JP3367689B2 - 核磁気共鳴イメージング装置 - Google Patents

核磁気共鳴イメージング装置

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JP3367689B2
JP3367689B2 JP25136592A JP25136592A JP3367689B2 JP 3367689 B2 JP3367689 B2 JP 3367689B2 JP 25136592 A JP25136592 A JP 25136592A JP 25136592 A JP25136592 A JP 25136592A JP 3367689 B2 JP3367689 B2 JP 3367689B2
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Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【産業上の利用分野】本発明は、静磁場空間に配置され
た被検体に対し励起用磁場(RFパルス)及び傾斜磁場
を印加して収集した核磁気共鳴信号(NMR信号)を基
に核磁気共鳴イメージング(MRI)画像を得ることが
できるMRI装置に関し、特に傾斜磁場電源系として傾
斜磁場コイルへ渦電流補償用電流を重畳させた駆動電流
を供給し得る構成を採用したMRI装置に関する。 【0002】 【従来の技術】MRI装置は、空芯構造の主磁石により
その空芯内に形成される静磁場空間に配置された被検体
に対しRFパルスを印加することによりNMR信号を励
起することができる。この際、NMR信号の位置情報を
得るために、通例では被検体に対し直交3軸方向へそれ
ぞれ傾斜して磁場強度を変化せしめる傾斜磁場を被検体
に対し印加するものとしている。そして、傾斜磁場を発
生させるために用いる傾斜磁場コイルは、傾斜磁場電源
系より駆動電流が供給することにより機能される。 【0003】しかし、傾斜磁場コイルに駆動電流を供給
して傾斜磁場を発生させると、主磁石の構成材料である
導電体に渦電流が生じ、この渦電流に起因して傾斜磁場
が所望の波形から逸脱してしまう。この場合、MRI画
像の劣化が生じる。 【0004】そこで、従来は、傾斜磁場コイルとして撮
影領域にのみ傾斜磁場を発生させ、主磁石側にはその傾
斜磁場が及ばないようにした構造のアクティブグラディ
エントコイルを用いるか、又は傾斜磁場コイルへ渦電流
補償用電流を重畳させた駆動電流を供給するようにした
渦電流補償方式を適用した。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、アクテ
ィブグラディエントコイルは、コイル構造が複雑で製造
的に高精度が要求されるため、極めてコスト高となるた
め、実用上不利である。 【0006】他方、渦電流補償方式を適用した場合、傾
斜磁場コイル及び主磁石の渦電流発生部分が完全に固定
されており、且つ主磁石内で傾斜磁場とカップリングす
るLCR回路等が存在しないときは渦電流による傾斜磁
場の乱れを回避し得る。しかし、実際にはそのようなも
のが存在しあるいは渦電流が発生している部分が振動し
てしまうため、減衰振動状の磁場波形が発生し、これに
より傾斜磁場に乱れが生じるため、MRI画像の画質劣
化を招来することになり得る。更に、渦電流磁場を発生
する対象、例えば主磁石の中にある金属円筒(熱シール
ド用のもの)が傾斜磁場コイルに対して非対称に配置さ
れている場合に問題となるのは、渦電流磁場の偶数次成
分である。例えば、上下方向に傾斜磁場コイルに対して
非対称に金属円筒が配置されている場合、特開昭63−
82638号公報に開示されているように上下方向に渦
電流磁場の偶数次成分が発生し、傾斜磁場に乱れが生じ
る。これを補正するために、特開昭63−82638号
公報で開示された技術では補正コイルを用い、特開平2
−144040号では傾斜磁場コイルを2系統に分けて
それぞれ独立に補正ゲインを決定するという技術を採用
した。しかし、傾斜磁場コイルを2系統に分けるため
に、主要磁場を作り出す大型の定電流源が2台必要とな
ってコスト的に高くなり、しかも上下方向に特定数の異
なる渦電流磁場を補正することができないという課題が
生じていた。 【0007】本発明は、上記した事情に着目してなされ
たものであり、その第1の目的とするところは、振動磁
場波形に起因する傾斜磁場の乱れを解消し、所望の傾斜
磁場を発生することができる傾斜磁場電源系を備えたM
RI装置を提供することにある。 【0008】また、第2の目的とするところは、渦電流
磁場の非対称性に起因する傾斜磁場の乱れを簡素なシス
テム構成で解消し得る傾斜磁場電源系を備えたMRI装
置を提供することにある。 【0009】 【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明は、静磁場空間の中に配置された被検体に対
し傾斜磁場を印加する傾斜磁場コイルと、前記傾斜磁場
コイルを駆動する駆動電流を供給する傾斜磁場電源と、
所望の傾斜磁場波形の微分波形及び前記所望の傾斜磁場
波形の振幅や周期に応じた振動波形を生成し、前記所望
の傾斜磁場波形に前記微分波形及び前記振動波形を加え
た波形電流を出力する補償回路とを備え、前記傾斜磁場
電源は、前記補償回路の出力を駆動電流として前記傾斜
磁場コイルへ供給することを特徴とするものである。 【0010】 【0011】 【作用】本発明の第1発明の構成であれば,MRI撮影
に際し、所望の波形の駆動電流に渦電流補償用電流を重
畳させると同時に振動磁場補償用電流を重畳させてこれ
らの合成電流を傾斜磁場コイルヘ供給することになるか
ら、駆動電流に渦電流補償用電流を重畳させたのみの合
成電流を傾斜磁場コイルへ供給していた場合に生じた振
動磁場波形に起因する傾斜磁場の乱れを解消することが
できる。 【0012】 【0013】 【実施例】図1は、本発明が適用されたMRI装置の概
略を示すシステム構成図である。 【0014】このMRI装置は、システム全体の制御中
枢としてコンピュータシステム1を備えており、このコ
ンピュータシステム1の制御下でシーケンサ2のパルス
シーケンスに従って傾斜磁場電源系3、送信機4を動作
させる。これにより主磁石5の空芯内に形成された静磁
場空間の中に配置された被検体Pに対しRFコイル6に
よりRFパルスを印加し、また傾斜磁場コイル7により
傾斜磁場を印加し、被検体Pに励起されたNMR信号を
受信プロープ8を介して受信器9により受信及び検波
し、コンピュータシステム1にて収集することができ
る。コンピュータシステム1は、収集したNMR信号を
基にMRI画像を再構成し、モニタ10上に表示するこ
とができる。 【0015】このようなMRI装置において、第1発明
を適用した場合、傾斜磁場電源系3は図2に示すように
シーケンサ2と傾斜磁場コイル(X,Y,Zの直交3軸
方向の傾斜磁場を発生するためにそれぞれ設けた各軸毎
のGコイル)7との間に、補償回路11〜13と傾斜磁
場電源14〜16とを設けて構築される。このうち、補
償回路11〜13は、図3に示すように渦電流補償回路
17及び振動波形補償回路18を備えており、これらの
出力波形を波形合成器19により合成して図2の傾斜磁
場電源14〜16に加えることにより、傾斜磁場電源1
4〜16からはシーケンサ2により設定した所望の波形
の駆動電流に渦電流補償用電流を重畳させると同時に振
動磁場補償用電流を重畳させた合成電流が傾斜磁場コイ
ル7へと供給される。 【0016】そして、この第1発明を適用した場合にお
ける第1実施例では、渦電流補償回路17は、図4のよ
うにオペアンプを用いた微分器20と加算器21との組
合せの回路構成で、図5のように傾斜磁場波形として好
適な所望の波形形状の元波形とこの元波形の微分波形を
加えたオーバシュート電流波形を、図4の傾斜磁場電源
14〜16から傾斜磁場コイル7へ供給し、渦電流によ
る磁場波形を打消して元波形に対応した傾斜磁場波形を
得ようとするものである。なお、微分器20は、図1の
主磁石51に発生する渦電流が持つ時定数がいくつある
かに応じて最適な数だけ並列とした回路数とするとよい
もので、図4中のG1 等により微分波形のゲインを、ま
たR1 等により時定数を調整し、これにより傾斜磁場波
形が元波形となるように調整し得るものである。 【0017】他方、振動波形補償回路18は、図6のよ
うにオペアンプを用いたLCR回路の回路構成で、元波
形によってトリガされる減衰振動波形を発生するもの
で、元波形の振幅、周期に応じた振動波形を作る。な
お、図6中の回路18aは、減衰振動の周期、時定数に
応じて最適な数だけ並列とした回路数とするとよく、ま
た、回路18a中の回路18bでゲインを正(+)から
負(−)に可変できる。但し、時定数は、2L/R 振動周波数は、{(1/Lc )−(R2 /4L2 )}
1/2 である。 【0018】このような振動波形補償回路18の出力波
形が、渦電流補償回路17の出力波形とともに図7の如
く重畳されて振動磁場波形を含むオーバーシュート電流
波形を図4の傾斜磁場電源14〜16から傾斜磁場コイ
ル7へ供給し、これにより渦電流波形及び振動磁場波形
を打消して元波形に対応した傾斜磁場波形を得ることを
可能にしている。以上説明したように本実施例によれ
ば、所望の傾斜磁場波形を得るために設定した駆動電流
に渦電流補償用電流及び振動磁場補償用電流を重畳して
傾斜磁場コイルにて所望通りの傾斜磁場波形を発生する
ことができるようになるので、MRI画像の劣化を回避
するうえで好都合となる。 【0019】しかし、振動減衰の時定数によっては、イ
ンダクタンス(L)が数ヘンリー(H)以上となること
があり、この場合には図6の回路構成では、振動波形の
補償不可能となる。そこで、第1発明を適用した場合に
おける第2実施例では、図6の回路18aの部分を図8
のような回路構成とする。この他に、NIC(ネガティ
ブ インミタンス コンバータ)等の回路を適用するこ
ともできる。なお、図8の回路構成では回路18cの部
分がLとして動作する。 【0020】更に、図8の回路では傾斜磁場波形に同期
したコサイン波形しか発生できない。そこでサイン波形
が必要な場合に対処すべく第1発明における第3実施例
では、図9のように、渦電流補償用の微分回路22と、
余弦振動回路23と、正弦振動回路24と、その他積分
回路等とを傾斜磁場波形の補償に必要な数だけ並列に設
けた組合せ回路にしてもよい。なお、コサイン波形のみ
でその補償を行える場合には、特に本実施例を適用しな
くてもよい。 【0021】次に、第2発明についてその実施例を説明
する。但し、ここでは説明の簡単のため、Y方向の傾斜
磁場を発生するためのY軸傾斜磁場系を代表して図1の
MRI装置における傾斜磁場電源系3を説明するが、X
軸及びZ軸の傾斜磁場系でもY軸のそれと同様に考える
ことができるものである。 【0022】図10は、第2発明の第1実施例における
Y軸傾斜磁場系を示している。図示の如く、主要渦電流
補正用任意関数発生器31と、主要磁場発生用の定電流
源32とを傾斜磁場コイル7の端子間に直列に挿入し、
傾斜磁場コイル7へ渦電流補償用電流を重畳させた駆動
電流を供給することにより渦電流磁場を補償するだけで
は、前述したように渦電流の非対称性の問題が生じてし
まう。そこで、本実施例では、傾斜磁場コイル7の巻線
A1、巻線A2、巻線B1、巻線B2の直列巻線におけ
る巻線A1及び巻線A2からなる巻線部分の両端子間
に、非対称補正用任意関数発生器33と非対称補正用定
電流源34とを直列に挿入し、渦電流の非対称性を解消
するものである。 【0023】図10中の傾斜磁場コイル7において、巻
線A1、巻線A2、巻線B1、巻線B2は、例えば図1
1のようなサドルコイルの各巻線A1、A2、B1、B
2にて代表される。この場合、図12のようにY方向に
偏心した金属円筒35が傾斜磁場コイル7の外側に配置
されていたとすると、特開昭63−82638号公報に
て説明されているように、傾斜磁場中心と渦電流磁場中
心とが一致しない(図12実線)。従って、傾斜磁場コ
イル7の磁場中心に対して渦電流磁場の空間的非対称性
が形成される。 【0024】ところで、図13の実線は、Yの下側から
の渦電流磁場(a)とその上側からの渦電流磁場(b)
との重ね合せで形成されている。この例の場合、金属円
筒35での渦電流磁場は、傾斜磁場コイル7に対し上側
に偏心しているため、下側からの渦電流磁場が強く影響
し、渦電流磁場中心は上方へずれる。 【0025】一方、渦電流磁場の(a)と(b)との非
対称性は、その差分により図14のように考えることが
できる。すなわち、金属円筒35の偏心によって図14
のような渦電流磁場の非対称性が生じたと考えることが
できる。 【0026】これを補正するためには、まず主要渦電流
補正用任意関数発生器31及び主要定電流源32組合せ
によって図13中の(b)側にあわせて補償してやり、
同図中の(a)側と(b)側との差分により非対称成分
を顕在化させる。 【0027】そこで、非対称補正用任意関数発生器33
及び非対称補正用定電流源34の組合せを用い、その非
対称成分を補償する電流を流してやれば、その非対称性
は補正される。この場合、図10において図示したよう
にI0 (t)に対し、更にI1A(t)を印加する方向に
電流を流す。勿論、この場合、主要渦電流補正用任意関
数発生器31及び主要定電流源32を用い、図13中の
(a)側にあわせて補償してやり、図12に示すB系に
その非対称を補償する電流を図15の如くの接続構成で
流しても良い。この際、B系には電流を減少させる方向
に印加する。 【0028】これらの関係を図示すると図16のように
なり、同図において、(i)は主要渦電流補正用任意関
数発生器31及び主要定電流源32の組合せからの補償
電流、(ii)はB系に流す場合の補助の渦電流補正用任
意関数発生器33及び補助の定電流源34の組合せによ
る補償電流、(iii)はA系に流す場合の補助の渦電流補
正用任意関数発生器33及び補助の定電流源34の組合
せによる補償電流である。 【0029】また、非対称の性質によっては、図17ま
たは図18のように1つのセグメント例えばA1のみ、
あるいは2つのセグメントA1とA2それぞれ別に、ま
たこれの類推としてB1、B2を含めた例えば図19の
ような組合せ等を採用することができる。 【0030】更に、図10のような構成とするために
は、傾斜磁場コイルの結果は、A系、B系それぞれが直
列になっているべきであるが、例えばA1とB2に非対
称補正電流を同じ時定数で同じゲインで流したい場合
は、図20のような結線とすることにより2つに分割し
なくてもよいことになる。なお、図10の結線のままで
ある場合には、非対称補正用の回路が図21の如く2回
路必要となってしまう。 【0031】図20の例にならって同じ回路で補正でき
るように結線すれば効率的である。それ以外の非対称に
関しては、それぞれのセグメントに対して非対称補正用
任意関数発生器33及び非対称補正用定電流源34を設
ければよい。 【0032】また、上記した各任意波形発生器は、通常
用いられるCR回路の微分波形ばかりでなく、時定数と
ゲインとを複数持ったCR微分波形を加えたもの、つま
り図22のような構成のCR微分回路を適用することが
できる。そして、この出力波形は、傾斜磁場コイルの振
動、あるいは渦電流が誘起された金属円筒の振動等によ
って発生された振動磁場を補正するための波形であって
もよい(図23参照)。すなわち、図24のようにCR
微分回路群に他の補正波形を加える回路を並列に付加し
てもよいものである。 【0033】また、渦電流磁場の時定数が主磁石内で非
対称とする場合、例えば先に述べたY方向の偏心におい
て、同心であったとしても、上半分と下半分とで材質の
違うもので金属円筒を製作した場合、当然、上側の渦の
時定数と下側の渦の時定数とが異なる。これは、上側と
下側とで抵抗率が相異することによる。この時定数の相
異を補正する場合にも、いずれか時定数の短い方で主要
任意波形発生器及び主要定電流源を用いて補正し、残り
のアンバランス成分を図10に従って説明した方法で補
正することができる。この場合、図25のようにして、
主要定電流源32では全く補償電流を重畳させなくても
よく、このとき、A1、A2、B1、B2それぞれ独立
に違う時定数およびゲインをもった回路とすればよい。
なお、時定数の違いは比抵抗の空間分布のアンバランス
から、また渦電流本来の性質からも生じるものである。
また、ゲインが同じであれば、ゲインコントロールは1
つにしてもよい。 【0034】また、前述した非対称補正の各例では、傾
斜磁場コイルの選択したセグメント間を対象として非対
称補正用の波形発生器及び定電流源を結線したが、図2
6のように他励式で電磁結合し、非対称補償電流を重畳
させてもよいものである。なお、図26中、図10と同
一符号は対応している部分を示している。 【0035】以上説明したように本実施例によれば、所
望の傾斜磁場波形を得るために設定した駆動電流に渦電
流補償用電流を重畳しても除去し得なかった渦電流非対
称成分を除去することを、傾斜磁場コイルの選択したセ
グメント間に非対称性補償用電流を重畳させることによ
り行えるから、傾斜磁場コイルにて所望通りの傾斜磁場
波形を発生することができるようになるから、MRI画
像の劣化を回避するうえで好都合となり、しかも大型の
定電流源が1台で済むことになるからシステム構成が簡
素化されて経済的に有利となる。尚、上述した各発明の
実施例では、アナログ回路にて補償のための信号処理を
行なったが、以下に述べるようなディジタル回路により
その信号処理を行なうこともできる。 【0036】図27にディジタル方式の振動波形補償回
路の一例を示す。これは、図3の振動波形補償回路18
に相当するものであり、X,Y,Z軸それぞれに設けら
れている。 【0037】ディジタル振動波形補償回路50は、任意
関数発生器521 …52n 、可変ゲインアップ541 …
54n 、および抵抗器551 …55n をそれぞれ有する
並列に接続されたn個の回路エレメントと、これらのエ
レメントの出力を加算する加算器56からなる。任意関
数発生器521 …52n は、それぞれトリガ信号TR1
…TRnの入力により動作のタイミングを決定する。可
変ゲインアンプ541…54n は、それぞれレベル信号
LV1 …LVnの入力により任意関数発生器521 …5
2n の出力の大きさを決定する。 【0038】必要とされる任意関数発生器521 …52
n の個数は次のようにして定められる。MRI装置にお
いては、傾斜磁場パルスの最大密度(単位時間あたりの
パルス立上がり・立下がり回数)がパルスシーケンスに
より決まっている。補償されるべき振動の接続時間が予
めわかっている場合、任意関数発生器は、少なくとも振
動の接続時間内に発生する傾斜磁場パルスの立上がり・
立下がり回数と同じだけの個数が必要となる。 【0039】例えば、図28に示される例では、パルス
電流の振動持続時間内の立上がり・立下がり回数は8回
である。この場合、最低8個の任意関数発生器が必要と
なる。8個の傾斜磁場パルスの立上がり、立下がりそれ
ぞれについて、任意関数発生器521 …52n の出力を
用いて順に補償を行なう。パルス電流の振動持続時間経
過後は任意関数発生器の出力は0となるので、同じ任意
関数発生器を繰り返して使用することができる。 【0040】また、MRI装置はそのパルスシーケンス
により任意強度の傾斜磁場を発生させる。振動体に流れ
る渦電流と静磁場との相互作用によって振動体に力が加
わり振動が発生する場合、傾斜磁場を定時間で立上げ・
立下げを行なうとき、振動の振幅は傾斜磁場強度の時間
変化率に比例すると考えられる。このため、加える傾斜
磁場の向き・大きさによってゲインアップ541 …54
n のゲインをそれぞれ調節し、最適な補正が行なえるよ
うにする。 【0041】図29にディジタル方式の振動波形補償回
路の他の例を示す。補償されるべき振動波形はピックア
ップコイル61により検出される。検出された振動波形
は積分器62により積分され、A/Dコンバータ63に
よりディジタル信号に変換される。こうして得られた振
動データは、CPU65の制御のもとに一旦ROM64
に書込まれる。続いて、CPU65の制御のもとに振動
データは逆相で読出され、RAM661 …66n に保持
される。 【0042】その後、振動データはRAM661 …66
n からそれぞれ適当なタイミングで読出され、D/Aコ
ンバータ671 …67n によりアナログ信号に変換さ
れ、振動信号を得る。そして、この振動信号は可変ゲイ
ンアップ681 …68n に供給されて適当な強度に増幅
され、各信号が加算されて所望の補償振動信号を発生す
る。ここで、振動データの収集は頻繁に行なう必要はな
く、例えばMRI装置を据え付けるときの調整時に行な
えばよい。検出した振動データをROMに書込んでお
き、電源投入時にROMからRAMへデータを転送する
ことにより、補償すべき振動成分が変化しない限り正し
い補償を行なうことができる。 【0043】また、CPU65の制御によって次のよう
な動作を行なうことにより、さらに高度な補償を行なう
ことができる。図30(a)に示すように、補償すべき
振動波形をサンプリングし1回補償を行なう。次に、図
30(b)に示すように1回の補償を行なった状態で再
度振動波形のサンプリングを行ない、その補償データを
1回目の補償データを加えた上で補償出力とする。さら
にこの動作を繰り返し行なうことによりより精度の高い
補償を行なうことができる。この方法は、補償磁場を重
畳したためにその成分により新たな変動成分を発生する
ような伝達関数を有する系において特に有効である。 【0044】ところで、変動する磁場成分は機械系の振
動によるものも考えられ、この場合はある程度の磁場強
度または繰り返し周期に対する非線形性を有することが
ある。このとき、図31に示すように、磁場成分には非
線形性により補償しきれない変動磁場成分が残ることに
なる。MRI装置においては、MR信号をサンプリング
するリードタイミングにおける変動磁場成分が画質に対
しボケ等の影響を与える。例えばスピン・エコー法にお
いては、90°パルス及び180°パルスを印加すると
きの傾斜磁場強度がそれぞれ異なるとS/N比低下等の
影響が発生する。このような場合、変動磁場成分が画像
に影響を与えるタイミングがリードタイミングに限定さ
れる。そこで、サンプリングによって得られた補償デー
タを最小二乗法等の適応フィルタを用いてディジタル処
理することにより、限定された時間内の変動磁場を小さ
くし、画質に対する影響を除去・軽減することが可能で
ある。 【0045】さらに、図32に示すように、機械系の振
動に起因する非線形成の一種として、傾斜磁場パルスの
立上がり・立下がりの特性の違いによる非線形成分が考
えられる。この場合、例えば立上がりでサンプリングし
たデータを用いて立上がり・立下がりの補償を行なう
と、立上がりでは良好な補償が行なわれても、立下がり
での補償が正しく行なえない。これを正確に補償するた
めには、ROM・RAMをそれぞれ2系統とし、一方を
立上がり補償データ用、他方を立下がり補償データ用と
すればよい。 【0046】 【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
渦電流波形及び振動磁場波形に起因する傾斜磁場の乱れ
を解消し、所望の傾斜磁場を発生することができる。 【0047】
【図面の簡単な説明】 【図1】本発明が適用されたMRI装置の概略を示すシ
ステム構成図である。 【図2】傾斜磁場電源系の一般的な構成を示すブロック
図である。 【図3】本発明の第1発明の第1実施例で用いた補償回
路の概略を示すブロック図である。 【図4】本発明の第1発明の第1実施例における渦電流
補償回路の一例を示す回路図である。 【図5】渦電流補償原理を示す波形遷移図である。 【図6】本発明の第1発明の第1実施例における振動波
形補償回路の一例を示す回路図である。 【図7】本発明の第1発明に従って振動波形補償する場
合の波形遷移を示す図である。 【図8】本発明の第1発明の第2実施例における振動波
形補償回路の要部を示す回路図である。 【図9】本発明の第1発明の第3実施例における振動波
形補償回路の要部を示す回路図である。 【図10】本発明の第2発明の第1実施例における傾斜
磁場電源系の回路構成の一例を示す図である。 【図11】傾斜磁場コイルの構造説明図である。 【図12】傾斜磁場コイルに対して金属円筒が偏心して
いる状態を示す図である。 【図13】渦電流磁場の非対称状態を示す特性曲線図で
ある。 【図14】渦電流磁場の非対称成分を示す特性曲線図で
ある。 【図15】本発明の第2発明の第1実施例における傾斜
磁場電源系の回路構成の他の一例を示す図である。 【図16】本発明の第2発明の第1実施例での補償電流
波形を説明するために用いたタイミングチャートであ
る。 【図17】本発明の第2発明の他実施例における傾斜磁
場電源系の回路構成の一例を示す図である。 【図18】本発明の第2発明の他実施例における傾斜磁
場電源系の回路構成の他の第1例を示す図である。 【図19】本発明の第2発明の他実施例における傾斜磁
場電源系の回路構成の他の第2例を示す図である。 【図20】本発明の第2発明の他実施例における傾斜磁
場電源系の回路構成の他の第3例を示す図である。 【図21】図20を説明するために用いた図である。 【図22】CR微分回路を用いた任意関数発生器の一例
を示す図である。 【図23】振動磁場を補正するための波形の一例を示す
図である。 【図24】CR微分回路及び任意波形発生回路を用いた
任意関数発生器の一例を示す図である。 【図25】本発明の第2発明の他実施例における傾斜磁
場電源系の回路構成の他の第4例を示す図である。 【図26】本発明の第2発明の他実施例における傾斜磁
場電源系の回路構成の他の第5例を示す図である。 【図27】本発明の振動波形補償回路をデジタル回路に
て構成した例を示す図である。 【図28】図27における任意関数発生器の動作を説明
する図である。 【図29】本発明の振動波形補償回路をデジタル回路に
て構成した他の例を示す図である。 【図30】デジタル回路による補償動作の説明をする図
である。 【図31】非線形性により補償しきれない振動磁場を説
明する図である。 【図32】立上がりと立下がりで特性が異なる場合の補
償について説明する図である。 【符号の説明】 1 コンピュータシステム 2 シーケンサ 3 傾斜磁場電源系 4 送信器 5 受信器 6 RFコイル 7 傾斜磁場コイル 8 受信コイル 9 受信器 10 モニタ 11〜13 補償回路 14〜16 傾斜磁場電源
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平3−23841(JP,A) 特開 平3−210238(JP,A) 特開 平2−144040(JP,A) 特開 平5−31090(JP,A) 特開 平3−289938(JP,A) 実開 昭64−37215(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A61B 5/055 JICSTファイル(JOIS)

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】静磁場空間の中に配置された被検体に対し
    傾斜磁場を印加する傾斜磁場コイルと、 前記傾斜磁場コイルを駆動する駆動電流を供給する傾斜
    磁場電源と、 所望の傾斜磁場波形の微分波形及び前記所望の傾斜磁場
    波形の振幅や周期に応じた振動波形を生成し、前記所望
    の傾斜磁場波形に前記微分波形及び前記振動波形を加え
    た波形電流を出力する補償回路とを備え、 前記傾斜磁場電源は、前記補償回路の出力を駆動電流と
    して前記傾斜磁場コイルへ供給することを特徴とする核
    磁気共鳴イメージング装置。
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