JP3366713B2 - 自動変速機の潤滑装置 - Google Patents

自動変速機の潤滑装置

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JP3366713B2
JP3366713B2 JP32658093A JP32658093A JP3366713B2 JP 3366713 B2 JP3366713 B2 JP 3366713B2 JP 32658093 A JP32658093 A JP 32658093A JP 32658093 A JP32658093 A JP 32658093A JP 3366713 B2 JP3366713 B2 JP 3366713B2
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hole
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利雄 小林
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Fuji Jukogyo KK
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    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16HGEARING
    • F16H57/00General details of gearing
    • F16H57/04Features relating to lubrication or cooling or heating
    • F16H57/042Guidance of lubricant
    • F16H57/043Guidance of lubricant within rotary parts, e.g. axial channels or radial openings in shafts

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、自動変速機を備えた車
両において、自動変速部やトランスファ部を強制潤滑す
る潤滑装置に関する。
【0002】
【従来の技術】自動変速部とトランスファ部を備えた4
輪駆動車では、自動変速部のプラネタリギヤ、油圧多板
クラッチ、ブレーキと、トランスファ部のセンターディ
ファレンシャル装置、油圧多板クラッチ等に潤滑油を供
給して強制潤滑することが必要になる。そこで本件出願
人による例えば特開平5−112150号公報におい
て、この4輪駆動車の潤滑装置について提案されてい
る。
【0003】即ち、トルクコンバータからの入力軸と出
力軸とが同軸上に配置され、これら両軸の周囲に自動変
速機のプラネタリギヤ、油圧多板クラッチが配置され
る。また出力軸の後方にはリヤドライブ軸が同軸上に配
置され、これら両軸の周囲にトランスファ部のセンター
ディファレンシャル装置と油圧多板クラッチが配置され
ている。ここで入力軸は軽量化するため中空に形成され
てオイル通路の中空孔が設けられ、出力軸は自動変速機
の大きいギヤ比に応じて太い中空に形成されて、入力軸
の中空孔より大径の中空孔が設けられ、リヤドライブ軸
には所定の内径のオイル通路が設けられる。
【0004】そこで中間の出力軸のオイル供給孔から中
空孔に潤滑オイルを導入し、このオイルを更に前方の入
力軸の中空孔と後方のリヤドライブ軸のオイル通路とに
分けて流入する。そして出力軸、入力軸及びリヤドライ
ブ軸の半径方向に形成される複数のオイル孔から回転に
よる遠心力でオイルを周囲に飛散し、プラネタリギヤ、
油圧多板クラッチ、センターディファレンシャル装置、
油圧多板クラッチ等に給油して強制潤滑している。
【0005】ところで上述の潤滑装置によると、オイル
を導入する出力軸の中空孔が大径であるため、以下のよ
うな不具合がある。即ち、出力軸の中空孔に導入するオ
イルには高速時に遠心油圧が発生し、この遠心油圧で大
径の中空孔に多量のオイルが溜る。このため高速時には
出力軸にある潤滑孔やブッシュからの流出量が大幅に増
大し、この結果として入力軸やリヤドライブ軸への給油
量が減少して、プラネタリギヤやトランスファ部の油圧
多板クラッチの潤滑が不足気味になることがある。特
に、連続した高速走行時よりも高速走行、急ブレーキ及
び再加速を繰返す過酷な走行条件等で顕著である。
【0006】このような高速時の潤滑アンバランスに対
処する方法としては、一般に入力軸、出力軸及びリヤド
ライブ軸の半径方向に形成されるオイル孔の孔径を種々
変化させる。そして全体の潤滑がバランスするようにチ
ューニングすることが行われている。ところが、多数の
オイル孔径を変化させたり小径の孔明をするのは作業が
非常に煩雑になり、加工上の困難が生じる。
【0007】従来、上記自動変速部とトランスファ部の
潤滑装置に関しては、例えば特開昭57−66020号
公報の先行技術がある。この先行技術において、入力軸
の中心油路と出力軸の中心油路とを同軸上に連通し、一
定圧の潤滑油を入力軸の油路から出力軸の油路に流入
し、両油路から他の油路を介して各部に給油することが
示されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記先行技
術のものにあっては、入力軸と出力軸に小径の油路を設
けるため、両軸の重量が増して好ましくない。入力軸の
油路は機械加工で孔径を複数段に変化して形成されるた
め、加工作業が煩雑になって、コスト的に不利になる。
また機械加工による切粉、カエリ、バリ等を充分に除去
することができず、このため走行中に切粉が流出してブ
ッシュ、ベアリング等を損傷する等の問題がある。
【0009】本発明は、このような点に鑑み、簡単な構
成で、高速時の自動変速部とトランスファ部の潤滑バラ
ンスを良好にすることを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
本発明は、エンジン動力を自動変速部に伝達する中空状
の入力軸と、前記自動変速部からの変速動力をトランス
ファ部に伝達するとともに、前記入力軸よりも大径の中
空孔を有する出力軸と、前記トランスファ部からの動力
を一方の車輪に伝達するとともに、前記出力軸よりも小
径の中空孔を有するドライブ軸と、を同一軸心上に配置
して各中空孔を直線状に連通し、前記出力軸の中空孔に
供給された潤滑オイルが、前記入力軸およびドライブ軸
の各中空孔に向かって分流されたのち半径方向に形成さ
れたオイル孔から前記自動変速部、或いはトランスファ
部に供給されて潤滑する自動変速機の潤滑装置におい
て、前記出力軸には、潤滑オイルを中空孔に導くオイル
供給孔が設けられ、該出力軸の中空孔には、前記入力軸
の中空孔径に略等しい内径と、前記オイル供給孔から供
給された潤滑オイルをその内径へ供給する連通孔と、を
備えた筒状オイルガイドを装着するとともに、前記オイ
ル供給孔と連通孔とを挟んだ前記筒状オイルガイドの両
端部側を略シール状に支持し一体的に装着したことを特
徴としている
【0011】
【作用】上記構成による本発明では、自動変速機の変速
動力が出力軸によりトランスファ部に入力し、このトラ
ンスファ部で前後輪にトルク配分して伝達して4輪駆動
走行する。このとき冷却された一定圧の潤滑オイルが、
自動変速機の出力軸の大径の中空孔から連通孔により入
力軸の中空孔と等しい小径の筒状オイルガイドの内部に
流入し、このため高速時にも遠心油圧が少なくなって、
前方の自動変速機入力軸の中空孔と後方のドライブ軸の
オイル通路とにオイルがスムースに流れる。そして入力
軸、出力軸及びドライブ軸の複数のオイル孔から自動変
速部とトランスファ部に給油して、潤滑バランスを良好
に保った状態で潤滑される。
【0012】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。図3において、本発明が適用される自動変速機付
車両として、センターディファレンシャル装置付4輪駆
動車の駆動系について説明する。先ず、トルクコンバー
タケース1、ディファレンシャルケース2の後部にトラ
ンスミッションケース3が接合し、トランスミッション
ケース3の後部にトランスファケース4が接合し、トラ
ンスミッションケース3の下部にはオイルパン5が取付
けられる。そしてトルクコンバータケース1にトルクコ
ンバータ部Aが、ディファレンシャルケース2に終減速
部Bが、トランスミッションケース3に自動変速部C
が、トランスファケース4にトランスファ部(副変速
機)Dがそれぞれ配設される。
【0013】符号10はエンジンであり、このエンジン
10のクランク軸11がトルクコンバータ部Aのロック
アップクラッチ12を備えたトルクコンバータ13に連
結し、トルクコンバータ13からの入力軸14が自動変
速部Cの自動変速機30に入力する。自動変速機30か
らの変速機出力軸15は入力軸14と同軸上に出力し、
この変速機出力軸15がトランスファ部Dのセンターデ
ィファレンシャル装置50に連結する。
【0014】トランスミッションケース3内部におい
て、入、出力軸14,15に対しフロントドライブ軸1
6が平行配置され、このフロントドライブ軸16の後端
はセンターディファレンシャル装置50に一対のリダク
ションギヤ17,18を介して連結し、フロントドライ
ブ軸16の前端は終減速部Bのフロントディファレンシ
ャル装置19を介して前輪に伝動構成される。一方、セ
ンターディファレンシャル装置50の後部には差動制限
用の油圧多板クラッチとしてトランスファクラッチ60
が設けられ、このトランスファクラッチ60から出力す
るリヤドライブ軸20が、プロペラ軸21、リヤディフ
ァレンシャル装置22等を介して後輪に伝動構成され
る。
【0015】自動変速機30は、2組のフロントプラネ
タリギヤ31,リヤプラネタリギヤ32により前進4段
と後進1段を得る構成である。即ち、入力軸14がリヤ
プラネタリギヤ32のサンギヤ32aに、フロントプラ
ネタリギヤ31のリングギヤ31bおよびリヤプラネタ
リギヤ32のキャリア32cが変速機出力軸15に連結
する。そしてフロントプラネタリギヤ31のキャリア3
1cと一体的な連結要素33と、リングギヤ32bとの
間に、第1のワンウエイクラッチ34、フォワードクラ
ッチ35が直列的に設けられ、連結要素33と固定部材
であるケース側との間に、第2のワンウエイクラッチ3
6、ローリバースブレーキ37が並列的に設けられる。
連結要素33とリングギヤ32bとの間には、オーバラ
ンニングクラッチ38がバイパスして設けてある。
【0016】またサンギヤ31aと一体的な連結要素3
9には、バンドブレーキ40が設けられ、入力軸14と
一体的な連結要素41及びキャリア31cと一体的な連
結要素42との間には、ハイクラッチ43が設けられ
る。更に連結要素39と41との間には、リバースクラ
ッチ44が設けられている。
【0017】この自動変速機30の構成により、Dレン
ジまたは3レンジと2レンジの1速ではフォワードクラ
ッチ35が係合し、加速の場合は両ワンウエイクラッチ
34,36の作用で連結要素33と共にリングギヤ32
bをロックすることで、入力軸14からサンギヤ32
a、キャリア32cを介して変速機出力軸15に動力伝
達する。惰行時は、第1のワンウエイクラッチ34がフ
リーになり、オーバランニングクラッチ38を係合して
第1のワンウエイクラッチ34のフリー回転を規制して
も、第2のワンウエイクラッチ36がフリーになってエ
ンジンブレーキは作用しない。1レンジの1速では、ロ
ーリバースクラッチ37の係合でオーバランニングクラ
ッチ38を介してリングギヤ32bを常にロックするた
め、エンジンブレーキが作用する。
【0018】Dレンジまたは3レンジと2レンジの2速
では、上記フォワードクラッチ35とバンドブレーキ4
0とが係合し、このバンドブレーキ40によりサンギヤ
31aをロックする。そこでキャリア31cとリングギ
ヤ32bとが、連結要素33、フォワードクラッチ3
5、第1のワンウエイクラッチ34を介して回転し、1
速時よりもリングギヤ32bが回転する分だけ増速した
動力が出力する。このとき減速時には、オーバランニン
グクラッチ38の係合により連結要素33とリングギヤ
32bとを連結状態に保つことで、エンジン側に逆駆動
力が伝達してエンジンブレーキが作用する。
【0019】Dレンジまたは3レンジの3速では、フォ
ワードクラッチ35とハイクラッチ43とが係合し、こ
のハイクラッチ43により入力軸14が連結要素41,
32、キャリア31c、連結要素33、フォワードクラ
ッチ35、第1のワンウエイクラッチ34を介してリン
グギヤ32bに連結する。このためリヤプラネタリギヤ
32は一体化して、入力軸14と変速機出力軸15とが
直結する。このとき減速時にはオーバランニングクラッ
チ38の結合で第1のワンウエイクラッチ34の空転を
規制することで、2速と同様にエンジンブレーキが作用
する。
【0020】Dレンジの4速では、上述に加えてバンド
ブレーキ40の係合でサンギヤ31aをロックする。こ
のためフロントプラネタリギヤ31でハイクラッチ43
によりキャリア31cに入力した動力でリングギヤ31
bを増速することになり、これが変速機出力軸15に伝
達する。この場合は、第1、第2のワンウエイクラッチ
34,36を介しないため常にエンジンブレーキが作用
する。
【0021】Rレンジでは、リバースクラッチ44の結
合でサンギヤ31aに入力軸14の動力が入力する。ま
たローリバースクラッチ37の係合で連結要素33と共
にキャリア31cをロックするため、フロントプラネタ
リギヤ31でリングギヤ31bに逆転してギヤ比の大き
い動力が出力し、この逆転動力が変速機出力軸15に伝
達して後進速になる。こうして自動変速機30において
前進4段後進1段の変速段が得られる。
【0022】一方、自動変速機30の前方にはオイルポ
ンプ45が設置され、トルクコンバータ13のポンプイ
ンペラ側のドライブ軸46で常に駆動される。オイルパ
ン5にはコントロールバルブボデー47が収容され、上
述の各クラッチ、ブレーキに給排油して選択的に係合す
るようになっている。
【0023】図1において、トランスファ部Dについて
詳細に説明する。センターディファレンシャル装置50
は複合プラネタリギヤ式であり、変速機出力軸15に形
成される第1のサンギヤ51と、リヤドライブ軸20に
形成される第2のサンギヤ53を有する。またキャリヤ
55は左右のフランジ55a,55bをアーム55cに
より一体化して成り、両フランジ55a,55bの間に
装架されたピニオン軸56に、軸方向に一体形成される
第1、第2のピニオン52,54がニードルベアリング
27を介して回転自在に装着される。そして第1のサン
ギヤ51に第1のピニオン52が、第2のサンギヤ53
に第2のピニオン54がそれぞれ噛合い、第2のサンギ
ヤ53の動力をリヤドライブ軸20に出力するように結
合される。
【0024】またキャリヤ55の一方のフランジ55a
にはリダクションギヤ17が、キャリヤ55の動力を出
力するように結合される。ここでキャリヤ55の前方の
リダクションギヤ17がトランスミッションケース3の
壁部3aでボールベアリング26aにより支持され、後
方フランジ55bのボス部55dの内周がリヤドライブ
軸20に対しボールベアリング26cで支持される。
【0025】このセンターディファレンシャル装置50
の構成により、第1のサンギヤ51に入力する変速動力
を、第1、第2のサンギヤ51,53と、第1、第2の
ピニオン52,54との歯車諸元による基準トルク配分
比で、キャリヤ55を介して前輪側へ、第2のサンギヤ
53を介して後輪側へ不等トルク配分して伝達する機能
を有する。また旋回時に前後輪の回転数差を、第1,第
2のピニオン52,54の遊星回転により吸収する差動
機能を有する。
【0026】トランスファクラッチ60は、上記センタ
ーディファレンシャル装置50の2つの出力要素のキャ
リヤ55とリヤドライブ軸20との間に介設される。そ
こでキャリヤ55の後方フランジ55bにドラム部材6
1が一体結合して、このドラム部材61の内側にドライ
ブプレート62がスプライン嵌合して設けられ、リヤド
ライブ軸20にハブ部材63がスプライン結合して、こ
のハブ部材63の外側にドリブンプレート64が同様に
スプライン嵌合して設けられ、これら両プレート62,
64が交互に配置される。またクラッチ油圧の回転によ
る遠心油圧の発生を防止するため、固定側のトランスフ
ァケース4とそのボス部4aにより静止型の油圧シリン
ダ65が形成され、このシリンダ65内に油圧室66を
介してピストン67が移動可能に挿入される。
【0027】一方、静止状態のピストン67の推力で両
プレート62,64をその回転を許容しつつ押圧するた
め、ピストン67にはボールベアリング68が取付けら
れ、このベアリング68の外輪側に押圧子71aが嵌着
され、ピストン67とベアリング68にリテーナ69の
リターンスプリング70aが付勢される。押圧子71a
は大径の円筒状に形成され、ドラム部材61と摺動可能
で一体回転するように噛合った状態で両プレート62,
64を押圧するように連結される。
【0028】尚、トランスファクラッチ60には図示し
ない油圧制御装置が付設され、種々の運転走行状態、前
後輪のスリップ状態等により油圧室66のクラッチ油圧
を制御する。そしてクラッチ油圧により両プレート6
2,64を押圧して2つの出力要素のキャリヤ55とリ
ヤドライブ軸20の間に差動制限トルクを発生して差動
制限作用し、且つその差動制限トルクに応じて前後輪ト
ルク配分を可変制御するように構成される。
【0029】更に、自動変速部Cとトランスファ部Dの
潤滑装置について説明する。先ず、入力軸14は軽量化
するため中空に形成されてオイル通路の中空孔70が設
けられ、軸方向の潤滑に適した種々の箇所の半径方向に
複数のオイル孔71が設けられる。センターディファレ
ンシャル装置入力軸を兼ねた出力軸15は、自動変速機
30の大きいギヤ比に応じて太く、同様に軽量化するた
め中空に形成されて、入力軸14の中空孔70より大径
の中空孔72が設けられる。そして軸方向の中間より後
方寄りの箇所の半径方向にオイル供給孔73が設けら
れ、このオイル供給孔73がオイル通路80のポート8
1に連通して、常に冷却した一定圧の潤滑オイルが供給
される。
【0030】ここで出力軸15の周囲のワンウエイクラ
ッチ36、ローリバースブレーキ37、オーバランニン
グクラッチ38はトランスミッションケース3のボス部
3bに装着されたワンウエイクラッチのインナレースに
装着されることから、そのボス部3bのオイル通路80
に連通するオイル孔82から給油して潤滑するように構
成される。そして出力軸15では前方のワンウエイクラ
ッチ34と、後方のセンターディファレンシャル装置5
0の箇所の半径方向にオイル孔74,75が設けられ
る。
【0031】リヤドライブ軸20は、トランスファ部D
の領域の中心に所定の内径のオイル通路76が形成さ
れ、オイル通路76の前端にオイル流量を制限するオリ
フィス77が取付けられる。またセンターディファレン
シャル装置50、トランスファクラッチ60等の潤滑に
適した箇所の半径方向に複数のオイル孔78が設けられ
る。これら中空孔70,72とオイル通路76が軸の同
軸配置により一直線上に連通して、中間のオイル供給孔
73からオイルが流入するように構成される。
【0032】また高速時の潤滑バランスを良好に保つ対
策について説明する。出力軸15の大径の中空孔72で
は、前方のオイル孔74の後方に潤滑しない広い領域が
存在し、この領域に多量のオイルが溜る。そこで中空孔
72のオイル供給孔73の直後と前方のオイル孔74の
直後との間に筒状オイルガイド90が装着される。筒状
オイルガイド90は、図2に示すように入力軸14の中
空孔70と略等しい内径に形成され、両端の大径部9
1,92でシール材93を介して筒状オイルガイド90
に一体的に溶着される。そして筒状オイルガイド90の
後方側に連通孔94が設けられて、オイルを筒状オイル
ガイド90内部に流入するように構成される。
【0033】次に、この実施例の作用について説明す
る。先ず、エンジン10の動力はトルクコンバータ1
3、入力軸14を介して自動変速機30に入力し、2組
のフロントプラネタリギヤ31とリヤプラネタリギヤ3
2の作動、クラッチ44,43,35,38,36,3
4とブレーキ40,37の選択的係合により、Dレンジ
にシフトすると前進速の第1速ないし第4速に自動変速
され、Rレンジにシフトする場合は後進速になる。そし
てこの変速動力が、変速機出力軸15からセンターディ
ファレンシャル装置50の第1のサンギヤ51に入力し
て、トルク配分される。
【0034】ここで、センターディファレンシャル装置
50の各歯車諸元により、フロント側トルクTFとリヤ
側トルクTRの基準トルク配分比が、例えばTF:TR
=36.4:63.6に設定されているため、変速動力
の36.4%がキャリヤ55に、63.6%が第2のサ
ンギヤ53にそれぞれ配分して出力される。そしてキャ
リヤ55の動力は、リダクションドライブギヤ17、リ
ダクションドリブンギヤ18、フロントドライブ軸1
6、フロントディファレンシャル装置19を介して前輪
に伝達する。また第2のサンギヤ53の動力は、リヤド
ライブ軸20、プロペラ軸21、リヤディファレンシャ
ル装置22を介して後輪に伝達し、後輪偏重の4輪駆動
走行になり、このトルク配分ではオーバステア気味にな
って回頭性、操縦性等が良好になる。そして旋回時に
は、センターディファレンシャル装置50で前輪側のキ
ャリヤ55と後輪側の第2のサンギヤ53の回転数差に
応じ第1、第2のピニオン52,54が遊星回転するこ
とで、前後輪の回転数差を吸収して自由に旋回する。
【0035】また基準トルク配分比が後輪偏重のトルク
配分のため、通常は後輪が先にスリップするようにな
る。そこで滑り易い路面走行時に後輪スリップすると、
トランスファクラッチ60の油圧室66にスリップ状態
に応じたクラッチ油圧を発生するが、油圧室66が固定
側のトランスファケース4に配設されることで、クラッ
チ油圧に遠心油圧を生じなくなり、このためピストン6
7には常にクラッチ油圧に応じた推力が正確に作用す
る。このとき押圧子71aがハブ部材63とスプライン
結合して一体回転しており、この押圧子71aの回転を
ベアリング68で許容しつつピストン67の推力が押圧
子71aを介して両プレート62,64に伝達される。
そして押圧子71aにより両プレート62,64が押圧
されて、キャリヤ55と一体的なドラム部材61及びリ
ヤドライブ軸20と一体的なハブ部材63の間に差動制
限トルクを発生し、センターディファレンシャル装置5
0の差動が制限される。
【0036】ところでこの場合に、前輪側のキャリヤ5
5と後輪側のリヤドライブ軸20との間に、トランスフ
ァクラッチ60の差動制限トルクによる他の伝動系路が
バイパスして形成されることになる。そこで後輪の高回
転のリヤドライブ軸20から前輪の低回転のキャリヤ5
5の方向に、差動制限トルクに応じてトルクバイパス
し、このため前輪寄りにトルク配分制御されて後輪スリ
ップが防止され、走破性を向上する。このとき差動制限
トルクが最大になると、キャリヤ55とリヤドライブ軸
20との直結によりセンターディファレンシャル装置5
0はデフロックして直結式4輪駆動になり、前後輪の輪
荷重配分に相当したトルク配分になる。こうして差動制
限トルクを制御することにより、後輪偏重と直結式との
間でトルク配分が任意に可変制御される。
【0037】上述の4輪駆動走行時においては、冷却し
た潤滑オイルがトランスミッションケース3のボス部3
bのオイル通路80に流入し、このオイル通路80から
オイル孔82を介してワンウエイクラッチ36、ローリ
バースブレーキ37、オーバランニングクラッチ38に
直接給油して潤滑される。またオイル通路80のオイル
は高速回転する出力軸15のオイル供給孔73からその
中空孔72の内部に流入するが、筒状オイルガイド90
の外側に略一杯に詰まった状態で連通孔94により定量
的に筒状オイルガイド内部に流入する。
【0038】そして筒状オイルガイド90に流入するオ
イルは軸方向の前方に流れ、筒状オイルガイド90から
外れた箇所のオイル孔74から回転に伴う遠心力で外方
に飛散してワンウエイクラッチ34等に給油される。ま
たこのオイルは、更に入力軸14の中空孔70に流入し
てその軸方向の前方へ流れながらオイル孔71から同様
に外方に飛散して、プラネタリギヤ31,32やフォワ
ードクラッチ35等に給油される。
【0039】筒状オイルガイド90のオイルは同時に後
方にも流れ、オリフィス77で流量制限して後方のリヤ
ドライブ軸20のオイル通路76に流入し、複数のオイ
ル孔78から同様に外方に飛散して、センターディファ
レンシャル装置50のギヤやベアリング、及びトランス
ファクラッチ60のプレート等に給油される。こうして
出力軸15、入力軸14及びリヤドライブ軸20により
自動変速部Cとトランスファ部Dに給油して強制潤滑さ
れる。
【0040】ここで出力軸15の大径の中空孔72の潤
滑しない広い領域は、筒状オイルガイド90で小径にな
るため、高速時の遠心油圧の発生が少なくなる。このた
め筒状オイルガイド90内部にはオイルがほとんど溜ら
なくなり、またオイル孔74,出力軸15前後のブッシ
ュからの流出量が減少する。その分オイルが前後にスム
ースに流れると共に、潤滑流量が確保される。特に、筒
状オイルガイド90の内径は入力軸14の中空孔70と
等しいため、両者にはオイルが等速で流れる。そこで高
速時にも中間の出力軸15から入力軸14とリヤドライ
ブ軸20にオイルが円滑に流れて、潤滑バランスが良好
に保持され、自動変速部Cとトランスファ部Dの全体が
不足することなく潤滑される。
【0041】図4において、本発明の他の実施例につい
て説明する。この実施例では、筒状オイルガイド90の
前端にフランジ95が形成され、後端に膨出部97が形
成される。そして出力軸15の中空孔72に筒状オイル
ガイド90を挿入し、オイル供給孔73の直後に形成さ
れた溝72aに膨出部97を係合することでワンタッチ
式に装着される。
【0042】以上、本発明の実施例について説明した
が、これのみに限定されない。例えば筒状オイルガイド
90は、両端開口をそれぞれ更に延長させて入力軸14
およびリヤドライブ軸20の端部に近接させる配置とし
てもよい。
【0043】
【発明の効果】以上に説明したように本発明によると、
自動変速機付車両として自動変速部とトランスファ部を
備え、同軸上に配置される自動変速機の入力軸、出力軸
及びドライブ軸から自動変速部とトランスファ部に給油
して潤滑し、この場合に潤滑オイルが流入する出力軸の
中空孔が大径に形成される場合において、出力軸の中空
孔の内部に筒状オイルガイドを装着して小径化するよう
に構成するので、高速時にも出力軸のオイルが入力軸と
ドライブ時にスムースに流れて潤滑バランスを良好に保
つことができ、潤滑性能が向上する。筒状オイルガイド
を一体的に装着するだけであるから、構造が簡単であ
り、作業性も良い。出力軸は大径の中空軸のままで良い
ので、軽量化し、冷間鍛造等で中空に形成することがで
きてコスト的に有利になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る自動変速機の潤滑装置の実施例を
示す断面図である。
【図2】要部の拡大断面図である。
【図3】自動変速機付車両の駆動系の一例を示すスケル
トン図である。
【図4】本発明の他の実施例の要部を示す断面図であ
る。
【符号の説明】
C 自動変速部 D トランスファ部 14 入力軸 15 出力軸 20 リヤドライブ軸 30 自動変速機 50 センターディファレンシャル装置 60 トランスファクラッチ 70,72 中空孔 73 オイル供給孔 76 オイル通路 71,74,75,78 オイル孔 90 筒状オイルガイド
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F16G 57 B60K 17/06

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エンジン動力を自動変速部に伝達する中
    空状の入力軸と、前記自動変速部からの変速動力をトラ
    ンスファ部に伝達するとともに、前記入力軸よりも大径
    の中空孔を有する出力軸と、前記トランスファ部からの
    動力を一方の車輪に伝達するとともに、前記出力軸より
    も小径の中空孔を有するドライブ軸と、を同一軸心上に
    配置して各中空孔を直線状に連通し、前記出力軸の中空
    孔に供給された潤滑オイルが、前記入力軸およびドライ
    ブ軸の各中空孔に向かって分流されたのち半径方向に形
    成されたオイル孔から前記自動変速部、或いはトランス
    ファ部に供給されて潤滑する自動変速機の潤滑装置にお
    いて、前記出力軸には、潤滑オイルを中空孔に導くオイル供給
    孔が設けられ、該出力軸の中空孔には、前記入力軸の中
    空孔径に略等しい内径と、前記オイル供給孔から供給さ
    れた潤滑オイルをその内径へ供給する連通孔と、を備え
    た筒状オイルガイドを装着するとともに、前記オイル供
    給孔と連通孔とを挟んだ前記筒状オイルガイドの両端部
    側を略シール状に支持し一体的に装着した ことを特徴と
    する自動変速機の潤滑装置。
  2. 【請求項2】 前記筒状オイルガイドの一端部または両
    端部は、ゴムシールによって前記出力軸の中空孔内に装
    着されるか、または凹凸部の係合によって前記出力軸の
    中空孔内に装着されることを特徴とする請求項1記載
    の自動変速機の潤滑装置。
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