JP3363786B2 - マグネットロータ及びpm形ステッピングモータ - Google Patents

マグネットロータ及びpm形ステッピングモータ

Info

Publication number
JP3363786B2
JP3363786B2 JP12438398A JP12438398A JP3363786B2 JP 3363786 B2 JP3363786 B2 JP 3363786B2 JP 12438398 A JP12438398 A JP 12438398A JP 12438398 A JP12438398 A JP 12438398A JP 3363786 B2 JP3363786 B2 JP 3363786B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
magnet rotor
stepping motor
rotor
pole
magnet
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP12438398A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH11318068A (ja
Inventor
英之 荻原
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sanyo Electric Co Ltd
Nidec Seimitsu Corp
Original Assignee
Sanyo Electric Co Ltd
Sanyo Seimitsu Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sanyo Electric Co Ltd, Sanyo Seimitsu Co Ltd filed Critical Sanyo Electric Co Ltd
Priority to JP12438398A priority Critical patent/JP3363786B2/ja
Publication of JPH11318068A publication Critical patent/JPH11318068A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3363786B2 publication Critical patent/JP3363786B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Permanent Field Magnets Of Synchronous Machinery (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、マグネットロータ
及びPM形ステッピングモータに関し、特に、マグネッ
トロータの形状に関する。
【0002】
【従来の技術】現在、価格,性能面で手頃なPM形(永
久磁石形)ステッピングモータの中には、極小スペース
への組み込みを目的として、図10に示す如くのラジア
ル捲線タイプの他、図11及び図12に示す如くのオフ
セット捲線タイプの小型ステッピングモータが使用され
ている。
【0003】図10の分解斜視図に示すラジアル捲線タ
イプの小型ステッピングモータ10は、モータ軸11a
を持つ円筒形マグネットロータ(インナーロータ)11
と、その周りにステータ磁極となる2相の王冠状のクロ
ポール形フィールドプレート(ヨーク)12と、フィー
ルドプレート12の上側複数の極爪(クロポール)12
A側の周りに嵌め込む円筒状のA相の励磁コイル13A
及び下側複数の極爪12B側の周りに嵌め込む円筒状の
B相の励磁コイル13Bと、A相の極爪(図示せず)を
持ち励磁コイル13Aに被せる上側ステータカップ(ア
ウターヨーク)14と、B相の極爪15Bを持ち励磁コ
イル13Bに被せる下側ステータカップ(アウターヨー
ク)15とを有している。励磁コイル13A,13Bは
ロータ貫通孔13cを持つボビン(捲枠)13に巻付け
たラジアル捲線を有しており、マグネットロータ11の
軸方向半分ずつがA相の励磁コイル13AとB相の励磁
コイル13Bに対応している。
【0004】このラジアル捲線タイプの小型ステッピン
グモータ10では、モータの外径が決まると、励磁コイ
ル13A,13Bの線積(捲線のターン数)とマグネッ
トロータ11の直径とがトレードオフの関係になるた
め、小型化においては出力トルクが増強し難い原因とな
っている。
【0005】図11(a)〜(d)及び図12は従来の
オフセット捲線タイプの小型ステッピングモータを示
す。このオフセット捲線タイプの小型ステッピングモー
タ20は、マグネットロータ21の軸心と励磁コイル2
4A,24Bの中心とを平行にずらしたものであり、モ
ータ軸21aを持つ円筒状のマグネットロータ(インナ
ーロータ)21と、このマグネットロータ21の周面の
一方側に2本の極爪22a,22bが臨む第1のヨーク
22とその極歯22a,22b間に1本の極爪23aが
入って臨む第2のヨーク23と、マグネットロータ21
の周面の反対側に2本の極爪22a,22bが臨む第1
のヨーク22とその極爪22a,22b間に1本の極爪
23aが入って臨む第2のヨーク23と、マグネットロ
ータ21の周面の一方側に位置するA相の励磁コイル2
4Aと、マグネットロータ21の周面の反対側に位置す
るB相の励磁コイル24Bと、これらに被せた薄形矩形
状の非磁性体ケース25とを有している。なお、マグネ
ットロータ21は、図13(a)に示す如く円筒状マグ
ネット21bにモータ軸21aを圧入したものであり、
励磁コイル24A,24Bは図13(b)に示す如くボ
ビン(巻枠)24に端子ピン24aを圧入し、コイル捲
線を巻き付け、その組付け孔24bに第1のヨーク22
の挿入片22cと第2のヨーク23の挿入片23cを相
対する側から差し込んだものである。なお、26は軸受
メタル(ブッシュ)、27はスラスト軸受けの板バネで
ある。
【0006】このオフセット捲線タイプの小型ステッピ
ングモータ20は、マグネットロータ21の両脇に励磁
コイル24A,24Bが隣接しているため、マグネット
ロータ21の直径をケース25の厚さに略合わせること
ができ、またボビン24はロータを納めるべきロータ貫
通孔を有していないため、その分のスペースだけ、余分
に線積(ターン数)を増やすことができるので、出力ト
ルクの増強を図ることができる。更に、極爪数がラジア
ルタイプのものに比べて少ないため、ディテント・トル
クが低く、微小電流値でも起動が可能であるという特長
を備えている。
【0007】従って、同一の極小スペースにモータを装
着する場合、扁平形のオフセット捲線タイプの小型ステ
ッピングモータ20の方がラジアル捲線タイプに比べて
トルク的に有利と考えられる。
【0008】ところで、従来のPM形ステッピングモー
タに使用されるマグネットロータは、一般に図14に示
す如く、モータ軸孔を有する円筒形磁石材料(磁性成形
体)の半径方向に着磁(1対2極以上)されて円周に沿
って磁極が交互に異なるラジアル着磁型マグネットロー
タRである。このようなラジアル着磁型マグネットロー
タRをインナーロータとして用いたPM形ステッピング
モータにおいては、例えば図15に示すような2相の極
爪(A相の極爪K1 とB相の極爪K2 )配置(磁気位相
90°)にて、駆動回路と励磁コイルにより、図示
(a)→(b)→(c)→(d)の順で極爪K1 ,K2
に交番磁束を発生させると、マグネットロータRが吸反
力で図示のように回転し、出力トルクを発生するもので
ある。
【0009】このようなラジアル着磁型マグネットロー
タRを得るための着磁方法は、図16に示す如く、着磁
ヨークYのマグネット挿入口hに円筒状マグネットを挿
入し、着磁ヨークYの軸方向に往復挿通させながら周回
させたコイル線Cに対し着磁電源(着磁電流)を瞬間的
に印加するものである。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】 一般に、PM形ス
テッピングモータには、次のような問題点がある。即
ち、円筒形のマグネットロータは上記の様なラジアル着
磁型マグネットロータRであるため、小径になればなる
程、着磁ヨークY自体も小径になり、コイル線Cの線径
も細くなり、その分、コイルのインピーダンスが高まる
ので、着磁処理において起磁力を上げ難くなる。このた
め、小径の円筒形磁石材料に多極着磁を施す際、小径に
なればなる程、着磁ヨークの磁化能力が低いので、ラジ
アル着磁型マグネットロータRの磁極境界線(磁壁部)
が着磁幅(磁区)に比べて相対的に次第に幅広となり、
高磁力のラジアル着磁型円筒形マグネットロータRは得
難くなる。従って、特に、ラジアル捲線タイプの小型ス
テッピングモータにおいては、小型化する上での高出力
トルク化が困難であった。
【0011】 また、上記のオフセット捲線タイプの
小型ステッピングモータ20に特有の問題点もある。即
ち、マグネットロータ21の周面に対向するA相とB相
の極爪(クロポール)22a,23a,23bは全周に
亘って配置されているのではなく、図11(d)の1相
当たりの対向範囲αの如く、マグネットロータ21の持
つ磁束有効面積の1/3〜1/2程度を使うに過ぎない
ため、主磁束が小さいものであるが、特に、1相当たり
の極爪が励磁コイル24A(24B)の周面片側に集ま
っているため、極爪間のギャップGは2箇所程度と少な
く、1相当たりの励磁コイル24A(24B)が発生す
る起磁力に対して、磁気飽和が起こり易く、漏洩磁束が
増大するので、トルク特性が上がらない。
【0012】そこで、本発明は上記問題点を解決するも
のであり、その第1の課題は、小径でも従来に比し高磁
力であるマグネットロータを提供することになる。
【0013】更に、本発明の第2の課題は、マグネット
ロータの軸心と励磁コイルの軸心とが平行にずれたオフ
セット捲線タイプPM形ステッピングモータにおいて、
2本のマグネットロータを用いることにより、小型であ
りながら高出力トルクを実現できるステッピングモータ
を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記第1の課題を解決す
るため、本発明は、モータ軸の圧入されるモータ軸孔を
有しインナーロータとして用いるマグネットロータにお
いて、円周に亘り磁極突部と溝部を交互に略同ピッチで
形成した第1及び第2のロータ部が軸方向にタンデム配
置で一体化して軸方向にスラスト着磁して成り、一方
ータ部の磁極突部と他方のロータ部の溝部とが斉一し
ており、各ロータ部の総ての磁極突部同士は同極であっ
て、第1のロータ部の磁極突部と第2のロータ部の磁極
突部とは異極であることを特徴とする。
【0015】このような多極のマグネットロータは、上
記の如き形態の磁石材料(磁性成形体)を軸方向に左右
2極着磁(スラスト着磁)するだけで各歯車状ロータ部
の突部のそれぞれに着磁できるため、小径の多極マグネ
ットロータを容易に得ることができる。第1の歯車状ロ
ータ部と第2の歯車状ロータ部との境界線部が無効面積
となるだけであるから、従来のようなモータ軸孔に着磁
ヨークを嵌入せずに、低インピーダンスで高起磁力の着
磁ができ、マグネットの磁束を飽和状態に近づけること
が可能となり、高エネルギー積のマグネットロータを得
ることができる。この結果、従来に比し、小径のマグネ
ットロータによりPM形ステッピングモータの小型化に
おいて高出力トルクを実現できる。
【0016】本発明に係るマグネットロータは、これを
インナーロータとして用いるPM形ステッピングモータ
に適用できる。ラジアル捲線タイプは勿論のこと、オフ
セット捲線タイプにも適用できる。
【0017】例えば、オフセット捲線タイプPM形ステ
ッピングモータとしては、上記のマグネットロータの周
面の一方側に複数のクロポールを挟んで配置したヨーク
と励磁コイルから成る第1の界磁ステータと、そのマグ
ネットロータの周面の反対側に複数のクロポールを挟ん
で配置したヨークと励磁コイルから成る第2の界磁ステ
ータとを有する構造、即ち、1本のマグネットロータと
その両側に2個の界磁ステータを持つタイプのものに本
発明に係るマグネットロータを適用できる。
【0018】また、上記第1及び第2の課題を同時に解
決するため、本発明の講じた手段は、上記形態のマグネ
ットロータの軸心と励磁コイルの軸心とが平行にずれた
オフセット捲線タイプPM形ステッピングモータにおい
て、上記励磁コイル及びその略全周に亘って複数のクロ
ポールを配置したヨークから成る界磁ステータを複数個
軸方向にタンデム配置し、上記複数個の界磁ステータの
周面の一方側に第1のマグネットロータを平行にずらし
て隣接すると共に、上記周面の反対側に平行にずらして
第2のマグネットロータを隣接し、第1のマグネットロ
ータの回転力と第2のマグネットロータの回転力とを合
成して出力する回転合成手段を有して成ることを特徴と
する。
【0019】かかる構成においては、2本のマグネット
ロータに対して中央部の複数個の界磁ステータの励磁コ
イルからの起磁力が作用するので、2本のマグネットロ
ータを同方向に回転させることができ、回転合成手段に
より回転力を合成して出力でき、従来と同様に、小形化
を実現できる。
【0020】中央部において各界磁ステータのヨークの
クロポールは励磁コイルの略全周に亘って複数個配置さ
れているので、従来に比し、クロポール間のギャップ数
が増え、1相当たりの励磁コイルが発生する起磁力に対
して、磁気飽和が起こり難くなり、出力トルクを増強で
きる。
【0021】勿論、マグネットロータ自体が上記特殊形
態のマグネットロータであることから、小型化において
高出力トルクを実現できる。
【0022】そして、回転合成手段が第1のマグネット
ロータと第2のマグネットロータの中間にて回動可能に
支持された磁気歯車である場合、他の媒介部品なしに、
第1と第2のマグネットロータの周面に臨んで磁気的噛
合が達成できるので、回転合成手段の構成を簡素化で
き、小形化に有意義となる。
【0023】
【発明の実施の形態】以下に図面を参照して、本発明の
各実施例を説明する。
【0024】〔実施形態1〕図1は本発明の実施形態1
に係るマグネットロータを示す斜視図である。本例のマ
グネットロータ100はインナーロータとして用いるモ
ータ軸孔110を有するマグネットロータであり、円周
に亘り磁極突部(極歯)121と溝部122を交互に略
同ピッチで形成した第1及び第2の歯車状ロータ部12
0A,120Bとが軸方向にタンデム配置で一体化して
成る5対10極相当のマグネットである。一方の歯車状
ロータ部120の磁極突部121と他方の歯車状ロータ
部120の溝部122とは斉一している。各歯車状ロー
タ部120の総ての磁極突部121同士は同極であっ
て、第1の歯車状ロータ部120Aの磁極突部121と
第2の歯車状ロータ部120Bの磁極突部121とは異
極である。
【0025】このような特殊形態のマグネットロータ1
00は、例えば、図10に示すラジアル捲線タイプの小
型ステッピングモータ10におけるマグネットロータ1
1の代わりに用いられる。図2に示すような2相の極爪
(A相の極爪K1 とB相の極爪K2 )配置にて、駆動回
路と励磁コイルにより、図示(a)→(b)→(c)→
(d)の順で極爪K1 ,K2 に交番磁束を発生させる
と、マグネットロータ100が吸反力で図示のように回
転し、出力トルクを発生するものである。
【0026】本例の多極マグネットロータ100は、上
記の如き形態の磁石材料(磁性成形体)を軸方向に左右
2極着磁(スラスト着磁)するだけで各歯車状ロータ部
120A,120Bの突部121にそれぞれ着磁でき
る。このため、小径の多極マグネットロータ100を容
易に得ることができる。
【0027】着磁機としては、モータ軸孔110に嵌入
させる着磁ヨークを必要とせず、左右2極着磁の簡単な
もので済む。第1の歯車状ロータ部120Aと第2の歯
車状ロータ部120Bとの境界線部123が無効面積と
なるだけであるから、低インピーダンスで高起磁力の着
磁ができる。このため、マグネットの磁束を飽和状態に
近づけることが可能となり、高エネルギー積のマグネッ
トロータを得ることができる。この結果、従来に比し、
小径のマグネットロータによりPM形ステッピングモー
タの小型化において高出力トルクを実現できる。
【0028】〔実施形態2〕図3(a)は本発明の実施
形態2に係るオフセット捲線タイプPM形ステッピング
モータについてケースの右側半分を除去した状態を示す
平面図、(b)はその背面図、(c)はその正面図、
(d)は(a)のD−D′線に沿って切断した状態を示
す切断図、図4は同オフセット捲線タイプPM形ステッ
ピングモータを示す分解斜視図である。
【0029】本例のオフセット捲線タイプPM形ステッ
ピングモータ60は、図11及び図12に示すオフセッ
ト捲線タイプPM形ステッピングモータ20において、
マグネットロータ21の代わりに実施形態1に係るマグ
ネットロータ100を用いたものであり、その余の部分
はステッピングモータ20と同様な構造となっている。
【0030】即ち、このオフセット捲線タイプの小型ス
テッピングモータ60は、マグネットロータ100の軸
心と励磁コイル24A,24Bの中心とを平行にずらし
たものであり、モータ軸21aを持つ円筒状のマグネッ
トロータ(インナーロータ)100と、このマグネット
ロータ100の周面の一方側に2本の極爪22a,22
bが臨む第1のヨーク22とその極歯22a,22b間
に1本の極爪23aが入って臨む第2のヨーク23と、
マグネットロータ21の周面の反対側に2本の極爪22
a,22bが臨む第1のヨーク22とその極爪22a,
22b間に1本の極爪23aが入って臨む第2のヨーク
23と、マグネットロータ100の周面の一方側に位置
するA相の励磁コイル24Aと、マグネットロータ10
0の周面の反対側に位置するB相の励磁コイル24B
と、これらに被せた薄形矩形状の非磁性体ケース25と
を有している。なお、マグネットロータ100は、図5
に示す如くモータ軸孔110に圧入したモータ軸21a
を有している。なお、26は軸受メタル(ブッシュ)、
27はスラスト軸受けの板バネである。
【0031】前述したように、図11及び図12に示す
オフセット捲線タイプPM形ステッピングモータ20に
おいては、磁界磁側から見た場合、磁気飽和が起こり易
く、漏洩磁束が増大するので、トルク特性が上がらな
い。この点に関しては本例のステッピングモータ60も
同様であるが、上述した高エネルギー積のマグネットロ
ータ100を用いているため、従来に比し高出力トルク
を実現できる。
【0032】〔実施形態3〕図6(a)は本発明の実施
形態3に係るオフセット捲線タイプPM形ステッピング
モータについてケースの右側半分を除去した状態を示す
平面図、図6(b)はその背面図、図6(c)はその正
面図、図7(a)は図6(a)のA−A′線に沿って切
断した状態を示す切断図、図7(b)は図6(a)のB
−B′線に沿って切断した状態を示す切断図、図8は同
オフセット捲線タイプPM形ステッピングモータの分解
斜視図である。
【0033】本例のステッピングモータ30は、実施形
態1に係るマグネットロータ100を2本用いた双マグ
ネットロータ型ステッピングモータである。一方のマグ
ネットロータ100を第1のマグネットロータ31と
し、他方のマグネットロータ100を第1のマグネット
ロータ32とすると、第1及び第2のマグネットロータ
31,32の軸心とA相,B相の励磁コイル33,34
の軸心とが平行にずれたオフセット捲線タイプPM形ス
テッピングモータである。
【0034】励磁コイル33(34)とヨーク35(3
6)は界磁ステータ37,(38)を構成しており、2
個の同形の界磁ステータ37,38は薄形矩形状の非磁
性体ケース48内において軸方向にタンデム配置されて
いる。各励磁コイル33(34)は図9(a)に示す如
く端子ピン40aを圧入したボビン(巻枠)40にコイ
ル捲線43を巻き付けたものである。各ヨーク35,3
6は、2個のヨーク半体41,41との組合せから成
り、各ヨーク半体41は、ボビン40の組付け孔(軸
孔)40bに差し込む挿入片41aと、3本のクロポー
ル(極爪)41b〜41dとを有している。2個のヨー
ク半体41,41はそれぞれの差し込む挿入片41aを
ボビン40の組付け孔(軸孔)40bに対し相対する開
口部から差し込まれている。界磁ステータ37,38は
ケース48の底面開口部48aから組み込まれる。
【0035】中央部においてタンデム配置の界磁ステー
タ37,38の周面の一方側には第1のマグネットロー
タ31を平行にずらして隣接しており、またその周面の
反対側には平行にずらして第2のマグネットロータ32
を隣接している。同形の第1のマグネットロータ31と
第2のマグネットロータ32は、ケース48の両側面の
開口部48b,48bから組み込まれるが、ケース48
に対して支軸枠39を以て支持される。この支軸枠39
は第1のマグネットロータ31と第2のマグネットロー
タ32とを回動自在に支持する支軸39a,39bと、
支軸39a,39bを一体的に連結し、ケース48の正
面の嵌め込み凹所48cに嵌合する軸受板39cとを有
している。軸受板39cには中央孔39dが形成されて
いる。
【0036】嵌め込み凹所48cの底面には、支軸39
a,39bが貫通する支軸貫通孔48ca,48cb
と、それらの中央において回転合成手段としての磁気歯
車49の貫通する中央貫通孔48ccとが形成されてい
る。
【0037】本例の磁気歯車49は無着磁の歯車形磁性
体(伝達ヨーク,誘導ヨーク)であり、両マグネットロ
ータ31,32との中間部に位置し、マグネットロータ
31,32の周面着磁部位に非接触で噛合するものであ
る。なお、着磁した磁気歯車を用いても良い。磁気歯車
49には図3(b)に示す如く出力軸(モータ軸)49
aが圧入されており、出力軸49aは支軸枠39の軸受
板39cの中央孔39dを貫通してケース48外へ突出
している。なお、45はA相の正面側のヨーク半体41
にスペーサ46を介して取り付けられて出力軸49aの
端部を受けるスラスト軸受けの板バネ、47はB相の背
面側のヨーク半体41を位置決めする切欠き部である。
【0038】本例のステッピングモータ30は、相離間
した平行のマグネットロータ31,32に対して中央部
のタンデム配置のA相とB相の界磁ステータ37,38
の励磁コイル33,34からの起磁力が作用すると、2
本のマグネットロータ31,32は同方向に回転し、そ
れぞれの回転力(発生トルク)は磁気歯車49で合成さ
れて出力軸49aに伝達される。従って、2本のマグネ
ットロータ31,32を用いるといえども、従来のオフ
セット捲線タイプPM形ステッピングモータと同様、小
形化を実現できる。
【0039】界磁ステータ37,38をタンデム配置の
2本のマグネットロータ31,32の中間部に設けたこ
とにより、ヨーク35(36)の都合6本の極爪(クロ
ポール)41b〜41dは励磁コイル33(34)の略
全周に亘って配置されているので、従来に比し、クロポ
ール間のギャップGの数が倍増し、1相当たりの励磁コ
イル33(34)が発生する起磁力に対して、磁気飽和
が起こり難くなり、出力トルクを増強できる。
【0040】しかも、本例では、実施形態1に係る高エ
ネルギー積の特殊形態のマグネットロータ100を用い
ているため、上記効果に加えて、一層のこと、高出力ト
ルクを実現できる。
【0041】また、回転合成手段が磁気歯車49である
ので、他の媒介部品なしに、第1と第2のマグネットロ
ータ31,32の周面に臨んで磁気的噛合が達成できる
ので、回転合成手段の構成を簡素化でき、小形化を実現
できる。なお、スペースの多少の増大が許容できる場合
は、機械歯車は勿論のこと、ベルトドライブ等の伝達手
段も使用できる。
【0042】なお、上記の実施形態では、中央部におい
て2相の界磁ステータをタンデム配置したものである
が、本発明は3相以上の界磁ステータをタンデム配置し
たものにも適用できる。
【0043】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係るマグ
ネットロータは、第1及び第2のロータ部を磁極突部と
溝部が斉一した状態で軸方向にタンデム配置で一体化し
軸方向にスラスト着磁して成り、各ロータ部の総ての
磁極突部同士は同極であって、第1のロータ部の磁極突
部と第2のロータ部の磁極突部とは異極であることを特
徴とするものであるから、次の効果を奏する。
【0044】 上記の如き形態の磁石材料(磁性成形
体)を軸方向に左右2極着磁(スラスト着磁)するだけ
でそれぞれの歯車状ロータ部の突部に分極着磁化できる
ため、小径の多極マグネットロータを容易に得ることが
できる。また、低インピーダンスで高起磁力の着磁がで
き、マグネットの磁束を飽和状態に近づけることが可能
となり、高エネルギー積のマグネットロータを得ること
ができる。この結果、従来に比し、小径のマグネットロ
ータによりPM形ステッピングモータの小型化において
高出力トルクを実現できる。
【0045】 本発明に係るマグネットロータは、こ
れをインナーロータとして用いるPM形ステッピングモ
ータに適用できる。ラジアル捲線タイプは勿論のこと、
オフセット捲線タイプにも適用でき、小型化と高出力ト
ルク化を実現できる。
【0046】 また、本発明は、中央部において、励
磁コイル及びその略全周に亘って複数のクロポールを配
置したヨークから成る界磁ステータを複数個軸方向にタ
ンデム配置し、その両脇に第1の上記形態のマグネット
ロータと第2の上記形態のマグネットロータを隣接し、
第1と第2のマグネットロータの回転力とを合成して出
力する回転合成手段を有して成る点を特徴とするもので
ある。界磁ステータのヨークのクロポールは励磁コイル
の略全周に亘って複数個配置されているので、従来に比
し、クロポール間のギャップ数が増え、1相当たりの励
磁コイルが発生する起磁力に対して、磁気飽和が起こり
難くなる。従って、小形でありながら、出力トルクを増
強できる。勿論、マグネットロータ自体が上記特殊形態
のマグネットロータであることから、小型化において高
出力トルクを実現できる。
【0047】 回転合成手段が第1のマグネットロー
タと第2のマグネットロータの中間にて回動可能に支持
された磁気歯車である場合、他の媒介部品なしに、第1
と第2のマグネットロータの周面に臨んで磁気的噛合が
達成できるので、回転合成手段の構成を簡素化でき、小
形化に有意義となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態1に係るマグネットロータを
示す斜視図である。
【図2】(a)乃至(e)は同マグネットロータをイン
ナーロータとして用いるPM形ステッピングモータにお
いてステータの交番磁界によるロータ回転の様子を順に
示す概略図である。
【図3】(a)は本発明の実施形態2に係るオフセット
捲線タイプPM形ステッピングモータについてケースの
右側半分を除去した状態を示す平面図、(b)はその背
面図、(c)はその正面図、(d)は(a)のD−D′
線に沿って切断した状態を示す切断図である。
【図4】同オフセット捲線タイプPM形ステッピングモ
ータを示す分解斜視図である。
【図5】同オフセット捲線タイプPM形ステッピングモ
ータにおけるマグネットロータを示す分解斜視図であ
る。
【図6】(a)は本発明の実施形態3に係るオフセット
捲線タイプPM形ステッピングモータについてケースの
右側半分を除去した状態を示す平面図、(b)はその背
面図、(c)はその正面図である。
【図7】(a)は図6(a)のA−A′線に沿って切断
した状態を示す切断図、(b)は図6(a)のB−B′
線に沿って切断した状態を示す切断図である。
【図8】同オフセット捲線タイプPM形ステッピングモ
ータの分解斜視図である。
【図9】(a)は同オフセット捲線タイプPM形ステッ
ピングモータにおける励磁コイルのボビンを示す分解斜
視図、(b)は同オフセット捲線タイプPM形ステッピ
ングモータにおける磁気歯車と出力軸とを分解した状態
を示す分解斜視図である。
【図10】ラジアル捲線タイプの小型ステッピングモー
タを示す分解斜視図である。
【図11】(a)は従来のオフセット捲線タイプPM形
ステッピングモータについてケースの右側半分を除去し
た状態を示す平面図、(b)はその背面図、(c)はそ
の正面図、(d)は(a)のD−D′線に沿って切断し
た状態を示す切断図である。
【図12】同従来例のオフセット捲線タイプPM形ステ
ッピングモータを示す分解斜視図である。
【図13】(a)は同従来例のオフセット捲線タイプP
M形ステッピングモータにおけるマグネットロータを示
す分解斜視図、(b)は同従来例のオフセット捲線タイ
プPM形ステッピングモータにおける励磁コイルのボビ
ンを示す分解斜視図である。
【図14】従来のPM形ステッピングモータにおけるマ
グネットロータの着磁パターンを示す斜視図である。
【図15】(a)乃至(e)は図14に示すマグネット
ロータをインナーロータとして用いるPM形ステッピン
グモータにおいてステータの交番磁界によるロータ回転
の様子を順に示す概略図である。
【図16】図14に示すマグネットロータの着磁方法を
示す斜視図である。
【符号の説明】
21a…モータ軸 26…軸受メタル(ブッシュ) 27…板バネ 30,60…オフセット捲線タイプPM形ステッピング
モータ 31…第1のマグネットロータ 32…第2のマグネットロータ 24A,33…A相の励磁コイル 24B,34…B相の励磁コイル 22,35…A相のヨーク 23,36…B相のヨーク 37…A相の界磁ステータ 38…B相の界磁ステータ 39…支軸枠 39a,39b…支軸 39c…軸受板 39d…中央孔 40…ボビン(巻枠) 40a…端子ピン 40b…組付け孔(軸孔) 41…ヨーク半体 41a…挿入片 22a,22b,41b〜41d…クロポール(極爪) 43…コイル捲線 45…板バネ 46…スペーサ 47…切欠き部 25,48…非磁性体ケース 48a…底面開口部 48b…側面開口部 48c…嵌め込み凹所 48ca,48cb…支軸貫通孔 48cc…中央貫通孔 49…磁気歯車 49a…出力軸(モータ軸) 100…マグネットロータ 110…モータ軸 120A…第1の歯車状ロータ部 120B…第2の歯車状ロータ部 121…磁極突部 122…溝部 123…境界線部 G…クロポール間のギャップ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平6−169559(JP,A) 特開 平7−312858(JP,A) 実開 昭63−10776(JP,U) 実開 昭55−24020(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H02K 37/00 - 37/24

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 モータ軸の圧入されるモータ軸孔を有し
    インナーロータとして用いるマグネットロータにおい
    て、円周に亘り磁極突部と溝部を交互に略同ピッチで形
    成した第1及び第2のロータ部が軸方向にタンデム配置
    で一体化して軸方向にスラスト着磁して成り、一方のロ
    ータ部の磁極突部と他方のロータ部の溝部とが斉一して
    おり、各ロータ部の総ての磁極突部同士は同極であっ
    て、第1のロータ部の磁極突部と第2のロータ部の磁極
    突部とは異極であることを特徴とするマグネットロー
    タ。
  2. 【請求項2】 請求項1に規定するマグネットロータを
    用いて成ることを特徴とするPM形ステッピングモー
    タ。
  3. 【請求項3】 請求項1に規定するマグネットロータの
    軸心と励磁コイルの軸心とが平行にずれたオフセット捲
    線タイプPM形ステッピングモータにおいて、前記マグ
    ネットロータの周面の一方側に複数のクロポールを挟ん
    で配置したヨークと前記励磁コイルから成る第1の界磁
    ステータと、前記マグネットロータの周面の反対側に複
    数のクロポールを挟んで配置したヨークと前記励磁コイ
    ルから成る第2の界磁ステータとを有することを特徴と
    するPM形ステッピングモータ。
  4. 【請求項4】 請求項1に規定するマグネットロータの
    軸心と励磁コイルの軸心とが平行にずれたオフセット捲
    線タイプPM形ステッピングモータにおいて、前記励磁
    コイル及びその略全周に亘って複数のクロポールを配置
    したヨークから成る界磁ステータを複数個軸方向にタン
    デム配置し、前記複数個の界磁ステータの周面の一方側
    に第1のマグネットロータを平行にずらして隣接すると
    共に、前記周面の反対側に平行にずらして第2のマグネ
    ットロータを隣接し、第1のマグネットロータの回転力
    と第2のマグネットロータの回転力とを合成して出力す
    る回転合成手段を有して成ることを特徴とするPM形ス
    テッピングモータ。
  5. 【請求項5】 請求項4において、前記回転合成手段
    は、前記第1のマグネットロータと前記第2のマグネッ
    トロータの中間にて回動可能に支持された磁気歯車であ
    ることを特徴とするPM形ステッピングモータ。
JP12438398A 1998-05-07 1998-05-07 マグネットロータ及びpm形ステッピングモータ Expired - Fee Related JP3363786B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP12438398A JP3363786B2 (ja) 1998-05-07 1998-05-07 マグネットロータ及びpm形ステッピングモータ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP12438398A JP3363786B2 (ja) 1998-05-07 1998-05-07 マグネットロータ及びpm形ステッピングモータ

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH11318068A JPH11318068A (ja) 1999-11-16
JP3363786B2 true JP3363786B2 (ja) 2003-01-08

Family

ID=14884058

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP12438398A Expired - Fee Related JP3363786B2 (ja) 1998-05-07 1998-05-07 マグネットロータ及びpm形ステッピングモータ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3363786B2 (ja)

Also Published As

Publication number Publication date
JPH11318068A (ja) 1999-11-16

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2733824B2 (ja) 2相式永久磁石回転電機
US6411003B1 (en) Motor
US6504272B2 (en) Multi-phase electric rotating machine having toroidal coils and using method thereof
JP3535012B2 (ja) ラジアルギャップ型小型円筒型回転電機
KR20060131641A (ko) 축방향 에어갭타입 전동기
WO1992009132A1 (fr) Rotor de moteur sans balais
EP0777314B1 (en) Motor structure
US5130591A (en) Shaded pole motor
JPWO2009069383A1 (ja) モータ
US6958556B2 (en) Structure of rotors in stepping motors
JP3363786B2 (ja) マグネットロータ及びpm形ステッピングモータ
JP3272297B2 (ja) ステッピングモータ
KR100213573B1 (ko) 더블로터방식의 코어레스형 비엘디씨 모터
JP3679294B2 (ja) 環状コイル式回転電機
JPH0746894B2 (ja) ブラシレスdcモ−タ
JP3591660B2 (ja) 3相クローポール式永久磁石型回転電機
WO2023171488A1 (ja) ロータおよび回転電機
JP2003047225A (ja) ハイブリッド式直流電動機
JPH027270B2 (ja)
JPH07154935A (ja) 永久磁石式回転電機
JP3517545B2 (ja) モータ
JP2003009496A (ja) 永久磁石ロータ及びオフセット捲線タイプpm形ステッピングモータ
JP3882949B2 (ja) 環状コイル式永久磁石型回転電機
JP3138628B2 (ja) ハイブリッド型ステップモータの駆動方法
JPH08149784A (ja) ステッピングモータの軸受保持構造

Legal Events

Date Code Title Description
FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20071025

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081025

Year of fee payment: 6

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees