JP3367775B2 - 糸付け用の金属ボタン - Google Patents

糸付け用の金属ボタン

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JP3367775B2
JP3367775B2 JP29803994A JP29803994A JP3367775B2 JP 3367775 B2 JP3367775 B2 JP 3367775B2 JP 29803994 A JP29803994 A JP 29803994A JP 29803994 A JP29803994 A JP 29803994A JP 3367775 B2 JP3367775 B2 JP 3367775B2
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文男 野口
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ワイケイケイニューマックス株式会社
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【発明の詳細な説明】
【０００１】
【産業上の利用分野】本発明は従来よりも薄い金属板を
使用する糸付け用の金属ボタンに関する。
【０００２】
【従来技術】従来、糸付け用金属ボタンは、所望のボタ
ンのための平面形状とした金属板を、例えば図６に番号
１で示すような断面形状に絞り加工してフランジ部３と
糸付け凹部５とを形成し、次ぎにこの糸付け凹部５に少
なくとも一対の穴７を打ち抜き加工する。これらの穴７
はそのままで糸付けすると穴の鋭利な縁部と糸とが接触
することによる糸切れを生じる恐れがあるため、穴の各
端部には番号９で示すような面取り部が形成される。し
かしながら、この面取り部９を設けるためには金属板を
比較的肉厚の、即ち０．８乃至１．２ｍｍ程度のものを
使用する必要性があることから材料コストが高い。従っ
てもっと薄い、例えば０．３乃至０．５ｍｍ程度の金属
板を使用することが出来ればそうした材料コストを削減
可能であるが、現在の技術ではそれほどに薄い金属板に
面取り部を形成することは非常に困難である。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】材料コストのより小さ
い、従来よりも薄い、例えば０．３乃至０．５ｍｍ程度
の金属板を使用し、糸切れを防止可能な糸通し穴を具備
し、しかも、糸通し穴を切り開け加工することにより生
じた各切片を金属板の裏側に向けて該裏側と平行となる
状態に折り曲げ加工した場合には、糸付け用金属ボタン
を生地等に取り付けた後、これらの切片の切断縁部が生
地に引っ掛からないようにもなり、更には、そうした薄
い金属板を使用したことによる強度上の弱さ及びフラン
ジ部の取扱上の危険がなく、製品の外観及び質感を共に
向上する糸付け用金属ボタンを提供することである。
【０００４】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、糸付け
用の複数の穴（４０）を有し、外周部分を有する糸付け
用金属ボタン（１０）であって、 従来よりも薄い金属板
を使用し、該金属板に少なくとも一対の穴を、該一対の
穴の相互に接近する側の各側辺（６０）を残すようにし
て切り開け加工し、該切り開け加工により生じた各切片
（８０）を金属板の裏側に向けて折り曲げ加工したこと
を特徴とする糸付け用金属ボタンを提供することであ
り、 糸付け用の複数の穴（４０）を有し、外周部分を有
する糸付け用金属ボタン（１０）であって、 従来よりも
薄い金属板を使用し、該金属板に少なくとも一対の穴
を、該一対の穴の相互に接近する側の各側辺（６０）を
残すようにして切り開け加工し、該切り開け加工により
生じた各切片（８０）を金属板の裏側に向けて該裏側と
平行となる状態に折り曲げ加工したことを特徴とする糸
付け用金属ボタンを提供することである。
【０００５】
【実施例】図１から図４を参照して本発明の糸付け用金
属ボタンを詳しく説明する。図１には本発明に従う糸付
け用金属ボタン１０の側方断面図が示されている。糸付
け用金属ボタン１０は、従来通り、所望のボタンの平面
形状に加工した平板状金属を使用するが、本発明ではこ
の平板状金属は肉厚ｈが０．３乃至０．５ｍｍのものを
使用する。次いでこの平板状金属を同じく従来通り絞り
加工し、図２に示すようなフランジ部２０と糸付け凹部
３０とを形成する。
【０００６】従来の技法では次ぎの工程で糸付け凹部３
０に糸付け用の穴を打ち抜き加工するのであるが、本発
明では糸付け用の穴は切り開け加工により形成する。図
３には切り開け加工により一対の糸付け用の穴４０を形
成した状態が例示されている。本発明に於ける切り開け
加工は先ず、前記一対の糸付け用の穴４０の相互に接近
する側の側辺６０を残して切断した後、切り開け加工に
よって生じた各切片８０を、側辺６０に沿って図３で矢
印により示されるように、糸付け凹部３０の下側方向に
廻動させるようにして実施される。
【０００７】各切片８０を糸付け凹部３０の下方に向け
て回転させた後、これら切片８０を前記矢印方向へと更
に折り曲げることにより、図１に示すように各切片８０
の切断縁部１００が相互に向き合い且つ糸付け凹部３０
の下側表面１２０と少なくとも平行となる状態とする。
これにより、糸付け用金属ボタン１０を生地等に取り付
けた後、これらの切断縁部１００が生地に引っ掛からな
いようになる。
【０００８】少なくとも一対の糸付け用の穴４０の、相
互に接近する側の側辺６０に沿って切片８０を折り曲げ
たことにより、この側辺６０は結局、比較的丸みを帯び
た面取り部分を提供することとなる。一方、この一対の
糸付け用の穴４０を利用して糸付け用金属ボタン１０を
生地に取り付ける場合は糸（図示せず）はこれらの側辺
６０、即ち面取り部相互間に掛け渡されるので糸切れを
生じることはない。糸付け用の穴４０は図４では半月状
に形成したものとして例示されるが、側辺６０のような
面取り部分が提供される限りに於て、四角形状その他形
状のものとして良いことは勿論である。
【０００９】図５には、本発明の糸付け用金属ボタン１
４０を参照して、フランジ部２０の外側縁部を外周に沿
って内側に折り曲げ加工して折り曲げ縁部１６０を形成
する状況が示される。
【００１０】この折り曲げ縁部１６０を形成することに
より、フランジ部分の厚みが実質的に倍となるので、
０．３乃至０．５ｍｍ程度もの薄い金属板を使用するこ
とによる強度上の弱さが解消される他、フランジ部から
薄い切断縁部、即ち鋭利な縁部をなくすことで取扱上の
危険も無くなる。更には、フランジ部分の見かけ上の厚
みも増大されるので外観及び質感が共に向上することか
ら、薄い金属板を使用しても製品として貧弱なイメージ
を与えずに済む効果もある。
【００１１】
【発明の効果】材料コストのより小さい、従来よりも薄
い、例えば０．３乃至０．５ｍｍ程度の金属板を使用
し、糸切れを防止可能な糸通し穴を具備し、しかも、糸
通し穴を切り開け加工することにより生じた各切片を金
属板の裏側に向けて該裏側と平行となる状態に折り曲げ
加工した場合には、糸付け用金属ボタンを生地等に取り
付けた後、これらの切片の切断縁部が生地に引っ掛から
ないようにもなり、更には、そうした薄い金属板を使用
したことによる強度上の弱さ及びフランジ部の取扱上の
危険がなく、製品の外観及び質感を共に向上する糸付け
用金属ボタンが提供される。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明に従う糸付け用金属ボタンの側方断面図
である。
【図２】本発明に従う糸付け用金属ボタンの絞り加工し
た工程段階における側方断面図である。
【図３】本発明に従う糸付け用金属ボタンに一対の糸通
し穴を切り開けし、これにより生じた切片をボタンの裏
側へと折り曲げる工程を例示する側方断面図である。
【図４】図１の糸付け用金属ボタンの平面図である。
【図５】フランジ部の曲げ加工状況を示す糸付け用金属
ボタンの側方断面図である。
【図６】従来の糸付け用金属ボタンの側方断面図であ
る。
【図７】図６の糸付け用金属ボタンの平面図である。
【符号の説明】
１０、１４０ 糸付け用金属ボタン ２０ フランジ部 ３０ 糸付け凹部 ４０ 糸付け用の穴 ６０ 側辺 ８０ 切片 １００ 切断縁部 １２０ 下側表面 １ ６０ 折り曲げ縁部

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項１】 糸付け用の複数の穴（４０）を有し、外
    周部分を有する糸付け用金属ボタン（１０）であって、板厚が０．３〜０．５ｍｍの 金属板を使用し、該金属板
    に少なくとも一対の穴を、該一対の穴の相互に接近する
    側の各側辺（６０）を残すようにして切り開け加工し、
    該切り開け加工により生じた各切片（８０）を金属板の
    裏側に向けて折り曲げ加工したことを特徴とする糸付け
    用金属ボタン。
  2. 【請求項２】 糸付け用の複数の穴（４０）を有し、外
    周部分を有する糸付け用金属ボタン（１０）であって、板厚が０．３〜０．５ｍｍの 金属板を使用し、該金属板
    に少なくとも一対の穴を、該一対の穴の相互に接近する
    側の各側辺（６０）を残すようにして切り開け加工し、
    該切り開け加工により生じた各切片（８０）を金属板の
    裏側に向けて該裏側と平行となる状態に折り曲げ加工し
    たことを特徴とする糸付け用金属ボタン。
  3. 【請求項３】 外周部分に沿ってフランジ部（２０）を
    有し、該フランジ部の外側縁部が丸く折り曲げ加工され
    る請求項１あるいは２の糸付け用金属ボタン。
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