JP3372967B2 - 色ズレ軽減装置 - Google Patents

色ズレ軽減装置

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JP3372967B2
JP3372967B2 JP21431692A JP21431692A JP3372967B2 JP 3372967 B2 JP3372967 B2 JP 3372967B2 JP 21431692 A JP21431692 A JP 21431692A JP 21431692 A JP21431692 A JP 21431692A JP 3372967 B2 JP3372967 B2 JP 3372967B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、面順次撮像方式に伴う
色ズレの軽減処理を行う色ズレ軽減装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、細長の挿入部を生体内等に挿入す
ることにより、患部等の被写体を観察することのできる
内視鏡が広く用いられるようになった。
【0003】また、最近、CCD等の固体撮像素子を撮
像手段に用いた電子式内視鏡が実用化されている。
【0004】電子式内視鏡には、赤、緑、青等の波長の
異なる照明光で被写体を順次照明し、各波長の照明のも
とでそれぞれ撮像した画像、つまり、成分画像を合成し
てカラー画像を得る面順次式の電子式内視鏡がある。
【0005】この方式ではカラー画像1枚分の画像を得
るために時間が異なる成分画像を合成するようになって
いるので、動きのある被写体または、撮像手段と被写体
とで相対的に動きがあると、合成したカラー画像は本来
の被写体の色と相違することがある。
【0006】さらに、内視鏡検査においては、先端の対
物レンズに粘膜等が付着し像が鮮明に観察できなくなる
場合がある。この様な時、水を内視鏡先端部から対物レ
ンズに向けて噴出させ、レンズを洗浄する送水操作が行
われる。送水時の水は、対物レンズの直前で激しく動く
ため、面順次照明光のもとで照明されると、水は激しく
色が変化してレインボーカラー状に撮像される。また、
被検部を洗浄したり冷却するために、送水を行う内視鏡
もある。このきの様子を図33に示す。
【0007】図33を用いてこのような色再現性の不良
の発生原理について説明する。内視鏡先端部から送水が
行われた場合、対物レンズ面の直前で水が速く移動す
る。そうすると、この水は、例えば赤(R)の照明光の
ときには、内視鏡先端部から出始めた赤色の水(物体)
として撮像され、緑(G)のときには、レンズ正面に水
が玉となって移動しこれが緑の物体として撮像され、青
(B)のときには、さらに移動が進んだ青色の水として
撮像される。モニタ上では、これらの各色画像が合成さ
れて表示されることになる。
【0008】従って、水の画像は、赤、緑、青及び黄、
シアン、マゼンタの原色画像として高彩度で表示される
ことになり、つまりレインボーカラー状となり、内視鏡
検査を行っている医師の目が非常に疲れるという不具合
をもたらす。以下、このような欠点、すなわち、各色情
報のサンプリングタイミングの相違によって発生する色
の再現性の不良を色ズレという。
【0009】これに対し、本出願人は、特願平2−70
644号明細書において、色成分信号により色ズレを判
定し、色ズレと判定した場合に、実際に輝度を生かした
疑似カラー信号を出力することにより、色ズレを軽減す
る関連技術を提案している。
【0010】また、本出願人は特願平2−27842号
明細書において、電子内視鏡の画像信号から、送水操作
による色ズレの検知を行う送水検知手段を設け、送水時
と判断したときにのみ疑似カラーを出力することによ
り、激しい色ズレのみを軽減する関連技術も提案してい
る。
【0011】あるいは、特開平3−24513号公報に
は、面順次式の色ズレ軽減装置において、現画像より色
差信号を生成し、色相を算出した後、その色相成分を保
持する色ズレ部検出装置が開示されている。
【0012】尚、送水などのように、目だつ色ズレを生
じる部分は高彩度である。また、一般画像の中でも、出
血部のような画像は比較的高い彩度である。
【0013】このような色ズレ検出方式においては、色
相成分のみを用いて色ズレ部を検出していることから、
色ズレのレベルに拘らず検出が行われ、観察者がほとん
ど認識することができないほど軽微な色ズレであっても
補正されてしまう。すなわち、観察者の色ズレに対する
官能試験結果とは異なる色ズレのレベルで検出が行われ
ており、不要の色ずれ補正によって、観察画像の画質が
劣化してしまうという欠点があった。
【0014】また、色ズレが発生したことを検出する
と、画面全体に渡って色ズレ補正を行っていた。ところ
が、例えば送水・吸引時には画面の一部で非常に大きな
色ズレを生じるが、他の部分での色ズレは小さいことが
多い。すなわち、色ズレ補正処理が画面全体に一様に行
われるので、補正が不要な部分に対する補正によって、
補正後の画像が不自然な画像となっていた。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】このように、上述した
従来の色ズレ軽減装置においては、観察者の色ズレに対
する官能試験結果とは異なる色ズレのレベルで色ズレ検
出を行っており、不要の色ズレ補正によって観察画像の
画質が劣化してしまうという問題点があり、また、画面
全体に一様に色ズレ補正を行っており、補正が不要な部
分に対する補正によって画質が劣化してしまうという問
題点もあった。
【0016】本発明はかかる問題点に鑑みてなされたも
のであって、1画面のうち色ズレ補正が必要な部分のみ
画素単位又は所定ブロック単位で色ズレ補正を行うと共
に、観察者の色ズレに対する認識レベルを越えた色ズレ
のみを補正することにより、画質の劣化を防止すること
ができる色ズレ軽減装置を提供することを目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】 本発明の請求項1に係
る色ズレ軽減装置は、被写体を面順次式で撮像する撮像
手段より得られたカラー画像信号から、画面の画素単位
又は所定ブロック単位で色成分の変化量を求め、色ズレ
を検出する検出手段と、前記検出手段の検出結果に基づ
いて、所定数の画面にわたって画面の画素単位又は所定
ブロック単位で前記色成分の変化量のレベル分布及び又
は経時変化を求め、前記色ズレの分布状態を求める手段
と、前記分布状態を求める手段で求められた色ズレの分
布状態に基づき色ズレの種別を判断し、該色ズレの種別
に応じて前記カラー画像信号の色ズレを画素単位又はブ
ロック単位で補正して出力する補正手段とを具備したこ
とを特徴とし、本発明の請求項2に係る色ズレ軽減装置
は、被写体を面順次式で撮像する撮像手段より得られた
カラー画像信号から、画面の画素単位又は所定ブロック
単位で色成分の変化量を求め、色ズレを検出する検出手
段と、前記検出手段の検出結果に基づいて、所定数の画
面にわたって画面の画素単位又は所定ブロック単位で前
記色成分の変化量のレベル分布及び又は経時変化を求
め、前記色ズレの分布状態を求める手段と、前記検出手
段の検出結果に基づいて、前記カラー画像信号の色ズレ
を画素単位又はブロック単位で補正して出力する補正手
段と、前記分布状態を求める手段で求められた色ズレの
分布状態に基づき色ズレの種別を判断し、該色ズレの種
別に応じて前記補正手段の出力と前記カラー画像信号と
を選択的に出力する切換手段とを具備したことを特徴と
し、本発明の請求項3に係る色ズレ軽減装置は、被写体
を面順次式で撮像する撮像手段より得られたカラー画像
信号から得られる画面の画素単位又は所定ブロック単位
色ズレを検出する検出手段と、前記カラー画像信号か
ら、画面の画素単位又は所定ブロック単位で色成分の変
化量を求め、所定数の画面にわたって画面の画素単位又
は所定ブロック単位で前記色成分の変化量のレベル分布
及び又は経時変化を求め、色ズレの分布状態を求める手
段と、前記カラー画像信号が変化したか否かが判断さ
れ、色ズレが発生していないと判断された前記画素又は
前記所定ブロックに対応する前記カラー画像信号を保持
する記憶手段と、前記分布状態を求める手段で求められ
た色ズレの分布状態に応じて、前記記憶手段に保持され
たカラー画像信号に基づいて前記カラー画像信号の色ズ
レを画素単位またはブロック単位で選択的に補正して出
力する補正手段とを具備したことを特徴とし、本発明の
請求項4に係る色ズレ軽減装置は、被写体を面順次式で
撮像する撮像手段より得られたカラー画像信号から、画
面の画素単位又は所定ブロック単位で色成分の変化量を
求め、色ズレを検出する検出手段と、前記検出手段の検
出結果に基づいて、所定数の画面にわたって画面の画素
単位又は所定ブロック単位で前記色成分の変化量のレベ
ル分布及び又は経時変化を求め、前記色ズレの分布状態
を求める手段と、前記カラー画像信号が変化したか否か
が判断され、色ズレが発生していないと判断された前記
画素又は前記所定ブロックに対応する前記カラー画像信
号を保持する記憶手段と、前記検出手段の検出結果に応
じて、前記記憶手段に保持されたカラー画像信号に基づ
いて前記カラー画像信号の色ズレを画素単位またはブロ
ック単位で選択的に補正して出力する補正手段と、前記
分布状態を求める手段で求められた色ズレの分布状態に
応じて、前記補正手段の出力と前記カラー画像信号とを
選択的に出力する切換手段とを具備したことを特徴とす
る。
【0018】
【作用】 本発明の請求項1,3において、検出手段
は、被写体を面順次式で撮影する撮像手段より得られた
カラー画像信号から、画面の画素単位又は所定ブロック
単位で色ズレを検出し、色ズレの分布状態を求める手段
は、所定数の画面にわたって画面の画素単位又は所定ブ
ロック単位で前記色成分の変化量のレベル分布及び又は
経時変化を求め、色ズレの分布状態を求め、補正手段
は、分布状態を求める手段で求められた色ズレの分布状
態に基づき前記カラー画像信号の色ズレを画素単位又は
ブロック単位で補正することにより、不要な色ズレによ
る画質の劣化を防止する。
【0019】 本発明の請求項2,4において、検出手
段は、被写体を面順次式で撮影する撮影手段より得られ
たカラー画像信号から、画面の画素単位または所定ブロ
ック単位で色成分の変化量を求め、色ズレを検出し、色
ズレの分布状態を求める手段は、検出手段の検出結果に
基づいて、所定数の画面にわたって画面の画素単位又は
所定ブロック単位で前記色成分の変化量のレベル分布及
び又は経時変化を求め、色ズレの分布状態を求め、更
に、補正手段は、前記検出手段の検出結果に基づき前記
カラー画像信号の色ズレを画素単位又はブロック単位で
補正する。そして、切換手段は、前記分布状態を求める
手段で求められた色ズレの分布状態に基づき前記補正手
段の出力と前記カラー画像信号とを選択的に出力するこ
とにより、観察者の認識レベルに応じた適切な色ズレ補
正を行う。
【0020】
【実施例】以下、図面を参照して本発明の実施例につい
て説明する。図1ないし図3は、本発明の第1実施例に
係り、図1は第1実施例の色ズレ軽減装置の全体的なブ
ロック図、図2はR−Y,B−Yの各軸における色差平
面上の変化量と、各変化量毎の画素数のカウント値との
関係を示すグラフ、図3は色差平面上の色ズレの変化を
示す説明図である。
【0021】先ず、図32を参照して電子内視鏡装置の
全体構成を説明する。
【0022】体空内にて生体の粘膜画像を観察する電子
内視鏡131は、ライトガイド132によって光源装置
133からの照明光を体空内に導いて生体内を照明す
る。カメラコントロールユニット136は、光源装置1
33を制御してフィールド周期(1/60秒)でR
(赤),G(緑),B(青)の照明光を切換えさせる。
固体撮像素子134は、カメラコントロールユニット1
36に制御されて、被写体からの反射光をズームレンズ
135を介して面順次に取込み、光電変換して被写体の
画像信号をカメラコントロールユニット136に出力す
る。すなわち、撮像素子134はフィールド周期(1/
60秒)でR(赤),G(緑),B(青)のフレーム画
像を得ている。
【0023】ズームレンズ135は、固体撮像素子13
4が撮像する画像を拡大することができる。ズームレン
ズ135は、スコープ操作部137に設けられた図示し
ない操作レバーを操作することによって、その光学系が
移動し画角が変更される。
【0024】カメラコントロールユニット136は、被
写体の画像信号に対して所定の信号処理を施して、イン
ターレース化したR,G,B画像信号を出力する。すな
わち、撮像素子134からのR,G,Bフレーム画像信
号は夫々図示しないR,G,Bフレームメモリに記憶さ
れ、フィールド単位で読出されてインターレース化さ
れ、色ズレ軽減装置17に与えられる。
【0025】ところで、カメラコントロールユニット1
36において処理される画像信号は面順次方式のもので
あることから、被写体又はスコープのいずれか一方が早
く移動した場合には色ズレが発生する。また、スコープ
操作部137によってズームレンズ135の画角を急激
に変化させた場合も色ズレが発生する。そこで、カメラ
コントロールユニット136によって処理した画像信号
を、色ズレ軽減装置17に与えて色ズレを補正するよう
にしている。色ズレ軽減装置17において色ズレ補正さ
れた画像信号はTVモニタ139に供給されて被写体像
が表示される。
【0026】図1において、色ズレ軽減装置17には、
カメラコントロールユニット136からのR,G,B画
像信号が入力される。この色ズレ軽減装置17は、入力
される3原色R,G,B信号を色ズレ補正すると共に、
色ズレ補正によって得た補正3原色R′,G′,B′信
号と入力3原色R,G,B信号とを色ズレの状態に応じ
て切換えて出力するものである。面順次方式を採用して
いるので、色ズレ軽減装置17のエンコーダ1に入力さ
れる入力R,G,B信号は、カメラコントロールユニッ
ト136のフレームメモリにフィールド毎に入力される
成分画像信号によって、1/60秒周期で順次更新され
る。
【0027】図1に示すように、カラー画像信号である
入力R,G,B信号は、マトリクス回路1に入力される
と共に、アナログスイッチ15にも入力される。アナロ
グスイッチ15には後述する逆マトリクス回路14から
補正3原色R’,G’,B’信号が供給される。アナロ
グスイッチ15は、CPU10からセレクト信号が入力
されるようになっており、このセレクト信号によって3
原色R,G,B信号と補正3原色R’,G’,B’信号
とのいずれかの組みの信号を選択して図示しないディス
プレイに供給するようになっている。
【0028】マトリクス回路1は、入力された3原色
R,G,B信号を輝度信号Yと色信号とに分離するもの
であり、本実施例では色信号として色差信号R−Y,B
−Yをを生成している。この輝度信号Y及び色差信号R
−Y,B−Yは、夫々逆マトリクス回路14及びローパ
スフィルタ(以下、LPFという)2A,2Bに供給さ
れる。LPF2A,2Bは、マトリクス回路1が出力す
る色差信号R−Y,B−Yを夫々帯域制限してA/D変
換器3A,3Bに出力する。A/D変換器3A,3Bは
夫々LPF2A,2Bの出力をディジタル色差信号に変
換して1Hラインメモリ4A,4Bに出力する。ライン
メモリ4A,4Bは入力されたデータを最大で1H期間
(水平期間)遅延させることができる。ラインメモリ4
A,4Bは、夫々マトリクス回路1からアナログスイッ
チ15までの補正信号処理系における数クロック分の信
号遅延時間を考慮した時間だけ、A/D変換器3A,3
Bの出力を1H期間以内で遅延させることにより、アナ
ログスイッチ15に入力される補正3原色R′,G′,
B′信号を入力3原色R,G,B信号に対して1H期間
だけ遅延させるようになっている。これにより、補正3
原色R′,G′,B′信号と入力3原色R,G,B信号
とは、画面の垂直方向に1ライン分ずれるが、水平方向
の時間ずれは生じない。画像の垂直方向の相関によっ
て、目視上は、色ズレ補正処理による垂直方向の時間ず
れは検出されない。
【0029】1Hラインメモリ4Aからの色差データR
−Yは画像メモリ5、色ズレが発生していない画素つま
りラストイメージを記憶する画像メモリ7A、比較回路
6A、ROMテーブル8A及び選択回路11Aに与えら
れ、1Hラインメモリ4Bからの色差データB−Yは画
像メモリ5、ラストイメージ用の画像メモリ7B、比較
回路6B、ROMテーブル8B及び選択回路11Bに与
えられる。画像メモリ5は、色ズレの発生を検出するF
IFO(first in first out)メモリであり、入力された
色差データR−Y,B−Yを夫々4フィールド期間遅延
させて比較回路6A,6B及びROMテーブル8A,8
Bに与える。上述したように、内視鏡から得られるR,
G,B信号は、例えばR,G,B信号の順でフィールド
周期で更新される。従って、R,G,Bすべての成分画
像が変化するのに3フィールド期間を要する。すなわ
ち、4フィールド期間以上前後した画像データの比較か
ら色ずれの検出が可能となる。なお、奇数フィールドと
偶数フィールドとでは走査線がずれているので、画像メ
モリ5では同一画素位置で比較を行うために、色差デー
タを4フィールド期間遅延させるようにしている。
【0030】ROMテーブル8Aは画像メモリ5の入出
力である4フィールド期間前後の各色差データR−Yに
よって指定されるアドレスに、4フィールド期間前後の
色差データR−Yの差(色差平面におけるR−Y軸上の
変化量)を格納している。また、ROMテーブル8Bは
4フィールド期間前後の各色差データB−Yによって指
定されるアドレスに、4フィールド期間前後の色差デー
タB−Yの差(色差平面におけるB−Y軸上の変化量)
を格納している。ROMテーブル8A,8Bは画像メモ
リ5の入出力によってアドレスが指定されて、格納して
いる変化量のデータを夫々選択回路11A,11B及び
カウント回路9に出力する。
【0031】比較回路6Aは画像メモリ5の入出力であ
る4フィールド期間前後の各色差データR−Y同士を比
較し、両者が一致している場合には一致検出信号を画像
メモリ7Aに出力する。同様に、比較回路6Bは画像メ
モリ5の入出力である4フィールド期間前後の各色差デ
ータB−Y同士を比較し、両者が一致している場合には
一致検出信号を画像メモリ7Bに出力する。つまり、比
較回路6A,6Bは4フィールド期間前後で色差成分が
変化したか否かを画素毎に判定している。画像メモリ7
A,7Bは、夫々画面の各画素に対応するアドレスを有
し1フレーム分の色差データR−Y,B−Yを記憶する
ことができ、比較回路6A,6Bからの一致検出信号に
よって色ズレが生じていないことが示された場合には、
1Hラインメモリ4A,4Bからの色差データR−Y,
B−Yを保持する。すなわち、画像メモリ7A,7B
は、色ズレが発生していない画素の色差データR−Y,
B−Yによって、各画素に対応するデータが更新され、
画素単位で色ズレ発生前のラストイメージを記憶する。
なお、強制的に色ズレを連続して発生させるのでない限
り、通常、画像メモリ7A,7Bには前回の更新から1
秒以内に新たな色差データが書込まれる。
【0032】画像メモリ7A,7Bから読出されたデー
タは夫々選択回路11A,11Bに与えられる。選択回
路11A,11Bは、夫々ROMテーブル8A,8Bか
ら色差データの変化量のデータが与えられ、変化量が所
定値よりも小さい場合には、所定画素の色ズレが発生し
ていないものと判断してラインメモリ4A,4Bからの
その画素の色差データR−Y,B−Yをそのまま出力
し、変化量が所定値よりも大きい場合には、所定画素の
色ズレが発生しているものと判断してラインメモリ4
A,4Bからのその画素の色差データR−Y,B−Yに
代えて、画像メモリ7A,7Bから読出した例えば1フ
ィールド前のその画素の色差データR−Y,B−YをD
/A変換器12A,12Bに出力する。
【0033】D/A変換器12A,12Bは夫々入力さ
れた色差データR−Y,B−Yを夫々アナログ色差信号
(R−Y)′,(B−Y)′に変換してLPF13A,
13Bに出力する。LPF13A,13Bは入力された
色差信号を帯域制限した後、逆マトリクス回路14に出
力する。こうして、逆マトリクス回路14には、画面中
の色ズレが激しい部分は補正された色差信号が、色ズレ
の発生がほとんど無い部分は補正しない色差信号が入力
される。逆マトリクス回路14は逆マトリクス処理によ
って輝度信号Y及び色差信号(R−Y)′,(B−
Y)′から補正3原色R′,G′,B′信号を作成して
アナログスイッチ15に出力する。
【0034】一方、ROMテーブル8A,8Bからの変
化量のデータは画素毎にカウンタ9にも与えられる。カ
ウンタ9は、変化量毎にカウントを行って、変化量が同
一の画素数を求める。上述したように、変化量は4フィ
ールド期間前後の色差データの差を示しており、カウン
タ9は画面毎に各色差データの差の変化状態の分布を求
めることになる。カウンタ9のカウント出力はCPU1
0に与えられる。
【0035】CPU10は、カウンタ9出力に基づい
て、所定画面の色ズレが観察者の色ズレの認識レベルを
越えているか否かを判断して、色ズレ補正の補正出力で
ある補正3原色R′,G′,B′信号か又は入力3原色
R,G,B信号かのいずれかを選択するためのセレクト
信号をアナログスイッチ15に出力するようになってい
る。また、色差データの差の変化状態は撮像画像によっ
て特徴を有することから、CPU10はカウンタ9出力
の時系列的な変化を観察することによって、例えば送水
又は吸引等に伴う著しい色ズレが発生している画像を検
出して、色ズレ補正を制御することもできる。アナログ
スイッチ15はセレクト信号に基づいて補正3原色
R′,G′,B′信号と入力3原色R,G,B信号との
いずれかの組みの信号を選択して出力する。
【0036】次に、このように構成された実施例の動作
について説明する。
【0037】図示しない内視鏡を生体内に挿入して、例
えば胃壁等を観察し、且つ、観察時に送水及び染色等を
行うものとする。内視鏡からのR,G,B信号はインタ
ーレース化されてマトリクス回路1及びアナログスイッ
チ15に入力される。マトリクス回路1は色差信号R−
Y,B−Yを求め、これらの色差信号はLFP2A,2
Bを介して夫々A/D変換器3A,3Bに与えられてデ
ィジタル信号に変換される。ディジタル色差データR−
Y,B−Yは夫々1Hラインメモリ4A,4Bによって
色ズレ補正処理系における遅延時間が調整されて画像メ
モリ5に与えられる。画像メモリ5は色差データR−
Y,B−Yを4フィールド期間遅延させて出力する。
【0038】比較回路6A,6Bは、夫々4フィールド
期間前後の色差データR−Y,B−Yを画素毎に比較し
て、一致している場合には一致検出信号を出力する。画
像メモリ7A,7Bは一致検出信号が入力されると、1
Hラインメモリ4A,4Bからの色差データR−Y,B
−Yをその画素位置に対応するアドレスに書込む。一
方、ROMテーブル8A,8Bは4フィールド期間前後
の色差データR−Y,B−Yの差(変化量)を求めて選
択回路11A,11Bに出力する。選択回路11A,1
1BはROMテーブル8A,8Bからの変化量データに
よって、1Hラインメモリ4A,4Bからの色差データ
R−Y,B−Yがその4フィールド前の同一画素の色差
データに対して所定値以上変化していることが示される
と、その画素位置に対応する画像メモリ7A,7Bのア
ドレスに保存されている色差データR−Y,B−Yを読
出して出力する。すなわち、選択回路11A,11Bか
らは色ズレが発生した画素の色差データに代えて、色ズ
レが発生する前のラストイメージの色差データが画素毎
に切換えられて出力される。
【0039】選択回路11A,11Bの出力は夫々D/
A変換器12A,12Bによってアナログ信号に戻さ
れ、LPF13A,13Bによって帯域制限された後逆
マトリクス回路14に与えられる。逆マトリクス回路1
4はマトリクス回路1からの輝度信号YとLPF13
A,13Bからの色差信号(R−Y)′,(B−Y)′
から補正3原色R′,G′,B′信号を作成してアナロ
グスイッチ15に出力する。なお、本実施例では輝度信
号Yは補正されていない。すなわち、輝度信号Yについ
ては色ズレ前の静止画のものを用いるのでなく原画像の
ものを用いており、画像の動きを確実に再現することが
できる。
【0040】一方、ROMテーブル8A,8Bは、色差
データR−Y,B−Yについての4フィールド期間前後
の変化量をカウント回路9にも順次出力する。いま、例
えば、送水又は吸引時のように激しい色ズレが発生する
ものとする。そうすると、図3のA点からB点に示すよ
うに、所定画素の色度は4フィールド前後で著しく変化
し、色差データの変化量も大きい。一方、通常の画像の
ように、目視上ほとんど色ズレを観察することができな
い画像では、図3のA点からC点に示すように、色度の
変化は小さく、色差データの変化量は極めて小さい。
【0041】カウント回路9は変化量毎にカウントを行
って変化量毎の画素数を求める。CPU10は、例え
ば、画面毎に変化量が大きい画素数が所定値を越えたこ
とを検出すると、例えば送水が行われているものと判断
して逆マトリクス回路14の出力を選択させるためのセ
レクト信号をアナログスイッチ15に出力する。このよ
うに、CPU10は送水時のように色ズレが激しい場合
にのみ色ズレ補正を許可し、目視上目立たない色ズレに
ついては原信号を出力させる。
【0042】更に、CPU10は、観察者の認識レベル
に一層一致させた制御を可能にするために、カウント出
力の時系列的な変化を観察して、色ズレ補正を許可する
か禁止するかを決定することもある。図2はこの場合の
CPU10の判断を説明するためのものである。すなわ
ち、CPU10は比較的小さい変化量(CNT1)の画
素数についてのカウント出力と比較的大きい変化量(C
NT2)の画素数についてのカウント出力とを時系列的
に調べる。通常、粘膜画像が動くと、比較的色差信号の
変化は小さい。また、胃液を吸引する場合において、内
視鏡の撮像部を水中にしずめて吸引を行った場合も比較
的色差信号の変化は小さい。従って、単にCNT1のレ
ベルでのカウント値だけでは、目視上目立つ粘膜の動画
像と吸引時の画像とを識別することはできない。しか
し、吸引は1〜2秒間連続して行われるので、CNT1
のレベルでのカウント値は数十フレームに渡って大きな
値となる。この理由から、CPU10はCNT1のレベ
ルでのカウント値が比較的短い期間だけ所定値を越えた
場合には、粘膜の動画像であると判断して入力R,G,
B信号を選択させるためのセレクト信号を出力する。ま
た、CPU10はCNT1のレベルでのカウント値が例
えば数十回連続して所定値を越えると、吸引時であると
判断して補正3原色R′,G′,B′信号を選択させる
ためのセレクト信号を出力する。
【0043】一方、送水時及びスコープを水中に沈めな
い状態での吸引時には、色差信号の変化は大きい。従っ
て、この場合には、CNT2のレベルでのカウント値が
大きくなる。また、例えば、粘膜のハレーション部が動
いた場合もCNT2のレベルでのカウント値が大きくな
る。このハレーション部を補正する場合には、CPU1
0はCNT2のレベルでのカウント値の時系列的な変化
を考慮することなく、カウント値が所定値を越えた場合
に、補正3原色R′,G′,B′信号を選択させるよう
にする。一方、この画像について色ズレ補正の必要がな
い場合には、CPU10はCNT2のレベルでのカウン
ト値が所定値よりも所定期間以上大きくなるまで補正を
行わない。
【0044】このように、本実施例においては、カウン
ト回路9によって色差データの変化量毎に画素数をカウ
ントし、CPU10がカウント値を観察することによっ
て色ズレの画面分布を求め、これにより色ズレの種類を
判断して、送水時等のように観察者が色ズレと認識する
場合にのみ色ズレ補正を行うことを可能にして、不要な
補正による画質の劣化を防止している。更に、色差デー
タの変化量の時系列的な変化を検出することにより、目
視上目立つ色ズレと目立たない色ズレとを一層精度良く
認識することができ、高精度な画像表示が可能となる。
しかも、比較回路6A,6Bによって色ズレ発生前のラ
ストイメージの色差データを画素単位で画像メモリ7
A,7Bに記憶させ、色ズレ発生時には、選択回路11
A,11Bが画像メモリ7A,7Bのデータを読出して
出力しており、色ズレ補正が画素単位で可能であり、色
ズレ補正による画質を向上させることができる。
【0045】なお、比較回路及び選択回路が所定ブロッ
ク単位の処理を行うことにより、所定ブロック単位での
色ズレ補正が可能であることは明らかである。
【0046】また、送水時においては色ズレが画面全体
に多数発生することから、4フィールド期間前後の画像
信号を比較しただけでは、色ズレの検出ができないこと
がある。そこで、送水時のように激しい色ズレが発生し
ている場合は、静止画像のみを記録する画像メモリ7
A,7Bの書込みを停止してもよい。
【0047】なお、本実施例では色ズレの検出、色ズレ
の種類の検出及び色ズレの補正は色差信号R−Y,B−
Yを用いたが、他の色空間の色信号を用いてもよく、例
えば、I軸,Q軸上の変化を検出しても良く、U,V色
度若しくはxy色度座標等の色平面又はL*a*b*、
HSI若しくはRGB等の色空間の信号を用いても良
い。
【0048】図4及び図5は本発明の第2実施例を示
し、図4は第2実施例に係る色ズレ軽減装置の全体的な
ブロック図、図5は色ずれの発生状態を示す説明図であ
る。図4において図1と同一の構成要素には同一符号を
付して説明を省略する。
【0049】本実施例においては、比較回路6A,6B
に代えて比較回路18A,18Bを用い、CPU10に
代えてCPU19を用いた点が図1の実施例と異なる。
比較回路18A,18Bには夫々画像メモリ5の入出力
である4フィールド期間前後の色差データR−Y,B−
Yが入力される。比較回路18A,18Bは、4フィー
ルド期間前後で色差データが変化したか否かを検出し、
一致している場合には一致検出信号を夫々画像メモリ7
A,7Bに出力する。一方、CPU19はカウント回路
9のカウント出力そのもの又はカウント出力の経時的な
変化に基づいて、所定画面の色ズレが観察者の色ズレの
認識レベルを越えているか否かを判断して、アナログス
イッチ15にセレクト信号を出力するようになってい
る。例えば、CPU19は、カウント値の経時的な変化
によって、現在の画像が送水及び吸引等に伴う激しい色
ずれが発生している画像であるか、通常粘膜がゆっくり
と移動している画像であるかの判別を行う。
【0050】ところで、送水時においては色ずれが画面
全体に多数発生する。このため、送水開始直後の4フィ
ールド前後の画像信号を比較すると色ズレと検出するこ
とができても、次の4フィールド後においては、本来色
ズレと判断すべき画素の色が4フィールド前の色ズレ部
の色と偶然に一致することがある。図5はこの状態を示
しており、左斜線部は4フィールド前において色ズレと
検出された部分を示しており、右斜線部は4フィールド
後において本来色ズレと判断すべき部分を示している。
なお、図4では説明の便宜上、斜線で示した部分の色は
R(赤),G(緑),B(青)のいずれかであるものと
している。同色の左斜線部と右斜線部とが重なる部分
(図4の網線部)では、彩度の変化が小さいとすると、
4フィールド期間前後で色差データR−Y,B−Yが略
一致する。つまり、比較回路18A,18Bにおいて単
に一致検出のみを行ったのでは、激しい色ずれが発生し
ているにも拘わらず色ずれの無い画像として画像メモリ
7A,7Bに画像が記録されてしまう。
【0051】そこで、本実施例においては、CPU19
はカウント回路9のカウント出力のうち色差データの変
化量が大きい画素数についてのカウント値(例えば図2
のCNT2のレベルでのカウント値)の時系列的な変化
によって、激しい色ずれが多くの画素に発生しているか
否かの判定を行っている。CPU19は、大量の画素に
激しい色ずれが発生しているものと判断した場合には、
比較回路18A,18Bに不一致信号を出力する。比較
回路18A,18BはCPU19から不一致信号が与え
られると、一致検出信号の出力を停止するようになって
いる。
【0052】このように構成された実施例においては、
CPU19によって激しい色ズレが多くの画素で発生し
ていると判断されると、比較回路18A,18Bに不一
致信号が出力される。比較回路18A,18Bは入力さ
れる4フィールド期間前後の色差データに拘らず、色ズ
レが発生しているものと判断して画像メモリ7A,7B
に一致検出信号を出力しない。これにより、画像メモリ
7A,7Bには1Hラインメモリ4A,4Bからの色差
データR−Y,B−Yは書込まれない。従って、送水時
のように激しい色ずれが発生した場合においても、色ず
れが発生している部分に対応する色差データが画像メモ
リ7A,7Bに書込まれることが防止される。
【0053】なお、色ズレの判別を所定フィールド期間
前後の色差データの差によって判別するのではなく、所
定フィールド期間前後の色差データの比によって判別し
てもよい。さらに、4フィールド期間遅らせた色差信号
と現在の色差信号とについて、比較回路18A,18B
にてR−Y,B−Y各々の画像データの一致、不一致を
判定する場合、一致している画像データのみを画像メモ
リ7A,7Bに記録するのではなく、不一致の画像デー
タについてもその差が微小の場合は、画像メモリ7A,
7Bに記録するようにしてもよい。
【0054】図6は本発明の第3実施例に係る色ズレ軽
減装置の全体的なブロック図である。図6において図1
と同一の構成要素には同一符号を付して説明を省略す
る。
【0055】本実施例はROMテーブル8A,8Bに代
えてROMテーブル21A,21Bを用い、CPU10
に代えてCPU22を用いた点が図1の実施例と異な
る。
【0056】ROMテーブル21Aは複数のテーブルを
有しており、各テーブルは画像メモリ5の入出力である
4フィールド期間前後の各色差データR−Yによって指
定されるアドレスに、4フィールド期間前後の色差デー
タR−Yの差(色差平面におけるR−Y軸上の変化量)
に基づくデータを格納している。また、ROMテーブル
21Bは複数のテーブルを有しており、各テーブルは4
フィールド期間前後の各色差データB−Yによって指定
されるアドレスに、4フィールド期間前後の色差データ
B−Yの差(色差平面におけるB−Y軸上の変化量)に
基づくデータを格納している。ROMテーブル21A,
21BはCPU22に制御されてテーブルを選択すると
共に、画像メモリ5の入出力によってテーブルのアドレ
スが指定されて、格納しているデータを夫々選択回路1
1A,11B及びカウント回路9に出力する。すなわ
ち、CPU22がROMテーブル21A,21Bのテー
ブルを適宜選択することにより、異なる検出レベルでの
色ズレ検出が可能となる。
【0057】CPU22は、カウント回路9のカウント
出力そのもの又はその時系列的な変化から色ズレの種類
を判別する。CPU22は判別した色ズレの種類が例え
ば送水又は吸引等によるものである場合には、アナログ
スイッチ15に補正3原色R′,G′,B′信号を選択
させるためのセレクト信号を出力する。また、上述した
ように、CPU22は色ズレの種類に応じて、ROMテ
ーブル21A,21Bのテーブルを切換選択する。
【0058】このように構成された実施例においては、
CPU22は、カウント回路9の出力によって入力画像
に目視上ほとんど色ズレが発生していないと判断した場
合には、アナログスイッチ15に入力3原色R,G,B
信号を選択させる。ここで、送水が行われると、CPU
22はカウント回路9の出力から目視上激しい色ズレが
発生しているものと判断し、アナログスイッチ15に補
正3原色R′,G′,B′信号を選択させると共に、R
OMテーブル21A,21Bにおいて使用するテーブル
を切換える。そうすると、ROMテーブル21A,21
Bによる色ズレ検出レベルが低くくなり、選択回路11
A,11Bは色ズレが比較的小さい場合でも画像メモリ
7A,7Bからのデータを出力する。すなわち、送水時
には、色ズレ前のラストイメージを用いた補正範囲が広
がる。
【0059】このように、本実施例においては、色ズレ
の種類に応じてROMテーブル21A,21Bのテーブ
ルを選択して色ズレ検出レベルを変化させており、一層
良好な補正が可能である。
【0060】なお、ROMテーブルのテーブルを固定し
て、色ズレの種類に応じて、選択回路11A,11Bの
選択基準を変化させるようにしてもよい。
【0061】図7ないし図9は、本発明の第4実施例に
係り、図7は第4実施例に係る色ズレ軽減装置の全体的
なブロック図、図8は画面上の位置と色差移動量と色ズ
レレベル設定の関係を示す説明図、図9は色差平面上の
位置と色ズレレベル設定の関係を示す説明図である。図
7において図6と同一の構成要素には同一符号を付して
説明を省略する。
【0062】本実施例は第3実施例の選択回路11A,
11Bに代えて、合成回路24A,24Bを用いてい
る。合成回路24A,24BにはROMテーブル21
A,21Bから4フィールド期間前後の色差データの変
化量(色差軸上の移動量)のデータが画素毎に与えられ
る。合成回路24A,24Bは1Hラインメモリ4A,
4Bからの色差データと画像メモリ7A,7Bから読出
した色差データとを合成して出力すると共に、その合成
比率をROMテーブル21A,21Bからの色差移動量
のデータ、すなわち、色ズレの度合に応じて変化させる
ようになっている。例えば、合成回路24A,24Bは
色差移動量を4つのレベルに区分し、各レベル毎に合成
比率を設定する。
【0063】次に、このように構成された実施例の作用
について図8及び図9を参照して説明する。
【0064】通常、粘膜面の動画像及び出血部位などの
ようにゆっくりとした動きの被写体画像等は、明るさの
変化が少ないので、発生する色ズレは、色差の変動が少
ないという特徴がある。一方、送水や吸引等の動きによ
り発生する色ズレは、R,G,B相互間のレベル変動が
大きく、色差移動量も大きい。通常、1画面内に色差移
動量が大きい画素と色差移動量が小さい画素とが混在す
る。図8はこの状態を示しており、色差移動量を4つの
レベルに区分して示している。
【0065】図8のレベル1は、実際には色ズレが発生
していても画面上で観察する限り目視上色ズレを検出す
ることができない程度の色ズレが発生した場合の色差移
動量の限界を示す。すなわち、レベル1以下の色差移動
量がROMテーブル21A,21Bによって検出される
と、例えば被写体がゆっくりと移動したような画像であ
ると判断することができる。また、レベル4以上は、例
えば送水時のように、目視上極めて激しい色ズレが発生
した場合の色差移動量に相当する。1画面上ではこれら
の各レベルの色ズレが混在しており、合成回路24A,
24Bは画素毎に色差移動量のレベルに応じた合成比率
を設定する。
【0066】色ズレ量が小さい場合、すなわち色差移動
量が少ない場合において、第3実施例の選択回路11
A,11Bのように、1Hラインメモリ4A,4Bの出
力に代えて画像メモリ7A,7Bに記録されている色ズ
レ発生前の色差データを出力すると、補正3原色R′,
G′,B′信号に基づく画像では違和感を生じることが
ある。これに対し、本実施例の合成回路24A,24B
は、色ズレ量が小さい色ズレ、例えば、図8のレベル1
以下の色差移動量の色ズレであることがROM21A,
21Bの出力によって示されると、画像メモリ7A,7
Bからの色差データの比率を小さくし、1Hラインメモ
リ4A,4Bからの色差データの比率を高くして合成す
る。これにより、色ズレ量が小さい場合における補正画
像に違和感が生じることを防止することができる。
【0067】一方、目立つ色ズレが発生して色差移動量
が大きい場合には、合成回路24A,24Bは、1Hラ
インメモリ4A,4Bからの色差データの比率を小さく
し、画像メモリ7A,7Bからの色差データの比率を大
きくして合成する。すなわち、補正データの補正量が大
きくなって、色ズレが十分に低減される。
【0068】ところで、内視鏡画像は全体的に赤色調で
あるので、赤色調の色ズレは目立ち難い。これに対し、
内視鏡画像では赤の補色であるシアン又は緑の色ズレは
目立ち易い。そこで、図9に示すように、色相に応じ
て、異なるレベルを設定してもよい。図9では、赤色調
の色ズレについてはレベルを高く設定して、他の色調の
色ズレよりも画像メモリ7A,7Bの合成比率を小さく
するようにしている。これにより、画像の種類に応じて
適切な色ズレ補正が可能となる。
【0069】このように、本実施例においては、色差デ
ータに色ズレ発生前のラストイメージの色差データを合
成して出力すると共に、色ズレの度合に応じて、色ズレ
発生前のラストイメージの合成比率を変化させており、
動画像の色ズレをリアルタイムで、違和感を生じさせる
ことなく自然に軽減することができる。
【0070】図10ないし図12は、本発明の第5実施
例に係り、図10は第5実施例に係る色ズレ軽減装置の
全体的なブロック図、図11は図10中の合成回路26
A,26Bを示すブロック図、図12は原画像と補正画
像との合成比率の経時的な変化を示す説明図である。図
10において図7と同一の構成要素には同一符号を付し
て説明を省略する。
【0071】本実施例は第4実施例のROMテーブル2
1A,21Bに代えて夫々ROMテーブル25A,25
Bを用い、合成回路24A,24Bに代えて夫々合成回
路26A,26Bを用い、CPU22に代えてCPU2
7を用いている。ROMテーブル25A,25Bは合成
回路26A,26Bを制御しない点がROMテーブル2
1A,21Bと異なる。合成回路26A,26Bは1H
ラインメモリ4A,4Bの出力と画像メモリ7A,7B
の出力とを合成する。本実施例においては、合成回路2
6A,26Bの合成比率はCPU27からの係数Kによ
って時系列的に変化されるようになっている。
【0072】合成回路26A,26Bは同一構成であ
り、図11に示すように、乗算器28,29、演算器3
0及び加算器31によって構成されている。乗算器28
には1Hラインメモリ4A,4Bからの色差データが与
えられ、乗算器29には画像メモリ7A,7Bからの色
差データが与えられる。係数Kは0≦K≦1の範囲のデ
ータであり、乗算器28及び演算器30に与えられる。
演算器30は係数Kから係数(1−K)を求めて乗算器
29に出力する。乗算器28,29は夫々入力された色
差データをK,(1−K)倍して加算器31に出力す
る。加算器31は乗算器28,29の出力を合成してD
/A変換器12A,12Bに出力する。なお、合成回路
26A,26Bは、例えばDSP(ディジタルシグナル
プロセッサ)又はROMテーブルによって構成すること
ができる。
【0073】係数KはCPU27によって与えられる。
CPU27は、カウント回路9の出力に基づいて、色ズ
レの経時的変化、色差平面上の変化量及び色ズレしてい
る面積を検出して色ズレの種類を判別する。CPU27
は判別した色ズレの種類に応じて、アナログスイッチ1
5を制御するためのセレクト信号を発生すると共に、R
OMテーブル25A,25Bのテーブルを選択する。更
に、本実施例においては、CPU27は色ズレの種類に
応じた係数Kを発生して、合成回路26A,26Bの合
成比率を時系列的に変化させるようになっている。すな
わち、CPU27は係数Kの値を各種の色ズレの発生パ
ターンに対応させて変化させるようになっている。
【0074】次に、このように構成された実施例の動作
について図12を参照して説明する。
【0075】合成回路26A,26Bは、画像メモリ7
A,7Bに記憶されている色ずれ発生前のラストイメー
ジの色差データと1Hラインメモリ4A,4Bからの色
差データとを合成する。CPU27は合成回路26A,
26Bの合成比率をカウント回路9の出力に応じて制御
する。
【0076】図12はCPU27による合成比率の制御
を説明するものである。図12の破線は補正に用いるラ
ストイメージ画像(画像メモリ7A,7Bからの色差デ
ータ)を示している。
【0077】いま、通常の粘膜画像のように色ズレが全
く発生していない場合には、CPU27は係数Kを例え
ば1にして合成回路26A,26Bに出力する。そうす
ると、演算器30の出力は0となり、合成回路26A,
26Bの乗算器28は1Hラインメモリ4A,4Bの出
力をそのまま通過させて加算器31に与え、乗算器29
は画像メモリ7A,7Bのデータを加算器31に与えな
い。これにより、原画像がそのまま合成回路26A,2
6Bから出力される。ここで、急激に送水が行われるも
のとする。CPU27は、色差移動量又は色ズレ発生画
素数が大きいことをカウント出力によって把握して送水
の急激な開始を検出すると、係数Kを1から急峻に小さ
くする。乗算器28の係数は急峻に小さくなり、乗算器
29の係数は急峻に大きくなる。こうして、図12のパ
ターン1に示すように、ラストイメージ画像の合成比率
は急峻に増大する。更に、緩やかに送水が終了する場合
は、CPU27は係数Kを比較的緩慢に変化させて、パ
ターン2に示すように、ラストイメージ画像の合成比率
を緩やかに低減させる。
【0078】また、通常の粘膜の観察時においては、目
視上目立つ色ズレはほとんど発生しないが、撮像素子の
移動によってフレーミングが急激に変化した場合には、
パターン3に示すように合成比率を変化させる。この場
合には、合成回路26A,26Bからの補正画像はラス
トイメージ画像のみによって構成されないことがある。
【0079】このように、本実施例においては、色ズレ
の種類及び発生状態に応じて、すなわち、色ズレ変化量
の経時的変化に対応させて、合成比率を時系列的に変化
させており、動画像観察時であっても自然な色ズレの補
正が可能となる。
【0080】図13は本発明の第6実施例に係る色ズレ
軽減装置の全体的なブロック図である。図13において
図10と同一の構成要素には同一符号を付して説明を省
略する。
【0081】本実施例の色ズレ軽減装置は、第5実施例
のディジタル処理を行う合成回路26A,26Bに代え
てアナログ処理を行う合成回路31A,31Bを有し、
CPU27に代えてCPU27Aを用い、D/A変換器
12A,12Bを省略した点が第5実施例と異なる。合
成回路31AのD/A変換器32A,33Aは夫々1H
ラインメモリ4A又は画像メモリ7Aからの色差データ
が与えられ、アナログ信号に変換してAGCアンプ34
A,35Aに出力する。AGCアンプ34A,35Aは
入力された色差信号を夫々CPU27Aからの制御信号
に基づいた利得で増幅して加算回路36Aに出力する。
また、合成回路31BのD/A変換器32B,33Bは
夫々1Hラインメモリ4B又は画像メモリ7Bからの色
差データが与えられ、アナログ信号に変換してAGCア
ンプ34B,35Bに出力する。AGCアンプ34B,
35Bは入力された色差信号を夫々CPU27Aからの
制御信号に基づいた利得で増幅して加算回路36Bに出
力する。加算回路36A,36Bは夫々入力を加算して
LPF13A,13Bに出力する。なお、CPU27A
の制御はCPU27と同様であり、係数Kに代えて色ズ
レの種類及び発生状態に応じてレベルが変化する制御信
号をAGCアンプ34A,34B,35A,35Bに出
力する。
【0082】このように構成された実施例においては、
1Hラインメモリ4A,4Bからの色差データは夫々D
/A変換器32A,32Bによってアナログ信号に変換
され、色ズレ発生前のラストイメージ画像が記録されて
いる画像メモリ7A,7Bからの色差データは夫々D/
A変換器33A,33Bによってアナログの色差信号に
変換される。D/A変換器32A,32B,33A,3
3Bからのアナログ信号は夫々AGCアンプ34A,3
4B,35A,35Bによって利得調整される。AGC
アンプ34A,34B,35A,35Bの利得は、CP
U27Aからの制御信号によって変化する。例えば、色
ズレが全く発生していない状態から急激に送水が行われ
ると、CPU27Aは、カウント出力によって送水の急
激な開始を検出しAGCアンプ35A,35Bのゲイン
を急峻に増加させ、AGCアンプ34A,34Bのゲイ
ンを急峻に低下させる。AGCアンプ34A,34Bの
出力は加算回路36Aで加算し、AGCアンプ35A,
35Bの出力は加算回路36Bで加算して出力する。こ
れにより、色ズレに応じた補正画像を作成することがで
きる。
【0083】このように本実施例においては、合成回路
をアナログ回路によって構成しているので、回路規模が
小さく安価にすることができるという利点がある。
【0084】図14は本発明の第7実施例に係る色ズレ
軽減装置の全体的なブロック図である。図14において
図1と同一の構成要素には同一符号を付して説明を省略
する。
【0085】第1実施例においては、4フィールド期間
前後の同一位置の画素相互間で色差移動量を検出して、
目だつ色ズレと目だたない色ズレとの識別をして、色ズ
レ補正を適応的に制御している。これに対し、本実施例
では、色ズレの検出レベルを被写体、または色ズレ発生
状況に応じて変化させて、目視上目だつ色のみを補正す
る構成となっている。
【0086】図14の色ズレ軽減装置は、第1実施例の
色ズレ軽減装置17が備えていたROMテーブル8A,
8B、カウント回路9及びCPU10に代えて、彩度算
出回路38及び色ズレ検出レベル算出回路39を備える
と共に、比較回路6A,6Bに代えて比較回路40A,
40Bを用いている。彩度算出回路38には1Hライン
メモリ4A,4Bからの色差データR−Y,B−Yが入
力される。彩度算出回路38は各画素データ毎に色相及
び彩度を検出し、所定色相についての彩度を色ズレ検出
レベル算出回路39に出力する。
【0087】比較回路40A,40Bは、画像メモリ5
の入出力である4フィールド期間前後の各色差データR
−Y,B−Yを夫々比較し、一致している場合には一致
検出信号を画像メモリ7A,7Bに出力するようになっ
ている。また、比較回路40A,40Bは4フィールド
期間前後の色差移動量(変化量)を夫々算出して色ずれ
検出レベル算出回路39に出力するようになっている色
ズレ検出レベル算出回路39は、比較回路40A,40
Bからの色差移動量があらかじめ設定した色ズレ検出レ
ベルを越えると検出信号を選択回路11A,11Bに出
力する。選択回路11A,11Bは検出信号が入力され
ると、1Hラインメモリ4A,4Bの出力に代えて、画
像メモリ7A,7Bに格納されている色差データを選択
して出力するようになっている。また、色ズレ検出レベ
ル算出回路39は彩度算出回路30の出力に基づいて色
ズレの種類を判別する。色ずれ検出レベル算出回路39
は色ズレの種類に基づいてアナログスイッチ15の選択
を制御すると共に、色ズレ検出レベルを変化させるよう
になっている。
【0088】このように構成された実施例においては、
彩度算出回路38によって、画素毎に色相及び彩度が検
出される。彩度算出回路38は特定色相についての彩度
を色ズレ検出レベル算出回路39に出力する。色ズレ検
出レベル算出回路39は入力された彩度に基づいて色ズ
レの種類を判断する。例えば、色ズレ検出レベル算出回
路39は色相がグリーンである画素の彩度を検出する。
通常の内視鏡画像は赤色調であり、通常画像が移動した
場合には高彩度のグリーンの色ズレは発生しないが、送
水又は吸引時においては、グリーンで高彩度の色ズレが
発生する。従って、グリーンで所定の彩度よりも大きい
画素の分布を検出することにより、色ずれ検出レベル算
出回路39は色ズレが送水又は吸引によるものであるこ
とを判別することができる。色ズレ検出レベル算出回路
39は検出した色ズレの種類に応じて色ズレ検出レベル
を設定する。検出算出回路39は比較回路40A,40
Bからの色差移動量と設定した色ズレ検出レベルとの比
較から色ズレを画素毎に検出して検出信号を選択回路1
1A,11Bに出力する。
【0089】選択回路11A,11Bは、色ズレ検出レ
ベル算出回路39からの色ズレ検出信号に基づいて、1
Hラインメモリ4A,4Bからの色差データか又は画像
メモリ7A,7Bからの色ズレ発生前のラストイメージ
の色差データかを選択する。これにより、色ズレは画素
単位で補正される。
【0090】このように、本実施例においては、色ズレ
の検出レベルを被写体又は色ズレの発生状況により適応
的に変化させており、目視上目立つ色ズレのみを効果的
に補正することができるという利点がある。また、特定
色相のみについての彩度を検出すればよく、回路規模を
縮小することができる。
【0091】図15ないし図20は本発明の第8実施例
に係り、図15は第8実施例に係る色ズレ軽減装置の全
体的なブロック図、図16ないし図18はモード検知の
概念を説明するためのヒストグラム、図19及び図20
は色ズレ画素検知の概念を説明するためのグラフであ
る。本実施例の色ズレ軽減装置は、入力される3原色信
号R,G,Bを色ズレ補正すると共に、色ズレ補正によ
って得た補正3原色R′,G′,B′信号と入力3原色
R,G,B信号とを色ズレの状態に応じて切換えて出力
するものである。
【0092】図15に示す色ズレ軽減装置には、第1実
施例と同様の入力R,G,B信号が入力される。この入
力R,G,B信号は、エンコーダ51に入力されると共
に、セレクタ60にも入力される。セレクタ60には後
述するデコーダ59から補正3原色R’,G’,B’信
号が供給される。セレクタ60は、CPU部61からセ
レクト信号が入力されるようになっており、このセレク
ト信号によって3原色信号R,G,Bと補正3原色
R’,G’,B’信号とのいずれかの組みの信号を選択
して図示しないディスプレイに供給するようになってい
る。なお、セレクタ60は例えば半導体ビデオスイッチ
等によって構成される。
【0093】エンコーダ51は、入力された3原色R,
G,B信号を輝度信号と色信号とに分離するものであ
り、本実施例では色信号として色差信号が作成される。
エンコーダ51において作成された輝度信号Y及び色差
信号R−Y,B−Yは、A/D変換器52に供給され、
A/D変換器52は夫々ディジタルの輝度データY及び
ディジタルの色差データR−Y,B−Yに変換してライ
ンメモリ53に出力する。ラインメモリ53は入力され
た3種類のデータをいずれも最大で1H期間(水平期
間)遅延させることができる。ラインメモリ53は、エ
ンコーダ51からセレクタ60までの補正信号処理系に
おける数クロック分の信号遅延時間を考慮した時間だ
け、A/D変換器52の出力を1H期間以内で遅延させ
ることにより、セレクタ60に入力される補正3原色
R′,G′,B′信号を3原色R,G,B信号に対して
1H期間だけ遅延させるようになっている。これによ
り、補正3原色R′,G′,B′信号と入力3原色R,
G,B信号とは、画面の垂直方向に1ライン分ずれる
が、水平方向の時間ずれは生じない。画像の垂直方向の
相関によって、目視上は、色ズレ補正処理による時間ず
れは検出されない。
【0094】ラインメモリ53からの色差データR−
Y,B−Yは4フィールドメモリ55、ラストイメージ
用のフレームメモリ54、ROM装置57及びセレクタ
56に与えられ、輝度データYはD/A変換器58に与
えられる。4フィールドメモリ55は、色ズレの発生を
検出するためのFIFO(first in first out)メモリで
あり、入力された色差データR−Y,B−Yを夫々4フ
ィールド期間遅延させてROM装置57に与える。
【0095】ROM装置57は色差データR−Y,B−
Yによって指定されるアドレスに、その色差データR−
Y,B−Yに対応する色相のデータを格納している。R
OM装置57はラインメモリ53からの色差データR−
Y,B−Yによってアドレスが指定されて、各画素毎に
色相データを色ズレパラメータとしてカウント9に出力
する。また、ROM装置57は4フィールドメモリ55
からの色差データR−Y,B−Yによってアドレスが指
定されて色相データを求め、4フィールド前後の色相デ
ータの差が所定の判断基準値を越えているか否かによっ
て、色ズレが生じているか否かを画素毎に判断して、判
別信号をフレームメモリ54及びセレクタ56に出力す
る。また、ROM装置57は色相の差に基づくテーブル
の外に、色差の差に基づくテーブルも有しており、4フ
ィールド期間前後の各色差データR−Yによって指定さ
れるアドレスに、4フィールド期間前後の色差データR
−Yの差を格納すると共に、4フィールド期間前後の各
色差データB−Yによって指定されるアドレスに、4フ
ィールド期間前後の色差データB−Yの差も格納してい
る。これにより、ROM装置57は4フィールド期間前
後の色差データR−Y,B−Yの差に基づいて判別信号
を作成することもできるようになっている。
【0096】フレームメモリ54は、1フレーム分の色
差データR−Y,B−Yを夫々記憶することができ、R
OM装置57からの判別信号によって色ズレが生じてい
ないことが示された場合には、ラインメモリ53からの
色差データR−Y,B−Yを保持する。すなわち、フレ
ームメモリ54は、色ズレが発生していない画素の色差
データR−Y,B−Yによって各画素に対応するデータ
が更新され、画素単位で色ズレ発生前のラストイメージ
を記憶する。フレームメモリ54から読出されたデータ
はセレクタ56に与えられる。セレクタ56は、判別信
号によって所定画素に色ズレが発生していないことが示
された場合には、ラインメモリ53からのその画素の色
差データR−Y,B−Yをそのまま出力し、判別信号に
よって所定画素の色ズレの発生が示されると、ラインメ
モリ53からのその画素の色差データR−Y,B−Yに
代えて、フレームメモリ54から読出した例えば1フィ
ールド前のその画素の色差データR−Y,B−Yを出力
する。
【0097】D/A変換器58は入力された輝度データ
Y及び色差データR−Y,B−Yを夫々アナログ輝度信
号Y′及びアナログ色差信号(R−Y)′,(B−
Y)′に変換してデコーダ59に出力する。デコーダ5
9は逆マトリクス処理によって輝度信号Y′及び色差信
号(R−Y)′,(B−Y)′から補正3原色R′,
G′,B′信号を作成してセレクタ60に出力するよう
になっている。
【0098】一方、ROM装置57からの色ズレパラメ
ータはカウンタ62に与えられる。カウンタ62はCP
U部61によってフィールドの開始タイミングでリセッ
トされて、同一の色ズレパラメータ毎にカウントを行っ
て、色ズレパラメータが同一の画素数を求める。上述し
たように、色ズレパラメータはラインメモリ53の出力
から求めた色相を示しており、カウンタ62は画面毎に
各色相の頻度(分布)を求めることになる。カウンタ6
2のカウント出力はCPU部61に与えられる。
【0099】CPU部61はカウンタ62出力から所定
画面の色ズレが観察者の色ズレの認識レベルを越えてい
るか否かを判断して、色ズレ補正の補正出力である補正
3原色R′,G′,B′信号か又は入力3原色R,G,
B信号かのいずれかを選択するためのセレクト信号をセ
レクタ60に出力するようになっている。例えば、CP
U部61は、カウント出力のうち特定の色相頻度を示す
複数のカウント出力を読出し、その値があらかじめ設定
された所定値よりも大きい場合には、色ズレ補正モード
を設定して補正3原色R′,G′,B′信号を選択する
ためのセレクト信号を出力するようになっている。セレ
クタ60はセレクト信号に基づいて補正3原色R′,
G′,B′信号と入力3原色R,G,B信号とのいずれ
かの組みの信号を選択して出力する。
【0100】なお、CPU部61は色ズレ補正モードを
設定した場合には、ROM装置57に色ズレ補正モード
のモード指定信号を出力して、4フィールド期間前後の
色相(又は色差)の差が比較的小さい場合でも、色ズレ
の発生を示す判別信号を出力させるようになっている。
すなわち、色ズレ補正モード時には、ROM装置57は
色ズレ画素検知の判断基準値を低くするようになってい
る。
【0101】次に、このように構成された実施例の動作
について説明する。
【0102】図示しない内視鏡を生体内に挿入して、例
えば胃壁等を観察し、且つ、観察時に送水又は染色等を
行うものとする。内視鏡からのR,G,B信号はインタ
ーレース化されてエンコーダ51に入力される。いま、
観察画像を輝度、色相及び彩度の3属性について調べ
る。送水を行わない状態で、生体の胃壁等を観察した場
合には、部分的に輝度及び彩度が異なるものの、略全て
の画素は赤に近い色相となる。従って、画面の色相分布
はフィールド相互間で極めて安定し、また、同一画素位
置の色差成分もフィールド相互間で極めて安定する。ま
た、メチレンブルーなどのシアン色系の色素で染色した
場合の画素は、赤又はシアンに近い色相となり、この場
合も画面の色相分布及び同一画素位置の色差成分はフィ
ールド相互間でほぼ安定する。
【0103】一方、図示しない内視鏡において送水を行
うと、送水操作により噴出された水滴が図示しない対物
レンズの前を横切り、各色透過フィルタの照射タイミン
グ、水滴の形状又は水滴への照明光の当り具合などによ
っては、各フィールド毎に画面の色相分布及び同一画素
位置の色差成分が激しく変動することになる。そして3
原色R,G,B信号の色相とその中間の色相の画素の数
が多くなる。
【0104】この理由から、本実施例では送水モードを
検知し、送水時には色ズレ画素の判断基準値を小さく
し、平常時には色ズレ画素の判断基準値を大きくするよ
うに設定している。
【0105】図16ないし図18を用いて送水モード検
知の概念を説明する。
【0106】図16に示すヒストグラムは、平常時にお
ける画面の色相分布を表している。細線の特性が(n−
1)フィールド画面の色相分布であり、太線の特性がn
フィールド画面の色相分布を示している。平常時には、
両フィールド画面において同様の色相分布となり、フィ
ールド間で色相の差が小さいことが図16の斜線部分の
面積が狭いことで確認される。
【0107】一方、図17に示すヒストグラムは、送水
時における画面の色相分布を表している。図17におい
て、細線の特性は(n−1)フィールド画面の色相分布
を示し、太線の特性はnフィールド画面の色相分布であ
る。送水時には、両フィールド画面の色相分布の差は大
きく、図17の斜線部分の面積が広いことから明らかな
ように、フィールド間で色相の差が大きい。
【0108】次に、図19を用いて色ズレ画素検知の概
念を説明する。
【0109】図19において、A,Bは1フィールド期
間前後の同一画素位置の色度を色差座標上で示したもの
である。Aはnフィールドの色度であり、Bは(n−
1)フィールドの色度である。ΔθはA,Bの色相変動
量の絶対値を表す。また、Aの彩度はrであるものとす
る。判断基準値としてCθ,Crを設定し、下記2つの
条件式(1),(2)を満足するとき、その画素は色ズ
レ画素であると判断する。
【0110】 Δθ>Cθ …(1) r>Cr …(2) また、色ズレ画素検知を色差データの変化を求めること
により行う方法もある。図20はこの方法を説明するた
めのものであり、A,Bは1フィールド期間前後の同一
画素位置の色度を色差座標上で示したものである。Aは
nフィールドの色度であり、Bは(n−1)フィールド
の色度である。ここで、A,BのR−Y色差成分の変動
量の絶対値をΔ(R−Y)とし、B−Y成分の変動量を
Δ(B−Y)とすると、下記条件式(3)又は条件式
(4)を満足するとき、その画素は色ズレ画素であると
判断する。なお、Cry,Cbyは設定された判断基準
値である。
【0111】 Δ(R−Y)>Cry …(3) Δ(B−Y)>Cby …(4) なお、上記(3)式又は(4)式の条件に代えて、Δ
(R−Y)+Δ(B−Y)が所定の判断基準値よりも大
きいことを色ズレ画素の条件としてもよく、(3),
(4)式のいずれも満足することを条件としてもよい。
【0112】ROM装置57は4フィールドメモリ55
から4フィールド期間前後の色差データR−Y,B−Y
が与えられ、設定された判断基準値を用いて、上記
(1),(2)式又は上記(3)式若しくは(4)式に
基づいて、画素毎に色ズレが発生しているか否かを判断
する。色ズレ画素と判断しない場合には、判別信号を出
力して、フレームメモリ54にラインメモリ53からの
その画素の色差データを画素位置に対応させて記憶さ
せ、色ズレ画素と判断した場合には、セレクタ56に判
別信号を出力して、ラインメモリ53の出力に代えてフ
レームメモリ54から読出した色差データを出力させ
る。
【0113】ROM装置57は色相データを色ズレパラ
メータとしてカウンタ62に出力する。カウンタ62は
フィールド単位で各色相毎の画素数をカウントしてCP
U部61に出力する。CPU部61は、各色相について
カウンタ9出力のフィールド間差を求め、求めた差分の
絶対値を合計する。この合計値が設定値よりも小さい場
合、すなわち図16に示す場合には、通常の内視鏡画像
が入力されているものと判断して、CPU部61はセレ
クタ60に入力3原色R,G,B信号を選択させるため
のセレクト信号を出力する。なお、操作者が画面をフリ
ーズさせて静止画像を取込んだ場合においても、カウン
ト出力が0となることから、入力3原色R,G,B信号
が選択される。逆に、CPU部61は、合計値が設定値
よりも大きい場合、すなわち図17に示す場合には送水
時であるものと判断して送水モードを指定し、セレクタ
60にデコーダ59の出力を選択させるためのセレクト
信号を出力する。
【0114】更に、CPU部61は送水モードをROM
装置57にも指定する。ROM装置57は送水モードが
指定されると、上記(1)〜(4)式のCθ,Cr,C
ry,Cbyに相当する判断基準値を小さくして、比較
的小さな色ズレでも色ズレ画素と判断して、セレクタ5
6にフレームメモリ54の出力を選択させる。これによ
り、補正される画素数が多くなり、画像の補正面積が大
きくなる。
【0115】また、CPU部61は、送水モードを他の
検知方法によって検知することもできる。図18はこの
方法を説明するためのものであり、送水時における1画
面の色相分布の状態を示している。送水時には、図18
の斜線部に示すように、3原色赤,緑,青の色相とその
中間の色相の画素の数が多くなる。従って、CPU部6
1はこれらの特定の色相についてのみ画素数を調べるこ
とによって、送水モードを判別することができる。
【0116】この場合には、カウンタ62は赤,緑,青
とその中間の色相である特定色相のみについて画素数を
カウントする。CPU部61はフィールド単位で各色相
毎のカウント値を読出し、予め設定した値よりも大きい
場合には送水時と判断して送水モードを指定する。
【0117】更に、CPU部61は次の検知方法によっ
て送水モードを検知することもできる。すなわち、送水
時には各画素の色差変動量のフィールド合計が大きくな
ることを利用するものである。この場合には、ROM装
置57は色ズレパラメータとして各画素毎の色差変動量
を出力する。カウンタ62は各画素の色差変動量を1フ
ィールド分加算して出力する。CPU部61はフィール
ド毎にカウント出力を読出し、その値が予め設定した値
よりも大きい場合には送水時と判断して送水モードを指
定する。
【0118】このように、本実施例においては、色相又
は色差データを用いて色ズレ画素の検知を行うと共に、
色ズレの種類を検出しており、送水操作が行われても、
レインボーカラーで表示が行われることを防止すること
ができる。また、送水による色ズレを検出して色ズレの
判断基準を変化させて、補正面積変化させており、色ズ
レの種類に応じた最適な補正が可能である。
【0119】図21は本発明の第9実施例を示し、図2
1は第9実施例の色ズレ軽減装置の全体的なブロック図
である。
【0120】図示しない撮像手段によって面順次方式で
撮像されてフレーム化された入力R,G,B信号がLP
F71R,71G,71Bに与えられる。LPF71
R,71G,71Bは、原画像の持つ情報を損なわない
ように、夫々入力R,G,B信号を低域に帯域制限して
A/D変換器72R,72G,72Bに出力する。A/
D変換器72R,72G,72Bは入力された信号をデ
ィジタル信号に変換して夫々画像メモリ73R,73
G,73Bに出力すると共に、ラインメモリ74R,7
4G,74Bにも出力する。ラインメモリ74R,74
G,74Bは補正処理系における遅延時間を考慮して、
R,G,B信号を時間調整してデータセレクタ79に出
力する。
【0121】画像メモリ73R,73G,73Bは入力
されたR,G,Bデータを4フィールド期間遅延させて
夫々ROMテーブル75R,75G,75Bに出力す
る。ROMテーブル75R,75G,75Bには夫々A
/D変換器72R,72G,72Bの出力も与えられて
おり、ROMテーブル75R,75G,75Bは4フィ
ールド期間前後のR,G,Bデータの変化量を求め、変
化がない場合には一致検出信号をフィールドメモリ76
R,76G,76Bに出力する。また、ROMテーブル
75R,75G,75Bは、求めた変化量のデータをカ
ウント回路80に出力すると共に、変化量に基づく係数
KがCPU81から画面毎に与えられ、CPU81から
の係数Kを画像メモリ73R,73G,73BとA/D
変換器72R,72G,72Bとの変化量に基づいて合
成回路77R,77G,77Bに出力する。また、RO
Mテーブル75R,75G,75Bは、CPU81に制
御されて、画素単位でデータセレクタ79を制御するよ
うになっている。フィールドメモリ76R,76G,7
6Bは、夫々A/D変換器72R,72G,72Bの出
力も入力され、一致検出信号が与えられた画素のR,
G,Bデータをその画素に対応するアドレスに記憶す
る。
【0122】合成回路77R,77G,77Bは、夫々
A/D変換器72R,72G,72BからのR,G,B
データとフィールドメモリ76R,76G,76Bから
のR,G,Bデータとが与えられ、両データを係数Kに
応じて合成して2次元ローパスフィルタ78R,78
G,78Bに出力する。なお、合成回路77R,77
G,77Bの構成は図11の合成回路26A,26Bと
同一であり、A/D変換器72R,72G,72Bの出
力が乗算器28に供給され、フィールドメモリ76R,
76G,76Bの出力が乗算器29に供給され、ROM
テーブル75R,75G,75Bからの係数Kが乗算器
28及び演算器30に供給される点が異なる。なお、係
数Kは0≦K≦1の範囲である。2次元ローパスフィル
タ78R,78G,78Bは入力されたデータの空間周
波数を低域に帯域制限してデータセレクタ79に補正3
原色R′,G′,B′信号として出力する。
【0123】一方、ROMテーブル75R,75G,7
5Bからの変化量のデータはカウント回路80にも与え
られる。カウント回路80は各R,G,Bデータの変化
量毎に画素数をカウントし、カウント出力をCPU81
に出力する。CPU81はカウント回路80の出力に基
づいて、色ズレの種類を判別する。CPU81は、色ズ
レの種類及び発生状態に応じて、係数Kを時系列的に変
化させると共に、判別した色ズレの種類に応じてデータ
セレクタ79を制御させるための制御信号をROMテー
ブル75R,75G,75Bに出力するようになってい
る。
【0124】データセレクタ79はROMテーブル75
R,75G,75Bによって制御されて、ラインメモリ
74R,74G,74Bからの入力R,G,Bデータと
2次元ローパスフィルタ78R,78G,78Bからの
補正3原色R′,G′,B′信号とを画素単位でR,
G,B毎に選択して夫々D/A変換器82R,82G,
82Bに出力する。D/A変換器82R,82G,82
Bは入力されたデータをアナログ信号に変換して夫々L
PF83R,83G,83Bに出力し、LPF83R,
83G,83Bは入力されたR,G,B信号を低域に帯
域制限して出力する。
【0125】次に、このように構成された実施例の動作
について図12を参照して説明する。
【0126】LPF71R,71G,71Bに夫々入力
されたR,G,B信号は帯域制限されてA/D変換器7
2R,72G,72Bに与えられる。A/D変換器72
R,72G,72Bによってディジタル信号に変換され
たR,G,Bデータは、夫々画像メモリ73R,73
G,73Bに与えられて、R,G,B信号が更新される
期間、例えば4フィールド期間遅延されて出力される。
【0127】画像メモリ73R,73G,73Bに記録
されたR,G,BデータとR,G,Bの原画像データと
を夫々ROMテーブル75R,75G,75Bで比較す
る。4フィールド期間前後のデータが一致している場合
には、ROMテーブル75R,75G,75Bは、各
R,G,B軸毎に色ズレが発生していないものと判断し
て、一致検出信号をフィールドメモリ76R,76G,
76Bに出力する。これにより、一致データはフィール
ドメモリ76R,76G,76Bに書込まれる。つま
り、各R,G,B軸毎に、色ズレ前のラストイメージの
R,G,Bデータが画素単位で記憶される。
【0128】ROMテーブル75R,75G,75Bか
らの変化量のデータはカウント回路80に供給され、カ
ウント回路80は変化量毎に画素数をカウントする。C
PU81はカウント出力に基づいて色ズレの種類及び量
を判断する。ROMテーブル75R,75G,75Bに
よる比較の結果、変化量が大きいと判別されると、CP
U81から変化量に応じた係数KがROMテーブル75
R,75G,75Bを介して合成回路28R,28G,
28Bに供給され、合成回路28R,28G,28Bに
おいて、フィールドメモリ27R,27G,27Bに記
録されている色ズレ発生前のR,G,Bデータと原R,
G,Bデータとが変化量に応じて合成される。また、C
PU81は送水などによって比較的激しい色ズレが発生
しているものと判断した場合には、ROMテーブル75
R,75G,75Bを制御して、データセレクタ79に
2次元ローパスフィルタ78R,78G,78Bからの
補正3原色R′,G′,B′信号を選択させる。
【0129】本実施例においても、第5実施例と同様
に、係数Kは時系列的に制御される。すなわち、急激な
送水が発生した場合には、係数Kを急峻に変化させて、
図12のパターン1に示すように、フィールドメモリ7
6R,76G,76BからのR,G,Bデータの合成比
率を急峻に増加させる。また、緩やかに送水が終了する
場合には、フィールドメモリ76R,76G,76Bか
らのR,G,Bデータの合成比率を、図12パターン2
に示すように緩やかに低下させる。更に、撮像素子を移
動させてフレーミングを急激に変化させた場合には、図
12のパターン3に示すように合成比率を変化させる。
【0130】これにより、合成回路77R,77G,7
7Bからの補正R′,G′,B′データは色ズレが全く
発生していない画面から色ズレが激しい画面に移行する
場合、又はその逆の場合でも画面の移行時の変化が滑ら
かとなり、見易い画像となる。
【0131】更に、本実施例では、2次元ローパスフィ
ルタ78R,78G,78Bによって、空間的にも滑ら
かな画像としている。2次元ローパスフィルタ78R,
78G,78Bは合成回路77R,77G,77Bの出
力の水平及び垂直周波数を低域に制限する。これによ
り、同一画面内において、色ズレが大きい部分と色ズレ
が発生していない部分との境界が滑らかとなり、自然で
見易い画像が得られる。2次元ローパスフィルタ78
R,78G,78からの補正3原色R′,G′,B′信
号はデータセレクタ79に与えられる。データセレクタ
79はROMテーブル75R,75G,75Bに制御さ
れて、色ズレが発生していない画素については帯域制限
されていないラインメモリ74R,74G,74Bから
の原R,G,Bデータを選択し、色ズレが発生している
画素については2次元ローパスフィルタ78R,78
G,78Bの出力を選択する。
【0132】データセレクタ79からのR,G,Bデー
タは夫々D/A変換器82R,82G,82Bによって
ディジタル信号に変換された後、LPF83R,83
G,83Bによって帯域制限されて出力される。
【0133】このように、本実施例においては、色ズレ
の検出及び補正を3原色R,G,B信号を用いて行って
おり、第1実施例と同様の効果を得ることができる。ま
た、時間的及び空間的に滑らかな補正を可能としてお
り、自然な補正画像を得ることができる。
【0134】図22ないし図25は本発明の第10実施
例に係り、図22は第10実施例の色ズレ軽減装置のブ
ロック図、図23は通常画像及び送水画像部の色分布と
分割領域を示す説明図、図24は静止画時及び動画時の
カラーバーの色分布と分割領域を示す説明図、図25は
変形例を示すブロック図である。本実施例は上記各実施
例のアナログスイッチ15又はセレクタ60を制御する
ためのセレクト信号を作成する回路を示している。
【0135】マトリクス回路1には面順次方式の電子内
視鏡からのR,G,B信号が入力される。マトリクス回
路1は入力R,G,B信号を色差信号R−Y,B−Y及
び輝度信号Yに分離し、色差信号R−Y,B−YをA/
D変換器84に出力する。A/D変換器84は入力され
たデータをディジタル信号に変換して出力する。
【0136】フレームメモリ86は上記各実施例の画像
メモリ7A,7B又はフレームメモリ54と同一の作用
を呈するものであり、画素単位で一致検出信号が入力さ
れて、A/D変換器84の出力のうち色ズレが発生して
いない色差データR−Y,B−Yを記憶する。A/D変
換器84からの色差データR−Y,B−YはROM85
に与えられ、フレームメモリ86からの色差データR−
Y,B−YはROM87に与えられる。ROM85,8
7は夫々入力された色差データR−Y,B−Yから色相
を求めてカウンタ88,89に出力する。
【0137】カウンタ88,89は、夫々色相を複数の
色相領域に分割し、ROM85,87からの画素毎の色
相を色相領域毎にカウントする。すなわち、カウンタ8
8,89は画面毎に同一色相領域の画素数をカウントす
る。CPU90はカウンタ88,89のカウント出力か
ら色ズレの種類を判別する。
【0138】次に、このように構成された実施例の動作
について説明する。
【0139】マトリクス回路1によって分離された色差
信号R−Y,B−YはA/D変換器84においてディジ
タル信号に変換される。ROM85はA/D変換器84
からの色差データR−Y,B−Yを極座標変換して画素
毎に色相を求める。一方、フレームメモリ86は一致検
出信号によって色ズレ発生前のラストイメージの色差デ
ータR−Y,B−YをA/D変換器84から取込んで記
憶する。ROM87はフレームメモリ86から読出した
色差データR−Y,B−Yを極座標変換して画素毎に色
相を求める。すなわち、ROM85からは原画像の各画
素の色相が出力され、ROM87からは被写体の静止画
像の色相データが画素毎に出力される。
【0140】カウンタ88,89は夫々ROM85,8
7から与えられた色相をカウントし、同一色相領域の画
素数を求める。CPU90はカウント出力によって色ズ
レの種類を判別する。図23及び図24はCPU90に
おける色ズレの種類の判別を説明するためのものであ
り、1画面の全画素の色度分布を色差平面上で示してい
る。
【0141】内視鏡画像は、一般的には、図23(a)
の網線部に示すように、各画素の色度が赤色調の狭い範
囲に分布している。一方、面順次方式の電子内視鏡にお
いて送水を行うと、各画素の色度分布は色差平面上で広
範囲に広がり、図23(a)の斜線部に示すものとな
る。更に、送水時には色度分布状態が時系列的に著しく
変化するので、上述したように、医師が診断を行う場合
において目の疲労を伴っていた。
【0142】一方、カラーバーチャートは、その色度分
布が図24(a)の斜線部に示すように比較的広範囲に
広がっている。また、図24(a)の横線部に示すよう
に、カラーバーチャートが動いて色ズレが発生している
場合においても、その色差平面上の色度分布状態の変動
は小さい。すなわち、目視上ほとんど色ズレを検出する
ことはできない。
【0143】このように、色ズレの種類に応じて、画面
内の色差平面上の色度分布は相違する。なお、カラバー
チャートを移動させた場合においても各画素の色差平面
上の移動量は送水画像と同様に大きいことから、色差平
面上の移動量のみでは色ズレが送水によるものであるか
否かを識別することはできない。この理由から、本実施
例では、同一色相領域の画素数を求めることにより画面
の色度分布状態を検出するようにしている。
【0144】例えば、カウンタ88,89は色相を図2
3及び図24(b)に示す6つの色相領域A〜Fに分割
し、同一色相領域の画素数をカウントする。CPU90
はカウンタ88,89のカウント値を各領域A〜F毎に
比較する。すなわち、CPU90は、原画像の色相の分
布と、色ズレ発生前のラストイメージの色相分布とを領
域A〜F単位で比較する。CPU90は各領域A〜F毎
にカウント出力の比を求めて、求めた画素数比によって
色ズレの種類を判別する。例えば、通常画像から送水時
のように極めて色ズレが目だつ画像に移行した場合に
は、色ズレ発生時において各色相の分布状態が極めて変
化する。従って、この場合には、画素数比は比較的大き
な値となる。逆に、目視上目だたない色ズレが発生した
場合には、色ズレ発生時における各色相分布の変化は少
ない。従って、この場合には、画素数比は比較的小さな
値となる。CPU90は画素数比が設定値よりも大きい
か否かによってセレクト信号を作成する。
【0145】図25は変形例を示すブロック図である。
図25において図1と同一の構成要素には同一符号付し
て説明を省略する。
【0146】この例は、原画像用の色相算出とラストイ
メージ用の色相算出とを時分割に行うことにより、回路
を省略して低コストにしたものである。すなわち、選択
回路91A,91Bによって、1Hラインメモリ4A,
4Bからの原画像の色差データR−Y,B−Yと画像メ
モリ7A,7Bからのラストイメージの色差データR−
Y,B−Yとが時分割に色相算出回路92に入力され
る。色相算出回路92は原画像の色差データR−Y,B
−Yから色相を求めてカウント回路93に出力すると共
に、ラストイメージの色差データR−Y,B−Yから色
相を求めてカウント回路93に出力する。カウント回路
93は図1のカウント回路9と図22のカウンタ88,
89とによるカウントを行ってカウント出力をCPU9
0に出力する。
【0147】他の構成及び作用は図22の第10実施例
と同様である。なお、この変形例では、原画像の色相分
布のデータは1フィールドおきにしか得られないが、1
フィールドおきの色相分布のデータで色ズレの種類を判
別しても問題はない。
【0148】更に、第10実施例においては、色相の分
散の比を求めることにより、一層高精度に色ズレの種類
を判別することが可能となる。色相の分散Vは下記
(5)式によって与えられる。
【0149】 ここで、xi は各画素の色相を示し、xは平均色相を示
し、nは画素数を示している。
【0150】CPU90は上記(5)式から原画像の色
相の分散V1 とラストイメージの色相の分散V2 との比
F(=V1 /V2 )を求める。CPU90は色相の分散
の比FがF<1ならば、原画像のR,G,B信号を出力
させるためのセレクト信号を出力し、Fが1よりも大き
い場合(F<1〜3以上)には、補正3原色R′,
G′,B′信号を出力させるためのセレクト信号を出力
する。
【0151】このように、本実施例においては、色差平
面上の移動距離からだけでは判別することが困難であっ
た目視上目だつ色ズレと目だたない色ズレとの識別を可
能にすることができる。
【0152】図26ないし図30は本発明の第11実施
例に係り、図26は第11実施例に係る色ズレ軽減装置
の色ズレ補正部を示し、図27ないし図30は図26の
装置の動作を示す波形図である。
【0153】面順次方式の撮像素子からの入力R,G,
B信号のうちG信号は平均値回路95に入力される。ま
た、入力R,B信号は夫々AGC回路96,97に与え
られる。平均値回路95はG信号の平均レベルを算出
し、G信号の平均レベルによってAGC回路96,97
を制御して、R,B信号のレベルを調整して入力G信号
のレベルに一致させる。AGC回路96,97の出力は
夫々減算回路98,99に与えられる。減算回路98,
99は入力G信号も与えられており、夫々レベル調整さ
れたR信号と入力G信号との差分及びレベル調整された
B信号と入力G信号との差分を求めて、加算回路10
0,101に出力する。すなわち、減算回路98,99
は、R,G,Bの順で面順次に撮像されて得られた入力
R,G,B信号の動きに基づく輪郭の色ズレを、G信号
を基準として算出している。
【0154】加算器100,101には夫々入力R,B
信号も与えられており、加算器100,101は夫々減
算回路98,99出力と入力R,B信号とを加算して信
号選択回路102に出力する。すなわち、入力R,B信
号から輪郭の色ズレ分が減算されて信号選択回路102
に与えられることになる。
【0155】一方、入力R,G,B信号は色ズレ位置検
出回路103にも与えられている。色ズレ位置検出回路
103は入力R,G,B信号から色ズレ位置を検出する
と、検出信号を信号選択回路102に出力する。信号選
択回路102は色ズレが検出されると、色ズレ検出信号
のタイミングで加算回路100,101の出力を補正
R,B信号として出力し、色ズレが検出されていないタ
イミングでは入力R,B信号をそのまま出力する。信号
選択回路102の出力と入力G信号とによって、補正3
原色R′,G′,B′信号が得られる。
【0156】次に、このように構成された実施例の動作
について映像信号の例をあげて説明する。
【0157】いま、図27(a)に示す長方形の物体を
撮像するものとする。この長方形の物体を撮像して得ら
れたR,G,B信号のレベルは、図27(b)に夫々破
線、実線又は一点鎖線に示すように、R,G,Bの順で
小さくなるものとする。長方形の被写体が図27(a)
の矢印方向に移動すると、時系列的にR,G,Bの画像
を取込む面順次電子内視鏡においては、図28及び図2
7(c)に示すように、各R,G,B画像信号が異なっ
た時間に撮像されることから、輪郭部で色ズレが発生す
る。
【0158】平均値回路95は入力G信号の平均値を求
め、求めた平均値でAGC回路96,97の利得を制御
して、図29(a)に示すように、R,G,B信号のレ
ベルを一致させる。減算回路98は入力G信号からレベ
ル調整されたR信号を減算して、図29(b)に示す信
号を得る。この信号はG信号を基準としたR信号の輪郭
部の色ズレを示している。また、減算回路99は入力G
信号からレベル調整されたB信号を減算して、図29
(c)に示す信号を得る。この信号はG信号を基準とし
たB信号の輪郭部の色ズレを示している。加算回路10
0は入力R信号と減算回路98の出力を加算して図30
の破線に示す信号R′を得て信号選択回路102に出力
する。加算回路101は入力B信号と減算回路99の出
力とを加算して図30の一点鎖線に示す信号B′を得て
信号選択回路102に出力する。
【0159】こうして、信号選択回路102には輪郭部
の色ズレが補正されたR,B信号が入力される。信号選
択回路102は色ズレ位置検出回路103によって色ズ
レの発生が示されると、加算回路100,101の出力
を出力し、信号選択回路102の出力と入力G信号とか
ら図27(d)に示す補正3原色R,G,B信号が得ら
れる。図27(c),(d)の比較から明らかなよう
に、補正後の信号は、被写体の輪郭部の色ズレが軽減さ
れている。
【0160】このように、本実施例においては、安価な
回路構成でリアルタイム(画素単位)で色ズレの補正が
可能となる。
【0161】図31は本発明の第12実施例に係る色ズ
レ軽減装置を示すブロック図である。図31において図
1と同一の構成要素には同一符号を付して説明を省略す
る。
【0162】本実施例は被写体又はスコープの動きによ
る被写体像の動き及びズーミング等による被写体画像の
変化等(色ズレに結びつく要因)を動き検出によって検
出することによって、色ズレの補正位置を検出するよう
にしている。また、上記各実施例においては、輝度信号
と補正に用いる色信号との信号遅延時間差を考慮してお
らず、また、補正3原色R′,G′,B′信号と入力3
原色R,G,B信号との信号遅延時間差も完全には考慮
していない。本実施例は補正処理系による信号遅延時間
を考慮している。
【0163】入力R,G,B信号はマトリクス回路1に
与えられると共に、LPF2Dにも与えられる。マトリ
クス回路1によって分離された色差信号R−Y,B−Y
はLPF2A,2B及びA/D変換器3A,3Bを介し
て画像メモリ110A,110Bに与えられる。一方、
マトリクス回路1からの輝度信号YはLPF2Cに与え
られ、LPF2Cは輝度信号Yを低域に帯域制限してA
/D変換器3Cに出力する。A/D変換器3Cは輝度信
号をディジタルデータに変換して動き検出回路111及
びFIFOメモリ116Cに出力する。
【0164】動き検出回路111は画像メモリ112、
差分回路113、絶対値回路114及び比較回路115
によって構成されている。A/D変換器3Cからの輝度
データYは画像メモリ112及び差分回路113に与え
られる。画像メモリ112は輝度データを1フレーム期
間遅延させて差分回路113に出力する。差分回路11
3には1フレーム期間前後の輝度データYが入力される
ことになり、差分回路113は2入力の差分を求めて絶
対値回路114に出力する。絶対値回路114は差分回
路113からの差分の絶対値を求めて比較回路115に
出力する。比較回路115は絶対値回路114からの信
号と設定値とを画素単位で比較する。すなわち、比較回
路115は、1フレーム期間前後の輝度データの差分の
絶対値が0又は微小値でない場合には、色ズレに結びつ
く要因が発生したものと判断して不一致信号を画像メモ
リ110A,110Bに出力し、差分の絶対値が0又は
微小値である場合には、一致検出信号を画像メモリ11
0A,110Bに出力する。また、比較回路115は差
分の絶対値が設定値よりも大きい場合には、色ズレの種
類が例えば送水であるものと判断して、アナログスイッ
チ15に逆マトリクス回路14の出力を選択させるため
のセレクト信号を出力し、差分の絶対値が設定値よりも
小さい場合には、アナログスイッチ15にLPF13D
の出力を選択させるためのセレクト信号を出力する。
【0165】画像メモリ110A,110Bは、夫々デ
ュアルポートメモリによって構成されており、一致検出
信号が入力されると、A/D変換器3A,3Bからの色
差データR−Y,B−Yを画素位置に対応させて記憶す
ると共に、A/D変換器3A,3Bからの色差データR
−Y,B−Yを2次元LPF117A,117Bに出力
する。また、画像メモリ110A,110Bは、夫々比
較回路115からの不一致信号によって色ズレに結びつ
く要因が発生したことが示されると、A/D変換器3
A,3Bからの色差データに代えて、記憶している対応
する画素位置の色差データR−Y,B−Yを2次元LP
F117A,117Bに出力する。2次元ローパスフィ
ルタ117A,117Bは入力されたデータの空間周波
数を低域に帯域制限して夫々D/A変換器12A,12
Bに出力する。
【0166】FIFOメモリ116Cは色差データR−
Y,B−Yの信号処理に要する時間を考慮した時間だけ
入力された輝度データを遅延させてD/A変換器12C
に与える。D/A変換器12Cは輝度データをアナログ
信号に変換してLPF13Cに与え、LPF13Cは入
力された輝度信号Yの帯域を制限して逆マトリクス回路
14に出力するようになっている。
【0167】一方、LPF2Dは入力R,G,B信号を
低域に帯域制限してA/D変換器3Dに与え、A/D変
換器3DはアナログR,G,B信号をディジタル信号に
変換してFIFOメモリ116Dに与える。FIFOメ
モリ116Dは補正3原色R′,G′,B′信号の作成
に要する時間を考慮した時間だけ原画像のR,G,Bデ
ータを遅延させてD/A変換器12Dに出力する。D/
A変換器12DはR,G,BデータをアナログR,G,
B信号に変換してLPF13Dに与え、LPF13Dは
入力されたR,G,B信号を低域に帯域制限してアナロ
グスイッチ15に出力する。
【0168】このように構成された実施例においては、
入力R,G,B信号はLPF2D及びA/D変換器3D
を介してFIFOメモリ116Dに与えられてタイミン
グ調整され、D/A変換器12D及びLPF13Dを介
してアナログスイッチ15に供給される。マトリクス回
路1は入力R,G,B信号を色差信号R−Y,B−Yと
輝度信号Yとに分離する。色差信号R−Y,B−Y及び
輝度信号は夫々LPF2A,2B,2Cによって帯域制
限され、A/D変換器3A,3B,3Cによってディジ
タル信号に変換される。色差データR−Y,B−Yは夫
々画像メモリ110A,110Bに与えられる。輝度デ
ータYはFIFOメモリ116Cに与えられてタイミン
グ調整された後、D/A変換器12C及びLPF13C
を介して逆マトリクス回路14に供給される。
【0169】本実施例においては、輝度データYを動き
検出回路111に与えて色ズレに結びつく要因を検出し
ている。すなわち、差分回路113は画像メモリ112
の入出力である1フレーム期間前後の輝度データYの差
分を求める。この差分値は絶対値回路114において絶
対値に変換されて比較回路115に与えられる。比較回
路115は差分の絶対値を設定値と画素単位で比較す
る。差分の絶対値が0又は微小値である場合には、比較
回路115は一致検出信号を画像メモリ110A,11
Bに出力し、画像メモリ110A,110Bはその画素
の色差データR−Y,B−Yを記憶すると共に、2次元
LPF117A,117Bに出力する。逆に、差分の絶
対値が0又は微小値よりも大きい場合には、比較回路1
15は色ズレに結びつく要因が発生して色ズレ画素のデ
ータが入力されたものと判断し、画像メモリ110Aに
不一致信号を出力する。これにより、画像メモリ110
A,110Bは記憶しているその画素の色差データR−
Y,B−Yを出力する。これにより、画素単位で色ズレ
発生前のラストイメージの色差データが出力され、画素
単位の色ズレ補正が可能となる。
【0170】画像メモリ110A,110Bの出力は、
2次元LPF117A,117Bによって空間周波数が
制限され、画素間の急激な色の変化が抑制される。2次
元LPF117A,117Bの出力はD/A変換器12
A,12Bによってアナログ信号に変換された後、LP
F13A,13Bによって帯域制限されて逆マトリクス
回路14に供給される。逆マトリクス回路14は入力さ
れた色差信号R−Y,B−Yと輝度信号Yとから補正3
原色R′,G′,B′信号を作成してアナログスイッチ
15に出力する。アナログスイッチ15は比較回路11
5によって制御されて、激しい色ズレ時には逆マトリク
ス回路14の出力を選択し、目視上目立たない色ズレ時
にはLPF13Dの出力を選択して出力する。
【0171】本実施例においても上記各実施例と同様の
効果を得ることができることは明らかである。また、本
実施例では、各信号処理系の遅延時間を調整しているの
で、一層高精度の色ズレ補正が可能である。
【0172】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、1
画面のうち色ズレ補正が必要な部分のみ画素単位又は所
定ブロック単位で色ズレ補正を行うと共に、観察者の色
ズレに対する認識レベルを越えた色ズレのみを補正する
ことにより、画質を劣化させることなく色ズレを防止す
ることができるという効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施例の色ズレ軽減装置の全体的なブロッ
ク図。
【図2】R−Y,B−Yの各軸における色差平面上の変
化量と、各変化量毎の画素数のカウント値との関係を示
すグラフ。
【図3】色差平面上の色ズレの変化を示す説明図。
【図4】第2実施例に係る色ズレ軽減装置の全体的なブ
ロック図。
【図5】色ずれの発生状態を示す説明図。
【図6】本発明の第3実施例に係る色ズレ軽減装置の全
体的なブロック図。
【図7】第4実施例に係る色ズレ軽減装置の全体的なブ
ロック図。
【図8】画面上の位置と色差移動量と色ズレレベル設定
の関係を示す説明図。
【図9】色差平面上の位置と色ズレレベル設定の関係を
示す説明図。
【図10】第5実施例に係る色ズレ軽減装置の全体的な
ブロック図。
【図11】図10中の合成回路26A,26Bを示すブ
ロック図。
【図12】原画像と補正画像との合成比率の経時的な変
化を示す説明図。
【図13】本発明の第6実施例に係る色ズレ軽減装置の
全体的なブロック図。
【図14】本発明の第7実施例に係る色ズレ軽減装置の
全体的なブロック図。
【図15】第8実施例に係る色ズレ軽減装置の全体的な
ブロック図。
【図16】モード検知の概念を説明するためのヒストグ
ラム。
【図17】モード検知の概念を説明するためのヒストグ
ラム。
【図18】モード検知の概念を説明するためのヒストグ
ラム。
【図19】色ズレ画素検知の概念を説明するためのグラ
フ。
【図20】色ズレ画素検知の概念を説明するためのグラ
フ。
【図21】第9実施例の色ズレ軽減装置の全体的なブロ
ック図。
【図22】第10実施例の色ズレ軽減装置のブロック
図。
【図23】通常画像及び送水画像部の色分布と分割領域
を示す説明図。
【図24】静止画時及び動画時のカラーバーの色分布と
分割領域を示す説明図。
【図25】変形例を示すブロック図。
【図26】第11実施例に係る色ズレ軽減装置の色ズレ
補正部を示すブロック図。
【図27】図26の装置の動作を示す波形図。
【図28】図26の装置の動作を示す波形図。
【図29】図26の装置の動作を示す波形図。
【図30】図26の装置の動作を示す波形図。
【図31】本発明の第12実施例に係る色ズレ軽減装置
を示すブロック図。
【図32】電子内視鏡装置の全体構成図。
【図33】色ズレ発生原理を説明するための説明図。
【符号の説明】
4A,4B…1Hラインメモリ、5,7A,7B…画像
メモリ、6A,6B…比較回路、8A,8B…ROMテ
ーブル、11A,11B…選択回路、9…カウント回
路、10…CPU、15…アナログスイッチ
フロントページの続き (31)優先権主張番号 特願平3−241949 (32)優先日 平成3年9月20日(1991.9.20) (33)優先権主張国 日本(JP) 前置審査 (56)参考文献 特開 平3−121034(JP,A) 特開 平3−261295(JP,A) 特開 平3−226196(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H04N 9/04 - 9/11

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被写体を面順次式で撮像する撮像手段よ
    り得られたカラー画像信号から、画面の画素単位又は所
    定ブロック単位で色成分の変化量を求め、色ズレを検出
    する検出手段と、 前記検出手段の検出結果に基づいて、所定数の画面にわ
    たって画面の画素単位又は所定ブロック単位で前記色成
    分の変化量のレベル分布及び又は経時変化を求め、前記
    色ズレの分布状態を求める手段と、 前記分布状態を求める手段で求められた色ズレの分布状
    態に基づき色ズレの種別を判断し、該色ズレの種別に応
    じて前記カラー画像信号の色ズレを画素単位又はブロッ
    ク単位で補正して出力する補正手段と、 を具備したことを特徴とする色ズレ軽減装置。
  2. 【請求項2】 被写体を面順次式で撮像する撮像手段よ
    り得られたカラー画像信号から、画面の画素単位又は所
    定ブロック単位で色成分の変化量を求め、色ズレを検出
    する検出手段と、 前記検出手段の検出結果に基づいて、所定数の画面にわ
    たって画面の画素単位又は所定ブロック単位で前記色成
    分の変化量のレベル分布及び又は経時変化を求め、前記
    色ズレの分布状態を求める手段と、前記検出手段の検出結果に基づいて、 前記カラー画像信
    号の色ズレを画素単位又はブロック単位で補正して出力
    する補正手段と、前記分布状態を求める手段で求められた色ズレの分布状
    態に基づき色ズレの種別を判断し、 該色ズレの種別に応
    じて前記補正手段の出力と前記カラー画像信号とを選択
    的に出力する切換手段と、 を具備したことを特徴とする色ズレ軽減装置。
  3. 【請求項3】 被写体を面順次式で撮像する撮像手段よ
    り得られたカラー画像信号から得られる画面の画素単位
    又は所定ブロック単位で色ズレを検出する検出手段と、前記カラー画像信号から、画面の画素単位又は所定ブロ
    ック単位で色成分の変化量を求め、 所定数の画面にわた
    って画面の画素単位又は所定ブロック単位で前記色成分
    の変化量のレベル分布及び又は経時変化を求め、色ズレ
    分布状態を求める手段と、前記カラー画像信号が変化したか否かが判断され、 色ズ
    レが発生していないと判断された前記画素又は前記所定
    ブロックに対応する前記カラー画像信号を保持する記憶
    手段と、前記分布状態を求める手段で求められた色ズレの分布状
    態に応じて、 前記記憶手段に保持されたカラー画像信号
    に基づいて前記カラー画像信号の色ズレを画素単位また
    はブロック単位で選択的に補正して出力する補正手段
    と、 を具備したことを特徴とする色ズレ軽減装置。
  4. 【請求項4】 被写体を面順次式で撮像する撮像手段よ
    り得られたカラー画像信号から、画面の画素単位又は所
    定ブロック単位で色成分の変化量を求め、色ズレを検出
    する検出手段と、 前記検出手段の検出結果に基づいて、所定数の画面にわ
    たって画面の画素単位又は所定ブロック単位で前記色成
    分の変化量のレベル分布及び又は経時変化を求め、前記
    色ズレの分布状態を求める手段と、前記カラー画像信号が変化したか否かが判断され、 色ズ
    レが発生していないと判断された前記画素又は前記所定
    ブロックに対応する前記カラー画像信号を保持する記憶
    手段と、前記検出手段の検出結果に応じて、 前記記憶手段に保持
    されたカラー画像信号に基づいて前記カラー画像信号の
    色ズレを画素単位またはブロック単位で選択的に補正し
    て出力する補正手段と、前記分布状態を求める手段で求められた色ズレの分布状
    態に応じて、 前記補正手段の出力と前記カラー画像信号
    とを選択的に出力する切換手段と、 を具備したことを特徴とする色ズレ軽減装置。
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