JP3369637B2 - グリコールの製造方法 - Google Patents

グリコールの製造方法

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    • Y02P20/52Improvements relating to the production of bulk chemicals using catalysts, e.g. selective catalysts

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はイプシロン−カプロラク
トン等のラクトンの気相での水素化による1,6−ヘキ
サンジオール等のグリコールの製造方法に関する。
【0002】1,6−ヘキサンジオール等のグリコール
は、ポリウレタン、ポリエステル等の合成樹脂の単量体
として、あるいは合成樹脂用可塑剤等の原料として重要
な化合物である。
【0003】
【従来の技術】ラクトンの水素化によるグリコールの製
造には、従来より銅−クロム系触媒が有効であることが
知られている(英国特許1230276号、特開昭62
−155231号)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、この銅
−クロム系触媒は実用上、重大な問題点を有している。
即ち、周知のように、クロムは、微量であっても人体に
極めて強い毒性を示すため、クロムを含有する使用後の
廃触媒を一般環境中に廃棄することは許容されず、廃触
媒中にクロムを残存させないよう、完全にクロムを回収
してから廃棄しなければならない。このクロム回収には
煩雑な工程を要するため、工業的に不利なばかりでな
く、回収工程自体が新たな公害源となる可能性もある。
さらに、特開昭62−155231号における銅−クロ
ム系触媒を使用した方法では、目的とするグリコールの
収率が低く、原料のラクトンに対して高々60%強であ
る。銅−クロム系触媒は、1930年代から現在にいた
るまで、主としてエステル類の水素化触媒として工業的
に使用されているが、上記のような問題点を有するた
め、当然ながら、有毒なクロムを含有せず、なおかつ、
同等以上の性能を持つ代替触媒開発の検討が多数なされ
ている。それらの中でも、代表的な触媒として、銅−鉄
−アルミニウムを成分とする触媒の製法が開示されてい
る(特開昭53−92395公報、特開昭58−507
75等)。
【0005】それによると、銅−鉄−アルミニウム系触
媒は、上記のクロムの毒性問題を有しない利点の他、銅
−クロム系触媒と比較し、触媒活性でも優り、生成物か
らの触媒分離も容易である等の長所を持つとされるが、
ラクトンのグリコールへの水素化に有効か否かの記述は
無い。本発明者はこれらの状況に鑑み、上記の銅−鉄−
アルミニウム系触媒をラクトンの気相での水素化による
グリコールの製造に使用することを検討した結果、その
有効性を見出だし本発明に至ったものである。
【0006】
【問題を解決するための手段】すなわち、本発明は、
「銅、鉄、アルミニウムを成分とする複合酸化物触媒の
共存下に、ラクトン及び水素を気相で反応させることを
特徴とするグリコールの製造方法」である。
【0007】以下に本発明を詳細に説明する。
【0008】本発明で使用される原料であるラクトンと
は、下式で表される環状のエステル化合物である。
【0009】
【化1】 (式中nは3から10の整数を表す) 上記の式で表される代表的なラクトンとしては、ガンマ
−ブチロラクトン、デルタ−バレロラクトン、イプシロ
ンカプロラクトン等が挙げられる。
【0010】ガンマ−ブチロラクトン、デルタ−バレロ
ラクトン、イプシロンカプロラクトンそれぞれを出発原
料とした場合、得られるジオールはそれぞれ1,4−ブ
タンジオール、1,5−ペンタンジオールおよび1,6
−ヘキサンジオールである。本発明のグリコールの製造
方法においては、ラクトン化合物は気相で反応させるこ
とが必須である。ラクトン化合物と水素との仕込みモル
比は一般的にはラクトン化合物1に対して水素が2〜2
000であり、好ましくは3〜1000である。ラクト
ン化合物と水素との仕込みモル比が2000より大であ
ると過大な容量の反応器および水素循環装置が必要とな
り実用的でない。
【0011】また、2より小さいと反応速度が極端に低
下するので、いずれも好ましくない。水素の仕込み圧力
は一般的には2〜500Kg/cm2、好ましくは10
〜300Kg/cm2である。水素の仕込み圧力が50
0Kg/cm2より大であると反応装置に高度の耐圧が
要求されるため、実用的でなく、2Kg/cm2より小
であると反応速度が低下し、平衡的にも不利となるの
で、いずれも好ましくない。
【0012】反応温度は一般的には50〜400℃、好
ましくは100〜300℃である。反応温度が400℃
より大であると炭化水素等の副生が増加し、平衡的にも
原料のラクトン側に傾くため収率が低下し50℃より小
であると反応速度が極端に低下するので、工業的に有意
な生産が得られず、いずれも好ましくない。本発明で使
用される触媒は、銅、鉄、アルミニウムの三成分からな
る複合酸化物である。各成分の比率は、原子比で、銅1
に対して、鉄0.4〜2.5,アルミニウム0.1〜
2.0の範囲が好適である。これらの範囲外であると、
触媒活性が銅−クロム系触媒より低くなると同時に、ラ
クトン水素化におけるグリコール以外の生成物である炭
化水素、エーテル等の副生が増加するため好ましくな
い。
【0013】本発明において使用される触媒の調製法と
しては、銅、鉄、アルミニウム各々の硫酸塩、硝酸塩、
塩化物等を所定の金属組成で溶解した水溶液に、アンモ
ニア、尿素、アルカリ金属水酸化物等の塩基性物質を添
加してpHを調整し、混合金属水酸化物を析出させる、
いわゆる共沈法として一般に公知な方法が適用される。
析出した混合金属水酸化物は水洗後、焼成し酸化物の形
とし、必要に応じ、粉砕ないし成型し反応に使用され
る。
【0014】本発明での水素化は、気相であれば特定の
反応形態に限定されず、公知の種々の反応形態での実施
が可能である。例えば、ペレット状の成型触媒の充填層
を、気化させたラクトンと水素ガスを通過させるトリク
ルベッド気相反応方式、成型触媒の充填層を、気化させ
たラクトンと水素の混合ガスを通過させる固定床気相反
応方式等から選ぶことが出来る。
【0015】反応終了後、反応混合物から触媒を分離
し、次いで目的化合物であるジオール化合物は通常、未
反応のラクトン化合物から蒸留で分離される。
【0016】
【発明の効果】本発明によれば銅−鉄−アルミニウムを
成分とする触媒の共存下に、気相反応 により、ラクトン
と水素からグリコールを、有毒金属成分による環境汚染
を引き起こす危険性なく、工業的に有利に製造すること
が可能である。
【0017】以下に実施例により本発明をさらに具体的
に説明する。
【0018】(実施例1) 触媒調製:水1800mlにCuSO4・5H20を0.
24モル、FeSO4・7H2Oを0.36モル、Al
2(SO43・18H2Oを0.096モル溶かした。こ
の溶液を90℃に保ち、これにNaOHとして1.77
6モルに相当する30%NaOH溶液を30分かかって
滴下した。5時間後沈殿を濾過し、濾過物を水洗した
後、乾燥し、空気中、750℃で1時間焼成し、粉砕し
た。上記で調製した触媒粉末を、錠剤コーティング装置
を使用して、直径3mmのアルミナ球担体上に、ポリビ
ニルアルコール水溶液を噴霧しながら付着させ、直径5
mmの球状触媒とし、さらに、空気中、750℃で1時
間焼成した。
【0019】反応:内径25mm、高さ2mのSUS3
16製反応管に上記触媒を充填した。この反応管の上部
より、予め気化器により混合ガスの形としたイプシロン
−カプロラクトンと水素を、それぞれ、40g/hr、
2000Nl/hrの速度で仕込み、圧35kg/cm2、温
度180℃で3時間反応させた。反応器出口のコンデン
サーおよび気液分離器により分離された生成液のガスク
ロマトグラフィー分析の結果、1,6−ヘキサンジオー
ルは39.8g/hrの速度で生成していた。イプシロ
ン−カプロラクトンに対する1,6−ヘキサンジオール
の収率は97.1%である。
【0020】(比較例1) 触媒調製:実施例1における触媒調製に準じて調製した
触媒粉末を、ポリビニルアルコール水溶液をバインダー
として、直径5mm、高さ5mmの円筒形に圧縮成型
し、さらに空気中、750℃で1時間焼成した。 反応:内容積500mlのSUS316製オートクレー
ブにイプシロン−カプロラクトン114gおよび上記触
媒5gを入れ、水素圧250kg/cm2、反応温度250℃
で、攪拌しながら2時間反応させた。冷却後、内容液の
組成をガスクロマトグラフィーにより分析した。生成し
た1,6−ヘキサンジオールは105.6g,未反応の
イプシロン−カプロラクトンは3.4gであった。イプ
シロン−カプロラクトンに対する1,6−ヘキサンジオ
ールの収率は89.0%である。
【0021】(比較例2) 触媒調製:実施例1における触媒調製に準じて調製した
触媒粉末を、ポリビニルアルコール水溶液をバインダー
として、直径5mm、高さ5mmの円筒形に圧縮成型
し、さらに空気中、750℃で1時間焼成した。 反応:内径25mm、高さ2mのSUS316製反応管
に上記触媒を充填した。この反応管の上部より、イプシ
ロン−カプロラクトンを114g/hr、反応管下部よ
り水素を100Nl/hrで、それぞれ仕込みながら、
圧250kg/cm2、温度250℃で6時間、反応させた。
反応器下部からの流出液のガスクロマトグラフィー分析
の結果、1,6−ヘキサンジオールは99.7g/hr
の速度で生成していた。イプシロン−カプロラクトンに
対する1,6−ヘキサンジオールの収率は84.0%で
ある。 以上の結果より、ラクトン及び水素を気相で反応
させる本発明の方法によれば液相反応による方法と比較
して高い収率でグリコールを製造することができること
が明らかである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平5−168929(JP,A) 特開 平4−187650(JP,A) 特開 平2−235827(JP,A) 特開 平1−168346(JP,A) 特開 昭62−155231(JP,A) 特開 昭53−92395(JP,A) 特公 昭49−27164(JP,B1) 「化学大辞典」(大木他編、1989. 10.20.株式会社東京化学同人発行)第 2348頁「ラクトン」項 「化学大辞典9(第9巻)」(昭和 37.7.31.共立出版株式会社発行)第 518頁「ラクトン」項 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C07C 31/00 C07C 29/00

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】銅、鉄、アルミニウムを成分とする複合酸
    化物触媒の共存下に、ラクトン及び水素を気相で反応さ
    せることを特徴とするグリコールの製造方法。
  2. 【請求項2】ラクトンがイプシロン−カプロラクトンで
    あり、グリコールが1,6−ヘキサンジオールである請
    求項1記載の方法。
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「化学大辞典」(大木他編、1989.10.20.株式会社東京化学同人発行)第2348頁「ラクトン」項
「化学大辞典9(第9巻)」(昭和37.7.31.共立出版株式会社発行)第518頁「ラクトン」項

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