JP3364783B2 - 連続脱炭焼鈍炉の加湿ガス供給方法及び装置 - Google Patents
連続脱炭焼鈍炉の加湿ガス供給方法及び装置Info
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Description
おける連続脱炭焼鈍炉において，最適な炉内の温度及び
露点分布を得るための加湿ガス供給方法及び装置に関す
るものである。
においては、ストリップは所定の温度及び炉内湿潤雰囲
気条件のもとで脱炭及び焼鈍されると同時に，ストリッ
プ表面にはＳｉＯ2 を主成分とする酸化層が形成され
る。この酸化層を有するストリップは、脱炭焼鈍工程の
最後にＭｇＯ塗装が施される。その後仕上げ焼鈍過程に
おいて、この酸化層とＭｇＯは焼生成反応によりフォル
ステライトと称されるセラミック皮膜を形成する。この
セラミック皮膜は、絶縁及び、ストリップに張力を付与
することにより磁性、磁歪を改善する機能を合わせ持つ
重要な要素であり、脱炭焼鈍過程において炉温、炉内露
点等の操業条件を最適に制御し、皮膜の下地となる酸化
皮膜の量及び質を適正な範囲に制御することによって、
均質で良質なセラミック皮膜とすることができる。従っ
て、脱炭焼鈍炉においては、脱炭、焼鈍の適正化と、加
えて酸化皮膜の量と質を最適にするために、炉内露点と
炉内温度、ストリップ温度を安定的に制御することが非
常に重要である。
は、例えば特開平８−５３７１２号公報に示されるよう
に、脱炭焼鈍帯の最後部より全量一括してガス供給を行
い、炉前部へ鋼板に対向して流れるようにした脱炭焼鈍
方法において、炉内炉長方向の露点分布を、供給するガ
スの露点及び供給するガスの量の二つの操作量によって
制御する方法が示されている。最後部より一括して供給
されるガスは、鋼板の脱炭及び酸化膜生成の為に必要な
湿潤水素雰囲気ガスであり、炉内にて一定雰囲気温度に
保持されることが必要である。この雰囲気ガスは、ガス
供給経路に設けられた加湿装置により所定の露点に調整
され、炉内に供給される。
脱炭焼鈍方法では、脱炭焼鈍帯の後部より多量の雰囲気
ガスを一括して供給し、供給ガスの温度はほぼ加湿露点
温度で炉内温度に比べて非常に低い為に、供給箇所の炉
内温度及びストリップ温度は、供給される雰囲気ガスの
影響を受けて部分的に温度が低下するという欠点があ
り、脱炭及び酸化膜生成に必要な炉内温度を維持できな
いという問題があった。しかも、雰囲気ガス供給経路に
設けられた加湿装置は、水分飽和の湿潤ガスを生成して
いるため、加湿装置と脱炭焼鈍炉を連結する連結管にお
いて、加湿された雰囲気ガスの温度が低下した場合、不
飽和となって水分の一部が凝縮してドレンとなる為、供
給ガスの露点が変動し、炉内の露点が安定しないという
問題があり、そのために、適正な脱炭と焼鈍及び均質で
良質な酸化層の形成を安定的に行わせることができない
という大きな問題があった。
題点を解決する為になされたもので、脱炭焼鈍帯の後部
よりガスを供給し、前部に向かって鋼板と対向して流れ
るようにした方向性電磁鋼板の連続脱炭焼鈍炉におい
て、連続脱炭焼鈍炉にガスを供給する経路に加湿装置を
設け、該加湿装置のガス出側に設けた一次ガス加熱装置
と、連続脱炭焼鈍炉のガス供給部近傍に設けた二次ガス
加熱装置とを連結管で接続したことを特徴とする方向性
電磁鋼板の連続式脱炭焼鈍炉の加湿ガス供給装置であ
る。また、一次ガス加熱装置と二次ガス加熱装置を連結
する連結管の外側に蒸気配管を配設し、該蒸気配管とガ
ス供給経路を覆う様に外部断熱保温する。さらには、こ
の蒸気配管の替わりに、電熱ヒ−タ−を配設置し、電熱
ヒ−タ−と連結管を覆う様に外部断熱保温する。供給ガ
スは、加湿装置において、脱炭焼鈍炉内で鋼板の脱炭及
び酸化膜生成の為に必要な所定の露点に制御され、引き
続いて一次ガス加熱装置にて加湿露点より高い温度で二
次ガス加熱装置前のガス温度が加湿露点より高くなるよ
うに、加熱される。供給ガスは、続いて連結経路を経て
脱炭焼鈍炉近傍に設けられた二次ガス加熱装置に接続さ
れる。二次ガス加熱装置においては、供給ガスの温度
が、脱炭焼鈍炉への供給部において脱炭焼鈍炉内の温度
とほぼ同等になるように、加熱される。
ガス供給方法及び装置を示す。鋼板２は、脱炭焼鈍炉１
において加熱、再結晶され、さらに、吹込管７から供給
される湿潤雰囲気ガスにより脱炭及び酸化膜の生成がな
される。供給ガス経路には、加湿装置４、一次ガス加熱
装置５が設けれており、脱炭焼鈍炉１の近傍には二次ガ
ス加熱装置６が設置されている。一次ガス加熱装置５と
二次ガス加熱装置６は連結管８で接続されている。供給
ガスは、加湿装置４により所定の露点、例えば５０〜６
０℃に調整され、一次ガス加熱装置５により露点よりさ
らに高い温度、例えば１００〜１１０℃に加熱される。
一次ガス加熱装置により供給ガスを加熱することによ
り、連結管８において表面からの熱放散による温度低下
があっても、二次ガス加熱装置入口において供給ガスの
温度が露点より低くならないようにしている。二次ガス
加熱装置６においては、供給ガスの温度が脱炭焼鈍炉内
の雰囲気ガス温度、例えば８３０〜８５０℃とほぼ同等
となる様に、二次ガス加熱装置から脱炭焼鈍炉までの間
の供給ガス温度降下を考慮して供給ガスを例えば８７０
〜９００℃に加熱する。さらに、第２図に示すように連
結管８の外部に蒸気配管９を配設し、連結管８と該蒸気
配管９を覆う様に外部断熱保温材１０を施工する。蒸気
ドレンはドレントラップを有するドレン管（図示してい
ない）から排出される。ここで、蒸気配管９の代わりに
電熱ヒ−タ−（図示していない）を連結管８の外部にに
配設し、同様に電熱ヒ−タ−と連結管８を覆う様に外部
断熱保温材１０を施工する。電熱ヒ−タ−はヒ−タ−表
面の温度を検出し、電力調整器にて出力を制御すること
によって一定温度に保持される。このようにして、連結
管８における供給ガスの温度低下による水分の凝縮を防
止し、加湿装置４で精度良く加湿された供給ガスを脱炭
焼鈍炉に導くことが可能になるため、炉内露点を精度良
く、安定的に制御することができる。
り、脱炭焼鈍炉内温度とほぼ同等になる様に加熱できる
ので、多量の雰囲気ガスを一括して供給しても、供給部
付近の炉内雰囲気ガス温度或いはストリップ温度が低下
することはなく、鋼板の脱炭及び酸化膜の生成に必要な
炉内温度及び露点を確保できる。二次ガス加熱装置は、
脱炭焼鈍炉のガス供給部近傍に設置されているため、二
次ガス加熱装置から脱炭焼鈍炉までの間での熱放散量を
小さくすることができ、エネルギ−コストを低減するこ
とが可能で、さらに、二次ガス加熱装置から脱炭焼鈍炉
までの間の吹き込み管を耐熱仕様にする必要もないこと
から設備費を大幅に削減することができる。また、加湿
装置によって加湿された供給ガスは、後続する一次ガス
加熱装置にて、加湿露点以上の温度に加熱される為、連
結管において供給ガスの温度低下による水分の凝縮の虞
れがなく、精度の良い露点制御を実現することができ
る。さらに、図２に示すように連結管の外部に蒸気配管
を配設し、連結管と該蒸気配管を覆う様に外部断熱保温
材を施工することによって連結管における供給ガスの温
度低下を小さくすることができ、より安定した露点制御
精度を得ることができる。ここで、蒸気配管の代わりに
電熱ヒ−タ−（図示していない）を連結管の外部に配設
し、連結管と電熱ヒ−タ−を覆う様に外部断熱保温する
ことによっても、同様の効果を奏することができる。こ
のようにして、炉内雰囲気温度、ストリップ温度及び炉
内露点を安定的に適正範囲に制御することが可能にな
り、ストリップの脱炭と焼鈍及び均質で良質な酸化層の
生成を可能にすることができる。
ある。
である。
Claims (4)
- 【請求項１】 連続脱炭焼鈍炉の後部よりガスを供給
し、前部に向かって鋼板と対向して流れるようにした方
向性電磁鋼板の連続脱炭焼鈍炉にあって、連続脱炭焼鈍
炉にガスを供給する経路に加湿装置を設け、該加湿装置
のガス出側に設けた一次ガス加熱装置と、連続脱炭焼鈍
炉のガス供給部近傍に設けた二次ガス加熱装置とを連結
管で接続し、連続脱炭焼鈍炉に供給するガスを前記加湿
装置により所定の露点になる様に加湿調整した後、前記
二次ガス加熱装置前のガス温度が加湿露点より高くなる
様に前記一次ガス加熱装置により一次加熱し、更に連続
脱炭焼鈍炉に供給するガス温度が炉内温度とほぼ同等と
なる様に前記二次ガス加熱装置により脱炭焼鈍炉に供給
する直前に二次加熱することを特徴とする方向性電磁鋼
板の連続脱炭焼鈍炉の加湿ガス供給方法。 - 【請求項２】 連続脱炭焼鈍炉の後部よりガスを供給
し、前部に向かって鋼板と対向して流れるようにした方
向性電磁鋼板の連続脱炭焼鈍炉において、連続脱炭焼鈍
炉にガスを供給する経路に加湿装置を設け、該加湿装置
のガス出側に設けた一次ガス加熱装置と、連続脱炭焼鈍
炉のガス供給部近傍に設けた二次ガス加熱装置とを連結
管で接続したことを特徴とする方向性電磁鋼板の連続脱
炭焼鈍炉の加湿ガス供給装置。 - 【請求項３】 一次ガス加熱装置と二次ガス加熱装置と
を連結する連結管の外側に蒸気配管を配設し、該蒸気配
管と連結管とを覆う様に外部断熱保温材を設けたことを
特徴とする請求項２記載の方向性電磁鋼板の連続脱炭焼
鈍炉の加湿ガス供給装置。 - 【請求項４】 一次ガス加熱装置と二次ガス加熱装置と
を連結する連結管の外側に電熱ヒーターを配設し、該電
熱ヒーターと連結管とを覆う様に外部断熱保温材を設け
たことを特徴とする請求項２記載の方向性電磁鋼板の連
続脱炭焼鈍炉の加湿ガス供給装置。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP35577396A JP3364783B2 (ja) | 1996-12-25 | 1996-12-25 | 連続脱炭焼鈍炉の加湿ガス供給方法及び装置 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP35577396A JP3364783B2 (ja) | 1996-12-25 | 1996-12-25 | 連続脱炭焼鈍炉の加湿ガス供給方法及び装置 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH10183257A JPH10183257A (ja) | 1998-07-14 |
| JP3364783B2 true JP3364783B2 (ja) | 2003-01-08 |
Family
ID=18445685
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP35577396A Expired - Fee Related JP3364783B2 (ja) | 1996-12-25 | 1996-12-25 | 連続脱炭焼鈍炉の加湿ガス供給方法及び装置 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP3364783B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| KR101328241B1 (ko) * | 2011-12-23 | 2013-11-14 | 주식회사 포스코 | 분위기 가열장치 |
| CN112481484B (zh) * | 2020-11-10 | 2022-04-01 | 马鞍山钢铁股份有限公司 | 一种不同合金成分热镀锌产品的露点自适应控制方法 |
-
1996
- 1996-12-25 JP JP35577396A patent/JP3364783B2/ja not_active Expired - Fee Related
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|---|---|
| JPH10183257A (ja) | 1998-07-14 |
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