JP3366902B2 - 分布定数線路近似処理方法およびシステム - Google Patents

分布定数線路近似処理方法およびシステム

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JP3366902B2
JP3366902B2 JP2000509046A JP2000509046A JP3366902B2 JP 3366902 B2 JP3366902 B2 JP 3366902B2 JP 2000509046 A JP2000509046 A JP 2000509046A JP 2000509046 A JP2000509046 A JP 2000509046A JP 3366902 B2 JP3366902 B2 JP 3366902B2
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正憲 山口
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Hitachi Chemical Co Ltd
Showa Denko Materials Co Ltd
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    • G06F30/36Circuit design at the analogue level
    • G06F30/367Design verification, e.g. using simulation, simulation program with integrated circuit emphasis [SPICE], direct methods or relaxation methods

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  • Tests Of Electronic Circuits (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【技術分野】本発明は、分布定数線路の回路解析を行う
ための近似処理を行う方法、および、そのためのシステ
ムに係り、特に、分布定数線路について、その精度を特
定して集中定数線路で近似する処理を行う分布定数線路
近似処理方法、および、システム、ならびに、それに用
いられるプログラムを記録した記録媒体に関する。
【背景技術】プリント基板、多層配線基板等の配線系で
は、その回路の動作が所望の動作を実現するかについ
て、回路解析する必要がある。従来、このための解析ソ
フトウエアが開発されている。回路を構成する回路要素
を指定することによって、回路モデルを特定して、この
ソフトウエアによりコンピュータ上で回路解析を行って
いる。
【0002】ところで、LSIの動作速度の飛躍的な向
上に伴って、素子間の信号伝送を担う配線系について
も、信号を高速で伝送することができる構造とする必要
が生じている。そのために、配線系における信号伝送特
性について十分把握しておく必要がある。この場合、高
速伝送を行うため、配線系を伝送線路として扱わなけれ
ば、伝送特性を正確に把握することができない。
【0003】しかし、解析すべき回路中には、伝送線路
以外に、集中定数で扱うべき回路要素が存在する。この
ため、集中定数と分布定数とが混在することとなる。と
ころが、集中定数/分布定数混在系の回路解析は、電圧
・電流の進行波を扱うため困難である。
【0004】そこで、分布定数線路について、集中定数
回路で近似することが求められている。近似処理を行う
場合、どの程度の精度で近似されているかが分かること
が望ましい。また、近似の精度を高くすると、演算処理
の負荷が大きくなるという問題がある。そこで、分布定
数線路について集中定数回路で近似する場合に、必要な
精度で近似が行えることが望まれる。
【0005】
【発明の開示】本発明の目的は、分布定数線路を集中定
数回路で近似するための処理であって、特に、必要な精
度で近似が行える分布定数線路の近似処理方法およびそ
のためのシステムならびにそれに用いられるプログラム
を記録した記録媒体を提供することにある。
【0006】上記目的を達成するため、本発明の第1の
態様によれば、対象とする分布定数線路を、与えられた
単位集中定数回路をn段縦続接続して得られる集中定数
回路により近似する処理を、情報処理装置を用いて行う
近似処理方法において、対象とする分布定数線路の伝播
定数γと、当該分布定数線路の線路長lとの積γlを算
出して記憶し、前記γlを用いてcoshγlおよびsinhγ
lを算出して記憶し、前記集中定数回路の伝送行列の要
素を構成するan(γl)、bn(γl)およびcn(γ
l)を、次の三つの式で表わされる関数an(x)、関
数bn(x)および関数cn(x)を、x=γlとし、n
を仮の値に定めてそれぞれ算出して記憶し、
【0007】
【数1】 前記coshγlとan(γl)、sinhγlとbn(γl)、
および、sinhγlとcn(γl)とをそれぞれ比較し
て、比較結果が予め定めた条件を満たすかを判定し、条
件を満たさない場合、前記nの値を変えて、前記a
n(γl)、bn(γl)、cn(γl)を算出する処理
以降の処理を、前記比較結果が前記条件を満たすまで繰
り返し、前記比較結果が前記条件を満たす場合、その時
のnを用いて、前記与えられる単位集中定数回路をn段
接続した集中定数回路を近似回路として決定することを
特徴とする分布定数線路近似処理方法が提供される。
【0008】上述した方法において、さらに、次の態様
を適宜採用することができる。 a) 前記coshγlとan(γl)との偏差、sinhγl
とbn(γl)との偏差、および、sinhγlとcn(γ
l)との偏差をそれぞれ算出することで前記比較を行っ
て、それらのうちの最大値δを、前記比較結果として求
め、前記最大値δが、予め設定されている誤差許容値ε
に対して、δ<εであることを前記条件として、前記判
定を行う。 b) 前記集中定数回路は、前記単位集中定数回路とし
てΠ型回路をn段縦続接続して構成され、その伝送行列
が、前記分布定数線路の特性インピーダンスをZ0とし
て、次式で与えられる。
【0009】
【数2】 c) 前記集中定数回路は、前記単位集中定数回路とし
てT型回路をn段縦続接続して構成され、その伝送行列
が、前記分布定数線路の特性インピーダンスをZ0とし
て、次式で与えられる.
【0010】
【数3】 d) 前記誤差許容値εの入力を受け付けて記憶し、前
記受け付けたεを条件に用いて、前記nの値を決定す
る。 e) 前記誤差許容値εとして、複数の値の入力を受け
付けて記憶し、前記受け付けたεの各値を条件に用い
て、それぞれ対応する前記nの値を決定する。
【0011】また、本発明の第2の態様によれば、対象
とする分布定数線路を、与えられた単位集中定数回路を
n段縦続接続して得られる集中定数回路により近似する
処理を、情報処理装置を用いて行う近似処理方法におい
て、前記nの値の入力を受け付けて記憶し、対象とする
分布定数線路の伝播定数γと、当該分布定数線路の線路
長lとの積γlを算出して記憶し、前記γlを用いてco
shγlおよびsinhγlを算出して記憶し、前記集中定数
回路の伝送行列の要素を構成するan(γl)、bn(γ
l)およびcn(γl)を、次の三つの式で表わされる
関数an(x)、関数bn(x)および関数cn(x)
を、x=γlとし、前記nを入力された値に定めてそれ
ぞれ算出して記憶し、
【0012】
【数1】 前記coshγlとan(γl)との偏差、sinhγlとb
n(γl)との偏差、および、sinhγlとcn(γl)と
の偏差をそれぞれ算出すると共に、それらのうちの最大
値δを求め、前記最大値δを誤差として出力することを
特徴とする分布定数線路近似処理方法が提供される。
【0013】本発明の第3の態様によれば、対象とする
分布定数線路を集中定数回路により近似する処理を行う
分布定数線路近似処理システムにおいて、処理対象であ
る分布定数線路を記述する対象回路情報、および、与え
られた単位集中定数回路をn段縦続接続して得られる集
中定数回路を定義する近似回路情報をそれぞれ記憶する
手段と、前記対象回路情報に基づいて、対象とする分布
定数線路の伝播定数γと、当該分布定数線路の線路長l
との積γlを算出する手段と、前記γlを用いてcoshγ
lおよびsinhγlを算出する手段と、前記集中定数回路
の伝送行列の要素を構成するan(γl)、bn(γl)
およびcn(γl)を、次の三つの式で表わされる関数
n(x)、関数bn(x)および関数cn(x)を、x
=γlとし、nを仮の値に定めてそれぞれ算出する手段
と、
【0014】
【数1】 前記coshγlとan(γl)、sinhγlとbn(γl)、
および、sinhγlとcn(γl)とをそれぞれ比較し
て、比較結果が予め定めた条件を満たすかを判定し、条
件を満たさない場合、前記nの値を変えて、前記a
n(γl)、bn(γl)、cn(γl)を算出する処理
以降の処理を、前記比較結果が前記条件を満たすまで繰
り返し行わせて、前記nを決定する手段と、前記比較結
果が前記条件を満たす場合、その時のnを用いて、単位
集中定数回路をn段接続した集中定数回路を近似回路と
して決定する手段とを備えることを特徴とする分布定数
線路近似処理システムが提供される。
【0015】前記システムにおいて、さらに次の態様を
適宜採用することができる。 f) 前記nを決定する手段は、前記coshγlとa
n(γl)との偏差、sinhγlとbn(γl)との偏差、
および、sinhγlとcn(γl)との偏差をそれぞれ算
出することで前記比較を行って、それらのうちの最大値
δを、前記比較結果として求め、前記最大値δと、予め
設定されている誤差許容値εとがδ<εであることを前
記条件として、前記判定を行う。 g) 外部からの指定を受け付ける手段をさらに有し、
前記記憶する手段は、前記単位集中定数回路としてΠ型
回路をn段縦続接続して構成される集中定数回路につい
ての近似回路情報と、前記単位集中定数回路としてT型
回路をn段縦続接続して構成される集中定数回路につい
ての近似回路情報とを有し、前記an(γl)、bn(γ
l)およびcn(γl)を算出する手段は、前記Π型回
路およびT型回路のうち、前記指定を受付ける手段を介
して指定された単位集中定数回路をn段縦続接続して構
成される集中定数回路についてのan(γl)、bn(γ
l)およびcn(γl)を算出し、前記近似回路を定義
する手段は、前記指定された単位集中定数回路をn段縦
続接続して構成される集中定数回路を近似回路として決
定する。
【0016】さらに、本発明の第4の態様によれば、対
象とする分布定数線路を集中定数回路により近似する処
理を行う分布定数線路近似処理システムにおいて、プロ
グラムおよびデータを記憶する記憶装置と、前記プログ
ラムを実行して前記近似処理を行う中央処理装置とを備
え、前記記憶装置は、処理対象である分布定数線路を記
述する対象回路情報、および、与えられた単位集中定数
回路をn段縦続接続して得られる集中定数回路を定義す
る近似回路情報をそれぞれ記憶し、前記中央処理装置
は、前記対象回路情報に基づいて、対象とする分布定数
線路の伝播定数γと、当該分布定数線路の線路長lとの
積γlを算出する処理、前記γlを用いてcoshγlおよ
びsinhγlを算出する処理、前記集中定数回路の伝送行
列の要素を構成するan(γl)、bn(γl)およびc
n(γl)を、次の三つの式で表わされる関数a
n(x)、関数bn(x)および関数cn(x)を、x=
γlとし、nを仮の値に定めてそれぞれ算出する処理、
【0017】
【数1】 前記coshγlとan(γl)、sinhγlとbn(γl)、
および、sinhγlとcn(γl)とをそれぞれ比較し
て、比較結果が予め定めた条件を満たすかを判定し、条
件を満たさない場合、前記nの値を変えて、前記a
n(γl)、bn(γl)、cn(γl)を算出する処理
以降の処理を、前記比較結果が前記条件を満たすまで繰
り返し行わせて、前記nを決定する処理、および、前記
比較結果が前記条件を満たす場合、その時のnを用い
て、単位集中定数回路をn段接続した集中定数回路を近
似回路として決定する処理とを実行することを特徴とす
る分布定数線路近似処理システムが提供される。
【0018】さらに、本発明の第5の態様によれば、対
象とする分布定数線路を、与えられた単位集中定数回路
をn段縦続接続して得られる集中定数回路により近似す
る処理を情報処理装置に実行させるためのプログラムを
記録した記録媒体において、前記プログラムは、前記対
象回路情報に基づいて、対象とする分布定数線路の伝播
定数γと、当該分布定数線路の線路長lとの積γlを算
出する処理、前記γlを用いてcoshγlおよびsinhγl
を算出する処理、前記集中定数回路の伝送行列の要素を
構成するan(γl)、bn(γl)およびcn(γl)
を、次の三つの式で表わされる関数an(x)、関数bn
(x)および関数cn(x)を、x=γlとし、nを仮
の値に定めてそれぞれ算出する処理、
【0019】
【数1】 前記coshγlとan(γl)、sinhγlとbn(γl)、
および、sinhγlとcn(γl)とをそれぞれ比較し
て、比較結果が予め定めた条件を満たすかを判定し、条
件を満たさない場合、前記nの値を変えて、前記a
n(γl)、bn(γl)、cn(γl)を算出する処理
以降の処理を、前記比較結果が前記条件を満たすまで繰
り返し行わせて、前記nを決定する処理、および、前記
比較結果が前記条件を満たす場合、その時のnを用い
て、単位集中定数回路をn段接続した集中定数回路を近
似回路として決定する処理とを、前記情報処理装置に実
行するものであることを特徴とするプログラムを記録し
た記録媒体が提供される。
【0020】また、本発明の第6の態様によれば、対象
とする分布定数線路を、与えられた単位集中定数回路を
n段縦続接続して得られる集中定数回路により近似する
処理を情報処理装置に実行させるためのプログラムであ
って、処理対象である分布定数線路について記述する対
象回路情報に基づいて、対象とする分布定数線路の伝播
定数γと、当該分布定数線路の線路長lとの積γlを算
出する処理、前記γlを用いてcoshγlおよびsinhγl
を算出する処理、前記集中定数回路の伝送行列の要素を
構成するan(γl)、bn(γl)およびcn(γl)
を、次の三つの式で表わされる関数an(x)、関数bn
(x)および関数cn(x)を、x=γlとし、nを仮
の値に定めてそれぞれ算出する処理、
【0021】
【数1】 前記coshγlとan(γl)、sinhγlとbn(γl)、
および、sinhγlとcn(γl)とをそれぞれ比較し
て、比較結果が予め定めた条件を満たすかを判定し、条
件を満たさない場合、前記nの値を変えて、前記a
n(γl)、bn(γl)、cn(γl)を算出する処理
以降の処理を、前記比較結果が前記条件を満たすまで繰
り返し行わせて、前記nを決定する処理、および、前記
比較結果が前記条件を満たす場合、その時のnを用い
て、単位集中定数回路をn段接続した集中定数回路を近
似回路として決定する処理とを、前記情報処理装置に実
行するものであることを特徴とするプログラムが提供さ
れる。
【0022】ここで、前記プログラムは、例えば、前記
coshγlとan(γl)との偏差、sinhγlとbn(γ
l)との偏差、および、sinhγlとcn(γl)との偏
差をそれぞれ算出することで前記比較を行って、それら
のうちの最大値δを、前記比較結果として求め、前記最
大値δと、予め設定されている誤差許容値εとがδ<ε
であることを前記条件として、前記判定を行わせる構成
とすることができる。
【0023】本発明によれば、分布定数線路として扱う
べき配線系を含む配線基板を、全体として、集中定数回
路で近似することができ、しかも、分布定数線路を集中
定数線路に近似する場合において、必要な精度で近似を
行なうことができ、解析の精度が明確となる効果があ
る。また、どのような精度で近似されているかを知るこ
とができる。
【0024】
【発明を実施するための最良の形態】以下、本発明の実
施の形態について、図面を参照して説明する。本実施の
形態の説明に先立ち、まず、本発明の原理について述べ
る。
【0025】一般に、2端子対(4端子)回路の入力電
圧V1および入力電流I1と、出力電圧V2および出力電
流I2との関係は、伝送行列(F行列)を用いて(1)
式のように表わされる。
【0026】
【数4】 本発明が対象とする分布定数線路を、図1に示すものと
する。すなわち、線路長lの線路として、その諸元を表
1に示す。
【0027】
【表1】 特性インピーダンスZ0および伝搬定数γは、(2)
式、(3)式で表わされる。
【0028】
【表5】 これら定数を用いて、分布定数線路のF行列F0は、
(4)式で表わされる。
【0029】
【数6】 ここで、図1に示す分布定数線路を、n個の小区間に分
割し、各小区間を、それぞれ単位集中定数回路で近似す
ることを考える。近似は、小区間を近似する単位集中定
数回路として、例えば、Π型回路と、T型回路とが考え
られる。図2は、各小区間をΠ型回路で表わした集中定
数近似回路の例である。図3は、各小区間をT型回路で
表わした集中定数近似回路の例である。
【0030】ここで、さらに、図2の回路から、1小区
間を取り出したΠ型回路(図4参照)と、図3の回路か
ら、1小区間を取り出したT型回路(図5参照)につい
て考える。これらの1小区間のF行列FΠ n、FTnは、
それぞれ(5)、(6)式のようになる。
【0031】
【数7】
【数8】 これらを、Z0とγを用いて書き直すと、(7)式およ
び(8)式のようになる。
【0032】
【数9】 ここで、小区間をn段縦続接続して、図2、図3に示す
ような回路構成とすると、そのF行列FΠ、FTは、そ
れぞれFΠ n、FTnをn回乗算したものであるから、
(9)式、(10)式が成り立つ。
【0033】
【数10】 これを実際に計算して、(11)式、(12)式を得
る。
【0034】
【数11】
【数12】 ここで、(11)式、(12)式中のan、bn、c
nは、(13)式、(14)式、(15)式で表現され
る関数である。
【0035】
【数13】
【数14】
【数15】 以上により、分布定数線路を小区間に分割して集中定数
で近似した回路のF行列を定めることができることは、
明らかである。ここで、さらに、分布定数線路近似回路
の近似の精度について検討する必要がある。
【0036】分布定数線路を近似した集中定数線路が、
実際の分布定数線路を正しく近似しているといえるため
には、上記(11)式、(12)式のFΠ、FTが、
(4)式のF0と比較して、関数anが双曲線余弦cos
hを、関数bn、cnが双曲線正弦sinhをそれぞれ正
しく近似していなくてはならない。また、分割数を細か
くしていくに従い、FΠ、FTが、F0に近づかなければ
ならない。そこで、(13)式、(14)式、(15)
式で分割を限りなく細かくした状態、すなわち、nを無
限大にしたときの極限を求めると、(16)式、(1
7)式になる。
【0037】
【数16】 (16)式、(17)式の右辺は、それぞれcosh、
sinhのテーラー展開であり、項数を増やすに従い、
nはcoshに、bn、cnはsinhに近づく。よっ
て、(11)式、(12)式は、分布定数線路の近似と
して妥当であり、かつ、分割を細かくしていくに従い、
近似の程度が高くなる。
【0038】しかし、分割数を無限に大きくすることは
できないので、実用上どの程度までとすれば妥当な精度
で近似できるかについて、さらに検討する。ここでは、
簡単のため、分布定数線路は無損失として、1波長分の
長さをn分割したときのFΠ、FTをF0と比較する。波
長をλとして、
【0039】
【数17】 において、l/λ=1とする。このとき、F0は、次式
になる。
【0040】
【数18】 ここで、(11)式、(12)式中のan、bn、cn
実際にnを代入して、その値を算出する。その結果、a
nは1に近いほど、bnおよびcnは0に近いほど近似の
精度が高いことになる。nに対するan、bn、cnの値
を図6に示す。図6に示すように、例えば、n≧15と
すると、anがほとんど1となり、bn、cnが0.05
以下となる。
【0041】次に、前述した近似モデルにより、所望の
精度で近似できるという分布定数線路の性質を利用し
て、対象回路の近似処理について説明する。
【0042】ここでは、図7に示す情報処理装置を用い
て処理を行う例について説明する。情報処理装置として
は、後述する演算が実行できるものであれば足りる。図
7に示す情報処理装置は、中央処理ユニット(CPU)
110、メモリ120およびインタフェース190を有
する情報処理装置本体100と、指示等を入力するため
の入力装置130と、他の装置と通信手段を介して情報
の授受を行うための通信制御装置140と、処理結果を
表示するための表示装置150と、データ、プログラム
等を格納するハードディスク装置160と、可搬型記憶
媒体180を駆動するための可搬型記憶媒体駆動装置1
70とを有する。この例では、記憶装置として、ハード
ディスク装置を用いているが、これに限定されない。
【0043】上記入力装置130は、例えば、キーボー
ドで構成され、さらに、位置指示のための機器、例え
ば、マウス等を有する。
【0044】可搬型記憶媒体180としては、例えば、
フロッピディスク、光磁気ディスク等の書き換え可能の
記憶媒体が用いられる。また、CD−ROMのような読
取専用の記憶媒体とすることもできる。本発明におい
て、CPU110が実行するプログラムは、例えば、C
D−ROMによって提供することができる。そして、プ
ログラムは、ハードディスク160にインストールさ
れ、メモリ120にロードされて、CPU110によっ
て実行される。なお、以下の説明では、メモリ120と
ハードディスク装置160と区別して用いているが、両
者を合わせて全体として、記憶装置と考えてもよい。
【0045】CPU110が実行するプログラムには、
例えば、図9に示すような手順を実行する。図9に示す
処理は、解析すべき対象回路についてのデータを取り込
んで、それについて、分布定数線路を集中定数回路で近
似する処理行うものである。また、図10に示す処理
は、図9に示す処理のサブルーチンの一つであって、所
望の精度を得るための分割数nを決定する処理を行うも
のである。なお、これらの処理において使用する数式
も、プログラムに含まれている。もっとも、数式につい
ての演算は、専用のプログラムを用意して、それによっ
て演算するようにしてもよい。CPU110がプログラ
ムを実行する際には、各種情報を用いると共に、中間的
に各種情報を生成すると共に、最終的な情報を生成す
る。これらの情報としては、例えば、図8に示すような
情報がある。
【0046】図8に、本発明において用いられる各種情
報について、その処理の流れと共に示す。各種情報とし
ては、処理の対象となる対象回路を記述する対象回路情
報200と、当該対象回路についての解析条件を指定す
る解析条件情報240と、伝送行列の要素情報250
と、分割数情報260と、集中定数要素とその接続情報
270と、最終的に統合された回路解析の対象回路情報
280とがある。
【0047】対象回路情報200は、CADシステム等
の回路設計支援システムにおいて設定された対象回路情
報、または、入力装置130を介して入力された対象回
路を定義する情報を、入力情報として受け付ける。対象
回路情報200は、対象回路のうち分布定数線路として
扱うべき部分に関する回路情報を有する分布定数部分2
10と、対象回路のうち集中定数として扱い得る部分に
関する回路情報を有する集中定数部分220と、各回路
要素の接続関係を示す情報を有する接続情報230とを
含む。分布定数部分210は、上述した表1に示すレジ
スタンスR、インダクタンスL、コンダクタンスG、キ
ャパシタンスC、線路長lに関する情報を含む。本発明
では、分布定数部分210の情報を用いて、集中定数回
路近似処理を実行する。レジスタンスR、インダクタン
スL、コンダクタンスG、キャパシタンスC、線路長l
に関する情報は、それぞれ設計値または測定値として数
値で与えられる。
【0048】この対象回路情報200は、本発明のシス
テムに入力されて、例えば、ハードディスク装置160
に記憶される。そして、必要に応じて、メモリ120上
にも置かれる。対象回路情報200は、通信制御装置を
介して他のシステムから入力される場合、可搬型記録媒
体を介して入力される場合、本発明のシステム自体がC
AD機能を備えていて、それによって生成され、ハード
ディスク装置160に格納されてる場合等、種々の方法
により用意することができる。
【0049】解析条件情報240として、動作角周波数
ωおよび誤差許容値εが用いられる。これらは、予めま
たはその都度設定される。設定に際しては、例えば、図
11に示すように、表示装置150上に、入力のための
画面が表示されて、そのガイドにしたがって、入力を行
うようにすることができる。ただし、動作角周波数ωに
ついては、図11の例では、動作周波数により入力を受
付けている。従って、入力された周波数を角周波数に変
換して用いる。動作角周波数ωおよび誤差許容値εは、
複数の値を設定して、それぞれについて、解析すること
ができる。入力された動作角周波数ωおよび誤差許容値
εは、メモリ120上に記憶される。また、これらの情
報が保存される場合には、ハードディスク装置160に
格納される。
【0050】伝送行列の要素情報250は、どのような
演算を行うかによって、用いる情報が異なるので、それ
に応じて演算される。ここでは、伝送行列の要素を構成
するsinhγlおよびcoshγlとを求める。そのため、上
述した分布定数部分に含まれるR、L、G、Cおよびl
と、解析条件に含まれる動作角周波数ωとから、(2)
式および(3)式を用いて、特性インピーダンスZ0
および、伝播定数γと線路長lとの積γlを算出する。
これらの情報は、メモリ120に記憶される。また、必
要に応じて、ハードディスク装置160にも格納され
る。
【0051】なお、上記情報250として、伝送行列F
0を求めてもよい。また、γは、予め求められている場
合には、それを用いてもよい。同様に、γlについて
も、予め求められている場合には、それを用いてもよ
い。
【0052】次に、分割数情報260は、近似の誤差の
評価を行うために決められる数値である。この分割数n
を決めるため、近似の誤差の評価を行う。近似の誤差評
価は、上記F0とFn(FΠまたはFT)の対応する要素
を比較して誤差を求め、それらの誤差のうちの最大のも
のが予め定めた許容誤差以下となるかどうかを判定する
ことにより行う。例えば、上記(4)式と(11)式に
おいて、それぞれ対応する要素を比較して精度評価す
る。すなわち、関数an(γl)が双曲線余弦関数cosh
γlを、関数bn(γl)、cn(γl)が双曲線正弦関
数sinhγlをそれぞれ正しく近似しているかにより判定
する。具体的には、次の(20)式に示すように、要素
の差の絶対値δ1、δ2、δ3を求めて、それらが目的の
精度(誤差許容値ε)より小さくなる分割数nを定め
る。なお、T型回路の場合には、(4)式と(12)式
との差を求める。
【0053】
【数19】 ここで、関数an(γl)、bn(γl)、cn(γl)
は、それぞれ対応する(13)式、(14)式および
(15)式により求める。この際、分割数nを仮に決め
て、それを用いて、その分割数に対応するan(γ
l)、bn(γl)、cn(γl)を求める。
【0054】ここで求められた情報は、メモリ120に
記憶される。そして、保存すべき情報は、ハードディス
ク装置160に格納される。
【0055】集中定数要素とその接続情報270は、得
られた分割数nを用いて、図2または図3に示すはしご
型回路を定義する。この情報は、メモリ120において
記憶すると共に、ハードディスク装置160にも格納さ
れる。
【0056】上記集中定数要素およびその接続情報27
0と、上述した集中定数部分220に含まれる集中定数
部分回路要素と、接続情報230に含まれる接続情報と
を統合して、全体として、集中定数回路で記述された対
象回路に関する対象回路情報280を生成する。対象回
路情報280は、前述した対象回路情報200および解
析条件240と共に、メモリ120および/またはハー
ドディスク160に格納される。
【0057】この対象回路情報280は、後段の回路解
析システムに渡され、解析処理が行われる。なお、対象
回路情報280は、後段の回路解析システムに渡した
後、本システムにおいて記録せずに、消去してもよい。
【0058】次に、上述した近似処理について、手順を
示すフローチャートを参照して説明する。図9に、本発
明による近似処理の流れを示す。
【0059】図9において、CPU110は、入力装置
130からの指示を受けて、対象回路情報の取り込みを
行う(ステップ310)。この取り込みは、例えば、通
信制御装置140を用いて、LAN等の通信手段を介し
て、図示しないCADシステムから受信することができ
る。また、対象回路情報が可搬型記憶媒体180に格納
されている場合には、当該可搬型媒体180から可搬型
記憶媒体駆動装置170を介して、取り込むことができ
る。また、入力装置130から手入力により取り込むこ
ともできる。さらに、本発明システムを構成する情報処
理装置自体が、CADシステムとしても機能する場合に
は、ハードディスク装置160から取り込むこともでき
る。取り込まれた対象回路情報は、メモリ120に格納
される。また、これらの情報は、保存する場合には、ハ
ードディスク装置160に格納される。
【0060】なお、対象回路情報200には、上述した
ように分布定数部分210、集中定数部分220および
接続情報230とが存在するが、ここでは、分布定数部
分210を取り込めば足りる。もちろん、集中定数部分
220および接続情報230をあわせて取り込んでもよ
い。CPU110は、取り込んだ各情報を、それぞれメ
モリ120に記憶させる。
【0061】CPU110は、解析条件の入力を受け付
ける(ステップ320)。CPU110は、例えば、表
示装置150の表示画面上に、図11に示すような解析
条件入力画面(ウインドウ)を表示して、必要な事項の
入力を求める。図11に示す解析条件入力画面151の
場合には、入力を促すメッセージと共に、入力領域を表
示する。すなわち、“動作周波数を入力してください”
等のメッセージと、それ関する入力領域153a、15
3bと、“誤差許容値を入力してください”というメッ
セージ154と、それに関する入力領域155と、“入
力を続けますか”というメッセージ156と、それに関
する“YES”入力領域157および“NO”入力領域
158とが、解析条件入力画面151に表示される。こ
こで、入力領域153aは、周波数を表わす数値を入力
する領域である。また、入力領域153bは、メガ
(M)、ギガ(G)などの大きさを表わす記号を入力す
る領域である。CPU110は、各入力領域153a、
153b、155について入力装置130を介して数値
が入力されると、入力された数値を対応する領域に表示
させる。
【0062】また、CPU110は、YES”入力領域
157が選択されると、それまでに入力された事項をメ
モリ120に記憶させて、他の処理に移行する。一方、
“NO”入力領域158が選択されると、それまでに入
力されていた数値をメモリ120に記憶させると共に、
解析条件入力画面151を無入力状態で表示させ、入力
を受け付ける。
【0063】なお、システムが標準的に用意した解析条
件を表示して、その条件のままでよければ、確認指示を
受け付けるようにしてもよい。また、前回使用された解
析条件を表示して、そのままでよければ、確認指示を受
け付けるようにしてもよい。設定された解析条件は、メ
モリ120に格納される。
【0064】CPU110は、メモリ120に記憶され
ている、分布定数部分210のデータを用いて、当該デ
ータによって表現される分布定数線路の、伝播定数γと
線路長lとの積γlを算出し、メモリ120に記憶させ
る(ステップ340)。また、CPU110は、メモリ
120に記憶されている積γlを用いて、(4)式に示
すF行列F0の要素を構成するcoshγlとsinhγlとを
算出する(ステップ360)。CPU110は、算出し
た結果を、メモリ120に記憶させる。
【0065】次に、分割数nの決定処理を行う。この処
理は、まず、図10に示すように、分割数nを初期値の
“1”として(ステップ371)、絶対値δ1、δ2、δ
3と、絶対値δ1、δ2、δ3のうち、最大のδを求める
(ステップ372)。絶対値δ1、δ2、δ3は、(2
0)式を用いて求められる。具体的には、次のようにし
て求める。まず、(13)式、(14)式および(1
5)式を用いて、関数an(γl)、bn(γl)、cn
(γl)を求めて、これらをメモリ120に記憶させ
る。次に、既に算出され、メモリ120に記憶されてい
るcoshγlとsinhγlと、対応する関数an(γl)、
n(γl)、cn(γl)との偏差を、(20)式によ
り求めて、その絶対値をδ1、δ2、δ3として、メモリ
120に格納する。次に、メモリ120に格納されてい
るδ1、δ2、δ3について、大小を相互に比較して、最
大のδを選ぶ。
【0066】なお、分割数nの初期値は、“1”に限ら
れない。nが大きい値が想定される場合には、それに近
い値を初期値として設定してもよい。nの値を大きく設
定した場合、最初から条件を満たすことがあり得る。こ
の場合には、nの値を順次小さくして、条件を満たす限
界までnの値を小さくするようにしてもよい。
【0067】CPU110は、得られたδと、メモリ1
20に記憶されている誤差許容値εと比較する(ステッ
プ373)。δ<εであれば、目的の分割数が得られた
ので、この処理を終了する(ステップ373)。もし、
δ<εでなければ、分割数を1増加して(ステップ37
4)、ステップ372に戻り、上記処理を繰り返す。
【0068】目的の分割数nが決定されると、CPU1
10は、図9に示すステップ380の処理に移行する。
すなわち、CPU110は、決定された分割数によって
決まる小区間のそれぞれについて、単位集中定数回路と
して図4に示すようなΠ型回路を用い、このΠ型回路を
縦続接続したはしご型回路を定義する(ステップ38
0)。なお、採用する単位集中定数回路は、Π型に限ら
れない。例えば、図5に示すようなT型回路とすること
ができる。
【0069】CPU110は、定義された近似集中定数
回路情報をハードディスク装置160に記憶させる(ス
テップ400)。そして、さらに処理がなければ、それ
で一連の処理を終了する(ステップ410)。一方、さ
らに近似処理すべき対象が存在する場合には、ステップ
310に戻る。
【0070】なお、定義されたはしご型回路に基づい
て、集中定数回路要素を有する集中回路部分と、接続情
報とを抽出して、これらの情報を図8に示す集中定数部
分220と接続情報230とにそれぞれ統合する処理を
行うこともできる。この場合には、統合結果である近似
集中定数回路情報をハードディスク装置160に格納す
る。
【0071】次に、本発明の実施例について説明する。
本実施例では、図12に示すような断面形状の配線基板
に形成された導体線路について集中定数近似を行う処理
に、本発明を適用する例を示す図12に示す配線基板1
200は、グランド層1230を構成する導体と、その
上に設けられている、誘電体の基板1220と、基板1
220上に配置される配線部1210とを有する。ここ
で、配線部1210とグランド層1230とは、銅で形
成される。また、基板1220は、ガラスエポキシ樹脂
で構成される。本実施例において、解析の対象となる配
線基板1200の各部の寸法は、表2に示す通りであ
る。
【0072】
【表2】 また、表1に示す、R、L、GおよびCに関する測定値
は、表3に示す通りである。
【0073】
【表3】 さらに、解析条件の動作周波数として100MHzが、
誤差許容値(相対値)として、1%、3%、5%の三種
類が、それぞれ入力装置130を介して入力されてい
る。
【0074】このような入力情報を用いて、上述した図
9および図10に示す処理をCPU110に実行させた
ところ、決定された分割数nとして、次の結果を得た。
【0075】 ε=1% の場合、n=13 ε=3% の場合、n=8 ε=5% の場合、n=6 以上の結果から明らかなように、近似についての誤差許
容値εの大きさに応じて、分割数が決定できる。従っ
て、近似の精度に応じた分割数を決定でき、必要な近似
精度が得られていることが保証される。逆に、必要な精
度を満たす分割数とすることで、過大な分割数に伴う無
駄な処理を省くことが可能となる。しかも、上述したよ
うに、分割数の決定のために必要なデータの種類が限ら
れており、また、そのために必要な演算もわずかであ
る。従って、近似処理の他に、分割数決定処理を行って
も、CPUにそれほど大きな負担とはならない。
【0076】以上により、配線基板等の分布定数として
扱うべき線路部分を有する回路について、分布定数部分
を目的の精度により集中定数化できて、集中定数の状態
で対象回路の解析ができることになる。
【0077】本実施の形態での説明では、回路形式につ
いて格別に選択する処理を行っていない。しかし、回路
形式は、複数種あり得るので、各種類を予め用意してお
き、いずれかを選択するようにしてもよい。もちろん、
いずれかの回路を標準的な指定として、特に指定がなけ
れば、それを用いるようにしてもよい。
【0078】また、上述した実施の形態では、絶対誤差
を許容値として、誤差の評価を行っているが、本発明は
これに限らない。例えば、相対誤差を用いることでき
る。例えば、 δ1/|coshγl| δ2/|sinhγl| δ3/|sinhγl| のような比を用いて誤差を評価することもできる。
【0079】さらに、上述した説明では、与えられた誤
差許容値εを満たす分割数nを決定する例について説明
している。本発明は、これに限られない。例えば、分割
数nを指定して、当該nにおける誤差許容値εを知る場
合にも適用可能である。図13は、その場合の手順の一
例を示す。
【0080】図13において、図9に示すフローチャー
トと同一の処理については、同一のステップ番号を付す
こととして、それについての重複した説明は省略する。
【0081】CPU110は、図9に示す場合と同様
に、対象回路情報を取込み(ステップ310)、これを
メモリ120に記憶させる。次に、解析条件の入力を受
け付ける(ステップ320)。ただし、ここでは、誤差
許容値εについての入力に代えて、分割数nの指定を受
け付ける。次に、γlを算出し(ステップ340)、si
nhγlおよびcoshγlを算出する(ステップ360)。
【0082】この後、与えられた分割数nについての誤
差δを求める(ステップ365)。この処理は、例え
ば、次のように行う。(13)式、(14)式および
(15)式を用いて、関数an(γl)、bn(γl)、
n(γl)を求めて、これらをメモリ120に記憶さ
せる。次に、既に算出され、メモリ120に記憶されて
いるcoshγlとsinhγlと、関数an(γl)、bn(γ
l)、cn(γl)との偏差を、(20)式により求め
て、その絶対値をδ1、δ2、δ3として、メモリ120
に格納する。次に、CPU110は、メモリ120に格
納されているδ1、δ2、δ3について、大小を相互に比
較して、最大のδを選び、選ばれたδを誤差として、表
示装置150に表示させる。
【0083】その後、例えば、はしご型回路の定義を行
い(ステップ380)、これをハードディスク装置16
0に保存する(400)。そして、処理すべき部分がす
べておわった時点で、処理を終了する(ステップ41
0)。
【0084】図13に示す例によれば、与えられた分割
数nにより、分布定数線路が集中定数回路によりどの程
度の精度で近似されたかを知ることができる。
【0085】本発明は、図9に示す処理と、図13に示
す処理とを共に実現できるようにしてもよい。すなわ
ち、解析条件として、誤差許容値εおよび分割数nのう
ちいずれを入力するかで、図9に示す処理を行うか、図
13に示す処理を行うかを自動的に選択するように設定
することができる。もちろん、解析条件として、誤差許
容値εおよび分割数nの両者を入力し、図9に示す処理
を行うか、図13に示す処理を行うかの指示を外部から
行うようにすることもできる。
【0086】なお、前述した各例において、coshγlと
sinhγlと、関数an(γl)、bn(γl)、cn(γ
l)との偏差を、(20)式により求めて、その絶対値
をδ1、δ2、δ3としているが、本発明は、これに限定
されない。例えば、絶対値ではなく、偏差を用いてもよ
い。
【0087】また、上述した各例では、ハードディスク
装置160とメモリ120とを用いて、各種処理を実行
しているが、本発明はこれに限定されない。例えば、大
容量のメモリ120を用いて、上述した全ての処理を行
うようにしてもよい。さらに、メモリ120の内容を保
存する際に、ハードディスク装置160に記憶するよう
にしてもよい。 [図面の簡単な説明]
【図1】 図1は、分布定数線路を模式的に示す説明図
である。
【図2】 図2は、分布定数線路をn個の小区間に分割
し、各小区間をΠ型回路で表わした集中定数近似回路を
示す回路図である。
【図3】 図3は、分布定数線路をn個の小区間に分割
し、各小区間をT型回路で表わした集中定数近似回路を
示す回路図である。
【図4】 図4は、上記図2に示すΠ型回路の構成例を
示す回路図である。
【図5】 図5は、上記図3に示すT型回路の構成例を
示す回路図である。
【図6】 図6は、分割数nに対する近似の程度を示す
グラフである。
【図7】 図7は、本発明のシステムを構成するハード
ウェア資源のシステム構成を示すブロック図である。
【図8】 図8は、本発明を適用した分布定数近似処理
における処理データと処理の流れとの関係を示す説明図
である。
【図9】 図9は、本発明の分布定数線路近似処理手順
を示すフローチャートである。
【図10】 図10は、上記処理手順における分割数を
決定する修理手順を示すフローチャートである。
【図11】 図11は、本発明において、解析条件を入
力する際に用いる表示画面の一例を示す説明図である。
【図12】 図12は、本発明の実施例の適用対象とな
った配線板の構造を示す断面図である。
【図13】 図13は、本発明の分布定数線路近似処理
手順の他の例を示すフローチャートである。
フロントページの続き (56)参考文献 山口正憲,小区間分割による分布定数 線路の集中定数近似,1997年電子情報通 信学会基礎・境界ソサイエティ大会講演 論文集,日本,社団法人電子情報通信学 会,1997年8月13日,p26 三輪芳弘ほか,分布定数回路のT型等 価回路について,1992年電子情報通信学 会秋季大会講演論文集,日本,社団法人 電子情報通信学会,1992年9月15日,第 1分冊 基礎・境界,p31 村山彰二ほか,油圧回路シミュレーシ ョンにおける管路の取り扱について(集 中定数モデルと分布定数モデルの比 較),平成3年春季油空圧講演会講演論 文集,日本,社団法人日本油空圧学会, 1991年5月23日,p133−136 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G06F 17/50 JICSTファイル(JOIS)

Claims (12)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 対象とする分布定数線路を、与えられた
    単位集中定数回路をn段縦続接続して得られる集中定数
    回路により近似する処理を、情報処理装置を用いて行う
    近似処理方法において、 対象となる分布定数線路に関する回路情報として、単位
    長当りのレジスタンスR、単位長当りのインダクタンス
    L、単位長当りのコンダクタンスG、単位長当りのキャ
    パシタンスCおよび線路長lに関する数値の入力を受け
    付けて記憶し、 対象となる回路の解析条件を指定する解析条件情報とし
    て、動作角周波数ωの入力と、誤差許容値εおよび前記
    nのうちいずれかの値の入力とを受け付けて記憶し、 前記入力を受け付けた単位長当りのレジスタンスR、単
    位長当りのインダクタンスL、単位長当りのコンダクタ
    ンスG、単位長当りのキャパシタンスC、および、動作
    角周波数ωを用いて、次式 γ=√{(R+jωL)(G+jωC)} により対象とする分布定数線路の伝播定数γを算出する
    とともに、算出した伝播定数γと、当該分布定数線路の
    線路長lとの積γlを算出して記憶し、 前記γlを用いてcoshγlおよびsinhγlを算出して記
    憶し、 前記集中定数回路の伝送行列の要素を構成するan(γ
    l)、bn(γl)およびcn(γl)を、次の三つの式
    で表わされる関数an(x)、関数bn(x)および関数
    n(x)を、x=γlとし、nを、nの値の入力を受
    け付けている場合には当該受け付けたnの値に定め、n
    の値の入力を受け付けていない場合には仮の値に定め
    て、それぞれ算出して記憶し、 【数1】 前記coshγlとan(γl)との偏差δ1、sinhγlと
    n(γl)との偏差δ2、および、sinhγlとcn(γ
    l)との偏差δ3をそれぞれ算出し、δ1、δ2および
    δ3のうちの最大値δを求め、 前記解析条件情報としてnが入力されている場合には、 前記δを近似の精度を示す情報として出力し、 前記入力されたnを用いて、前記与えられた単位集中定
    数回路をn段接続した集中定数回路を近似回路として決
    定し、 前記解析条件情報として誤差許容値εが入力されている
    場合には、 前記最大値δが、前記誤差許容値εに対して、δ<εで
    あるかを判定し、 前記判定の結果、δ<εを満たさない場合、前記三つの
    式で表わされる関数an(x)、関数bn(x)および関
    数cn(x)を、x=γlとし、nを前記値とは異なる
    値に変えてそれぞれ算出して記憶し、前記δ<εである
    かの判定を行うことを、δ<εを満たすまで行い、 前記判定結果が前記条件を満たす場合、その時のnを用
    いて、前記与えられる単位集中定数回路をn段接続した
    集中定数回路を近似回路として決定すること を特徴とする分布定数線路近似処理方法。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の分布定数線路近似処理
    方法において、 前記coshγlとan(γl)との偏差、sinhγlとb
    n(γl)との偏差、および、sinhγlとcn(γl)と
    の偏差をそれぞれ絶対値として算出すること を特徴とする分布定数線路近似処理方法。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載の分布定数線路近似処理
    方法において、 前記集中定数回路は、前記単位集中定数回路としてΠ型
    回路をn段縦続接続して構成され、その伝送行列が、前
    記分布定数線路の特性インピーダンスをZ0として、次
    式で与えられることを特徴とする分布定数線路近似処理
    方法。 【数2】
  4. 【請求項4】 請求項1に記載の分布定数線路近似処理
    方法において、 前記集中定数回路は、前記単位集中定数回路としてT型
    回路をn段縦続接続して構成され、その伝送行列が、前
    記分布定数線路の特性インピーダンスをZ0として、次
    式で与えられることを特徴とする分布定数線路近似処理
    方法。 【数3】
  5. 【請求項5】 請求項1に記載の分布定数線路近似処理
    方法において、 前記動作角周波数ωの入力受け付けに代えて、動作周波
    数の入力を受け付け、受け付けた動作周波数を動作角周
    波数に変換することを特徴とする分布定数線路近似処理
    方法。
  6. 【請求項6】 請求項1に記載の分布定数線路近似処理
    方法において、 前記誤差許容値εとして、複数の値の入力を受け付けて
    記憶し、 前記受け付けたεの各値を条件に用いて、それぞれ対応
    する前記nの値を決定することを特徴とする分布定数線
    路近似処理方法。
  7. 【請求項7】 請求項1から6のいずれか一項に記載の
    分布定数線路近似処理方法において、 前記対象となる回路の解析条件を指定する解析条件情報
    として、動作角周波数ωの入力と、誤差許容値εおよび
    前記nの両者の値の入力とを受け付けて記憶し、 nの値の決定を求めるか、近似精度を求めるかの指示を
    さらに受け付け、 近似精度を求める指示を受け付けている場合には、前記
    nを前記受け付けたnの値に定めて、前記集中定数回路
    の伝送行列の要素を構成するan(γl)、bn(γ1)
    およびcn(γl)を算出し、かつ、前記δを近似精度
    を示す情報として出力し、前記入力されているnを用い
    て、前記与えられた単位集中定数回路をn段接続した集
    中定数回路を近似回路として決定し、 nの値の決定を求める指示を受け付けている場合には、
    前記nを仮の値に定めて、前記集中定数回路の伝送行列
    の要素を構成するan(γl)、bn(γl)およびcn
    (γl)を算出し、かつ、前記最大値δが、前記誤差許
    容値εに対して、δ<εであるかを判定し、前記判定の
    結果、δ<εを満たさない場合、前記三つの式で表わさ
    れる関数an(x)、関数bn(x)および関数c
    n(x)を、x=γlとし、nを前記値とは異なる値に
    変えてそれぞれ算出して記憶し、前記δ<εであるかの
    判定を行うことを、δ<εを満たすまで行うこと を特徴とする分布定数線路近似処理方法。
  8. 【請求項8】 対象とする分布定数線路を集中定数回路
    により近似する処理を行う分布定数線路近似処理システ
    ムにおいて、 与えられた単位集中定数回路をn段縦続接続して得られ
    る集中定数回路を定義する近似回路情報を記憶する手段
    と、 対象となる分布定数線路に関する回路情報として、単位
    長当りのレジスタンスR、単位長当りのインダクタンス
    L、単位長当りのコンダクタンスG、単位長当りのキャ
    パシタンスCおよび線路長lに関する数値の入力を受け
    付けて記憶する手段と、 対象となる回路の解析条件を指定する解析条件情報とし
    て、動作角周波数ωの入力と、誤差許容値εおよび前記
    nのうちいずれかの値の入力とを受け付けて記憶する手
    段と、 前記入力を受け付けた単位長当りのレジスタンスR、単
    位長当りのインダクタンスL、単位長当りのコンダクタ
    ンスG、単位長当りのキャパシタンスC、および、動作
    角周波数ωを用いて、次式 γ=√{(R+jωL)(G+jωC)} により対象とする分布定数線路の伝播定数γを算出する
    とともに、算出した伝播定数γと、前記入力を受け付け
    た線路長lとの積γlを算出する手段と、 前記γlを用いてcoshγlおよびsinhγlを算出する手
    段と、 前記集中定数回路の伝送行列の要素を構成するan(γ
    l)、bn(γl)およびcn(γl)を、次の三つの式
    で表わされる関数an(x)、関数bn(x)および関数
    n(x)を、x=γlとし、nを、nの値の入力を受
    け付けている場合には当該受け付けたnの値に定め、n
    の値の入力を受け付けていない場合には仮の値に定め
    て、それぞれ算出する手段と、 【数1】 前記coshγlとan(γl)との偏差δ1、sinhγlと
    n(γl)との偏差δ2、および、sinhγlとcn(γ
    l)との偏差δ3をそれぞれ算出し、δ1、δ2および
    δ3のうちの最大値δを求める手段と、 前記解析条件情報としてnが入力されている場合に、 前記δを近似の精度を示す情報として出力すると共に、 前記入力されたnを用いて、前記与えられた単位集中定
    数回路をn段接続した集中定数回路を近似回路として決
    定する手段と、 前記解析条件情報として誤差許容値εが入力されている
    場合に、 前記最大値δが、前記誤差許容値εに対して、δ<εで
    あるかを判定し、 前記判定の結果、δ<εを満たさない場合、前記三つの
    式で表わされる関数an(x)、関数bn(x)および関
    数cn(x)を、x=γlとし、nを前記値とは異なる
    値に変えてそれぞれ算出すると共に前記δを算出し、前
    記δ<εであるかの判定を行うことを、δ<εを満たす
    まで行って、nを決定すると共に、 前記判定結果が前記条件を満たす場合、その時のnを用
    いて、前記単位集中定数回路をn段接続した集中定数回
    路を近似回路として決定する手段とを備えること を特徴とする分布定数線路近似処理システム。
  9. 【請求項9】 請求項8に記載の分布定数線路近似処理
    システムにおいて、 前記最大値δを求める手段は、coshγlとan(γl)
    との偏差δ1、sinhγlとbn(γl)との偏差δ2、
    および、sinhγlとcn(γl)との偏差δ3をそれぞ
    れ絶対値として算出すること を特徴とする分布定数線路近似処理システム。
  10. 【請求項10】 請求項8に記載の分布定数線路近似処
    理システムにおいて、 外部からの指定を受け付ける手段をさらに有し、 前記近似回路情報を記憶する手段は、前記単位集中定数
    回路としてΠ型回路をn段縦続接続して構成される集中
    定数回路についての近似回路情報と、前記単位集中定数
    回路としてT型回路をn段縦続接続して構成される集中
    定数回路についての近似回路情報とを有し、 前記an(γl)、bn(γl)およびcn(γl)を算
    出する手段は、前記Π型回路およびT型回路のうち、前
    記指定を受付ける手段を介して指定された単位集中定数
    回路をn段縦続接続して構成される集中定数回路につい
    てのan(γl)、bn(γl)およびcn(γl)を算
    出することを特徴とする分布定数線路近似回路処理シス
    テム。
  11. 【請求項11】 対象とする分布定数線路を集中定数回
    路により近似する処理を行う分布定数線路近似処理シス
    テムにおいて、 プログラムおよびデータを記憶する記憶装置と、 前記プログラムを実行して前記近似処理を行う中央処理
    装置とを備え、 前記記憶装置は、 与えられた単位集中定数回路をn段縦続接続して得られ
    る集中定数回路を定義する近似回路情報と、 対象となる分布定数線路に関する回路情報として、単位
    長当りのレジスタンスR、単位長当りのインダクタンス
    L、単位長当りのコンダクタンスG、単位長当りのキャ
    パシタンスCおよび線路長lに関する数値と、 対象となる回路の解析条件を指定する解析条件情報とし
    て、動作角周波数ωと、誤差許容値εおよび前記nのう
    ちいずれかの値とを記憶し、 前記中央処理装置は、 前記入力を受け付けた単位長当りのレジスタンスR、単
    位長当りのインダクタンスL、単位長当りのコンダクタ
    ンスG、単位長当りのキャパシタンスC、および、動作
    角周波数ωを用いて、次式 γ=√{(R+jωL)(G+jωC)} により対象とする分布定数線路の伝播定数γを算出する
    とともに、算出した伝播定数γと、前記入力を受け付け
    た線路長lとの積γlを算出する処理、 前記γlを用いてcoshγlおよびsinhγlを算出する処
    理、 前記集中定数回路の伝送行列の要素を構成するan(γ
    l)、bn(γl)およびcn(γl)を、次の三つの式
    で表わされる関数an(x)、関数bn(x)および関数
    n(x)を、x=γlとし、nを、nの値の入力を受
    け付けている場合には当該受け付けたnの値に定め、n
    の値の入力を受け付けていない場合には仮の値に定め
    て、それぞれ算出する処理、 【数1】 前記coshγlとan(γl)との偏差δ1、sinhγlと
    n(γl)との偏差δ2、および、sinhγlとcn(γ
    l)との偏差δ3をそれぞれ算出し、δ1、δ2および
    δ3のうちの最大値δを求める処理、 前記解析条件情報としてnが入力されている場合に、 前記δを近似の精度を示す情報として出力し、 前記入力されたnを用いて、前記与えられた単位集中定
    数回路をn段接続した集中定数回路を近似回路として決
    定する処理、 前記解析条件情報として誤差許容値εが入力されている
    場合に、 前記最大値δが、前記誤差許容値εに対して、δ<εで
    あるかを判定し、 前記判定の結果、δ<εを満たさない場合、前記三つの
    式で表わされる関数an(x)、関数bn(x)および関
    数cn(x)を、x=γlとし、nを前記値とは異なる
    値に変えてそれぞれ算出すると共に前記δを算出し、前
    記δ<εであるかの判定を行うことを、δ<εを満たす
    まで行って、nを決定する処理、および、 前記判定結果が前記条件を満たす場合、その時のnを用
    いて、前記単位集中定数回路をn段接続した集中定数回
    路を近似回路として決定する処理とを実行すること を特徴とする分布定数線路近似処理システム。
  12. 【請求項12】 対象とする分布定数線路を、与えられ
    た単位集中定数回路をn段縦続接続して得られる集中定
    数回路により近似する処理を情報処理装置に実行させる
    ためのプログラムを記録した記録媒体において、 前記プログラムは、 対象となる分布定数線路に関する回路情報として、単位
    長当りのレジスタンスR、単位長当りのインダクタンス
    L、単位長当りのコンダクタンスG、単位長当りのキャ
    パシタンスCおよび線路長lに関する数値の入力を受け
    付けて前記情報処理装置の記憶装置に記憶させる処理、 対象となる回路の解析条件を指定する解析条件情報とし
    て、動作角周波数ωの入力と、誤差許容値εおよび前記
    nのうちいずれかの値の入力とを受け付けて前記情報処
    理装置の記憶装置に記憶させる処理、 前記記憶装置に記憶されている単位長当りのレジスタン
    スR、単位長当りのインダクタンスL、単位長当りのコ
    ンダクタンスG、単位長当りのキャパシタンスC、およ
    び、動作角周波数ωを用いて、次式 γ=√{(R+jωL)(G+jωC)} により対象とする分布定数線路の伝播定数γを算出する
    とともに、算出した伝播定数γと、当該分布定数線路の
    線路長lとの積γlを算出する処理、 前記γlを用いてcoshγlおよびsinhγlを算出する処
    理、 前記集中定数回路の伝送行列の要素を構成するan(γ
    l)、bn(γl)およびcn(γl)を、次の三つの式
    で表わされる関数an(x)、関数bn(x)および関数
    n(x)を、x=γlとし、nを、nの値の入力を受
    け付けている場合には当該受け付けたnの値に定め、n
    の値の入力を受け付けていない場合には仮の値に定め
    て、それぞれ算出する処理、 【数1】 前記coshγlとan(γl)との偏差δ1、sinhγlと
    n(γl)との偏差δ2、および、sinhγlとcn(γ
    l)との偏差δ3をそれぞれ算出し、δ1、δ2および
    δ3のうちの最大値δを求める処理、 前記解析条件情報としてnが入力されている場合には、 前記δを近似の精度を示す情報として出力し、 前記入力されたnを用いて、前記与えられた単位集中定
    数回路をn段接続した集中定数回路を近似回路として決
    定する処理、 前記解析条件情報として誤差許容値εが入力されている
    場合には、 前記最大値δが、前記誤差許容値εに対して、δ<εで
    あるかを判定し、 前記判定の結果、δ<εを満たさない場合、前記三つの
    式で表わされる関数an(x)、関数bn(x)および関
    数cn(x)を、x=γlとし、nを前記値とは異なる
    値に変えてそれぞれ算出して記憶し、前記δ<εである
    かの判定を行うことを、δ<εを満たすまで行ってnを
    決定する処理、 前記判定結果が前記条件を満たす場合、その時のnを用
    いて、前記与えられる単位集中定数回路をn段接続した
    集中定数回路を近似回路として決定する処理とを、前記
    情報処理装置に実行させるものであること を特徴とするプログラムを記録した記録媒体。
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