JP3362876B2 - フレキシブル電子回路基板及びその基板の製造方法とマニュピレータ - Google Patents

フレキシブル電子回路基板及びその基板の製造方法とマニュピレータ

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JP3362876B2
JP3362876B2 JP27237092A JP27237092A JP3362876B2 JP 3362876 B2 JP3362876 B2 JP 3362876B2 JP 27237092 A JP27237092 A JP 27237092A JP 27237092 A JP27237092 A JP 27237092A JP 3362876 B2 JP3362876 B2 JP 3362876B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えば、超小型化を要
求される医療用マイクロロボット等に利用される、フレ
キシブル電子回路基板及びその基板の製造方法とマニュ
ピレータに関する。
【0002】
【従来の技術】近年、マイクロマシン技術に関心が集ま
っており、医療用マイクロロボット等への応用が期待さ
れている。このためには、グリッパ等を任意の部位にア
クセスするための多関節マイクロマニピュレータの実現
が必須である。これに関連して、特に、LSI製造技術
を応用したシリコンマイクロマシニングについて様々な
研究が報告されている。これらの中にはマイクロマニピ
ュレータに関するものも多いが、駆動体としてシリコン
を用いたこれらの駆動に用いられるアクチュエータは、
いずれも変位量と発生力量において充分なものではなか
った。
【0003】一方、形状記憶合金を利用したアクチュエ
ータは変位量と発生力量で優れており、これを利用した
多関節マニュピレータとしては、例えば特開昭63−1
36014号公報に開示されている方法が知られてい
る。この中には、多関節のマニュピレータの各々のアク
チュエータを独立に制御し、さらに、フィードバック制
御する方式が示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな構造の多関節マニピュレータを大幅に小型化・多機
能化するためには多くの問題点がある。まず、関節の数
が多くなると、それらを独立に制御するためには、多関
節マニピュレータの根元部分で、多くの配線が必要とな
る。また、各関節の変位を正確に制御するために各関節
にセンサーを組み込んでフィードバック制御を行おうと
すれば、必要な配線数は更に増大する。各関節内に半導
体集積回路チップを組み込むことができれば、この問題
を回避することも可能であるが、通常の電線又はフレキ
シブル基板に対して、集積回路チップを接続するには、
そのチップをワイヤーボンディング技術で直接に接続す
るとしても相当に大きなパッド領域が必要であり、小型
化の障害となる。
【0005】さらに、フィードバック制御のためのセン
サーを接続するための配線が必要となり、このために必
要なスペースも小型化を阻害する要因となる。加えて、
膨大な数にのぼる個々の部品の組立てによってマニピュ
レータを構築する従来の技術は、コストの面からも、小
型化の追求といった面からも望ましい方法ではない。
【0006】本発明は、複数の電子回路領域やこれら電
気回路領域同士を電気的に接続する配線パターンを形成
して小型化がなされたフレキシブル電子回路基板及びそ
の製造方法並びに該フレキシブル電子回路基板を組み込
んだマニュピレータを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】請求項1に係る発明は、
所定の第1の導電型を有する基台上に所定の間隔を置い
て前記第1の導電型とは異なる第2の導電型を有する半
導体領域を複数形成する半導体領域形成工程と、前記複
数の半導体領域のそれぞれに所定の半導体電子回路を形
成する半導体電子回路形成工程と、前記複数の半導体電
子回路同士を電気的に接続するための柔軟性を有する信
号線を形成する信号線形成工程と、前記基台における前
記複数の半導体電子回路側の面に柔軟性を有する所定の
絶縁膜を形成する絶縁膜形成工程と、前記複数の半導体
領域のそれぞれに所定の電圧を印加しつつ、前記基台を
電気化学エッチング処理し、前記複数の半導体電子回路
を前記絶縁膜上に残した状態で前記基台を除去する基台
除去工程と、を有することを特徴とするフレキシブル電
子回路基板の製造方法である。請求項2に係る発明は、
所定の第1の導電型を有する基台上に所定の間隔を置い
て前記第1の導電型とは異なる第2の導電型を有する半
導体領域を複数形成する半導体領域形成工程と、前記複
数の半導体領域のそれぞれに所定の半導体電子回路を形
成する半導体電子回路形成工程と、前記複数の半導体電
子回路同士を電気的に接続するための柔軟性を有する信
号線を形成する信号線形成工程と、前記基台における前
記複数の半導体電子回路側の面に柔軟性を有する所定の
絶縁膜を形成する絶縁膜形成工程と、前記複数の半導体
領域のそれぞれに所定の電圧を印加しつつ、前記基台を
電気化学エッチング処理し、前記複数の半導体電子回路
を前記絶縁膜上に残した状態で前記基台を除去する基台
除去工程と、を有する製造方法で製造されたことを特徴
とするフレキシブル電子回路基板である。請求項3に係
る発明は、所定の駆動信号を受けて駆動される複数の駆
動体と、所定の第1の導電型を有する基台上に所定の間
隔を置いて前記第1の導電型とは異なる第2の導電型を
有する半導体領域を複数形成する半導体領域形成工程
と、前記複数の半導体領域のそれぞれに対して前記複数
の駆動体のそれぞれに対応した駆動体制御用の複数の半
導体電子回路を形成する半導体電子回路形成工程と、所
定の複数の半導体電子回路を形成する半導体電子回路形
成工程と、前記複数の半導体電子回路同士を電気的に接
続するための柔軟性を有する信号線を形成する信号線形
成工程と、前記基台における前記複数の半導体電子回路
側の面に柔軟性を有する所定の絶縁膜を形成する絶縁膜
形成工程と、前記複数の半導体領域のそれぞれに所定の
電圧を印加しつつ、前記基台を電気化学エッチング処理
し、前記複数の半導体電子回路を前記絶縁膜上に残した
状態で前記基台を除去する基台除去工程と、を有する製
造方法で製造されたフレキシブル電子回路基板と、前記
複数の半導体電子回路と前記複数の駆動体のそれぞれが
対応して設けられ、前記駆動体の駆動により互いに屈曲
する複数の関節構造体と、を有することを特徴とするマ
ニュピレータである。請求項4に係る発明は、所定の熱
エネルギを受けて変形自在な複数の形状記憶合金と、前
記複数の形状記憶合金のそれぞれに対応して設けられた
複数の発熱駆動体と、所定の第1の導電型を有する基台
上に所定の間隔を置いて前記第1の導電型とは異なる第
2の導電型を有する半導体領域を複数形成する半導体領
域形成工程と、前記複数の半導体領域のそれぞれに対し
て前記複数の発熱駆動体のそれぞれに対応した発熱駆動
体制御用の複数の半導体電子回路を形成する半導体電子
回路形成工程と、前記複数の半導体電子回路同士を電気
的に接続するための柔軟性を有する信号線を形成する信
号線形成工程と、前記基台における前記複数の半導体電
子回路側の面に柔軟性を有する所定の絶縁膜を形成する
絶縁膜形成工程と、前記複数の半導体領域のそれぞれに
所定の電圧を印加しつつ、前記基台を電気化学エッチン
グ処理し、前記複数の半導体電子回路を前記絶縁膜上に
残した状態で前記基台を除去する基台除去工程と、を有
する製造方法で製造されたフレキシブル電子回路基板
と、前記複数の半導体電子回路と前記複数の発熱駆動体
と前記複数の形状記憶合金のそれぞれが対応して設けら
れ、前記発熱駆動体の駆動により互いに屈曲する複数の
関節構造体と、を有することを特徴とするマニュピレー
タである。請求項5に係る発明は、所定の駆動信号を受
けて駆動される複数の駆動体と、前記複数の駆動体のそ
れぞれの駆動状態を検知する、前記複数の駆動体のそれ
ぞれに対応した複数の検知手段と、所定の第1の導電型
を有する基台上に所定の間隔を置いて前記第1の導電型
とは異なる第2の導電型を有する半導体領域を複数形成
する半導体領域形成工程と、前記複数の半導体領域のそ
れぞれに対して前記複数の駆動検知手段の検知結果に基
づき前記複数の駆動体のそれぞれを制御する駆動体制御
用の複数の半導体電子回路を形成する半導体電子回路形
成工程と、前記複数の半導体電子回路同士を電気的に接
続するための柔軟性を有する信号線を形成する信号線形
成工程と、前記基台における前記複数の半導体電子回路
側の面に柔軟性を有する所定の絶縁膜を形成する絶縁膜
形成工程と、前記複数の半導体領域のそれぞれに所定の
電圧を印加しつつ、前記基台を電気化学エッチング処理
し、前記複数の半導体電子回路を前記絶縁膜上に残した
状態で前記基台を除去する基台除去工程と、を有する製
造方法で製造されたフレキシブル電子回路基板と、前記
複数の半導体電子回路と複数の駆動体のそれぞれが対応
して設けられ、前記駆動体の駆動により互いに屈曲する
複数の関節構造体と、を有することを特徴とするマニュ
ピレータである。請求項6に係る発明は、所定の熱エネ
ルギを受けて変形自在な複数の形状記憶合金と、前記複
数の形状記憶合金のそれぞれに対応して設けられた複数
の発熱駆動体と、前記複数の発熱駆動体のそれぞれの発
熱駆動状態を検知する、前記複数の発熱駆動体のそれぞ
れに対応した複数の発熱駆動検知手段と、所定の第1の
導電型を有する基台上に所定の間隔を置いて前記第1の
導電型とは異なる第2の導電型を有する半導体領域を複
数形成する半導体領域形成工程と、前記複数の半導体領
域のそれぞれに対して前記複数の発熱駆動検知手段の検
知結果に基づき前記複数の発熱駆動体のそれぞれを制御
する発熱駆動体制御用の複数の半導体電子回路を形成す
る半導体電子回路形成工程と、前記複数の半導体電子回
路同士を電気的に接続するための柔軟性を有する信号線
を形成する信号線形成工程と、前記基台における前記複
数の半導体電子回路側の面に柔軟性を有する所定の絶縁
膜を形成する絶縁膜形成工程と、前記複数の半導体領域
のそれぞれに所定の電圧を印加しつつ、前記基台を電気
化学エッチング処理し、前記複数の半導体電子回路を前
記絶縁膜上に残した状態で前記基台を除去する基台除去
工程と、を有する製造方法で製造されたフレキシブル電
子回路基板と、前記複数の半導体電子回路と前記複数の
発熱駆動体と前記複数の形状記憶合金のそれぞれが対応
して設けられ、前記発熱駆動体の駆動により互いに屈曲
する複数の関節構造体と、を有することを特徴とするマ
ニュピレータである。請求項7に係る発明は、所定の第
1の導電型を有する基台上に所定の間隔を置いて前記第
1の導電型とは異なる第2の導電型を有する半導体領域
を複数形成する半導体領域形成工程と、前記複数の半導
体領域のそれぞれに所定の半導体電子回路を形成する半
導体電子回路形成工程と、前記複数の半導体電子回路同
士を電気的に接続するための柔軟性を有する信号線を形
成する信号線形成工程と、前記基台における前記複数の
半導体電子回路側の面に柔軟性を有する所定の絶縁膜を
形成する絶縁膜形成工程と、前記複数の半導体領域のそ
れぞれに所定の電圧を印加しつつ、前記基台を電気化学
エッチング処理にて除去し、前記基台に形成された前記
半導体電子回路と前記信号線を前記絶縁膜に転写する基
台除去工程と、を有することを特徴とするフレキシブル
電子回路基板の製造方法。請求項8に係る発明は、所定
のP型半導体基台上に所定の間隔をおいて複数のN型半
導体領域を形成するN型半導体領域形成工程と、前記複
数のN型半導体領域のそれぞれに所定の半導体電子回路
を形成する半導体電子回路形成工程と、前記複数の半導
体電子回路同士を電気的に接続するための柔軟性を有す
る信号線を形成する信号線形成工程と、前記P型半導体
基台における前記複数の半導体電子回路側の面に柔軟性
を有する所定の絶縁膜を形成する絶縁膜形成工程と、前
記複数のN型半導体領域のそれぞれに所定の電圧を印加
しつつ、前記P型半導体基台を電気化学エッチング処理
し、前記複数の半導体電子回路を前記絶縁膜上に残した
状態で前記P型半導体基台を除去するP型半導体基台除
去工程と、を有することを特徴とするフレキシブル電子
回路基板の製造方法である。
【0008】
【実施例】本発明の第1の実施例を、図1から図13を
用いて説明する。これの多関節マニピュレータは、電子
回路や形状記憶合金等が一体化された駆動機構体aと多
関節構造体bに組み込んで構成される。まず、駆動機構
体について、その製造手順に従って説明する。
【0009】最初、図1に示すように、面方位が(10
0)のP型低濃度半導体基板1上の複数個所に、リンの
イオン注入及び熱拡散工程を用いて接合深さ10μmの
N型低濃度領域2,3を一列に並べて等間隔をあけて形
成する。次に、図2に示すように、各々のN型低濃度領
域3おいて、Pch−MOSFETを形成する領域にNウ
ェル4を、Nch−MOSFETを形成する領域にPウェ
ル5をそれぞれ形成する。
【0010】この後、図3に示すように、フィールド酸
化膜6、ゲート電極7、P型高濃度拡散層8、N型高濃
度拡散層9、シリコン酸化膜よりなる第1層間絶縁膜1
0、第1金属配線層11の形成工程を経て、各々のN型
低濃度領域3にCMOS集積回路を形成し、さらに、ポ
リイミドより成る第2の層間絶縁膜12を形成する。
【0011】このようにN型低濃度領域3に形成される
CMOS集積回路は、図4に示すような回路構成となっ
ている。つまり、D型フリップフロップ(DFF)13
とスイッチング用トランジスタ14を各々2つ含み、入
力電源線の端子領域15、入力GND線の端子領域1
6、入力同期信号線の端子領域17、入力制御線の端子
領域18、第1の駆動線の端子領域19、第2の駆動線
の端子領域20、出力電源線の端子領域21、出力GN
D線の端子領域22、出力同期信号線の端子領域23、
及び出力制御線の端子領域24を有している。また、N
型低濃度領域2に形成されるCMOS集積回路は、図4
で示した回路構成の他に、後に説明する信号処理回路、
及び入力保護回路が含まれる。なお、ここで、スイッチ
ング用トランジスタはエンハンスメント型Nch−MOS
FETである。
【0012】次に、図5に示すように、所定の位置にT
i薄膜による電熱線パターン26をTiのスパッタ及び
リソグラフィー工程によって形成する。続いて、図6に
示すように、通常のフォトリソグラフィーによって前記
16から24の各々の端子領域にコンタクト孔27をそ
れぞれ開口する。
【0013】次に、図7に示すように、第2金属配線層
となる厚さ1.5μmのAl膜をスパッタした後、通常
のフォトリソグラフィーによってAlをパターニングし
て、N型低濃度領域に形成した各々の隣り合う電子回路
の電源線、GND線、同期信号線、制御線のコンタクト
孔27を接続して、第2金属配線層による、電源配線2
8、GND配線29、同期信号配線30、制御配線31
及び第1の駆動線と電子回路の横に設けられた2つの電
熱線パターンの一方を接続する第1駆動配線32と、第
2の駆動線と電子回路の横に設けられた2つの電熱線パ
ターンの他方を接続する第2駆動配線33をそれぞれ形
成する。この第2金属配線層のエッチングに際して、T
iと比較してAlのエッチング速度が速いエッチャント
を用いることで、Tiをほとんどエッチングすることな
く、Alのエッチングを行うことができる。
【0014】次に、図8及び図9に示すように、その上
に第3の層間絶縁膜34となる厚さ2μmのポリイミド
膜を塗布形成し、更に、この上に厚さ50μmの形状記
憶合金薄膜をスパッタによって形成し、更に、この上に
ポリイミド膜を塗布し、これをリソグラフィー工程によ
ってエッチングして駆動体となる形状記憶合金薄膜パタ
ーン35とその上部のポリイミド膜36を形成する。
【0015】次に、これまで述べた電子回路、配線、形
状記憶合金薄膜パターン35を形成した以外の領域の第
3層間絶縁膜34、及び第2層間絶縁膜12をリソグラ
フィー工程によってエッチング除去した後、基板の形状
記憶合金薄膜等を形成した側の主面を保護膜によって保
護した上で、N型低濃度領域2及び3に1Vの電圧を印
加しながら80℃の10w%のアンモニア溶液中で処理
するECE(electrochemical controlled etching)処
理によって、N型低濃度領域以外の領域の半導体基板を
エッチングによって除去する。一般的なCMOS回路に
おいては、電源線がNウェルに接続されているので、電
源配線28をバイアスすることで、N型低濃度領域2,
3にバイアスすることができる。
【0016】この後、フッ酸溶液等によってシリコン酸
化膜の第1層間絶縁膜10のN型低濃度領域以外の露出
した領域をエッチング除去してから表面保護膜を除去す
る。
【0017】この様にして、柔軟なポリイミドによって
覆われた配線及び電熱線パターン26と、その下部に部
分的に残存した電子回路を構成する半導体領域と、上部
に形成された形状記憶合金(駆動体)が、図9で示す一
体化された駆動機構体aが得られる。
【0018】この後、形状記憶合金部分の電熱線ヒータ
ーがある領域を曲げた状態で保持し、400℃で1時間
熱処理した後、急冷して形状記憶処理を行う。このと
き、駆動機構体における全ての形状記憶合金は同じ形状
を記憶させる。
【0019】次に、図10及び図11に示すような多関
節構造体bを用意する。これは、MIM(metal inject
ion mold)によって形成され、個々の節37は、1平面
上で任意の方向に回動できるように接続部38を介して
連結されている。また、各節37は両側に3個づつの取
付け部39を有する。
【0020】ついで、図12に示すように、前記電子回
路や形状記憶合金等が一体化された駆動機構体aを多関
節構造体bに取り付ける。この図12から分かるよう
に、駆動機構体aの1つの電子回路部分とこれの両側に
設けられた一対の形状記憶合金薄膜パターン35は、多
関節構造体bの1つの節37にそれぞれ対応し、電子回
路部分はその多関節構造体bの上面に固定される。
【0021】また、一対の形状記憶合金薄膜パターン3
5は、その駆動配線部分で折り曲げることにより、多関
節構造体bの両側面で、2つの節37にまたがる3つの
取付け部39(39a,39b,39b)に対して取り
付けられる。つまり、形状記憶合金薄膜パターン35は
この3つの取付け部39a,39b,39bの中で、図
中左端の取付け部39aで固定され、他の2つの取付け
部39bでは横方向に自由に動くことができるように取
り付けられる。ここで、形状記憶合金薄膜パターン用の
電熱線ヒーター26がある部分は、その多関節構造体b
の接続部38に対応して位置するように配置される。ま
た、前記電子回路部同士を接続する4本の配線は節37
の屈曲時に強い応力がかからないように、適当なたるみ
を持たせてある。
【0022】このように駆動機構体aと多関節構造体b
に組み込んで構成される多関節マニピュレータによる
と、節37の両側に配置された形状記憶合金薄膜パター
ン35は、変態点以上の温度に加熱されたときに節37
の接続部38をそれぞれ逆方向に曲げる力を作用させ
る。従って、一対の形状記憶合金薄膜パターン35の一
方を加熱することによって、それに対応した接続部38
をどちらの方向にも曲げることができる。
【0023】次に、このように構成された多関節マニピ
ュレータの制御を図13で示す信号によって行う場合に
ついて説明する。節37の数がn個であったとすると、
このマニピュレータの各節37に配置された電子回路
は、2nビットのシフトレジスタを構成することにな
る。まず、第1の時間領域において同期信号線に対し
て、2n個のパルスが入力され、制御信号線に対しても
パルスが入力される。
【0024】ここで、2n個のパルスの入力が完了した
第1時間領域の終りの時刻T1における、入力側から数
えてk番目の節37に注目すると、この節37の電子回
路には、2(n−k)+1番目と2(n−k)+2番目
のDFF13が含まれており、2(n−k)+1番目の
同期信号が立ち上がる際の制御信号線はLo状態である
ので、k番目の節37の後段のDFF13はLo状態で
あり、2(n−k)+2番目の同期信号が立ち上がる際
の制御信号線は、Hi状態であるのでk番目の関節の前
段のDFF13は、Hi状態となる。このため、図4に
おける第1駆動線には通電がなされ、一方、第2駆動線
には通電がなされない。
【0025】従って、同期信号が入力されない第2時間
領域においては、k番目の節37に配置された一対の形
状記憶合金のうち、第1駆動線に接続された方だけが加
熱され、変態温度を越えて節37を所定方向に屈曲させ
る。第1時間領域においてシフトレジスタで制御信号が
転送される間には、2(n−k)+1番目のビットがH
i状態となる瞬間もあるが、第1時間領域の長さが第2
時間領域や形状記憶合金薄膜パターン35の昇温に要す
る時間よりも充分に短ければ、実用上は問題ない。この
条件が満たされない場合には、DFF用スイッチング用
トランジスタの間にラッチ回路を設けることで回避する
こともできる。このように第1時間領域と第2時間領域
を1つの単位時間として繰り返し、第1時間領域におけ
る制御信号パルスを変えることによって、任意の節37
をどちらの方向にも屈曲させることができる。
【0026】このような構成によれば、制御回路、電熱
線ヒーター、駆動回路が一体形成され、組立工程が無し
で、発生力量と変位量が大きい多関節駆動機構を得るこ
とができる。また、各部の配線もリソグラフィー技術で
成されるので、ワイヤーボンディングなどの方法と比べ
て大幅に小型化できる。
【0027】なお、図13に示した方法では、多関節マ
ニピュレータの各節37は、形状記憶合金の記憶された
形状に対応してどちらかの方向に屈曲させることができ
るだけであるが、駆動手段のフィードバック制御によっ
て各節37を任意の角度に曲がった状態で制御する方法
について以下に説明する。
【0028】これにはいくつかの方法が考えられるが、
まず、電熱ヒーター部分の温度を用いて制御する方法に
ついて説明する。先に説明した構成の実施例において
は、電熱ヒーターの発熱体としてTi薄膜を用いたが、
これを抵抗値の温度依存性が大きい材料に置き換える。
例としては導電性有機薄膜や変態温度の非常に低いTi
−Ni合金が挙げられる。後者は実用温度範囲でオース
テナイト相となり、この領域では抵抗値の温度依存性が
比較的大きいため利用可能となる。これは超弾性を示す
ので、駆動体の形状記憶合金の変態時の歪みが大きい場
合でも塑性変形による電熱ヒーター部分の信頼性の問題
がない点でも特に望ましい。
【0029】このような構成とした上で、形状記憶合金
部分の変位量の温度依存性を利用した、温度によるフィ
ードバック制御を行う方法について、図14を用いて説
明する。ここでは図13の説明の際と同様に、多関節マ
ニピュレータはn個の節を有し、電子回路は全体として
2nビットのシフトレジスタを構成している。
【0030】このタイムチャートから分かるように、制
御における単位時間を第1、第2、第3の3つの時間領
域に分けて考える。第1時間領域においては2n個の同
期信号パルスが出力され、その最初の立上り時に前段の
ビットの状態が転送される。従って第1時間領域を通じ
て、この図14のように最初に1つだけ制御信号線にパ
ルスを与えると、順次各ビットが1つだけHi状態とな
り、そのビットに対応した電熱ヒーターが通電される。
この際の電流量をモニターすることで、各電熱ヒーター
の抵抗値から温度を検出することができる。このように
検出された温度を基に通電すべき電熱ヒーターを決定し
て、図13において説明したのと同じ方法で第2時間領
域で必要なパルスを入力して、この状態を第3時間領域
で保持する。
【0031】この後、このタイムチャートには図示して
いないが、制御信号線をLo状態としたまま同期信号線
に2n個のパルスを出力して、各DFFをLo状態とし
てから第1時間領域の処理に戻る。このような処理を充
分に短い周期で行えば、きめ細かいフィードバックによ
って各駆動体の形状記憶合金を所定の温度に維持するこ
とができる。
【0032】次に、ピエゾ型歪みセンサーを用いてフィ
ードバック制御する方法に関して変形例を、図1から図
12を用いて説明した実施例と異なる点について、図1
5から図18を用いて説明する。まず、図15に示すよ
うにN型低濃度領域3の中に形成されたNウェル4を、
後に電熱線ヒーターパターンが形成される領域にもコの
字型に形成し、更にN型低濃度拡散層3に形成する電子
回路を図16に示すように変更する。これは前述した図
3の回路に更に2ビットのDFFとスイッチング用トラ
ンジスタを追加したもので、追加された部分には第1ピ
エゾ抵抗検出線端子領域101と第2ピエゾ抵抗検出線
端子領域102を含んでいる(図16を参照)。
【0033】更に、図17に示すように、図7に示した
コンタクト孔27を、第1ピエゾ抵抗検出線端子領域1
01と第2ピエゾ抵抗検出線端子領域102および後に
電熱線ヒーターパターンが形成される領域にコの字型に
形成されたNウェル4の両端にも形成する。ここで、コ
の字型に形成されたNウェル4の両端のコンタクト孔の
部分は後に形成される第2金属配線層とオーミックコン
タクトをとるため、N型高濃度拡散層9が形成されてい
る。
【0034】次に、図18に示すように、図7で説明し
た配線の他に、電熱線パターンの下部に設けられた2つ
のピエゾ抵抗素子となるNウェルの一方を第1ピエゾ抵
抗検出線端子領域101のコンタクト孔27と接続する
第1ピエゾ抵抗検出配線103と電熱線パターンの下部
に設けられた2つのピエゾ抵抗素子となるNウェルの他
方を第2ピエゾ抵抗検出線端子領域102のコンタクト
孔27と接続する第2ピエゾ抵抗検出配線104を形成
する。
【0035】後は、図8から図12に示したのと同様の
手順で多関節マニピュレータを完成させる。ECE(el
ectrochemical controlled etching)処理においては、
図16に示したこの回路構成では、電熱線ヒーター部分
の下部のnウェル領域も電源線と接続されているので、
電子回路を形成したN型低濃度領域と同様にこの領域を
残存させることができる。
【0036】制御方法は基本的には図14に示したのと
同様であるが、節内のDFFの数が2倍となっているの
で、第1及び第2時間領域において2倍の数の同期信号
パルスが必要となる。第1時間領域においては1つのパ
ルスを順次転送し、第1及び第2ピエゾ抵抗検出配線が
通電状態となったときの電流値をモニターすることで、
形状記憶合金部分の下部のNウェル領域のピエゾ抵抗効
果によって各形状記憶合金部分の変位量を知ることがで
きる。このように検出された形状記憶合金部分の変位を
基に通電すべき電熱ヒーターを決定して、第2時間領域
で必要なパルスを入力して、所定の電熱ヒーター配線を
通電状態にして、この状態を第3時間領域で保持する。
この後、制御信号線をLo状態としたまま同期信号線に
4n個のパルスを出力して、各DFFをLo状態として
から第1時間領域の処理に戻る。このような処理を充分
に短い周期で行えば、きめ細かいフィードバックによっ
て各駆動体の形状記憶合金を所定の変位に維持すること
ができる。
【0037】次に、駆動体の形状記憶合金自体の抵抗値
の変化を利用して多関節マニピュレータを制御する方法
に関して、図1から図12を用いて説明した実施例と異
なる点について、第19図から図22を用いて説明す
る。
【0038】まず、N型低濃度領域3に含まれる電子回
路を第19図に示すように変更する。これは図3の回路
に更に2ビットのDFF13とスイッチング用トランジ
スタ14を追加したもので、追加された部分には第1駆
動体抵抗検出線端子領域201と第2駆動体抵抗検出線
端子領域202を含んでいる。ここで、第1及び第2駆
動体抵抗検出線端子領域201,202の一方は,入力
電源線端子領域15と出力電源線端子領域21ではな
く、別に用意された入力抵抗検出電源線端子領域203
と出力抵抗検出電源線端子領域204に接続されてい
る。ただし、図示していないが、回路内の4個のDFF
13の電源は、図3及び図16の場合と同様に入力電源
線端子領域15から供給される。
【0039】次に、図20に示すように、図7で説明し
た配線の他に、一方の電熱線パターンの両側と第1駆動
体抵抗検出線端子領域201のコンタクト孔27と接続
する第1駆動体抵抗検出配線205と、他方の電熱線パ
ターンの両側と第2駆動体抵抗検出線端子領域202の
コンタクト孔と接続する第2駆動体抵抗検出配線206
及び入力抵抗電源線と出力入力抵抗電源線を接続する抵
抗検出配線207を形成する。
【0040】次に、図21及び図22に示すように、ポ
リイミドより成る第3の層間絶縁膜208を形成し、こ
の第1及び第2の駆動体抵抗検出配線の先端に、リソグ
ラフィー工程によってコンタクト孔209を形成し、更
に、図8の場合と同様に、この上に厚さ50μmの形状
記憶合金薄膜をスパッタによって形成し、更に、この上
にポリイミド膜を塗布し、これをリソグラフィー工程に
よってエッチングして、駆動体となる形状記憶合金薄膜
パターン35とその上部のポリイミド膜36を形成す
る。
【0041】この後、図10から図12に示したのと同
じ手順で、多関節マニピュレータを完成させる。また、
制御方法は、基本的には先に述べたピエゾ抵抗素子を用
いた場合と同じである。ここで、形状記憶合金部分の抵
抗値検出のために、電子回路や電熱ヒーターと異なった
電源を用いているのは、駆動体として用いる形状記憶合
金部分の抵抗値が電熱ヒーターと比較して非常に小さい
ため、形状記憶合金部分の抵抗値検出時に加熱されたり
するので、これを防止するためである。
【0042】なお、これまで電熱ヒーターの温度、駆動
体と一体化されたピエゾ素子の変位量、駆動体の形状記
憶合金の抵抗値による制御方法について述べたが、これ
らを組み合せてより精度の高いフィードバック制御を行
うこともできる。
【0043】実際に、このような制御を行うには、モニ
ターされた電流値から、電熱ヒーターの温度、ピエゾ素
子の変位量、或は形状記憶合金部分の抵抗とを求め、更
に、それを駆動体としての形状記憶合金部分の変位量に
換算して、制御信号パルスを発生させるといったことが
必要である。これらを実現させるための電子回路は多関
節マニピュレータの1番目の関節の電子回路(図1の低
濃度N型領域2の部分)に内蔵するのが特に望ましい。
本発明が目的とするマイクロシステムにおける多関節マ
ニピュレータは、全体のシステムの中の1つの機能ユニ
ットとして使用されるが、機能ユニットの内部で、この
ような高度の信号制御が可能であれば、全体として大規
模なシステムを構築する上で、非常に有利である。更
に、駆動体やセンサーの固有の特性値についての情報を
第1関節の電子回路に形成したROMに書き込んでおく
等すれば、機能素子としての多関節マニピュレータの汎
用性を高めることができる。
【0044】ここまでは、相異なる方向に関節を屈曲さ
せるように作用する一対の形状記憶合金を用いた駆動機
構について説明してきたが、形状記憶合金は特殊な熱処
理によっていわゆる全方位形状記憶が可能であり、これ
を利用すれば、1つの関節当たり1つの駆動体で駆動機
構(手段)を構成することができる。このような実施例
を第23図から図27を用いて説明する。
【0045】まず、図1及び図2に示したのと同様の手
順で、半導体基板1に電子回路領域を形成するが、N型
低濃度領域3に形成する回路は図23に示すようにす
る。図23から知れるように、これは前述した図3の回
路を半分にしたものであり、このため、一組の駆動線の
端子領域301を有する。
【0046】次に、図24に示すように、第2層間絶縁
膜12を形成した後、図23の15から18、21から
24、及び301の各領域に、コンタクト孔302を形
成する。
【0047】次に、図25に示すように第2金属配線層
となるAlのリソグラフィー工程によって、N型低濃度
領域に形成した各々の隣り合う電子回路の電源線、GN
D線、同期信号線、制御線のコンタクト孔を接続して、
第2金属配線層による、電源配線28、GND配線2
9、同期信号配線30、制御配線31及び駆動線の端子
領域301からの駆動配線303を形成する。
【0048】次に、図26及び図27に示すように、ポ
リイミドよりなる第3層間絶縁膜304を形成した後、
駆動配線303の先端にコンタクト孔305を形成し、
更にTi薄膜のリソグラフィー工程によって駆動体へエ
ネルギーを供給する手段たる電熱ヒーターパターン30
6を形成し、更に、図27で示すように、その上にポリ
イミドより成る第4層間絶縁膜307を形成する。
【0049】次に、図28に示すように、形状記憶合金
薄膜をスパッタした後、リソグラフィー工程によって駆
動体となる形状記憶合金308を形成する。この後は先
に説明したのと同様に、基板の形状記憶合金薄膜等を形
成した側の主面を保護膜によって保護した上で、N型低
濃度領域2及び3に1Vの電圧を印加しながら、ECE
処理によってN型低濃度領域以外の領域の半導体基板1
をエッチングによって除去する。この後、フッ酸溶液等
によってシリコン酸化膜の第1層間絶縁膜10のN型低
濃度領域以外の露出した領域をエッチング除去してから
表面保護膜を除去し、柔軟なポリイミド膜によって覆わ
れた配線及び電熱線パターンと、その下部に部分的に残
存した電子回路を構成する半導体領域と、上部に形成さ
れた形状記憶合金が一体化された駆動手段を得る。この
後、形状記憶合金に対して適当な変形を加えながら熱処
理を行うことによって、全方位形状記憶処理を行う。こ
れを多関節構造体に組み込めば、多関節マニピュレータ
として機能させることができる。制御方法については1
関節の駆動体が1つになっただけで基本的には、第13
図で説明したのと同じである。先に述べたような方法
で、センサーを組み込めば任意の屈曲角にフィードバッ
ク制御できることは言うまでもない。
【0050】ここまで、形状記憶合金に曲げ変位を形状
記憶させることによって駆動させる多関節マニピュレー
タについて説明してきたが、形状記憶合金は一般的に伸
縮を形状記憶させた方が大きな力量が得られる。図29
から図32を用いてこのような実施例について説明す
る。
【0051】まず、図1から図7までと同様な手順で、
電子回路、配線及び電熱ヒーターを形成した後、第3層
間絶縁膜となるポリイミド膜とポジ型レジスト膜形成
し、フォト工程によってレジスト膜を露光・現像して、
レジストパターン402を形成する。
【0052】この後、図30及び図31に示すように、
スパッタによる形状記憶合金薄膜と、ポリイミド膜を順
次形成し、これをリソグラフィー工程によってエッチン
グして駆動体となる形状記憶合金薄膜パターン403と
その上部のポリイミド膜404を形成する。
【0053】この後、有機溶剤等でレジストパターン4
02を選択的に除去すると、図30中E−E線に沿う断
面を示す図31のように、形状記憶合金薄膜パターン4
03の部分は電熱ヒーターパターン26及びポリイミド
膜404と一方の端部のみで固定されることになる。
【0054】続いて、これまで説明したのと同様なEC
E処理と第1層間絶縁膜10の除去を行う。この後で形
状記憶合金を伸縮方向に形状記憶処理し、駆動機構体a
を完成させる。次に、図32に示すような多関節構造体
bを用意する。これは前述した図10に示したものとほ
とんど同じであるが、取付け部39は各節37で、4個
づつとなっている。
【0055】次に、この多関節構造体bに前記駆動機構
体aを図33に示すように取り付ける。これも図12に
示した方法と似ているが、一対の形状記憶合金薄膜パタ
ーン部分35は多関節構造体bの両側面で2つの節37
にまたがる4つの取付け部39に取り付けられ、形状記
憶合金はこの4つの内の両端の取付け部39aで固定さ
れ、他の中間の2つの取付け部39bでは横方向に自由
に動くことができる。ここで、電熱ヒーターと第2及び
第3絶縁層の部分は、図33におけるF−F線に沿う断
面図である図34から分かるように、両端の固定された
取り付け部39aの、形状記憶合金薄膜パターン部35
に対して固定された方の一端のみで固定されている。
【0056】このように構成すれば、一方の電熱ヒータ
ーを加熱した際に、その部分の形状記憶合金が収縮し
て、多関節構造体bの関節部が屈曲する。また、その駆
動体bの形状記憶合金部分と電熱ヒーター部分が一端の
みで固定されているため、形状記憶合金の大きな変位に
対して電熱ヒーターが大きな歪みを受けることはない。
一般に、構造体の関節部で同じだけに屈曲角を得ようと
した場合、屈曲よりも収縮の方が大きな歪みを必要とす
るので、このような対策がなされることが望ましい。
【0057】これまでは、駆動体としての形状記憶合金
を駆動機構体に一体形成するため、絶縁された電熱ヒー
ター部分にスパッタとリソグラフィー工程によって、形
状記憶合金薄膜パターン35を形成する方法について説
明してきたが、あらかじめ形状記憶処理を施した形状記
憶合金部材を、絶縁された電熱ヒーター部分に張り付け
てもよい。また、駆動体bには形状記憶合金に限らず、
電圧又はそれによって発生する熱等によって変位する素
材を用いれば、これらの実施例で開示された、柔軟な配
線によって相互に接続された電子回路群や、それと一体
形成された電極、、又は電熱ヒーター等によって駆動用
エネルギ供給手段を構成することができる。
【0058】ところで、これまでの実施例においては、
配線としてスパッタによるAl薄膜を用いてきたが、関
節数が多く、多関節マニピュレータの全長が長くなる
と、配線抵抗が正常な動作を阻害するので配線幅を大き
くする必要があり、これが小型化を阻害する要因とな
る。この問題を回避するための方法について、図1から
図6までの工程を経た後の工程について図35から図3
8を用いて、以下に説明する。
【0059】まず、図34に示すように、図7と同様の
配線パターンを200nm程度のスパッタによるPt薄
膜501で形成する。次に、図35のG−G線に沿う断
面を示す図36に示すように、10μmのポリイミド5
02と1μmのAlを形成し、Ptの配線パターンの反
転パターンでAlをエッチングし、Alパターン503
を形成する。次に、図37に示すように、RIEによっ
てAlをマスクとしてポリイミド502を異方性エッチ
ングして開口部504を形成する。
【0060】この後、図38に示すようにAlパターン
503を選択的に除去してからテトラメチルアンモニウ
ムハイドロオキサイドと硫酸銅の混合液によって、Pt
が露出した部分に選択的に銅505を10μm無電解メ
ッキする。この後は図9以降と同じ手順で多関節マニピ
ュレータを完成させる。この方法では、配線に比較的厚
く、しかも抵抗率が小さい銅を配線として利用できるの
で、配線抵抗を大幅に低減できる。
【0061】このように、配線抵抗を大幅に低減し、更
に制御回路のスイッチングTrに駆動能力の大きなバイ
ポーラトランジスタを用いるなどすれば、前記駆動体に
極細の形状記憶合金ワイヤーを用いることで、電熱ヒー
ターでなく、直接に形状記憶合金ワイヤーを通電加熱す
ることも可能である。このような方法で構成した多関節
マニピュレータの概念的構成の例が図39と図40でそ
れぞれ示す。ここでは、多関節構造体601には、配線
602で相互に接続されたアクチュエータ制御チップ6
03によるアクチュエータ制御チップアレーが取り付け
られ、第4図に示したと同様な構成における回路におけ
る第1及び第2の駆動線端子領域が一対の極細形状記憶
合金ワイヤー604の両端に直接に接続されている。図
39のものではその多関節マニピュレータがパイプ状の
硬性部606の外周に設けられ、図39のものではその
多関節マニピュレータが関節607の屈曲部分に対応す
る軟性部605とそれ以外の硬性部606よりなるパイ
プに収められている。
【0062】多関節マニピュレータの各関節の制御を任
意でなく、順次にした場合の多関節マニピュレータの制
御回路を図41に示す。図41において、60は抵抗で
あり、(61−1)〜(61−n)は、デプレッション
形MOS−FETで、(62−1)〜(62−n)は形
状記憶合金(SMA)である。60は入力電圧を抵抗分
割し、(61−1)〜(61−n)のFETのドレイン
に抵抗分割分の電圧を与える抵抗であり、(61−1)
〜(61−n)のFETは、形状記憶合金(62−1)
〜(62−n)に通電を行わせるスイッチング素子であ
る。
【0063】この図41で示す構成において、入力電圧
Vを上げていき、V1 がゲート・ソース間しゃ断電圧V
GSよりも大きくなったとき、(61−1)のFETがO
Nし、(62−1)の形状記憶合金に定電流が流れる。
それ以外のFET(61−2)〜(61−n)は、途中
にかましてある抵抗60により入力電圧Vが分圧され
て、VGS(OFF) >V2 >V3 >V4 …>Vn となり、F
ET(61−2)〜(61−n)はOFFとなってい
る。
【0064】ここで、更に入力電圧Vを上げていくと、
2 >VGS(OFF) となりFET(61−2)もONし、
SMA(62−2)にも定電流が流れる。以上の事を繰
り返す事によって、最終的にはV1 >V2 >V3 >…>
n >VGS(OFF) となり、SMA(62−1)〜(62
−n)を入力電圧によって順次的に通電を行わせる事が
できる。
【0065】なお、この例では、形状記憶合金(SM
A)の通電制御を行うのにFETのスイッチング動作を
使用していたが、これに限らず、スイッチング素子とし
て、ツェナーダイオードを使用した図42に示す回路例
のものでもよい。
【0066】図42において、(65−1)〜(65−
n)はSMAであり、(63−1)〜(63−n)はツ
ェナーダイオードで、(63−1)〜(63−n)のツ
ェナー電圧をVZD1 ,VZD2 ,VZD3 ,〜,VZDn
し、VZD1 <VZD2 <VZD3 <…<VZDn とする。64
はスイッチングダイオードで、(65−1)〜(65−
n)のSMAに定電圧がかかる様にしてある。
【0067】そこで、この図42において、入力電圧V
を上げていき、V>VZD1 となった時に、(63−1)
のツェナーダイオードからツェナー電流が流れ、SMA
(65−1)に通電する。更に、入力電圧Vを上げてい
き、V>VZD2 となった時に、(63−2)のツェナー
ダイオードからツェナー電流が流れ、SMA(65−
2)にも通電する。
【0068】この事を繰り返していくと、最終的にはV
>VZDn となり、(65−1)〜(65−n)のSMA
を全て通電する。入力電圧Vを上げていったときにツェ
ナー電圧の低いツェナーダイオードから流れるツェナー
電流が大きくなっても、64のスイッチングダイオード
によって定電圧となっているので、(65−1)〜(6
5−n)のSMAは全て均等な伸縮を行う。上記の事か
ら、入力電圧VによってSMA(65−1)〜(65−
n)を順次的に通電を行わせる事ができる。
【0069】また、上記ではツェナーダイオード(63
−1)〜(63−n)のツェナー電圧をVZD1 <VZD2
<…<VZDn と順次に並べていたが、この順番を変える
事によって、あらかじめ決められた湾曲動作を行う事も
できる。以上の事から、多関節マニピュレータをシーケ
ンシャルに動作させる場合には、SMAの通電制御線が
2本だけで構成することができる。
【0070】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、小
型化がなされたフレキシブル電子回路基板及びその製造
方法並びに該フレキシブル電子回路基板を組み込んだマ
ニュピレータが得られ、これを機械的な複雑な組み立て
工程を行なうことなしに容易に製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】P型低濃度半導体基板上にN型低濃度領域を形
成した説明図。
【図2】前記N型低濃度領域にウェルを形成した説明
図。
【図3】前記N型低濃度拡散領域にCMOS集積回路及
び層間絶縁膜を形成した配置説明図。
【図4】CMOS集積回路の構成の説明図。
【図5】電熱線パターンの配置図。
【図6】コンタクト孔の配置図。
【図7】第2金属配線層の配置構成の説明図。
【図8】形状記憶合金薄膜パターンとポリイミド膜を形
成した配置説明図。
【図9】図8のA−A線に沿う形状記憶合金薄膜パター
ンとポリイミド膜を形成した積層構造の断面図。
【図10】(a)は多関節構造体の側面図、(b)は同
じくその平面図。
【図11】図10中のB−B線に沿う断面図。
【図12】(a)は駆動機構を多関節構造体に取り付け
てなる多関節マニピュレータの側面図、(b)は同じく
その平面図。
【図13】多関節マニピュレータの制御信号の波形図。
【図14】多関節マニピュレータをフィードバック制御
を行うための信号の波形図。
【図15】変形例のパターン説明図。
【図16】集積回路の構成の説明図。
【図17】コンタクト孔の配置図。
【図18】形状記憶合金薄膜パターンとポリイミド膜を
形成した配置説明図。
【図19】集積電子回路の構成の説明図。
【図20】配線パターンの説明図。
【図21】配線パターンの説明図。
【図22】図21中C−C線に沿うその積層構造の断面
図。
【図23】集積電子回路の構成の説明図。
【図24】コンタクト孔の配置構造の説明図。
【図25】配線構造の説明図。
【図26】電熱ヒーターパターンの説明図。
【図27】図26中D−D線に沿うその積層構造の説明
図。
【図28】形状記憶合金の配置パターンの説明図。
【図29】レジストパターンの配置説明図。
【図30】形状記憶合金薄膜パターンの配置説明図。
【図31】図30中E−E線に沿うその積層構造の断面
図。
【図32】(a)は多関節構造体の側面図、(b)はそ
の平面図。
【図33】(a)は前記多関節構造体に駆動機構を組み
付けたその側面図、(b)はその平面図。
【図34】図33におけるF−F線に沿う断面図。
【図35】配線パターンの配置説明図。
【図36】図35のG−G線に沿う断面図。
【図37】開口部を形成した積層構造の断面図。
【図38】その開口部に無電解メッキをした積層構造の
断面図。
【図39】(a)は他の多関節マニピュレータの斜視
図、(b)は(a)中H−H線に沿う断面図。
【図40】(a)はさらに他の多関節マニピュレータの
斜視図、(b)は(a)中I−I線に沿う断面図。
【図41】制御回路の構成説明図。
【図42】他の制御回路の構成説明図。
【符号の説明】
1…半導体基板、13…D型フリップフロップ、14…
スイッチング用トランジスタ、26…電熱線パターン、
28…電源配線、35…形状記憶合金薄膜パターン、3
7…節、38…接続部、a…駆動機構体、b…多関節構
造体。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 河合 利昌 東京都渋谷区幡ヶ谷2丁目43番2号 オ リンパス光学工業株式会社内 (56)参考文献 特開 平2−261078(JP,A) 特開 平2−30484(JP,A) 特開 昭61−193494(JP,A) 特開 昭60−176292(JP,A) 特開 昭58−121698(JP,A) 実開 昭63−179083(JP,U) 実公 昭63−36651(JP,Y2) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H05K 3/20 H05K 3/06 B25J 19/00 B25J 18/06

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 所定の第1の導電型を有する基台上に所
    定の間隔を置いて前記第1の導電型とは異なる第2の導
    電型を有する半導体領域を複数形成する半導体領域形成
    工程と、 前記複数の半導体領域のそれぞれに所定の半導体電子回
    路を形成する半導体電子回路形成工程と、 前記複数の半導体電子回路同士を電気的に接続するため
    の柔軟性を有する信号線を形成する信号線形成工程と、 前記基台における前記複数の半導体電子回路側の面に柔
    軟性を有する所定の絶縁膜を形成する絶縁膜形成工程
    と、 前記複数の半導体領域のそれぞれに所定の電圧を印加し
    つつ、前記基台を電気化学エッチング処理し、前記複数
    の半導体電子回路を前記絶縁膜上に残した状態で前記基
    台を除去する基台除去工程と、 を有することを特徴とするフレキシブル電子回路基板の
    製造方法。
  2. 【請求項2】 所定の第1の導電型を有する基台上に所
    定の間隔を置いて前記第1の導電型とは異なる第2の導
    電型を有する半導体領域を複数形成する半導体領域形成
    工程と、 前記複数の半導体領域のそれぞれに所定の半導体電子回
    路を形成する半導体電子回路形成工程と、 前記複数の半導体電子回路同士を電気的に接続するため
    の柔軟性を有する信号線を形成する信号線形成工程と、 前記基台における前記複数の半導体電子回路側の面に柔
    軟性を有する所定の絶縁膜を形成する絶縁膜形成工程
    と、 前記複数の半導体領域のそれぞれに所定の電圧を印加し
    つつ、前記基台を電気化学エッチング処理し、前記複数
    の半導体電子回路を前記絶縁膜上に残した状態で前記基
    台を除去する基台除去工程と、 を有する製造方法で製造されたことを特徴とするフレキ
    シブル電子回路基板。
  3. 【請求項3】 所定の駆動信号を受けて駆動される複数
    の駆動体と、 所定の第1の導電型を有する基台上に所定の間隔を置い
    て前記第1の導電型とは異なる第2の導電型を有する半
    導体領域を複数形成する半導体領域形成工程と、前記複
    数の半導体領域のそれぞれに対して前記複数の駆動体の
    それぞれに対応した駆動体制御用の複数の半導体電子回
    路を形成する半導体電子回路形成工程と、所定の複数の
    半導体電子回路を形成する半導体電子回路形成工程と、
    前記複数の半導体電子回路同士を電気的に接続するため
    の柔軟性を有する信号線を形成する信号線形成工程と、
    前記基台における前記複数の半導体電子回路側の面に柔
    軟性を有する所定の絶縁膜を形成する絶縁膜形成工程
    と、前記複数の半導体領域のそれぞれに所定の電圧を印
    加しつつ、前記基台を電気化学エッチング処理し、前記
    複数の半導体電子回路を前記絶縁膜上に残した状態で前
    記基台を除去する基台除去工程と、を有する製造方法で
    製造されたフレキシブル電子回路基板と、 前記複数の半導体電子回路と前記複数の駆動体のそれぞ
    れが対応して設けられ、前記駆動体の駆動により互いに
    屈曲する複数の関節構造体と、 を有することを特徴とするマニュピレータ。
  4. 【請求項4】 所定の熱エネルギを受けて変形自在な複
    数の形状記憶合金と、 前記複数の形状記憶合金のそれぞれに対応して設けられ
    た複数の発熱駆動体と、 所定の第1の導電型を有する基台上に所定の間隔を置い
    て前記第1の導電型とは異なる第2の導電型を有する半
    導体領域を複数形成する半導体領域形成工程と、前記複
    数の半導体領域のそれぞれに対して前記複数の発熱駆動
    体のそれぞれに対応した発熱駆動体制御用の複数の半導
    体電子回路を形成する半導体電子回路形成工程と、前記
    複数の半導体電子回路同士を電気的に接続するための柔
    軟性を有する信号線を形成する信号線形成工程と、前記
    基台における前記複数の半導体電子回路側の面に柔軟性
    を有する所定の絶縁膜を形成する絶縁膜形成工程と、前
    記複数の半導体領域のそれぞれに所定の電圧を印加しつ
    つ、前記基台を電気化学エッチング処理し、前記複数の
    半導体電子回路を前記絶縁膜上に残した状態で前記基台
    を除去する基台除去工程と、を有する製造方法で製造さ
    れたフレキシブル電子回路基板と、 前記複数の半導体電子回路と前記複数の発熱駆動体と前
    記複数の形状記憶合金のそれぞれが対応して設けられ、
    前記発熱駆動体の駆動により互いに屈曲する複数の関節
    構造体と、 を有することを特徴とするマニュピレータ。
  5. 【請求項5】 所定の駆動信号を受けて駆動される複数
    の駆動体と、 前記複数の駆動体のそれぞれの駆動状態を検知する、前
    記複数の駆動体のそれぞれに対応した複数の検知手段
    と、 所定の第1の導電型を有する基台上に所定の間隔を置い
    て前記第1の導電型とは異なる第2の導電型を有する半
    導体領域を複数形成する半導体領域形成工程と、 前記複数の半導体領域のそれぞれに対して前記複数の駆
    動検知手段の検知結果に基づき前記複数の駆動体のそれ
    ぞれを制御する駆動体制御用の複数の半導体電子回路を
    形成する半導体電子回路形成工程と、前記複数の半導体
    電子回路同士を電気的に接続するための柔軟性を有する
    信号線を形成する信号線形成工程と、前記基台における
    前記複数の半導体電子回路側の面に柔軟性を有する所定
    の絶縁膜を形成する絶縁膜形成工程と、前記複数の半導
    体領域のそれぞれに所定の電圧を印加しつつ、前記基台
    を電気化学エッチング処理し、前記複数の半導体電子回
    路を前記絶縁膜上に残した状態で前記基台を除去する基
    台除去工程と、を有する製造方法で製造されたフレキシ
    ブル電子回路基板と、 前記複数の半導体電子回路と複数の駆動体のそれぞれが
    対応して設けられ、前記駆動体の駆動により互いに屈曲
    する複数の関節構造体と、 を有することを特徴とするマニュピレータ。
  6. 【請求項6】 所定の熱エネルギを受けて変形自在な複
    数の形状記憶合金と、 前記複数の形状記憶合金のそれぞれに対応して設けられ
    た複数の発熱駆動体と、 前記複数の発熱駆動体のそれぞれの発熱駆動状態を検知
    する、前記複数の発熱駆動体のそれぞれに対応した複数
    の発熱駆動検知手段と、 所定の第1の導電型を有する基台上に所定の間隔を置い
    て前記第1の導電型とは異なる第2の導電型を有する半
    導体領域を複数形成する半導体領域形成工程と、前記複
    数の半導体領域のそれぞれに対して前記複数の発熱駆動
    検知手段の検知結果に基づき前記複数の発熱駆動体のそ
    れぞれを制御する発熱駆動体制御用の複数の半導体電子
    回路を形成する半導体電子回路形成工程と、前記複数の
    半導体電子回路同士を電気的に接続するための柔軟性を
    有する信号線を形成する信号線形成工程と、前記基台に
    おける前記複数の半導体電子回路側の面に柔軟性を有す
    る所定の絶縁膜を形成する絶縁膜形成工程と、前記複数
    の半導体領域のそれぞれに所定の電圧を印加しつつ、前
    記基台を電気化学エッチング処理し、前記複数の半導体
    電子回路を前記絶縁膜上に残した状態で前記基台を除去
    する基台除去工程と、を有する製造方法で製造されたフ
    レキシブル電子回路基板と、 前記複数の半導体電子回路と前記複数の発熱駆動体と前
    記複数の形状記憶合金のそれぞれが対応して設けられ、
    前記発熱駆動体の駆動により互いに屈曲する複数の関節
    構造体と、 を有することを特徴とするマニュピレータ。
  7. 【請求項7】 所定の第1の導電型を有する基台上に所
    定の間隔を置いて前記第1の導電型とは異なる第2の導
    電型を有する半導体領域を複数形成する半導体領域形成
    工程と、 前記複数の半導体領域のそれぞれに所定の半導体電子回
    路を形成する半導体電子回路形成工程と、 前記複数の半導体電子回路同士を電気的に接続するため
    の柔軟性を有する信号線を形成する信号線形成工程と、 前記基台における前記複数の半導体電子回路側の面に柔
    軟性を有する所定の絶縁膜を形成する絶縁膜形成工程
    と、 前記複数の半導体領域のそれぞれに所定の電圧を印加し
    つつ、前記基台を電気化学エッチング処理にて除去し、
    前記基台に形成された前記半導体電子回路と前記信号線
    を前記絶縁膜に転写する基台除去工程と、 を有することを特徴とするフレキシブル電子回路基板の
    製造方法。
  8. 【請求項8】 所定のP型半導体基台上に所定の間隔を
    おいて複数のN型半導体領域を形成するN型半導体領域
    形成工程と、 前記複数のN型半導体領域のそれぞれに所定の半導体電
    子回路を形成する半導体電子回路形成工程と、 前記複数の半導体電子回路同士を電気的に接続するため
    の柔軟性を有する信号線を形成する信号線形成工程と、 前記P型半導体基台における前記複数の半導体電子回路
    側の面に柔軟性を有する所定の絶縁膜を形成する絶縁膜
    形成工程と、 前記複数のN型半導体領域のそれぞれに所定の電圧を印
    加しつつ、前記P型半導体基台を電気化学エッチング処
    理し、前記複数の半導体電子回路を前記絶縁膜上に残し
    た状態で前記P型半導体基台を除去するP型半導体基台
    除去工程と、 を有することを特徴とするフレキシブル電子回路基板の
    製造方法。
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