JP3364438B2 - 物質の処理方法および物質の処理剤 - Google Patents

物質の処理方法および物質の処理剤

Info

Publication number
JP3364438B2
JP3364438B2 JP29763298A JP29763298A JP3364438B2 JP 3364438 B2 JP3364438 B2 JP 3364438B2 JP 29763298 A JP29763298 A JP 29763298A JP 29763298 A JP29763298 A JP 29763298A JP 3364438 B2 JP3364438 B2 JP 3364438B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
treated
microorganism
microorganisms
carrier
institute
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP29763298A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2000106870A (ja
Inventor
康則 丸林
Original Assignee
康則 丸林
田中 芳武
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by 康則 丸林, 田中 芳武 filed Critical 康則 丸林
Priority to JP29763298A priority Critical patent/JP3364438B2/ja
Publication of JP2000106870A publication Critical patent/JP2000106870A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3364438B2 publication Critical patent/JP3364438B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02WCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO WASTEWATER TREATMENT OR WASTE MANAGEMENT
    • Y02W10/00Technologies for wastewater treatment
    • Y02W10/10Biological treatment of water, waste water, or sewage

Landscapes

  • Immobilizing And Processing Of Enzymes And Microorganisms (AREA)
  • Micro-Organisms Or Cultivation Processes Thereof (AREA)
  • Biological Treatment Of Waste Water (AREA)
  • Processing Of Solid Wastes (AREA)
  • Purification Treatments By Anaerobic Or Anaerobic And Aerobic Bacteria Or Animals (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、微生物を用いた物
質の処理方法および物質の処理剤に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、六価クロムを始めとする重金属化
合物やヒ素、さらにはダイオキシンなどによる環境の汚
染が、社会問題となっている。
【0003】このような物質により環境が汚染される
と、大気、飲料水、食物等を通じ、人間の健康に悪影響
を与える。
【0004】このため、産業廃棄物や、工場排水中から
このような物質を除去し、環境の汚染を防止すること
が、急務となっている。
【0005】また、このような物質により汚染された土
壌や地下水、湖沼などを浄化することも、急務となって
いる。
【0006】このような物質を除去する方法としては、
例えば、工場排水を活性炭で処理し、活性炭にかかる物
質を吸着させる物理化学的方法が知られている。
【0007】しかし、この方法は、処理の効率が悪い。
また、あくまで物質を吸着するだけであり、分解するわ
けではないので、問題の本質的な解決にはなっていな
い。さらには、処理を行った活性炭を処分する必要があ
るので、新たに廃棄物が生じることになる。従って、こ
の方法では、環境汚染の問題を十分に解決することがで
きない。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、環境
を汚染し、人間の健康に悪影響を与える物質などを処理
する方法、および、かかる物質などを処理できる処理剤
を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】このような目的は、下記
(1)〜(2)の本発明により達成される。
【0010】(1) 被処理物に、バチルス シルクラ
ンス(Bacillus circulans)TOM98−04株(工業
技術院生命工学研究所寄託 FERM P−1697
7)を接触させて、前記被処理物にそれに応じて濃度減
少、脱色、臭気消失または分解を生じさせる物質の処理
方法であって、前記被処理物は、ヒ素、六価クロム、メ
タノール、古米、腐敗物、生物の死骸および排泄物より
なる群から選択される少なくとも1つであることを特徴
とする物質の処理方法。
【0011】(2) バチルス シルクランス(Bacill
us circulans)TOM98−04株(工業技術院生命工
学研究所寄託 FERM P−16977)を含有し、
ヒ素、六価クロム、メタノール、古米、腐敗物、生物の
死骸および排泄物よりなる群から選択される少なくとも
1つの被処理物に接触させたとき、該被処理物をそれに
応じて濃度減少、脱色、臭気消失または分解する性質を
有することを特徴とする物質の処理剤。
【0012】
【0013】
【0014】
【0015】
【0016】
【0017】
【0018】
【0019】
【0020】
【0021】
【0022】
【0023】
【0024】
【0025】
【0026】
【0027】
【0028】
【0029】
【0030】
【0031】
【0032】
【0033】
【0034】
【0035】
【発明の実施の形態】以下、本発明を好適実施例に基づ
いて詳細に説明する。
【0036】本発明は、被処理物に微生物を接触させ
て、被処理物の処理を行う。本発明に用いられる微生物
は、バチルス シルクランス(Bacillus circulans)に
属する微生物である。
【0037】この微生物は、生体に対して危険性がな
く、取扱いも容易である。このような微生物としては、
例えば、TOM98−04株(工業技術院生命工学研究
所寄託 FERM P−16977)や、この株が属す
る種または亜種に分類される(含まれる)微生物が挙げ
られる。
【0038】なお、本発明に用いられる微生物は、バチ
ルス シルクランス(Bacillus circulans)に属する微
生物を少なくとも1種含む微生物(例えば複合菌など)
であってもよい。
【0039】また、微生物は、生細胞、凍結物、凍結乾
燥物等いずれの状態であってもよい。
【0040】さらに、微生物は、液体中等に遊離した状
態のものを用いてもよいし、担体に担持された状態のも
のを用いてもよい。その中でも、担体に担持された状態
の微生物を用いることが好ましい。微生物を担体に担持
することにより、処理時に微生物を高密度に維持するこ
とが可能となる。また、担体により、微生物が生存に適
した環境を提供することができる。従って、被処理物の
処理効率が向上する。
【0041】担体としては、例えば、有機担体や無機担
体などが挙げられる。担体が無機担体の場合、かかる無
機担体は、多孔質体であることが好ましい。担体が多孔
質体であると、より高密度で微生物を担持することが可
能になる。さらには、担体の表面積が増大するので、被
処理物が液体中に存在し、かかる液体を担体に通過させ
た場合、微生物が被処理物により接触しやすくなる。こ
のため、被処理物の処理効率が向上する。
【0042】このような担体としては、例えば、多孔質
ガラス、シリカゲル、多孔質セラミックス、木炭、多孔
質性の岩石などが挙げられる。
【0043】また、担体が無機担体の場合、かかる無機
担体は、粉体であることが好ましい。担体が粉体である
と、より高密度で微生物を担持することが可能になる。
さらには、被処理物が液体中に存在する場合、液体が担
体全体に均一に行き渡りやすい。しかも、微生物が被処
理物に、より接触しやすくなる。このため、被処理物の
処理効率が向上する。
【0044】担体が粉体の場合、その平均粒径は、被処
理物の種類や処理条件により若干異なるが、0.01〜
1mm程度であることが好ましく、0.1〜0.9mm程度
であることがより好ましい。平均粒径がこの範囲内であ
ると、高密度かつ処理に適した条件で微生物を担持する
ことが可能になる。さらには、平均粒径がこの範囲内で
あると、担体に液体を通過させ被処理物を処理する場合
は、液体が担体を円滑に通過しつつ効率的に被処理物の
処理を行うことができる。
【0045】このような担体としては、例えば、粘土、
砂、岩石を粉砕したもの、シリカ、アルミナ等のセラミ
ックス粉などが挙げられる。
【0046】有機担体としては、例えば、アルギン酸、
寒天、コラーゲン、ポリアクリルアミド、ポリウレタ
ン、ポリビニールアルコール等の高分子ゲル、半透膜等
で構成されたマイクロカプセルなどが挙げられる。
【0047】なお、微生物を担体に担持させる方法とし
ては、例えば、担体に微生物の懸濁液を通過させる方
法、担体と微生物とを混合する方法などが挙げられる。
【0048】微生物を担体に担持させることにより、微
生物の保存性と取扱い性が向上する。特に、担体に担持
させた微生物は、長期間保存することができるようにな
る。このため、微生物を担持した担体は、単なる物質の
処理剤として、微生物の存在をあまり意識することなく
用いることができる。
【0049】このような処理剤は、乾燥していることが
好ましい。乾燥していることにより、微生物が休眠状態
となり、処理剤を長期間好適に保存できる。処理剤を乾
燥させる方法としては、例えば、自然乾燥、強制乾燥、
凍結乾燥などが挙げられる。
【0050】処理剤が乾燥している場合、被処理物の処
理を開始するとき、あるいは開始の準備を行うときに、
処理剤を湿潤させることにより、微生物の活動を再開さ
せることができる。
【0051】処理剤(担体)中の微生物の含有量は、1
×105 〜1×1012個/mg程度が好ましく、1×10
6 〜1×1012個/mg程度がより好ましく、1×108
〜1×1012個/mg程度がさらに好ましい。このような
含有量であると被処理物をより効率よく処理できる。
【0052】なお、処理剤は微生物単体(例えば、微生
物の凍結物、凍結乾燥物など)であってもよい。
【0053】本発明における被処理物の処理とは、主と
して、被処理物の分解、あるいは、被処理物の変質(被
処理物を酸化、還元すること、被処理物の活性、毒性を
低下させること、被処理物を無臭化することを含む)を
生じさせることを意味する。
【0054】被処理物としては、例えば、重金属を始め
とする金属が挙げられる。重金属としては、例えば、ス
ズ、鉛、水銀、カドミウム、亜鉛、銅、ニッケル、鉄、
マンガン、クロムなどが挙げられる。さらに、被処理物
として、これら重金属の化合物すなわち重金属化合物や
その他金属化合物が挙げられる。重金属化合物として
は、例えば、有機水銀、有機スズ、有機鉛などが挙げら
れる。
【0055】また、被処理物としては、例えば、芳香族
化合物や芳香族含有化合物が挙げられる。この例として
は、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン、クロロベ
ンゼン、フェノール、安息香酸、ピリジン、ナフタレ
ン、アントラセン、フェナントレン、ダイオキシン、P
CB、2,4−ジクロロフェノキシ酢酸、DDT、リグ
ニンなどが挙げられる。
【0056】また、被処理物としては、例えば、大気汚
染物質が挙げられる。大気汚染物質としては、例えば、
NOx 、SOx 、塩化水素、フロン等のフッ素化合物な
どが挙げられる。
【0057】また、被処理物としては、例えば、人体に
対し毒性を有する物質が挙げられる。このような物質と
しては、例えば、鉛、水銀、有機水銀、有機スズ、六価
クロム等の重金属や重金属化合物、ダイオキシン、PC
B等の芳香族化合物や芳香族含有化合物、ハロゲン化合
物、各種農薬、ヒ素、ヒ素化合物、有機リン化合物、セ
レン、青酸化合物、エンドトキシン、大気汚染物質、環
境ホルモン類、毒ガス等の化学兵器などが挙げられる。
【0058】また、被処理物としては、例えば、メタノ
ール、エタノール、プロパノール、ブタノール等の低級
アルコールを始めとするアルコールが挙げられる。
【0059】また、被処理物としては、例えば、各種タ
ンパク質や各種糖類などが挙げられる。糖類としては、
例えば、デンプン、セルロース等の多糖類、スクロー
ス、マルトース等の二糖類、グルコース、リボース等の
単糖類などがあげられる。タンパク質としては、例え
ば、コラーゲン、ケラチン、プリオンなどが挙げられ
る。
【0060】また、被処理物としては、例えば、農林業
廃棄物が挙げられる。農林業廃棄物としては、例えば、
稲ワラ、木材チップなどが挙げられる。
【0061】また、被処理物としては、例えば、発酵廃
棄物が挙げられる。発酵廃棄物としては、例えば、培養
液、微生物菌体などが挙げられる。
【0062】また、被処理物としては、例えば、臭気を
発する物質が挙げられる。このような臭気を発する物質
としては、例えば、アンモニア、硫化水素、メルカプタ
ン等の各種イオウ化合物、インドール、古米等の古くな
った食品などが挙げられる。
【0063】また、被処理物としては、例えば、腐敗物
が挙げられる。このような腐敗物としては、例えば、生
ゴミ、腐敗した食品などが挙げられる。
【0064】また、被処理物としては、例えば、生物の
死骸が挙げられる。このような生物の死骸としては、例
えば、動物(微生物も含む)の死骸、アオコなどが挙げ
られる。
【0065】また、被処理物としては、例えば、動物の
排泄物が挙げられる。このような排泄物としては、例え
ば、人間や家畜の糞尿などが挙げられる。
【0066】また、被処理物としては、例えば、各種色
素が挙げられる。この色素としては、天然色素、合成色
素のいずれでもよい。本発明の微生物により色素が処理
されることにより、変色、脱色が生じる。
【0067】また、被処理物としては、例えば、芳香族
化合物、芳香族含有化合物、各種農薬、有機リン化合
物、アルコール、腐敗物、生物の死骸、排泄物などの有
機物が挙げられる。
【0068】このように、本発明では、上述したような
微生物で様々な物質の処理が可能である。すなわち、本
発明を用いて物質を処理する場合、広範囲のものに適用
可能であり、応用範囲が広い。また、例えば土壌や液体
あるいは固体中に多種の被処理物を含んでいても、これ
らのうちの全部または一部を上述した微生物で同時にま
たは選択的に分解することができるようになる。
【0069】なお、本発明では、被処理物を処理する際
の被処理物の形態は特に限定されず、様々な形態の被処
理物を処理することが可能である。例えば、本発明で
は、固体の被処理物、液体の被処理物、液体に溶解また
は分散した被処理物(工業排水、農業排水、家庭排水な
ども含む)、土壌や汚泥中に拡散した被処理物など様々
な形態の被処理物を処理することが可能である。
【0070】被処理物が固体の場合、被処理物に微生物
を接触させる方法としては、例えば、被処理物に微生物
を接種する方法、被処理物と微生物とを混合する方法な
どが挙げられる。特に、微生物を粉体の担体に担持させ
ると、被処理物と微生物との混合が容易になる。
【0071】被処理物が液体の場合、被処理物が液体に
溶解または分散している場合、被処理物に微生物を接触
させる方法としては、例えば、液体に微生物を添加する
方法、微生物を担持した担体に液体を通過させる方法、
微生物を担持した担体を液体に浸漬する方法などが挙げ
られる。
【0072】被処理物が土壌や汚泥中に拡散している場
合、被処理物に微生物を接触させる方法としては、例え
ば、土壌や汚泥に微生物を散布あるいは注入する方法な
どが挙げられる。特に、微生物を粉体の担体に担持させ
ると、微生物を土壌や汚泥に散布または注入することが
容易となる。
【0073】このように、本発明では、微生物を単に被
処理物に接触させるだけでよいので、処理の方法も極め
て簡単である。
【0074】なお、被処理物に微生物を接触させる際、
有酸素下で被処理物に微生物を接触させることが好まし
い。これにより、本発明に用いられる微生物が活性化さ
れ、被処理物の処理効率が向上する。特に、処理中は、
定期的にまたは連続的に、微生物に能動的に酸素を供給
することがより好ましい。
【0075】能動的に酸素を供給する方法としては、被
処理物が液体の場合、被処理物が液体に溶解または分散
している場合などでは、例えば、液体を攪拌する方法、
ポンプを用いて液体中に空気を送り、酸素を供給する方
法、液体をシャワーのように微生物に降りかける方法な
どが挙げられる。
【0076】被処理物が固体の場合、被処理物が土壌や
汚泥中に拡散している場合などでは、能動的に酸素を供
給する方法としては、例えば、固体や土壌、汚泥等を攪
拌する方法などが挙げられる。
【0077】被処理物に微生物を接触させるときの温度
は、0〜80℃程度であることが好ましく、10〜45
℃程度であることがより好ましい。被処理物に微生物を
接触させるときの温度がこの範囲内であると、より効率
的に被処理物の処理を行うことができる。
【0078】本発明に用いられる微生物の特徴の1つと
して、例えば、シリカ、珪酸塩、アルミノ珪酸塩等か
ら、珪素を微生物自身の生命サイクルに取り入れること
が可能なことが挙げられる。さらに、本発明に用いられ
る微生物の特徴の1つとして、例えば、生命サイクルに
取り入れた珪素を、バイオマス合成に利用することが可
能なことが挙げられる。従って、本発明に用いられる微
生物には、このような性質を有する珪酸塩微生物も含ま
れる。
【0079】本発明に用いられる微生物を、水(蒸留
水)に投入し、一定時間(例えば30分間)放置したと
き、放置した水は、3000〜10000μS程度の電
気導電度を示すことが好ましく、5000〜7000μ
S程度の電気導電度を示すことがより好ましい。この範
囲の電気導電度を示す微生物を用いると、被処理物の処
理効率が向上する。
【0080】本発明に用いられる微生物を、水(蒸留
水)に投入し、一定時間(例えば30分間)放置したと
き、放置した水は、−50〜30mV程度の酸化還元電位
を示すことが好ましく、−30〜10mV程度の酸化還元
電位を示すことがより好ましい。この範囲の酸化還元電
位を示す微生物を用いると、被処理物の処理効率が向上
する。
【0081】本発明に用いられる微生物を、水(蒸留
水)に投入し、一定時間(例えば30分間)放置したと
き、放置した水は、8〜13程度のpHを示すことが好
ましく、10〜12.5程度のpHを示すことがより好
ましい。この範囲のpHを示す微生物を用いると、被処
理物の処理効率が向上する。
【0082】なお、被処理物の処理を開始する前に、あ
らかじめ微生物を培養し、増殖させておいてもよい。こ
れにより、被処理物に接触する微生物の数を増やすこと
ができ、より大量の被処理物を処理することが可能にな
る。
【0083】本発明に用いられる微生物は、培養が容易
であり、しかも増殖力が旺盛である。従って、微生物の
量を容易に増やすことができ、処理スケールの大規模化
が容易となる。このため、工業、農業等の産業レベルで
被処理物を有用に処理することができる。
【0084】かかる観点からは、本発明に用いられる微
生物は、より増殖力が旺盛なものが好ましい。
【0085】特に、本発明に用いられる微生物は、アル
カリ条件下(例えばpH9〜12)、沸騰水浴中で生存
可能なものが好ましい。このような微生物を用いると、
微生物の生存にとって劣悪な環境下でも、被処理物の処
理効率が落ちにくくなる。
【0086】また、本発明に用いられる微生物は、かか
る微生物に対し湿熱殺菌を行い(例えば1気圧加圧下、
121℃×15分)、この湿熱殺菌を行った微生物を固
体培地(例えば寒天培地など)に接種し、かかる固体培
地中でそのまま培養を行ったときに、一週間以内にコロ
ニーを形成するものが好ましい。このような微生物を用
いると、微生物の生存にとって劣悪な環境下でも、被処
理物の処理効率が落ちにくくなる。さらには、微生物の
量を容易に増やすことができ、処理スケールの大型化が
容易となる。
【0087】また、本発明に用いられる微生物は、液体
培地に本発明の微生物を接種し、この微生物を含む液体
培地に湿熱殺菌を行い(例えば1気圧加圧下、121℃
×15分)、かかる湿熱殺菌後の液体培地中でそのまま
培養を行ったとき(すなわち湿熱殺菌後新たに微生物を
接種せず、そのまま培養を行ったとき)に、24時間以
内に、可視光の吸光度であるOD値(例えば波長550
nmの吸光度であるOD550 )が1を超えるものが好まし
い。このような微生物を用いると、微生物の生存にとっ
て劣悪な環境下でも、被処理物の処理効率が落ちにくく
なる。さらには、微生物の量を容易に増やすことがで
き、処理スケールの大型化が容易となる。
【0088】さらに、本発明に用いられる微生物は、炭
素源の少ない培地で培養可能なものが好ましい。このよ
うな微生物を用いると、栄養分の少ない環境条件下で
も、被処理物の処理が効率よく行えるようになる。
【0089】炭素源の少ない培地としては、例えば、培
地1L中で、エネルギー源となる物質から得られる自由
エネルギーの総計が、グルコース10gから得られる自
由エネルギーよりも小さい培地が挙げられる。さらに、
炭素源の少ない培地としては、例えば、培地1L中で、
エネルギー源となる物質から得られる自由エネルギーの
総計が、グルコース6gから得られる自由エネルギーよ
りも小さい培地が挙げられる。
【0090】このような培地としては、例えば、炭素源
としてグルコースのみを用いた最小培地(M9培地)
の、培地1L中のグルコース量が6g未満のものが挙げ
られる。
【0091】さらに、本発明に用いられる微生物は、糖
類および脂質を実質的に含まない培地で培養可能である
ことが好ましい。このような微生物を用いると、栄養分
の少ない環境条件下でも、被処理物の処理が効率よく行
えるようになる。
【0092】ここで、糖類および脂質を実質的に含まな
い培地とは、例えば、一般的な培地に含まれている糖類
および脂質の量に比し明らかにこれらの含有量が少ない
培地をいう。
【0093】糖類および脂質を実質的に含まない培地と
しては、例えば、糖類、脂質およびこれらを含有する物
質を添加しないで調整した培地(特に最小培地)などが
挙げられる。
【0094】
【実施例】1.微生物の培養 以下の実験に使用した培地は、常法で滅菌した培地を用
いた。
【0095】[1.1]寒天培地での培養 [1.1.A]TOM98−04株(工業技術院生命工
学研究所寄託 FERM P−16977)を、鉱石の
粉末(平均粒径0.3mm)に担持させたものを用意し、
これに湿熱殺菌を行った。湿熱殺菌の条件は、1気圧加
圧下、121℃×15分であった。
【0096】[1.1.B]また、以下の組成の寒天培
地を調整した。培地のpHは7.0に調整した。
【0097】 グリセロール :10 g/L NH4NO3 :1 g/L K2HPO4 :0.2g/L MgCl2 :0.1g/L K2SO4 :0.2g/L NaCl :3 g/L MOPS(3−モルホリノプロパンスルホン酸):10 g/L *微量の金属成分 *微量の金属成分として、Ca、Fe、Znをそれぞれ
30mg/L、Mn、Cu、Co、Niをそれぞれ3mg/L、
培地中に添加した。
【0098】上記のように、この培地1L中で、エネル
ギー源となる物質から得られる自由エネルギーの量は、
グルコース6gから得られる自由エネルギーの量よりも
小さかった。
【0099】[1.1.C]上記[1.1.B]で調整
した寒天培地上に、上記[1.1.A]の操作を行った
鉱石の粉末を0.2g載せ、これを薄く広げた。
【0100】[1.1.D]その後、かかる寒天培地を
常温(20℃)で保温し、1週間後、コロニーの出現の
有無を調べた。
【0101】その結果、寒天培地上にコロニーの出現が
確認された。なお、このコロニーは、以下の方法から、
主にTOM98−04株で構成されているものと同定さ
れた。
【0102】出現したコロニーの主要グループを、上記
[1.1.B]と同様の寒天培地に移植、保温し、生育
を確認した後、保存した。
【0103】そして、この寒天培地中で生育した微生物
と、TOM98−04株とを比較した。その結果、以下
の点で両者は一致した。
【0104】肉眼観察法において、寒天培地上に出現
したコロニーのサイズ、色調、コロニー背面の色調、平
均生育日数が、両者で一致した。
【0105】顕微鏡観察法において、両者の細胞の形
態が一致した。
【0106】グラム染色と芽胞染色において、両者は
実質的に同様に染色された。
【0107】前記[1.1.B]と同様の組成の液体
培地で、30℃、60時間生育させた。その結果、両者
の生育曲線とpH曲線は、実質的に一致した。また、両
者の培養液の色調もほぼ同一と認められた。
【0108】それぞれpH7とpH10の緩衝液に微
生物を懸濁し、60℃と沸騰水中でそれぞれ1時間保温
した後、微生物の生存の有無を調べた。その結果、これ
らすべての条件下(4種類の条件下)で、両者はいずれ
も生存が確認された。
【0109】これにより、上述したような湿熱殺菌を行
った後、培養により増殖した微生物は主にTOM98−
04株で構成されていることが確認された。
【0110】[1.2]液体培地での培養 [1.2.A]以下の組成の液体培地を調整した。培地
のpHは7.0に調整した。
【0111】 グリセロール :10 g/L NH4NO3 :1 g/L K2HPO4 :0.2g/L MgCl2 :0.1g/L K2SO4 :0.2g/L NaCl :3 g/L MOPS(3−モルホリノプロパンスルホン酸):10 g/L 鉱石の微細紛 :1 g/L *微量の金属成分 *微量の金属成分として、Ca、Fe、Znをそれぞれ
30mg/L、Mn、Cu、Co、Niをそれぞれ3mg/L、
培地中に添加した。鉱石の微細紛の平均粒径は、0.3
mmであった。
【0112】上記のように、この培地1L中で、エネル
ギー源となる物質から得られる自由エネルギーの量は、
グルコース6gから得られる自由エネルギーの量よりも
小さかった。
【0113】[1.2.B]上記[1.2.A]で調整
した液体培地1Lに、TOM98−04株(工業技術院
生命工学研究所寄託 FERM P−16977)を鉱
石の粉末(平均粒径0.3mm)に担持させたものを0.
2g添加し、かかる培地に湿熱殺菌を行った。湿熱殺菌
の条件は、1気圧加圧下、121℃×15分であった。
【0114】[1.2.C]湿熱殺菌後、湿熱殺菌した
培地でそのまま(新たに微生物を添加せずに)微生物の
培養を行った。培養温度は37℃であった。
【0115】そして、培養中、培地中の550nmの吸光
度(OD550 )を適宜測定した。その結果、培養開始か
ら24時間経過後には、OD550 が1を超えていた。
【0116】なお、この増殖した微生物は、前記と同様
の方法から、主にTOM98−04株で構成されている
ものと同定された。
【0117】2.微生物の性質 [2.1]電気伝導度
【0118】まず、TOM98−04株(工業技術院生
命工学研究所寄託 FERM P−16977)を、鉱
石の粉末(平均粒径0.3mm)に担持させたものを1g
用意した。
【0119】次に、これを純水100mLに添加し、室温
(15℃)で30分間放置した。この放置した純水(微
生物を添加した純水)の電気伝導度を測定したところ、
6500μSであった。
【0120】[2.2]酸化還元電位 まず、TOM98−04株(工業技術院生命工学研究所
寄託 FERM P−16977)を、鉱石の粉末(平
均粒径0.3mm)に担持させたものを1g用意した。
【0121】次に、これを純水100mLに添加し、室温
(15℃)で30分間放置した。この放置した純水(微
生物を添加した純水)の酸化還元電位を測定したとこ
ろ、−20mVであった。
【0122】[2.3]pH まず、TOM98−04株(工業技術院生命工学研究所
寄託 FERM P−16977)を、鉱石の粉末(平
均粒径0.3mm)に担持させたものを1g用意した。
【0123】次に、これを純水100mLに添加し、室温
(15℃)で30分間放置した。この放置した純水(微
生物を添加した純水)のpHを測定したところ、11.
5であった。
【0124】[2.4]アルカリ条件下、沸騰水浴中で
の生存 まず、TOM98−04株(工業技術院生命工学研究所
寄託 FERM P−16977)を、鉱石の粉末(平
均粒径0.3mm)に担持させたものを1g用意した。
【0125】次に、これを、pH10、10g/L 炭酸ナ
トリウム緩衝液100mLに添加し、沸騰水中で10時間
湯浴した。
【0126】湯浴後、前記炭酸ナトリウム緩衝液中に生
存していた微生物を前記と同様の方法により調べたとこ
ろ、かかる微生物は、主にTOM98−04株で構成さ
れていることが確認された。
【0127】3.TOM98−04株による物質の処理 [3.1]ヒ素の処理
【0128】TOM98−04株(工業技術院生命工学
研究所寄託 FERM P−16977)を鉱石の粉末
(平均粒径0.3mm)に担持させたものを用意し、以下
の実験を行った。なお、この担体中に含まれる前記微生
物の数(安定時)を分析したところ、約1×1011個/
mgであった。
【0129】また、ヒ素で汚染された乾燥土壌(ヒ素含
有量約250mg/kg 以上)を用意した。この土壌は、粒
径が0.01〜5mm程度の分布を有する粉粒状であっ
た。
【0130】まず、このヒ素で汚染された乾燥土壌20
gに前記微生物を担持させた担体1gを加え、混合し
た。
【0131】また、純水1Lに前記微生物を担持させた
担体1gを添加して30分間放置したものを用意した。
【0132】そして、この放置した水の上澄み液を30
mL分取し、そこに、前記ヒ素で汚染された乾燥土壌と前
記微生物を担持させた担体との混合物を添加した。加え
て、さらにそこに、新たに、前記微生物を担持させた担
体2gを添加した。
【0133】そして、この水(試料)を時々(3〜4回
/日)攪伴(1回当たり10〜15秒間程度)した。
【0134】2日後、この試料の沈澱(土壌)および上
澄み液のヒ素含有量をそれぞれ分析した。
【0135】この試験を2回行った。その結果を表1に
示す。なお、ヒ素含有量の分析は、JIS K 010
2−61.1に基づいて行った。また、土壌中の含水率
は、環境庁告示第13号に基づいて測定した。
【0136】
【表1】
【0137】表1の結果に示されるように、上記微生物
を用いて処理を行ったところ、水中および土壌中のヒ素
の濃度が減少したことが確認された。
【0138】[3.2]六価クロムの処理 TOM98−04株(工業技術院生命工学研究所寄託
FERM P−16977)を鉱石の粉末(平均粒径
0.3mm)に担持させたものを用意し、以下の実験を行
った。なお、この担体中に含まれる前記微生物の数(安
定時)を分析したところ、約1×1011個/mgであっ
た。
【0139】また、試料として、50mg/L以上の六価ク
ロム(Cr6+)含有水溶液を用意した。この水溶液は、
黄色がかった緑色を呈していた。
【0140】この六価クロム含有水溶液100mLに、前
記微生物を担持した担体を2g添加した。さらにそこ
に、純水1Lに前記微生物を担持させた担体1gを添加
して30分間放置したものの上澄み液5mLを添加した。
【0141】そして、この試料を時々(3〜4回/日)
攪伴(1回当たり15〜20秒)した。
【0142】14日後、この水溶液の六価クロムの濃度
を測定した。その結果、六価クロムの濃度は、2.8mg
/Lとなっていた。また、水溶液の色が、ほぼ消滅してい
た(無色となっていた)。
【0143】これにより、上記微生物を用いて、六価ク
ロムを含有する水溶液を処理したところ、六価クロムの
濃度が減少したことが確認された。なお、測定は、JI
S K 0102 規格65.2.1に基づいて行っ
た。
【0144】[3.3]リグニンの処理 TOM98−04株(工業技術院生命工学研究所寄託
FERM P−16977)を鉱石の粉末(平均粒径
0.3mm)に担持させたものを用意し、以下の実験を行
った。なお、この担体中に含まれる前記微生物の数(安
定時)を分析したところ、約1×1011個/mgであっ
た。
【0145】また、試料としてリグニン((株)エヌエ
ムピー社製「ポゾリスNo.8」)の粉末を用意した。
この試料は、ほぼ100%、リグニンで構成されてい
た。
【0146】まず、純水1Lに前記微生物を担持させた
担体1gを添加して30分間放置したものの上澄み液を
50mL分取し、そこに、前記リグニンの粉末を10g添
加した。この試料の一部は水に溶け、残りは溶けきらず
に沈澱した。
【0147】そして、このリグニンを添加した水を時々
(3〜4回/日)攪伴(1回当たり15〜20秒間程
度)した。
【0148】その結果、ほぼ12時間で、この水から試
料の臭いが消失した。また、この水に対して定料分析を
行ったところ、上澄み液中のリグニンの濃度は0.9%
となっていた。また、沈澱物中のリグニンの濃度は1
0.1%となっていた。
【0149】これにより、上記微生物を用いて、リグニ
ンを処理したところ、リグニンが分解され、リグニンの
濃度が減少したことが確認された。なお、この分析は、
高速液体クロマトグラフ(HPLC)を用いて行った。
【0150】[3.4]メタノールの処理 TOM98−04株(工業技術院生命工学研究所寄託
FERM P−16977)を鉱石の粉末(平均粒径
0.3mm)に担持させたものを用意し、以下の実験を行
った。なお、この担体中に含まれる前記微生物の数(安
定時)を分析したところ、約1×1011個/mgであっ
た。
【0151】まず、メタノール(CH3 OH)50mL
に、純水1Lに前記微生物を担持させた担体1gを添加
して30分間放置したものの上澄み液を10mL加えた。
さらにそこに、前記微生物を担持した担体を10g添加
した。また、蒸発を防ぐため、このメタノールの入った
容器にフタをした。そして、これを時々(3〜4回/
日)攪伴(1回当たり15〜20秒)した。
【0152】1週間後、この容器からメタノールの臭気
はほぼ完全に消失していた。また、メタノールはほぼ完
全に分解されていた。
【0153】これにより、上記微生物を用いて、メタノ
ールを処理したところ、メタノールが分解されたことが
確認された。
【0154】[3.5]古米の処理 TOM98−04株(工業技術院生命工学研究所寄託
FERM P−16977)を鉱石の粉末(平均粒径
0.3mm)に担持させたものを用意し、以下の実験を行
った。なお、この担体中に含まれる前記微生物の数(安
定時)を分析したところ、約1×1011個/mgであっ
た。
【0155】また、試料として、古米(6〜7年来)を
用意した。まず、前記古米3合を洗米し、通常適量水を
入れて5時間放置後、これに、純水1Lに前記微生物を
担持させた担体1gを添加して30分間放置したものの
上澄み液を20mL添加して、攪伴した。
【0156】このとき、洗米水は瞬時に黄色化した。こ
れにより、古米の色が脱色されたことが確認された。
【0157】そして、この黄色化した洗米水を捨て、新
たな洗米水で3回、前記古米を洗米し、これを電気炊飯
器で炊飯した。
【0158】その結果、この古米は、通常米と同様の食
味となった。また、この古米が有していた臭気も消失し
ていた。
【0159】一方、前記と同様の古米を、特に処理を施
さずに、通常の電気炊飯器で炊飯した。その結果、この
古米は、臭気はなはだしく、弾力に乏しく、黄色がかっ
ており、食味が感じられなかった。
【0160】[3.6]腐敗物の処理 TOM98−04株(工業技術院生命工学研究所寄託
FERM P−16977)を鉱石の粉末(平均粒径
0.3mm)に担持させたものを用意し、以下の実験を行
った。なお、この担体中に含まれる前記微生物の数(安
定時)を分析したところ、約1×1011個/mgであっ
た。
【0161】土壌2kgと、鮭の解体溶液(血液およびイ
クラ混合水)500mLとを用意した。
【0162】まず、両者をよく混合し、4日間放置し
て、悪臭の発生源とした。次に、これに前記微生物を担
持した担体を30g添加してよく混ぜ合わせた。そし
て、これを時々(3〜4回/日)攪伴(1回当たり15
〜20秒)した。
【0163】その結果、1日目から急速に悪臭が減り、
14日間でほぼ完全に悪臭が消失した。それとともに、
この悪臭の発生源から、芳ばしい香りが生じていること
が確認された。また、土壌の色は黒色から茶色に変化し
た。
【0164】これにより、上記微生物を用いて、腐敗物
を処理したところ、腐敗物の悪臭を除去できたことが確
認された。
【0165】[3.7]家畜の排泄物の処理 TOM98−04株(工業技術院生命工学研究所寄託
FERM P−16977)を鉱石の粉末(平均粒径
0.3mm)に担持させたものを用意し、以下の実験を行
った。なお、この担体中に含まれる前記微生物の数(安
定時)を分析したところ、約1×1011個/mgであっ
た。また、試料として原尿を用意した。
【0166】まず、原尿100mLに前記微生物を担持し
た担体を10g添加して攪伴し、2日間放置した。
【0167】その結果、原尿の色が薄まるとともに、固
形物が沈澱した。さらには、この原尿の悪臭は弱められ
た。
【0168】次に、この固形物が沈澱した原尿に、純水
1Lに前記微生物を担持させた担体1gを添加して30
分間放置したものの上澄み液を20mL添加し、攪伴し
た。
【0169】その結果、この原尿の上澄み液は、ほぼ瞬
時に(20〜30秒で)白ワイン色に変化した。さらに
は、この原尿の悪臭は徐々に消失した。また、沈澱した
固形物も徐々に脱色されて乳白色となった。
【0170】これにより、上記微生物を用いて、排泄物
を処理したところ、排泄物を分解でき、また、排泄物の
悪臭を除去できたことが確認された。
【0171】
【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば、前
述した微生物により、様々な物質の処理が可能である。
【0172】例えば、本発明によれば、重金属や重金属
化合物を処理することができる。例えば、本発明によれ
ば、芳香族化合物や芳香族含有化合物を処理することが
できる。
【0173】例えば、本発明によれば、人体に対し毒性
を有する物質を処理することができる。
【0174】例えば、本発明によれば、アルコールを処
理することができる。例えば、本発明によれば、臭気を
発する物質を処理することができる。例えば、本発明に
よれば、腐敗物を処理することができる。例えば、本発
明によれば、生物の死骸を処理することができる。例え
ば、本発明によれば、動物の排泄物を処理することがで
きる。
【0175】このように、本発明は、多用途に用いるこ
とができる。特に、本発明によれば、重金属、重金属化
合物、ヒ素、ヒ素化合物、芳香族化合物、芳香族含有化
合物等の従来処理が困難であった物質をも処理すること
ができる。
【0176】特に、本発明によれば、有害な物質を無毒
化、無害化、または毒性を低下させることができる。
【0177】また、本発明に用いられる微生物は、増殖
力が旺盛であり、しかも、培養が容易である。
【0178】従って、微生物の量を容易に増やすことが
でき、処理スケールの大規模化が容易である。このた
め、工業、農業等の産業レベルで被処理物を有用に処理
することができる。
【0179】ゆえに、本発明によれば、産業廃棄物や工
業排水、農業排水、家庭排水等を効率よく処理すること
ができ、環境の汚染を抑制することができる。
【0180】さらには、汚染された土壌や、地下水、湖
沼などを浄化することも可能となる。
【0181】また、本発明では、微生物を単に被処理物
に接触させるだけでよいので、処理の方法も極めて簡単
である。
【0182】また、本発明では、保存中の微生物の安定
性が高く、微生物、処理剤を長期間安定して保存するこ
とができる。しかも、必要時にいつでもそれを用いて処
理を行うことができる。
【0183】また、本発明における微生物は、生体に対
して危険性がなく、取扱いも容易である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI C02F 3/34 C12N 1/20 // C12N 11/14 C12R 1:09 (C12N 1/20 B09B 3/00 E C12R 1:09) ZABA (56)参考文献 特開 昭56−131376(JP,A) 特開 昭52−87289(JP,A) 特開 平7−313148(JP,A) 特開 平11−158318(JP,A) 特開2000−93164(JP,A) 特開 平8−33478(JP,A) Applied Microbiol ogy and Biotechnol ogy,1981,Vol.13,p.222− 225 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C12N 1/20 C02F 3/00 BIOSIS/WPI(DIALOG)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被処理物に、バチルス シルクランス
    (Bacillus circulans)TOM98−04株(工業技術
    院生命工学研究所寄託 FERM P−16977)を
    接触させて、前記被処理物にそれに応じて濃度減少、脱
    色、臭気消失または分解を生じさせる物質の処理方法で
    あって、 前記被処理物は、ヒ素、六価クロム、メタノール、古
    米、腐敗物、生物の死骸および排泄物よりなる群から選
    択される少なくとも1つであることを特徴とする物質の
    処理方法。
  2. 【請求項2】 バチルス シルクランス(Bacillus cir
    culans)TOM98−04株(工業技術院生命工学研究
    所寄託 FERM P−16977)を含有し、 ヒ素、六価クロム、メタノール、古米、腐敗物、生物の
    死骸および排泄物よりなる群から選択される少なくとも
    1つの被処理物に接触させたとき、該被処理物をそれに
    応じて濃度減少、脱色、臭気消失または分解する性質を
    有することを特徴とする物質の処理剤。
JP29763298A 1998-10-05 1998-10-05 物質の処理方法および物質の処理剤 Expired - Fee Related JP3364438B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP29763298A JP3364438B2 (ja) 1998-10-05 1998-10-05 物質の処理方法および物質の処理剤

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP29763298A JP3364438B2 (ja) 1998-10-05 1998-10-05 物質の処理方法および物質の処理剤

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2000106870A JP2000106870A (ja) 2000-04-18
JP3364438B2 true JP3364438B2 (ja) 2003-01-08

Family

ID=17849096

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP29763298A Expired - Fee Related JP3364438B2 (ja) 1998-10-05 1998-10-05 物質の処理方法および物質の処理剤

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3364438B2 (ja)

Families Citing this family (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4685673B2 (ja) * 2006-03-20 2011-05-18 シャープ株式会社 排水処理方法および排水処理システム
JP4949742B2 (ja) * 2006-06-07 2012-06-13 シャープ株式会社 排水処理方法および排水処理装置
JP2011224432A (ja) * 2010-04-15 2011-11-10 Ohbayashi Corp 汚染地盤の浄化方法及び浄化材
JP5930289B2 (ja) * 2012-03-02 2016-06-08 国立大学法人山形大学 新規微生物及びこれを用いるポリ塩化ビフェニルの分解方法
JP6453530B2 (ja) * 2013-01-30 2019-01-16 敬一郎 浅岡 有害廃棄物の処理方法、その処理方法に用いるコンポストの製造方法
JP6674741B2 (ja) * 2015-02-16 2020-04-01 株式会社鴻池組 汚染土壌のバイオレメディエーションによる浄化剤及びそれを使用した浄化方法

Non-Patent Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Title
Applied Microbiology and Biotechnology,1981,Vol.13,p.222−225

Also Published As

Publication number Publication date
JP2000106870A (ja) 2000-04-18

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR102244422B1 (ko) 복합 미생물을 포함하는 천연탈취제의 제조방법 및 이에 따라 제조된 천연탈취제
CN110724683A (zh) 一种炭基微生物复合菌粉、菌剂及其制备方法和应用
JP2004248618A (ja) 有機物処理真菌共生菌群及びその用途
KR20100019474A (ko) 악취제거 및 중금속 제거 바실러스 라이케니포미스 b c4 k c c m 10860p 및 이를 이용한 축산폐수 또는 음식물쓰레기의 자원화를 위한 정화방법
WO2008146961A1 (en) Bacillus cereus bc3 kccm 10859p reducing nasty odor and heavy metal and clarification methods for resource recovery from food waste or livestock waste water by using it
Deng et al. Enhanced treatment of organic matter in slaughter wastewater through live Bacillus velezensis strain using nano zinc oxide microsphere
CN100579920C (zh) 一种生活污水处理方法
JP3364438B2 (ja) 物質の処理方法および物質の処理剤
CN110433872A (zh) 一种含金属污泥炭基催化材料用于催化过氧化氢高效灭菌
KR101206346B1 (ko) 악취 제거능을 갖는 엔테로코커스 패시움 srod 및 이의 이용
EP1124942A1 (en) A mixed microbial population designated as jsb 98.0 capable of degrading fecal material of animals
KR101106035B1 (ko) 악취제거 및 중금속 제거 바실러스 퍼무스 b c9 k c c m 10865p 및 이를 이용한 축산폐수 또는 음식물쓰레기의 자원화를 위한 정화방법
KR101106033B1 (ko) 악취제거 및 중금속 제거 바실러스 클라우시 b c7 k c c m 10863p 및 이를 이용한 축산폐수 또는 음식물쓰레기의 자원화를 위한 정화방법
JPH10295367A (ja) バチルス属に属する新規微生物
CN115232766A (zh) 一种嗜盐微生物污水清洗剂及其制备方法
WO2008136544A1 (en) Bacillus sphaericus bc6 kccm 10862p reducing nasty odor and heavy metal and clarification methods for resource recovery from food waste or livestock waste water by using it
KR20220069429A (ko) 신바이오틱제제를 이용한 축산 악취 저감 및 가축 생산성 향상 방법
Yun et al. Removal of volatile fatty acids with immobilized Rhodococcus sp. B261
JP4953513B2 (ja) 生ゴミ処理剤及び高温生ゴミ処理方法
KR20000036302A (ko) 유기물 분해 탈취제
KR102558117B1 (ko) 복합 유용 미생물을 이용한 유기성 폐기물의 발효 분해 처리용 조성물 및 유기성 폐기물의 분해 처리 방법
JP2000186272A (ja) 有害化合物分解剤、汚染材料の処理方法、及び汚染材料の処理装置
JP3295399B2 (ja) 堆肥化処理からのアンモニア発生を低減するアンモニウム耐性細菌
CN115820500A (zh) 一株降解粪臭素的橄榄不动杆菌ao-06及其应用
JP3437377B2 (ja) 新規微生物及びその微生物を用いたジクロロプロペンの生物分解方法、環境浄化・修復方法

Legal Events

Date Code Title Description
LAPS Cancellation because of no payment of annual fees