JP3371543B2 - ブラシレスdcモータ - Google Patents

ブラシレスdcモータ

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JP3371543B2 JP12551394A JP12551394A JP3371543B2 JP 3371543 B2 JP3371543 B2 JP 3371543B2 JP 12551394 A JP12551394 A JP 12551394A JP 12551394 A JP12551394 A JP 12551394A JP 3371543 B2 JP3371543 B2 JP 3371543B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、ブラシレスDC(直
流)モータの電機子コイルに誘起された誘起電圧に基づ
いて、回転子と固定子の相対的な位置を表わす位置信号
を検出して、その位置信号に基づいて、電機子コイルの
電圧パターンを制御するブラシレスDCモータに関す
る。
【0002】
【従来の技術】図31は、ブラシレスDCモータの一例
である埋込磁石構造PMモータを用いた180°通電方
式によるインバータモータシステムの構成図である。上
記インバータモータシステムは、埋込磁石構造PMモー
タの回転子10の回転位置をエンコーダ61により検出
すると共に、交流電源60をダイオードブリッジD1,D
2,D3,D4で全波整流した後、インバータ部20は、コ
イルLと平滑コンデンサCにより平滑された直流電圧を
交流電圧に変換して出力する。このインバータモータシ
ステムにおいて、モータを回転速度一定でかつ最大効率
で運転するように、エンコーダ61により検出された回
転位置に基づいて、モータ誘起電圧の基本波に対するイ
ンバータ出力電圧の基本波の位相角を調整したとき、図
32に示すように、モータの負荷すなわちインバータ入
力電流に対するインバータ出力電圧の位相角の特性が得
られた。この特性より、モータの負荷が小さいほど位相
角は遅れ側になり、負荷が大きいほど位相角は進み側と
なることが分かる。このように、上記エンコーダ61が
検出した回転子10の回転位置を基準として、正確かつ
広範囲に位相補正ができるので、図29に示すように、
圧縮機に要求される運転エリア(曲線A3)内を運転する
ことができる。
【0003】これに対して、従来、エンコーダを用いず
にモータ端子電圧から回転子の位置を検出して、インバ
ータ出力電圧の位相を調整するブラシレスDCモータと
して、特開昭64−34191号公報に記載のものがあ
る。このブラシレスDCモータは、モータ端子電圧をロ
ーパスフィルタにより検出し、タイマを用いて上記ロー
パスフィルタの周波数特性によるインバータ出力電圧の
位相誤差を相殺するようにしている。しかしながら、上
記ブラシレスDCモータは、上述のモータを最大効率で
運転するようにインバータ出力電圧の位相角を調整する
ものではない。
【0004】また、もう一つのブラシレスDCモータと
して、特公平5−72197号に記載のものがある。こ
のブラシレスDCモータは、図27に示すように、複数
極の永久磁石を有する回転子10と3相Y結線に接続さ
れた電機子コイル1a,1b,1cを有する固定子1とを有
するモータ部11と、上記電機子コイル1a,1b,1cに
対する回転子10の相対的な回転位置を検出する回転位
置検出部12と、上記回転位置検出部12からの回転子
10の回転位置を表わす位置信号を受けて、電機子コイ
ル1a,1b,1cに対する電圧パターンを切り換えるスイ
ッチング信号を出力するマイクロコンピュータ(以下、
マイコンという)13と、上記マイコン13からのスイ
ッチング信号を受けて、電機子コイル1a,1b,1cの電
圧パターンを切り換え制御する転流制御信号を出力する
ベース駆動回路14と、上記ベース駆動回路14からの
転流制御信号を受けて、電機子コイル1a,1b,1cの電
圧パターンを切り換えるインバータ部20とを備えてい
る。また、上記電機子コイル1a,1b,1cに並列状態で
3相Y結線された抵抗2a,2b,2cからなる抵抗回路2
を備えている。
【0005】上記インバータ部20は、直流電源9の正
極側に夫々接続された3つのトランジスタ20a,20b,
20cと、直流電源9の負極側に夫々接続された3つの
トランジスタ20d,20e,20fとから構成されてい
る。上記トランジスタ20aのエミッタとトランジスタ
20dのコレクタを互いに接続し、トランジスタ20bの
エミッタとトランジスタ20eのコレクタを互いに接続
し、トランジスタ20cのエミッタとトランジスタ20f
のコレクタを互いに接続している。上記トランジスタ2
0a,20dの互いに接続された部分にU相の電機子コイ
ル1aを接続し、トランジスタ20b,20eの互いに接続
された部分にV相の電機子コイル1bを接続し、トラン
ジスタ20c,20fの互いに接続された部分にW相の電
機子コイル1cを接続している。そして、上記ベース駆
動回路14からの転流制御信号をインバータ部20の各
トランジスタ20a〜20fのベースに夫々入力してい
る。
【0006】また、上記回転位置検出部12は、上記抵
抗回路2の中性点の電圧VMと電機子コイル1a,1b,1c
の中性点の電圧VNとが入力され、抵抗回路2の中性点
と電機子コイル1a,1b,1cの中性点との間の電位差V
MNを出力する差動増幅器31と、上記差動増幅器31か
らの電位差VMNを受けて、その電位差VMNを積分する積
分器32と、上記積分器32からの電位差VMNを積分し
た積分信号を受けて、位置信号を出力する零クロスコン
パレータ33とを備えている。
【0007】上記構成のブラシレスDCモータにおい
て、インバータ部20からの各U相,V相,W相のモータ
端子電圧をVU,VV,VW、電機子コイル1a,1b,1cの各
U相,V相,W相の誘起電圧をEU,EV,EWとすると、抵
抗回路2の中性点の電圧VMと電機子コイル1a,1b,1c
の中性点の電圧VNは、 VM = (1/3)(VU+VV+VW) VN = (1/3){(VU−EU)+(VV−EV)+(VW−EW)} となる。したがって、上記抵抗回路2の中性点と電機子
コイル1a,1b,1cの中性点との間の電位差VMNは、 VMN = VM−VN = (1/3)(EU+EV+EW) となり、電機子コイル1a,1b,1cの誘起電圧EU,EV,
Wの和に比例する。
【0008】上記電機子コイル1a,1b,1cの誘起電圧
U,EV,EWは、図28(A)〜(C)に示すように、120d
eg毎に位相の異なる台形状の波形となり、電位差VMN
図28(D)に示すように、誘起電圧EU,EV,EWに対して
3倍の基本波周波数成分を有する略三角波となる。この
電位差VMNの三角波のピーク点が電圧パターンの切り換
え点となる。上記積分器32は、差動増幅器31からの
電位差VMNの信号を積分して、略正弦波状の積分信号∫
MNdt(図28(E)に示す)を出力する。そして、上記零
クロスコンパレータ33は、積分信号∫VMNdtのゼロク
ロス点を検出して、位置信号(図28(F)に示す)をマイ
コン13に出力する。すなわち、この電位差VMNのピー
ク点は、回転速度によって振幅が変動するため、電位差
MNの信号を積分して、ゼロクロス点を検出するように
しているのである。上記位置信号は、上記固定子1の電
機子コイル1a,1b,1cに対する回転子10の相対的な
位置を示すものである。次に、上記マイコン13は、零
クロスコンパレータ33からの位置信号を受けて、ベー
ス駆動回路14にスイッチング信号を出力する。上記ベ
ース駆動回路14は、マイコン13からのスイッチング
信号を受けて、インバータ部20の各トランジスタ20
a〜20fのベースに転流制御信号(図28(G)〜(L))を出
力する。そして、上記インバータ部20の各トランジス
タ20a〜20fは、図28(M)に示すように順次オンオ
フして、電機子コイル1a,1b,1cに対する電圧パター
ンを切り換える。
【0009】こうして、上記ブラシレスDCモータは、
電機子コイル1a,1b,1cの誘起電圧EU,EV,EWより回
転子10の回転位置を表わす位置信号を検出して、イン
バータ部20は、その位置信号によって電機子コイル1
a,1b,1cの電圧パターンの切り換えを行う。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記ローパ
スフィルタを用いてモータの端子電圧を検出するブラシ
レスDCモータを用いて、圧縮機を負荷にして駆動する
とき、ブラシレスDCモータの性能を十分に発揮すれ
ば、圧縮機に要求される運転エリア(図29に示す曲線
3)内での運転が可能である。ところが、上記ブラシレ
スDCモータは、回転数が高いほど、またモータ電流が
大きいほど回転子の位置検出が困難になり、そのブラシ
レスDCモータの性能を十分に発揮することができない
ため、曲線A1内でしか運転ができないという問題があ
る。しかも、上記曲線A1より外の部分では、回転子の
位置検出が困難になり、ブラシレスDCモータが脱調す
るという問題がある。
【0011】すなわち、上記ブラシレスDCモータの回
転子の位置検出が困難になる原因は、例えば巻線インダ
クタンスが小さい表面磁石構造PMモータでは、位置検
出に用いられるモータ端子電圧の波形に、図30(a)に
示すように、波形切替時にインバータ部の還流ダイオー
ドに転流することによってパルスP1,P2が発生して、
このパルスP1,P2のインバータ波形一周期に対する割
合が、モータの回転数が高いほど、またモータ電流が大
きいほど大きくなるためである。さらに、埋込磁石構造
PMモータのように巻線インダクタンスが大きいモータ
ほど、パルスP1,P2の占める割合が大きくなるため、
モータ端子電圧に誘起される誘起電圧E1,E2(図30
(a)に示す)は、例えば誘起電圧E3,E4(図30(b)に示
す)のように小さくなって、誘起電圧の現れる部分が小
さくなって、回転子の位置検出が困難になるのである。
【0012】また、図27に示すブラシレスDCモータ
は、電機子コイル1a,1b,1cの中性点と抵抗回路2の
中性点との電位差を検出しているため、波形切替時にイ
ンバータ部20の還流ダイオードに転流して発生するパ
ルスによって位置検出不能になることはない。しかしな
がら、上記回転位置検出部12のフィルタの周波数特性
により、位置信号が電圧パターンの最適切り換えポイン
トから前後してずれたり、モータの負荷や運転速度の変
化に伴って、電機子コイル1a,1b,1cに誘起される誘
起電圧の位相に対して最適となる電圧パターンの切り換
えポイントが異なったりするため、運転効率が低下した
り、モータが脱調したりするという問題がある。
【0013】また、モータ始動時は、上記位置信号の検
出が不可能なため、所定の周波数の電圧パターンを切り
替え加速する同期運転を行ない、位置信号の検出が可能
となった時点で位置検出運転に切り換える。同期運転時
には、位置検出運転を行っていないため、十分なトルク
を発生し、安定に起動するためにインバータ電圧を高く
設定し、十分なモータ電流を流す必要がある。このとき
の誘起電圧に対するインバータ出力電圧の位相角は図3
2に示す位置検出運転切替換時のポイントである。この
ため、位置検出運転切替時に位相補正しない場合は、同
期運転から位置検出運転に切り替える前後の誘起電圧と
インバータ出力電圧の位相が一致せず、モータ電流に過
渡変化が生じて、脱調する場合がある。
【0014】そこで、この発明の目的は、エンコーダ等
のセンサを用いることなく、モータの負荷の大小,運転
速度の高低に応じて、上記位置信号から電圧パターンを
切り換えるまでの時間を調整して、全運転範囲において
モータを高効率で運転できるブラシレスDCモータを提
供することにある。
【0015】また、もう一つの目的は、モータ始動時の
同期運転から位置検出運転に切り替えるときのモータ電
流の過渡変化を抑制できるブラシレスDCモータを提供
することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1のブラシレスDCモータは、複数極の磁石
を有する回転子と、3相Y結線に接続された電機子コイ
ルを有する固定子と、上記電機子コイルに対して並列状
態で3相Y結線された抵抗回路と、上記電機子コイルの
中性点と上記抵抗回路の中性点との電位差に基づいて、
上記回転子と上記固定子の相対的な回転位置を検出し
て、60deg毎にレベルが切り換わる位置信号を出力す
る回転位置検出手段と、上記回転位置検出手段の上記位
置信号に基づいて、上記電機子コイルの電圧パターンを
切り換えるインバータ部とを備えるブラシレスDCモー
タにおいて、上記回転位置検出手段からの上記位置信号
を受けて、高効率になるように上記位置信号から上記電
圧パターンを切り換えるまでの時間を調整する位相補正
手段を備え、上記位相補正手段は、上記回転位置検出手
段の上記位置信号に基づいて、上記電圧パターンの周期
を測定する周期測定手段と、上記周期測定手段の出力に
基づいて、高効率になるように上記位置信号から上記電
圧パターンを切り換えるまでの時間に応じたタイマ値を
演算するタイマ値演算手段と、上記タイマ値演算手段か
らのタイマ値に基づいて、上記位置信号から上記電圧パ
ターンを切り換えるまでの時間を計時する第1タイマ
と、上記第1タイマの計時中に計時可能で、上記タイマ
値演算手段からのタイマ値に基づいて、上記回転位置検
出手段からの上記位置信号から上記電圧パターンを切り
換えるまでの時間を計時する第2タイマと、上記第1タ
イマと上記第2タイマとを交互に選択して、上記位置信
号の立ち上がりまたは立ち下がりによってスタートさせ
るタイマ選択手段と、上記タイマ選択手段により選択さ
れた上記第1タイマまたは上記第2タイマを、スタート
すべき上記位置信号の立ち上がりまたは立ち下がりの基
準点から上記位置信号が所定番目の切り換わり時点まで
遅らせてスタートさせるタイマ制御手段とを備えたこと
を特徴としている。
【0017】また、請求項のブラシレスDCモータ
は、複数極の磁石を有する回転子と、3相Y結線に接続
された電機子コイルを有する固定子と、上記電機子コイ
ルに対して並列状態で3相Y結線された抵抗回路と、上
記電機子コイルの中性点と上記抵抗回路の中性点との電
位差に基づいて、上記回転子と上記固定子の相対的な回
転位置を検出して、60deg毎にレベルが切り換わる位
置信号を出力する回転位置検出手段と、上記回転位置検
出手段の上記位置信号に基づいて、上記電機子コイルの
電圧パターンを切り換えるインバータ部とを備えるブラ
シレスDCモータにおいて、上記回転位置検出手段から
の上記位置信号を受けて、高効率になるように上記位置
信号から上記電圧パターンを切り換えるまでの時間を調
整する位相補正手段を備え、上記位相補正手段は、上記
回転位置検出手段の上記位置信号に基づいて、上記電圧
パターンの周期を測定する周期測定手段と、上記周期測
定手段の出力に基づいて、高効率になるように上記位置
信号から上記電圧パターンを切り換えるまでの時間に相
当する位相補正角が60deg以下のときはその位相補正
角に応じたタイマ値を演算し、上記位相補正角が60de
gより大きくかつ120deg以下のときは上記位相補正角
から60degを減算した角度に応じたタイマ値を演算
し、上記位相補正角が120degより大きいときは上記
位相補正角から120degを減算した角度に応じたタイ
マ値を演算するタイマ値演算手段と、上記タイマ値演算
手段からのタイマ値に基づいて、上記回転位置検出手段
からの上記位置信号から上記電圧パターンを切り換える
までの時間を計時するタイマと、上記位置信号から上記
電圧パターンを切り換えるまでの時間に相当する位相補
正角が60degより大きいとき、上記タイマを、スター
トすべき上記位置信号の立ち上がりまたは立ち下がりの
基準点から上記位置信号が所定番目の切り換わり時点ま
で遅らせてスタートさせるタイマ制御手段とを備えたこ
とを特徴としている。
【0018】
【作用】上記請求項1のブラシレスDCモータによれ
ば、上記回転位置検出手段は、上記複数極の磁石を有す
る回転子と固定子との相対的な回転位置を検出して、6
0deg毎にレベルが切り換わる位置信号を出力する。そ
して、上記回転位置検出手段からの位置信号を受けて、
上記位相補正手段は、上記位置信号から電圧パターンを
切り換えるまでの時間を調整する。そして、上記位相補
正手段からの位相補正された電圧パターン信号に基づい
て、上記インバータは電機子コイルの電圧パターンを切
り換える。
【0019】このとき、上記周期測定手段は、上記回転
位置検出手段の上記位置信号に基づいて、上記電機子コ
イルの上記電圧パターンの周期を測定する。上記周期測
定手段の出力に基づいて、上記タイマ値演算手段は、高
効率になるように位置信号から電圧パターンを切り換え
るまでの時間に応じたタイマ値を演算する。そして、上
記タイマ選択手段は、上記第1タイマと第2タイマとを
交互に選択して、位置信号に基づいてスタートさせる。
上記第1タイマと第2タイマは、タイマ値演算手段から
のタイマ値に基づいて、位置信号から電圧パターンを切
り換えるまでの時間を計時する。そして、上記第1タイ
マと第2タイマは、位置信号が発生する60deg毎に選
択されるので、第1タイマと第2タイマが交互にスター
トして夫々が次に選択されるまで略120degの余裕が
ある。したがって、上記第1タイマと第2タイマに設定
するタイマ値を0〜120degの位相角範囲に相当する
値に設定でき、電圧パターンの位相補正を広い範囲で行
える。
【0020】さらに、120deg以上の位相補正を行う
場合は、上記タイマ制御手段により、第1タイマと第2
タイマを、スタートすべき位置信号の立ち上がりまたは
立ち下がりの基準点から位置信号が1番目の切り換え時
点まで夫々遅らしてスタートさせ、第1タイマと第2タ
イマの位相角範囲をさらに60degおきに広げる。すな
わち、二つの第1タイマと第2タイマを用いる場合、タ
イマ値の設定範囲は0〜120degであるが、第1タイ
マと第2タイマのスタートを次の位置信号の発生まで夫
々遅らすことによって、スタートすべき位置信号の立ち
上がりまたは立ち下がりの基準点に対して60deg遅れ
た点から第1タイマおよび第2タイマがスタートするこ
とになり、電圧パターンの位相補正範囲は、設定された
タイマ値に相当する位相角に60degを加えたものにな
る。したがって、上記第1タイマと第2タイマに設定す
るタイマ値が0〜120degの位相角範囲であっても、
タイマ制御手段によって、電圧パターンの位相補正範囲
をさらに広げることができる。
【0021】また、モータ始動時の同期運転から位置検
出運転に切り替える場合、上記第1タイマと第2タイマ
によって、位置信号から電圧パターンを切り換えるまで
の時間を計時して、切り替え前後の電圧パターンと位置
信号との位相を略同一にすることによって、モータ始動
時の同期運転から位置検出運転の切り替えを滑らかに行
う。
【0022】したがって、回転位置検出手段のフィルタ
の周波数特性の影響,モータの負荷および回転速度に伴
って、電機子コイルに誘起される誘起電圧に対するイン
バータ出力電圧の位相がモータの高効率点からはずれて
運転される場合でも、位置信号から電圧パターンを切り
換えるまでの時間を調整する範囲を広くできるので、圧
縮機等の負荷に対して、全運転範囲でモータの性能を最
大限に発揮させて、モータを高効率で運転できる。ま
た、モータ始動時の同期運転から位置検出運転に切り替
えるときのモータ電流の過渡変化を抑制できる。
【0023】また、上記請求項のブラシレスDCモー
タによれば、上記回転位置検出手段は、上記複数極の磁
石を有する回転子と固定子との相対的な回転位置を検出
して、60deg毎にレベルが切り換わる位置信号を出力
する。そして、上記回転位置検出手段からの位置信号を
受けて、上記位相補正手段は、上記位置信号から電圧パ
ターンを切り換えるまでの時間を調整する。そして、上
記位相補正手段からの位相補正された電圧パターン信号
に基づいて、上記インバータは電機子コイルの電圧パタ
ーンを切り換える。
【0024】このとき、上記周期測定手段は、上記回転
位置検出手段の上記位置信号に基づいて、上記電機子コ
イルの上記電圧パターンの周期を測定する。上記周期測
定手段の出力に基づいて、上記タイマ値演算手段は、高
効率になるように位置信号から電圧パターンを切り換え
るまでの時間に応じたタイマ値を演算する。そして、上
記タイマにそのタイマ値を設定して、位置信号に基づい
てスタートさせる。上記タイマは、タイマ値演算手段か
らのタイマ値に基づいて、位置信号から電圧パターンを
切り換えるまでの時間を計時する。そして、上記タイマ
は、位置信号が発生する60deg毎にスタートするの
で、タイマがスタートして次にスタートするまで略60
degの余裕がある。したがって、上記タイマに設定する
タイマ値を0〜60degの位相角範囲に相当する値に設
定でき、電圧パターンの位相補正を0〜60degの範囲
で行える。
【0025】さらに、60deg以上の位相補正を行う場
合は、上記タイマ制御手段によりタイマを、スタートす
べき位置信号の立ち上がりまたは立ち下がりの基準点か
ら位置信号が1番目の切り換わり時点まで遅らしてスタ
ートさせ、タイマの位相角範囲をさらに60degおきに
広げる。すなわち、上記タイマ値の設定範囲は0〜60
degであるが、タイマのスタートを次の位置信号の発生
まで遅らすことで、スタートすべき位置信号の立ち上が
りまたは立ち下がりの基準点に対して60deg遅れた点
からタイマがスタートすることになり、電圧パターンの
位相補正範囲は、設定されたタイマ値に相当する位相角
に60deg加えたものになる。さらに、上記タイマのス
タートをその次の位置信号の立ち上がりまたは立ち下が
りのタイミングまで遅らすと、スタートすべき位置信号
の立ち上がりまたは立ち下がりの基準点から120deg
遅れた点からタイマがスタートすることになり、電圧パ
ターンの位相補正範囲は、設定するタイマ値に相当する
位相角に120deg加えたものになる。したがって、上
記タイマに設定するタイマ値が0〜60degの位相角範
囲であっても、タイマ制御手段によって、電圧パターン
の位相補正範囲をさらに広げることができる。
【0026】また、モータ始動時の同期運転から位置検
出運転に切り替える場合、上記タイマによって、位置信
号から電圧パターンを切り換えるまでの時間を計時し
て、切り替え前後の電圧パターンと位置信号との位相を
略同一にすることによって、モータ始動時の同期運転か
ら位置検出運転の切り替えを滑らかに行う。
【0027】したがって、回転位置検出手段のフィルタ
の周波数特性の影響,モータの負荷および回転速度に伴
って、電機子コイルに誘起される誘起電圧に対するイン
バータ出力電圧の位相がモータの高効率点からはずれて
運転される場合でも、位置信号から電圧パターンを切り
換えるまでの時間を調整する範囲を広くできるので、圧
縮機等の負荷に対して、全運転範囲でモータの性能を最
大限に発揮させて、モータを高効率で運転できる。ま
た、モータ始動時の同期運転から位置検出運転に切り替
えるときのモータ電流の過渡変化を抑制できる。
【0028】
【実施例】以下、この発明のブラシレスDCモータを実
施例により詳細に説明する。
【0029】(第1実施例) 図1はこの発明の第1実施例のブラシレスDCモータの
構成を示しており、1は電機子コイル1a,1b,1cがY
結線され、複数の永久磁石を有する回転子10を回転磁
界により回転させる固定子、2は上記電機子コイル1a,
1b,1cに並列状態に接続され、抵抗2a,2b,2cをY結
線した抵抗回路、3は上記抵抗回路2の中性点の電圧V
Mと電機子コイル1a,1b,1cの中性点の電圧VNに基づ
いて、回転子10の相対的な位置を検出して、位置信号
を出力する回転位置検出手段としての回転位置検出部、
4は上記回転位置検出部3からの位置信号を受けて、ス
イッチング信号を出力するマイコン、5は上記マイコン
4からのスイッチング信号を受けて、転流制御信号を出
力するベース駆動回路である。上記ベース駆動回路5か
らの転流制御信号をインバータ部20に夫々接続してい
る。なお、上記固定子1と回転子10でモータ部11を
構成している。
【0030】上記回転位置検出部3は、増幅器IC1の
非反転入力に抵抗回路2の中性点の電圧VMを入力する
と共に、増幅器IC1の反転入力に抵抗R1を介してグラ
ンドGNDを接続し、増幅器IC1の出力と反転入力と
の間に抵抗R2を接続した差動増幅器31と、上記差動
増幅器31の出力に一端が接続された抵抗R3とその抵
抗R3の他端とグランドGNDとの間に接続されたコン
デンサC1とからなる積分器32と、上記積分器32の
抵抗R3の他端と非反転入力が接続され、反転入力にグ
ランドGNDが接続された増幅器IC2からなる零クロ
スコンパレータ33とを備えている。そして、上記電機
子コイル1a,1b,1cの中性点は、グランドGNDを介
して差動増幅器31の反転入力に接続されているので、
差動増幅器31は、抵抗回路2の中性点の電圧VMと電
機子コイル1a,1b,1cの中性点の電圧VNとの電位差V
MNを検出する。
【0031】また、上記インバータ部20は、直流電源
9の正極側に夫々接続された3つのトランジスタ20a,
20b,20cと、直流電源9の負極側に夫々接続された
3つのトランジスタ20d,20e,20fとから構成され
ている。上記トランジスタ20aのエミッタとトランジ
スタ20dのコレクタを互いに接続し、トランジスタ2
0bのエミッタとトランジスタ20eのコレクタを互いに
接続し、トランジスタ20cのエミッタとトランジスタ
20fのコレクタを互いに接続している。上記トランジ
スタ20a,20dの互いに接続された部分にU相の電機
子コイル1aを接続し、トランジスタ20b,20eの互い
に接続された部分にV相の電機子コイル1bを接続し、
トランジスタ20c,20fの互いに接続された部分にW
相の電機子コイル1cを接続している。そして、上記各
トランジスタ20a〜20fのコレクタとエミッタとの間
にダイオードを夫々逆並列接続している。
【0032】また、上記マイコン4は、図2に示すよう
に、図1に示す回転位置検出部3からの位置信号が外部
割込端子を介して入力に接続され、その入力と出力1,
2,3のいずれか一つとを切り換え接続するタイマ選択
手段の一例としてのタイマ選択スイッチSW1と、上記
タイマ選択スイッチSW1の出力1に接続され、位置信
号によりスタートする第1タイマとしての位相補正用の
タイマT1と、上記タイマ選択スイッチSW1の出力2に
接続され、位置信号によりスタートする第2タイマとし
ての位相補正用のタイマT2と、上記タイマ選択スイッ
チSW1の出力3に接続され、位置信号によりスタート
する第3タイマとしての位相補正用のタイマT3とを備
えている。また、上記位置信号を受けて、電機子コイル
1a,1b,1cの電圧パターンの周期を測定する周期測定
タイマT4と、上記周期測定タイマT4からの測定された
タイマ値を受けて、そのタイマ値から電機子コイル1a,
1b,1cの電圧パターンの周期を演算して、周期を表わ
す周期信号を出力する周期演算部41と、上記周期演算
部41からの周期信号と外部からの位相量指令信号とを
受けて、その周期から位相量に相当するタイマ値を演算
して、位相補正用のタイマT1,T2,T3にタイマ値設定
信号を出力するタイマ値演算手段としてのタイマ値演算
部42とを備えている。
【0033】さらに、上記マイコン4は、位相補正用の
タイマT1からの割込信号IRQ1と位相補正用のタイマ
T2からの割込信号IRQ2と位相補正用のタイマT3か
らの割込信号IRQ3とを受けて、電圧パターン信号を
出力するインバータモード選択部43と、上記周期演算
部41からの周期信号を受けて、回転速度を演算して現
在速度信号を出力する速度演算部44と、上記速度演算
部44からの現在速度信号と外部からの速度指令信号と
を受けて、電圧指令信号を出力する速度制御部45と、
上記インバータモード選択部43からの電圧パターン信
号と速度制御部45からの電圧指令信号を受けて、スイ
ッチング信号を出力するPWM(パルス幅変調)部52と
を備えている。なお、上記位相補正用のタイマT1,タイ
マT2,タイマT3,周期測定用タイマT4,周期演算部4
1,タイマ値演算部42およびタイマ選択スイッチSW1
で位相補正手段を構成している。
【0034】なお、上記マイコン4のインバータモード
選択部43は、180度通電方式の電圧パターン信号を
出力している。また、上記周期演算部41,タイマ値演
算部42,インバータモード選択部43および速度制御
部45は、CPU(中央処理装置)50のソフトウェア
で構成されている。そして、上記CPU50には、後述
するフローチャートで示された処理用の変数等を格納す
るメモリ51を接続している。
【0035】上記構成において、ブラシレスDCモータ
が位置検出に従って駆動されているとき、電機子コイル
1a,1b,1cの各U相,V相,W相の誘起電圧EU,EV,EW
は、図3(A)〜(C)に示すように、120deg毎に位相の
異なる台形状の波形となる。そして、図1に示す回転位
置検出部3の差動増幅器31は、増幅器IC1の反転入
力に入力された抵抗回路2の中性点の電圧VMと、増幅
器IC1の非反転入力に入力された電機子コイル1a,1
b,1cの中性点の電圧VNとの電位差VMN(図3(D)に示
す)を検出する。そして、上記差動増幅器31からの電
位差VMNを表わす信号を受けて、積分器32は、この電
位差VMNを表わす信号を積分して、積分信号∫VMNdt
(図3(E)に示す)を出力する。上記積分信号∫VMNdt
は、回転周波数の3倍の周波数の略正弦波形となる。上
記積分器32からの積分信号∫VMNdtを零クロスコンパ
レータ33の非反転入力に入力する。そして、上記零ク
ロスコンパレータ33は、非反転入力に入力された積分
信号∫VMNdtと反転入力に接続されたグランドGNDの
基準電圧とを比較して、位置信号(図3(F)に示す)を出
力する。
【0036】次に、上記零クロスコンパレータ33から
の位置信号は、マイコン4の外部割込端子からタイマ選
択スイッチSW1に入力されると共に、周期測定タイマ
T4に入力される。そして、上記周期測定タイマT4は、
上記位置信号のリーディングエッジからトレイリングエ
ッジまでの期間とトレイリングエッジからリーディング
エッジまでの期間とを測定して、測定されたタイマ値を
出力する。上記周期測定タイマT4からのタイマ値を表
わす信号を受けて、周期演算部41は、電機子コイル1
a,1b,1cの電圧パターンの周期を求める。すなわち、
上記位置信号のトレイリングエッジからリーディングエ
ッジまでの期間とリーディングエッジからトレイリング
エッジまでの期間は、60deg毎に繰り返され、測定さ
れた各期間のタイマ値を6倍することによって、上記電
圧パターンの一周期分のタイマ値を求めるのである。
【0037】そして、上記周期演算部41からの周期を
表わす周期信号と外部からの位相量指令信号とを受け
て、タイマ値演算部42はタイマ値設定信号を出力す
る。上記タイマ値演算部42からのタイマ値設定信号を
受けて、位相補正用のタイマT1,T2,T3は、順に位置
信号から電圧パターンを切り換えるまでの時間を計時す
る。すなわち、上記タイマ選択スイッチSW1により選
択された位相補正用のタイマT1,T2,T3は、カウント
が終了するとインバータモード選択部43に割込信号I
RQ1,IRQ2,IRQ3を夫々出力し、インバータモー
ド選択部43は、位相補正された電圧パターン信号(図
3(K)〜(Q)に示す)をPWM部52に出力するのであ
る。そして、上記PWM部52は、スイッチング信号を
図1に示すベース駆動回路5に出力して、ベース駆動回
路5はインバータ部20に転流制御信号を出力すると、
インバータ部20の各トランジスタ20a〜20fは、夫
々オンオフする。なお、図3(G)の位置信号番号は、説
明を容易にするために位置信号の一周期分に対して0〜
5の番号を割り当てたものである。また、図3(R)に示
すインバータモードは、図3(K)〜(Q)に示す電圧パター
ン信号に対応するように0〜5の番号を割り当てたもの
である。
【0038】以下、上記マイコン4の動作を図4,図5
(a)〜(c)のフローチャートに従って説明する。なお、上
記マイコン4の外部割込端子に入力される位置信号の立
ち上がり,立ち下がり毎に割込処理1を行う。また、タ
イマ選択SWは、タイマ選択スイッチSW1の選択状態
を示すフラグであり、タイマ選択SWを1,2,3にする
ことによりタイマ選択スイッチSW1の出力1,2,3が
選択される。
【0039】まず、ステップS101でタイマ選択SWを
更新する。すなわち、タイマ選択スイッチSW1を、こ
の割込処理1が繰り返されるごとに順次切り換えるので
ある。
【0040】次に、ステップS102でタイマ選択SWに
より選択された位相補正用のタイマT1,T2,T3のいず
れか一つがカウント中か否かを確認する。例えば、上記
タイマT1が選択されて、ステップS102において位相補
正用のタイマT1がカウント中の場合、ステップS111に
進み、選択されたタイマT1をストップする。すなわ
ち、上記タイマT1が選択されたときにカウント中の場
合、次のスタートに備えて、タイマT1をストップさせ
るのである。そして、ステップS112に進み、次の電圧
パターンを出力して、ステップS103に進む。一方、上
記ステップS102で選択された位相補正用のタイマT1が
カウント中でない場合、ステップS103に進む。
【0041】次に、ステップS103で外部からの位相量
指令信号に基づいて、位相補正タイマ値を演算する。次
に、ステップS104でインバータモードを1ステップ進
めて、ステップS105に進む。そして、ステップS105で
タイマ選択SWで選択された位相補正用のタイマT1,T
2,T3のいずれか一つにステップS103で求めた位相補正
タイマ値をセットする。その後、ステップS106でタイ
マ選択SWで選択された位相補正用のタイマT1,T2,T
3のいずれか一つをスタートする。
【0042】次に、ステップS107で周期測定タイマT4
をストップして、周期測定タイマT4のタイマ値を読み
込んだ後、ステップS108に進み、周期測定タイマT4を
セットしてスタートする。そして、ステップS109で周
期演算結果よりモータ回転速度を演算する。すなわち、
上記周期演算部41からの位置信号の周期よりモータ回
転速度を換算して求めるのである。そして、ステップS
110で外部からの速度指令信号に基づいて、速度制御を
行って電圧指令信号を出力して、割込処理1を終了す
る。
【0043】そして、上記割込処理1において夫々スタ
ートされた位相補正用のタイマT1,T2,T3のカウント
が終了すると、各タイマT1,T2,T3は割込信号IRQ
1,IRQ2,IRQ3を出力して、図5(a)〜(c)示す割込
処理2,3,4が行われる。
【0044】つまり、上記位相補正用のタイマT1のカ
ウントが終了して、割込信号IRQ1を出力すると、図
5(a)に示すように、ステップS121で電圧パターンを出
力して、割込処理2を終了する。
【0045】また、図5(b)に示すように、位相補正用
のタイマT2のカウントが終了して割込信号IRQ2を出
力すると、ステップS131で電圧パターンを出力して、
割込処理3を終了する。
【0046】また、図5(c)に示すように、位相補正用
のタイマT3のカウントが終了して割込信号IRQ3を出
力すると、ステップS141で電圧パターンを出力して、
割込処理4を終了する。
【0047】例えば、図3(H),(I),(J)に示すように、
位置信号番号(図3(G)に示す)の2から3に替わる点を
基準点とすると、位相補正用のタイマT1,T2,T3は、
位置信号番号の3,4,5の順に選択されてスタートす
る。そして、位相補正タイマ値を位相角80degに相当
する値とすると、タイマT1のカウントが終了した点で
図3(R)に示すインバータモードを1ステップ進めて
[0]とする。次に、上記タイマT2のカウントが終了し
た点でインバータモードを1ステップ進めて[1]とす
る。次に、上記タイマT3のカウントが終了した点でイ
ンバータモードを1ステップ進めて[2]とする。そし
て、次の位置信号番号0,1,2で同様に位相補正用のタ
イマT1,T2,T3を順にスタートさせて、タイマT1,T
2,T3のカウントの終了に伴ってインバータモードを順
に1ステップ進めて[3],[4],[5]として、インバータ
モード[0]〜[5]を繰り返す。
【0048】また、モータ始動時の同期運転から位置検
出運転に切り替える場合、同期運転中は始動トルクが十
分得られるようにインバータ部20の出力電圧を大きめ
に設定するため、誘起電圧基本波に対するインバータ部
20の出力電圧の基本波の位相は図32に示す位置検出
運転切替時のポイントとなり、位相補正角は図33で示
すように略150degとなる。なお、図33は第1実施
例における位置信号タイミングから電圧パターン出力ま
での位相補正角を縦軸に取っており、図32の位相角と
の関係は、位相角=150°−位相補正角で表せる。こ
のとき、上記タイマT1,T2,T3によって、位置信号か
ら電機子コイル1a,1b,1cの電圧パターンを切り換え
るまでの時間を調整して位相補正し、図33に示すよう
に位相補正角を遅れ側にして切り替え前後の電機子コイ
ル1a,1b,1cの電圧パターンの位相を略同一にするこ
とによって、モータ始動時の同期運転から位置検出運転
への切り替えを滑らかに行う。
【0049】図26(a)〜(c)は、同期運転から位置検出
運転に切り換えるときに位相補正角を150deg,120
deg,90degにした場合のモータ電流波形を示してい
る。図26(b),(c)は切替時にモータ電流の過渡変化が
大きくなっているのに対して、図26(a)の位相補正角
150degではモータ電流の過渡変化はなく、切り替え
が滑らかに行われ、インバータ部20のスイッチング素
子に大きな負担をかけることなく、脱調も防止すること
ができる。
【0050】したがって、例えば回転位置検出部3のフ
ィルタの周波数特性の影響,モータの負荷および回転速
度に伴って、電機子コイル1a,1b,1cに誘起される誘
起電圧EU,EV,EWに対するインバータ出力電圧の位相
がモータの高効率点からはずれて運転される場合でも、
位置信号を位相補正して得られた電圧パターン信号のタ
イミングで電圧パターンを切り換えることで、最適な効
率でモータを運転することができる。また、図33に示
すように、埋込磁石構造PMモータを駆動したときで
も、モータを最大効率で運転する位相補正角の全範囲を
満足することができる。
【0051】また、図29に示すように、この180度
通電方式のブラシレスDCモータを圧縮機を負荷にして
駆動するとき、モータの回転数とトルクの関係は、曲線
3で示される運転エリア(曲線A3)内の最大運転領域と
なる。したがって、圧縮機等の負荷に対して全運転エリ
ア(曲線A3)内の領域でモータの性能を最大限に発揮さ
せて、モータを高効率で運転することができる。なお、
曲線A2は120度通電方式とした場合の最大運転領域
を示しており、これに対して上記180度通電方式のブ
ラシレスDCモータは、インバータ部20の最大出力電
圧が大きく、運転可能範囲が広くなる。
【0052】また、モータ始動時に位相補正角を大きく
することによって、モータ始動時の同期運転から位置検
出運転に切り替えるときのモータ電流の過渡変化を抑制
することができる。
【0053】(第2実施例) 図1はこの発明の第2実施例のブラシレスDCモータの
構成を示しており、マイコン14以外は第1実施例と同
一の構成をしており説明を省略する。また、図6は、上
記マイコン14の構成を示しており、位相補正用のタイ
マが二つ(タイマT1,T2)と、それに合わせてタイマ選
択スイッチが異なる以外は第1実施例のマイコン4と同
一の構成をしており、同一の構成部は同一参照番号を付
して説明を省略する。
【0054】図6において、回転位置検出部3(図1に
示す)からの位置信号をタイマ選択スイッチSW2の入力
に接続し、そのタイマ選択スイッチSW2の出力1に第
1タイマとしての位相補正用のタイマT1を接続し、出
力2に第2タイマとしての位相補正用のタイマT2を接
続している。また、上記マイコン14のCPU50に
は、ソフトウェアにより構成されたタイマ制御手段を含
んでおり、そのタイマ制御手段は、上記タイマT1,T2
のスタートを、スタートすべき位置信号の立ち上がりま
たは立ち下がりの基準点から位置信号が所定番目の切り
換わり時点まで遅らせるようにする。なお、上記位相補
正用のタイマT1,タイマT2,周期測定用タイマT4,周期
演算部41,タイマ値演算部42およびタイマ選択スイ
ッチSW2で位相補正手段を構成している。
【0055】以下、上記マイコン14の動作を図11〜
13のフローチャートに従って説明する。なお、上記マ
イコン14の外部割込端子に入力される位置信号の立ち
上がり,立ち下がり毎に割込処理1を行う。また、タイ
マ選択SWは、タイマ選択スイッチSW2の選択状態を
示すフラグであり、タイマ選択SWを1,2にすること
によりタイマ選択スイッチSW2の出力1,2が夫々選択
される。
【0056】まず、図11において、ステップS201で
タイマ選択SWが1か否かを判別する。そして、ステッ
プS201でタイマ選択SWが1の場合、ステップS211に
進み、位相補正用のタイマT1がカウント中か否かを判
別する。そして、ステップS211で位相補正用のタイマ
T1がカウント中である場合、ステップS212に進み、位
相補正用のタイマT1をストップさせて、ステップS213
に進み、電圧パターンを出力する。すなわち、上記タイ
マT1が選択されたときにカウント中の場合、次のスタ
ートに備えて、タイマT1をストップさせるのである。
一方、ステップS211で位相補正用のタイマT1がカウン
ト中でない場合、ステップS202に進む。
【0057】一方、ステップS201でタイマ選択SWが
1でない場合、すなわちタイマ選択SWが2の場合、ス
テップS214に進み、タイマT2がカウント中か否かを判
別する。そして、ステップS214でタイマT2がカウント
中である場合、ステップS215に進み、タイマT2をスト
ップさせて、ステップS216に進み、電圧パターンを出
力する。すなわち、上記タイマT2が選択されたときに
カウント中の場合、次のスタートに備えて、タイマT2
をストップさせるのである。一方、ステップS214でタ
イマT2がカウント中でない場合、ステップS202に進
む。
【0058】次に、ステップS202で補正角(外部からの
位相量指令信号に基づく位相補正角)が120deg以上か
否かを判別し、補正角が120deg以上の場合、ステッ
プS221に進み、位相補正Bにする。そして、ステップ
S222に進み、前回が位相補正A(図11では補正Aとす
る)であるか否かを判別し、前回が位相補正Aである場
合、ステップS223に進み、補正切換要求をしてステッ
プS203に進む一方、前回が位相補正Aでない場合、ス
テップS203に進む。
【0059】一方、ステップS202で補正角が120deg
未満である場合、ステップS224に進み、位相補正Aに
する。そして、ステップS225に進み、前回が位相補正
B(図11では補正Bとする)であるか否かを判別して、
前回が位相補正Bである場合、ステップS226に進み、
補正切換要求をしてステップS203に進む一方、前回が
位相補正Bでない場合、ステップS203に進む。
【0060】次に、ステップS203で位相補正タイマ値
を演算する。すなわち、タイマ値TISOU1に位相補
正角に応じたタイマ値をセットすると共に、タイマ値T
ISOU1から60degに相当するタイマ値を減算して、
タイマ値TISOU2にセットする。そして、ステップ
S204でインバータモードを1ステップ進める。
【0061】次に、図12に示すステップS205に進
み、補正切換要求が有るか否かを判別して、補正切換要
求が有る場合、ステップS231に進み、位相補正A(図1
2では補正Aとする)か否かを判別する。そして、ステ
ップS231で位相補正Aである場合、ステップS233に進
み、タイマ選択SWが2か否かを判別して、タイマ選択
SWが2の場合、ステップS241に進む。次に、ステッ
プS241で位相補正用のタイマT1がカウント中か否かを
判別し、位相補正用のタイマT1がカウント中の場合、
ステップS242に進む。そして、ステップS242で位相補
正用のタイマT1をストップさせる。すなわち、上記タ
イマT1が選択されたときにカウント中の場合、次のス
タートに備えて、タイマT1をストップさせるのであ
る。その後、ステップS243で電圧パターンを出力し
て、ステップS244に進む。一方、ステップS241で位相
補正用のタイマT1がカウント中でない場合、ステップ
S244に進み、位相補正用のタイマT1にタイマ値TIS
OU1をセットする。そして、ステップS245に進み、タ
イマT2にタイマ値TISOU2をセットする。次に、ス
テップS246で位相補正用のタイマT1とタイマT2をス
タートして、ステップS247に進み、タイマ選択SWを
2にして、ステップS232に進む。
【0062】一方、ステップS233でタイマ選択SWが
2でない場合、ステップS251に進み、タイマT2がカウ
ント中か否かを判別し、タイマT2がカウント中の場
合、ステップS252に進む。そして、ステップS252でタ
イマT2をストップさせる。すなわち、上記タイマT2が
選択されたときにカウント中の場合、次のスタートに備
えて、タイマT2をストップさせるのである。その後、
ステップS253で電圧パターンを出力して、ステップS2
54に進む。一方、ステップS251でタイマT2がカウント
中でない場合、ステップS254に進み、タイマT2にタイ
マ値TISOU1をセットする。そして、ステップS255
に進み、タイマT1にタイマ値TISOU2をセットす
る。次に、ステップS256で位相補正用のタイマT1とタ
イマT2をスタートして、ステップS257に進み、タイマ
選択SWを1にして、ステップS232に進む。
【0063】一方、ステップS231で位相補正Aでない
と判別した場合、ステップS234に進み、タイマ選択S
Wが2か否かを判別して、タイマ選択SWが2と判別し
た場合、ステップS261に進み、位相補正用のタイマT1
をストップする。そして、ステップS262に進み、位相
補正用のタイマT1にタイマ値TISOU2をセットす
る。次に、ステップS263で位相補正用のタイマT1をス
タートさせて、ステップS264に進み、タイマ選択SW
を2にして、ステップS232に進む。一方、ステップS2
34でタイマ選択SWが2でないと判別した場合、ステッ
プS271に進み、タイマT2をストップする。そして、ス
テップS272に進み、タイマT2にタイマ値TISOU2
をセットする。次に、ステップS273でタイマT2をスタ
ートさせ、ステップS274に進み、タイマ選択SWを1
にして、ステップS232に進む。
【0064】そして、ステップS232で補正切換要求を
解除して、ステップS206に進む。
【0065】次に、ステップS205で補正切換要求がな
いと判別した場合、図13に示すステップS235に進
み、タイマ選択SWが2か否かを判別して、タイマ選択
SWが2の場合、ステップS281に進み、位相補正A(図
13では補正Aとする)か否かを判別する。そして、ス
テップS281で位相補正Aであると判別した場合、ステ
ップS282に進み、タイマT2にタイマ値TISOU1を
セットして、ステップS284に進む。一方、ステップS2
81で位相補正Aでないと判別した場合、ステップS283
に進み、タイマT2にタイマ値TISOU2をセットし
て、ステップS284に進む。そして、ステップS284でタ
イマT2をスタートさせて、ステップS285に進み、タイ
マ選択SWを1にして、図14に示すステップS206に
進む。
【0066】一方、ステップS235でタイマ選択SWが
2でないと判別した場合、ステップS291に進み、位相
補正Aか否かを判別する。そして、ステップS291で位
相補正Aであると判別した場合、ステップS292に進
み、タイマT1にタイマ値TISOU1をセットして、ス
テップS294に進む。一方、ステップS291で位相補正A
でないと判別した場合、ステップS293に進み、タイマ
T1にタイマ値TISOU2をセットして、ステップS29
4に進む。そして、ステップS294でタイマT1をスター
トさせて、ステップS295に進み、タイマ選択SWを2
にして、図14に示すステップS206に進む。
【0067】次に、図14に示すように、ステップS20
6で周期測定タイマT4をストップし、周期測定タイマT
4からタイマ値を読み込む。そして、ステップS207で周
期測定タイマT4をセットしてスタートする。次に、ス
テップS208で周期演算結果よりモータ回転速度を演算
する。すなわち、上記周期演算部41からの位置信号の
周期より回転速度を換算して求めるのである。その後、
ステップS209に進み、外部からの速度指令信号に基づ
いて、速度制御を行い電圧指令信号を出力して、割込処
理1を終了する。
【0068】そして、上記割込処理1により夫々スター
トされた位相補正用のタイマT1,T2は、カウントが終
了すると割込信号IRQ1,IRQ2を出力して、割込処
理2,3が行われる。
【0069】つまり、図15(a)に示すように、位相補
正用のタイマT1のカウントが終了して割込信号IRQ1
を出力すると、ステップS210で電圧パターンを出力し
て、割込処理2を終了する。
【0070】また、図15(b)に示すように、位相補正
用のタイマT2のカウントが終了して割込信号IRQ2を
出力すると、ステップS220で電圧パターンを出力し
て、割込処理3を終了する。
【0071】このようにして、位相補正Aは0deg〜1
20degの位相補正を行い、位相補正Bは120deg〜1
80degの位相補正を行う。図7は位相補正Aにおける
このブラシレスDCモータの各部の信号を示し、図8は
位相補正BにおけるこのブラシレスDCモータの各部の
信号を示している。なお、上記図7(A)〜(G),図8(A)〜
(G)は、第1実施例の図3(A)〜(G)と同一の信号を示し
ており説明を省略する。
【0072】図7(H),(I)に示すように、位相補正用の
タイマT1,T2は、位置信号番号(図7(G)に示す)毎に順
次選択されてスタートする。例えば、位置信号番号の2
から3に替わる点を基準点として、タイマT1の位相補
正タイマ値を80degに相当する値にセットすると、基
準点より80deg遅れてインバータモード(図7(Q)に示
す)を1ステップ進めて[0]にする。また、図8(H),(I)
に示すように、位相補正用のタイマT1,T2は、位置信
号番号(図8(G)に示す)毎に順次選択されてスタートす
る。例えば、位置信号番号の2から3に替わる点を基準
点として、位相補正タイマ値を140degに相当する値
とすると、タイマT1はスタートすべき基準点より位置
信号番号を一つ分(60deg分)スタートを遅らせて、タ
イマT1のタイマ値を80deg(=140deg−60deg)に
相当する値にセットして、カウントすることによって、
基準点より140deg遅れてインバータモード(図8(Q)
に示す)を1ステップ進めて[0]の状態にする。
【0073】そして、上記位相補正Aから位相補正Bへ
の切り替えは、図9(A)〜(D)に示すように行われる。す
なわち、上記位相補正用のタイマT1,T2(図9(B),(C)
に示す)のタイマ値が位相補正角120degよりわずかに
小さい位相補正Aの状態から、位置信号番号(図9(A)に
示す)の0から1に替わる点で位相補正角が120degを
越えた場合、位置信号番号の0から1に替わる点を位相
補正切替点としてカウント中のタイマT2をストップさ
せ、インバータモード(図9(D)に示す)を1ステップ進
めると共に、位相補正角から60deg減算した位相角に
相当するタイマ値をタイマT2に設定した後、タイマT2
をスタートさせる。そして、次の位置信号番号1から2
に替わる点で位相補正角から60deg減算した位相角に
相当するタイマ値をタイマT1にセットして、タイマT1
をスタートさせた後、タイマT1,T2を交互に動作させ
て、位相補正Bの状態に切り替える。
【0074】一方、上記位相補正Bから位相補正Aへの
切り替えは、図10(A)〜(D)に示すように行われる。す
なわち、上記位相補正用のタイマT1,T2(図10(B),
(C)に示す)のタイマ値が位相補正角120degよりわず
かに大きい位相補正Bの状態から、位置信号番号(図1
0(A)に示す)の4から5に替わる点で位相補正角が12
0deg未満になった場合、位置信号番号の4から5に替
わる点を位相補正切替点としてタイマT2に位相補正角
から60deg減算した位相角に相当するタイマ値を設定
した後、タイマT2をスタートさせると共に、位相補正
角に相当するタイマ値をタイマT1に設定した後、タイ
マT1をスタートさせる。そして、次の位置信号番号の
5から0に替わる点で位相補正角に相当するタイマ値を
タイマT2にセットして、タイマT2をスタートさせた
後、タイマT1,T2を交互に動作させて、位相補正Aの
状態に切り替える。
【0075】したがって、例えば回転位置検出部3のフ
ィルタの周波数特性の影響,モータの負荷および回転速
度に伴って、電機子コイル1a,1b,1cに誘起される誘
起電圧EU,EV,EWに対するインバータ出力電圧の位相
がモータの高効率点からはずれて運転される場合でも、
位置信号を位相補正して得られた電圧パターン信号のタ
イミングで電圧パターンを切り換えることで、最適な効
率でモータを運転することができる。なお、図25は、
このブラシレスDCモータの位相補正角とモータ効率の
関係を実験により測定したもので、インバータ入力電流
15A,10A,5Aにおいて、位相補正角を調整してモー
タの効率をピーク点にすることができた。
【0076】また、モータ始動時に位相補正角を略15
0deg等のように大きくすることによって、モータ始動
時の同期運転から位置検出運転に切り替えるときのモー
タ電流の過渡変化を抑制することができる。
【0077】また、上記第1実施例に比べて、位相補正
用のタイマT1,T2の二つで広い範囲の位相補正がで
き、コストを低減することができる。
【0078】(第3実施例) 図1はこの発明の第3実施例のブラシレスDCモータの
構成を示しており、マイコン24以外は第1実施例と同
一の構成をしており説明を省略する。また、図16は上
記マイコン24の構成を示しており、位相補正用のタイ
マが一つ(タイマT1)と、それに合わせてタイマ選択ス
イッチがない以外は第1実施例のマイコン4と同一の構
成をしており、同一の構成部は同一参照番号を付して説
明を省略する。
【0079】図16において、回転位置検出部3(図1
に示す)からの位置信号を位相補正用のタイマT1に接続
している。また、上記マイコン14のCPU50には、
ソフトウェアにより構成されたタイマ制御手段を含んで
おり、そのタイマ制御手段は、上記タイマT1のスター
トを、スタートすべき位置信号の立ち上がりまたは立ち
下がりの基準点から位置信号が所定番目の切り換わり時
点まで遅らせるようにしている。なお、上記位相補正用
のタイマT1,周期測定タイマT4,周期演算部41および
タイマ値演算部42で位相補正手段を構成している。
【0080】以下、上記マイコン24の動作を図22〜
24のフローチャートに従って説明する。なお、上記マ
イコン24の外部割込端子に入力される位置信号の発生
間隔毎に割込処理1を行う。
【0081】まず、図22において、ステップS301で
位相補正用のタイマT1がカウント中か否かを判別し
て、タイマT1がカウント中と判別した場合、ステップ
S311に進み、タイマT1をストップさせる。すなわち、
上記タイマT1がカウント中の場合、次のスタートに備
えて、タイマT1をストップさせるのである。次に、ス
テップS312で電圧パターンを出力して、ステップS302
に進む。一方、ステップS301でタイマT1がカウント中
でないと判別した場合、ステップS302に進む。
【0082】次に、ステップS302で補正角(外部からの
位相量指令信号に基づく位相補正角)が60deg以上であ
るか否かを判別して、補正角が60deg以上である場
合、ステップS321に進み、補正角が120deg以上か否
かを判別する。そして、ステップS321で補正角が12
0deg以上の場合、ステップS323に進み、位相補正E
(図22では補正Eとする)とし、ステップS324に進
む。そして、ステップS324で前回が位相補正Cまたは
位相補正Dか否かを判別して、前回が位相補正Cまたは
位相補正Dであると判別した場合、ステップS325に進
み、補正切替要求を行った後、ステップS303に進む。
一方、ステップS324で前回が位相補正Cまたは位相補
正Dでないと判別した場合、ステップS303に進む。
【0083】一方、ステップS321で補正角が120deg
未満の場合、ステップS326に進み、位相補正D(図22
では補正Dとする)として、ステップS327に進む。そし
て、ステップS327で前回が位相補正Cまたは位相補正
Eか否かを判別して、前回が位相補正Cまたは位相補正
Eであると判別した場合、ステップS328に進み、補正
切替要求を行った後、ステップS303に進む。一方、ス
テップS327で前回が位相補正Cまたは位相補正Eでな
いと判別した場合、ステップS303に進む。また、ステ
ップS302で補正角が60deg未満の場合、ステップS33
1に進み、位相補正C(図22では補正Cとする)とし
て、ステップS332に進む。そして、ステップS332で前
回が位相補正Dまたは位相補正Eか否かを判別して、前
回が位相補正Dまたは位相補正Eであると判別した場
合、ステップS333に進み、補正切替要求を行った後、
ステップS303に進む。一方、ステップS332で前回が位
相補正Dまたは位相補正Eでない場合、ステップS303
に進む。
【0084】次に、ステップS303でタイマ値TISO
Uを位相補正C,D,E毎に計算する。すなわち、位相補
正Cでは、タイマ値TISOUに位相補正角に応じたタ
イマ値をセットし、位相補正Dでは、タイマ値TISO
Uに位相補正角から60deg減算した位相角に応じたタ
イマ値をセットし、位相補正Eでは、タイマ値TISO
Uに位相補正角から120deg減算した位相角に応じた
タイマ値をセットする。そして、ステップS304でイン
バータモードを1ステップ進める。
【0085】次に、図23に示すように、ステップS30
5で補正切替要求が有るか否かを判別し、補正切替要求
が有る場合、ステップS341に進み、補正切替が位相補
正Cから位相補正Dまたは位相補正Dから位相補正Eに
切替わるか否かを判別して、補正切替が位相補正Cから
位相補正Dまたは位相補正Dから位相補正Eに切替わる
場合、ステップS342に進み、補正切替要求を解除し
て、ステップS306に進む。
【0086】一方、ステップS341で補正切替が位相補
正Cから位相補正Dまたは位相補正Dから位相補正Eに
切替わらない場合、すなわち位相補正Dから位相補正C
または位相補正Eから位相補正Dに切替わる場合、ステ
ップS343に進み、電圧パターンを出力する。そして、
ステップS345に進み、ステップS303で計算したタイマ
値TISOUをタイマT1に設定した後、ステップS346
でタイマT1をスタートさせる。次に、ステップS347に
進み、補正切替要求を解除して、ステップS306に進
む。
【0087】また、ステップS305で補正切替要求がな
いと判別した場合、ステップS351に進み、ステップS3
03で計算したタイマ値TISOUをタイマT1に設定
し、ステップS352でタイマT1をスタートさせ、ステッ
プS306に進む。
【0088】そして、ステップS306で周期測定タイマ
T4をストップし、周期測定タイマT4のタイマ値を読み
込み、ステップS307に進む。次に、ステップS307で周
期測定タイマT4をセットしてスタートさせ、次の周期
測定を開始する。そして、ステップS308で周期演算部
41により周期測定タイマT4の値から周期演算を行
い、その演算結果から速度制御部44によりモータの回
転速度を演算する。次に、ステップS309で速度制御部
45は外部からの速度指令信号に基づき速度制御を行っ
て、電圧指令信号を出力する。
【0089】また、図24に示すように、タイマT1の
カウントが終了して、タイマT1より割込信号IRQ1を
出力すると、ステップS361で電圧パターンを出力し
て、割込処理2を終了する。
【0090】このようにして、上記位相補正Cは0deg
〜60degの位相補正を行い、位相補正Dは60deg〜1
20degの位相補正を行い、位相補正Eは120deg〜1
80degの位相補正を行う。図17(A)〜(P)は位相補正
CにおけるこのブラシレスDCモータの各部の信号を示
し、図18(A)〜(P)は位相補正Dにおけるこのブラシレ
スDCモータの各部の信号を示し、図19(A)〜(P)は位
相補正EにおけるこのブラシレスDCモータの各部の信
号を示している。なお、上記図17(A)〜(G),図18(A)
〜(G)および図19(A)〜(G)は、第1実施例の図3(A)〜
(G)と同一の信号を示し説明を省略する。
【0091】図17(H)に示すように、タイマT1は、位
置信号番号(図17(G)に示す)毎に順次スタートする。
そして、例えば位置信号番号の2から3に替わる点を基
準点として、位相補正角を20degにとすると、基準点
より20deg遅れてインバータモード(図17(P)に示す)
を1ステップ進めて[0]にする。また、図18(H)に示
すように、タイマT1は、位置信号番号(図18(G)に示
す)毎に順次スタートする。例えば、位置信号番号の2
から3に替わる点を基準点として、位相補正角を80de
gにすると、基準点から位置信号番号を一つ遅らせて、
位置信号番号の3から4に替わる点でタイマT1がスタ
ートして、基準点より80deg遅れてインバータモード
(図18(P)に示す)を1ステップ進めて[0]にする。さ
らに、図19(H)に示すように、タイマT1は、位置信号
番号(図19(G)に示す)毎に順次スタートする。例え
ば、位置信号番号の2から3に替わる点を基準点とし
て、位相補正角を140degにすると、基準点から位置
信号番号を二つ遅らせて、位置信号番号の4から5に替
わる点でタイマT1がスタートして、基準点より140d
eg遅れてインバータモード(図19(P)に示す)を1ステ
ップ進めて[0]にする。
【0092】そして、上記位相補正Cから位相補正Dへ
の切り替えは、図20(A)〜(C)に示すように行われる。
すなわち、上記タイマT1のタイマ値が位相補正角60d
egに相当する値よりわずかに小さい位相補正Cの状態か
ら、位置信号番号(図20(A)に示す)の3から4に替わ
る点で位相補正角が60degを越えた場合、位置信号番
号の3から4に替わる点を位相補正切替点として、イン
バータモード(図20(C)に示す)を1ステップ進める。
そして、次の位置信号のタイミング4から5に替わる点
で位相補正角から60deg減算した位相角に相当するタ
イマ値をタイマT1に設定した後、タイマT1をスタート
させる。以下、上記位置信号が発生する間隔毎にタイマ
T1に位相補正角から60deg減算した位相角に相当する
タイマ値をタイマT1に設定して、タイマT1をスタート
させて、位相補正Dの状態に切り替える。
【0093】一方、上記位相補正Dから位相補正Cへの
切り替えは、タイマT1のタイマ値が補正角60degに相
当する値よりわずかに大きい位相補正Dの状態におい
て、位置信号番号の2から3に替わる点で補正角が60
deg未満になった場合、位置信号番号の2から3に替わ
る点を位相補正切替点として、インバータモードを1ス
テップ進めると共に、位相補正角に相当するタイマ値を
タイマT1に設定した後、タイマT1をスタートさせる。
以下、上記位置信号が発生する間隔毎に位相補正角に応
じたタイマ値をタイマT1に設定して、タイマT1をスタ
ートさせて、位相補正Cの状態に切り替える。
【0094】また、上記位相補正Dから位相補正Eへの
切り替えは、図21(A)〜(C)に示すように行われる。す
なわち、上記タイマT1のタイマ値が位相補正角120d
egに相当する値よりわずかに小さい位相補正Dの状態か
ら、位置信号番号(図21(A)に示す)の3から4に替わ
る点で位相補正角が120deg以上になった場合、位置
信号番号の3から4に替わる点を位相補正切替点とし
て、インバータモード(図21(C)に示す)を1ステップ
進める。そして、次の位置信号のタイミング4から5に
替わる点で位相補正角から120deg減算した位相角に
相当するタイマ値をタイマT1に設定した後、タイマT1
をスタートさせる。以下、上記位置信号が発生する間隔
毎に位相補正角から120deg減算した位相角に相当す
るタイマ値をタイマT1に設定して、タイマT1をスター
トさせて、位相補正Eの状態に切り替える。
【0095】一方、上記位相補正Eから位相補正Dへの
切り替えは、タイマT1のタイマ値が位相補正角120d
egよりわずかに大きい位相補正Eの状態から、位置信号
番号の2から3に替わる点で補正角が120deg未満に
なった場合、位置信号番号の2から3に替わる点を位相
補正切替点として、インバータモードを1ステップ進め
ると共に、位相補正角から60deg減算した位相角に相
当するタイマ値をタイマT1に設定した後、タイマT1を
スタートさせる。以下、上記位置信号が発生する間隔毎
に位相補正角から60deg減算した位相角に相当するタ
イマ値をタイマT1に設定して、タイマT1をスタートさ
せて、位相補正Dの状態に切り替える。
【0096】したがって、例えば回転位置検出部3のフ
ィルタの周波数特性の影響,モータの負荷および回転速
度に伴って、電機子コイル1a,1b,1cに誘起される誘
起電圧EU,EV,EWに対するインバータ出力電圧の位相
がモータの高効率点からはずれて運転される場合でも、
位置信号を位相補正して得られた電圧パターン信号のタ
イミングで電圧パターンを切り換えることで、最適な効
率でモータを運転することができる。
【0097】また、モータ始動時に位相補正角を大きく
することによって、モータ始動時の同期運転から位置検
出運転に切り替えるときのモータ電流の過渡変化を抑制
することができる。
【0098】また、上記第1,2実施例に比べて、位相
補正用のタイマT1一つで広い範囲の位相補正ができ、
コストを低減することができる。
【0099】上記第1,2,3実施例では、周期測定手段
として周期測定タイマT4と周期演算部41を用い、位
置信号のリーディングエッジからトレイリングエッジま
たはトレイリングエッジからリーディングエッジまでの
時間(位相角にして60deg)をカウントして、そのタイ
マ値から電圧パターンの周期を測定したが、周期測定手
段はこれに限らないのは勿論である。上記位置信号のリ
ーディングエッジから次のリーディングエッジまたはト
レイリングエッジから次のトレイリングエッジまでの時
間(位相角にして120deg)をカウントして、電圧パタ
ーンの周期を測定してもよい。
【0100】また、上記第1,2,3実施例では、マイコ
ン4,14,24を用いたが、マイコンの代りに論理回路
等により構成してもよい。
【0101】また、上記第1,2,3実施例では、上記電
機子コイル1a,1b,1cの電圧パターンの切り換え方式
を180度通電方式としたが、電圧パターンの切り換え
方式は180度に限らず、図28に示すように、120
度通電方式等にしてもよい。また、上記第2実施例で
は、位相補正Aの補正範囲を0〜120deg,位相補正B
の補正範囲を120〜180degとしたが、位相補正A
の補正範囲を0〜60deg,位相補正Bの補正範囲を60
〜180degとしてもよい。
【0102】また、上記第1,2,3実施例では、0〜1
80degの補正範囲を可能としたが、補正範囲を0〜1
20degにしてもよい。この場合、上記実施例2では、
位相補正Aのみで可能となり、実施例3では位相補正
C,D,Eのうち位相補正C,Dでも可能である。また、
上記第1,2,3実施例では、0〜180degの補正範囲
としたが、補正範囲を0〜60degとしてもよい。この
場合、上記実施例2では、位相補正Aのみで可能とな
り、実施例3で位相補正C,D,Eのうち位相補正Cのみ
で可能となる。
【0103】
【発明の効果】以上より明らかなように、請求項1の発
明のブラシレスDCモータは、複数極の磁石を有する回
転子と、3相Y結線に接続された電機子コイルを有する
固定子と、上記電機子コイルに対して並列状態で3相Y
結線された抵抗回路と、上記電機子コイルの中性点と上
記抵抗回路の中性点との電位差に基づいて、上記回転子
と上記固定子の相対的な回転位置を検出して、60deg
毎にレベルが切り換わる位置信号を出力する回転位置検
出手段と、上記回転位置検出手段の上記位置信号に基づ
いて、上記電機子コイルの電圧パターンを切り換えるイ
ンバータ部とを備えるブラシレスDCモータにおいて、
位相補正手段は、上記回転位置検出手段からの上記位置
信号を受けて、高効率になるように上記位置信号から上
記電圧パターンを切り換えるまでの時間を調整するもの
であり、上記回転位置検出手段からの位置信号に基づい
て、周期測定手段は電圧パターンの周期を測定し、上記
周期測定手段の出力に基づいて、タイマ値演算手段は、
高効率になるように位置信号から電圧パターンを切り換
えるまでの時間に応じたタイマ値を演算して、第1タイ
マは、上記タイマ値演算手段からのタイマ値に基づい
て、位置信号から電圧パターンを切り換えるまでの時間
を計時し、上記第1タイマの計時中に計時可能な第2タ
イマは、上記タイマ値演算手段からのタイマ値に基づい
て、位置信号から電圧パターンを切り換えるまでの時間
を計時する一方、タイマ選択手段は、第1タイマと第2
タイマを交互に選択して、位置信号に基づいてスタート
させ、タイマ制御手段は、タイマ選択手段により選択さ
れた第1タイマまたは第2タイマを、スタートすべき位
置信号の立ち上がりまたは立ち下がりの基準点から位置
信号が所定番目の切り換わり時点まで遅らせてスタート
させるものである。
【0104】したがって、請求項1の発明のブラシレス
DCモータによれば、上記回転位置検出手段のフィルタ
の周波数特性の影響,モータの負荷および回転速度に伴
って、電機子コイルに誘起される誘起電圧に対するイン
バータ出力電圧の位相がモータの高効率点からはずれて
運転される場合でも、位置信号から電圧パターンを切り
換えるまでの時間を調整する範囲を広くできるので、圧
縮機等の負荷に対して、全運転範囲でモータの性能を最
大限に発揮させて、モータを高効率で運転することがで
きる。また、モータ始動時の同期運転から位置検出運転
に切り替えるときのモータ電流の過渡変化を抑制するこ
とができる。
【0105】また、上記第1タイマと第2タイマを交互
に選択して、位置信号から電圧パターンを切り換えるま
での時間を計時すると共に、タイマ制御手段により位置
信号が所定番目の切り換わり時点まで第1タイマと第2
タイマのスタートを遅らせることによって、電圧パター
ンの位相補正範囲を広くでき、圧縮機等の負荷に対して
全運転範囲でモータの性能を最大限に発揮させて、モー
タを高効率で運転することができる。
【0106】また、上記電圧パターンの位相補正範囲が
広いので、モータ始動時の同期運転から位置検出運転に
切り替える前後のインバータ出力電圧と誘起電圧の位相
を略同一にすることができ、モータ始動時の同期運転か
ら位置検出運転に切り替えるときのモータ電流の過渡変
化を抑制して、脱調を防止することができる。
【0107】また、位相補正用の第1タイマと第2タイ
マの二つで位相補正を行うので、三つのタイマを順次選
択してスタートさせるのに比べて、コストを低減するこ
とができる。
【0108】また、請求項の発明のブラシレスDCモ
ータは、複数極の磁石を有する回転子と、3相Y結線に
接続された電機子コイルを有する固定子と、上記電機子
コイルに対して並列状態で3相Y結線された抵抗回路
と、上記電機子コイルの中性点と上記抵抗回路の中性点
との電位差に基づいて、上記回転子と上記固定子の相対
的な回転位置を検出して、60deg毎にレベルが切り換
わる位置信号を出力する回転位置検出手段と、上記回転
位置検出手段の上記位置信号に基づいて、上記電機子コ
イルの電圧パターンを切り換えるインバータ部とを備え
るブラシレスDCモータにおいて、位相補正手段は、上
記回転位置検出手段からの上記位置信号を受けて、高効
率になるように上記位置信号から上記電圧パターンを切
り換えるまでの時間を調整するものであり、上記回転位
置検出手段からの位置信号に基づいて、周期測定手段は
電圧パターンの周期を測定し、上記周期測定手段の出力
に基づいて、タイマ値演算手段は、高効率になるように
位置信号から電圧パターンを切り換えるまでの時間に相
当する位相補正角が60deg以下のときはその位相補正
角に応じたタイマ値を演算し、上記位相補正角が60de
gより大きくかつ120deg以下のときは位相補正角から
60degを減算した角度に応じたタイマ値を演算し、上
記位相補正角が120degより大きいときは位相補正角
から120degを減算した角度に応じたタイマ値を演算
して、上記タイマ値演算手段からのタイマ値に基づい
て、タイマは、位置信号から電圧パターンを切り換える
までの時間を計時する一方、タイマ制御手段は、位置信
号から電圧パターンを切り換えるまでの時間に相当する
位相補正角が60degより大きいとき、上記タイマを、
スタートすべき位置信号の立ち上がりまたは立ち下がり
の基準点から位置信号が所定番目の切り換わり時点まで
遅らせてスタートさせるものである。
【0109】したがって、請求項の発明のブラシレス
DCモータによれば、上記回転位置検出手段のフィルタ
の周波数特性の影響,モータの負荷および回転速度に伴
って、電機子コイルに誘起される誘起電圧に対するイン
バータ出力電圧の位相がモータの高効率点からはずれて
運転される場合でも、位置信号から電圧パターンを切り
換えるまでの時間を調整する範囲を広くできるので、圧
縮機等の負荷に対して、全運転範囲でモータの性能を最
大限に発揮させて、モータを高効率で運転することがで
きる。また、モータ始動時の同期運転から位置検出運転
に切り替えるときのモータ電流の過渡変化を抑制するこ
とができる。
【0110】また、上記タイマを、タイマ制御手段によ
りスタートすべき位置信号の立ち上がりまたは立ち下が
りの基準点から位置信号が所定番目の切り換わり時点ま
で遅らせてスタートさせて、位置信号から電圧パターン
を切り換えるまでの時間を計時することによって、電圧
パターンの位相補正範囲を広くでき、圧縮機等の負荷に
対して全運転範囲でモータの性能を最大限に発揮させ
て、モータを高効率で運転することができる。
【0111】また、上記電圧パターンの位相補正範囲が
広いので、モータ始動時の同期運転から位置検出運転に
切り替える前後のインバータ出力電圧と誘起電圧との位
相を略同一にすることができ、モータ始動時の同期運転
から位置検出運転に切り替えるときのモータ電流の過渡
変化を抑制して、脱調を防止することができる。
【0112】また、位相補正用のタイマ一つで位相補正
を行うので、三つのタイマを順次選択してスタートさせ
たり、二つのタイマを交互に選択してスタートさせるの
に比べて、コストを低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1はこの発明の第1,2,3実施例のブラシ
レスDCモータの構成図である。
【図2】 図2は上記第1実施例のブラシレスDCモー
タのマイコンの構成図である。
【図3】 図3(A)〜(R)は上記ブラシレスDCモータの
各部の信号を示す図である。
【図4】 図4は上記マイコンの割り込み処理を示すフ
ローチャートである。
【図5】 図5(a)〜(c)は上記マイコンの位相補正用の
タイマの割り込みによる割込処理を示すフローチャート
である。
【図6】 図6はこの発明の第2実施例のブラシレスD
Cモータのマイコンの構成図である。
【図7】 図7(A)〜(Q)は上記ブラシレスDCモータの
位相補正Aにおける各部の信号を示す図である。
【図8】 図8(A)〜(Q)は上記ブラシレスDCモータの
位相補正Bにおける各部の信号を示す図である。
【図9】 図9(A)〜(D)は上記ブラシレスDCモータの
位相補正Aから位相補正Bの位相補正切り替えを示す図
である。
【図10】 図10(A)〜(D)は上記ブラシレスDCモー
タの位相補正Bから位相補正Aの位相補正切り替えを示
す図である。
【図11】 図11は上記マイコンの割り込み処理を示
すフローチャートである。
【図12】 図12は上記マイコンの割り込み処理を示
すフローチャートである。
【図13】 図13は上記マイコンの割り込み処理を示
すフローチャートである。
【図14】 図14は上記マイコンの割り込み処理を示
すフローチャートである。
【図15】 図15(a),(b)は上記マイコンの位相補正
用のタイマの割り込みによる割込処理を示すフローチャ
ートである。
【図16】 図16はこの発明の第3実施例のブラシレ
スDCモータのマイコンの構成図である。
【図17】 図17(A)〜(P)は上記ブラシレスDCモー
タの位相補正Cにおける各部の信号を示す図である。
【図18】 図18(A)〜(P)は上記ブラシレスDCモー
タの位相補正Dにおける各部の信号を示す図である。
【図19】 図19(A)〜(P)は上記ブラシレスDCモー
タの位相補正Eにおける各部の信号を示す図である。
【図20】 図20(A)〜(C)は上記位相補正C,Dの位
相補正切り替えを示す図である。
【図21】 図21(A)〜(C)は上記位相補正D,Eの位
相補正切り替えを示す図である。
【図22】 図22は上記マイコンの割込処理を示すフ
ローチャートである。
【図23】 図23は上記マイコンの割込処理を示すフ
ローチャートである。
【図24】 図24は上記マイコンの位相補正タイマの
割り込みによる割込処理を示すフローチャートである。
【図25】 図25は位相補正角に対するモータ効率の
特性を示す図である。
【図26】 図26(a)〜(c)はモータ始動時に位相補正
角を夫々150deg,120deg,90degにしたときのモ
ータ電流波形を示す図である。
【図27】 図27は従来のブラシレスDCモータの構
成図である。
【図28】 図28(A)〜(M)は上記ブラシレスDCモー
タの各部の信号を示す図である。
【図29】 図29は回転数とトルクとの関係における
圧縮機の運転エリアを示す図である。
【図30】 図30(a)は表面磁石構造PMモータのモ
ータ端子電圧の波形を示す図であり、図30(b)は埋込
磁石構造PMモータのモータ端子電圧の波形を示す図で
ある。
【図31】 図31はエンコーダを用いて回転子の位置
を検出した理想的な位置検出が可能なインバータモータ
システムの要部構成図である。
【図32】 図32はエンコーダを用いてブラシレスD
Cモータを駆動したときの負荷(インバータ入力電流)の
大小による位相角の関係を示し、高効率運転時のインバ
ータ入力電流に対する位相角の特性を示す図である。
【図33】 図33は第1実施例のブラシレスDCモー
タにおいて、負荷(インバータ入力電流)の大小による位
相補正角の関係を示し、高効率運転時のインバータ入力
電流に対する位相補正角の特性を示す図である。
【符号の説明】
1…固定子、1a,1b,1c…電機子コイル、2…抵抗回
路、3…回転位置検出部、4…マイコン、5,14…ベ
ース駆動回路、9…直流電源、10…回転子、20…イ
ンバータ部、20a〜20f…トランジスタ、31…差動
増幅器、32…積分器、33…零クロスコンパレータ、
41…周期演算部、42…タイマ値演算部、43…イン
バータモード選択部、44…速度演算部、45…速度制
御部、50…CPU、51…メモリ、52…PWM部、
T1,T2,T3…タイマ、SW1,SW2…タイマ選択スイッ
チ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H02P 6/18

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数極の磁石を有する回転子(10)と、
    3相Y結線に接続された電機子コイル(1a,1b,1c)を
    有する固定子(1)と、上記電機子コイル(1a,1b,1c)
    に対して並列状態で3相Y結線された抵抗回路(2)と、
    上記電機子コイル(1a,1b,1c)の中性点と上記抵抗回
    路(2)の中性点との電位差に基づいて、上記回転子(1
    0)と上記固定子(1)の相対的な回転位置を検出して、
    60deg毎にレベルが切り換わる位置信号を出力する回
    転位置検出手段(3)と、上記回転位置検出手段(3)の上
    記位置信号に基づいて、上記電機子コイル(1a,1b,1
    c)の電圧パターンを切り換えるインバータ部(20)とを
    備えるブラシレスDCモータにおいて、 上記回転位置検出手段(3)からの上記位置信号を受け
    て、高効率になるように上記位置信号から上記電圧パタ
    ーンを切り換えるまでの時間を調整する位相補正手段を
    備え、 上記位相補正手段は、上記回転位置検出手段(3)の上記
    位置信号に基づいて、上記電圧パターンの周期を測定す
    る周期測定手段(T4,41)と、上記周期測定手段(T4,
    41)の出力に基づいて、高効率になるように上記位置
    信号から上記電圧パターンを切り換えるまでの時間に応
    じたタイマ値を演算するタイマ値演算手段(42)と、上
    記タイマ値演算手段(42)からのタイマ値に基づいて、
    上記位置信号から上記電圧パターンを切り換えるまでの
    時間を計時する第1タイマ(T1)と、上記第1タイマ(T
    1)の計時中に計時可能で、上記タイマ値演算手段(42)
    からのタイマ値に基づいて、上記回転位置検出手段(3)
    からの上記位置信号から上記電圧パターンを切り換える
    までの時間を計時する第2タイマ(T2)と、上記第1タ
    イマ(T1)と上記第2タイマ(T2)とを交互に選択して、
    上記位置信号の立ち上がりまたは立ち下がりによってス
    タートさせるタイマ選択手段(SW2)と、上記タイマ選
    択手段(SW2)により選択された上記第1タイマ(T1)ま
    たは上記第2タイマ(T2)を、スタートすべき上記位置
    信号の立ち上がりまたは立ち下がりの基準点から上記位
    置信号が所定番目の切り換わり時点まで遅らせてスター
    トさせるタイマ制御手段(50)とを備えたことを特徴と
    するブラシレスDCモータ。
  2. 【請求項2】 複数極の磁石を有する回転子(10)と、
    3相Y結線に接続された電機子コイル(1a,1b,1c)を
    有する固定子(1)と、上記電機子コイル(1a,1b,1c)
    に対して並列状態で3相Y結線された抵抗回路(2)と、
    上記電機子コイル(1a,1b,1c)の中性点と上記抵抗回
    路(2)の中性点との電位差に基づいて、上記回転子(1
    0)と上記固定子(1)の相対的な回転位置を検出して、
    60deg毎にレベルが切り換わる位置信号を出力する回
    転位置検出手段(3)と、上記回転位置検出手段(3)の上
    記位置信号に基づいて、上記電機子コイル(1a,1b,1
    c)の電圧パターンを切り換えるインバータ部(20)とを
    備えるブラシレスDCモータにおいて、 上記回転位置検出手段(3)からの上記位置信号を受け
    て、高効率になるように上記位置信号から上記電圧パタ
    ーンを切り換えるまでの時間を調整する位相補正手段を
    備え、 上記位相補正手段は、上記回転位置検出手段(3)の上記
    位置信号に基づいて、上記電圧パターンの周期を測定す
    る周期測定手段(T4,41)と、上記周期測定手段(T4,
    41)の出力に基づいて、高効率になるように上記位置
    信号から上記電圧パターンを切り換えるまでの時間に相
    当する位相補正角が60deg以下のときはその位相補正
    角に応じたタイマ値を演算し、上記位相補正角が60de
    gより大きくかつ120deg以下のときは上記位相補正角
    から60degを減算した角度に応じたタイマ値を演算
    し、上記位相補正角が120degより大きいときは上記
    位相補正角から120degを減算した角度に応じたタイ
    マ値を演算するタイマ値演算手段(42)と、上記タイマ
    値演算手段(42)からのタイマ値に基づいて、上記回転
    位置検出手段(3)からの上記位置信号から上記電圧パタ
    ーンを切り換えるまでの時間を計時するタイマ(T1)
    と、上記位置信号から上記電圧パターンを切り換えるま
    での時間に相当する位相補正角が60degより大きいと
    き、上記タイマ(T1)を、スタートすべき上記位置信号
    の立ち上がりまたは立ち下がりの基準点から上記位置信
    号が所定番目の切り換わり時点まで遅らせてスタートさ
    せるタイマ制御手段(50)とを備えたことを特徴とする
    ブラシレスDCモータ。
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