JP3369154B2 - 有機共蒸着膜の製造方法 - Google Patents

有機共蒸着膜の製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は2種以上の有機半導
体を同一の基板上に同時に蒸着することによって有機半
導体の複合膜である有機共蒸着膜を製造する方法に関す
るものである。このような有機共蒸着膜は、光電変換機
能や発光機能等を発揮する光・電子機能素子に利用する
ことができる。
【0002】
【従来の技術】このような有機共蒸着膜を用いた素子の
一例としては、2種の有機半導体の共蒸着薄膜を有する
有機太陽電池が知られている(例えば、M. Hiramoto,
H. Fujiwara, and M. Yokoyama, Applied Physics Lett
ers, 58, 1062 (1991)参照)。この種の有機共蒸着膜
は、2種の異なった有機半導体を同時に蒸着して作製す
ることができるが、従来は共蒸着膜の微細な複合構造は
全く制御しないまま用いられていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従来の共蒸着において
は、共蒸着薄膜の微細構造の評価及び制御がまったくな
されておらず、どのような混合状態であるか全く未解明
のまま、単に共蒸着の各有機材料成分の単独薄膜と両者
の共蒸着膜の示す機構、例えば光電変換能力等の光・電
子機能を比較評価してきたに過ぎなかった。
【0004】しかし、共蒸着した薄膜に含まれる2つの
有機半導体の微細なレベルの混合状態は薄膜の示す各種
機能に決定的な影響を及ぼすはずであり、現在の共蒸着
薄膜は、目的とする用途に最適な混合状態で使用されて
いるとはとても考えられず、本来可能な特性、例えば、
これまでにない非常に高い光電変換能力などが、そのた
めに見出されないままになっている可能性があり、有機
共蒸着薄膜の潜在能力を最大限発揮しているとは言い難
い。すなわち、これまで、有機・有機共蒸着薄膜の微細
構造がまったく制御されてこなかったために、本来の機
能が引き出せていない虞れがある。
【0005】従来の微細構造が制御されていない有機・
有機共蒸着薄膜に対し、本発明は複数の有機半導体を共
蒸着によって複合化するに際し、共蒸着薄膜の微細構造
を制御して目的とする光・電子機能に対して最適な有機
・有機微細構造を得ることができるようにすることを目
的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の有機・有機共蒸
着薄膜の製法は、異なった種類の有機半導体を複合化す
る際に、基板温度を冷却、または加熱して制御した共蒸
着を行い、任意の微細レベルの混合状態の有機・有機共
蒸着薄膜を作製するものである。有機半導体が堆積され
ている時の基板の温度を制御することによって、共蒸着
薄膜の微細構造を、分子的混合、結晶微粒子相とアモル
ファス相との混合、結晶同士の混合、アモルファス相同
士の混合など、自由自在にコントロールし、目的とする
光・電子機能に対して最適な有機・有機微細構造を任意
に作製することができる。
【0007】
【発明の実施の形態】対象となる有機半導体は蒸着によ
って分解しない有機分子であればよい。そのような有機
半導体の例を図2に示す。もちろん、本発明が対象とす
るのはこれらに限定されるものではない。有機半導体に
はp型性を示す有機半導体(p型有機半導体)とn型性
を示す有機半導体(n型有機半導体)がある。
【0008】n型有機半導体には、ペリレン顔料とその
誘導体(窒素原子に付いている置換基の異なる誘導体は
多種知られており、例えば、t−BuPh−PTC,P
hEt−PTCなどがあり、高い光電変換能を持つIm
−PTCもある。)、ナフタレン誘導体(ペリレン顔料
のペリレン骨格がナフタレンになっているもので、例え
ばNTCDA)、C60等が挙げられる。
【0009】p型有機半導体には、フタロシアニン顔料
とそれらの誘導体(中心に種々の金属をもつMPc、金
属をもたないH2Pcや、周りに種々の置換基の付いた
もの)、キナクリドン顔料(DQ)、ポルフィリン、メ
ロシアニン等とその誘導体が挙げられる。本発明が対象
とする有機半導体には、TPDのようなキャリア輸送剤
もある。
【0010】制御する基板温度の第1は、複合される有
機半導体のいずれかが結晶状態の粒子となり、他の有機
半導体がアモルファス状態となって、そのアモルファス
状態の中に結晶状態の粒子が析出している構造の有機共
蒸着膜が形成される温度となるように制御することであ
る。この基板温度制御の一例は、有機半導体がメタルフ
リーフタロシアニン及びペリレン顔料である場合、基板
温度を−50℃以下に設定することによって、ペリレン
顔料の結晶状態の粒子をメタルフリーフタロシアニンの
アモルファス状態の中に析出させることができる。
【0011】制御する基板温度の第2は、全体がアモル
ファス状態になっている複合膜構造の有機共蒸着膜が形
成される温度となるように制御することである。この基
板温度制御の一例は、有機半導体がメタルフリーフタロ
シアニン及びペリレン顔料である場合、基板温度を−5
0℃から50℃の温度範囲に設定することによって、メ
タルフリーフタロシアニン及びペリレン顔料が全体に混
ざり合ったアモルファス状態にすることができる。
【0012】制御する基板温度の第3は、それぞれの有
機半導体が結晶状態の粒子として混ざり合った複合膜構
造の有機共蒸着膜が形成される温度となるように制御す
ることである。この基板温度制御の一例は、有機半導体
がメタルフリーフタロシアニン及びペリレン顔料である
場合、基板温度を50℃より高い温度に設定することに
よって、メタルフリーフタロシアニン及びペリレン顔料
が結晶状態の粒子として混ざり合った構造にすることが
できる。
【0013】
【実施例】次に、本発明の実施例について図面を参照し
て説明する。図1は有機・有機共蒸着薄膜の微細構造を
制御する本発明の製造方法を実施する作製装置の一例の
概略断面図である。1は真空容器で、その中に有機材料
(A)の蒸着源2、有機材料(B)の蒸着源3が設けら
れている。真空容器1中で、蒸発源2,3の上部にはそ
れぞれ有機材料(A)用水晶振動子膜厚モニター5、有
機材料(B)用水晶振動子膜厚モニター6が配置され、
蒸発源2,3の上部中央部には共蒸着薄膜を堆積する基
板7が配置されている。9は基板7及び膜厚モニター
5,6を支持する支持板である。膜厚モニター5には蒸
発源2から飛来した有機材料(A)のみが到達し、膜厚
モニター6には蒸発源3から飛来した有機材料(B)の
みが到達し、基板7には両方の蒸発源2,3から飛来し
た両方の有機材料(A)と(B)がともに到達して堆積
するように、蒸発源2,3の間には仕切り板4が配置さ
れている。
【0014】真空容器1中で基板7の上部には基板冷却
・加熱装置8が配置され、基板7はその基板冷却・加熱
装置8に接していることによって、冷却又は加熱されて
所定の温度になるように制御される。基板冷却・加熱装
置8としては、市販の機構(例えば、日本真空技術株式
会社の基板加熱冷却機構UHCS−1000)を使用し
た。この例の基板冷却・加熱装置8は液体窒素を導入す
ることにより液体窒素温度まで冷却することができ、ヒ
ータに通電することにより300℃まで加熱することが
できる。
【0015】以上の構成の作製装置で、2つの蒸発源
2,3から同時に有機材料(A)と(B)を蒸発させ、
温度制御して冷却または加熱した基板上に両有機材料を
混合しながら堆積させる。仕切り板4が存在することに
より、膜厚モニター5及び6がそれぞれ蒸着源2からの
有機材料(A)及び蒸着源3からの有機材料(B)の蒸
着速度を独立にモニターし、かつ、基板7には2つの有
機材料(A)と(B)が同時に堆積される。
【0016】次に、本発明により作製した有機共蒸着薄
膜の結果を実例を上げて詳細に述べる。有機材料(A)
と(B)は、それぞれ図2に化学構造式を示したメタル
フリーフタロシアニン(H2Pc)とペリレン顔料(M
e−PTC)である。それらの共蒸着薄膜(比率1:
1)の原子間力顕微鏡(AFM)による共蒸着薄膜表面
の像を図3に示す。基板温度は、低温(−167℃)、
室温、及び高温(120℃)の3種類であり、堆積した
膜厚はともに約150nmである。
【0017】基板温度低温(−167℃)下での堆積で
は、10−20nm程度の超微粒子が観察される。基板
温度室温下での堆積の場合、共蒸着膜表面は比較的フラ
ットである。この写真では、左上のような粒子がところ
どころ存在しているものの、それは点在しているのみで
あり、大面積で観察すると大部分の表面は図下部と同様
の比較的フラットな構造を持つことを確認している。ま
た、基板温度高温(120℃)下の堆積では数百nm程
度のサイズの結晶粒が成長している。
【0018】図4に共蒸着薄膜(基板温度低温下、室温
下、及び高温下で作製)のX線回折スペクトルを、Me
−PTC,H2Pc単独膜(室温作製)のそれぞれとあ
わせて示す。2θ=7°付近のピーク(上図)はH2
cに、2θ=27〜28°付近のピーク(下図)はMe
−PTCに帰属される。基板温度室温下で作製した単独
膜はMe−PTC,H2Pc双方ともに明確なピークを
示し、AFM観察においても微結晶の集合した構造を持
つ薄膜である。
【0019】基板温度低温(−167℃)下で作製した
共蒸着薄膜は、H2Pcの回折ピークは全く観測されな
いにもかかわらず、Me−PTCの明確な回折ピークが
出現している。Me−PTC結晶粒子の大きさは回折ピ
ーク半値幅から10nmと求められ、AFM観察でみら
れた微粒子の大きさに近い。基板温度室温下で作製した
共蒸着薄膜は、Me−PTCの回折ピークは全く消滅
し、H2Pcの回折ピークは痕跡はあるもののほとんど
消失している。基板温度高温(120℃)下で作製した
共蒸着薄膜は、H2Pcの回折ピークが大きく出現し、
Me−PTC回折ピークは低温のものとは結晶形が異な
るため2θ=8.5°付近に新たに出現している。
【0020】以上の結果から、室温で作製した共蒸着薄
膜は、H2Pc,Me−PTCの2種の顔料が分子レベ
ルでかなり微細に混合したアモルファス状態にあると考
えられる(図5(a)参照)。低温(−167℃)で作
製した共蒸着薄膜は、10−20nmのMe−PTC超
微粒子の表面をアモルファス状態のH2Pcが覆ってい
る構造をとると考えられる(図5(b)参照)。これ
は、低温下ではアモルファスであるH2Pcが溶媒とし
て働き、冷却によってMe−PTCが再結晶によって溶
媒から析出したと考えることもできる。ここで、−50
℃から50℃の温度範囲では室温と同等の構造になり、
−50℃以下の温度では低温下の構造になった。また、
基板温度を加熱して50℃より高温で共蒸着した場合、
2PcとMe−PTC双方が微結晶となって混合した
構造を持つ共蒸着薄膜が得られる。基板温度を120℃
に設定した場合には両成分の結晶化が明らかである(図
5(c)参照)。これらの結果は、2種の有機顔料分子
からなる共蒸着薄膜の微細構造を、分子レベル又はナノ
メータオーダーのレベルで自由にコントロールできるこ
とを意味する。
【0021】図5に、本発明によって作製できると予想
される異種有機半導体の共蒸着薄膜の微細構造を模式的
に示す。図5(a)は分子レベルの混合が達成された場
合で、10は有機分子(A)、11は有機分子(B)を
示す。この図ではアモルファス状態の分子レベル混合を
描いており、Me−PTCとH2Pcを室温で共蒸着し
た場合の状態はこれに相当すると考えられる。なお、有
機分子(A)と有機分子(B)の間の相互作用が強い場
合は(ドナー−アクセプター相互作用など)、微結晶状
態での分子レベル混合も考え得る。分子レベルで異種の
有機分子が混合した共蒸着薄膜はまったく新しい物質と
とらえることが可能で、これまでにない機能を発現させ
る有力な手段と考えられる。
【0022】図5(b)は有機分子の片方が微結晶を形
成し、もう一方の有機分子がアモルファス状態で微結晶
のまわりを取り巻いている状態を示す。12は有機分子
(A)の微結晶粒子、13は有機分子(B)のアモルフ
ァス状態である。有機分子(A)と(B)は入れ替えて
もよい。微結晶のサイズはクラスターレベルからミクロ
ンレベルまでの広い範囲が考え得る。Me−PTCとH
2Pcを−167℃で共蒸着した場合の状態はこれに相
当すると考えられる。この構造の特徴の一つとして、有
機微結晶粒子表面をアモルファス状態の分子が覆い尽く
すため、有機分子微結晶粒子同士の混合(後述、図5
(c))に比べて、両者の接触界面面積が非常に大きく
なる特徴がある。なお、図には示さなかったが、図5
(b)における微結晶粒子12がアモルファス相同士が
混合した状態であることも考え得る。
【0023】図5(c)は有機分子の双方が微結晶粒子
を形成した状態を示す。14は有機分子(A)の微結晶
粒子、15は有機分子(B)の微結晶粒子である。2種
の有機分子微結晶のサイズ及びサイズ比によって種々の
混合状態が考えられる。極端な場合にはナノレベルの粒
子同士の混合も考えられる。またもう一方の極端な場合
として、共蒸着薄膜の膜厚(典型的にはサブミクロンオ
ーダー)と同じくらいの大きさの粒子となることも考え
られ、膜面方向に有機分子(A)粒子/有機分子(B)
粒子/有機分子(A)粒子/有機分子(B)粒子/有機
分子(A)粒子……と並んだ構造の共蒸着薄膜となると
考えられる(図6(a)(後述)の一種)。なお、図5
(b),(c)は2種の材料の相分離が起きている状態
ととらえることもできる。
【0024】図6(a)に、図5の構造をさらに一般化
した薄膜構造の模式図を示す。16は基板、17は有機
材料(A)の厚さ、18は有機材料(B)の厚さを示し
ている。参考のため、図6(b)に、基板上に超薄膜の
異種材料を交互に積層した超格子の模式図をあわせて示
した。図6(b)の超格子の場合、有機材料(A),
(B)の厚さは蒸着時の膜厚によって制御できるため、
ナノレベルの構造まで比較的簡単に作製できる。しか
し、超格子を90°回転させて基板の上に立てた状態の
図6(a)のような構造、とくに有機材料(A),
(B)の厚さがナノメータオーダーになると作製が困難
となるか、現在の微細加工技術で作製できたとしても非
常に高価となり、大きな面積のものを作製することは事
実上不可能である。
【0025】もし、図5(b),(c)に示したよう
に、2種の有機材料双方が、不規則性はあるにしても、
共蒸着薄膜の表から裏までつながっている場所がある状
態となれば、これは図6(a)の直立超格子と同等の構
造とみなせる。すなわち、本発明によって、サブミクロ
ンからナノメータオーダーのメゾスコピック(数十nm
より大きく1μm(1000nm)より小さいサイズの領
域)サイズの図6(a)と同等の微細構造を、簡便に、
大面積で作製することが可能となる。このような構造
は、超格子においてよく知られているキャリア分離や閉
じこめ効果を有しているはずであり、例えば、太陽電池
のような光電変換子などの広範な分野に利用できると期
待できる。
【0026】共蒸着薄膜の微細構造の基板温度依存性は
元々の有機分子(A),(B)単独薄膜の分子構造に依
存した結晶化しやすさの度合いや、有機分子(A),
(B)の組合わせ、例えば、結晶化し易い分子と結晶化
しにくい分子の組合わせ、結晶化し易い分子同士の組合
わせ、又は結晶化しにくい分子同士の組合わせ、によっ
て異なってくるはずである。すなわち、任意の有機分子
の組合わせ、混合比率制御(数%のドーピングに近いレ
ベルにしてもよい)などと合わせて、基板温度の条件を
設定すれば、図5の構造すべてが、これらの中間状態や
混合状態のすべてを含めて、原理的に作製可能である。
用いる有機分子は蒸着できれば種類を問わない。
【0027】結晶化しやすい分子としにくい分子は容易
に合成可能である。例えば、Me−PTC分子は比較的
結晶化し易いが、この分子のN原子に付いた2個の置換
基のCH3基を他のよりかさ高い置換基(例えば、phene
thyl基など)に代えれば、結晶化しにくくアモルファス
化しやすい分子となる。また、基板温度は低温側は液体
窒素や液体ヘリウムを用いて冷却できる低温までのどの
ような温度でも設定でき、また、高温側は蒸着した分子
の基板からの再蒸発によって薄膜が形成されなくなる温
度以下であればどのような温度でも設定できる。本発明
は、3種以上の異種材料の共蒸着も含んでいる。
【0028】
【発明の効果】以上説明したように、本発明は基板温度
を冷却、または加熱して制御した共蒸着を行なうように
したので、分子的混合、結晶微粒子相とアモルファス相
との混合、結晶同士の混合、超格子を基板に直立させた
のと同等な構造など、任意の微細レベルの混合状態の有
機・有機共蒸着薄膜を作製できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】微細構造を制御した本発明の有機・有機共蒸着
薄膜を作製する装置の一例を示す概略断面図である。
【図2】本発明が対象とする有機半導体分子を例示する
化学式である。
【図3】それぞれの基板温度で作製した共蒸着薄膜表面
の原子間力顕微鏡(AFM)写真である。
【図4】Me−PTC,H2Pcの単独膜とそれぞれの
基板温度で作製した共蒸着薄膜のX線回折スペクトルで
ある。
【図5】異種顔料共蒸着薄膜の微細構造を示す模式図で
ある。(a)は分子レベルの混合、(b)は結晶微粒子
相とアモルファス相との混合、(c)は結晶微粒子同士
の混合を表わしている。
【図6】(a)は図5の構造をさらに一般化した薄膜構
造の断面模式図、(b)は基板上に超薄膜の異種材料を
交互に積層した超格子を示す断面模式図である。
【符号の説明】
1 真空容器 2 有機材料(A)蒸着源 3 有機材料(B)蒸着源 4 仕切り板 5 有機材料(A)用水晶振動子膜厚モニター 6 有機材料(B)用水晶振動子膜厚モニター 7 共蒸着薄膜を堆積する基板 8 基板冷却・加熱装置 9 支持板 10 有機分子(A) 11 有機分子(B) 12 有機分子(A)の微結晶粒子 13 有機分子(B)のアモルファス状態 14 有機分子(A)の微結晶粒子 15 有機分子(B)の微結晶粒子 16 基板 17 有機材料(A)の厚さ 18 有機材料(B)の厚さ

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の有機半導体を同一の基板上に同時
    に蒸着することによって得られる前記有機半導体の複合
    膜である有機共蒸着膜を製造する方法において、 前記基板の温度を、複合される有機半導体のいずれかが
    結晶状態の粒子となり、他の有機半導体がアモルファス
    状態となって、そのアモルファス状態の中に結晶状態の
    粒子が析出している構造の有機共蒸着膜が形成される温
    度となるように制御することを特徴とする有機共蒸着膜
    の製造方法。
  2. 【請求項2】 有機半導体がメタルフリーフタロシアニ
    ン及びペリレン顔料であり、前記基板の温度を−50℃
    以下に設定することによって、ペリレン顔料の結晶状態
    の粒子をメタルフリーフタロシアニンのアモルファス状
    態の中に析出させる請求項に記載の有機共蒸着膜の製
    造方法。
  3. 【請求項3】 複数の有機半導体を同一の基板上に同時
    に蒸着することによって得られる前記有機半導体の複合
    膜である有機共蒸着膜を製造する方法において、 前記基板の温度を、全体がアモルファス状態になってい
    る複合膜構造の有機共蒸着膜が形成される温度となるよ
    うに制御することを特徴とする有機共蒸着膜の製造方
    法。
  4. 【請求項4】 有機半導体がメタルフリーフタロシアニ
    ン及びペリレン顔料であり、前記基板の温度を−50℃
    から50℃の温度範囲に設定することによって、メタル
    フリーフタロシアニン及びペリレン顔料が全体に混ざり
    合ったアモルファス状態にする請求項に記載の有機共
    蒸着膜の製造方法。
  5. 【請求項5】 複数の有機半導体を同一の基板上に同時
    に蒸着することによって得られる前記有機半導体の複合
    膜である有機共蒸着膜を製造する方法において、 前記基板の温度を、それぞれの有機半導体が結晶状態の
    粒子として混ざり合った複合膜構造の有機共蒸着膜が形
    成される温度となるように制御することを特徴とする
    機共蒸着膜の製造方法。
  6. 【請求項6】 有機半導体がメタルフリーフタロシアニ
    ン及びペリレン顔料であり、前記基板の温度を50℃よ
    り高い温度に設定することによって、メタルフリーフタ
    ロシアニン及びペリレン顔料が結晶状態の粒子として混
    ざり合った構造にする請求項に記載の有機共蒸着膜の
    製造方法。
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