JP3364996B2 - 難燃性樹脂組成物 - Google Patents

難燃性樹脂組成物

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JP3364996B2 JP20010893A JP20010893A JP3364996B2 JP 3364996 B2 JP3364996 B2 JP 3364996B2 JP 20010893 A JP20010893 A JP 20010893A JP 20010893 A JP20010893 A JP 20010893A JP 3364996 B2 JP3364996 B2 JP 3364996B2
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Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【産業上の利用分野】本発明は難燃性樹脂の難燃性を高
め、またドリッピング現象を大幅に改良し、成形加工
性、成形品の表面外観および耐衝撃性に優れた難燃性樹
脂組成物に関する。 【0002】 【従来の技術】従来より、熱可塑性樹脂は、その優れた
成形加工性などから幅広い用途で使用されている。しか
しながら、用途によっては、難燃性を有していることが
必要条件となる。このことは、特に家庭用品、電気製
品、OA機器、自動車などの製品、あるいは建築材料と
して用いられる場合についていえる。熱可塑性樹脂を難
燃性にする公知の方法としては、難燃剤をブレンドする
ことからなるが、多くの場合、このような難燃剤は臭素
化ジフェニルオキシド化合物や臭素化ポリカーボネート
化合物などのハロゲン含有化合物である。また、人体に
とって有毒となるダイオキシンやフランの発生の少ない
難燃剤として、リンおよび/またはチッ素を含む化合物
がある。しかしながら、これらの難燃剤を添加した場
合、ある程度の難燃性を付与できるものの、燃焼時の溶
融液だれ(ドリッピング)を防止することができない。
溶融液だれが生じると、火災時の延焼につながるため危
険である。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
従来の技術の課題を解決し、難燃性樹脂の難燃性を高
め、またドリッピング現象を大幅に改良し、成形加工
性、成形品の表面外観および耐衝撃性の優れた難燃性樹
脂組成物を提供する。 【0004】 【課題を解決するための手段】本発明は、下記の(A)
成分5〜95重量%、および(B)成分95〜5重量%
から成る組成物100重量部に対し、(C)成分5〜4
0重量部、および(D)成分0.01〜20重量部を含
有する難燃性樹脂組成物を提供するものである。 【0005】本発明に使用される(A)成分は、ゴム強
化樹脂(A−1)および/または重合体(A−2)を含
有してなる組成物である。上記(A−1)成分は、ゴム
状重合体(a)5〜70重量%、好ましくは12〜60
重量%、さらに好ましくは15〜50重量%の存在下
に、芳香族ビニル化合物、シアン化ビニル化合物、(メ
タ)アクリル酸エステル、酸無水物系単量体およびマレ
イミド系化合物の群から選ばれた少なくとも1種の単量
体成分(b)95〜30重量%、好ましくは88〜40
重量%、さらに好ましくは85〜50重量%〔ただし、
(a)+(b)=100重量%〕を重合して得られるゴ
ム強化樹脂である。また、上記(A−2)成分は、上記
単量体成分(b)を重合して得られる重合体である。 【0006】上記ゴム状重合体(a)としては、ポリブ
タジエン、ブタジエン−スチレン共重合体、ポリイソプ
レン,ブタジエン−アクリロニトリル共重合体、エチレ
ン−プロピレン−(非共役ジエン)共重合体、イソブチ
レン−イソプレン共重合体、アクリルゴム、スチレン−
ブタジエン−スチレンブロック共重合体、スチレン−ブ
タジエン−スチレンラジアルテレブロック共重合体、ス
チレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体、SE
BSなどの水素添加ジエン系(ブロック、ランダム、お
よびホモ)重合体、ポリウレタンゴム、アクリルゴムな
どが挙げられる。これらのなかで、ポリブタジエン、ブ
タジエン−スチレン共重合体、エチレン−α−オレフィ
ン(非共役ジエン)共重合体、エチレン−プロピレン−
(非共役ジエン)共重合体、水素添加ジエン系重合体が
好ましい。 【0007】また、上記芳香族ビニル化合物としては、
スチレン、α−メチルスチレン、o−メチルスチレン、
m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−ヒドロ
キシスチレン、α−エチルスチレン、メチル−α−メチ
ルスチレン、ジメチルスチレン、ブロモスチレン、ジブ
ロモスチレン、トリブロモスチレン、クロルスチレン、
ジクロルスチレン、トリクロルスチレン、スチレンスル
ホン酸ナトリウムなどが挙げられる。これらのなかで
は、スチレン、p−メチルスチレン、α−メチルスチレ
ンが好ましい。 【0008】さらに、上記シアン化ビニル化合物として
は、アクリロニトリル、メタクリロニトリルなどが挙げ
られる。これらのなかでは、アクリロニトリルが好まし
い。さらに、上記(メタ)アクリル酸エステルとして
は、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸
ブチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メ
タクリル酸ブチルなどが挙げられる。これらのなかで
は、メタクリル酸メチル、アクリル酸ブチルが好まし
い。 【0009】さらに、上記酸無水物系単量体としては、
無水マレイン酸が好ましい。さらに、上記マレイミド系
化合物としては、マレイミド、N−メチルマレイミド、
N−エチルマレイミド、N−プロピルマレイミド、N−
イソプロピルマレイミド、N−ラウリルマレイミド、N
−シクロヘキシルマレイミド、N−フェニルマレイミ
ド、N−(2−メチルフェニル)マレイミド、N−
(2,6−ジエチルフェニル)マレイミド、N−(4−
カルボキシフェニル)マレイミド、N−(4−ヒドロキ
シフェニル)マレイミド、N−(4−ブロモフェニル)
マレイミド、トリブロモフェニルマレイミド、N−(4
−クロルフェニル)マレイミドなどが挙げられる。これ
らのなかでは、N−フェニルマレイミド、N−シクロヘ
キシルマレイミドおよびN−(4−ヒドロキシフェニ
ル)マレイミド、およびトリブロモフェニルマレイミド
が好ましい。重合体(A−2)には、無水マレイン酸と
スチレンを共重合した重合体をアミン化合物により、後
イミド化した重合体も含まれる。 【0010】ゴム強化樹脂(A−1)は、特に耐衝撃性
を必要とする難燃性樹脂組成物を得るときに使用される
が、(A−1)成分中のゴム状重合体(a)の含有率が
5重量%未満の場合には耐衝撃性が十分でなく、一方、
70重量%を超えるとグラフト率、樹脂の表面光沢およ
び成形加工性が低下する。ゴム強化樹脂(A−1)のグ
ラフト率は5〜200重量%、好ましくは10〜150
重量%、さらに好ましくは10〜120重量%である。
グラフト率が5重量%未満では、ゴム成分の添加効果が
十分発揮されず、例えば十分な耐衝撃性が得られない。
一方、200重量%を超えると、難燃時のドリッピング
(溶融滴下)が起こりやすくなる。ここで、グラフト率
(%)は、(A−1)成分1g中のゴム成分量をx、
(A−1)成分1g中のメチルエチルケトン不溶分量を
yとすると、次式により求めた値である。 グラフト率(%)={(y−x)/x}×100 【0011】(A)成分中のマトリックス樹脂の極限粘
度[η](メチルエチルケトン中、30℃で測定)は、
0.1〜1.5dl/g、好ましくは0.3〜1.0d
l/gである。極限粘度[η]が0.1dl/g未満で
あると衝撃強度が十分に発現されず、一方、1.5dl
/gを超えると成形加工性が低下する。ここで、マトリ
ックス樹脂とは、(A)成分中のグラフト化ゴム成分以
外の樹脂成分のことであり、上記極限粘度[η]は、
(A)成分のうち、メチルエチルケトン溶解分を常法に
従って測定することによって求めた値である。 【0012】(A)成分は、上記ゴム強化樹脂(A−
1)および/または重合体(A−2)を含有する組成物
であり、ゴム強化樹脂(A−1)と重合体(A−2)
は、それぞれ単独で用いることができる。また、ゴム強
化樹脂(A−1)と重合体(A−2)を混合して用いる
場合の含有割合は、ゴム強化樹脂(A−1)が0〜10
0重量%、好ましくは0〜95重量%、さらに好ましく
は40〜80重量%、特に好ましくは45〜70重量%
であり、共重合体(A−2)は100〜0重量%、好ま
しくは100〜5重量%、さらに好ましくは60〜20
重量%、特に好ましくは55〜30重量%〔ただし、
(A−1)+(A−2)=100重量%〕である。上記
範囲内であると、耐衝撃性および成形加工性が一段と優
れた難燃性樹脂組成物が得られる。 【0013】上記ゴム強化樹脂(A−1)は、例えば、
ゴム状重合体(a)の存在下に、単量体成分(b)を
重合する方法、ゴム状重合体(a)の存在下に、単量
体成分(b)の一部を重合し、残りの単量体成分(b)
を別途重合し、これらをブレンドするグラフト・ブレン
ド法などの製造方法によって得られる。また、上記共重
合体(A−2)は、例えば、上記またはの方法に
おいて、ゴム状重合体(a)を使用しない製造方法によ
って得られる。上記(A)成分の代表的な組成物は、A
BS樹脂と、スチレンとアクリロニトリル共重合体(A
S樹脂)とからなるゴム強化樹脂組成物を挙げることが
でき、各成分の好ましい組成は、前者が5〜70重量
%、後者が95〜30重量%である。 【0014】本発明に使用される(B)成分のポリカー
ボネートとしては、種々のジヒドロキシアリール化合物
とホスゲンとの反応によって得られるもの、またはジヒ
ドロキシアリール化合物とジフェニルカーボネートとの
エステル交換反応によって得られるものが挙げられる。
代表的なものとしては、2,2′−ビス(4−ヒドロキ
シフェニル)プロパンとホスゲンの反応で得られるポリ
カーボネートである。 【0015】ポリカーボネートの原料となるジヒドロキ
シアリール化合物としては、ビス(4−ヒドロキシフェ
ニル)メタン、1,1′−ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)エタン、2,2′−ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)プロパン、2,2′−ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)ブタン、2,2′−ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)オクタン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)フェニ
ルメタン、2,2′−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチ
ルフェニル)プロパン、2,2′−ビス(4−ヒドロキ
シ−3−第3ブチルフェニル)プロパン、2,2′−ビ
ス(4−ヒドロキシ−3−ブロモフェニル)プロパン、
2,2′−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジクロロフ
ェニル)プロパン、1,1′−ビス(4−ヒドロキシフ
ェニル)シクロペンタン、1,1′−ビス(4−ヒドロ
キシフェニル)シクロヘキサン、4,4′−ジヒドロキ
シジフェニルエーテル、4,4′−ジヒドロキシ−3,
3′−ジメチルジフェニルエーテル、4,4′−ジヒド
ロキシフェニルスルフィド、4,4′−ジヒドロキシ−
3,3′−ジメチルフェニルスルフィド、4,4′−ジ
ヒドロキシフェニルスルフィド、4,4′−ジヒドロキ
シ−3,3′−ジメチルフェニルスルフィド、4,4′
−ジヒドロキシフェニルスルホキシド、4,4′−ジヒ
ドロキシ−3,3′−ジメチルフェニルスルホキシド、
4,4′−ジヒドロキシフェニルスルホン、4,4′−
ジヒドロキシ−3,3′−ジメチルジフェニルスルホ
ン、ヒドロキノン、レゾルシンなどがある。ポリカーボ
ネートの粘度平均分子量は、好ましくは15,000〜
40,000、さらに好ましくは17,000〜35,
000である。 【0016】次に、難燃剤(C)としては、一般のゴ
ム、樹脂などの重合体の難燃剤として用いられているも
のを使用することができ、その例としては、ハロゲン含
有化合物、リン含有化合物、チッ素含有化合物などが挙
げられる。 【0017】上記ハロゲン含有化合物の具体例として
は、まずテトラブロモビスフェノールA、テトラブロモ
ビスフェノールA−ビス(2−ヒドロキシエチルエーテ
ル)、テトラブロモビスフェノールA−ビス(2,3−
ジブロモプロピルエーテル)などのテトラブロモビスフ
ェノールA誘導体、ヘキサブロモジフェニルエーテル、
オクタブロモジフェニルエーテル、デカブロモジフェニ
ルエーテル、ビス(トリブロモフェノキシ)エタン、ヘ
キサブロモシクロドデカンなどを挙げることができる。 【0018】また、モノブロモフェノール、トリブロモ
フェノール、ペンタブロモフェノール、トリブロモクレ
ゾール、ジブロモプロピルフェノール、テトラブロモビ
スフェノールS、塩化シアヌルなどを重合することによ
り、あるいはこれらと上記ハロゲン化合物の群から選ば
れた少なくとも1種のハロゲン化合物とを共重合するこ
とにより得られる、オリゴマー型ハロゲン化合物が挙げ
られる。 【0019】さらに、テトラブロモビスフェノールAの
ポリカーボネートオリゴマー、テトラブロモビスフェノ
ールAとビスフェノールAとのポリカーボネートオリゴ
マー、テトラブロモビスフェノールSのポリカーボネー
トオリゴマー、テトラブロモビスフェノールSとビスフ
ェノールSのポリカーボネートオリゴマーなども挙げら
れる。 【0020】さらに、下記一般式(I)で表わされるハ
ロゲン化エポキシオリゴマーなども挙げられる。 【0021】 【化1】 【0022】〔一般式(I)中、mは1〜100の整数
で表される平均重合度であり、Xは互いに独立して水素
原子、塩素原子または臭素原子を示し、i、j、kおよ
びpはそれぞれ1〜4の整数であり、RおよびR′は同
一または異なり、水素原子、下記一般式(II)または
(III)で表わされる基である。〕 【0023】 【化2】 【0024】 【化3】 【0025】(ここで、Yは水素原子、臭素原子または
塩素原子を示し、qは0〜5の整数である。) 【0026】上記リン含有化合物としては、有機系リン
含有化合物、赤リン、ホスファゼン系化合物、ポリリン
酸アンモニウムなどが挙げられる。このうち、有機系リ
ン含有化合物としては、トリフェニルホスフェートに代
表されるホスフェート類、トリフェニルホスファイトに
代表されるホスファイト類などが挙げられる。これらの
有機系リン含有化合物は、単独でもあるいは2種以上を
混合して使用してもよい。 【0027】本発明においては、有機系リン含有化合物
として、トリフェニルホスフェート、トリチオフェニル
ホスフェート、トリキシレニルホスフェート、トリキシ
レニルチオホスフェート、ハイドロキノンビス(ジフェ
ニルホスフェート)、レゾルシノールビス(ジフェニル
ホスフェート)などが好ましい。また、上記チッ素含有
化合物としては、トリアジン、トリアゾリシン、尿素、
グアニジン、アミン酸、メラミンおよびその誘導体が挙
げられる。これらの難燃剤(C)は、単独で、または2
種以上を組み合わせて使用することができる。 【0028】難燃剤(C)としては、臭素含有化合物、
塩素含有化合物、リンおよび/またはチッ素含有化合物
が好ましく、さらにダイオキシンなどの有毒ガスの発生
がない点で、リンおよび/またはチッ素含有化合物が好
ましく、特にトリフェニルホスフェート、トリキシレニ
ルホスフェート、トリフェニルチオホスフェートに代表
されるホスフェート類、ハイドロキノンビス(ジフェニ
ルホスフェート)、ハイドロキノンビス(ジクレジルホ
スフェート)に代表されるホスフェートオリゴマー類、
ポリリン酸アンモニウム、赤リン、メラミンなどが好ま
しい。 【0029】上記難燃剤(C)の難燃効果を向上させる
ためにアンチモン含有化合物を用いることができる。難
燃性の向上効果を得るための好ましい使用量は、全重合
体成分100重量部に対して0.5〜20重量部、さら
に好ましくは1〜15重量部である。上記アンチモン含
有化合物としては、三酸化アンチモン、四酸化アンチモ
ン、(コロイダル)五酸化アンチモン、アンチモン酸ナ
トリウム、およびリン酸アンチモンなどが挙げられる
が、なかでも三酸化アンチモンが好ましい。 【0030】次に、(D)成分について説明する。本発
明の最も大きな特徴は、(D)成分を配合することによ
り、成形加工性、成形品の表面外観、耐衝撃性を大きく
低下させずに難燃性樹脂の難燃性を高め、かつドリッピ
ング現象を大幅に改良する。 【0031】(D−1)は、シランカップリング剤であ
る。上記シランカップリング剤の具体例としては、γ−
グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシ
ドキシプロピルメチルジケトキシシラン、アミノミラ
ン、γ−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラ
ンなどが挙げられる。 【0032】(D−2)は、ポリオルガノシロキサン強
化樹脂である。上記(D−2)成分は、ポリオルガノシ
ロキサン系重合体(c)5〜90重量部、好ましくは1
0〜70重量部、さらに好ましくは20〜60重量部の
存在下に、ビニル単量体(d)95〜10重量部、好ま
しくは90〜30重量部、さらに好ましくは80〜40
重量部〔(c)+(d)=100重量部〕を重合して得
られるポリオルガノシロキサン強化樹脂である。 【0033】なお、上記ポリオルガノシロキサン系重合
体(c)として、グラフト交叉剤が共縮合したものを用
いることができる。上記グラフト交叉剤の使用割合は、
好ましくはポリオルガノシロキサン系重合体(c)中、
好ましくは0.5〜5重量%であり、グラフト交叉剤が
この範囲にあると優れた物性を有する(c)成分が得ら
れ、本発明の目的とする一段と優れた難燃性樹脂組成物
が得られる。 【0034】ここで、オルガノシロキサンとしては、例
えば一般式R1 nSiO(4-n)/2 (式中、R1 は置換ま
たは非置換の一価の炭化水素基であり、nは0〜3の整
数を示す。)で表わされる構造単位を有するものであ
り、直鎖状、分岐状または環状構造を有するが、好まし
くは環状構造を有するオルガノシロキサンである。この
オルガノシロキサンの有する置換または非置換の一価の
炭化水素基としては、例えばメチル基、エチル基、プロ
ピル基、ビニル基、フェニル基、および、これらをハロ
ゲン原子またはシアノ基で置換した置換炭化水素基など
を挙げることができる。 【0035】オルガノシロキサンの具体例としては、ヘ
キサメチルシクロトリシロキサン、オクタメチルシクロ
テトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサ
ン、ドデカメチルシクロヘキサシロキサン、トリメチル
トリフェニルシクロトリシロキサンなどの環状化合物の
ほかに、直鎖状あるいは分岐状のポリオルガノシロキサ
ンを挙げることができる。なお、このポリオルガノシロ
キサンは、あらかじめ縮合された、例えばポリスチレン
換算の重量平均分子量が500〜10,000程度のポ
リオルガノシロキサンであってもよい。また、オルガノ
シロキサンが、ポリオルガノシロキサンである場合、そ
の分子鎖末端は、例えば水酸基、アルコキシ基、トリメ
チルシリル基、ジメチルビニルシリル基、メチルフェニ
ルビニルシリル基などで封鎖されていてもよい。 【0036】また、本発明で使用されるグラフト交叉剤
としては、例えば次のものを挙げることができる。グラ
フト交叉剤として好ましくはものは、p−ビニルフェニ
ルメチルジメトキシシラン、2−(m−ビニルフェニ
ル)エチルメチルジメトキシシラン、2−(o−ビニル
フェニル)エチルメチルジメトキシシラン、1−(m−
ビニルフェニル)エチルメチルジメトキシシラン、1−
(o−ビニルフェニル)エチルメチルジメトキシシラ
ン、3−(p−ビニルベンゾイロキシ)プロピルメチル
ジメトキシシランであり、さらに好ましくはp−ビニル
フェニルメチルジメトキシシランである。このグラフト
交叉剤を用いると得られる組成物のグラフト率が高くな
り、一段と優れた本発明の目的とする組成物が得られ
る。 【0037】ポリオルガノシロキサン系重合体(c)
は、上記オルガノシロキサンとグラフト交叉剤とを、例
えばアルキルベンゼンスルホン酸などの乳化剤の存在下
にホモミキサーなどを用いてせん断混合し、縮合させる
ことによって製造することができる。この際、乳化剤は
オルガノシロキサンの乳化剤として作用するほか、縮合
開始剤となる。この乳化剤の使用量は、オルガノシロキ
サンおよびグラフト交叉剤の合計量に対して、通常0.
1〜5重量%、好ましくは0.3〜3重量%程度であ
る。 【0038】ポリオルガノシロキサン系重合体(c)の
製造に際しては、その耐衝撃性を改良するために、第3
成分として架橋剤を添加することもできる。上記架橋剤
としては、例えばメチルトリメトキシシラン、フェニル
トリメトキシシラン、エチルトリエトキシシランなどの
3官能性架橋剤、テトラエトキシシランなどの4官能性
架橋剤を挙げることができる。この架橋剤の添加量は、
オルガノシロキサンおよびグラフト交叉剤の合計量に対
して、通常10重量%以下、好ましくは5重量%以下程
度である。 【0039】このようにして得られるポリオルガノシロ
キサン系重合体(c)のポリスチレン換算平均分子量
は、通常10,000〜1,000,000、好ましく
は50,000〜500,000程度である。 【0040】上記(D−2)成分は、このようにして得
られるポリオルガノシロキサン系重合体(c)の存在下
に、ビニル単量体(d)を共重合して得られるポリオル
ガノシロキサン強化樹脂である。(D−2)成分に使用
されるビニル単量体(d)としては、上記(A)成分に
用いられる芳香族ビニル単量体、シアン化ビニル単量
体、(メタ)アクリル酸エステル、酸無水物系単量体お
よびマレイミド系単量体などが挙げられ、これらは単独
で、あるいは混合して使用することができる。これらの
単量体は、先に示したものと同じものが使用できる。 【0041】このようにして得られる(D−2)成分の
グラフト率は、通常10重量%以上、好ましくは30重
量%以上、さらに好ましくは50重量%以上程度であ
る。このように、(D−2)成分のグラフト率が上記の
範囲にあると、グラフト共重合体と直接グラフトしなか
ったビニル系重合体中にポリオルガノシロキサン系重合
体が均一に分散し、良好な外観と物性を有する(D−
2)成分が得られる。 【0042】なお、本発明の組成物中には、(D−3)
ポリフェニレンオキサイド(PPO)を配合することも
できる。 【0043】また、本発明の組成物中には、(D−4)
フェノール系樹脂を配合することもできる。(D−4)
フェノール系樹脂としては、ノボラック型フェノール樹
脂、レゾール型フェノール樹脂などが挙げられる。この
うち、ノボラック型フェノール樹脂としては、置換また
は非置換のフェノール類とホルムアルデヒドなどとを縮
合して得られる比較的低分子量のポリマーであって、
離のメチロール基を有しないものである。 置換フェノー
ルの具体例としては、クレゾール、レゾルシノール、p
−フェニルフェノールなどのアリール置換フェノール、
およびp−t−ブチルフェノール、p−オクチルフェノ
ール、キシレノールなどのアルキル化フェノールが挙げ
られる。本発明においては、フェノール、クレゾール、
レゾルシノール、およびこれらの混合物を使用したノボ
ラック型フェノール樹脂が好ましい。 【0044】さらに、本発明の組成物中には、(D−
5)平均粒子径50〜1000μm、密度100〜10
00g/l、融点250〜350℃、および比重1.8
〜2.5であるテトラフルオロエチレン重合体を配合す
ることができる。 さらに、本発明の組成物中には、(D
−6)元素周期表における第4周期の遷移金属、第4族
の金属および第5族の金属から選ばれた少なくとも1種
の金属を含有する化合物(ただし、アンチモンは除く)
を配合することができる。金属種としては、チタン、
鉄、ニッケル、亜鉛、ゲルマニウム、スズ、ビスマスな
どが挙げられる。好ましくは、鉄含有化合物、亜鉛含有
化合物などが挙げられる。 【0045】具体的な亜鉛含有化合物としては、ホウ酸
亜鉛、メタクリル酸亜鉛などが好ましい。具体的な鉄含
有化合物としては、フェロセン、乳酸鉄(II)、乳酸
鉄(III)、アセチルアセトン鉄(III)、クエン
酸鉄、クエン酸鉄(III)、アンモニウム、フマル酸
鉄(II)、ナフテン酸鉄、シュウ酸鉄、ステアリン酸
鉄(III)、スルファミン酸鉄(II)、酒石酸鉄
(II)、鉄ノナカルボニル、鉄ペンタカルボニル、酸
化鉄(II)、酸化鉄(III)。これらの鉄含有化合
物のなかでは、フェロセン、乳酸鉄(II)、乳酸鉄
(III)、酸化鉄(II)および酸化鉄(III)が
好ましい。さらに、分散性の点で好ましい化合物は有機
鉄であり、特に着色がない点で、乳酸鉄(II)および
乳酸鉄(III)が好ましい。 【0046】(A)成分、(B)成分、(C)成分、お
よび(D)成分の使用量を以下に示す。(A)成分の使
用量は5〜95重量%、好ましくは10〜80重量%、
さらに好ましくは20〜70重量%である。その使用量
が5重量%未満であると耐衝撃性が劣り、一方、95重
量%を超えると熱変形温度が劣る。 【0047】(B)成分の使用量は5〜95重量%、好
ましくは20〜90重量%、さらに好ましくは30〜8
0重量%である。その使用量が5重量%未満であると熱
変形温度が劣り、一方、95重量%を超えると成形加工
性が不十分である。 【0048】(C)成分の使用量は、(A)+(B)=
100重量部に対して5〜40重量部、好ましくは8〜
35重量部、さらに好ましくは10〜30重量部、特に
好ましくは12〜28重量部である。難燃剤(C)が、
5重量部未満では十分な難燃性を有する樹脂が得られ
ず、一方40、重量部を超えると樹脂としての耐衝撃性
および成形外観が損なわれる。 【0049】(D)成分の含有量は、(A)成分、
(B)成分からなる組成物100重量部に対して0.0
1〜20重量部、好ましくは0.05〜15重量部、さ
らに好ましくは1〜13重量部である。(D)成分が
0.01重量部未満では十分な燃焼時でのドリップ防止
効果が得られず、一方、20重量部を超えると樹脂とし
ての耐衝撃性および成形外観が損なわれる。 【0050】本発明の難燃性樹脂組成物には、必要に応
じて他の樹脂材料を混合してよい。他の樹脂材料として
は、ナイロン6などのポリアミド、ポリブチレンテレフ
タレート(PBT)、ポリエチレンテレフタレート(P
ET)などのポリエステル、ポリフェニレンスルフィド
(PPS)、ポリオキシメチレン(POM)などのポリ
アセタール、ポリエーテルエステルアミド、ポリエーテ
ルイミド、ポリイミド、ポリエーテルエーテルケトン
(PEEK)、ポリアリレート、ポリメタクリル酸メチ
ル、シリコーン樹脂、塩化ビニル樹脂(PVC)などの
塩素系ポリマー、エポキシ樹脂、ポリウレタン、不飽和
ポリエステル、および熱可塑性エラストマーの群から選
ばれた少なくとも1種のポリマーが挙げられる。これら
のなかでは、ポリアミド、PBT、PETおよびPPS
の群から選ばれた少なくとも1種のポリマーが好まし
い。 【0051】請求項1の難燃性樹脂組成物と他の樹脂材
料の配合割合は、好ましくは前者30〜90重量%、後
者10〜70重量%である。後者がこの範囲にあると、
後者の添加による効果が得られる。さらに、本発明の請
求項1の難燃性樹脂組成物あるいはそれらと、他の樹脂
材料との組成物の製造に際して、重合体間の相溶性を向
上させるために相溶化剤を用いることにより、耐衝撃性
および成形品表面外観性を向上させることができる。 【0052】相溶化方法としては、混練り時に酸無水物
基、ヒドロキシル基、アミノ基、エポキシ基、オキサゾ
リン基、およびイミド基の群から選ばれた少なくとも1
種の官能基を有する官能基含有不飽和化合物、および必
要に応じて過酸化物を存在させる方法、上記官能基を有
する他の重合体を用いる方法などがある。上記官能基を
有する重合体は、上記官能基を有する不飽和化合物と、
これと共重合可能な他のビニル単量体とのランダム、ブ
ロックおよびグラフト共重合体である。 【0053】相溶化剤の具体例としては、スチレン−グ
リシジルメタクリレート共重合体、スチレン−無水マレ
イン酸共重合体、スチレン−メタクリル共重合体、スチ
レン−アクリロニトル−メタクリル酸共重合体などの、
スチレンと上記官能基含有不飽和化合物と必要に応じて
これらと共重合可能な単にビニル単量体の1種以上とを
共重合した共重合体が挙げられる。また、エチレン−グ
リシジルメタクリレート共重合体、エチレン−グリシジ
ルメタクリレート−酢酸ビニル共重合体などの、エチレ
ンと上記官能基含有不飽和化合物と必要に応じてこれら
と共重合可能な他のビニル単量体の1種以上とを共重合
した共重合体も挙げられる。これらの共重合体には、こ
れらのエチレン共重合体上に他の重合体をグラフト反応
させたものも含まれる。グラフト反応させる他の重合体
としては、例えばポリ(メタ)アクリル酸アルキルエス
テル、ポリスチレン、スチレン−アクリロニトル共重合
体、スチレン−(メタ)アクリル酸アルキルエステル共
重合体などのラジカル重合可能なビニル単量体を用いて
重合された重合体が挙げられる。 【0054】また、本発明の難燃性樹脂組成物には、必
要に応じて酸化防止剤、紫外線吸収剤などの安定剤、シ
リコンオイル、低分子量ポリエチレンなどの滑剤、炭酸
カルシウム、タルク、クレー、酸化マグネシウム、水酸
化アルミニウム、水酸化マグネシウム、炭酸マグネシウ
ム、カーボンブラック、硫酸バリウム、酸化カルシウ
ム、酸化アルミニウム、マイカ、ガラスビーズ、ガラス
繊維、炭素繊維、アラミド繊維、ガラスフレーク、熱膨
脹性黒鉛、金属フィラーなどの充填剤、分散剤、発泡
剤、着色剤などを添加することができる。これらのう
ち、ガラス繊維および炭素繊維の形状としては、6〜6
0μmの繊維径と30μm以上の繊維長を有するものが
好ましい。これらの添加剤の配合量は、本発明の組成物
100重量部に対し、0.01〜100重量部程度が好
ましい。 【0055】本発明の組成物は、各種押出機、バンバリ
ーミキサー、ニーダー、ロールなどで、好ましくは20
0〜350℃の範囲で各成分を混練りすることによって
得ることができる。混練りするに際しては、各成分を一
括混練りしてもよく、また任意の成分を混練りした後、
残りの成分を添加し混練りする多段分割混練り法を採用
することもできる。好ましい紺練り法は押出機で行なう
方法であり、押出機としては二軸同方向回転押出機が特
に好ましい。 【0056】本発明の難燃性樹脂組成物は、押出成形、
射出成形、圧縮成形などの成形手段により成形品とされ
るが、これらの成形品は、難燃性、耐衝撃性、耐熱性お
よび成形実用性に優れており、表面外観も良好であるの
で、家庭用品、電気製品、OA機器などの物品、自動車
などの部品、あるいは建築材料として極めて有用であ
る。 【0057】 【実施例】以下、本発明を実施例を挙げてさらに具体的
に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、以下
の実施例に何ら制約されるものではない。なお、実施例
中、部および%は特に断らない限り重量基準である。 【0058】実施例1〜3、比較例3 (A)成分の調製 (A)成分として、下記のものを用いた。 グラフト共重合体(a−1): 還流冷却器、温度計および撹拌機を備えたセパラブルフ
ラスコに、イニシャル成分としてポリブタジエンゴムラ
テックスを固形分換算で40部、イオン交換水65部、
ロジン酸セッケン0.35部、スチレン15部およびア
クリロニトリル5部を加え、次にピロリン酸ナトリウム
0.2部、硫酸第一鉄7水和物0.01部およびブドウ
糖0.4部をイオン交換水20部に溶解した溶液に加え
た。次いで、キュメンハイドロパーオキサイド0.07
部を加えて重合を開始し、1時間重合させた後、インク
レメント成分としてイオン交換水45部、ロジン酸セッ
ケン0.7部、スチレン30部、アクリロニトリル10
部およびキュメンハイドロパーオキサイド0.01部を
2時間かけて連続的に添加し、さらに1時間かけて重合
させ反応を完結させた。得られた共重合体ラテックスに
硫酸を加え凝固し、水洗、乾燥してグラフト共重合体
(a−1)を得た。 【0059】グラフト共重合体(a−2): 表1に示す単量体を用いる以外は、グラフト共重合体
(a−1)と同様の方法で重合を行ない、反応を完結さ
せ、グラフト共重合体(a−2)を得た。 【0060】 【表1】 【0061】共重合体(b−1): 還流冷却器、温度計および撹拌機を備えたセパラブルフ
ラスコに、イオン交換水250部、ロジン酸カリウム
3.0部、スチレン75部、アクリロニトリル25部お
よびt−ドデシルメルカプタン0.1部を加え、次にエ
チレンジアミン四酢酸ナトリウム0.05部、硫酸第一
鉄7水和物0.002部およびナトリウムホルムアルデ
ヒドスルホキシレート0.1部をイオン交換水8部に溶
解した溶液に加えた。次いで、ジイソプロピルベンゼン
ハイドロパーオキサイド0.1部を加えて重合を開始
し、約1時間重合させて反応を完結させた。得られた共
重合体ラテックスに硫酸を加え凝固し、水洗、乾燥して
共重合体(b−1)を得た。 【0062】共重合体(b−2): スチレン55部、アクリロニトリル45部を用いる以外
は、共重合体(b−1)と同様の方法で重合を行ない、
反応を完結させ、共重合体(b−2)を得た。 【0063】(B)成分の調製 (B)成分として、ポリカーボネート樹脂〔帝人化成
(株)製、パンライトL−1125〕を用いた。 【0064】(C)成分の調製 難燃剤(C)として、臭素化ポリカーボネートオリゴマ
ー、トリキシレニルホスフェートを用いた。 【0065】(D)成分の調製 (D−1)成分: シランカップリング剤としては、γ−グリシドキシプロ
ピルトリメトキシシランを用いた。 【0066】(D−2)成分の重合方法: ポリオルガノシロキサン強化樹脂(D−2)の製造; ポリオルガノシロキサン系共重合体(c)の製造p
−ビニルフェニルメチルジメトキシシラン1.5とオ
クタメチルシクロテトラシラン98.5を混合し、こ
れをドデシルベンゼンスルホン酸2.0を溶解した蒸
留水300中に入れ、ホモミキサーにより3分間撹拌
して乳化分散させた。この混合液を、コンデンサー、窒
素導入口および撹拌器を備えたセパラブルフラスコに移
し、撹拌混合しながら90℃で6時間加熱し、5℃で2
4時間冷却することによって縮合を完結させた。得られ
たポリオルガノシロキサン系重合体中のオクタメチルシ
クロテトラシロキサンの縮合率は92.8%であった。
このポリオルガノシロキサン系重合体ラテックス
〔(c)成分〕を炭酸ナトリウム水溶液でpH7に中和
した。 【0067】 ポリオルガノシロキサン強化樹脂(D−2)の製造 撹拌器を備えた内容積7リットルのガルス製フラスコ
に、イオン交換水100、ドデシルベンゼンスルホン
酸ナトリウム0.5、水酸化カリウム0.01、t
−ドデシルメルカプタン0.1、上記ポリオルガノシ
ロキサン系重合体(c)40、スチレン15および
アクリロニトリル5からなるバッチ重合成分を加え、
撹拌しながら昇温した。温度が45℃に達した時点で、
エチレンジアミン四酢酸ナトリウム0.1、硫酸第一
鉄7水和物0.003、ホルムアルデヒドナトリウム
スルホキシラート2水塩0.2およびイオン交換水1
からなる活性剤水溶液、ならびにジイソプロピルベ
ンゼンヒドロパーオキシド0.1を添加し、1時間反
応を続けた。 【0068】さらに、イオン交換水50、ドデシルベ
ンゼンスルホン酸ナトリウム1、水酸化カリウム0.
02、t−ドデシルメルカプタン0.1、ジイソプ
ロピルベンゼンヒドロパーオキシド0.2、スチレン
30およびアクリロニトリル10からなるインクレ
メント重合成分の混合物を3時間に亘って連続的に添加
し、反応を続けた。添加終了後、さらに撹拌しながら1
時間反応を続けた後、2,2−メチレン−ビス−(4−
エチレン−6−t−ブチルフェノール)0.2を添加
し、反応生成物をフラスコより取り出した。次いで、塩
化カリウム2を用いて生成物を凝固させ、脱水、水
洗、乾燥を行なって、粉末状のポリオルガノシロキサン
強化樹脂(D−2)を得た。 【0069】(D−6)成分: 乳酸鉄および二酸化ビスマスを用いた。 【0070】他の樹脂材料の調製 他の樹脂材料として、ポリブチレンテレフタレート(P
BT)〔カネボウ製、PBT−120)を用いた。難燃性樹脂組成物の製造および評価 表2に示す各成分を、内径50mmの押出機で温度19
0〜240℃の範囲で溶融混練りし、ペレットを作製し
た。得られたペレットを、50z射出成形機を用いて、
成形温度200〜240℃の範囲で成形して試験片を作
製し、その物性を評価した。結果を表2に示す。なお、
物性の評価は、以下のとおりである。 【0071】難燃性 O.I.(酸素指数) 試験片;1/8″×1/2″×5″ UL−94に準拠した燃焼性テスト 試験片;1/8″×1/2″×5″ notV=UL−94 V−テスト実施時において、
炎が消失せず、サンプル治具まで炎が達する。または、
ドリッピングを生じても、サンプルに火種が残り、燃焼
し続ける場合である。また、ドリッピングなしで炎が消
失した場合においても、消失までの時間が30秒を超え
る場合には、notVと判定する。アイゾット衝撃強度 ASTM D256(1/4″、23℃、ノッチ付き)熱変形温度 ASTM D648(18.6Kg/cm2 ) 【0072】 【表2】 【0073】表2から明らかなように、実施例1〜3
本発明の難燃性樹脂組成物は、難燃性がV−0であるこ
とからドロッピングがなく、かつ難燃性にも優れ、本発
明の目的とするものが得られている。これに対し、比較
例3の組成物は、(D)成分の含有量が本発明の範囲外
の難燃性樹脂組成物であり、目的とする難燃性あるいは
樹脂本来の特徴が得られていない。 【0074】 【発明の効果】本発明の難燃性樹脂組成物によれば、
(D)成分を使用することにより、燃焼時のドリッピン
グ(溶融液だれ)を防ぎ、優れた難燃性が得られる。し
かも成形加工時および燃焼時にダイオキシンなどの有害
物質の発生が起こりにくく、さらに実用レベルの高度な
耐衝撃性、耐熱性をも有している。従って、OA機器な
どの事務機器や電気機器などの大型成形品や複雑な成形
品の成形が可能で、実用上優れた材料であり、工業的価
値が極めて大きく、産業上極めて有用である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI C08L 33/08 C08L 33/20 33/20 35/00 35/00 51/08 51/08 69/00 69/00 C08K 5/54 (72)発明者 鴨志田 洋一 東京都中央区築地2丁目11番24号 日本 合成ゴム株式会社内 (56)参考文献 特開 平4−45143(JP,A) 特開 平6−240127(JP,A) 特開 平6−166797(JP,A) 特開 平5−302013(JP,A) 特開 平6−116459(JP,A) 特開 平6−240126(JP,A) 特開 平6−271740(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08L 51/04 C08L 25/04 C08L 33/08 C08L 33/20 C08L 35/00 C08L 51/08 C08L 69/00 C08K 5/13 C08K 5/523 C08K 5/541

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 下記の(A)成分5〜95重量%、およ
    び(B)成分95〜5重量%から成る組成物100重量
    部に対し、(C)成分5〜40重量部、および(D)成
    分0.01〜20重量部を含有する難燃性樹脂組成物。 (A)成分:下記ゴム強化樹脂(A−1)0〜100重
    量%および下記重合体(A−2)100〜0重量%〔た
    だし、(A−1)+(A−2)=100重量%〕からな
    り、かつ(A)成分中のマトリックス樹脂の極限粘度
    [η](メチルエチルケトン中、30℃で測定)が0.
    1〜1.5dl/gである重合体組成物。 ゴム強化樹脂(A−1);ゴム状重合体(a)5〜70
    重量%の存在下に、芳香族ビニル化合物、シアン化ビニ
    ル化合物、(メタ)アクリル酸エステル、酸無水物系単
    量体およびマレイミド系化合物の群から選ばれた少なく
    とも1種の単量体成分(b)95〜30重量%〔ただ
    し、(a)+(b)=100重量%〕を重合して得ら
    れ、かつグラフト率が5〜150重量%であるゴム強化
    樹脂。 重合体(A−2);芳香族ビニル化合物、シアン化ビニ
    ル化合物、(メタ)アクリル酸エステル、酸無水物系単
    量体およびマレイミド系化合物の群から選ばれた少なく
    とも1種の単量体成分を重合して得られる重合体。 (B)成分:ポリカーボネート (C)成分:ハロゲンおよび/またはリン含有化合物 (D)成分:下記に挙げる群から選ばれた少なくとも1
    種の化合物 (D−1);シランカップリング剤(D−2);ポリオルガノシロキサン系重合体(c)5
    〜90重量部の存在下に、ビニル単量体(d)95〜1
    0重量部〔(c)+(d)=100重量部〕を重合して
    得られるポリオルガノシロキサン強化樹脂。
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