JP3374973B2 - 定断面作動体の出力圧の測定方法及び測定装置 - Google Patents

定断面作動体の出力圧の測定方法及び測定装置

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JP3374973B2 JP2000343604A JP2000343604A JP3374973B2 JP 3374973 B2 JP3374973 B2 JP 3374973B2 JP 2000343604 A JP2000343604 A JP 2000343604A JP 2000343604 A JP2000343604 A JP 2000343604A JP 3374973 B2 JP3374973 B2 JP 3374973B2
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直子 藤原
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高分子アクチュエ
ータのような定断面作動体に対し、交番電圧等を入力し
て振動させ、その際の振動挙動から縦弾性率や定断面作
動体に生じる出力圧の指標となる全荷重を測定するため
の測定方法及び測定装置、並びにそれを利用した定断面
作動体の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】高分子アクチュエータのような定断面作
動体は、表面に設けられた電極間に電圧や電流(電力)
を入力(印加)することで、湾曲等の変形が生じるた
め、近年、小型アクチュエータの1つとして注目されて
いる。このような高分子アクチュエータ等は、レーザ変
位計などを用いて変位測定が行われており、入力に対す
る出力変位量が性能を表す指標となっている。
【0003】一方、アクチュエータとして定断面作動体
を使用する上で、上記の出力変位量に加えて、変形する
際の出力圧(面に生じる力)を知ることが重要である。
しかし、定断面作動体は一般に出力圧が小さいため、出
力圧の測定に関しては、有力な測定方法がないのが実情
である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】例えば、ロードセルを
用いて荷重測定を行う方法が考えられるが、測定する定
断面作動体が大きく変位するため、安定した測定結果が
得られにくい。また、圧縮力を加えて、その微小変位の
圧力を測定する方法もあるが、厚みが小さく出力圧が小
さい定断面作動体に適用するのは困難である。
【0005】一方、定断面作動体の縦弾性率を測定する
方法については、各種引張試験などにより測定すること
ができるが、高分子アクチュエータ等を破壊せずに縦弾
性率を測定する方法や、高分子アクチュエータ等を使用
状態で非接触に測定する方法は、これまで知られていな
かった。
【0006】そこで、本発明の目的は、出力変位量の測
定と同様の方法にて非接触・非破壊で縦弾性率を測定で
きる定断面作動体の縦弾性率の測定方法を提供すること
にある。また、出力変位量の測定と同様の方法で、定断
面作動体に生じる微小な出力圧を全荷重(出力圧に換算
可能)として測定することができる定断面作動体の出力
圧の測定方法、並びにその測定装置を提供することにあ
る。更に、当該測定方法を利用して定断面作動体を製造
する定断面作動体の製造方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的は、下記の如き
本発明により達成できる。即ち、本発明の定断面作動体
の縦弾性率の測定方法は、定断面作動体を片持ち固定し
た固定部から交番する入力を付与して定断面作動体の作
動部を振動させ、その挙動から一次の振動形に対応する
共振角周波数ωを求める工程と、その共振角周波数ωと
既知の値から下記の式(1) E=ω2 ρA/(a4 I) (1) 〔ここで、Eは縦弾性率、ωは共振角周波数、ρは定断
面作動体の密度、Aは作動部の断面積、aはλ/L(λ
は片持梁の1次の無次元振動数、Lは作動部の長さ)、
Iは作動部の断面2次モーメントを表す〕にて縦弾性率
Eを算出する工程とを含むものである。
【0008】また、本発明の定断面作動体の出力圧の測
定方法は、定断面作動体を片持ち固定した固定部から交
番する入力を付与して定断面作動体の作動部を振動さ
せ、その挙動から一次の振動形に対応する共振角周波数
ωと作動部先端の変位量δmaxとを求める工程と、その
共振角周波数ωと既知の値から上記の式(1)にて縦弾
性率Eを算出する工程と、その縦弾性率Eと前記変位量
δmax から、下記の式(2) W=δmax ・EI/(β・L3 ) (2) 〔ここで、Wは全荷重、Iは作動部の断面2次モーメン
ト、βは1/8、Lは作動部の長さを表す〕にて、全荷
重を求める工程とを含むものである。
【0009】上記において、前記作動部先端の変位量δ
max を求める際に、測定点での変位量δxと支点から測
定点までの長さxとから、下記の式(3) δmax =δx・wX /wL (3) 〔ここで、wX /wL は片持梁の1次の規準振動形を表
す式から算出される、測定点と作動部先端との変位量の
比を表す〕にて変位量δmax を求めることが好ましい。
【0010】一方、本発明の測定装置は、定断面作動体
を片持ち固定する固定手段と、固定された固定部から交
番する入力を付与して前記定断面作動体の作動部を振動
させる入力手段と、その作動部の振動による変位量を非
接触で計測する変位量計測手段と、その変位量計測手段
からの情報を利用して、一次の振動形に対応する共振角
周波数ωと作動部先端の変位量δmax とを求めた後、そ
の共振角周波数ωと既知の値から上記の式(1)にて縦
弾性率Eを算出し、その縦弾性率Eと前記変位量δmax
から、上記の式(2)にて全荷重を求める処理手順を実
行する演算手段とを備えるものである。
【0011】上記において、前記演算手段が、前記作動
部先端の変位量δmax を求める際に、測定点での変位量
δxと支点から測定点までの長さxとから、上記の式
(3)にて変位量δmax を求める処理手順を実行するこ
とが好ましい。
【0012】他方、本発明の定断面作動体の製造方法
は、作製した定断面作動体を用いて、上記の出力圧の測
定方法によって全荷重を求め、その全荷重から換算され
る出力圧を予め設定した目標出力圧の範囲と比較して、
その範囲を外れる場合には、出力圧を制御する因子を変
えて別の定断面作動体を作製し、これを繰り返すこと
で、目標出力圧の範囲を有する定断面作動体を製造する
ものである。
【0013】[作用効果]以下、請求項1〜6に係わる
本発明の作用効果について説明するが、具体的な実施形
態に伴う作用効果については、後述の発明の実施の形態
の項で詳述する。なお、本発明は、定断面作動体の振動
挙動の仮定条件として、曲げのみの非減衰運動であるこ
と、一次の振動形の共振ピークが把握できること、作動
部の質量と曲げ剛性とが長さ方向に沿って変化しないこ
と、が前提となる。
【0014】本発明の縦弾性率の測定方法によると、出
力変位量の測定と同様にして、固定部からの入力により
定断面作動体の作動部を振動させることができ、その振
動挙動から一次の振動形に対応する共振角周波数ω(共
振ピークの周波数に対応する角周波数)を求めることが
できる。
【0015】上記前提の下では、下記のベルヌーイ・オ
イラーの方程式:
【数1】 〔ここでE、I、ρ、A、xは前記と同義であり、tは
時間、ζ(x,t)はx位置・t時間のたわみ量、p
(x,t)はx位置・t時間の上下方向に作用する動荷
重となる〕が成立し、本発明における定断面作動体の振
動は、片持梁の非減衰自由振動に相当するため、p
(x,t)=0とおくことができる。その式を、形状関
数w(x)と時間関数Z(t)とにより変数を分離し
て、下記の2つの常微分方程式を得ることができる。
【0016】
【数2】 ここで、a4 =ω2 ρA/(EI) (式1’)であ
る。一方、上記後者の常微分方程式を解くと、形状関数
w(x)をaとxの関数(定数C1 〜C4 を含む)とし
て表すことができ、片持梁の支点条件(自由端(x=
0)および固定端(x=L))から連立方程式を解く
と、定数C1 〜C4 が消去でき、1+cosλcosh
λ=0となる。この式は片持梁の振動数方程式であり、
その解λを一次の振動形について求めるとλ=1.87
5となる。従って、このλとLから求めたaを代入し
て、(式1’)を変形した式(1):E=ω2 ρA/
(a4 I)によって、測定した共振角周波数ωと既知の
値から、縦弾性率Eを求めることができる。
【0017】つまり、片持梁の非減衰自由振動では縦弾
性率Eのみで一次の共振角周波数ωが定まるため、この
性質を利用することにより、定断面作動体についても、
出力変位量の測定と同様の方法にて非接触・非破壊で縦
弾性率を測定できる。
【0018】また、本発明の出力圧の測定方法による
と、上記と同様にして共振角周波数ωから縦弾性率Eを
求めることができ、また、共振角周波数ωを求める際に
作動部先端の変位量δmax を求めることができる。
【0019】そして、式(2):W=δmax ・EI/
(β・L3 )は、片持梁に均一分散荷重が静的に生じた
時の全荷重Wと変位量δmax と曲げ剛性EIとの関係を
表す式であり、縦弾性率Eと前記変位量δmax から全荷
重Wを求めることができる。つまり、片持梁に均一分散
荷重が静的に生じた場合を定断面作動体の振動に適用す
ることにより、出力変位量の測定と同様の方法で、定断
面作動体に生じる微小な出力圧を全荷重(出力圧に換算
可能)として測定することができる。
【0020】また、前記作動部先端の変位量δmax を求
める際に、測定点での変位量δxと支点から測定点まで
の長さxとから、上記の式(3)にて変位量δmax を求
める場合、作動部先端の変位量δmax を直接測定する必
要がないためレーザ変位計などを用いて変位測定するこ
とができ、しかも、片持梁の1次の規準振動形を表す式
から算出される、測定点と作動部先端との変位量の比に
基づいて計算するため、より正確な変位量δmax を得る
ことができ、測定精度をより向上させることができる。
【0021】一方、本発明の測定装置によると、上記の
如き作用効果を奏する本発明の測定方法が実施できるよ
うに構成されているため、出力変位量の測定と同様の方
法で、定断面作動体に生じる微小な出力圧を全荷重(出
力圧に換算可能)として測定することができる。
【0022】他方、本発明の定断面作動体の製造方法に
よると、作製した定断面作動体を用いて、上記の如き出
力圧の測定方法によって全荷重を求めるため、非接触・
非破壊で定断面作動体に生じる微小な全荷重を測定する
ことができる。また、その全荷重から換算される出力圧
を予め設定した目標出力圧の範囲と比較して、その範囲
を外れる場合には、出力圧を制御する因子を変えて別の
定断面作動体を作製し、これを繰り返すため、目標出力
圧の範囲を有する定断面作動体を確実に製造することが
できる。そして、上記一連の工程を経た製品は、非接触
・非破壊であるため、測定を経た製品を全品評価して出
荷することも可能になる。
【0023】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て、図面を参照しながら説明する。
【0024】本発明の測定対象となる定断面作動体とし
ては、固定部から交番する入力を付与することで、作動
部に振動が生じ得る定断面作動体であればよく、共振周
波数等との関係から応答性がある程度高いものが好まし
い。具体的には、電圧や電流(電力)を入力(印加)す
ることで、湾曲等の変形が生じる、高分子アクチュエー
タ等が好ましい。高分子アクチュエータとしては、特開
平4−275078号公報、特開平11−235064
号公報、特開平11−280639号公報等に記載のも
のが挙げられ、例えば矩形平板状のイオン交換樹脂の裏
表両面に、薄い電極層を設けたものが代表的である。本
実施形態では、電力等の印可で作動する矩形断面の平板
状の高分子アクチュエータを定断面作動体として用いる
例を示す。
【0025】本発明では、図1に示すように、定断面作
動体1の固定部1bを固定用電極2で片持ち固定し、固
定部1bから交番する入力を付与して定断面作動体1の
作動部aを上下に振動させる。本実施形態ではその際、
電圧や電流(電力)が印加されるが、ランダム波の入力
や周波数掃引が行われる。
【0026】その際の振動の挙動から、直接的に又は高
速フーリエ変換(FFT)等により、各次数の共振角周
波数ωを得ることができ、最も周波数の低い共振ピーク
に対応する一次の振動形に対応する共振角周波数ωを求
めることができる。また振動の挙動から、作動部先端の
変位量δmax を、直接又は近似により、求めることがで
きる。変位量δmax を直接測定する方法としては、CC
Dカメラで撮影した動画像を画像解析する方法なども挙
げられるが、レーザ変位計を用いた測定値から、近似に
より変位量δmax を求める方法が簡便である。近似によ
り変位量δmaxを求める場合、たわみ変形を無視して測
定点MPでの変位量δxから、δmax =δx・L/xに
より算出することも可能であるが、下記の方法で算出す
る方法が精度の面から好ましい。
【0027】即ち、測定点での変位量δxと支点から測
定点までの長さxとから、下記の式(3) δmax =δx・wX /wL (3) 〔ここで、wX /wL は片持梁の1次の規準振動形を表
す式から算出される、測定点と作動部先端との変位量の
比を表す〕にて変位量δmax を求めることができる。w
X /wL は、下記の式(4)
【数3】 のξにx/LとL/Lとを代入して、wX とwL とを計
算して比を求めることで得ることができる。
【0028】上記の式(4)は、片持梁の非減衰自由振
動における一次の規準振動形を示す式であり、振動時の
定断面作動体の各部の変位量、即ち定断面作動体の形状
を示しているため、これから精度良く作動部先端の変位
量δmax を算出することができる。
【0029】次に上記で求めた共振角周波数ωと既知の
値から下記の式(1) E=ω2 ρA/(a4 I) (1) 〔ここで、Eは縦弾性率、ωは共振角周波数、ρは定断
面作動体の密度、Aは作動部の断面積、aはλ/L(λ
は片持梁の1次の無次元振動数、Lは作動部の長さ)、
Iは作動部の断面2次モーメントを表す〕にて縦弾性率
Eを算出する。
【0030】ρは定断面作動体の密度であるため、既知
の密度を使用してもよいが、定断面作動体の厚みh、幅
b、長さを乗じて定断面作動体の体積を求めてから、そ
の体積と定断面作動体の重さから算出した密度を使用し
てもよい。Aは作動部の断面積であるため、定断面作動
体の厚みhと幅bを乗じて求めることができる。aはλ
/Lであり、λは片持梁の1次の無次元振動数であるた
め、a=1.875/Lとなる。なお、このλの値とし
ては、有効数字の桁数を考慮して上記の数値と実質的に
同一の数値を採用してもよく、これは後述のβについて
も同様である。
【0031】Iは作動部の断面2次モーメントであるた
め、断面矩形の平板ではbh3 /12である。その他、
断面H形、断面コの字形、断面円形、断面台形、断面半
円形などの各種断面形状に応じた断面2次モーメントが
周知であり、本発明は前述の仮定条件を満たす限り、何
れの形状に対しても適用できる。
【0032】次に、この縦弾性率Eと、別途求めた変位
量δmax から、下記の式(2) W=δmax ・EI/(β・L3 ) (2) 〔ここで、Wは全荷重、Iは作動部の断面2次モーメン
ト、βは1/8、Lは作動部の長さを表す〕にて、全荷
重を求める。本発明では、更に全荷重Wを面積L×bで
除して単位面積当たりの荷重を求めてもよく、また、そ
の荷重を入力した電圧等で除して、入力あたりの圧力、
即ち出力圧を求めてもよい。
【0033】式(2)における変位量δmax は、共振角
周波数ωの1/2より低い周波数における変位量を採用
することが好ましく、特に、入力の周波数に対して変位
量が変化しない周波数領域における変位量を採用するこ
とが、より好ましい。
【0034】一方、本発明の測定装置は、上述のような
測定方法を好適に実施することができる装置である。本
発明の測定装置は、図2に示すように、定断面作動体1
を片持ち固定する固定用電極2等の固定手段と、固定さ
れた固定部1bから交番する入力を付与して定断面作動
体1の作動部1aを振動させる入力手段3と、その作動
部1aの振動による変位量を非接触で計測する変位量計
測手段4と、その変位量計測手段4からの情報を利用し
て、一次の振動形に対応する共振角周波数ωと作動部先
端の変位量δmax とを求めた後、その共振角周波数ωと
既知の値から上記の式(1)にて縦弾性率Eを算出し、
その縦弾性率Eと前記変位量δmax から、上記の式
(2)にて全荷重を求める処理手順を実行する演算手段
5とを備えるものである。
【0035】固定手段としては、定断面作動体1の振動
に影響を与えにくい程度に定断面作動体1を固定できる
ものであればよく、各種の把持装置、締結装置、挟持装
置などが採用できる。
【0036】入力手段3としては、定断面作動体1の種
類に応じて交番する入力を付与して、作動部1aを振動
させられるものであればよく、ランダム波発振器、周波
数掃引型発振器、正弦波発振器等が採用できる。
【0037】変位量計測手段4としては、作動部1aの
振動による変位量を非接触で計測できるものであればよ
く、レーザ変位計の他、前記の動画撮影装置等の光学的
計測装置、超音波変位計などが採用できる。
【0038】入力手段3と変位量計測手段4とは、入力
手段3の動作状態に対応する信号が変位量計測手段4の
測定値と関連付けられるように構成されているのが好ま
しい。例えば、入力手段3としてランダム波発振器を採
用する場合、ランダム波で電圧(電流)を印加し、この
ときの各周波数での入力電圧(電流)と、変位量計測手
段4からの変位量を電圧換算した値を、別途設けたFF
Tアナライザに入力して伝達率を求め、そのグラフより
共振角周波数を求めることができる。また、ランダム波
を用いなくても、各周波数での入力電圧(電流)と変位
量を測定し、各周波数での変位量の最大値をプロットし
ていき、共振角周波数を求めることも可能である。
【0039】演算手段5としては、上記処理手順を実行
するためのプログラム等を内蔵又はロードできるマイコ
ン、パソコン等が採用できる。演算手段5はプリンタ
ー、ディスプレー等の出力・表示手段6を備えるのが好
ましい。
【0040】他方、本発明の定断面作動体の製造方法
は、作製した定断面作動体を用いて、前述のような出力
圧の測定方法によって全荷重を求め、その全荷重から換
算される出力圧を予め設定した目標出力圧の範囲と比較
して、その範囲を外れる場合には、出力圧を制御する因
子を変えて別の定断面作動体を作製し、これを繰り返す
ことで、目標出力圧の範囲を有する定断面作動体を製造
するものである。
【0041】目標出力圧の範囲は、例えば設定中央値に
対して±5%以内というように設定してもよく、下限値
以上又は上限値以下というように設定してもよい。
【0042】出力圧を制御する因子としては、いわゆる
高分子アクチュエータでは、厚みh、表面電極の種類や
形成の仕方、イオン交換樹脂の種類、イオン交換物質の
種類などが挙げられる。
【0043】
【実施例】以下、本発明の構成と効果を具体的に示す実
施例等について説明する。
【0044】実施例1 NAFION−117(Du Pont社製)に金メッ
キを行った高分子アクチュエータ(特開平8−2259
78、ρ=2.4949×107 〔kgs2 /cm
3 〕、h=0.200〔mm〕、b=50〔mm〕、L
=200〔mm〕)をサンプルとした。レーザ変位計
(キーエンス社製,LC−2400)を用いて、支点か
ら測定点までの長さがx=170〔mm〕となるよう
に、サンプルを片持ち固定し、固定部からランダム波を
入力して作動部を振動させ、その挙動から一次の振動形
に対応する共振角周波数ωを求めた。その結果、ωは1
94.8〔rad/s〕となった。この値と既知の値か
ら前述のようにして式(1)にて縦弾性率Eを算出する
と、368〔kgf/cm2 〕となった。
【0045】一方、引張試験機により、同じサンプルを
用いて、測定長さ20mm、引張速度50mm/min
にて10%伸長時の縦弾性率Eを測定すると328〔k
gf/cm2 〕であった。このように、本発明では実測
値と近い算出値を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の作用を説明するための斜視図
【図2】本発明の定断面作動体の出力圧の測定装置の一
例を示す概略構成図
【符号の説明】
1 定断面作動体 1a 作動部 1b 固定部 2 固定用電極(固定手段) 3 入力手段 4 変位量計測手段 5 演算手段 MP 測定点
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 安積 欣志 大阪府池田市緑丘1丁目8番31号 工業 技術院 大阪工業技術研究所内 (72)発明者 藤原 直子 大阪府池田市緑丘1丁目8番31号 工業 技術院 大阪工業技術研究所内 (72)発明者 小黒 啓介 大阪府池田市緑丘1丁目8番31号 工業 技術院 大阪工業技術研究所内 (56)参考文献 特開 平6−66698(JP,A) 特開 平1−296135(JP,A) 特開 平6−34505(JP,A) 特開 平11−235064(JP,A) 特開 平11−280639(JP,A) 特開 平4−275078(JP,A) 安積欣志、藤原直子、子黒啓介、大西 和夫、瀬和信吾,高分子電解質膜アクチ ュエータの応答挙動と応答機構,膜シン ポジウム2000,日本,2000年11月1日, 第12号,p.77−80 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01N 3/00 - 3/62 G01L 1/00 H02N 11/00 JICSTファイル(JOIS)

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 定断面作動体を片持ち固定した固定部か
    ら交番する入力を付与して定断面作動体の作動部を振動
    させ、その挙動から一次の振動形に対応する共振角周波
    数ωを求める工程と、その共振角周波数ωと既知の値か
    ら下記の式(1) E=ω2 ρA/(a4 I) (1) 〔ここで、Eは縦弾性率、ωは共振角周波数、ρは定断
    面作動体の密度、Aは作動部の断面積、aはλ/L(λ
    は片持梁の1次の無次元振動数、Lは作動部の長さ)、
    Iは作動部の断面2次モーメントを表す〕にて縦弾性率
    Eを算出する工程とを含む定断面作動体の縦弾性率の測
    定方法。
  2. 【請求項2】 定断面作動体を片持ち固定した固定部か
    ら交番する入力を付与して定断面作動体の作動部を振動
    させ、その挙動から一次の振動形に対応する共振角周波
    数ωと作動部先端の変位量δmax とを求める工程と、そ
    の共振角周波数ωと既知の値から下記の式(1) E=ω2 ρA/(a4 I) (1) 〔ここで、Eは縦弾性率、ωは共振角周波数、ρは定断
    面作動体の密度、Aは作動部の断面積、aはλ/L(λ
    は片持梁の1次の無次元振動数、Lは作動部の長さ)、
    Iは作動部の断面2次モーメントを表す〕にて縦弾性率
    Eを算出する工程と、その縦弾性率Eと前記変位量δ
    max から、下記の式(2) W=δmax ・EI/(β・L3 ) (2) 〔ここで、Wは全荷重、Iは作動部の断面2次モーメン
    ト、βは1/8、Lは作動部の長さを表す〕にて、全荷
    重を求める工程とを含む定断面作動体の出力圧の測定方
    法。
  3. 【請求項3】 前記作動部先端の変位量δmax を求める
    際に、測定点での変位量δxと支点から測定点までの長
    さxとから、下記の式(3) δmax =δx・wX /wL (3) 〔ここで、wX /wL は片持梁の1次の規準振動形を表
    す式から算出される、測定点と作動部先端との変位量の
    比を表す〕にて変位量δmax を求める請求項2に記載の
    定断面作動体の出力圧の測定方法。
  4. 【請求項4】 定断面作動体を片持ち固定する固定手段
    と、固定された固定部から交番する入力を付与して前記
    定断面作動体の作動部を振動させる入力手段と、その作
    動部の振動による変位量を非接触で計測する変位量計測
    手段と、その変位量計測手段からの情報を利用して、一
    次の振動形に対応する共振角周波数ωと作動部先端の変
    位量δmax とを求めた後、その共振角周波数ωと既知の
    値から下記の式(1) E=ω2 ρA/(a4 I)
    (1) 〔ここで、Eは縦弾性率、ωは共振角周波数、ρは定断
    面作動体の密度、Aは作動部の断面積、aはλ/L(λ
    は片持梁の1次の無次元振動数、Lは作動部の長さ)、
    Iは作動部の断面2次モーメントを表す〕にて縦弾性率
    Eを算出し、その縦弾性率Eと前記変位量δmax から、
    下記の式(2) W=δmax ・EI/(β・L3 ) (2) 〔ここで、Wは全荷重、Iは作動部の断面2次モーメン
    ト、βは1/8、Lは作動部の長さを表す〕にて全荷重
    を求める処理手順を実行する演算手段とを備える定断面
    作動体の出力圧の測定装置。
  5. 【請求項5】 前記演算手段が、前記作動部先端の変位
    量δmax を求める際に、測定点での変位量δxと支点か
    ら測定点までの長さxとから、下記の式(3) δmax
    =δx・wX /wL (3) 〔ここで、wX /wL は片持梁の1次の規準振動形を表
    す式から算出される、測定点と作動部先端との変位量の
    比を表す〕にて変位量δmax を求める処理手順を実行す
    る請求項4に記載の定断面作動体の出力圧の測定装置。
  6. 【請求項6】 作製した定断面作動体を用いて、請求項
    2又は3に記載の出力圧の測定方法によって全荷重を求
    め、その全荷重から換算される出力圧を予め設定した目
    標出力圧の範囲と比較して、その範囲を外れる場合に
    は、出力圧を制御する因子を変えて別の定断面作動体を
    作製し、これを繰り返すことで、目標出力圧の範囲を有
    する定断面作動体を製造する定断面作動体の製造方法。
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