JP3370009B2 - マグネシウム合金部材の製造方法 - Google Patents

マグネシウム合金部材の製造方法

Info

Publication number
JP3370009B2
JP3370009B2 JP08858499A JP8858499A JP3370009B2 JP 3370009 B2 JP3370009 B2 JP 3370009B2 JP 08858499 A JP08858499 A JP 08858499A JP 8858499 A JP8858499 A JP 8858499A JP 3370009 B2 JP3370009 B2 JP 3370009B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
forging
magnesium alloy
temperature
rate
test
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP08858499A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2000280057A (ja
Inventor
和夫 坂本
幸男 山本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mazda Motor Corp
Original Assignee
Mazda Motor Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mazda Motor Corp filed Critical Mazda Motor Corp
Priority to JP08858499A priority Critical patent/JP3370009B2/ja
Publication of JP2000280057A publication Critical patent/JP2000280057A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3370009B2 publication Critical patent/JP3370009B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Forging (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、マグネシウム合
金溶湯を半溶融状態で成形型の成形キャビティ内に射出
充填して成形品を得るようにしたマグネシウム合金部材
の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】例えば、マグネシウム(以下、適宜、そ
の元素記号Mgで表示する。)及びその合金あるいはア
ルミニウム(以下、適宜、その元素記号Alで表示す
る。)及びその合金などの軽金属を材料とした金属部材
の製造方法として、金属溶湯を(基本的にはその融点未
満の)半溶融状態で射出ノズルから成形型の成形キャビ
ティ内に射出充填して成形品を得るようにした、いわゆ
る半溶融射出成形方法は、従来、公知である(例えば、
特公平2−15620号公報参照)。
【0003】この半溶融射出成形法は、例えばダイキャ
スト法などの鋳造法に比べた場合、作業環境面では比較
的クリーン(清浄)で安全性もより高く、また、品質面
においても高精度で均質な軽金属成形品を得ることがで
きるプロセスとして知られている。また、溶湯温度(以
下、完全に溶融した状態ではなく半溶融状態のものであ
っても「溶湯」と称する。)が低いので、所謂「バリ」
が出にくく高速および/または高圧での射出にも適して
おり、生産性の向上を図る上でも有利である。
【0004】なお、本明細書において、射出されるべき
原料の金属溶湯について「半溶融状態」とは、基本的に
は、「固体状態の原料(固相)と溶融して液体状態とな
った原料(液相)とが共存している状態」を言い、通
常、原料をその融点未満に加熱することによって得られ
る状態である。但し、溶湯の温度が実質的にその融点も
しくは融点直上で、固相率が実質的に0(零)%に等し
い場合も、この「半溶融状態」に含まれるものとする。
金属溶湯自体がこのような実質的に固相率0%の場合で
も、現実の射出成形工程を考えれば、射出ノズルから型
内への1回(1ショット)の射出が終って次回(次ショ
ット)の射出が行われるまでの間に、射出ノズルの溶湯
供給経路内の金属溶湯が冷やされてノズル先端側に凝固
部分(所謂、コールドプラグ)や固相率の高い高固相部
分が生じるので、実際に成形キャビティ内に射出される
溶湯には、不可避的に固相部分が含まれることになる。
【0005】また、本明細書において、「固相」とは
「金属溶湯が半溶融状態である場合において溶融されず
に固体状態を維持している部分」を言い、また、「液
相」とは「完全に溶融されて液体状態となっている部
分」を言う。上記「固相」は、射出後の成形品の凝固組
織を観察することにより、「半溶融の金属溶湯状態で溶
融されずに固体状態を維持していた部分」として、「半
溶融の金属溶湯状態で完全に溶融されて液体状態となっ
ていた」液相部分とは、容易に識別することができる。
成形品について「固相」という場合は、「半溶融の金属
溶湯状態で溶融されずに固体状態を維持していた(固相
であった)部分」を言う。更に、本明細書において、
「固相率」とは、「半溶融状態の金属溶湯において溶湯
全体(固相+液相)に対する固相の割合」を言い、射出
後の成形品の凝固組織を観察することにより、観察領域
全体に対する「固相」であった部分の割合(面積比率)
として、数値的に求めることができる。
【0006】上記半溶融射出成形で軽金属部材を製造す
る場合、一般に、固相率を高くすることにより、ガス欠
陥や引け巣等の不具合発生を抑制できることが知られて
いる。しかしながら、このように固相率を高めるだけで
は、上記のような不具合発生を抑制して部材全体として
の強度向上を図ることができるものの、高温使用時にお
ける耐クリープ特性の改善を図ることは難しい。この点
に関して、本願出願人は、特願平9−263893号に
おいて、ゲート断面積と成形キャビティの最大断面積と
の比が一定以上に設定された特定の条件下で、固相率,
固相径を一定以上にして半溶融射出成形することによ
り、ガス欠陥の発生を抑えた上で耐クリープ特性の向上
を図ることを提案した。しかし、この提案は、あくまで
も、上記特定の条件下における成形を前提としたもので
あった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】周知のように、上記М
g合金やAl合金等の軽合金は、現在多用されている鉄
系金属材料に比して非常に軽量であるので、例えば一層
の燃費向上が求められている自動車などにおいても、更
なる軽量化を達成することなどを目的として、従来用い
られていた鋼等の鉄系材料などに替えてその採用が拡大
しつつある。特に、Мg合金の場合、Al若しくはAl
合金よりも更に軽量であるので、これらに替えて、例え
ばホイールなどの材料としては既に実用に供されている
のであるが、このMg合金等の軽合金を、温度的あるい
は強度的により使用条件が厳しい例えば内燃機関(エン
ジン)周りの機構部品などの材料として適用することを
考えた場合、常温での強度特性はもとより、例えば、1
50℃程度の高温においても一定以上(例えば220M
Pa以上)の高い引張強度や優れた耐クリープ特性が求
められる。
【0008】上記のようなある程度の高温(例えば15
0℃程度)で一定以上(例えば220MPa以上)の高
い引張強度や優れた耐クリープ特性などの機械的特性を
確保することが求められる場合、鋳造や射出成形などの
成形加工では所要の特性を安定して得ることは一般に難
しく、加工時に緻密な材料組織が得られる塑性加工、特
に、一定以上の鍛造率で鍛造することが最も好ましい。
従って、Mg合金等の軽合金材料としては、上記のよう
な機械的特性を得る上で、良好な鍛造性を確保する必要
がある。
【0009】そこで、この発明は、半溶融射出成形でマ
グネシウム合金部材を製造するに際して、耐クリープ特
性が良好で、また、鍛造性に優れたマグネシウム合金部
材を得ることができる製造方法を提供することを目的と
してなされたものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本願発明者らは、上記の
技術的課題に鑑みて鋭意研究を重ねた結果、ゲート断面
積と成形キャビティの最大断面積との比を一定以上に保
つ特定の条件下でなくても、固相率と固相径とを一定以
上あるいは一定範囲内に設定して半溶融射出成形するこ
とにより耐クリープ特性が向上すること、また、少なく
ともAl及びCaを含有したMg合金製の軽金属部材に
おいて、Ca量が一定以下(4重量%以下)の範囲にお
いてはこのCa含有量が高いほど耐クリープ特性が向上
すること、及びAl量が一定以下(6重量%以下)の範
囲では耐クリープ特性が良好に維持されること、更に、
Al量が一定以上(2重量%以上)の範囲では高温(1
50℃)で高い引張強度(220MPa以上)が確保でき
ること、また更に、Ca/Al比(Al含有量(重量)
に対するCa含有量(重量)の比率)が一定以下(0.8
以下)の範囲では所要の鍛造率を確保した上で高速鍛造
における割れ発生率を極めて低く抑制できることを見出
した。
【0011】そこで、本願の請求項1の発明(以下、第
1の発明という)に係るマグネシウム合金部材の製造方
法は、マグネシウム合金溶湯を半溶融状態で成形型の成
形キャビティ内に射出充填して成形品を得るようにした
マグネシウム合金部材の製造方法であって、上記マグネ
シウム合金として、2重量%以上で6重量%以下のアル
ミニウム及び0.5重量%以上で4重量%以下のカルシ
ウムを含有するマグネシウム合金を用い、該マグネシウ
ム合金の溶湯を、固相率5%以上で60%以下かつ平均
固相径50μm以上で200μm以下に設定して、上記
成形型内へ射出し、該射出成形により得られた成形品に
熱間鍛造を施す、ことを特徴としたものである。
【0012】ここに、マグネシウム合金のAl含有量の
下限値を2重量%としたのは、Al量がこの値を下回る
と高温(150℃)で十分な引張強度(220MPa以
上)を確保することが難しくなるからであり、また、A
l含有量の上限値を6重量%としたのは、Al量がこの
値を越えると耐クリープ特性が低下するからである。一
方、Ca含有量の下限値を0.5重量%としたのは、C
a量がこの値を下回ると耐クリープ特性が低下するから
であり、また、Ca含有量の上限値を4重量%としたの
は、Ca量がこの値を越えて増加しても耐クリープ特性
向上の効果が飽和するからである。また、ここに、マグ
ネシウム合金溶湯の固相率の下限値を5%、平均固相径
の下限値を50μmとしたのは、固相率が5%未満また
は平均固相径が50μm未満では、得られた成形品の耐
クリープ特性を有効に向上させることができないからで
ある。一方、固相率の上限値を60%、平均固相径の上
限値を200μmとしたのは、固相率が60%を越える
又は平均固相径が200μmを越える場合には、マグネ
シウム合金溶湯の流動性が低すぎて射出成形が難しく、
また、成形可能であってもサイクルタイムが非常に長く
なるからである。尚、本明細書において、「平均固相
径」とは、「半溶融状態の金属溶湯において溶融されず
に固体状態を維持している部分の等価円の直径の平均
値」を言う。この「平均固相径」は、射出後の成形品の
凝固組織を観察することにより、「半溶融の金属溶湯状
態で溶融されずに固体状態を維持していた部分の等価円
の直径の平均値」として計測することができる。
【0013】
【0014】
【0015】
【0016】
【0017】
【0018】また、本願の請求項2に係る発明(以下、
第2の発明という)は、上記第1の発明において、アル
ミニウム含有量に対するカルシウム含有量の比率(Ca
/Al比)が0.8以下のものを、100[mm/秒]
以上の鍛造速度で熱間鍛造することを特徴としたもので
ある。
【0019】ここに、上記Ca/Al比を0.8以下と
したのは、この範囲であれば、所要の鍛造率(50%)
を確保した上で、高速鍛造においても割れ発生率を極め
て低く抑えることができるからである。また、鍛造速度
を100[mm/秒]以上としたのは、例えばエンジン
の機構部品等の部品類を製造する際には、この程度の鍛
造速度を確保して生産性を高めることが求められるから
である。
【0020】更に、本願の請求項3に係る発明(以下、
第3の発明という)は、上記第1又は第2の発明におい
て、上記熱間鍛造における鍛造温度が250℃〜400
℃の範囲であることを特徴としたものである。
【0021】ここに、鍛造温度の下限値を250℃とし
たのは、鍛造温度がこの値以上であれば、良好な限界据
え込み率(70%以上)を確保して、例えばエンジンの
バルブリフタなど一定以上の高い強度を要する部材・部
品等にも適用することが可能だからであり、また、鍛造
温度の上限値を400℃としたのは、鍛造温度がこの値
を越えると、鍛造温度の上昇による鍛造性向上効果が飽
和し、しかも、酸化し易くなるからである。
【0022】また、更に、本願の請求項4に係る発明
(以下、第4の発明という)は、上記第1〜第3の発明の
いずれか一において、上記熱間鍛造における鍛造率が1
0%以上であることを特徴としたものである。
【0023】ここに、上記鍛造率を10%以上としたの
は、鍛造率がこの値を下回ると、実用上、鍛造前の素材
内部の微視的な欠陥を潰して素材を鍛錬する効果を得る
ことが難しいからである。
【0024】また、更に、本願の請求項5に係る発明
(以下、第5の発明という)は、上記第1〜第4の発明の
いずれか一において、上記熱間鍛造で得られた鍛造部材
に、100℃〜250℃の温度範囲で5時間〜50時間
保持する熱処理を施すことを特徴としたものである。
【0025】ここに、熱処理温度の下限値を100℃と
したのは、それ未満では、熱処理による強度向上効果が
小さいからであり、また、熱処理温度の上限値を250
℃としたのは、それより高いと、熱処理による強度向上
効果は飽和するからである。一方、熱処理温度保持時間
の下限値を5時間としたのは、それ未満では、熱処理に
よる強度向上効果が小さいからであり、また、熱処理温
度保持時間の上限値を50時間としたのは、それより長
時間熱処理しても、強度向上効果は飽和するからであ
る。
【0026】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を、添
付図面を参照しながら詳細に説明する。図1は、本実施
の形態に係るマグネシウム合金部材の射出成形を行う射
出成形機の概略構成を示す部分断面説明図である。この
図に示すように、上記射出成形機1は、所謂スクリュー
式のもので、先端部にノズル3を有し外周に配置された
ヒータ4で加熱されるシリンダ2と、該シリンダ2及び
それに連接された成形機本体内5で回転可能に支持され
たスクリュー6と、例えばモータ機構および減速機構等
を備えスクリュー6を回転駆動する回転駆動装置7と、
原料が投入され貯えられるホッパ8と、ホッパ8内の原
料を計量して成形機本体5内に送給するフィーダ9とを
備えている。また、上記成形機本体5内には、具体的に
は図示しなかったが、スクリュー6をノズル3側に前進
させる高速射出機構が設けられている。この高速射出機
構は、所定のタイミングでスクリュー6を前進させると
ともに、該スクリュー6が予め設定された距離だけ後退
するとそれを検知してスクリュー6の回転を停止させ、
同時にその後退動作も停止させるように構成されてい
る。
【0027】上記射出成形機1は、ノズル3の内部通路
と成形キャビティ11に繋がるランナ部12とが連通す
るように位置設定された上で、シリンダ2の先端側を金
型10に結合して用いられる。上記ホッパ8に投入され
てその内部に貯えられた原料は、フィーダ9で所定量が
計量されて成形機本体5内に供給され、スクリュー6の
回転によって加熱状態のシリンダ2内に送給される。送
給された原料は、このシリンダ2の内部でスクリュー6
の回転により十分に攪拌・混錬されながら所定温度に加
熱される。本実施の形態では、かかるプロセスによって
(基本的には原料の融点未満の)半溶融状態の金属溶湯
を得るようにした
【0028】このようにして得られた半溶融状態の金属
溶湯がスクリュー6の前方に押し出されるに連れて、そ
の圧力で該スクリュー6が後退して行く。尚、他の手法
として、スクリューを所望の速度で強制的に後退させる
ようにしても良い。スクリュー6が予め設定された距離
だけ後退すると、成形機本体5内の上記高速射出機構
(不図示)がそれを検知してスクリュー6の回転を停止
させ、同時にその後退動作も停止させる。尚、原料の計
量を、スクリュー6の後退距離を設定することによって
行うようにしても良い。
【0029】そして、回転が停止し後退位置にあるスク
リュー6を、高速射出機構(不図示)によって前進させ
所定の力で押し出すことより、ノズル3から金型10内
に半溶融状態の金属溶湯が射出される。つまり、ノズル
3からランナ部12を介して成形キャビティ11内に金
属溶湯が射出充填されるようになっている。本実施の形
態では、原料として軽金属の一種であるマグネシウム
(Мg)合金を用い、これを例えば切り粉状のペレット
の形態で射出成形機1のホッパ8に供給するようにし
た。上記ホッパ8から成形機本体5内に通じる通路に
は、より好ましくは不活性ガス(例えばアルゴンガス)
が充填され、原料(Mg合金ペレット)の酸化反応の防
止が図られている。
【0030】また、本実施の形態では、半溶融射出成形
法によりマグネシウム合金部材を成形するに際して、得
られた成形品(マグネシウム合金部材)の耐クリープ特
性を向上させること、また、その鍛造性を高めることな
どを基本的な目的として、種々の試験を行った。まず、
マグネシウム合金溶湯の固相率及び平均固相径が成形品
の耐クリープ特性に及ぼす影響を調べる試験について説
明する。この試験は、JIS H 2222に規定され
たマグネシウム合金МD1(ASTМ AZ91に相
当)のうち、下記表1に示すМD1Dを原材料に用いて
行った。尚、これら3種のМD1合金(A,B及びD)
は、機械的特性は互いに同等で、耐食性が相違するもの
である。
【0031】
【表1】
【0032】上記マグネシウム合金МD1Dの溶湯を半
溶融状態とし、固相率および平均固相径を種々変更して
射出成形を行い、得られた成形品をそれぞれ供試材とし
て試験片を切出し、各々定常クリープ歪速度を調べるク
リープ試験を行った。図2は固相率が定常クリープ歪速
度に及ぼす影響を表し、図3は、平均固相径が定常クリ
ープ歪速度に及ぼす影響を表している。図2のグラフの
試験では固相径を50[μm]に、また、図3のグラフ
の試験では固相率を25[%]に、それぞれ設定した。
また、両クリープ試験において、試験温度及び荷重条件
は、以下の通りとした。 ・試験温度:125℃ ・荷重条件:50МPa
【0033】図2のグラフから良く分かるように、全体
として固相率が高いほど定常クリープ歪速度は低下する
が、固相率が5%よりも若干低いポイント変極点とし、
この変極点を境にして定常クリープ歪速度が大きく変化
している。つまり、この変極点よりも固相率が高い場合
には、それよりも低い場合に比べて、定常クリープ歪速
度が大幅に低下している。すなわち、固相率を5%以上
に設定することにより、耐クリープ特性を大幅に向上さ
せることができることが分かった。また、図3のグラフ
から良く分かるように、全体として平均固相径が高いほ
ど定常クリープ歪速度は低下するが、平均固相径が50
μmよりも若干低いポイント変極点とし、やはり、この
変極点を境にして定常クリープ歪速度が大きく変化して
いる。つまり、この変極点よりも平均固相径が高い場合
には、それよりも低い場合に比べて、定常クリープ歪速
度が大幅に低下している。すなわち、平均固相径を50
μm以上に設定することにより、耐クリープ特性を大幅
に向上させることができることが分かった。
【0034】以上より、溶湯を固相率5%以上かつ平均
固相径50μm以上の半溶融状態として射出成形を行う
ことにより、得られた成形品(マグネシウム合金部材)
の耐クリープ特性を有効に向上させることができること
が確認された。尚、溶湯の固相率が60%を越える場合
または平均固相径が200μmを越える場合には、マグ
ネシウム合金溶湯の流動性が低すぎて射出成形が難し
く、また、成形可能であってもサイクルタイムが非常に
長くなり実用的でないことが知られている。従って、本
試験においては、上記溶湯の固相率が60%を越えず、
かつ、平均固相径が200μmを越えない範囲内(より
具体的には、固相率が40%以下、かつ、平均固相径が
80μm以下の範囲内)で、これらの値を変化させて行
った。
【0035】次に、半溶融射出成形法で成形した成形品
(マグネシウム合金部材)の鍛造性を高め、より健全な
部材を得ることなどを基本的な目的として行った種々の
試験について説明する。図12〜図14は、半溶融湯射
出成形で得られたマグネシウム合金の成形品を素材とし
て用い鍛造部材のサンプルを得る方法を模式的に示した
ものである。本実施の形態では、図12に示すように、
縦A1×横B1×長さL1の直方体状のマグネシウム合
金製素材M1を用意し、図13に示すように、この素材
Mの例えば横方向を一対の固定プレートP1で挟んで拘
束し、この状態で縦方向(図13における紙面方向)に
圧縮荷重を加えて塑性加工(鍛造)を行い、鍛造部材の
サンプルを作成した。
【0036】この結果、素材M1の縦方向寸法は、初期
のA1からA2に変化し(短くなり)、また、長さは初
期のL1からL2に変化する(長くなる)。この場合、
この鍛造による鍛造率は次式で算出される。 鍛造率=(A1−A2)/A1×100[%]… 尚、本実施の形態では、マグネシウム合金素材M1の初
期(図12参照)の基本寸法を、例えば、A1=A2=
12[mm],L1=50[mm]とした。このように
して得られた鍛造部材サンプルをそれぞれ供試材とし、
これら供試材から各種試験に適応した寸法・形状の試験
片を切り出して作成し、以下に述べるような各種の試験
を行った。
【0037】表2は、本実施の形態に係るマグネシウム
合金鍛造素材の特性を調べるための各種試験に用いた試
料(本発明実施例1〜6及び比較例1〜4)の化学成分
およびCa/Al比(アルミニウム含有量に対するカル
シウム含有量の比率)を示している。つまり、表2に示
した各試料(鍛造素材)を用いてそれぞれ鍛造部材のサ
ンプルを製作し、以下に述べるような各種試験に供し
た。尚、表2において、各数値は重量%を示しており、
また、Al(アルミニウム),Ca(カルシウム),M
n(マンガン),Si(珪素)及びその他(不純物)以
外の残部は、Mg(マグネシウム)である。
【0038】
【表2】
【0039】まず、主要な添加元素であるAl(アルミ
ニウム),Ca(カルシウム)の含有量が鍛造部材の高
温での機械的性質に及ぼす影響を調べる試験を行った。
図4および図5は、Ca含有量およびAl含有量が鍛造
部材の定常クリープ速度に及ぼす影響を調べた試験結果
をそれぞれ示している。尚、これらクリープ試験の試験
条件および供試材の設定条件は、以下の通りとした。 ・試験温度:150℃ ・荷重条件:100MPa ・供試材の鍛造率:50%
【0040】図4の試験結果に示されるように、定常ク
リープ速度は、Ca量が0.5重量%(本発明実施例2)
から4重量%(本発明実施例5)の範囲では、Ca量が
増加するに連れて低下しており、この範囲ではCa含有
量の増加に伴なって耐クリープ特性が向上することが分
かった。一方、Ca量が4重量%を越えると(比較例
2)、定常クリープ速度は略一定となっており、Ca含
有量の増加による耐クリープ特性向上の効果がこの値
(4重量%)を超えると飽和することが分かった。尚、
Caを全く含まない比較例1の場合には、クリープ速度
が定常状態に至らず、試験開始後10[hr](時間)で
試験片が破断しており、対クリープ特性が著しく劣って
いることが分かった。
【0041】また、図5の試験結果から良く分かるよう
に、定常クリープ速度は、Al量が6重量%(本発明実
施例6)以下の範囲では略一定の低い値に維持される
が、Al量がこの値を超えると急速に上昇している。す
なわち、Al含有量を6重量%以下とすることにより、
良好な耐クリープ特性が得られることが分かった。
【0042】図6は、高温での引張強度に及ぼすAl含
有量の影響を示している。この高温引張試験の試験条件
および供試材の設定条件は、以下の通りとした。 ・試験温度:150℃ ・供試材の鍛造率:50%
【0043】この図6の試験結果から良く分かるよう
に、高温での引張強度はAl量が3重量%(本発明実施
例1)以上の範囲では略一定の高い値に維持され、Al
量がこの値を下回って2重量%(本発明実施例7)にな
ると若干の低下傾向を示すようになるが、依然として高
い値(220MPa以上)を保っている。すなわち、A
l含有量が2重量%以上であれば、高温(150℃)でも
十分な引張強度を確保することができ、更に、より好ま
しくは、3重量%以上であれば、より高い引張強度をよ
り安定して維持できることが分かった。
【0044】この高温引張強度としては、鍛造部材を例
えばエンジンの機構部品(例えばバルブリフタ)など、
150℃程度の高温雰囲気下で一定以上の高い強度を要
する部材・部品等に用いる場合には、実用上、少なくと
も220MPa以上を確保することが好ましい。図6の
高温引張試験で用いた各試料の場合には、いずれも、1
50℃の高温雰囲気下で220MPa以上の引張強度を
確保することができ、上記のような一定以上の高い強度
を要する部材・部品等に対しても十分に適用することが
できる。
【0045】次に、Ca/Al比がMg合金鍛造素材の
鍛造性に及ぼす影響を調べる試験を行った。図7は、高
速鍛造を行った場合における割れ発生率に及ぼすCa/
Al比の影響を示している。尚、本明細書中において、
「高速鍛造」とは、略100[mm/秒]以上の鍛造速
度で行う鍛造を言うものとする。例えばエンジンの機構
部品等の部品類などの量産品を製造する際には、高い生
産性を得る観点から、この程度(略100[mm/
秒])以上の鍛造速度を確保することが好ましい。上記
図7の高速鍛造試験の試験条件および供試材の設定条件
は、以下の通りとした。 ・鍛造温度:350℃ ・鍛造速度:400[mm/秒] ・鍛造率:10%,25%,50%の3種類
【0046】図7の試験結果から良く分かるように、C
a/Al比が0.8(本発明実施例4)以下の範囲で
は、鍛造率の如何に拘わらず、割れ発生率は最高でも
0.1%以下と極めて低い値に抑制することができる。
一方、Ca/Al比が0.8を越えると(本発明実施例
5)、鍛造率が25%及び50%のものについては割れ
発生率が急速に高くなる。しかし、鍛造率が10%のも
のについては、Ca/Al比が0.8以下の場合と同じ
く、割れの発生は全く認められなかった。以上より、実
用性は比較的低いものの鍛造率が10%であれば、Ca
/Al比の如何に拘わらず高速鍛造においても割れは発
生せず、また、鍛造率が25%以上(25%及び50
%)の場合には、Ca/Al比を0.8以下とすること
により、高速鍛造における割れ発生率を極めて低く抑制
して、十分な鍛造性を確保できることが分かった。
【0047】尚、上記の高速鍛造試験とは別に、略10
[mm/秒]の低速での鍛造試験(鍛造温度:350
℃)を行ったところ、鍛造率が10%の場合は勿論のこ
と、鍛造率が25%及び50%の場合でも、Ca/Al
比の如何に拘わらず割れの発生は全く認められなかっ
た。すなわち、鍛造速度が低い場合には、鍛造率および
Ca/Al比の如何に拘わらず割れ発生はなく、鍛造性
に何ら問題が無いことが分かった。
【0048】次に、供試材の高温強度(引張強度)およ
び鍛造性(限界据え込み率)に及ぼす熱処理の影響を調
べる試験を行った。図8は、鍛造後の熱処理が高温引張
強度に及ぼす影響を示している。この図8に示した高温
引張試験の試験条件および供試材の設定条件は、以下の
通りとした。 ・試験温度:150℃ ・供試材の種類:本発明実施例4 ・供試材の鍛造率:50% ・供試材の熱処理条件:熱処理無し/鍛造後に150℃
で30時間保持した後に空冷
【0049】この試験結果から良く分かるように、鍛造
後に熱処理を施すことによって、熱処理を行わなかった
場合に比べて、高温(150℃)での引張強度は大幅に高
くなっており、鍛造後の熱処理による高温引張強度向上
の効果を確認することができた。尚、この高温引張強度
としては、上述のように、鍛造部材を例えばエンジンの
機構部品(例えばバルブリフタ)など、150℃程度の
高温雰囲気下で一定以上の高い強度を要する部材・部品
等に用いる場合には、実用上、少なくとも220MPa
以上を確保することが好ましいが、図8の試験で示した
本発明実施例4の試料の場合には、鍛造後の熱処理の有
無に拘わらず、150℃の高温雰囲気下で220MPa
以上の引張強度は十分に確保されており、上記のような
高温雰囲気下で一定以上の高い強度を要する部材・部品
等に対しても十分に適用できることが、改めて確認され
た。
【0050】上記の鍛造後の熱処理における加熱温度お
よび保持時間としては、熱間鍛造で得られた鍛造部材
に、100℃〜250℃の温度範囲で5時間〜50時間
保持することが好ましい。この場合、熱処理温度の下限
値を100℃としたのは、それ未満では、熱処理による
強度向上効果が小さいからであり、また、熱処理温度の
上限値を250℃としたのは、それより高いと、熱処理
による強度向上効果は飽和するからである。一方、熱処
理温度保持時間の下限値を5時間としたのは、それ未満
では、熱処理による強度向上効果が小さいからであり、
また、熱処理温度保持時間の上限値を50時間としたの
は、それより長時間熱処理しても、強度向上効果は飽和
するからである。
【0051】また、図9は、鍛造温度および鍛造前熱処
理が鍛造時の限界据え込み率に及ぼす影響を示してい
る。この図9に示した限界据え込み率試験の試験条件お
よび供試材の設定条件は、以下の通りとした。 ・供試材の種類:本発明実施例4 ・供試材の熱処理条件:熱処理無し/鍛造前に410℃
で16時間保持した後に空冷
【0052】ここに、限界据え込み率とは、図15に模
式的に示すように、直径D×長さL3の円柱状の試験片
M2を用意し、この試験片M2に対しその長手方向に圧
縮荷重を加えて、図16に模式的に示すように試験片を
圧縮変形(変形後の長さL4)させた場合に、当該試験
片にクラック(割れ)が発生する限界の据え込み率を言
う。上記図15および図16の例で、初期長さL3の試
験片M2を長さL4まで圧縮変形させたときに微小クラ
ックが発生したとすると、この場合の限界据え込み率
は、次式で算出される。 限界据え込み率=(L3‐L4)/L3×100[%]… 尚、本実施の形態では、上記試験片M2の初期(図15
参照)の基本寸法を、D=16[mm],L3=24
[mm]とした。
【0053】図9の試験結果から良く分かるように、熱
処理の有無に拘わらず、鍛造温度が略400℃以下の範
囲では、鍛造温度が上昇するに連れて限界据え込み率は
高くなっており、この範囲では、鍛造温度を高めること
による鍛造性向上の効果を確認することができた。一
方、鍛造温度が400℃を越えると鍛造性向上の効果は
飽和し、しかも、酸化し易くなる。従って、鍛造温度と
しては、400℃以下が好ましく、酸化防止の観点から
は350℃以下であることがより好ましい。また、鍛造
前に熱処理を施した場合には、熱処理を行わなかった場
合に比べて、限界据え込み率が上昇しており、鍛造前の
熱処理による限界据え込み率度向上の効果を確認するこ
とができた。
【0054】この限界据え込み率としては、一般に、実
用上、少なくとも50%以上を確保することが好まし
く、特に、鍛造部材を例えばエンジンの機構部品(例え
ばバルブリフタ)などの一定以上の高い強度を要する部
材・部品等に用いる場合には、70%以上を確保するこ
とがより好ましい。本発明実施例4の試料の場合には、
鍛造前に熱処理を施さなくても、250℃を下回る鍛造
温度でも70%以上の限界据え込み率を確保することが
でき、上記のような一定以上の高い強度を要する部材・
部品等に対しても十分に適用することができる。
【0055】上記の鍛造前の熱処理における加熱温度お
よび保持時間としては、上記鍛造素材に、300℃〜5
00℃の温度範囲で5時間〜50時間保持する熱処理を
施すことが好ましい。この場合、熱処理温度の下限値を
300℃としたのは、それ未満では、熱処理による鍛造
成形性の向上効果が小さいからであり、また、熱処理温
度の上限値を500℃としたのは、それより高くしても
鍛造成形性の向上効果が飽和する上に、酸化や部分的な
溶解の起こることが有り、メリットが無いからである。
一方、熱処理温度保持時間の下限値を5時間としたの
は、それ未満では、熱処理による鍛造成形性の向上効果
が小さいからであり、また、熱処理温度保持時間の上限
値を50時間としたのは、それより長時間熱処理しても
鍛造成形性の向上効果は飽和するからである。
【0056】図10および図11は、鍛造率が鍛造後の
比重および室温での引張強度に及ぼす影響をそれぞれ示
している。尚、これらの試験では、供試材の種類として
本発明実施例4の試料を用いた。図10の試験結果から
良く分かるように、鍛造率が略25%以下の範囲では、
鍛造率が高まるに連れて比重も高くなるが、鍛造率がこ
の値(25%)を越えると、鍛造率上昇による比重上昇の
効果は飽和している。また、鍛造率10%未満では、鍛
造前の素材内部の微視的な欠陥を潰して素材を鍛錬する
効果が低いので、鍛造率としては、一般に、実用上、少
なくとも10%以上を確保することが好ましく、特に、
鍛造部材を例えばエンジンのバルブリフタなどの一定以
上の高い強度を要する部材・部品等に用いる場合には、
20%以上を確保することがより好ましい。
【0057】また、図11の試験結果に示されるよう
に、室温での引張強度は、鍛造率が上昇するに連れて高
くなり、特に、鍛造率が略25%以下の範囲では、この
値を越える範囲に比べて、鍛造率上昇による引張強度向
上効果が高くなっている。鍛造部材を例えばエンジンの
バルブリフタなどの一定以上の高い強度を要する部材・
部品等に用いる場合には、常温で250MPa以上の引
張強度を確保することが好ましく、このため、鍛造率と
しては20%以上を確保することが好ましい。
【0058】尚、本発明は、以上の実施態様に限定され
るものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において、
種々の改良あるいは設計上の変更が可能であることは言
うまでもない。
【0059】
【発明の効果】本願の第1の発明によれば、マグネシウ
ム合金溶湯を半溶融状態で成形型の成形キャビティ内に
射出充填して成形品を得るに際して、上記マグネシウム
合金溶湯を、固相率5%以上かつ平均固相径50μm以
上に設定して上記成形型内へ射出するようにしたので、
得られた成形品の耐クリープ特性を有効に向上させるこ
とができる。この場合において、上記マグネシウム合金
溶湯の固相率を60%以下かつ平均固相径を200μm
以下に設定したので、成形サイクルタイムへの悪影響ひ
いては生産性の低下を招来することなく、半溶融射出成
形を行うことができる。また、上記成形品に熱間鍛造を
施すようにしたので、射出成形時にマグネシウム合金部
材内に生じたガス欠陥や引け巣等の欠陥を後工程の鍛造
によって潰して部材の密度を高めることができ、これに
より、健全なマグネシウム合金部材を得ることができ
る。更に、上記マグネシウム合金が2重量%以上のAl
を含有しているので、これを熱間鍛造することにより、
高温(150℃)で十分な引張強度(220MPa以
上)を確保することができ、また、0.5重量%以上の
Caを含有し、かつ、Al含有量が6重量%以下である
ので、良好な耐クリープ性を確保することができる。こ
の場合において、Ca含有量は4重量%以下であるの
で、Ca量増加による耐クリープ特性向上の効果を得る
上で経済的である。
【0060】
【0061】
【0062】
【0063】また、本願の第2の発明によれば、基本的
には、上記第1の発明と同様の効果を奏することができ
る。しかも、その上、Al含有量に対するCa含有量の
比率(Ca/Al比)が0.8以下であるので、所要の
鍛造率(50%)を確保した上で、高速鍛造においても
割れ発生率を極めて低く抑えることができ、良好な鍛造
性を得ることができ、また、100[mm/秒]以上の
鍛造速度で熱間鍛造するので、例えば自動車用エンジン
のバルブリフタなどの機構部品等の部品類を製造するに
際して、十分に高い生産性を確保することができる。
【0064】更に、本願の第3の発明によれば、基本的
には、上記第1又は第2の発明と同様の効果を奏するこ
とができる。特に、上記熱間鍛造における鍛造温度が2
50℃〜400℃の範囲であるので、良好な限界据え込
み率(70%以上)を確保して、例えばエンジンのバル
ブリフタなど一定以上の高い強度を要する部材・部品等
にも適用することができ、また、鍛造温度の上限値を4
00℃であるので、鍛造温度の上昇による鍛造性向上の
効果を得る上で経済的であり、しかも、高温酸化による
悪影響の回避も図ることができる。
【0065】また、更に、本願の第4の発明によれば、
基本的には、上記第1〜第3の発明のいずれか一と同様
の効果を奏することができる。特に、上記熱間鍛造にお
ける鍛造率が10%以上であるので、鍛造前の素材内部
の微視的な欠陥を潰して素材を実用上有効に鍛錬する効
果を得ることができる。
【0066】また、更に、本願の第5の発明によれば、
基本的には、上記第1〜第4の発明のいずれか一と同様
の効果を奏することができる。特に、上記熱間鍛造で得
られた鍛造部材に熱処理を施すようにしたので、高温
(150℃)での引張強度を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態に係る射出成形装置の概
略構成を示す部分断面説明図である。
【図2】 本発明の実施の形態に係るマグネシウム合金
部材の定常クリープ歪速度に及ぼす固相率の影響を示す
グラフである。
【図3】 上記マグネシウム合金部材の定常クリープ歪
速度に及ぼす平均固相径の影響を示すグラフである。
【図4】 本発明の実施の形態に係るマグネシウム合金
鍛造部材の定常クリープ速度に及ぼすカルシウム含有量
の影響を示すグラフである。
【図5】 マグネシウム合金鍛造部材の定常クリープ速
度に及ぼすアルミニウム含有量の影響を示すグラフであ
る。
【図6】 マグネシウム合金鍛造部材の高温引張強度に
及ぼすアルミニウム含有量の影響を示すグラフである。
【図7】 高速鍛造における割れ発生率に及ぼすCa/
Al火の影響を示すグラフである。
【図8】 鍛造後の熱処理が高温引張強度に及ぼす影響
を示すグラフである。
【図9】 限界据え込み率に及ぼす鍛造温度と鍛造前熱
処理の影響を示すグラフである。
【図10】 鍛造後の比重に及ぼす鍛造率の影響を示す
グラフである。
【図11】 室温での引張強度に及ぼす鍛造率の影響を
示すグラフである。
【図12】 本発明の実施の形態に係るマグネシウム合
金鍛造素材の斜視図である。
【図13】 上記マグネシウム合金鍛造素材の鍛造工程
を模式的に示す説明図である。
【図14】 上記鍛造工程後のマグネシウム合金鍛造部
材サンプルの説明図である。
【図15】 本発明の実施の形態に係るマグネシウム合
金製鍛造素材の限界据え込み率試験の初期状態を示す説
明図である。
【図16】 上記限界据え込み率試験の鍛造時における
マグネシウム合金製鍛造素材を模式的に示す説明図であ
る。
【符号の説明】
M1…マグネシウム合金製素材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI C22F 1/00 601 C22F 1/00 601 684 684 691 691B 691C 1/06 1/06 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B22D 17/00 B22D 17/30

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 マグネシウム合金溶湯を半溶融状態で成
    形型の成形キャビティ内に射出充填して成形品を得るよ
    うにしたマグネシウム合金部材の製造方法であって、 上記マグネシウム合金として、2重量%以上で6重量%
    以下のアルミニウム及び0.5重量%以上で4重量%以
    下のカルシウムを含有するマグネシウム合金を用い、 該マグネシウム合金の溶湯を、固相率5%以上で60%
    以下かつ平均固相径50μm以上で200μm以下に設
    定して、上記成形型内へ射出し、 該射出成形により得られた成形品に熱間鍛造を施す、 ことを特徴とするマグネシウム合金部材の製造方法。
  2. 【請求項2】 アルミニウム含有量に対するカルシウム
    含有量の比率が0.8以下のものを、100[mm/
    秒]以上の鍛造速度で熱間鍛造することを特徴とする請
    求項1記載のマグネシウム合金部材の製造方法。
  3. 【請求項3】 上記熱間鍛造における鍛造温度が250
    ℃〜400℃の範囲であることを特徴とする請求項1又
    は請求項2に記載のマグネシウム合金部材の製造方法。
  4. 【請求項4】 上記熱間鍛造における鍛造率が10%以
    上であることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれ
    か一に記載のマグネシウム合金部材の製造方法。
  5. 【請求項5】 上記熱間鍛造で得られた鍛造部材に、1
    00℃〜250℃の温度範囲で5時間〜50時間保持す
    る熱処理を施すことを特徴とする請求項1〜請求項4の
    いずれか一に記載のマグネシウム合金部材の製造方法。
JP08858499A 1999-03-30 1999-03-30 マグネシウム合金部材の製造方法 Expired - Fee Related JP3370009B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP08858499A JP3370009B2 (ja) 1999-03-30 1999-03-30 マグネシウム合金部材の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP08858499A JP3370009B2 (ja) 1999-03-30 1999-03-30 マグネシウム合金部材の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2000280057A JP2000280057A (ja) 2000-10-10
JP3370009B2 true JP3370009B2 (ja) 2003-01-27

Family

ID=13946902

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP08858499A Expired - Fee Related JP3370009B2 (ja) 1999-03-30 1999-03-30 マグネシウム合金部材の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3370009B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2020203041A1 (ja) 2019-03-29 2020-10-08 株式会社栗本鐵工所 耐熱性を有する鋳造用マグネシウム合金

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4575645B2 (ja) * 2003-01-31 2010-11-04 株式会社豊田自動織機 鋳造用耐熱マグネシウム合金および耐熱マグネシウム合金鋳物
US8123877B2 (en) 2003-01-31 2012-02-28 Kabushiki Kaisha Toyota Jidoshokki Heat-resistant magnesium alloy for casting heat-resistant magnesium alloy cast product, and process for producing heat-resistant magnesium alloy cast product
JP2019063835A (ja) * 2017-10-04 2019-04-25 株式会社日本製鋼所 マグネシウム合金からなる鍛造用素材の製造方法

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2020203041A1 (ja) 2019-03-29 2020-10-08 株式会社栗本鐵工所 耐熱性を有する鋳造用マグネシウム合金
US11959155B2 (en) 2019-03-29 2024-04-16 Kurimoto, Ltd. Heat-resistant magnesium alloy for casting

Also Published As

Publication number Publication date
JP2000280057A (ja) 2000-10-10

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPWO2008016169A1 (ja) アルミニウム合金成形品の製造方法、アルミニウム合金成形品及び生産システム
US20030173005A1 (en) Method of manufacturing magnesium alloy products
JP5553291B2 (ja) 成形品の製造方法
JP4801386B2 (ja) アルミ合金製塑性加工品、その製造方法、自動車用部品、時効処理炉、およびアルミ合金製塑性加工品の製造システム
JP4359231B2 (ja) アルミニウム合金成形品の製造方法、およびアルミニウム合金成形品
JP3370009B2 (ja) マグネシウム合金部材の製造方法
JP3603658B2 (ja) 鍛造部材の製造方法
KR101110947B1 (ko) 금속 매트릭스 복합 재료의 제조 방법
JP2000197956A (ja) 軽金属製鍛造用素材の製造方法および該素材を用いた鍛造部材の製造方法
EP2010685A2 (en) Squeeze cast rear suspension components using adc12-t4 aluminum alloy
EP1192018B1 (en) Method for manufacturing shaped light metal article
JP4691735B2 (ja) 鋳造用結晶粒微細化剤及びその製造方法
JP4631231B2 (ja) 車両用マグネシウム合金製ホイール及びその製造方法
EP1040883A1 (en) Light metal forging material manufacturing method and forged member manufacturing method using the material
JP4298633B2 (ja) 成形品の製造方法およびその生産ライン
JPH09239513A (ja) 鋳鉄のダイカストに用いられる鋳型
JP2005163179A5 (ja)
JPH06246384A (ja) マグネシウム合金部材の製造方法
JP2002282986A (ja) 塑性加工部材の製造方法
JP2004519333A (ja) 塑性加工部材の製造方法
JP2011255411A (ja) ダイカスト金型の耐焼付き性向上方法
JPS61147917A (ja) 繊維強化金属材料の加工方法
JP2019055418A (ja) ダイカスト方法及びダイカスト装置
JP2005103616A (ja) 鍛造用素材及びその成形方法

Legal Events

Date Code Title Description
FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20071115

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081115

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091115

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091115

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101115

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111115

Year of fee payment: 9

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees