JP3373304B2 - 耐ブロッキング性,易滑性に優れたシート又はフィルムとその製造方法 - Google Patents

耐ブロッキング性,易滑性に優れたシート又はフィルムとその製造方法

Info

Publication number
JP3373304B2
JP3373304B2 JP18308694A JP18308694A JP3373304B2 JP 3373304 B2 JP3373304 B2 JP 3373304B2 JP 18308694 A JP18308694 A JP 18308694A JP 18308694 A JP18308694 A JP 18308694A JP 3373304 B2 JP3373304 B2 JP 3373304B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
sheet
film
slipperiness
coating
fine mist
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP18308694A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH0827292A (ja
Inventor
淳司 藤井
章 船木
徹 行本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Idemitsu Petrochemical Co Ltd
Original Assignee
Idemitsu Petrochemical Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Idemitsu Petrochemical Co Ltd filed Critical Idemitsu Petrochemical Co Ltd
Priority to JP18308694A priority Critical patent/JP3373304B2/ja
Publication of JPH0827292A publication Critical patent/JPH0827292A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3373304B2 publication Critical patent/JP3373304B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Wrappers (AREA)
  • Coating Of Shaped Articles Made Of Macromolecular Substances (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、包装産業等において有
用な、耐ブロッキング性,易滑性に優れたシート又はフ
ィルムと、その製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、表面が平滑なシートやフィル
ムをロール巻きにしたり、枚葉で積み重ねた場合、或い
は自重や外力が強くかかった場合には、ブロッキングが
発生したり、滑りが悪く、加工作業に支障が生じるとい
う問題がある。表面の平滑性と、フィルムやシートの滑
り,耐ブロッキング性は二律背反的な問題であり、その
解決が望まれているが、現在の段階では、両者の妥協点
を見出すことで我慢しているのが実情である。
【0003】すなわち、例えば樹脂微粉末をシートやフ
ィルムの素材に練り込んだり、表面コートする方法が提
案されている。この方法によれば、易滑性(スリップ
性)は得られるものの、耐ブロッキング性(アンチブロ
ッキング性)は不充分であり、しかも練り込む樹脂微粉
末が高価であってコストアップになるという問題があ
る。次に、無機物をシートやフィルムの素材に練り込ん
だり、表面コートする方法が提案されている。この方法
によれば、スリップ性,アンチブロッキング性に優れた
シートやフィルムが得られるものの、シートやフィルム
の透明性を阻害したり、シートやフィルム同士がこすれ
た場合に傷が付くという問題がある。
【0004】また、シート表面に微小な凸部を形成させ
ることにより、上記した問題点を解決する方法が提案さ
れているが、透明性が阻害されるだけでなく、成膜方法
が限定されると共に、特殊な装置が必要になるという問
題がある。さらに、シートやフィルムの表面にデンプン
粒を直接振りかける方法は、古くから行なわれている
が、微量制御が困難なため、表面に粉が吹き、外観上好
ましくなく、また印刷に悪影響を及ぼすばかりか、均一
塗布が困難であるという問題がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
従来の欠点を解消し、表面が平滑なシート又はフィルム
について、その平滑性を阻害することなく、耐ブロッキ
ング性,易滑性に優れたシート又はフィルムを安価に製
造する方法と、この方法により得られる耐ブロッキング
性,易滑性に優れたシート又はフィルムを提供すること
を目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は第1
に、炭酸水素ナトリウムの水溶液を300μm以下の細
霧乃至微霧にした後、シート又はフィルムの表面に塗布
することを特徴とする耐ブロッキング性,易滑性に優れ
たシート又はフィルムの製造方法を提供するものであ
る。
【0007】さらに、本発明は、第2に、炭酸水素ナト
リウムの水溶液を300μm以下の細霧乃至微霧にした
後、シート又はフィルムの表面に塗布することにより得
られる、耐ブロッキング性,易滑性に優れたシート又は
フィルムを提供するものである。この本発明の第2のシ
ート又はフィルムは、本発明の第1の方法により得られ
るものである。
【0008】本発明の方法においては、炭酸水素ナトリ
ウムの水溶液、すなわち炭酸水素ナトリウムを水に混合
し、溶解させた水溶液を用いる。
【0009】本発明の方法において、炭酸水素ナトリウ
ム水溶液の濃度は塗布速度等により適宜決められるが、
炭酸水素ナトリウムは、水1リットル当り、5〜50g
の割合、好ましくは10〜20gの割合で用いる。ここ
で炭酸水素ナトリウムの使用量が多過ぎると、凝集し、
塗布面が白化し、一方、炭酸水素ナトリウムの使用量が
少な過ぎると、アンチブロッキング効果がなくなるの
で、いずれも好ましくない。
【0010】本発明の方法においては、炭酸水素ナトリ
ウムの水溶液を、細かい霧状にし、具体的には300μ
m以下、好ましくは10〜100μmの細霧乃至微霧に
し、これをシート又はフィルムの表面に塗布する。ここ
で霧状とした懸濁液の粒(水滴)の大きさが300μm
を超えると、被塗布物を濡らしてしまったり、或いは炭
酸水素ナトリウムが凝集し、塗布面が白化するため、好
ましくない。また、シート又はフィルムの表面への塗布
は、例えばスプレーノズル等を用いて行なえば良い。
【0011】このようにして、シート又はフィルムの表
面に塗膜を形成する。塗膜の厚みは通常、100μm以
下、好ましくは5〜10μm程度とする。ここで塗膜の
厚みが100μmを超えると、被塗布物を濡らしてしま
ったり、或いは炭酸水素ナトリウムが凝集し、塗布面が
白化するため、好ましくない。
【0012】また、シート又はフィルムとしては、表面
が平滑な、透明性に優れたシート又はフィルムが対象と
される。このような表面が平滑な、透明性に優れたシー
ト又はフィルムの素材として具体的には、ポリプロピレ
ン,ポリエチレンテレフタレート,ポリカーボネート等
の他、各種エンジニアリングプラスチック等が挙げられ
る。また、シート又はフィルムの厚みは10〜1000
μm程度である。本発明において用いる表面が平滑な、
透明性に優れた(高透明・高光沢)シート又はフィルム
として具体的には、平滑性1s以下(1μ)、表面光沢
度120以上、総ヘイズ10%以下のものが挙げられ
る。
【0013】なお、本発明の方法において用いるシート
又はフィルムとしては、予め上記塗布面に、コロナ放電
処理などの表面処理を施して、濡れ性を改善しておいた
ものを使用することもできる。また、単層シート又はフ
ィルムのみならず、積層シートを用いても良い。
【0014】以上の如くして、表面が平滑であって、し
かも耐ブロッキング性,易滑性等に優れたシート又はフ
ィルムを製造することができる。このようにして得られ
たシート又はフィルムを提供するのが、本発明の第2で
ある。
【0015】
【実施例】次に本発明を、実施例により詳しく説明す
る。
【0016】実施例1 塗布液として、水1リットル中に炭酸水素ナトリウムを
20g混合し、これを攪拌,溶解させた水溶液を、微霧
化ノズルにて20μm前後の霧状とし、透明ポリプロピ
レンシート(厚さ0.3mmであり、表面光沢度が13
0度、総ヘイズが2.6%であり、塗布面をコロナ放電
処理したもの、濡れ張力=48 dyne/cm)の表面に、厚
み20μm前後の塗膜が形成されたシートを得た。得ら
れたシートの物性を評価した結果を第1表に示す。
【0017】なお、ブロッキング性は、得られたシート
を100枚重ね、その上から7kg/cm2 の圧力をか
けた際のブロッキングの程度を、次の3段階で評価した
〔◎=ブロッキング無し、△=ブロッキング10%以
下、×=ブロッキング10%以上〕。また、動摩擦係数
は、JIS K 7125に準拠して測定した。さら
に、透明性は目視により、次の3段階で評価した〔◎=
曇り無し、△=やや曇り有り、×=曇り大〕。次に、耐
傷付き性は、塗布面と非塗布面とを合わせ、指でこすっ
たときの外観の状態を目視により、次の3段階で評価し
た〔◎=傷無し、○=傷がわずか、△=傷大〕。さら
に、印刷性(オフセット)は、インクの均一性を目視に
より、また、耐スクラッチ性を爪でこすることにより、
両者を総合して次の3段階で評価した〔◎=インク均一
で、耐スクラッチ性良好、△=インク均一であるが、耐
スクラッチ性やや弱い、×=インク不均一であり、耐ス
クラッチ性弱い〕。なお、乾燥は塗布後の乾燥工程が必
要であるか否かを、「要」、「不要」のいずれかで示し
た。
【0018】比較例1 実施例1において、炭酸水素ナトリウムの水溶液からな
る塗布液を使用しなかった(塗布しなかった)こと以外
は、実施例1と同様にしてシートを得た。得られたシー
トの物性を評価した結果を第1表に示す。
【0019】比較例2 実施例1において、塗布液として、炭酸水素ナトリウム
の水溶液の代わりに、シリコーン樹脂微粉末(球状、粒
径2〜4.5μm)を1リットルの水に対し、0.5g
加えたものを用いたこと以外は、実施例1と同様にして
シートを得た。得られたシートの物性を評価した結果を
第1表に示す。
【0020】比較例3 実施例1において、炭酸水素ナトリウムの水溶液の代わ
りに、フッ素樹脂微粉末(ディスパージョン30%濃
度)を用いたこと以外は、実施例1と同様にしてシート
を得た。得られたシートの物性を評価した結果を第1表
に示す。
【0021】比較例4 実施例1において、霧化ノズルを変えて、500μm程
度の霧としたこと以外は、実施例1と同様にしてシート
を得た。得られたシートの物性を評価した結果を第1表
に示す。
【0022】比較例5 実施例1において、塗膜の厚さを150μmに変えたこ
と以外は、実施例1と同様にしてシートを得た。得られ
たシートの物性を評価した結果を第1表に示す。
【0023】
【表1】
【0024】
【発明の効果】本発明の方法によれば、表面が平滑なシ
ート又はフィルムについて、塗布液は水溶液のため、濃
度が均一で塗布ムラが無く、塗布後の炭酸水素ナトリウ
ムの再結晶の大きさを小さく制御できるため、その平滑
性や透明性を阻害することなく、しかも耐ブロッキング
性,易滑性に優れたシート又はフィルムを安価に得るこ
とができる。さらに、本発明の方法によれば、傷が付き
にくく、無害であり、しかも後の二次加工(印刷,接
着)への悪影響がなく、塗布後の乾燥が不要なシート又
はフィルムを得ることができる。また、本発明の方法に
より得られるシート又はフィルムは、平滑性や透明性に
優れ、しかも耐ブロッキング性,易滑性に優れる上に、
傷が付きにくいものである。従って、本発明の方法によ
り得られるシート又はフィルムは、特に包装産業におい
て有効に利用することができる。
【0025】次に、本発明の各種態様を示すと、以下の
通りである。 (1).炭酸水素ナトリウムの水溶液を300μm以下
の細霧乃至微霧にした後、シート又はフィルムの表面に
塗布することを特徴とする耐ブロッキング性,易滑性に
優れたシート又はフィルムの製造方法。
【0026】(2).炭酸水素ナトリウムの水溶液を1
0〜100μmの細霧乃至微霧にする前記(1)記載の
製造方法。
【0027】(3).シート又はフィルムの表面に形成
される塗膜の厚みが、100μm以下のものである前記
(1)記載の製造方法。
【0028】(4).シート又はフィルムの厚みが、1
0〜1000μmのものである前記(1)記載の製造方
法。
【0029】(5).シート又はフィルムとして、その
塗布面に、予め表面処理を施したものを用いる前記
(1)記載の製造方法。
【0030】(6).シート又はフィルムの表面に形成
される塗膜の厚みが、100μm以下のものであり、シ
ート又はフィルムの厚みが、10〜1000μmのもの
であって、かつ、シート又はフィルムとして、その塗布
面に、予め表面処理を施したものを用いる前記(2)記
載の製造方法。
【0031】(7).炭酸水素ナトリウムの水溶液を3
00μm以下の細霧乃至微霧にした後、シート又はフィ
ルムの表面に塗布することにより得られる、耐ブロッキ
ング性,易滑性に優れたシート又はフィルム。
【0032】(8).炭酸水素ナトリウムの水溶液を1
0〜100μmの細霧乃至微霧にして塗布してなる前記
(7)記載のシート又はフィルム。
【0033】(9).シート又はフィルムの表面に形成
される塗膜の厚みが、100μm以下のものである前記
(7)記載のシート又はフィルム。
【0034】(10).シート又はフィルムの厚みが、
10〜1000μmのものである前記(7)記載のシー
ト又はフィルム。
【0035】(11).シート又はフィルムとして、そ
の塗布面に、予め表面処理を施したものを用いた前記
(7)記載のシート又はフィルム。
【0036】(12).シート又はフィルムの表面に形
成される塗膜の厚みが、100μm以下のものであり、
シート又はフィルムの厚みが、10〜1000μmのも
のであって、かつ、シート又はフィルムとして、その塗
布面に、予め表面処理を施したものを用いた前記(7)
記載のシート又はフィルム。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平6−169651(JP,A) 特開 平5−123060(JP,A) 特開 昭48−92110(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08J 7/04 - 7/06 B32B 27/00 - 27/42

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 炭酸水素ナトリウムの水溶液を300μ
    m以下の細霧乃至微霧にした後、シート又はフィルムの
    表面に塗布することを特徴とする耐ブロッキング性,易
    滑性に優れたシート又はフィルムの製造方法。
  2. 【請求項2】 炭酸水素ナトリウムの水溶液を300μ
    m以下の細霧乃至微霧にした後、シート又はフィルムの
    表面に塗布することにより得られる、耐ブロッキング
    性,易滑性に優れたシート又はフィルム。
JP18308694A 1994-07-13 1994-07-13 耐ブロッキング性,易滑性に優れたシート又はフィルムとその製造方法 Expired - Fee Related JP3373304B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP18308694A JP3373304B2 (ja) 1994-07-13 1994-07-13 耐ブロッキング性,易滑性に優れたシート又はフィルムとその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP18308694A JP3373304B2 (ja) 1994-07-13 1994-07-13 耐ブロッキング性,易滑性に優れたシート又はフィルムとその製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH0827292A JPH0827292A (ja) 1996-01-30
JP3373304B2 true JP3373304B2 (ja) 2003-02-04

Family

ID=16129522

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP18308694A Expired - Fee Related JP3373304B2 (ja) 1994-07-13 1994-07-13 耐ブロッキング性,易滑性に優れたシート又はフィルムとその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3373304B2 (ja)

Also Published As

Publication number Publication date
JPH0827292A (ja) 1996-01-30

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP7431526B2 (ja) 化粧シート及びその製造方法
US2909443A (en) Process of making polyethylene film receptive to organic coating
JPH0647875A (ja) 装飾シートおよびその製造方法
US5188867A (en) Low coefficient of friction material and plastic films coated therewith
CA2184700A1 (en) Decorative sheet having hammer tone texture
JPS62238732A (ja) プリントラミネ−ト用フイルム及びその熱圧着方法
JP2019127666A (ja) 合成皮革用工程紙および合成皮革の製造方法
JPH02158678A (ja) 接着紙テープ及びその製造方法
JP3373304B2 (ja) 耐ブロッキング性,易滑性に優れたシート又はフィルムとその製造方法
US4222973A (en) Process for producing casting release paper and product
JP4233693B2 (ja) 化粧紙の製造法
JP2003147693A (ja) 剥離性材料及び剥離剤
JP2905380B2 (ja) 耐ブロッキング性,易滑性に優れたシート又はフィルムとその製造方法
JPH0530386B2 (ja)
JP2007125761A (ja) 情報隠蔽用紙
JP2006274508A (ja) 壁装用化粧シート
CN105051132B (zh) 水性紫外线固化型罩印清漆组合物
CA2406597A1 (en) Coating composition
JPS6017346B2 (ja) 表面改質されたビニルアルコ−ル重合体フイルム及びその製造法
KR100446413B1 (ko) 프라이머가 도포된 폴리에스테르 필름의 제조방법
EP2251483B1 (en) High-printability coated paper and method for its production
WO2023176024A1 (ja) 化粧シート
JPH07150055A (ja) 防滑性組成物及びその製造方法
JPH10309785A (ja) スチレン系樹脂シート及びその製造方法
WO2023188473A1 (ja) 化粧シート

Legal Events

Date Code Title Description
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20021106

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313111

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees