JP3370068B2

JP3370068B2 - 動物用玩具

Info

Publication number: JP3370068B2
Application number: JP2000248361A
Authority: JP
Inventors: 泰昇野藤
Original assignee: 株式会社コンピュータコンビニエンス
Priority date: 2000-08-18
Filing date: 2000-08-18
Publication date: 2003-01-27
Anticipated expiration: 2020-08-18
Also published as: JP2002058377A; KR100382871B1; US6360694B1; US20020020362A1; KR20020014650A

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、動物の運動不足を
解消させるための動物用玩具に関し、特に、動物の興味
を惹きつける移動体の動きをカオス的に制御することに
より、動物の興味を長時間惹きつけるようにするための
新規な改良に関する。

【０００２】

【従来の技術】図３は、従来の動物用玩具の構成を示す
図である。図３において、符号１で示されるものは台座
であり、台座１には電気的に駆動制御が行われるモータ
２が内蔵されている。このモータ２は、その回転軸２Ａ
が鉛直上方向を向くように配設されており、また、この
回転軸２Ａには、長さが１０ｃｍ〜３０ｃｍの可撓性を
有するロッド３が接続されている。ロッド３は途中でほ
ぼ直角に折り曲げられており、その先端には例えばネズ
ミに似せた移動体４が取り付けられている。また、玩具
によっては、移動体４の移動を複雑に見せるために、ロ
ッド３の根元部を剛直性のある材料で構成すると共にロ
ッド３の先端部を柔軟性のある材料で構成したものもあ
った。

【０００３】このような従来の動物用玩具において、モ
ータ２を回転させると移動体４は台座１が設置された平
面上で回転移動するので、猫などの動物は興味を示して
移動体４を追いかけ、この結果、人手を必要とすること
なく動物の運動不足を解消させることができる。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】従来の装置は以上のよ
うに構成されていたため、次のような課題が存在してい
た。すなわち、移動体４の移動範囲は台座１が設置され
た平面上に限られるため、即ち、移動体４の移動は２次
元的なものであるため、動物の興味を長時間あるいは繰
り返し惹きつけるためには不十分であった。また、移動
体４の回転移動はパターン化されており、動物がすぐに
飽きてしまっていた。また、移動体４の回転移動をカオ
ス的に動作させたものもあったが、上述のように移動体
４の移動範囲が２次元的なものに留まっていたため、動
物の興味を長時間あるいは繰り返し惹きつけるためには
十分とは言えず、また、移動体４のカオス的な動作の発
生方法も不明確であった。

【０００５】本発明は、以上のような課題を解決するた
めになされたもので、特に、移動体の３次元的かつカオ
ス的な移動を実現することにより、動物の興味を十分に
惹きつけることのできる動物用玩具を提供することを目
的とする。

【０００６】

【課題を解決するための手段】本発明の動物用玩具は、
回転軸が鉛直方向に対して角度を有するように設けられ
る回転手段と、根元部が前記回転軸に同軸状に接続さ
れ、先端部が前記根元部に対して折り曲げられた第１ロ
ッドと、前記第１ロッドの先端部に接続され、長手方向
に対して撓めるような可撓性を有する第２ロッドと、前
記第２ロッドの先端に糸材を介して取り付けられた移動
体とを備え、自然界から得られるカオス的な現象を表す
原信号(20)の信号レベルを第１領域、第２領域及び第３
領域に３分割して前記原信号(20)をデジタルデータに変
換し、前記原信号(20)の信号レベルが前記第１領域内に
あるときは左回転、第２領域にあるときは停止、第３領
域にあるときは右回転させるように前記デジタルデータ
を変換したカオスデータを用いて前記回転手段(11)の回
転軸(11A)をカオス的に任意の回転方向に回転させるこ
とにより、前記移動体(15)が前記回転手段(11)を中心と
した３次元空間内で鉛直方向及び水平方向にカオス的に
移動する構成である。また、前記回転手段は、前記回転
軸の水平方向に対する仰角が４５度から８０度になるよ
うに設けられる構成である。また、前記第１ロッドは、
先端部と根元部とが１５０度から１７０度の角度を有す
るように折り曲げられている構成である。また、前記第
２領域の幅は、１００(ms)〜７００(ms)に設定される構
成である。さらに、前記角度調整式のアームを有する台
座をさらに備え、前記回転手段は前記アームの先端に取
り付けられた筐体に内蔵されていることを特徴とする。

【０００７】

【発明の実施の形態】以下、図面と共に本発明による動
物用玩具の好適な実施の形態について詳細に説明する。
なお、従来装置と同一または同等部分には同一符号を付
し、その説明を省略する。

【０００８】図１に示すように、本発明の動物用玩具
は、スタンド形式の台座１０を備える。この台座１０の
アーム１０Ａには、モータ１１や電池ボックス１１Ｂを
内蔵する筐体１０Ｂが取り付けられており、角度調整ね
じ１０Ｃでアーム１０Ａの角度を任意に調整できるよう
になっている。即ち、モータ１１の回転軸１１Ａは鉛直
方向に対して角度を有するように設けられており、回転
軸１１Ａの水平方向に対する仰角が４５度から８０度の
間であることが好ましい。

【０００９】また、回転軸１１Ａには、剛直性を有する
第１ロッド１２が同軸状に接続されており、この第１ロ
ッド１２の先端部１２Ａは根元部１２Ｂに対して角度を
有するように折り曲げられている。この折り曲げ角は、
先端部１２Ａと根元部１２Ｂとが１５０度から１７０度
の角度をなすものであるこのが望ましい。なお、前記モ
ータ１１には電池ボックス１１Ｂが取り付けられてお
り、後述するカオス的な駆動制御が行われるように構成
されている。

【００１０】第１ロッド１２の先端部１２Ａには、長手
方向に対して自在に撓むことのできる可撓性を有する第
２ロッド１３が接続されており、第２ロッド１３の先端
には例えば釣り糸のような糸材１４を介して移動体１５
が取り付けられている。この移動体１５は、例えば、本
発明の動物用玩具を猫用の玩具として用いる場合には、
形状、模様、色彩等をネズミに似せたものやリボンなど
猫が好むものにすればよい。なお、図１には、第２ロッ
ド１３として中間部にスプリングを有するスプリングロ
ッドを例示的に示すが、第２ロッド１３は、長手方向に
撓むことのできる可撓性を有する棒材であればよく、中
間部にスプリングを有するものに限られない。また、図
１中に記載した寸法は例示的なものである。

【００１１】このような回転機構において、前記モータ
１１の回転軸１１Ａを回転させると、回転軸１１Ａが鉛
直方向に対して角度を有することと、第１ロッド１２が
折れ曲がっていることとにより、モータ１１を取り巻く
３次元空間内で移動体１５が水平方向及び鉛直方向に移
動する（図１中は破線部分参照）。

【００１２】次に、モータ１１の回転動作について説明
する。本発明の動物用玩具では、カオスデータを記憶さ
せたマイクロチップを用いてモータ１１をカオス的に駆
動制御する。このカオス的な駆動制御とは、決定論的カ
オスの動作による駆動制御のことをいい、例えば、人間
の脈波や音声、川のせせらぎ、野を吹く風の強さ、海辺
にうち寄せる波の動き等の自然界に存在する様々なカオ
ス的な現象から得られるカオスデータや、その他の実測
データや数式に基づくデータ等の人工的なカオスデータ
に基づいてモータ１１を駆動制御することをいう。

【００１３】カオス的な駆動制御に用いるカオスデータ
は、原信号に以下のような処理を施すことによって作成
される。図２は、原信号からカオスデータを得る際の処
理工程を示す特性図である。原信号２０として例えば人
間の脈波を用い、この原信号２０をＰＣＭ形式またはテ
キスト形式等のデータ形式によりコンピュータで読み込
む。このようにして読み込んだ原信号２０は、時系列的
に原信号２０の信号レベルを表すアナログデータであ
る。

【００１４】図２において、縦軸は原信号２０として用
いる脈波の信号レベルを表し、横軸は時間を表す。横軸
に平行な２本の直線Ｙ＝Ｙ１，Ｙ＝Ｙ２を引き、原信号
２０を信号レベルの低い方から第１領域、第２領域及び
第３領域の３つの領域に分割する。そして、例えば、原
信号２０の信号レベルが第１領域にあるときに「右回
転」、第２領域では「停止」、第３領域では「左回転」
と決めることにより、脈波などの原信号２０に基づく様
々なカオスデータを得る。

【００１５】原信号２０の第１領域、第２領域及び第３
領域から得られるデジタルデータを「０」，「１」，
「２」とすると、これらのデジタルデータをそれぞれ２
進数に変換すれば「００」、「０１」、「１０」のデジ
タルデータを得ることができる。ここで、モータ１１が
左回転から右回転に切り替わるときには必ず間に停止動
作が入るため、停止動作に相当する原信号２０の第２領
域から得られる「１」（＝「０１」）は、モータ１１を
停止させるデータでなければならない。

【００１６】しかし、一般的なモータ１１の駆動制御で
は、回転を停止させるデータは「００」であるため、モ
ータ１１を第１領域で「左回転」、第２領域で「停
止」、第３領域で「右回転」と駆動制御するためには、
停止動作に相当する第２領域のデータを「００」に変換
すると共に、第１領域のデータを「０１」に変換する必
要がある。従って、本発明の動物用玩具では、このよう
なデータの変換を行って得たカオスデータを用いてモー
タ１１を駆動制御する。

【００１７】次に、カオスデータ作成時におけるモータ
１１の回転速度の設定方法について説明する。ＰＣＭ形
式又はテキスト形式等のデータ形式でコンピュータに読
み込ませた原信号２０は、時系列的に原信号２０の信号
レベルを表すアナログデータである。そして、この時系
列的に並んだデータをモータ１１の駆動制御に用いるカ
オスデータとして抽出する間隔を任意に設定することに
より、モータ１１の回転速度を任意に変化させることが
できる。

【００１８】例えば、前記時系列的に並んだデータをあ
る単位時間毎に抽出して得たカオスデータを用いてモー
タ１１の駆動制御に用いる場合には、モータ１１は、人
間の脈波等をそのまま再現したリズム（即ち、脈波と同
一波形、同一周期）で駆動制御され、また、例えば前記
単位時間の５倍の時間毎に原信号２０を抽出する場合に
は、それだけ時間的に圧縮されたカオスデータとなるた
め、モータ１１の回転速度が速くなる。従って、時系列
的に並んだデータを抽出する単位時間を調整することに
より、モータ１１の回転速度を調整することができる。

【００１９】また、カオスデータ作成時にモータ１１の
左回転の動作時間、停止時間及び右回転の動作時間をそ
れぞれ設定するためには、図２における２つの直線（Ｙ
＝Ｙ１，Ｙ＝Ｙ２）の設定の仕方を変えればよい。即
ち、第１領域、第２領域及び第３領域の信号レベル方向
の幅（図２における縦軸方向）を任意に選択することに
より、原信号２０から得られる「００」、「０１」、
「１０」データの時間的間隔を変えることができるた
め、この結果、モータ１１駆動制御に用いるカオスデー
タにおける左回転の動作時間、停止時間、右回転の動作
時間を任意に設定することができる。

【００２０】以上のような処理を行うことにより、カオ
ス的な駆動制御に用いるカオスデータを作成することが
でき、このようにして得たカオスデータは例えばマイク
ロチップに記憶され、図示しないモータ１１の駆動装置
に組み込まれる。

【００２１】以上、本発明の動物用玩具によれば、原信
号２０を３段階の信号レベルに分けることによって得ら
れたカオスデータを用いてモータ１１を駆動制御するの
で、容易に作成できるカオスデータを用いて移動体１５
をカオス的に移動させることができ、移動体１５への動
物の興味を十分に惹きつけることができる。また、モー
タ１１を取り巻く３次元空間内において移動体１５を水
平方向及び鉛直方向にカオス的に移動させることができ
るので、移動体１５の動きが例えばネズミなどの生き物
のようにリアルなものとなり、猫などの動物はあたかも
本物のネズミを追いかけるかのように、長時間にわたっ
て本発明の動物用玩具で遊ぶこととなる。この結果、猫
などの動物の運動不足を十分に解消させることができ
る。

【００２２】

【発明の効果】本発明の動物用玩具は、回転軸が鉛直方
向に対して角度を有するように設けられる回転手段と、
根元部が前記回転軸に同軸状に接続され、先端部が前記
根元部に対して折り曲げられた第１ロッドと、前記第１
ロッドの先端部に接続され、長手方向に対して撓めるよ
うな可撓性を有する第２ロッドと、前記第２ロッドの先
端に糸材を介して取り付けられた移動体とを備え、自然
界から得られるカオス的な現象を表す原信号(20)の信号
レベルを第１領域、第２領域及び第３領域に３分割して
前記原信号(20)をデジタルデータに変換し、前記原信号
(20)の信号レベルが前記第１領域内にあるときは左回
転、第２領域にあるときは停止、第３領域にあるときは
右回転させるように前記デジタルデータを変換したカオ
スデータを用いて前記回転手段(11)の回転軸(11A)をカ
オス的に任意の回転方向に回転させることにより、前記
移動体(15)が前記回転手段(11)を中心とした３次元空間
内で鉛直方向及び水平方向にカオス的に移動するので、
移動体の動きが例えばネズミなどの生き物のようにリア
ルなものとなり、猫などの動物はあたかも本物のネズミ
を追いかけるかのように、長時間にわたって本発明の動
物用玩具で遊ぶこととなり、猫などの動物の運動不足を
十分に解消させることができると共に、人間の脈波等の
原信号に基づいて容易に作成することのできるカオスデ
ータによってカオス的な駆動制御を実現することができ
る。また、前記回転手段は、前記回転軸の水平方向に対
する仰角が４５度から８０度になるように設けられるの
で、移動体の３次元的な移動を本物の生き物のようにす
ることができる。また、前記第１ロッドは、先端部と根
元部とが１５０度から１７０度の角度を有するように折
り曲げられているので、移動体の３次元的な移動を本物
の生き物のようにすることができる。また、前記第２領
域の幅は、１００(ms)〜７００(ms)に設定されるので、
移動体の移動を本物の生き物のようにすることができ
る。さらに、前記角度調整式のアームを有する台座をさ
らに備え、前記回転手段は前記アームの先端に取り付け
られた筐体に内蔵されているので、簡単な構成で安価に
動物用玩具を提供することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明による動物用玩具を概略的に示す構成図
である。

【図２】本発明の動物用玩具に用いるカオスデータを抽
出する原理を示す特性図である。

【図３】従来の動物用玩具を概略的に示す構成図であ
る。

【符号の説明】

１０台座１０Ａアーム１０Ｂ筐体１０Ｃ角度調整ねじ１１回転手段１１Ａ回転軸１１Ｂ電池ボックス１２第１ロッド１２Ａ先端部１２Ｂ根元部１３第２ロッド１４糸材１５移動体２０原信号

Claims

(57)【特許請求の範囲】

【請求項１】回転軸(11A)が鉛直方向に対して角度を
有するように設けられる回転手段(11)と、根元部(12B)が前記回転軸(11A)に同軸状に接続され、先
端部(12A)が前記根元部(12B)に対して折り曲げられた第
１ロッド(12)と、前記第１ロッド(12)の先端部(12A)に接続され、長手方
向に対して撓めるような可撓性を有する第２ロッド(13)
と、前記第２ロッド(13)の先端に糸材(14)を介して取り付け
られた移動体(15)とを備え、自然界から得られるカオス
的な現象を表す原信号(20)の信号レベルを第１領域、第
２領域及び第３領域に３分割して前記原信号(20)をデジ
タルデータに変換し、前記原信号(20)の信号レベルが前
記第１領域内にあるときは左回転、第２領域にあるとき
は停止、第３領域にあるときは右回転させるように前記
デジタルデータを変換したカオスデータを用いて前記回
転手段(11)の回転軸(11A)をカオス的に任意の回転方向
に回転させることにより、前記移動体(15)が前記回転手
段(11)を中心とした３次元空間内で鉛直方向及び水平方
向にカオス的に移動することを特徴とする動物用玩具。
【請求項２】前記回転手段(11)は、前記回転軸(11A)
の水平方向に対する仰角が４５度から８０度になるよう
に設けられることを特徴とする請求項１記載の動物用玩
具。
【請求項３】前記第１ロッド(12)は、先端部(12A)と
根元部(12B)とが１５０度から１７０度の角度を有する
ように折り曲げられていることを特徴とする請求項１又
は２記載の動物用玩具。
【請求項４】前記第２領域の幅は、１００(ms)〜７０
０(ms)に設定されることを特徴とする請求項１ないし３
のいずれか記載の動物用玩具。
【請求項５】角度調整式のアーム(10A)を有する台座
(10)をさらに備え、前記回転手段(11)は前記アーム(10
A)の先端に取り付けられた筐体(10B)に内蔵されている
ことを特徴とする請求項１ないし４のいずれか記載の動
物用玩具。