JP3370780B2 - 超音波診断装置 - Google Patents

超音波診断装置

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JP3370780B2
JP3370780B2 JP14674894A JP14674894A JP3370780B2 JP 3370780 B2 JP3370780 B2 JP 3370780B2 JP 14674894 A JP14674894 A JP 14674894A JP 14674894 A JP14674894 A JP 14674894A JP 3370780 B2 JP3370780 B2 JP 3370780B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、被検体内に超音波を送
波し被検体内で反射した超音波を受信して受信信号を
得、その受信信号に基づく被検体内の画像を表示する超
音波診断装置に関し、詳細には、超音波を用いて被検体
内の組織の変位、速度、歪み、歪み速度等を計測するこ
とにより被検体内組織の運動状況や固さを推定しその情
報を提供する機能を備えた超音波診断装置に関する。
【0002】
【従来の技術】被検体、特に人体内に超音波を送波し被
検体内で反射した超音波を受信して受信信号を得、この
受信信号に基づく断層像等を表示することにより人体の
内臓等の疾患の診断に役立たせる超音波診断装置が従来
より用いられている。この超音波診断装置には、体内を
流れる血流で反射された超音波を受信して血流の速度、
分散、パワー等の血流情報を得ることができるように構
成されたものがある。また近年では、例えば狭心症や心
筋梗塞等の虚血性心疾患の診断に役立たせるため、ある
いは、組織内の硬いガン組織等を発見するために、心筋
やその他の組織の動きや硬さを観察することが提案され
ている。この組織の動きや硬さは、生体に外的に振動を
与えたときの振動伝播性状や、内的な心拍に起因する臓
器の動き等を超音波を用いて観察することにより知るこ
とができる。
【0003】また、近年では、組織の動き(速度)を検
出するだけでなく、その速度を被検体内の、例えば深さ
方向について微分して速度勾配を求めることで組織の伸
縮度に関連する量(硬さ)を得ることも提案されている
(例えば特公昭54−43381号公報参照)。従来、
被検体内の血液や組織の動きを検出する手法の1つとし
て、ドプラ法が知られている(例えば、「パルスドプラ
法を用いた組織変位速度断層法の基礎検討」日本超音波
医学会講演論文集 第689〜690頁 新木陽一 八
木晋一中山淑 1989年10月 参照)。このパルス
ドプラ法は、被検体内組織等で反射した超音波は、ドプ
ラ効果により周波数変調を受け、その結果、受信信号に
時間的な位相変化が生じることを利用して、被検体内の
組織等の動きを検出する手法である。このパルスドプラ
法は、演算量は比較的少なくて済むものの、実際に使用
される超音波はかなり広い帯域を有しているにも拘ら
ず、超音波の周波数としてある1つのタイプ周波数が仮
定されており、したがって組織等の動きが必ずしも正確
には検出されない。
【0004】一方、組織等の動きを比較的正確に検出す
ることのできる手法として、相互相関法が知られている
(例えば、「解析信号の空間相関関数を用いた不均一組
織の微小変位計測」日本超音波医学会講演論文集 第3
59〜360頁 八木晋一中山淑 1989年5月 参
照)。図20は、相互相関を用いた、被検体内組織等の
動きを検出する超音波診断装置の構成ブロック図であ
る。尚、超音波診断装置で断層像を得る一般的な手法は
既に広く知られているため、ここでは被検体内の組織等
の動きの検出に関連するブロックのみ図示、説明する。
【0005】この超音波診断装置10の送信系11から
は、プローブ12を構成する複数の超音波振動子(図示
せず)に向けて各所定のタイミングで電圧パルスが送信
され、これを受けてプローブ12から被検体(図示せ
ず)内部に向けて超音波が送波される。被検体内で反射
した超音波はプローブ12を構成する複数の超音波振動
子で受信され受信系13に送信される。受信系13で
は、複数の超音波振動子それぞれで得られた受信信号が
整相処理されるとともに互いに加算され(以下これを
「整相加算」と称する)、これにより被検体内に延びる
一本の走査線に沿う被検体内の情報を担う受信信号が生
成される。この整相加算された受信信号はメモリ14に
格納される。以上のサイクルを繰り返すことにより、被
検体内に広がる二次元的な断層面内の複数の走査線に沿
う情報を担う受信信号が得られ、これらの受信信号がメ
モリ14に格納される。
【0006】ここで、プローブ12を構成する複数の超
音波振動子に向けて各所定のタイミングの電圧パルスを
印加することにより被検体内に延びる走査線に沿う超音
波ビームを送波する手法、被検体内で反射して戻ってき
た超音波を複数の超音波振動子で受信して複数の受信信
号を得、それら複数の受信信号を整相加算することによ
り走査線に沿う被検体内の情報を担う受信信号を得る手
法については、広く知られた一般的な技術であり、ここ
ではそれらの詳細説明は省略する。また、1本の走査線
に沿う超音波ビームが形成されるように各所定のタイミ
ングの電圧パルスを各超音波振動子に印加することに代
え、超音波の送波については被検体内のかなり広い領域
に超音波が広がるように送波し、受信信号の整相加算処
理により、複数の各走査線に沿う情報を担う複数の受信
信号を同時に得ることができることも知られている。さ
らに、プローブ12に超音波振動子を二次元的に配列し
ておき、それら二次元的に配列された超音波振動子で超
音波を送受信することにより、被検体内に立体的に延び
る複数の走査線に沿う情報を担持する受信信号を、各走
査線毎に順次に、もしくは複数の走査線について同時に
得ることができることも知られている。
【0007】図20に戻って、ここでは二次元的な断層
面についての受信信号を得る場合について説明を続行す
る。複数の走査線(走査番号#1,#2…,#N)につ
いての超音波の送受信を繰り返し、メモリ14に同一の
断層面についての2つの時点における受信信号が格納さ
れた後、各受信信号がメモリから読み出されて各データ
切出し手段15,16に入力され、各受信信号の各一部
がそれぞれ切り出される。
【0008】図21は、超音波の送受信のタイミング、
受信信号の切り出しの様子を示す概念図である。各送信
タイミングパルスに同期して、順次、走査番号#1,#
2,…,#N,#1,#2,…,#Nの各走査線に沿う
超音波の送受信が行なわれ、最初の、走査番号#1,#
2,…,#Nの走査線に沿う超音波の送受信により得ら
れた受信信号により、1フレーム分の断層像(「フレー
ム1」と称する)が構成され、次の、走査番号#1,#
2,…,#Nの走査線に沿う超音波の送受信により得ら
れた受信信号により次の1フレーム分の断層像(「フレ
ーム2」と称する)が構成される。
【0009】各フレームは、図示の縦方向が被検体内に
延びる走査線に沿う深さ方向t、図示の横方向が複数の
走査線が並ぶ走査方向xに対応している。被検体内に送
波された超音波は被検体内の各組織で反射されながら被
検体内を進むため、被検体内の深い領域で反射した超音
波ほど遅れたタイミングで受信される。このため、深さ
方向tは、各超音波パルスの送波のタイミングを起点と
した時間軸方向tにそのまま対応しており、以下、深さ
方向と時間方向とを特に区別しない場合がある。
【0010】以上のようにしてフレーム1、フレーム2
の受信信号が得られると、上述のようにそれらの受信信
号はそれぞれデータ切出手段15,16に入力され、各
フレームの各一部分(図21に示す太枠に囲まれた領
域)の各受信信号が切り出される。それら切り出された
受信信号は、相互相関演算手段17に入力され、それら
切り出された各受信信号どうしの二次元相互相関演算が
行なわれる。その演算結果は、ピーク検出手段18に入
力される。
【0011】図22は、二次元相互相関演算結果の例を
示す図である。二次元相互相関演算の結果、各画素に対
応した数値データが得られるが、ピーク検出手段18で
はそれらの数値のピーク値(図22に例示する場合の
‘9’)を有する画素の位置が検出され、その画素がど
こに位置するかにより、フレーム1を得た時刻(例え
ば、図21の送波タイミングパルス1の時刻で代表させ
る)と、フレーム2を得た時刻(例えば図21の送波タ
イミングパルス2の時刻で代表させる)との間におけ
る、切り出し領域に対応する被検体内の組織の変位(d
t,dx)が検出される。切り出し領域を順次変更する
ことにより、被検体内の各組織の変位を検出することが
できる。また、この変位をフレーム1を得た時刻とフレ
ーム2を得た時刻との間の時間で除することにより組織
の動きの速度を求めることができ、またこの速度を空間
微分することにより、もしくは、変位の空間微分を上記
時間で除することにより歪み速度を求めることができ
る。
【0012】このようにして求められた、例えば変位
(dt,dx)は、CRTディスプレイ等の表示手段1
9に表示される。上述した相互相関法は、相互相関の演
算そのものは比較的単純ではあるものの、演算量が多い
ことと、また相互相関法を用いることにより組織の変位
を比較的正確に求めることはできるものの、相互相関関
数のピーク位置を決定するにあたって精度を上げるに
は、画素の間を正確に補間するといった複雑な演算を行
わなければならないということの二つが、装置化のネッ
クとなっており、実用には至っていない。
【0013】上記の問題を解決するために、比較的演算
量が少なく、かつ組織の変位等を比較的正確に検出する
手法が考えられている(特願平6−49215号参
照)。以下この手法について、1次元,2次元,3次元
の場合に分けて説明する。 (一次元の変位の検出)所定の時間間隔Tだけ隔てた2
つの各時刻に同一の走査線に沿って超音波を送受信し、
これにより得た2つの受信信号をp1(t),p2
(t)とし、これら2つの受信信号p1(t),p2
(t)から切り出した、被検体内の走査線に沿う所定区
間〔t0 −tw/2,t0 +tw/2〕の信号をpw1
(t),pw2(t)とする。また、この2つの各時刻
の間に、この切り出した所定区間内の組織が、深さ方向
にdtだけ変位しているものとする。このとき pw2(t)=pw1(t+dt) ……(1) が成立する。
【0014】pw2(t)のフーリエ変換をPw2
(f)、pw1(t)のフーリエ変換をPw1(f)と
し、上式(1)のフーリエ変換を行うと、 Pw2(f)=Pw1(f)exp(j2πfdt) ……(2) であることがわかる。これより、Pw1(f)の複素共
役Pw1(f)* をPw2(f)に乗じた積(複素共役
積)M(f)は、 M(f)=Pw1(f)* Pw2(f) =|Pw1(f)|2 exp(j2πfdt) ……(3) となり、変位dtはM(f)の位相の周波数方向の傾き
を2πで除したものであることがわかる。
【0015】すなわち、上記(3)式に従って算出され
る複素共役積M(f)の位相をθ(f)としたとき θ(f)=2πfdt ……(4) であるから、変位dtは、 dt=(1/2π)・(θ(f)/f) ……(5) となる。
【0016】(4)式は、周波数空間でf=0の原点を
通る直線を表わしており、周波数f=0におけるM
(f)の位相θ(f)はθ(0)=0であるから、変位
dtを単純に計算するには、例えばタイプ周波数f0に
ついての位相θ(f0)を2πで除すればよい。すなわ
【0017】
【数1】
【0018】但し、
【0019】
【数2】
【0020】と演算すればよい。ここで、imag
(…),real(…)は、かっこ内の複素数の、それ
ぞれ虚数部、実数部を表わしている。上記(5)式で表
わされる変位dtは周波数fの関数であることから、複
数の周波数ポイントfi 毎の変位dt(fi )の平均的
な変位を求めることにより、変位の検出精度を向上させ
ることができる。平均的な変位を求めるにあたっては、
例えば、最小二乗法を採用した以下の式(8)に基づい
て、変位、すなわちM(f)の位相の周波数方向の傾き
を求めることができる。
【0021】
【数3】
【0022】但し、
【0023】
【数4】
【0024】ここで、Mi は、各周波数ポイントfi
対応するM(fi )を略して記述したものである。ま
た、Mi の振幅Ai を重みとして、重み付き最小自乗法
に基づく以下の式に基づく演算を実行した場合は、さら
なる精度向上を期待できる。
【0025】
【数5】
【0026】但し
【0027】
【数6】
【0028】である。これら平均二乗法、重み付き平均
二乗法あるいはその他の手法を用いて平均的な変位を求
めるにあたっては、pw1(t),pw2(t)に含ま
れる有効な周波数成分の帯域に制限した演算、即ち、P
w1(f),Pw2(f)の、所定のパワー以上のパワ
ーを有する周波数帯域内の信号のみを演算に用いると、
S/Nの良い、より高精度な変位が求められる。 (二次元の変位の検出)所定の時間間隔Tだけ隔てた2
つの各時刻に得られた同一の断層面に沿う情報を担う2
つの受信信号をp1(t,x),p2(t,x)とし、
これら2つの受信信号p1(t,x),p2(t,x)
から切り出した、上記断層面内の所定区域〔t0 −tw
/2,t0 +tw/2〕,〔x0 −xw/2,x0 +x
w/2〕の信号をそれぞれpw1(t,x),pw2
(t,x)とする。またこの2つの各時刻の間にこの切
り出した所定区域内の組織が断層面内で(dt,dx)
だけ変位しているものとする。このとき pw2(t,x)=pw1(t+dt,x+dx) ……(13) が成立する。
【0029】pw2(t,x)のフーリエ変換をPw2
(f,X)、pw1(t,x)のフーリエ変換をPw1
(f,X)とすると、上式(13)のフーリエ変換を行
うと、 Pw2(f,X)=Pw1(f,X)exp(j2π(fdt+Xdx)) ……(14) であることがわかる。
【0030】これより、Pw1(f,X)の複素共役P
w1(f,X)* をPw2(f,X)に乗じた複素共役
積M(f,X)は M(f,X)=Pw1(f,X)* Pw2(f,X) =|Pw1(f,X)|2 exp(j2π(fdt+Xdx)) ……(15) となり、変位dtはM(f,X)の位相の周波数f方向
の傾きを2πで除したものであり、dxはM(f,X)
の位相の空間周波数X方向の傾きを2πで除したもので
あることがわかる。
【0031】最も単純には適当な周波数f0と空間周波
数X0を選んで、変位(dt,dx)を、
【0032】
【数7】
【0033】
【数8】
【0034】と求めれば良い。もしくは、最小自乗法に
よる次式に基づき演算することにより精度向上が望め
る。
【0035】
【数9】
【0036】
【数10】
【0037】さらに、重み付き最小自乗法による以下の
式に基づき精度をより向上できる。
【0038】
【数11】
【0039】
【数12】
【0040】と求めれば良い。 (三次元の変位の検出)三次元フーリエ変換演算を行な
い、最も単純には適当な周波数f0と空間周波数X0,
Y0を選んで、変位(dt,dx,dy)を、
【0041】
【数13】
【0042】
【数14】
【0043】
【数15】
【0044】と求めれば良い。もしくは、最小自乗法に
よる以下の式に基づき演算することにより精度向上が望
める。
【0045】
【数16】
【0046】
【数17】
【0047】
【数18】
【0048】さらに、重み付き最小自乗法による以下の
式に基づき精度をより向上できる。
【0049】
【数19】
【0050】
【数20】
【0051】
【数21】
【0052】図23は、上述の考え方により被検体内組
織等の2次元的な動きを検出する超音波診断装置の構成
ブロック図である。各送信タイミング毎に各走査番号#
1,#2,……,#Nの走査線に沿って順次送受信が行
われ、これによりフレーム1とフレーム2の2つの2次
元画像が得られる。データ切出手段15,16では、そ
れら各フレーム1,2の所定領域が、スライディングさ
れながら切り出される。
【0053】各データ切出手段15,16それぞれで切
り出された受信信号部分は各フーリエ変換手段20,2
1に入力されてそれぞれフーリエ変換され、これにより
2次元フーリエ変換信号が生される。フーリエ変換手段
20で得られたフーリエ変換信号は、直接、複素乗算手
段23に入力される。またフーリエ変換手段21で得ら
れたフーリエ変換信号は、複素共役演算手段22に入力
されてその複素共役が演算され、その後複素乗算手段2
3に入力される。複素乗算手段23では、フレーム1と
フレーム2の互いに対応する領域のフーリエ変換信号
(ないしその複素共役)の複素乗算が行われ、複素共役
積M(f)が求められる。これは前述の(15)式の演
算に相当する。位相演算手段24では、複素共役積M
(f)の2次元的な位相θ(f0,X0)が求められ
る。
【0054】ここで、周波数f0は超音波の中心周波数
であって被検体の深さ方向に対応する。また空間周波数
X0は、走査方向(走査線#1,#2,…,#Nの並ぶ
方向)の代表周波数である。この位相M(f0,X0)
の各周波数f,X方向の成分は、それぞれ、乗算手段2
5,26の系列、および乗算手段30,31の系列に入
力され、それぞれ(1/f0)・(1/2π)、(1/
X0)・(1/2π)が演算され、断層面内の二次元的
な変位(dt,dx)が求められる。これは前掲の(1
6),(17)式の演算に相当する。この2次元的な変
位(dt,dx)は表示手段19に入力されて表示され
る。
【0055】
【発明が解決しようとする課題】上記の考え方に基づく
被検体内組織等の変位を求める手法によると、上述の
(5)式等からわかるように、変位dtは位相θ(f)
から求められるため、位相が−π〜+πの範囲を越える
と変位dtが正しく求められないという、いわゆるエイ
リアジングの問題が生じる。
【0056】前掲の文献(特願昭6−49215号)に
は、この問題の一応の解決手法が提案されており、周波
数方向の位相の傾斜を求める周波数範囲の上限を低く抑
えたり、上記方法で機械的に推定した変位に相当する位
相を引き算して再び変位を推定するという方法を繰り返
し行うことにより、エイリアジングの影響を低減するこ
とができる。しかし、前者の、周波数範囲の上限を低く
抑える対策では、そのシステムの有効な周波数帯域を十
分に活用することができないという問題があり、後者の
変位の推定と位相の引き算を繰り返す対策では、1つの
変位を求めるにあたり計算を何度も繰り返す必要があ
り、結局計算量が膨大となり、リアルタイム性を損ねる
恐れがあるという問題を抱えている。
【0057】本発明は、上記事情に鑑み、演算量が比較
的少なくて済み、エイリアジングの影響を受けることが
なく、かつ、システムの帯域を十分活用して、変位等を
高精度に測定することのできる超音波診断装置を提供す
ることを目的とする。
【0058】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成する本発
明の超音波診断装置は、被検体内に超音波を送波し被検
体内で反射した超音波を受信して受信信号を得、該受信
信号に基づく被検体内の画像を表示する超音波診断装置
において、 (1)超音波の送受信を複数回繰り返しながら、被検体
内に延びる同一の走査線に沿う被検体内の情報を担う複
数の受信信号を得る送受信手段 (2)互いに異なる2つの時刻に得られた同一の走査線
に沿う情報を担う2つの受信信号それぞれから切り出さ
れた上記走査線に沿う所定区間内の情報を担う各受信信
号部分の各1次元フーリエ変換信号の一方と、それら各
1次元フーリエ変換信号の他方の複素共役との積の周波
数方向の自己相関係数に基づいて、上記2つの時刻の間
の、上記所定区間内の組織の上記走査線に沿う方向の変
位及び/又はその変位から算出される量を求める演算手
段 (3)上記変位及び/又はその変位から算出される量を
表示する表示手段 を備えたことを特徴とする。
【0059】また、本発明の第2の超音波診断装置は、
被検体内に超音波を送波し被検体内で反射した超音波を
受信して受信信号を得、該受信信号に基づく被検体内の
画像を表示する超音波診断装置において、 (4)超音波の送受信を複数回繰り返しながら、被検体
内に広がる同一の断層面に沿う被検体内の情報を担う複
数の受信信号を得る送受信手段 (5)互いに異なる2つの時刻に得られた同一の断層面
に沿う情報を担う2つの受信信号それぞれから切り出さ
れた上記断層面内の所定区域内の情報を担う各受信信号
部分の各2次元フーリエ変換信号の一方と、それら各2
次元フーリエ変換信号の他方の複素共役との積の各周波
数方向の自己相関係数に基づいて、上記2つの時刻の間
の、上記所定区域内の組織の上記断層面内の変位及び/
又はその変位から算出される量を求める演算手段 (6)上記変位及び/又はその変位から算出される量を
表示する表示手段 を備えたことを特徴とする。
【0060】また、本発明の第3の超音波診断装置は、
被検体内に超音波を送波し被検体内で反射した超音波を
受信して受信信号を得、それら受信信号に基づく被検体
内の画像を表示する超音波診断装置において、 (7)超音波の送受信を複数回繰り返しながら、被検体
内の三次元的な各点の情報を担う複数の受信信号を得る
送受信手段 (8)互いに異なる2つの時刻に得られた被検体内の三
次元的な各点の情報を担う2つの受信信号それぞれから
切り出された被検体内の所定の立体区域内の情報を担う
各受信信号部分の各3次元フーリエ変換信号の一方と、
それら各3次元フーリエ変換信号の他方の複素共役との
積の各周波数方向の自己相関係数に基づいて、上記2つ
の時刻の間の、上記立体区域内の組織の三次元的な変位
及び/又はその変位から算出される量を求める演算手段 (9)上記変位及び/又はその変位から算出される量を
表示する表示手段 を備えたことを特徴とする。
【0061】本発明の第4の超音波診断装置は、被検体
内に超音波を送波し被検体内で反射した超音波を受信し
て受信信号を得、それら受信信号に基づく被検体内の画
像を表示する超音波診断装置において、 (10)超音波の送受信を複数回繰り返しながら、被検
体内に延びる同一の走査線に沿う被検体内の情報を担う
複数の受信信号を得る送受信手段 (11)互いに異なる2つの時刻に得られた同一の走査
線に沿う情報を担う2つの受信信号それぞれから切り出
された上記走査線に沿う所定区間内の情報を担う各受信
信号部分の各1次元フーリエ変換信号の一方と、それら
各1次元フーリエ変換信号の他方の複素共役との積の周
波数方向の複素自己相関関数の、周波数方向の複素自己
相関係数に基づいて、上記2つの時刻の間の、上記所定
区間内の組織の上記走査線に沿う方向の変位及び/又は
その変位から算出される量を求める演算手段 (12)上記変位及び/又はその変位から算出される量
を表示する表示手段 を備えたことを特徴とする。
【0062】本発明の第5の超音波診断装置は、被検体
内に超音波を送波し被検体内で反射した超音波を受信し
て受信信号を得、それら受信信号に基づく被検体内の画
像を表示する超音波診断装置において、 (13)超音波の送受信を複数回繰り返しながら、被検
体内に広がる同一の断層面に沿う被検体内の情報を担う
複数の受信信号を得る送受信手段 (14)互いに異なる2つの時刻に得られた同一の断層
面に沿う情報を担う2つの受信信号それぞれから切り出
された上記断層面内の所定区域内の情報を担う各受信信
号部分の各2次元フーリエ変換信号の一方と、それら各
2次元フーリエ変換信号の他方の複素共役との積の各周
波数方向の複素自己相関関数の、各周波数方向の複素自
己相関係数に基づいて、上記2つの時刻の間の、上記所
定区域内の組織の上記断層面内の変位及び/又はその変
位から算出される量を求める演算手段(15)上記変位
及び/又はその変位から算出される量を表示する表示手
段 を備えたことを特徴とする。
【0063】本発明の第6の超音波診断装置は、被検体
内に超音波を送波し被検体内で反射した超音波を受信し
て受信信号を得、それら受信信号に基づく被検体内の画
像を表示する超音波診断装置において、 (16)超音波の送受信を複数回繰り返しながら、被検
体内の三次元的な各点の情報を担う複数の受信信号を得
る送受信手段 (17)互いに異なる2つの時刻に得られた被検体内の
三次元的な各点の情報を担う2つの受信信号それぞれか
ら切り出された被検体内の所定の立体区域内の情報を担
う各受信信号部分の各3次元フーリエ変換信号の一方
と、それら各3次元フーリエ変換信号の他方の複素共役
との積の各周波数方向の複素自己相関関数の、各周波数
方向の複素自己相関係数に基づいて、上記2つの時刻の
間の、上記立体区域内の組織の三次元的な変位及び/又
はその変位から算出される量を求める演算手段 (18)上記変位及び/又はその変位から算出される量
を表示する表示手段 を備えたことを特徴とする。
【0064】ここで、上記第1〜第6の超音波診断装置
において、上記演算手段が、空間的及び/又は時間的に
平滑化された、1つもしくは複数の各周波数方向の複素
自己相関係数を求め、該複素自己相関係数に基づいて上
記変位及び/又はその変位から算出される量を求めるも
のであることが好ましい。また、上記第1〜第6の超音
波診断装置において、上記変位から算出される量には、
例えば、上記変位を2つの時刻の時間間隔で除すること
により得られる速度、上記変位の空間的な傾斜、上記速
度の空間的な傾斜、および上記変位の空間的な傾斜を上
記時間間隔で除した量からなる群の中から選択される1
つもしくは複数が含まれる。
【0065】また上記第1〜第6の超音波診断装置のい
ずれにおいても、上記表示手段は、上記変位及び/又は
その変位から算出される量の絶対値を輝度もしくは色に
割り当てて表示するものであることが好ましく、これに
代えて、もしくはこれとともに、上記表示手段は、上記
変位及び/又はその変位から算出される量のベクトルの
方向を、方向に応じた色、矢印、線分、および流線から
なる群の中から選択される少なくとも1つを用いて表示
するものであることが好ましい。
【0066】また、本発明の第7の超音波診断装置は、
被検体内に超音波を送波し被検体内で反射した超音波を
受信して受信信号を得、それら受信信号に基づく被検体
内の画像を表示する超音波診断装置において、 (19)超音波の送受信を複数回繰り返しながら、被検
体内に延びる同一の走査線に沿う被検体内の情報を担う
複数の受信信号を得る送受信手段 (20)互いに異なる2つの時刻に得られた同一の走査
線に沿う情報を担う2つの受信信号それぞれから切り出
された上記走査線に沿う所定区間内の情報を担う各受信
信号部分の各1次元フーリエ変換信号の一方と、それら
各1次元フーリエ変換信号の他方の複素共役との積の周
波数方向の複素自己相関係数の、上記走査線に沿う方向
の複素自己相関係数、あるいは、上記積の周波数方向の
複素自己相関関数の、周波数方向の複素自己相関係数
の、上記走査線に沿う方向の複素自己相関係数に基づい
て、上記2つの時刻の間の、上記所定区間内の組織の上
記走査線に沿う方向の変位の空間傾斜及び/又はその空
間傾斜から算出される量を求める演算手段 (21)上記空間傾斜及び/又はその空間傾斜から算出
される量を表示する表示手段 を備えたことを特徴とする。
【0067】本発明の第8の超音波診断装置は、被検体
内に超音波を送波し被検体内で反射した超音波を受信し
て受信信号を得、それら受信信号に基づく被検体内の画
像を表示する超音波診断装置において、 (22)超音波の送受信を複数回繰り返しながら、被検
体内に広がる同一の断層面に沿う被検体内の情報を担う
複数の受信信号を得る送受信手段 (23)互いに異なる2つの時刻に得られた同一の断層
面に沿う情報を担う2つの受信信号それぞれから切り出
された上記断層面内の所定区域内の情報を担う各受信信
号部分の各2次元フーリエ変換信号の一方と、それら各
2次元フーリエ変換信号の他方の複素共役との積の各周
波数方向の複素自己相関係数の、上記断層面内の互いに
異なる各方向の複素自己相関係数、あるいは、上記積の
各周波数方向の複素自己相関関数の、各周波数方向の複
素自己相関係数の、上記断層面内の互いに異なる各方向
の複素自己相関係数に基づいて、上記2つの時刻の間
の、上記所定区域内の組織の上記断層面内の変位の空間
傾斜及び/又はその空間傾斜から算出される量を求める
演算手段 (24)上記空間傾斜及び/又はその空間傾斜から算出
される量を表示する表示手段とを備えたことを特徴とす
る。
【0068】本発明の第9の超音波診断装置は、被検体
内に超音波を送波し被検体内で反射した超音波を受信し
て受信信号を得、それら受信信号に基づく被検体内の画
像を表示する超音波診断装置において、 (25)超音波の送受信を複数回繰り返しながら、被検
体内の三次元的な各点の情報を担う複数の受信信号を得
る送受信手段 (26)互いに異なる2つの時刻に得られた被検体内の
三次元的な各点の情報を担う2つの受信信号それぞれか
ら切り出された被検体内の所定の立体区域内の情報を担
う各受信信号部分の各3次元フーリエ変換信号の一方
と、それら各3次元フーリエ変換信号の他方の複素共役
との積の各周波数方向の複素自己相関係数の、空間上の
互いに異なる各方向の複素自己相関係数、あるいは上記
積の各周波数方向の複素自己相関関数の、各周波数方向
の複素自己相関係数の、空間上の互いに異なる各方向の
複素自己相関係数に基づいて、上記2つの時刻の間の、
上記立体区域内の組織の変位三次元的な空間傾斜及び/
又はその間傾斜から算出される量を求める演算手段 (27)上記空間傾斜及び/又はその空間傾斜から算出
される量を表示する表示手段 を備えたことを特徴とする。
【0069】本発明の第10の超音波診断装置は、被検
体内に超音波を送波し被検体内で反射した超音波を受信
して受信信号を得、それら受信信号に基づく被検体内の
画像を表示する超音波診断装置において、 (28)超音波の送受信を複数回繰り返しながら、被検
体内に延びる同一の走査線に沿う被検体内の情報を担う
複数の受信信号を得る送受信手段 (29)互いに異なる2つの時刻に得られた同一の走査
線に沿う情報を担う2つの受信信号それぞれから切り出
された上記走査線に沿う所定区間内の情報を担う各受信
信号部分の各1次元フーリエ変換信号の一方と、それら
各1次元フーリエ変換信号の他方の複素共役との積の周
波数方向の複素自己相関係数の、上記走査線に沿う方向
の複素自己相関関数の、上記走査線に沿う方向の複素自
己相関係数、あるいは、上記積の周波数方向の複素自己
相関関数の、周波数方向の複素自己相関係数の、上記走
査線に沿う方向の複素自己相関関数の、上記走査線に沿
う方向の複素自己相関係数に基づいて、上記2つの時刻
の間の、上記所定区間内の組織の上記走査線に沿う方向
の変位の空間傾斜及び/又はその空間傾斜から算出され
る量を求める演算手段 (30)上記空間傾斜及び/又はその空間傾斜から算出
される量を表示する表示手段 を備えたことを特徴とする。
【0070】本発明の第11の超音波診断装置は、被検
体内に超音波を送波し被検体内で反射した超音波を受信
して受信信号を得、それら受信信号に基づく被検体内の
画像を表示する超音波診断装置において、 (31)超音波の送受信を複数回繰り返しながら、被検
体内に広がる同一の断層面に沿う被検体内の情報を担う
複数の受信信号を得る送受信手段 (32)互いに異なる2つの時刻に得られた同一の断層
面に沿う情報を担う2つの受信信号それぞれから切り出
された上記断層面内の所定区域内の情報を担う各受信信
号部分の各2次元フーリエ変換信号の一方と、それら各
2次元フーリエ変換信号の他方の複素共役との積の各周
波数方向の複素自己相関係数の、上記断層面内の互いに
異なる各方向の複素自己相関関数の、それら各方向の複
素自己相関係数、あるいは、上記積の各周波数方向の複
素自己相関関数の、各周波数方向の複素自己相関係数
の、上記断層面内の互いに異なる各方向の複素自己相関
関数の、それら各方向の複素自己相関係数に基づいて、
上記2つの時刻の間の、上記所定区域内の組織の上記断
層面内の変位の空間傾斜及び/又はその空間傾斜から算
出される量を求める演算手段 (33)上記空間傾斜及び/又はその空間傾斜から算出
される量を表示する表示手段 を備えたことを特徴とする。
【0071】本発明の第12の超音波診断装置は、被検
体内に超音波を送波し被検体内で反射した超音波を受信
して受信信号を得、それら受信信号に基づく被検体内の
画像を表示する超音波診断装置において、 (34)超音波の送受信を複数回繰り返しながら、被検
体内の三次元的な各点の情報を担う複数の受信信号を得
る送受信手段 (35)互いに異なる2つの時刻に得られた被検体内の
三次元的な各点の情報を担う2つの受信信号それぞれか
ら切り出された被検体内の所定の立体区域内の情報を担
う各受信信号部分の各フーリエ変換信号の一方と、それ
ら各フーリエ変換信号の他方の複素共役との積の各周波
数方向の複素自己相関係数の、空間上の互いに異なる各
方向の複素自己相関関数の、それら各方向の複素自己相
関係数、あるいは、上記積の各周波数方向の複素自己相
関関数の、各周波数方向の複素自己相関係数の、空間上
の互いに異なる各方向の複素自己相関関数の、それら各
方向の複素自己相関係数に基づいて、上記2つの時刻の
間の、上記立体区域内の組織の変位の三次元的な空間傾
斜及び/又はその空間傾斜から算出される量を求める演
算手段 (36)上記空間傾斜及び/又はその空間傾斜から算出
される量を表示する表示手段 を備えたことを特徴とする。
【0072】ここで、上記第7〜第12の超音波診断装
置において、上記演算手段が、空間的及び/又は時間的
に平滑化された、1つもしくは複数の空間的な各方向の
複素自己相関係数を求め、該複素自己相関係数に基づい
て上記空間傾斜及び/又はその空間傾斜から算出される
量を求めるものであることが好ましい。また上記第1〜
第6の超音波診断装置において、上記空間傾斜から算出
される量には、例えば、上記空間傾斜を上記2つの時刻
の時間間隔で除することにより得られる、速度の空間的
な傾斜が含まれる。
【0073】また、上記第7〜第12の超音波診断装置
のいずれにおいても、上記表示手段は、上記空間傾斜及
び/又はその空間傾斜から算出される量の絶対値を輝度
もしくは色に割り当てて表示するものであることが好ま
しく、これに代えて、もしくはこれとともに、上記表示
手段は、上記空間傾斜及び/又はその空間傾斜から算出
される量のベクトルの方向を、方向に応じた色、矢印、
線分、および流線からなる群の中から選択される少なく
とも1つを用いて表示するものであることが好ましい。
【0074】尚、本発明の第1〜第12の超音波診断装
置のいずれにおいても、血流情報をクラッタ情報から分
離して抽出するためのクラッタ除去手段を備えることが
好ましい。
【0075】
【作用】ここでは、先ず、本発明の原理について説明す
る。但し、既説明の従来の手法と重複する部分について
の説明は省略する。 (1次元の変位の検出──その1)図1は、前述の
(3)式で求めた複素共役積M(f)をベクトル表示し
た模式図である。
【0076】(3)式に従って算出される複素共役積の
位相θ(f)は、(4)式に示されており、周波数fを
変数としたとき原点を通る直線で表現される。これを、
図1に示すようにベクトル表示すると、原点では実部軸
に重なり、周波数fの変化に従って螺旋的に回転するベ
クトルとして表される。このベクトルの回転量が変位に
相当する。
【0077】従来の提案(前掲の特願平6−49215
号公報参照)では、複素共役積M(f)の位相((4)
式)を用いて(5)式に従って変位dtを求めるもので
あるため、その(5)式に含まれる位相θ(f)が−π
〜+πしか表現できず、エイリアジングが生じてしまう
ものであった。これに対し、本発明の第1の超音波診断
装置では、複素共役積M(f)の周波数方向の複素自己
相関係数P、即ち、
【0078】
【数22】
【0079】が演算される。但し、nは、整数を表わし
ており、典型的にはn=1が採用される。また*は複素
共役を表わしている。図2は、(32)式に示す複素自
己相関係数Pの模式図である。(32)式に示す複素自
己相関係数Pを求めると、変位は、図2に示すように、
図1に示すベクトルの実部軸との角度となってあらわれ
る。この場合、(32)式の整数nを異常に大きな値に
設定しない限り、複素共役積M(f)の位相と複素共役
積M(f+nΔf)の位相との間の位相差が−π〜+π
の範囲を越えることはなく、したがってエイリアジング
の問題が生じることなく、図2に示す角度、即ち変位を
正しく求めることができる。すなわち、ここでは、変位
dtは、
【0080】
【数23】
【0081】に基づいて求められる。但し、∠は角度を
表わし、
【0082】
【数24】
【0083】である。 (2次元の変位の検出──その1)本発明の第2の超音
波診断装置は、上記第1の超音波診断装置における考え
方を2次元に拡張したものであり、上述の(15)式の
複素共役積M(f,x)を用い、断層面内の2次元的な
変位dt,dxは、それぞれ、
【0084】
【数25】
【0085】
【数26】
【0086】により求められる。 (3次元の変位の検出──その1)本発明の第3の超音
波診断装置は、上記第1の超音波診断装置における考え
方を3次元に拡張したものである。3次元的な演算によ
り求められた複素共役積M(f,X,Y)を用い、被検
体内の3次元的な各変位dt,dx,dyは、それぞ
れ、
【0087】
【数27】
【0088】
【数28】
【0089】
【数29】
【0090】(1次元の変位の検出──その2)本発明
の第4の超音波診断装置は、複素共役積M(f)の周波
数方向の複素自己相関関数の、周波数方向の複素自己相
関係数に基づいて変位を求めるものである。複素共役積
M(f)の周波数方向の複素自己相関関数N(i)は、
【0091】
【数30】
【0092】で表わされる。ここで係数iは、複素共役
積M(f)と複素共役積M(f+iΔf)との間の周波
数方向の距離に対応し、iΔfは周波数のディメンショ
ンを有し、Δfを一定とするとこの複素自己相関関数N
(i)も周波数iΔfを変数とする関数である。図3
は、上記(39)式で求めた複素自己相関関数N(i)
をベクトル表示した模式図である。
【0093】このiをここでは「ラグ」と称する。種々
のラグiについて(40)式の演算を行なうと、図3に
示すように各ラグiについてベクトルが定義された複素
自己相関関数が得られる。そこで、この複素自己相関関
数N(i)のラグiの方向(周波数iΔfの方向)の複
素自己相関係数Pを求めることにより、種々のラグiが
考慮された高精度の変位dtが求められる。すなわち、
複素自己相関係数Pは、
【0094】
【数31】
【0095】として求められ、変位dtは、
【0096】
【数32】
【0097】により求められる。 (2次元の変位の検出──その2)本発明の第5の超音
波診断装置は、上記第4の超音波診断装置における考え
方を2次元に拡張したものであり、上記と同様にして、
2次元の変位dt,dxは、それぞれ、
【0098】
【数33】
【0099】
【数34】
【0100】により求められる。 (3次元の変位の検出──その2)本発明の第6の超音
波診断装置は、上記第4の超音波診断装置における考え
方を3次元に拡張したものであり、上記と同様にして、
3次元の変位dt,dx,dyは、それぞれ、
【0101】
【数35】
【0102】
【数36】
【0103】
【数37】
【0104】により求められる。上記のように求めた変
位dt,dx,dyの空間傾斜は歪みとして知られてお
り、極めて有用な情報であるが、以下に示すようにし
て、複素共役積M(f)(ないしM(f,X)、M
(f,X,Y))の周波数方向の複素自己相関係数の、
空間的な方向の複素自己相関係数に基づいて、高精度
の、かつ変位の急激な変化に伴うエイリアジングの問題
が生じることなく、空間傾斜を求めることができる。 (1次元の変位の空間傾斜の検出──その1)本発明の
第7の超音波診断装置は、上記の考え方を採用して走査
線に沿う1次元方向の変位の空間傾斜を求めるものであ
る。
【0105】走査線に沿う各深さti における前述の
(3)式に示す複素共役積M(f)をMi (f)で表わ
し、前述の(32)式に示す、複素共役積M(f)の周
波数方向の複素自己相関係数PをP(i)で表わすと、
(32)式は、
【0106】
【数38】
【0107】と表わされる。この複素自己相関係数P
(i)の深さ方向の複素自己相関係数Qは、
【0108】
【数39】
【0109】で表わされる。深さ方向の変位dtの空間
傾斜dt’は、
【0110】
【数40】
【0111】但し、Δtは深さ方向に互いに隣接する演
算上の2点の間隔を示す。に基づいて求められる。但
し、
【0112】
【数41】
【0113】である。 (2次元の変位の空間傾斜の検出──その1)本発明の
第8の超音波診断装置は、第7の超音波診断装置におけ
る考え方を2次元に拡張したものであり、断層面内の深
さtの方向、およびその深さ方向と直交する方向の変位
の空間傾斜dt´、dx´は、それぞれ、
【0114】
【数42】
【0115】
【数43】
【0116】に基づいて求められる。添字の付記の仕
方、その意味は、上述の1次元の変位の空間傾斜を求め
る場合の演算式と同様である。 (3次元の変位の空間変位の検出──その1)本発明の
第9の超音波診断装置は、上記第7の超音波診断装置に
おける考え方を3次元に拡張したものであり、3次元的
な変位の空間傾斜dt´,dx´,dy´は、それぞ
れ、
【0117】
【数44】
【0118】
【数45】
【0119】
【数46】
【0120】に基づいて求められる。また、本発明の第
7〜9の超音波診断装置は、以下のように、変位の空間
傾斜を、複素共役積の周波数方向の複素自己相関関数
の、周波数方向の複素自己相関係数の、空間的な方向の
複素自己相関係数から求めるものであってもよい。(こ
こでは3次元の場合のみ記す)
【0121】
【数47】
【0122】また、以下の様に、変位の空間傾斜を、複
素共役積の周波数方向の複素自己相関係数の、空間的な
方向の複素自己相関関数の、その方向の複素自己相関係
数から求めるものであってもよい。 (1次元の変位の空間傾斜の検出──その3)本発明の
第10の超音波診断装置は、上記のように、変位の空間
傾斜を、複素共役積の周波数方向の複素自己相関係数
の、空間的な方向の複素自己相関関数の、空間的な方向
の複素自己相関係数から求めるものである。すなわち、
走査線方向(深さ方向)の変位の空間傾斜dt´は、
【0123】
【数48】
【0124】iは深さ方向の位置を表わし、Δtは、位
置iと位置i+1との間の距離を表わす。またjは深さ
方向のラグを表わす。 (2次元の変位の空間傾斜の検出──その3)本発明の
第11の超音波診断装置は、上記第10の超音波診断装
置における、上記の変位の空間傾斜を、複素共役積の周
波数方向の複素自己相関係数の、空間的な方向の複素自
己相関関数の、その方向の複素自己相関係数から求める
の考え方を2次元に拡張したものである。すなわち、断
層面内の2次元的な変位の空間傾斜dt´,dx´は、
それぞれ、
【0125】
【数49】
【0126】
【数50】
【0127】(3次元の変位の空間傾斜の検出──その
3)本発明の第12の超音波診断装置は、上記第10の
超音波診断装置における、上記の変位の空間傾斜を、複
素共役積の周波数方向の複素自己相関係数の、空間的な
方向の複素自己相関関数の、その方向の複素自己相関係
数から求める考え方を3次元に拡張したものである。す
なわち、3次元的な変位の空間傾斜dt´,dx´,d
y´は、それぞれ、
【0128】
【数51】
【0129】
【数52】
【0130】
【数53】
【0131】により求められる。また、本発明の第10
〜第12の超音波診断装置は、以下のように、変位の空
間傾斜を、複素共役積の周波数方向の複素自己相関関数
の、周波数方向の複素自己相関係数の、空間的な方向の
複素自己相関関数の、空間的な方向の複素自己相関係数
に基づいて求めてもよい。(ここでは3次元の場合のみ
記す)
【0132】
【数54】
【0133】尚、上述の各種方法により変位の空間傾斜
を求める場合において、上述の各種方法では変位の方向
とその変位の空間傾斜の方向を揃えたが、例えばx方向
の変位のy方向の空間傾斜を求める等、変位方向と空間
傾斜の方向は異なっていてもよく、所望の変位の方向の
所望の空間傾斜の方向に応じて適宜選択される。本発明
は上記原理に基づく演算により変位、変位の空間傾斜を
検出するものであり、従来、装置化が困難と思われてい
た変位計測、歪み計測をリアルタイムで、容易かつ高精
度に行うことができ、変位、速度、歪み、歪み速度の分
布を求めて表示することができる。
【0134】変位等の表示にあたっては、その変位等の
絶対値を輝度もしくは色に割り当てて表示すると、変位
等の大きさの分布が容易に明瞭に観察され、変位等のベ
クトルの方向を、方向に対応した色、矢印、線分、又は
流線で表示すると、その変位の方向の分布がわかりやす
い形で表示される。
【0135】
【実施例】以下、本発明の実施例について説明する。以
下に参照する各図において、図20〜図23を参照して
説明した従来例の各要素と同一の要素には、図20〜図
23に付した符号と同一の符号を付して示し、重複説明
は省略する。
【0136】図4は、本発明の超音波診断装置の第1の
実施例の構成ブロック図、図5は、その動作説明図であ
る。データ切出手段15,16では、図5に示す送信タ
イミング1の時刻と送信タイミング2の時刻に得られた
#1の走査線に沿う2つの受信信号から、その走査線#
1に沿う所定区間内の情報を担う各受信信号部分が、そ
の所定区間を少しずつスライディングさせながら切り出
される。このように少しずつスライディングさせて切り
出された受信信号部分をBIN1,BIN2,…と名づ
ける。
【0137】このようにして各データ切出手段15,1
6それぞれで切り出された各受信信号の各受信信号部分
BIN1,BIN2,…は、各フーリエ変換手段20,
21に入力されてそれぞれフーリエ変換される。フーリ
エ変換手段20で得られたフーリエ変換信号は、直接、
複素乗算手段23に入力される。またフーリエ変換手段
21で得られたフーリエ変換信号は、複素共役演算手段
22に入力されてその複素共役が演算され、その後、複
素乗算手段23に入力される。複素乗算手段23では、
2つのデータ切出手段15,16で切り出された送信タ
イミング1の時刻と送信タイミング2の時刻に得られた
2つの受信信号の、互いに対応する受信信号部分、即ち
BIN1どうし、BIN2どうし、…のフーリエ変換信
号(もしくはその複素共役)の複素乗算が行われる。こ
れによりBIN1どうし、BIN2どうし、…の各複素
共役積M(f)が求められる。これは、前掲の式(3)
の演算に相当する。
【0138】複素乗算手段23で演算された複素共役積
M(f)は、複素自己相関演算手段41に入力される。
複素自己相関演算手段23では、入力された複素共役積
M(f)の周波数fの方向の複素自己相関演算が行なわ
れ、複素自己相関係数Pが求められる。この演算は前掲
の(32)式の演算に相当する。この複素自己相関係数
Pは、位相演算手段42に入力されてその位相∠Pが求
められ、乗算手段43で係数1/(2πnΔf)が乗算
され、これにより、深さ方向の変位dtが算出される。
この演算は前掲の(33)式に相当する。
【0139】このようにして算出された変位dtは、表
示手段44に送られ、表示手段44ではその変位が表示
される。その表示の態様については後述する。以上では
#1の走査線について説明したが、#2以降の各走査線
についても同様である。図6は、本発明の超音波診断装
置の第2実施例の構成ブロック図である。
【0140】図4に示す実施例との相違点は、2つの複
素自己相関演算手段411,412が備えられている点
である。複素自己相関演算手段411では、入力された
複素共役積M(f)の周波数方向の複素自己相関関数が
求められ、複素自己相関演算手段412では、その複素
自己相関関数の周波数方向(ラグ方向)の複素自己相関
係数が求められる。これは、前掲の(40)式、(4
1)式の演算に相当する。位相演算手段42、乗算手段
43では、前掲の(42)式に相当する演算が行なわれ
る。
【0141】図7は、本発明の超音波診断装置の第3実
施例の構成ブロック図、図8は、図7に示す実施例の動
作シーケンスを示す図である。図8に示す動作シーケン
スでは、各送信タイミング毎に各走査番号#1,#2,
…,#Nの走査線に沿って順次送受信が行われ、これに
よりフレーム1とフレーム2の2つの2次元画像が得ら
れる。データ切出手段15,16では、それら各フレー
ム1,2の所定領域が、スライディングされながら切り
出される。フーリエ変換手段20,21,複素共役手段
22、複素乗算手段23では、2つの周波数軸f,Xに
ついての2次元的な演算が行なわれ、複素自己相関演算
手段41a,41bでは、各周波数f,Xそれぞれにつ
いての複素自己相関係数
【0142】
【数55】
【0143】
【数56】
【0144】が求められ、位相演算手段42a,42b
ではそれら各複素自己相関係数の位相が求められ、乗算
手段43a,43bで各係数1/(2πnΔf),1/
(2πnΔX)が乗算され、これにより各変位dt,d
xが求められる。これは、(35)式、(36)式の演
算に相当する。尚、図6の複素自己相関演算手段41
a,41bでは、各周波数f,X方向の複素自己相関関
数を求め、それら各複素自己相関関数の各周波数f,X
方向(各ラグ方向)の複素自己相関係数を求めるもので
あってもよい。これは、1次元の場合の図6の実施例を
2次元に拡張したものに相当する。そのときは、この実
施例では、前掲の(43),(44)式に基づく変位d
t,dxの算出が行なわれる。
【0145】図9は、図7に示す実施例の、他の動作シ
ーケンス図である。ここでは、プローブ12から、被検
体内のかなり広い範囲に超音波が広がるように送信さ
れ、受信側で、その一回の送信で#1〜#Nの複数の走
査線に沿う受信信号が得られるように整数加算が行われ
る。図8に示す動作シーケンスでは、1つのフレーム内
でも各走査線は順次ずれた時刻に得られることになる
が、図9に示す動作シーケンスでは同時刻の情報を担う
フレームを得ることができる。
【0146】図10は、本発明の超音波診断装置の第4
実施例の構成ブロック図、図11は、図10に示す実施
例の動作シーケンスを示す図である。図10に示す超音
波診断装置のプローブ12には、二次元的に配列された
超音波振動子(図示せず)が備えられており、各送信タ
イミング毎に、x方向、y方向の二次元的に配列された
多数の走査線#1,1〜#N,Nに沿う受信信号が得ら
れ、これを繰り返し、被検体内の三次元的な情報を担う
2つの三次元フレーム1,2が得られる。データ切出手
段15,16では、各三次元フレーム1,2内の立体区
域が順次スライディングされながら切り出される。フー
リエ変換手段20,21、複素共役手段22、複素乗算
手段23では、3つの周波数軸f,X,Yについての三
次元的な演算が行われ、複素共役積M(f,X,Y)が
求められる。
【0147】この複素共役積M(f,X,Y)は、各複
素自己相関演算手段41a,41b,41cに入力さ
れ、複素共役積M(f,X,Y)の各周波数f,X,Y
方向の複素自己相関係数が求められ、各位相演算手段4
2a,42b,42cでそれらの各位相が求められ、各
乗算手段43a,43b,43cで各係数1/(2πn
Δf),1/(2πnΔX),1/(2πnΔY)が乗
算され、これにより3次元的な変位dt,dx,dyが
求められる。これは、前掲の(37)〜(39)式の演
算に相当する。
【0148】尚、図10の複素自己相関演算手段41
a,41b,41cは、各周波数f,X,Y方向の複素
自己相関関数を求め、それら各複素自己相関関数の各周
波数f,X,Y方向(各ラグ方向)の複素自己相関係数
を求めるものであってもよい。これは、図6の実施例を
3次元に拡張したものに相当する。そのときは、この実
施例では、前掲の(45)〜(47)式に基づく変位d
t,dx,dyの算出が行なわれることになる。
【0149】図12は、図10に示す実施例の、他の動
作シーケンスを示す図である。図7の実施例における図
9に示す動作シーケンスを三次元に拡張したものであ
り、同時刻の情報を担う立体フレームを得ることができ
る。図13は、本発明の超音波診断装置の第5実施例の
構成ブロック図である。尚、以下の各実施例では、繁雑
さを避けるため、1次元の例についてのみ図示、説明を
行なうが、2次元、3次元の場合も同様である。
【0150】この実施例には、2つの複素自己相関手段
413,414が備えられており、複素自己相関演算手
段413では周波数方向の複素自己相関係数が、各深さ
iそれぞれについて求められる。これは、前掲の(4
8)式に相当する。複素自己相関演算手段414では、
複素自己相関演算手段413で求められた周波数方向の
複素自己相関係数P(i)の深さ方向の複素自己相関係
数が求められる。これは前掲の(49)式に相当する。
位相演算手段42ではその位相が求められ、乗算手段4
3では係数1/(2πnΔfjΔt)が乗算され、これ
により、深さ方向の変位の空間傾斜dt′が求められる
((50)式参照)。
【0151】図14は、本発明の超音波診断装置の第6
実施例の構成ブロック図である。この実施例には3つの
複素自己相関演算手段418,419,420が備えら
れており、各複素自己相関手段418,419,420
では、それぞれ周波数方向の複素自己相関関数、その複
素自己相関関数の、周波数方向(ラグ方向)の複素自己
相関係数、およびその複素自己相関係数の、深さ方向の
複素自己相関係数が求められる。これにより、この実施
例でも、深さ方向の変位の空間傾斜dt′が求められる
(3次元の場合についての演算式である(57)式参
照)。
【0152】図15は、本発明の超音波診断装置の第7
実施例の構成ブロック図である。この実施例にも、3つ
の複素自己相関演算手段415,416,417が備え
られており、各複素自己相関演算手段415,416,
417では、それぞれ、周波数方向の複素自己相関係
数、その複素自己相関係数の深さ方向の複素自己相関関
数、およびその複素自己相関関数の深さ方向(ラグ方
向)の複素自己相関係数が求められる。これにより、こ
の実施例では(58)式に基づいた、深さ方向の変位の
空間傾斜dt′が求められる。
【0153】図16は、本発明の超音波診断装置の第8
実施例の構成ブロック図である。この実施例には4つの
複素自己相関演算手段421,422,423,424
が備えられており、各複素自己相関演算手段421,4
22,423,424では、それぞれ、周波数方向の複
素自己相関関数、その複素自己相関関数の周波数方向
(ラグ方向)の複素自己相関係数、その複素自己相関係
数を深さ方向の関数とみたときのその複素自己相関係数
の複素自己相関関数、およびその複素自己相関関数の、
深さ方向(ラグ方向)についての複素自己相関係数が求
められる。これにより、この実施例でも、深さ方向の変
位の空間傾斜dt′が求められる(3次元の場合につい
ての演算式である(64)式参照)。
【0154】尚、図13〜図16を参照して説明した各
実施例は、いずれも2次元、3次元に拡張することがで
きるが、これまでの説明からその拡張は自明であるた
め、ここでは2次元、3次元に拡張した例についての図
示および説明は省略する。図17〜図19は、表示手段
44に表示される変位の各表示態様を示した図である。
【0155】図17は、変位の絶対値を色もしくは輝度
に対応づけた表示例であり、例えば腫瘍等の固い組織
は、変位の小さい領域として画面上にあらわれる。図1
8、図19は、図17に示す変位の絶対値の表示に、変
位の方向(ベクトル)を、それぞれ流線もしくは矢印で
示した図である。このような表示により、変位の大きさ
(絶対値)と変位方向(ベクトル)との双方が容易に観
察される。
【0156】尚、ここでは変位を表示するものとして説
明したが、変位に限定されず、変位の空間傾斜や、変位
ないしその空間傾斜から算出される量、例えば前述した
速度(変位/T)、歪速度等を検出して表示してもよ
い。
【0157】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
少ない演算量で、かつエイリアジングを生じさせること
なく、変位、変位の空間傾斜等が正確に求められる。
【図面の簡単な説明】
【図1】複素共役積をベクトル表示した模式図である。
【図2】複素共役積の複素自己相関係数の模式図であ
る。
【図3】複素共役積の複素自己相関関数をベクトル表示
した模式図である。
【図4】本発明の超音波診断装置の第1の実施例の構成
ブロック図である。
【図5】図4に示す第1の実施例の動作説明図である。
【図6】本発明の第1の超音波診断装置の第2の実施例
の構成ブロック図である。
【図7】本発明の超音波診断装置の第3の実施例の構成
ブロック図である。
【図8】図7に示す実施例の動作シーケンスを示す図で
ある。
【図9】図7に示す実施例の、他の動作シーケンスを示
す図である。
【図10】本発明の超音波診断装置の第4実施例の構成
ブロック図である。
【図11】図10に示す実施例の動作シーケンスを示す
図である。
【図12】図10に示す実施例の、他の動作シーケンス
を示す図である。
【図13】本発明の超音波診断装置の第5実施例の構成
ブロック図である。
【図14】本発明の超音波診断装置の第6実施例の構成
ブロック図である。
【図15】本発明の超音波診断装置の第7実施例の構成
ブロック図である。
【図16】本発明の超音波診断装置の第8実施例の構成
ブロック図である。
【図17】表示手段に表示される変位の表示態様を示し
た図である。
【図18】表示手段に表示される変位の表示態様を示し
た図である。
【図19】表示手段に表示される変位の表示態様を示し
た図である。
【図20】相互相関を用いた、被検体内組織等の動きを
検出する超音波診断装置の構成ブロック図である。
【図21】超音波の送受信のタイミング、受信信号の切
り出しの様子を示す概念図である。
【図22】二次元相互相関演算結果の例を示す図であ
る。
【図23】被検体内組織等の2次元的な動きを検出する
超音波診断装置の構成ブロック図である。
【符号の説明】
10 超音波診断装置 11 送信系 12 プローブ 13 受信系 14 メモリ 15,16 データ切出手段 19 表示手段 20,21 フーリエ変換手段 22 複素共役演算手段 23 複素乗算手段 41,41a,41b,41c,411,412,41
3,414,415,416,417,418,41
9,420,421,422,423,424複素自己
相関演算手段 42 位相演算手段 43 乗算手段 44 表示手段
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平2−13449(JP,A) 特開 平4−17842(JP,A) 特開 平4−150841(JP,A) 特開 平5−137726(JP,A) 特開 平7−255721(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A61B 8/00

Claims (20)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被検体内に超音波を送波し被検体内で反
    射した超音波を受信して受信信号を得、該受信信号に基
    づく被検体内の画像を表示する超音波診断装置におい
    て、 超音波の送受信を複数回繰り返しながら、被検体内に延
    びる同一の走査線に沿う被検体内の情報を担う複数の受
    信信号を得る送受信手段と、 互いに異なる2つの時刻に得られた同一の走査線に沿う
    情報を担う2つの受信信号それぞれから切り出された前
    記走査線に沿う所定区間内の情報を担う各受信信号部分
    の各1次元フーリエ変換信号の一方と、該各1次元フー
    リエ変換信号の他方の複素共役との積の周波数方向の自
    己相関係数に基づいて、前記2つの時刻の間の、前記所
    定区間内の組織の前記走査線に沿う方向の変位及び/又
    は該変位から算出される量を求める演算手段と、 前記変位及び/又は該変位から算出される量を表示する
    表示手段とを備えたことを特徴とする超音波診断装置。
  2. 【請求項2】 被検体内に超音波を送波し被検体内で反
    射した超音波を受信して受信信号を得、該受信信号に基
    づく被検体内の画像を表示する超音波診断装置におい
    て、 超音波の送受信を複数回繰り返しながら、被検体内に広
    がる同一の断層面に沿う被検体内の情報を担う複数の受
    信信号を得る送受信手段と、 互いに異なる2つの時刻に得られた同一の断層面に沿う
    情報を担う2つの受信信号それぞれから切り出された前
    記断層面内の所定区域内の情報を担う各受信信号部分の
    各2次元フーリエ変換信号の一方と、該各2次元フーリ
    エ変換信号の他方の複素共役との積の各周波数方向の自
    己相関係数に基づいて、前記2つの時刻の間の、前記所
    定区域内の組織の前記断層面内の変位及び/又は該変位
    から算出される量を求める演算手段と、 前記変位及び/又は該変位から算出される量を表示する
    表示手段とを備えたことを特徴とする超音波診断装置。
  3. 【請求項3】 被検体内に超音波を送波し被検体内で反
    射した超音波を受信して受信信号を得、該受信信号に基
    づく被検体内の画像を表示する超音波診断装置におい
    て、 超音波の送受信を複数回繰り返しながら、被検体内の三
    次元的な各点の情報を担う複数の受信信号を得る送受信
    手段と、 互いに異なる2つの時刻に得られた被検体内の三次元的
    な各点の情報を担う2つの受信信号それぞれから切り出
    された被検体内の所定の立体区域内の情報を担う各受信
    信号部分の各3次元フーリエ変換信号の一方と、該各3
    次元フーリエ変換信号の他方の複素共役との積の各周波
    数方向の自己相関係数に基づいて、前記2つの時刻の間
    の、前記立体区域内の組織の三次元的な変位及び/又は
    該変位から算出される量を求める演算手段と、 前記変位及び/又は該変位から算出される量を表示する
    表示手段とを備えたことを特徴とする超音波診断装置。
  4. 【請求項4】 被検体内に超音波を送波し被検体内で反
    射した超音波を受信して受信信号を得、該受信信号に基
    づく被検体内の画像を表示する超音波診断装置におい
    て、 超音波の送受信を複数回繰り返しながら、被検体内に延
    びる同一の走査線に沿う被検体内の情報を担う複数の受
    信信号を得る送受信手段と、 互いに異なる2つの時刻に得られた同一の走査線に沿う
    情報を担う2つの受信信号それぞれから切り出された前
    記走査線に沿う所定区間内の情報を担う各受信信号部分
    の各1次元フーリエ変換信号の一方と、該各1次元フー
    リエ変換信号の他方の複素共役との積の周波数方向の複
    素自己相関関数の、周波数方向の複素自己相関係数に基
    づいて、前記2つの時刻の間の、前記所定区間内の組織
    の前記走査線に沿う方向の変位及び/又は該変位から算
    出される量を求める演算手段と、 前記変位及び/又は該変位から算出される量を表示する
    表示手段とを備えたことを特徴とする超音波診断装置。
  5. 【請求項5】 被検体内に超音波を送波し被検体内で反
    射した超音波を受信して受信信号を得、該受信信号に基
    づく被検体内の画像を表示する超音波診断装置におい
    て、 超音波の送受信を複数回繰り返しながら、被検体内に広
    がる同一の断層面に沿う被検体内の情報を担う複数の受
    信信号を得る送受信手段と、 互いに異なる2つの時刻に得られた同一の断層面に沿う
    情報を担う2つの受信信号それぞれから切り出された前
    記断層面内の所定区域内の情報を担う各受信信号部分の
    各2次元フーリエ変換信号の一方と、該各2次元フーリ
    エ変換信号の他方の複素共役との積の各周波数方向の複
    素自己相関関数の、各周波数方向の複素自己相関係数に
    基づいて、前記2つの時刻の間の、前記所定区域内の組
    織の前記断層面内の変位及び/又は該変位から算出され
    る量を求める演算手段と、 前記変位及び/又は該変位から算出される量を表示する
    表示手段とを備えたことを特徴とする超音波診断装置。
  6. 【請求項6】 被検体内に超音波を送波し被検体内で反
    射した超音波を受信して受信信号を得、該受信信号に基
    づく被検体内の画像を表示する超音波診断装置におい
    て、 超音波の送受信を複数回繰り返しながら、被検体内の三
    次元的な各点の情報を担う複数の受信信号を得る送受信
    手段と、 互いに異なる2つの時刻に得られた被検体内の三次元的
    な各点の情報を担う2つの受信信号それぞれから切り出
    された被検体内の所定の立体区域内の情報を担う各受信
    信号部分の各3次元フーリエ変換信号の一方と、該各3
    次元フーリエ変換信号の他方の複素共役との積の各周波
    数方向の複素自己相関関数の、各周波数方向の複素自己
    相関係数に基づいて、前記2つの時刻の間の、前記立体
    区域内の組織の三次元的な変位及び/又は該変位から算
    出される量を求める演算手段と、 前記変位及び/又は該変位から算出される量を表示する
    表示手段とを備えたことを特徴とする超音波診断装置。
  7. 【請求項7】 前記演算手段が、空間的及び/又は時間
    的に平滑化された、1つもしくは複数の各周波数方向の
    複素自己相関係数を求め、該複素自己相関係数に基づい
    て前記変位及び/又は該変位から算出される量を求める
    ものであることを特徴とする請求項1から6のうちいず
    れか1項記載の超音波診断装置。
  8. 【請求項8】 前記変位から算出される量が、前記変位
    を前記2つの時刻の時間間隔で除することにより得られ
    る速度、前記変位の空間的な傾斜、前記速度の空間的な
    傾斜、および前記変位の空間的な傾斜を前記時間間隔で
    除した量からなる群の中から選択される1つもしくは複
    数であることを特徴とする請求項1から7のうちいずれ
    か1項記載の超音波診断装置。
  9. 【請求項9】 前記表示手段が、前記変位及び/又は該
    変位から算出される量の絶対値を輝度もしくは色に割り
    当てて表示するものであることを特徴とする請求項1か
    ら8のうちいずれか1項記載の超音波診断装置。
  10. 【請求項10】 前記表示手段が、前記変位及び/又は
    該変位から算出される量のベクトルの方向を、方向に応
    じた色、矢印、線分、および流線からなる群の中から選
    択される少なくとも1つを用いて表示するものであるこ
    とを特徴とする請求項1から9のうちいずれか1項記載
    の超音波診断装置。
  11. 【請求項11】 被検体内に超音波を送波し被検体内で
    反射した超音波を受信して受信信号を得、該受信信号に
    基づく被検体内の画像を表示する超音波診断装置におい
    て、 超音波の送受信を複数回繰り返しながら、被検体内に延
    びる同一の走査線に沿う被検体内の情報を担う複数の受
    信信号を得る送受信手段と、 互いに異なる2つの時刻に得られた同一の走査線に沿う
    情報を担う2つの受信信号それぞれから切り出された前
    記走査線に沿う所定区間内の情報を担う各受信信号部分
    の各1次元フーリエ変換信号の一方と、該各1次元フー
    リエ変換信号の他方の複素共役との積の周波数方向の複
    素自己相関係数の、前記走査線に沿う方向の複素自己相
    関係数、あるいは、前記積の周波数方向の複素自己相関
    関数の、周波数方向の複素自己相関係数の、前記走査線
    に沿う方向の複素自己相関係数に基づいて、前記2つの
    時刻の間の、前記所定区間内の組織の前記走査線に沿う
    方向の変位の空間傾斜及び/又は該空間傾斜から算出さ
    れる量を求める演算手段と、 前記空間傾斜及び/又は該空間傾斜から算出される量を
    表示する表示手段とを備えたことを特徴とする超音波診
    断装置。
  12. 【請求項12】 被検体内に超音波を送波し被検体内で
    反射した超音波を受信して受信信号を得、該受信信号に
    基づく被検体内の画像を表示する超音波診断装置におい
    て、 超音波の送受信を複数回繰り返しながら、被検体内に広
    がる同一の断層面に沿う被検体内の情報を担う複数の受
    信信号を得る送受信手段と、 互いに異なる2つの時刻に得られた同一の断層面に沿う
    情報を担う2つの受信信号それぞれから切り出された前
    記断層面内の所定区域内の情報を担う各受信信号部分の
    各2次元フーリエ変換信号の一方と、該各2次元フーリ
    エ変換信号の他方の複素共役との積の各周波数方向の複
    素自己相関係数の、前記断層面内の互いに異なる各方向
    の複素自己相関係数、あるいは、前記積の各周波数方向
    の複素自己相関関数の、各周波数方向の複素自己相関係
    数の、前記断層面内の互いに異なる各方向の複素自己相
    関係数に基づいて、前記2つの時刻の間の、前記所定区
    域内の組織の前記断層面内の変位の空間傾斜及び/又は
    該空間傾斜から算出される量を求める演算手段と、 前記空間傾斜及び/又は該空間傾斜から算出される量を
    表示する表示手段とを備えたことを特徴とする超音波診
    断装置。
  13. 【請求項13】 被検体内に超音波を送波し被検体内で
    反射した超音波を受信して受信信号を得、該受信信号に
    基づく被検体内の画像を表示する超音波診断装置におい
    て、 超音波の送受信を複数回繰り返しながら、被検体内の三
    次元的な各点の情報を担う複数の受信信号を得る送受信
    手段と、 互いに異なる2つの時刻に得られた被検体内の三次元的
    な各点の情報を担う2つの受信信号それぞれから切り出
    された被検体内の所定の立体区域内の情報を担う各受信
    信号部分の各3次元フーリエ変換信号の一方と、該各3
    次元フーリエ変換信号の他方の複素共役との積の各周波
    数方向の複素自己相関係数の、空間上の互いに異なる各
    方向の複素自己相関係数、あるいは前記積の各周波数方
    向の複素自己相関関数の、各周波数方向の複素自己相関
    係数の、空間上の互いに異なる各方向の複素自己相関係
    数に基づいて、前記2つの時刻の間の、前記立体区域内
    の組織の変位の三次元的な空間傾斜及び/又は該空間傾
    斜から算出される量を求める演算手段と、 前記空間傾斜及び/又は該空間傾斜から算出される量を
    表示する表示手段とを備えたことを特徴とする超音波診
    断装置。
  14. 【請求項14】 被検体内に超音波を送波し被検体内で
    反射した超音波を受信して受信信号を得、該受信信号に
    基づく被検体内の画像を表示する超音波診断装置におい
    て、 超音波の送受信を複数回繰り返しながら、被検体内に延
    びる同一の走査線に沿う被検体内の情報を担う複数の受
    信信号を得る送受信手段と、 互いに異なる2つの時刻に得られた同一の走査線に沿う
    情報を担う2つの受信信号それぞれから切り出された前
    記走査線に沿う所定区間内の情報を担う各受信信号部分
    の各1次元フーリエ変換信号の一方と、該各1次元フー
    リエ変換信号の他方の複素共役との積の周波数方向の複
    素自己相関係数の、前記走査線に沿う方向の複素自己相
    関関数の、前記走査線に沿う方向の複素自己相関係数、
    あるいは、前記積の周波数方向の複素自己相関関数の、
    周波数方向の複素自己相関係数の、前記走査線に沿う方
    向の複素自己相関関数の、前記走査線に沿う方向の複素
    自己相関係数に基づいて、前記2つの時刻の間の、前記
    所定区間内の組織の前記走査線に沿う方向の変位の空間
    傾斜及び/又は該空間傾斜から算出される量を求める演
    算手段と、 前記空間傾斜及び/又は該空間傾斜から算出される量を
    表示する表示手段とを備えたことを特徴とする超音波診
    断装置。
  15. 【請求項15】 被検体内に超音波を送波し被検体内で
    反射した超音波を受信して受信信号を得、該受信信号に
    基づく被検体内の画像を表示する超音波診断装置におい
    て、 超音波の送受信を複数回繰り返しながら、被検体内に広
    がる同一の断層面に沿う被検体内の情報を担う複数の受
    信信号を得る送受信手段と、 互いに異なる2つの時刻に得られた同一の断層面に沿う
    情報を担う2つの受信信号それぞれから切り出された前
    記断層面内の所定区域内の情報を担う各受信信号部分の
    各2次元フーリエ変換信号の一方と、該各2次元フーリ
    エ変換信号の他方の複素共役との積の各周波数方向の複
    素自己相関係数の、前記断層面内の互いに異なる各方向
    の複素自己相関関数の、該各方向の複素自己相関係数、
    あるいは、前記積の各周波数方向の複素自己相関関数
    の、各周波数方向の複素自己相関係数の、前記断層面内
    の互いに異なる各方向の複素自己相関関数の、該各方向
    の複素自己相関係数に基づいて、前記2つの時刻の間
    の、前記所定区域内の組織の前記断層面内の変位の空間
    傾斜及び/又は該空間傾斜から算出される量を求める演
    算手段と、 前記空間傾斜及び/又は該空間傾斜から算出される量を
    表示する表示手段とを備えたことを特徴とする超音波診
    断装置。
  16. 【請求項16】 被検体内に超音波を送波し被検体内で
    反射した超音波を受信して受信信号を得、該受信信号に
    基づく被検体内の画像を表示する超音波診断装置におい
    て、 超音波の送受信を複数回繰り返しながら、被検体内の三
    次元的な各点の情報を担う複数の受信信号を得る送受信
    手段と、 互いに異なる2つの時刻に得られた被検体内の三次元的
    な各点の情報を担う2つの受信信号それぞれから切り出
    された被検体内の所定の立体区域内の情報を担う各受信
    信号部分の各フーリエ変換信号の一方と、該各フーリエ
    変換信号の他方の複素共役との積の各周波数方向の複素
    自己相関係数の、空間上の互いに異なる各方向の複素自
    己相関関数の、該各方向の複素自己相関係数、あるい
    は、前記積の各周波数方向の複素自己相関関数の、各周
    波数方向の複素自己相関係数の、空間上の互いに異なる
    各方向の複素自己相関関数の、該各方向の複素自己相関
    係数に基づいて、前記2つの時刻の間の、前記立体区域
    内の組織の変位の三次元的な空間傾斜及び/又は該空間
    傾斜から算出される量を求める演算手段と、 前記空間傾斜及び/又は該空間傾斜から算出される量を
    表示する表示手段とを備えたことを特徴とする超音波診
    断装置。
  17. 【請求項17】 前記演算手段が、空間的及び/又は時
    間的に平滑化された、1つもしくは複数の空間的な各方
    向の複素自己相関係数を求め、該複素自己相関係数に基
    づいて前記空間傾斜及び/又は該空間傾斜から算出され
    る量を求めるものであることを特徴とする請求項11か
    ら16のうちいずれか1項記載の超音波診断装置。
  18. 【請求項18】 前記空間傾斜から算出される量が、前
    記空間傾斜を前記2つの時刻の時間間隔で除することに
    より得られる、速度の空間的な傾斜であることを特徴と
    する請求項11から17のうちいずれか1項記載の超音
    波診断装置。
  19. 【請求項19】 前記表示手段が、前記空間傾斜及び/
    又は該空間傾斜から算出される量の絶対値を輝度もしく
    は色に割り当てて表示するものであることを特徴とする
    請求項11から18のうちいずれか1項記載の超音波診
    断装置。
  20. 【請求項20】 前記表示手段が、前記空間傾斜及び/
    又は該空間傾斜から算出される量のベクトルの方向を、
    方向に応じた色、矢印、線分、および流線からなる群の
    中から選択される少なくとも1つを用いて表示するもの
    であることを特徴とする請求項11から19のうちいず
    れか1項記載の超音波診断装置。
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