JP3364250B2 - 色調の改良された赤リン難燃剤及びこれを含むガラス繊維強化難燃性プラスチック組成物 - Google Patents
色調の改良された赤リン難燃剤及びこれを含むガラス繊維強化難燃性プラスチック組成物Info
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】この発明はプラスチック材料の難
燃化に使用される赤リン難燃剤に関するものである。詳
しくは,成形品の色調を全色に調色可能な赤リン難燃剤
に関するものである。
燃化に使用される赤リン難燃剤に関するものである。詳
しくは,成形品の色調を全色に調色可能な赤リン難燃剤
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】赤リン難燃剤はプラスチック材料の難燃
化に有用であり,近年ハロゲンを含む難燃剤が燃焼時に
ダイオキシンやベンゾフラン等を発生し環境破壊の危険
性が懸念されていることから,非ハロゲン系の難燃剤と
して注目を浴びている。赤リンは他の非ハロゲン系難燃
剤例えば水酸化アルミニウムや水酸化マグネシウムに比
べ,少量の配合でも難燃効果を発揮するので,物性の低
下が少ない利点があるが,大きな欠点としてプラスチッ
クを濃い暗赤色に着色してしまい,黒色にしか調色出来
ない為,色調が重要な多くの外殻用成形品には採用出来
ないことである。そこでプラスチックの特徴である自由
な色調を可能にする赤リン難燃剤の開発が要望されてい
る。
化に有用であり,近年ハロゲンを含む難燃剤が燃焼時に
ダイオキシンやベンゾフラン等を発生し環境破壊の危険
性が懸念されていることから,非ハロゲン系の難燃剤と
して注目を浴びている。赤リンは他の非ハロゲン系難燃
剤例えば水酸化アルミニウムや水酸化マグネシウムに比
べ,少量の配合でも難燃効果を発揮するので,物性の低
下が少ない利点があるが,大きな欠点としてプラスチッ
クを濃い暗赤色に着色してしまい,黒色にしか調色出来
ない為,色調が重要な多くの外殻用成形品には採用出来
ないことである。そこでプラスチックの特徴である自由
な色調を可能にする赤リン難燃剤の開発が要望されてい
る。
【0003】これに対し,赤リンの表面を酸化チタンと
ポリメタアクリル酸メチルなどのラジカル重合し得るポ
リマ−で被覆することにより,暗赤色を隠蔽する技術が
提案されている。然しこの方法では,高温加工を要する
プラスチック材料に配合する場合,被覆したポリマ−が
溶融して被覆の効果を発揮出来ず,更にガラス繊維強化
材料の場合,酸化チタンの作用でガラス繊維が損傷し,
物性が著しく低下してしまうことが認められる。
ポリメタアクリル酸メチルなどのラジカル重合し得るポ
リマ−で被覆することにより,暗赤色を隠蔽する技術が
提案されている。然しこの方法では,高温加工を要する
プラスチック材料に配合する場合,被覆したポリマ−が
溶融して被覆の効果を発揮出来ず,更にガラス繊維強化
材料の場合,酸化チタンの作用でガラス繊維が損傷し,
物性が著しく低下してしまうことが認められる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明者は前述のよう
な従来技術の欠点を改良し,全色に調色可能な赤リン難
燃剤を鋭意研究した結果,特定の処理条件により上記課
題を解決する方法を見出し,本発明を完成させた。
な従来技術の欠点を改良し,全色に調色可能な赤リン難
燃剤を鋭意研究した結果,特定の処理条件により上記課
題を解決する方法を見出し,本発明を完成させた。
【0005】
【課題を解決するための手段】以下に本発明に係わる赤
リン難燃剤の構成を具体的に説明すると,その要旨は,
赤リンを硫化亜鉛を含む熱硬化性樹脂で被覆することを
特徴とする赤リン難燃剤である。使用する赤リンとして
は,形状が球状に近く,かつ粒子径が200μm以下,
好ましくは5〜20μmである。
リン難燃剤の構成を具体的に説明すると,その要旨は,
赤リンを硫化亜鉛を含む熱硬化性樹脂で被覆することを
特徴とする赤リン難燃剤である。使用する赤リンとして
は,形状が球状に近く,かつ粒子径が200μm以下,
好ましくは5〜20μmである。
【0006】赤リン粒子を硫化亜鉛を含む熱硬化性樹脂
で被覆する方法の一例としては,赤リンの水懸濁液に硫
化亜鉛5〜30重量%を配合した熱硬化性樹脂の初期縮
合物を添加し,攪拌しながら重合を進めることにより,
赤リンの表面を硫化亜鉛を含有した熱硬化性樹脂で被覆
することが出来る。適用される熱硬化性樹脂としては,
フェノ−ル樹脂が好ましい。配合する硫化亜鉛は,粒子
径が2μm以下,好ましくは0.5μm以下である。
で被覆する方法の一例としては,赤リンの水懸濁液に硫
化亜鉛5〜30重量%を配合した熱硬化性樹脂の初期縮
合物を添加し,攪拌しながら重合を進めることにより,
赤リンの表面を硫化亜鉛を含有した熱硬化性樹脂で被覆
することが出来る。適用される熱硬化性樹脂としては,
フェノ−ル樹脂が好ましい。配合する硫化亜鉛は,粒子
径が2μm以下,好ましくは0.5μm以下である。
【0007】熱硬化性樹脂中に配合する硫化亜鉛の量
は,目的とする隠蔽力により変わるが,少なくとも熱硬
化性樹脂に対し5重量%白色や淡色を必要とする場合は
50重量%が必要となる。これ以上濃度を増やしても,
隠蔽力に変化はない。赤リン粒子表面に被覆される熱硬
化性樹脂の量は,赤リン100重量部に対し20〜10
0重量部が好ましい。多くの場合,熱硬化性樹脂中の硫
化亜鉛を30重量%とし,赤リン100重量部に対する
熱硬化性樹脂の量を50重量部とすると,殆どの調色に
対応出来る。
は,目的とする隠蔽力により変わるが,少なくとも熱硬
化性樹脂に対し5重量%白色や淡色を必要とする場合は
50重量%が必要となる。これ以上濃度を増やしても,
隠蔽力に変化はない。赤リン粒子表面に被覆される熱硬
化性樹脂の量は,赤リン100重量部に対し20〜10
0重量部が好ましい。多くの場合,熱硬化性樹脂中の硫
化亜鉛を30重量%とし,赤リン100重量部に対する
熱硬化性樹脂の量を50重量部とすると,殆どの調色に
対応出来る。
【0008】
【作用】本発明は赤リンを硫化亜鉛を含む熱硬化性樹脂
で被覆することにより,特有の暗赤色を隠蔽し,外殻用
成形品としても使用可能な難燃性プラスチックを可能に
し,而もガラス繊維強化材料に対しても物性を損なうこ
とのない赤リン難燃剤を提供するものであり,その産業
上の価値は大きい。
で被覆することにより,特有の暗赤色を隠蔽し,外殻用
成形品としても使用可能な難燃性プラスチックを可能に
し,而もガラス繊維強化材料に対しても物性を損なうこ
とのない赤リン難燃剤を提供するものであり,その産業
上の価値は大きい。
【0009】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明の構成を具体的
に説明する。 実施例 平均粒子径10μmの赤リン100重量部を硫化亜鉛3
0重量%を含有したフェノ−ル樹脂50重量部で被覆し
た白色被覆赤リン10重量部,ナイロン6樹脂90重量
部,ガラス繊維70重量部を混合し,40mmφ単軸押
出機によりペレットを作成した。得られたペレットは,
70t射出成形機で幅12.7mm,厚さ3.2mm,
長さ127mmの試験片を成形し,物性試験及び燃焼性
試験を行った。
に説明する。 実施例 平均粒子径10μmの赤リン100重量部を硫化亜鉛3
0重量%を含有したフェノ−ル樹脂50重量部で被覆し
た白色被覆赤リン10重量部,ナイロン6樹脂90重量
部,ガラス繊維70重量部を混合し,40mmφ単軸押
出機によりペレットを作成した。得られたペレットは,
70t射出成形機で幅12.7mm,厚さ3.2mm,
長さ127mmの試験片を成形し,物性試験及び燃焼性
試験を行った。
【0010】比較例1
実施例1と同様に,但しフェノ−ル樹脂中に硫化亜鉛を
配合せずにペレットと試験片を作成した。 比較例2 実施例1と同様に,但しフェノ−ル樹脂中に酸化チタン
10重量%に変更してペレットと試験片を作成した。こ
の結果を表1に示す。この結果本発明は,赤リン特有の
暗赤色を完全に隠蔽して全色の調色を可能にし,而も物
性の低下が殆どないこが立証された。
配合せずにペレットと試験片を作成した。 比較例2 実施例1と同様に,但しフェノ−ル樹脂中に酸化チタン
10重量%に変更してペレットと試験片を作成した。こ
の結果を表1に示す。この結果本発明は,赤リン特有の
暗赤色を完全に隠蔽して全色の調色を可能にし,而も物
性の低下が殆どないこが立証された。
【0011】
【発明の効果】本発明は,非ハロゲン系難燃剤たる赤リ
ンの使用に当り,従来の欠点たる,濃暗赤色を隠蔽し,
全色調に使用を可能としかつポリマ−被覆対の溶融も防
止し,更にガラス繊維強化材に対しても物性を損なうこ
とのない赤リン難燃剤及びこれを利用した新規な難燃性
プラスチック組成物の発明である。
ンの使用に当り,従来の欠点たる,濃暗赤色を隠蔽し,
全色調に使用を可能としかつポリマ−被覆対の溶融も防
止し,更にガラス繊維強化材に対しても物性を損なうこ
とのない赤リン難燃剤及びこれを利用した新規な難燃性
プラスチック組成物の発明である。
【表1】
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(51)Int.Cl.7 識別記号 FI
C09K 21/14 C09K 21/14
Claims (2)
- 【請求項1】 酸化亜鉛を含有した熱硬化性樹脂により
被覆されたことを特徴とする赤リン難燃剤。 - 【請求項2】 請求項1に記載の赤リン難燃剤を5〜2
5重量部、熱可塑性プラスチック100重量部、ガラス
繊維30〜200重量部よりなる難燃性プラスチック組
成物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP30472892A JP3364250B2 (ja) | 1992-10-15 | 1992-10-15 | 色調の改良された赤リン難燃剤及びこれを含むガラス繊維強化難燃性プラスチック組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP30472892A JP3364250B2 (ja) | 1992-10-15 | 1992-10-15 | 色調の改良された赤リン難燃剤及びこれを含むガラス繊維強化難燃性プラスチック組成物 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06128413A JPH06128413A (ja) | 1994-05-10 |
JP3364250B2 true JP3364250B2 (ja) | 2003-01-08 |
Family
ID=17936500
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP30472892A Ceased JP3364250B2 (ja) | 1992-10-15 | 1992-10-15 | 色調の改良された赤リン難燃剤及びこれを含むガラス繊維強化難燃性プラスチック組成物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3364250B2 (ja) |
Families Citing this family (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP1036815A4 (en) * | 1997-12-03 | 2001-05-16 | Chisso Corp | FLAME RETARDANT FOR STYRENE RESINS AND FLAME PROTECTED STYRENE RESIN COMPOSITION |
KR100538826B1 (ko) * | 2002-04-16 | 2005-12-23 | 제일모직주식회사 | 열가소성 난연성 수지 조성물 |
EP2641939A1 (de) * | 2012-03-21 | 2013-09-25 | Basf Se | Hellgefärbte flammgeschützte Polyamide |
-
1992
- 1992-10-15 JP JP30472892A patent/JP3364250B2/ja not_active Ceased
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH06128413A (ja) | 1994-05-10 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
RVOP | Cancellation by post-grant opposition |