JP3367742B2 - ポリオルガノシロキサン流体 - Google Patents

ポリオルガノシロキサン流体

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JP3367742B2 JP6543694A JP6543694A JP3367742B2 JP 3367742 B2 JP3367742 B2 JP 3367742B2 JP 6543694 A JP6543694 A JP 6543694A JP 6543694 A JP6543694 A JP 6543694A JP 3367742 B2 JP3367742 B2 JP 3367742B2
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Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【産業上の利用分野】本発明は、ポリオルガノシロキサ
ン流体に関し、詳しくは高温下において粘度低下を防止
することができ、さらに粘度上昇やゲル化の防止にも有
効である新規なポリオルガノシロキサン流体に関するも
のである。 【0002】 【従来の技術】ポリオルガノシロキサン流体は、温度に
よる粘度変化が小さく、高温での熱安定性に優れるとい
う理由で、ビスカスカップリングに代表される各種粘性
流体継手や動力伝達装置などに封入されている。充填流
体の粘性抵抗を利用した軸継手は、できるだけ小型で高
い粘性トルクを得ることが必要とされ、比較的高粘度の
シリコーン流体、特に25℃粘度が1,000〜50
0,000cStのジメチルポリシロキサンが一般的に
使用されている。 【0003】粘性流体継手の充填流体として使用される
場合、流体にかかる剪断や金属間の摩擦による発熱で相
当の高温になることもあり、長期間の使用において、粘
度上昇を起こし最終的にはゲル化に至ることが多いとい
う問題の他、熱分解などにより粘度低下を生じ、初期設
定性能が維持できなくなることがある。ポリオルガノシ
ロキサン流体の耐熱性向上のために、従来から種々の耐
熱向上剤の添加が検討されている。提案された耐熱向上
剤としては、例えばフェノチアジン、ジフェニルアミ
ン、フェニル−α−ナフチルアミン、N−フェニル−
N’−イソプロピル−p−フェニレンジアミン、N,
N’−ジ−β−ナフチル−p−フェニレンジアミンなど
のアミン類、2,6−ジ−t−ブチルフェノール、スチ
レン化フェノール、4,4’−チオビス(6−t−ブチ
ル−m−クレゾール)、4,4’−メチレンビス(2,
6−ジ−t−ブチルフェノール)などのフェノール類、
鉄、セリウム、ジルコニウムなどのオクチル酸金属塩、
有機セレン化合物、フェロセン、さらにはポリオルガノ
シロキサンと相溶性に優れたシロキサン化合物、例えば
フェロ−シロキサン、ジルコニウム−シロキサン(特公
昭56−14700号公報)、セリウムシロキサン(特
公昭51−24377号公報、特公昭53−980号公
報)、芳香族アミン基を有するシロキサン(特公昭55
−18457号公報、特公昭60−10535号公
報)、ジルコニウム・セリウム−シロキサン(特開昭6
1−185597号公報)などが挙げられる。また、ビ
スカスカップリング用基材としてのポリオルガノシロキ
サンのゲル化防止剤として硫黄化合物(特開昭64−6
5195号公報)、リン化合物(特開平2−91196
号公報)などの添加が提案されている。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、公知の
耐熱向上剤若しくは硫黄化合物、リン化合物を添加した
シリコーン流体では重合や架橋などによる粘度上昇やゲ
ル化に対しては効果が認められるものの、熱分解などに
よる粘度低下の防止には効果がない。本発明は、上記従
来技術の状況に鑑みてなされたものであり、高温下にお
いて粘度低下を防止することができ、さらに粘度上昇や
ゲル化の防止にも有効であるポリオルガノシロキサン流
体を提供することを目的とする。 【0005】 【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するために鋭意検討を行った結果、特定のポリオ
ルガノシロキサンに炭酸カルシウムを特定量添加するこ
とにより、高温下において粘度低下を防止することがで
き、さらに粘度増加やゲル化を防止することができるこ
とを見い出し、この知見に基づいて本発明を完成するに
至った。 【0006】すなわち、本発明は、(A)一般式(1) 【0007】 【化2】 【0008】(式中、R は一価の炭化水素基又はハロゲ
ン化炭化水素基であり、aは1.9〜2.1の数であ
る。)で表される平均単位式で示され、25℃粘度が5
00〜500,000cStのポリオルガノシロキサン
からなる基油を96〜99.99重量%と、(B)炭酸
カルシウムを0.01〜4重量%の割合で含有している
ことを特徴とするポリオルガノシロキサン流体を提供す
るものである。以下、本発明を詳細に説明する。 【0009】本発明のポリオルガノシロキサン流体の一
成分であるポリオルガノシロキサンは、一般式(1)で
表される平均単位式で示され、25℃粘度が500〜5
00,000cStのポリオルガノシロキサンである。
一般式(1)におけるR は、一価の炭化水素基又はハロ
ゲン化炭化水素基を示す。ここで一価の炭化水素基の好
適な例としては、例えば炭素数1〜12の直鎖状又は分
岐状の飽和又は不飽和の脂肪族炭化水素基及び炭素数6
〜18の芳香族炭化水素基などが挙げられ、さらに、一
価のハロゲン化炭化水素基の好適な例としては、これら
の脂肪族炭化水素基及び芳香族炭化水素基の少なくとも
1個の水素原子がハロゲン原子で置換したものが挙げら
れる。なお、芳香族炭化水素基には、アラルキル基も含
まれる。さらに、脂肪族炭化水素基及びハロゲン化脂肪
族炭化水素基としては、炭素数1〜8のものが好まし
く、特に炭素数1のものが好ましい。また、芳香族炭化
水素基及びハロゲン化芳香族炭化水素基としては、炭素
数6〜12のものが好ましい。なお、ハロゲン原子とし
ては、塩素原子、臭素原子、フッ素原子、ヨウ素原子な
どが挙げられ、好ましくはフッ素原子である。 【0010】上記脂肪族炭化水素基の具体例としては、
例えばアルキル基、アルケニル基などが挙げられる。ま
た、ハロゲン化脂肪族炭化水素基の具体例としては、ハ
ロゲン化アルキル基、ハロゲン化アルケニル基などが挙
げられる。アルキル基の適当な具体例としては、例えば
メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブ
チル、イソブチル、tert−ブチル、n−ペンチル、
イソペンチル、ネオペンチル、tert−ペンチル、2
−メチルブチル、n−ヘキシル、イソヘキシル、3−メ
チルペンチル、エチルブチル、n−ヘプチル、2−メチ
ルヘキシル、n−オクチル、イソオクチル、tert−
オクチル、2−エチルヘキシル、3−メチルヘプチル、
n−ノニル、イソノニル、1−メチルオクチル、エチル
ヘプチル、n−デシル、1−メチルノニル、n−ウンデ
シル、1,1−ジメチルノニル、n−ドデシルなどが挙
げられる。 【0011】ハロゲン化アルキル基の適当な具体例とし
ては、例えばクロロメチル、トリクロロメチル、フルオ
ロメチル、トリフルオロメチル、ブロモメチル、ジブロ
モメチル、2−クロロエチル、2,2,2−トリクロロ
エチル、2−フルオロエチル、2,2,2−トリフルオ
ロエチル、2−ブロモエチル、2−クロロプロピル、2
−フルオロプロピル、3−フルオロプロピル、トリフル
オロプロピル、ヘキサフルオロプロピル、3−ブロモプ
ロピル、4−クロロブチルなどが挙げられる。 【0012】アルケニル基の適当な具体例としては、例
えばビニル、アリル、イソプロペニル、2−ブテニル、
2−メチルアリル、1,1−ジメチルアリル、3−メチ
ル−2−ブテニル、3−メチル−3−ブテニル、4−ペ
ンテニル、ヘキセニル、オクテニル、ノネニル、デセニ
ルなどが挙げられる。ハロゲン化アルケニル基の適当な
具体例としては、例えばクロロビニル、ジクロロビニ
ル、3−クロロアリル、2,3−ジクロロアリル、クロ
ロイソプロペニル、2−クロロブテニル、3−クロロ−
2−メチルアリル、クロロオクテニル、フルオロビニ
ル、ジフルオロビニル、3−フルオロアリル、2,3−
ジフルオロアリル、フルオロイソプロペニル、2−フル
オロブテニル、3−フルオロ−2−メチルアリル、フル
オロオクテニル、ブロモビニル、ジブロモビニル、3−
ブロモアリル、2,3−ジブロモアリル、ブロモイソプ
ロペニル、2−ブロモブテニル、3−ブロモ−2−メチ
ルアリルなどが挙げられる。 【0013】上記芳香族炭化水素基の適当な具体例とし
ては、フェニル、トリル、キシリル、エチルフェニル、
n−プロピルフェニル、イソプロピルフェニル、n−ブ
チルフェニル、イソブチルフェニル、tert−ブチル
フェニル、n−ペンチルフェニル、n−ヘキシルフェニ
ル、n−ヘプチルフェニル、n−オクチルフェニル、2
−エチルフェニルヘキシルフェニルなどが挙げられる。
また、ハロゲン化芳香族炭化水素基の適当な具体例とし
ては、例えば2−クロロフェニル、3−クロロフェニ
ル、4−クロロフェニル、2,4−ジクロロフェニル、
2,6−ジクロロフェニル、3,4−ジクロロフェニ
ル、3,4,5−トリクロロフェニル、2−トリフルオ
ロメチルフェニル、3−トリフルオロメチルフェニル、
2−フルオロフェニル、3−フルオロフェニル、4−フ
ルオロフェニル、3,4−ジフルオロフェニル、2−ブ
ロモフェニル、3−ブロモフェニル、4−ブロモフェニ
ル、3,4−ジブロモフェニル、3,5−ジブロモフェ
ニル、2−ヨードフェニル、3−ヨードフェニル、4−
ヨードフェニルなどが挙げられる。 【0014】アラルキル基の適当な具体例としては、ベ
ンジル、1−フェニルエチル、2−フェニルエチル、2
−フェニルプロピル、3−フェニルプロピル、4−フェ
ニルブチル、5−フェニルペンチル、6−フェニルヘキ
シル、1−(4−メチルフェニル)エチル、2−(4−
メチルフェニル)エチル、2−メチルベンジルなどが挙
げられる。ハロゲン化アラルキル基の適当な具体例とし
ては、例えば4−クロロベンジル、4−ブロモベンジ
ル、4−トリフルオロメチルベンジル、3−クロロ−4
−メチルベンジル、3−メチル−4−クロロベンジル、
4−クロロ−2−メチルベンジル、2−クロロ−4−メ
チル−ベンジル、2−メチル−4−トリフルオロメチル
ベンジル、4−クロロフェニルエチル、4−ブロモフェ
ニルエチル、4−トリフルオロメチルフェニルエチルな
どが挙げられる。けい素原子に結合するR の基は、同一
又は異種のものであってもよい。 【0015】一般式(1)のaは、1.9〜2.1の数
を示す。一般式(1)のポリオルガノシロキサンは基本
的に直線状の骨格をなしており、若干の分岐部分を有し
てもよい。一般式(1)のポリオルガノシロキサンにお
いて、直鎖で分子量の高いものは、aが2.0に近く、
分子量が低いものはaが2.0よりも大きく、分岐部分
を含むものはaが2.0より小さい。本発明に使用され
るポリオルガノシロキサンの好適な具体例としては、ポ
リジメチルシロキサン、ポリジメチル・メチルフェニル
シロキサン、ポリメチルフェニルシロキサン、ポリジメ
チル・ジフェニルシロキサン、ポリメチルヘキシルシロ
キサン、ポリメチルオクチルシロキサン、ポリメチルト
リフルオロプロピルシロキサン、ポリジメチル・メチル
トリフルオロプロピルシロキサンなど単一重合体や共重
合体が挙げられる。また、分子鎖末端はトリオルガノシ
リル基で封鎖されていることが望ましく、その好適な例
としてはトリメチルシリル基、トリエチルシリル基など
が挙げられる。これらのポリオルガノシロキサンは、1
種単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用い
てもよい。 【0016】これらのポリオルガノシロキサンの粘度
は、25℃における粘度が500〜500,000cS
tであり、好ましくは3,000〜500,000cS
tであり、更に好ましくは4,000〜450,000
cStであり、特に好ましくは5,000〜400,0
00cStである。ビスカスカップリング用流体として
使用する場合は、ポリオルガノシロキサンの粘度は、2
5℃における粘度が4,000〜500,000cSt
が好ましく、特に好ましくは5,000〜400,00
0cStである。粘度が低過ぎるものは、粘性抵抗が小
さく、流体継手用充填流体として用いるには、継手の容
量を大きくする必要があり、また粘度が高すぎるものは
粘性抵抗が大き過ぎ、発熱が非常に大きくなり耐久性に
問題が出てくる。本発明の組成物において、このポリオ
ルガノシロキサンは、基油として配合され、その配合量
は組成物の多割合を占め、通常96〜99.99重量%
の範囲であり、好ましくは98〜99.9重量%の範囲
であり、特に好ましくは99〜99.9重量%の範囲で
ある。 【0017】本発明のポリオルガノシロキサン流体の他
の成分である炭酸カルシウムは、工業的製法若しくは化
学的製法により得られた種々のものが使用できる。工業
的製法により得られた炭酸カルシウムとは、天然に存在
する方解石、石灰石、大理石、アラレ石、白亜として産
出したものを粉砕したものであり、また化学的製法によ
り得られた炭酸カルシウムとは、一般に言われている沈
降性炭酸カルシウムのことであり、カルシウムの可溶性
塩の水溶液にアルカリの炭酸塩を加えることにより得ら
れる沈殿物である。炭酸カルシウムの結晶構造として
は、アラレ石型構造と方解石型構造の2種類があるが、
そのどちらでも差し支えない。炭酸カルシウムの粒径
は、特に限定されるものではないが、平均粒径が0.0
1〜100μmのものが好ましく、特に0.01〜50
μmのものが好ましい。炭酸カルシウムの粒径が100
μmを超えると、炭酸カルシウムが沈降することがある
ため好ましくない。 【0018】本発明のポリオルガノシロキサン流体にお
いて、炭酸カルシウムの配合割合は、0.01〜4重量
%の範囲であり、好ましくは0.01〜3重量%の範囲
であり、特に好ましくは0.01〜2重量%の範囲であ
る。炭酸カルシウムの配合割合が0.01重量%未満で
あると添加効果が小さく、4重量%を超えるとポリオル
ガノシロキサンや炭酸カルシウムの熱劣化の影響が大き
くなり好ましくない。炭酸カルシウムは、基油であるポ
リオルガノシロキサンに溶解することが望ましいが、溶
解しなくてもよく、基油の粘度が高いことにより単に分
散していてもよく、また基油と反応していてもよい。な
お、分散状態は均一であっても不均一であってもよい。 【0019】本発明のポリオルガノシロキサン流体に、
従来鉱油系潤滑に公知の耐熱向上剤やその他各種添加剤
を添加しても差し支えない。また、本発明のポリオルガ
ノシロキサン流体を継手用流体として用いる場合、種々
の過酷な条件下にさらされることを考えると、各種硫黄
系化合物、リン系化合物、環状シロキサン(特願平4−
312189号)、スルホネート、フェネート、サリシ
レート(特願平4−312190号)及び従来公知の耐
熱向上剤を添加することができる。 【0020】耐熱向上剤としては、例えばフェノチアジ
ン、ジフェニルアミン、フェニル−α−ナフチルアミ
ン、N−フェニル,N’−イソプロピル−p−フェニレ
ンジアミン、N,N’−ジ−β−ナフチル−p−フェニ
レンジアミンなどのアミン類、2,6−ジ−t−ブチル
フェノール、スチレン化フェノール、4,4−チオビス
(6−t−ブチル−m−クレゾール)、4,4’−メチ
レンビス(2,6−ジ−t−ブチルフェノール)などの
フェノール類、鉄、セリウム、ジルコニウムなどのオク
チル酸金属塩、有機セレン化合物、フェロセン、さらに
はポリオルガノシロキサンと相溶性に優れたシロキサン
化合物、例えばフェロ−シロキサン、ジルコニウム−シ
ロキサン(特公昭56−14700号公報)、セリウム
シロキサン(特公昭51−24377号公報、特公昭5
3−980号公報)、芳香族アミン基を有するシロキサ
ン(特公昭55−18457号公報、特公昭60−10
535号公報)、ジルコニウム・セリウム−シロキサン
(特開昭61−185597号公報)、例えば硫化油
脂、ジチオリン酸亜鉛、ジアルキルジチオカルバミン酸
金属塩、単体硫黄などのイオウ若しくはイオウ化合物
(特公昭64−65195号公報)などが挙げられる。 【0021】本発明のポリオルガノシロキサン流体は、
種々の粘性流体継手や動力伝達装置などに封入される流
体として使用することができるが、特にビスカスカップ
リング用流体として有効である。 【0022】 【実施例】次に、本発明を実施例によりさらに具体的に
説明する。なお、本発明は、これらの例によって何ら制
限されるものではない。実施例及び比較例において使用
したポリオルガノシロキサンは、一般式(1)のR がメ
チル基であり、aが2の数である平均単位式で示される
ものである。また、これらのポリジメチルシロキサンは
すべて分子末端基をトリメチルシリル基で封鎖したもの
である。 【0023】また、実施例及び比較例の粘度変化の評価
試験は、次の方法により行った。高さ12cm、内径4
cmのガラス容器に試料油を約40gとり、これを回転
式空気循環恒温槽中に入れ、180℃あるいは200℃
で一定時間、撹拌ヘラを用いて回転数10rpmで撹拌
しつつ加熱し、粘度変化を測定した。 【0024】実施例1 25℃での粘度が300,000cStであるポリジメ
チルシロキサンを99.5重量%と平均粒径が15μm
の炭酸カルシウム(関東化学株式会社製、純度99.0
%)を0.5重量%とを60℃で1時間撹拌して混合
し、ポリオルガノシロキサン流体を調製した。この流体
を用いて評価した結果を表1に示す。 【0025】実施例2 25℃での粘度が300,000cStであるポリジメ
チルシロキサンを99.0重量%と、平均粒径が15μ
mの炭酸カルシウム(関東化学株式会社製、純度99.
0%)を1.0重量%とを60℃で1時間撹拌して混合
し、ポリオルガノシロキサン流体を調製した。この流体
を用いて評価した結果を表1に示す。 【0026】実施例3 25℃での粘度が300,000cStであるポリジメ
チルシロキサンを99.0重量%と、平均粒径が50μ
mの沈降型炭酸カルシウム(関東化学株式会社製)を
1.0重量%とを60℃で1時間撹拌して混合し、ポリ
オルガノシロキサン流体を調製した。この流体を用いて
評価した結果を表1に示す。 【0027】比較例1 25℃での粘度が30,000cStであるポリジメチ
ルシロキサンを用いて、評価した。その結果を表1に示
す。 【0028】比較例2 25℃での粘度が300,000cStであるポリジメ
チルシロキサンを99.0重量%と、芳香族アミン基を
有するシロキサン(比重(25℃)1.080、粘度1
15cSt)を1.0重量%とを60℃で1時間撹拌し
て混合し、ポリオルガノシロキサン流体を調製した。こ
の流体を用いて評価した結果を表1に示す。 【0029】比較例3 25℃での粘度が300,000cStであるポリジメ
チルシロキサンを70.0重量%と平均粒径が15μm
の炭酸カルシウム(関東化学株式会社製、純度99.0
%)を30.0重量%とを60℃で1時間撹拌して混合
し、ポリオルガノシロキサン流体を調製した。この流体
を用いて評価した結果を表1に示す。 【0030】 【表1】 以上の結果より、本発明のポリオルガノシロキサン流体
は、従来のポリオルガノシロキサン流体に比較して、高
温条件で剪断をかけても粘度変化が少ないことが分か
る。また、実施例のポリオルガノシロキサン流体は、高
温での粘度変化が少ないためにビスカスカップリングに
好適に使用できた。 【0031】 【発明の効果】本発明のポリオルガノシロキサン流体
は、高温下での長期使用においても粘度変化が小さく、
またゲル化しにくいという特徴を有する。そのため、粘
性流体継手用流体として使用でき、高性能の粘性流体継
手を提供することができる。特に、ビスカスカップリン
グオイルとして用いれば、ビスカスカップリングの耐久
性、さらには自動車の信頼性を高めることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI C10N 40:08 C10N 40:08 (72)発明者 関根 顕一 埼玉県幸手市権現堂1134−2 株式会社 コスモ総合研究所 研究開発センター内 (72)発明者 矢野 法生 埼玉県幸手市権現堂1134−2 株式会社 コスモ総合研究所 研究開発センター内 (72)発明者 湯橋 行男 栃木県小山市城山町3丁目2−23 栃南 商事株式会社 3号館ビル2階 ビスコ ドライブジャパン株式会社内 (72)発明者 高崎 格 栃木県栃木市大宮町2、388番地 栃木 富士産業株式会社内 (56)参考文献 特開 平4−363392(JP,A) 特開 平4−268376(JP,A) 特開 平4−202497(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08L 83/00 - 83/16 C10M 107/50 C10M 169/00

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 (A)一般式(1) 【化1】 (式中、R は一価の炭化水素基又はハロゲン化炭化水素
    基であり、aは1.9〜2.1の数である。)で表され
    る平均単位式で示され、25℃粘度が500〜500,
    000cStのポリオルガノシロキサンからなる基油を
    96〜99.99重量%と、(B)炭酸カルシウムを
    0.01〜4重量%の割合で含有していることを特徴と
    するポリオルガノシロキサン流体。
JP6543694A 1994-03-10 1994-03-10 ポリオルガノシロキサン流体 Expired - Lifetime JP3367742B2 (ja)

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