を単ロール法により作製した。次に、この合金薄帯を
550℃に加熱熱処理した。得られた合金はミクロ組織観
察の結果結晶化しており、組織のほとんどが粒径500オ
ングストローム以下の微細な結晶粒からなっていた。ま
た、形成した強磁性結晶粒の周囲は非強磁性相が形成し
ているのが電子線回折、メスバウワー効果、およびED
Xによる組成分析により確認された。得られた合金の組
織の模式図を図2に示す。強磁性bcc結晶粒の周囲を非
磁性相が取り囲む組織となっている。非磁性相中にはCu
がかなり含まれているのが確認され、非磁性であること
が確認された。直流B−H曲線を図3に示す。B−H曲
線には折れ曲がりがあり特徴的なヒステリシスループを
示す。次に、20試料のMR効果測定により得られた△R
/Rの最大値△Rm/Rのばらつきは9%であり、Co(6
オングストローム)/Ag(25オングストローム)人工格子
多層膜の57%より著しく小さく再現性に優れていること
が確認された。なお、△Rm/Rのばらつきは△Rm/R
の平均値をa、最大値をm、最小値をsで表した場合、
(m−s)×100/aで定義した。 (実施例2) 表1に示す組成(at%)の合金膜をスパッタ法により
作製し、次に650℃で1時間熱処理を行った。ミクロ組
織観察の結果、合金膜は、組織のほとんどが粒径500オ
ングストローム以下の微細な結晶粒からなっていた。ま
た、形成した強磁性結晶粒の周囲は非強磁性相が形成し
ているのが電子線回折、メスバウワー効果、およびED
Xによる組成分析により確認された。次にこの合金膜の
磁気抵抗曲線を測定した。測定により得られた△R/R
の最大値の平均△Rm/Rおよび20試料作成した場合の
△Rm/Rのばらつき(%)を表1に示す。
明はこれらに限定されるものではない。 (実施例1) Febal.Cu10Nb3Si13.5B9なる組成のアモルファス合金薄
帯を単ロール法により作製した。次に、この合金薄帯を
550℃に加熱熱処理した。得られた合金はミクロ組織観
察の結果結晶化しており、組織のほとんどが粒径500オ
ングストローム以下の微細な結晶粒からなっていた。ま
た、形成した強磁性結晶粒の周囲は非強磁性相が形成し
ているのが電子線回折、メスバウワー効果、およびED
Xによる組成分析により確認された。得られた合金の組
織の模式図を図2に示す。強磁性bcc結晶粒の周囲を非
磁性相が取り囲む組織となっている。非磁性相中にはCu
がかなり含まれているのが確認され、非磁性であること
が確認された。直流B−H曲線を図3に示す。B−H曲
線には折れ曲がりがあり特徴的なヒステリシスループを
示す。次に、20試料のMR効果測定により得られた△R
/Rの最大値△Rm/Rのばらつきは9%であり、Co(6
オングストローム)/Ag(25オングストローム)人工格子
多層膜の57%より著しく小さく再現性に優れていること
が確認された。なお、△Rm/Rのばらつきは△Rm/R
の平均値をa、最大値をm、最小値をsで表した場合、
(m−s)×100/aで定義した。 (実施例2) 表1に示す組成(at%)の合金膜をスパッタ法により
作製し、次に650℃で1時間熱処理を行った。ミクロ組
織観察の結果、合金膜は、組織のほとんどが粒径500オ
ングストローム以下の微細な結晶粒からなっていた。ま
た、形成した強磁性結晶粒の周囲は非強磁性相が形成し
ているのが電子線回折、メスバウワー効果、およびED
Xによる組成分析により確認された。次にこの合金膜の
磁気抵抗曲線を測定した。測定により得られた△R/R
の最大値の平均△Rm/Rおよび20試料作成した場合の
△Rm/Rのばらつき(%)を表1に示す。
【表1】
(実施例3)
表2に示す組成のアモルファス合金膜をスパッタ法によ
り作製し、次に650℃で1時間熱処理を行い結晶化させ
た。ミクロ組織観察の結果、合金膜は結晶化しており組
織のほとんどが粒径500オングストローム以下の微細な
結晶粒からなっていた。また、形成した強磁性結晶粒の
周囲は非強磁性相が形成しているのが電子線回折、メス
バウワー効果、およびEDXによる組成分析により確認
された。次にこの合金膜の磁気抵抗曲線を測定した。20
試料作製し測定により得られた△R/Rの最大の平均値
△Rm/Rのばらつき(%)を表2に示す。
り作製し、次に650℃で1時間熱処理を行い結晶化させ
た。ミクロ組織観察の結果、合金膜は結晶化しており組
織のほとんどが粒径500オングストローム以下の微細な
結晶粒からなっていた。また、形成した強磁性結晶粒の
周囲は非強磁性相が形成しているのが電子線回折、メス
バウワー効果、およびEDXによる組成分析により確認
された。次にこの合金膜の磁気抵抗曲線を測定した。20
試料作製し測定により得られた△R/Rの最大の平均値
△Rm/Rのばらつき(%)を表2に示す。
【表2】
【0006】
【発明の効果】本発明によれば磁気センサや磁気ヘッド
等に好適な高いΔR/Rが得られかつばらつきの小さい
MR素子用材料を得ることができるためその効果は著し
いものがある。
等に好適な高いΔR/Rが得られかつばらつきの小さい
MR素子用材料を得ることができるためその効果は著し
いものがある。
【図面の簡単な説明】
【図1】i方向と垂直にHを加えた時のΔR/R−H曲
線の一例を示した図である。
線の一例を示した図である。
【図2】本発明に係わる合金の組織の一例を示した模式
図である。
図である。
【図3】本発明に係わる直流B−H曲線の一例を示した
図である。
図である。
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名)
C22C 1/00
C22C 38/00 - 45/10
H01F 1/14
Claims (4)
- 【請求項1】 組成式:M100-X-aX'XM'a(at%)で表さ
れ、ここでMはFe,Co,Niから選ばれる少なくとも一種の
元素、M'はTi,Zr,Hf,V,Nb,Ta,Mo,Wから選ばれた少なく
とも一種の元素、X'はCu,Cr,Mn,Au,Ag,Ruから選ばれた
少なくとも一種の元素であり、0<x≦70、0<a≦20、a
+x≦70であるMR素子用材料であって、組織の少なく
とも30%以上が500オングストローム以下の微細な強磁
性結晶粒からなり、かつ強磁性結晶粒間の少なくとも一
部に金属非強磁性相が存在していることを特徴とするM
R素子用材料。 - 【請求項2】 組成式:M100-X-a-zX'XM'aXz(at%)で
表され、ここでMはFe,Co,Niから選ばれる少なくとも一
種の元素、M'はTi,Zr,Hf,V,Nb,Ta,Mo,Wから選ばれた少
なくとも一種の元素、X'はCu,Cr,Mn,Au,Ag,Ruから選ば
れた少なくとも一種の元素であり、XはSi,B,P,C,Ga,Al
から選ばれる少なくとも一種の元素であり、0<x≦70、
0<a≦20、0<z≦30、a+x+z≦70であって、組織の少
なくとも30%以上が500オングストローム以下の微細な
強磁性結晶粒からなり、かつ強磁性結晶粒間の少なくと
も一部に金属非強磁性相が存在していることを特徴とす
るMR素子用材料。 - 【請求項3】 金属非強磁性相が強磁性結晶粒の周囲を
囲むように存在していることを特徴とする請求項1また
は2に記載のMR素子用材料。 - 【請求項4】 液体急冷法により組成式:M 100-x X' x (at
%)、0<x≦70、または組成式:M 100-X-a X' X M' a (at
%)、0<x≦70、0<a≦20、a+x≦70、または組成式:
M 100-X-a-z X' X M' a X z (at%)、0<x≦70、0<a≦20、0
<z≦30、a+x+z≦70で表され、ここでMはFe,Co,Niか
ら選ばれる少なくとも一種の元素、M'はTi,Zr,Hf,V,Nb,
Ta,Mo,Wから選ばれた少なくとも一種の元素、X'はCu,C
r,Mn,Au,Ag,Ruから選ばれた少なくとも一種の元素であ
り、XはSi,B,P,C,Ga,Alから選ばれる少なくとも一種の
元素である構成元素が固溶したアモルファスあるいは微
細結晶粒薄帯を製造する工程と、組織の少なくとも30%
以上が500オングストローム以下の微細な強磁性結晶粒
からなり、かつ強磁性結晶粒間の少なくとも一部に金属
非強磁性相が存在するように熱処理する工程からなるこ
とを特徴とするMR素子用材料の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP25439392A JP3374984B2 (ja) | 1992-09-24 | 1992-09-24 | Mr素子用材料およびその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP25439392A JP3374984B2 (ja) | 1992-09-24 | 1992-09-24 | Mr素子用材料およびその製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06101000A JPH06101000A (ja) | 1994-04-12 |
JP3374984B2 true JP3374984B2 (ja) | 2003-02-10 |
Family
ID=17264358
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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