JP3366001B2 - 同時掘進シールド機 - Google Patents
同時掘進シールド機Info
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Description
共同溝等のトンネルを掘削するシールド工法に用いられ
るシールド機に関し、特にカッター装置により掘削する
掘進作業と、エレクターによるセグメントの組み立て作
業を同時に行うことができる同時掘進シールド機に関す
る。 【0002】 【従来の技術】従来より、道路、鉄道、又は共同溝等の
トンネルを掘削する同時掘進シールド機及び同時掘進工
法として、単胴式同時掘進シールド機又は複胴式同時掘
進シールド機を用いた同時掘進工法が知られている。 【0003】単胴式同時掘進シールド機は、特開昭60
−26797号公報に示されているように、シールド機
を前進させるシールド推進ジャッキのストロークをセグ
メントの幅の2倍以上とし、シールド掘進しながら同時
にセグメントを組み立てるようにしたものである。この
シールド機を使用した工法は、掘進とセグメントの組み
立てが同時に行えることから、掘進及びセグメント組み
立てのサイクルが早くなり、トンネルの高速施工が可能
となる。また、シールド機の構造が比較的に単純で安価
である。しかし、シールド推進ジャッキのストロークが
長いためにシールド機の長さが長くなり、シールド機を
搬入する大きな縦坑が必要で、搬入作業が困難である。
また、掘進に連れてエレクターが移動するために、掘進
機と分離したエレクター分離型、又はエレクターヘッド
摺動型等の特殊で高価なエレクターが必要となる。さら
に、シールド推進ジャッキのストロークが長いことか
ら、ロッドの撓みが大きくなり、太径のロッドを用いた
シールド推進ジャッキが必要となる。そして、長い単胴
であるために方向制御が困難で、曲折したトンネルを掘
削することが困難である。 【0004】複胴式同時掘進シールド機は、特公平3−
23720号、特開平8−42281号、及び特開平9
−43671号等の公報に示されているように、シール
ド機を前胴と後胴で構成し、シールド掘進しながら同時
にセグメントを組み立てるようにしたものである。この
シールド機を使用した工法は、掘進とセグメントの組み
立てが同時に行えることから、掘進及びセグメント組み
立てのサイクルが早くなり、トンネルの高速施工が可能
となる。また、単胴式に比べてシールド推進ジャッキが
短いために、ロッドの撓みが少なく、通常の径のロッド
を用いたシールド推進ジャッキで済む。さらに、セグメ
ントの組み立て時に後胴が動かないので、通常の安価な
エレクターが使用できる。そして、シールド機の長さが
単胴式に比べて短いので、シールド機を搬入する縦坑は
小さくて済み、搬入作業が容易となる。さらに、後胴に
中折れ装置を設けることにより方向制御が容易となり、
曲折したトンネルを容易に掘削することができる。しか
し、前胴と後胴は摺動部で接続されているので、構造が
複雑である。また、摺動部には水及び土砂の浸入を防ぐ
ためのシールが設けられているが、摺動部は往復摺動で
あり、長距離施工の際にはシールの寿命に問題がある。
さらに、一般に摺動部の長さはセグメントの幅の半分程
度であり、場合によってはセグメントの組み立て途中で
組み立てを中止し、後胴を引き戻す作業が必要となるか
ら、単胴式同時掘進に比べて掘進及びセグメント組み立
てのサイクルが長くなる不都合がある。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】本発明は上記に鑑みて
なされたもので、通常の安価なエレクターでセグメント
を組むことができ、長距離施工をしてもシールの問題が
生じることがなく、通常の径のロッドの推進ジャッキが
使用でき、シールド機を搬入する縦坑が小さくて済む同
時掘進シールド機を提供することを目的としている。 【0006】 【課題を解決するための手段】本発明によれば、外胴部
(2)とその外胴部(2)内に可摺動にもうけられた内
胴部(3)とで構成された同時掘進シールド機(1)に
おいて、外胴部(2)は筒状のスキンプレート(4)と
そのスキンプレート(4)の先端に中折れ装置(5)を
介して可屈曲に取付けられたバルクヘッド(6)とその
バルクヘッド(6)に設けられたカッター装置(7)と
そのカッター装置(7)を駆動するカッター駆動装置
(8)とで構成され、前記中折れ装置(5)の中折れジ
ャッキ(10)はスキンプレート(4)に可回動に取付
けられ、かつそのロッド(10b)はバルクヘッド
(6)に可回動に取付けられ、スキンプレート(4)と
バルクヘッド(6)とは可屈曲にシール(11)されて
おり、内胴部(3)は筒状の内殻(12)とその内殻
(12)に設けられた複数の外胴推進ジャッキ(13)
および内胴推進ジャッキ(14)とエレクター(15)
とで構成され、外胴推進ジャッキ(13)のロッド(1
3a)はスキンプレート(4)に取付けられ、内胴推進
ジャッキ(14)のロッド(14a)はエレクター(1
5)で組立てられたセグメント(16)に当接するよう
になっており、内殻(12)にはスキンプレート(4)
の内壁に当接して回動する摺動受けローラー(17)が
内胴推進ジャッキ(14)と交互に設けられている。 【0007】 【0008】 【0009】 【0010】 【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の同
時掘進シールド機及び同時掘進工法を説明する。図1に
示すように、本発明の同時掘進シールド機1は、外胴部
2と、外胴部2内に可摺動に設けられた内胴部3で構成
されている。このように内胴部3が外胴部2内に可摺動
に設けられているので、シールの問題がなく、長距離施
工が可能となる。 【0011】外胴部2は、円筒状のスキンプレート4
と、スキンプレート4の先端に中折れ装置5を介して可
屈曲に取り付けられたバルクヘッド6と、バルクヘッド
6に設けられたカッター装置すなわち図示の実施例では
カッターディスク7と、カッターディスク7を駆動する
カッター駆動装置8で構成されている。そして、スキン
プレート4の後端にはテールシール9が設けられてい
る。 【0012】中折れ装置5の中折れジャッキ10はスキ
ンプレート4に可回動10aに取りつけられ、中折れジ
ャッキ10のロッド10bはバルクヘッド6に可回動1
0cに取り付けられている。そして、スキンプレート4
とバルクヘッド6とは可屈曲にシール11されている。
このようにバルクヘッド6が中折れ装置5を介してスキ
ンプレート4の先端に取り付けられているので、屈曲し
たトンネルを容易に掘削することができる。 【0013】内胴部3は、円筒状の内殻12と、内殻1
2に設けられた外胴推進ジャッキ13及び内胴推進ジャ
ッキ14と、エレクター15で構成されている。外胴推
進ジャッキ13のロッド13aは外胴部2のスキンプレ
ート4に取り付けられ、内胴推進ジャッキ14のロッド
14aはエレクター15で組立てられたセグメント16
に当接するようになっている。このように外胴推進ジャ
ッキ13及び内胴推進ジャッキ14を設けたので、両ジ
ャッキ13、14のストロークが短くて済み、通常の径
のロッドのジャッキが使用できる。 【0014】そして、内殻12にはスキンプレート4の
内壁に当接して回動する摺動受けローラー17が設けら
れている。このように摺動受けローラー17がスキンプ
レート4の内壁に当接して偏荷重を受けるので、スキン
プレート4内を内胴部3がスムーズに摺動することがで
きる。 【0015】なお、外胴推進ジャッキ13及び内胴推進
ジャッキ14のロッド13a、14aは、少なくともセ
グメント16の幅H以上伸長する長さである。例えば、
セグメント16の幅Hが120cmの場合は、130c
m程度伸長できる長さである。 【0016】また、図2に示すように、この実施の形態
では、12個の内胴推進ジャッキ14及び摺動受けロー
ラー17が内殻12に交互に設けられている。 【0017】そして、図3に示すように、この実施の形
態では、12個の外胴推進ジャッキ13及び内胴推進ジ
ャッキ14が内殻12に交互にラップして設けられてい
る。このように外胴推進ジャッキ13及び内胴推進ジャ
ッキ14を交互にラップして設けたので、同時掘進シー
ルド機1の全長を短くでき、同時掘進シールド機1を搬
入する縦坑が小さくて済み、搬入作業が容易となる。 【0018】さらに、図4に示すように、この実施の形
態では、12個の中折れジャッキ10がスキンプレート
4に設けられている。 【0019】なお、同時掘進シールド機1には、切羽面
を加圧する加圧装置、掘り出した土砂の排出装置等が設
けられているが、これらの図示及び説明は省略する。 【0020】次に、上述した同時掘進シールド機1によ
る同時掘進工法を説明する。 (1) 掘進・セグメント組み立て工程 図1の状態から、外胴推進ジャッキ13のロッド13a
を伸長し、カッター駆動装置8を駆動してカッターディ
スク7を回動し、掘削を開始する。同時に、内胴推進ジ
ャッキ14のロッド14aを縮めてエレクター15でセ
グメント16の組み立てを行う。 【0021】外胴部2のカッターディスク7による掘進
において、外胴推進ジャッキ13のロッド13aを伸長
して外胴部2を前進させ、内胴推進ジャッキ14のロッ
ド14aはセグメント16に当接して掘進反力を受け
る。そして、スキンプレ−ト4の後端のテールシール9
はセグメント16に当接してシールされ、土砂が内胴部
3内に流入することはない。また、摺動受けローラー1
7が偏荷重を受け、外胴部2はスムーズに前進すること
ができる。 【0022】内胴部3のエレクター15によるセグメン
ト16の組み立ては、始めに下部の内胴推進ジャッキ1
4A、14Lのロッド14aを縮めてエレクター15で
セグメント16の組み立てを行い、この間は他の内胴推
進ジャッキ14B〜14Kが掘進反力受ける。そして、
下部のセグメント16を組み立てた後に、内胴推進ジャ
ッキ14A、14Lのロッド14aを伸ばして新たに組
み立てられたセグメント16に当接させて掘進反力を受
けるようにする。次に、内胴推進ジャッキ14B、14
Cのロッド14aを縮めてエレクター15でセグメント
16の組み立てを行い、セグメント16を組み立てた後
に、内胴推進ジャッキ14B、14Cのロッド14aを
伸ばしてセグメント16に当接させて掘進反力を受ける
ようにする。同様にして順次セグメント16を組み立て
る。 【0023】このように外胴部2による掘進と内胴部3
によるセグメント16の組み立てを同時に行っているの
で、掘進及びセグメントの組み立てのサイクルが早くな
り、トンネルの高速施工が可能となる。また、外胴部2
が前進しても内胴部3が移動しないので、セグメント1
6を組み立てるエレクター15は安価な通常のものを使
用することができる。 【0024】(2) 掘進終了・セグメント組み立て完
了 図5に示すように、外胴推進ジャッキ13のロッド13
aが伸び切るまで掘進したら、カッター駆動装置8を停
止して掘進を終了する。そして、掘進が終了するまでに
は、エレクター15によるセグメント16の組み立ても
完了している。 【0025】(3) 内胴前進工程 掘進が終了し、セグメント16の組み立てが完了したな
らば、外胴推進ジャッキ13のロッド13aを収縮しつ
つ内胴推進ジャッキ14のロッド14aを伸長して内胴
部3を前進する。図6に示すように、外胴推進ジャッキ
13のロッド13aが完全に収縮し、内胴推進ジャッキ
14のロッド14aが完全に伸長すると、内胴推進ジャ
ッキ14は先端のセグメント16からセグメントの幅H
以上離れている。内胴部3の前進は、摺動受けローラー
17が偏荷重を受けるので、スキンプレート4内をスム
ーズに前進することができる。 【0026】このようにして内胴部3を前進させたなら
ば、上述した「掘進・セグメント組み立て工程」を再び
実行し、トンネルの掘進を行う。次に、トンネルを屈曲
して掘進する工法を説明する。 【0027】トンネルを屈曲して掘進するには、上述し
た「掘進・セグメント組み立て工程」において、中折れ
装置5を駆動して行う。即ち、外胴推進ジャッキ13の
ロッド13aを伸長し、カッター駆動装置8を駆動して
カッターディスク7を回動し、同時に中折れジャッキ1
0のロッド10bを伸長して掘削する。 【0028】例えば、左側の中折れジャッキ10のロッ
ド10bを伸長すると、バルクヘッド6が右側に屈曲
し、右側に屈曲したトンネルが掘進される。同様に、右
側の中折れジャッキ10のロッド10bを伸長すると、
左側に屈曲したトンネルが掘進され、下側の中折れジャ
ッキ10のロッド10bを伸長すると、上側に屈曲した
トンネルが掘進され、上側の中折れジャッキ10のロッ
ド10bを伸長すると、下側に屈曲したトンネルが掘進
される。 【0029】このように中折れ装置5によりバルクヘッ
ド6の向きが自由に変えられるので、屈曲したトンネル
を容易に掘削することができる。また、スキンプレート
4とバルクヘッド6とは可屈曲にシール11されている
ので、土砂が内胴部3内に流入することはない。 【0030】 【発明の効果】本発明の同時掘進シールド機及び同時掘
進工法の効果を、以下に列挙する。 (1) 掘進とセグメントの組み立てを同時に行ってい
るので、掘進及びセグメント組み立てのサイクルが早く
なり、トンネルの高速施工が可能となる。 (2) 内胴部が外胴部内に可摺動に設けられているの
で、長距離施工をしてもシールの問題が生じない。 (3) 内胴部が外胴部内に可摺動に設けられ、外胴部
で掘進中に内胴部が移動しないので、通常の安価なエレ
クターでセグメントを組むことができる。 (4) 外胴推進ジャッキ及び内胴推進ジャッキを設け
たので、両ジャッキのストロークが短くて済み、通常の
径のロッドのジャッキが使用できる。 (5) 外胴推進ジャッキ及び内胴推進ジャッキをラッ
プして設けたので、同時掘進シールド機の全長を短くで
き、シールド機を搬入する縦坑が小さくて済み、搬入作
業が容易となる。 (6) バルクヘッドは中折れ装置を介してスキンプレ
ートの先端に取り付けられているので、屈曲したトンネ
ルを容易に掘削することができる。 (7) 内殻にはスキンプレートの内壁に当接して回動
する摺動受けローラーが設けられているので、摺動受け
ローラーが偏荷重を受け、スキンプレート内を内胴部が
スムーズに移動することができる。
た状態の同時掘進シールド機の断面図。 【図6】内胴が前進した状態の同時掘進シールド機の断
面図。 【符号の説明】 1・・・同時掘進シールド機 2・・・外胴部 3・・・内胴部 4・・・スキンプレート 5・・・中折れ装置 6・・・バルクヘッド 7・・・カッターディスク 8・・・カッター駆動装置 9・・・テールシール 10・・・中折れジャッキ 11・・・シール 12・・・内殻 13・・・外胴推進ジャッキ 14・・・内胴推進ジャッキ 15・・・エレクター 16・・・セグメント 17・・・摺動受けローラー
Claims (1)
- (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 外胴部(2)とその外胴部(2)内に可
摺動にもうけられた内胴部(3)とで構成された同時掘
進シールド機(1)において、外胴部(2)は筒状のス
キンプレート(4)とそのスキンプレート(4)の先端
に中折れ装置(5)を介して可屈曲に取付けられたバル
クヘッド(6)とそのバルクヘッド(6)に設けられた
カッター装置(7)とそのカッター装置(7)を駆動す
るカッター駆動装置(8)とで構成され、前記中折れ装
置(5)の中折れジャッキ(10)はスキンプレート
(4)に可回動に取付けられ、かつそのロッド(10
b)はバルクヘッド(6)に可回動に取付けられ、スキ
ンプレート(4)とバルクヘッド(6)とは可屈曲にシ
ール(11)されており、内胴部(3)は筒状の内殻
(12)とその内殻(12)に設けられた複数の外胴推
進ジャッキ(13)および内胴推進ジャッキ(14)と
エレクター(15)とで構成され、外胴推進ジャッキ
(13)のロッド(13a)はスキンプレート(4)に
取付けられ、内胴推進ジャッキ(14)のロッド(14
a)はエレクター(15)で組立てられたセグメント
(16)に当接するようになっており、内殻(12)に
はスキンプレート(4)の内壁に当接して回動する摺動
受けローラー(17)が内胴推進ジャッキ(14)と交
互に設けられていることを特徴とする同時掘進シールド
機。
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---|---|---|---|
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---|---|---|---|
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JP3366001B2 true JP3366001B2 (ja) | 2003-01-14 |
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ID=18985398
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2001138466A Expired - Fee Related JP3366001B2 (ja) | 2001-05-09 | 2001-05-09 | 同時掘進シールド機 |
Country Status (1)
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Families Citing this family (3)
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KR102072632B1 (ko) * | 2018-12-05 | 2020-02-03 | 주식회사 그린개발 | 지하관로 구축시스템과 이것을 이용한 이종실드공법 |
CN112796772A (zh) * | 2021-02-05 | 2021-05-14 | 中建三局集团有限公司 | 一种常规盾构改造为掘进拼装同步施工盾构的方法 |
-
2001
- 2001-05-09 JP JP2001138466A patent/JP3366001B2/ja not_active Expired - Fee Related
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