JP3362279B2 - 薬剤の長時間加熱蒸散方法 - Google Patents

薬剤の長時間加熱蒸散方法

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JP3362279B2
JP3362279B2 JP19369791A JP19369791A JP3362279B2 JP 3362279 B2 JP3362279 B2 JP 3362279B2 JP 19369791 A JP19369791 A JP 19369791A JP 19369791 A JP19369791 A JP 19369791A JP 3362279 B2 JP3362279 B2 JP 3362279B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、各種薬剤を長時間加熱
蒸散させる方法に関する。
【0002】
【従来の技術と発明が解決しようとする課題】従来、加
熱蒸散製剤として、固体、液体又はペースト状の薬剤を
発熱体を用いて加熱蒸散させる方法が知られており、そ
の代表的な例は電気蚊取器である。電気蚊取器は、薬剤
を含有する殺虫マットを電気的に加熱される発熱板上に
載置し、薬剤を蒸散させて殺虫等の目的に用いられるも
のであり、上記殺虫マットとしては、従来よりパルプや
石綿等を主とする繊維板等の基材に薬剤を保持させたも
のが用いられている。
【0003】電気蚊取器に代表されるこの種加熱蒸散方
法においては、長時間にわたって加熱使用されるため、
薬剤成分の分解と蒸散速度をいかに調節して薬剤を長時
間安定して蒸散させるかということが問題になる。薬剤
成分の蒸散を調節するための徐放化剤としては従来種々
の化合物が知られており、例えばピペロニルブトキサイ
ド、ピレスロイド系殺虫剤、パラフィン類、オリーブ
油、ピーナッツ油等の油脂類及びそれらの水添加油類、
あるいはジエチルトルアミド等の忌避剤やある種の界面
活性剤類を添加して徐放化させることが考えられてい
る。一方、有効成分の分解を抑制する方法としては一般
に酸化防止剤の配合が知られており、特開昭53−12
1927号公報には種々の有効な酸化防止剤が開示され
ている。しかしながら、このような方策をとっても、加
熱使用後の有効成分の残存率は高く、有効成分の充分な
有効利用の点でなお課題が残っている。
【0004】すなわち、従来の加熱蒸散装置において
は、薬剤を含有するマットを直に発熱板上に載置して加
熱するため、マット全体が必要以上に常時高温状態に置
かれ、発熱板に接触している面だけでなくマットの上面
からも有効成分が蒸散する。そのため、加熱初期の薬剤
揮散量が多く、その後は揮散量が著しく減少し、長時間
にわたって安定した蒸散が得られず、それに伴って効力
の低下が見られ、また薬剤残存率も高くなる。
【0005】また、発熱板の温度分布を詳細に観察する
と、一般に発熱板の表面温度は均一でなく、中央部と周
辺部とで表面温度差が見られ、例えば発熱板中央部の表
面温度が170℃である場合にその周辺部の表面温度は
130℃程度となっている。そのため、マット中央部の
局部加熱を生じ、有効成分の熱分解が発生したり、薬剤
蒸散効率の低下や効力低下等が見られる一因となってい
る。さらに、従来の発熱板は、上記のように表面温度が
均一でないため、表面温度の高い中央部分と接触するマ
ットの対応部分からの薬剤蒸散が多くなり、その部分の
薬剤濃度が極めて希薄となる。そのため、薬剤の殆んど
がマットの下面中央部分に移動してきて蒸散することに
なり、この場合、薬剤はマットの縦及び横方向への移動
が必要となり、移動距離も長くなり、薬剤蒸散のための
スムーズな薬剤供給ひいては安定した薬剤蒸散が困難と
なる一因となっている。また、薬剤の蒸散がその部分に
おいて集中して行われるため、薬剤の熱分解等が起こり
易く、目詰り現象が生じてそれ以降の薬剤のスムーズな
蒸散を阻害するようになるという問題がある。
【0006】従って、本発明の目的は、薬剤の加熱蒸散
における前記のような問題を解消し、長時間にわたって
薬剤を安定にかつ有効に蒸散できる方法を提供すること
にある。さらに本発明の目的は、薬剤の加熱蒸散に際し
て、薬剤が塗布含浸された薬剤含有体の発熱体側を均一
に加熱し、薬剤の熱分解や薬剤含有体の目詰り等の劣化
を抑制し、有効揮散率に優れ、長時間にわたって安定し
て薬剤を蒸散できる方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、前記目
的を達成するために、薬剤を含有する固体状薬剤含有体
を発熱体により加熱するに際して、該固体状薬剤含有体
を上板部及び/又は側板部の少なくとも一ヶ所に開口部
を設けた保形性を有する容器の中に、容器の上板部及び
発熱体と直接、接触しないように離隔し、かつこれを発
熱体上に置き、薬剤含有体と発熱体との距離が1mm以
上となるように容器底面から離隔するよう載置して上記
固体状薬剤含有体を実質的に間接的に加熱し、薬剤を蒸
散させることを特徴とする薬剤の長期加熱蒸散方法が提
供される。
【0008】
【発明の作用及び効果】本発明によれば、従来の殺虫マ
ットのように薬剤を含有する基材を発熱体上で直接接触
した状態で加熱する構成とは異なり、薬剤を含有する固
体状薬剤含有体を上板部及び/又は側板部の少なくとも
一ヶ所に開口部を設けた保形性を有する容器の中に、容
器の上板部及び発熱体と直接、接触しないように離隔し
て載置し、これを発熱体上に置き、上記固体状薬剤含有
体を実質的に間接的に加熱するようにしたものである。
従って、薬剤含有体と発熱体との間が一定の距離に保た
れ、また薬剤含有体と発熱体との間に介在する空間部及
び/又は他の材料がいわゆる均熱部を形成し、薬剤含有
体の発熱体に面する側の表面(以下、被加熱面という)
の温度を発熱体表面の最高温度よりかなり低めのほぼ均
一な温度に設定でき、かつ薬剤含有体の被加熱面を均一
に加熱することができる。その結果、微視的に見た場
合、薬剤含有体の被加熱側以外の部分は被加熱側部分よ
りも低い温度に保持されるため、主として薬剤含有体の
被加熱面から薬剤が均等に蒸散する。そしてこの場合、
本発明によれば薬剤含有体の上部と容器の上板部の間に
積極的に 空間を形成していることから、この空間の存在
とそれによる蒸散の促進から、両者の間に熱がこもりに
くくなり、上記のような被加熱側以外の部分が被加熱側
部分よりも低い温度に保持されることが確実なものとな
る。薬剤蒸散に伴い、薬剤は薬剤含有体の被加熱側以外
の部分から被加熱側部分に向って、即ち薬剤の高濃度域
から低濃度域へ移行し、このときの薬剤移行の距離は最
も短くあるいはまた重力に従った方向の移行であるた
め、非常にスムーズに薬剤が移行でき、薬剤の蒸散に過
不足のない薬剤供給が行われ、安定した薬剤蒸散を行う
ことができる。
【0009】また、薬剤含有体と発熱体との間には前記
したいわゆる均熱部が形成され、加熱装置への装着後加
熱使用時における薬剤含有体被加熱面の急激な温度上昇
や局部加熱が防止されるため、薬剤の熱分解を抑えるこ
とができる。また使用期間中においても、薬剤含有体の
被加熱側以外の部分に含有される薬剤はその被加熱面加
熱温度よりも低い温度に保持されているため、薬剤の熱
分解は少なく、薬剤含有体の蒸散面の目詰り等の劣化を
抑制でき、高い有効揮散率で安定した薬剤蒸散が得られ
る。
【0010】
【発明の態様】本発明で用いる薬剤含有体は、各種無機
物質及び/又は有機物質からなる空隙を有せしめた多孔
質体に各種薬剤を保有せしめたものである。薬剤含有体
の基材としての無機物質及び/又は有機物質としては、
種々のものを用いることができ、例えばクレー、タル
ク、カオリン、ケイソウ土、石膏、パーライト、ベント
ナイト、酸性白土、火山岩、炭酸カルシウム、炭酸マグ
ネシウム、炭酸水素ナトリウム、リン酸カルシウム、リ
ン酸水素カルシウム、無水リン酸水素カルシウム、乳酸
カルシウム、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸マグネシウ
ム、コロイダルシリカ、乳糖、白糖、デンプン、CM
C、MC、ヒドロキシプロピルスターチ、水酸化アルミ
ナマグネシウム、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム、
グラスファイバー、岩綿、セピオライト、粘土、コーク
ス、黒鉛、木粉、セルロース、パルプ、リンター、ポリ
エチレン、ポリプロピレン、ポリフェニレンサルファイ
ト、ポリアミド等の高分子樹脂等を例示できるが、当然
のことながらこれらに限定されるものではない。これら
は、繊維状物質としてマット状に成形したり、無機粉末
及び/又は有機粉末の1種以上をバインダーと共に押出
成形し、乾燥したものや、無機粉末及び/又は有機粉末
の1種以上をそのまま圧縮成形するか又はバインダーを
添加して圧縮成形したもの、及び以上の物を焼成する等
の手法により成形することができる。
【0011】バインダーとしては、CMC、MCやヒド
ロキシエチルセルロース等の各種セルロース誘導体、ゼ
ラチン、アラビアゴム、ポリビニルアルコール(PV
A)、デンプン及びその誘導体、プルラン、カゼイン及
びその誘導体、アルギン酸及びその誘導体、カードラ
ン、寒天、カラギーナン、ジュランガム、サクシノグル
カン、ファーセレラン、カラヤガム、アカシヤガム、タ
マリンドガム、アクリルアミド系重合物、トラガントゴ
ム、デキストラン、アルブミン、大豆タンパク質、ポリ
ビニルエーテル、ポリエチレンイミン、ニゲラン、ルテ
ィン酸、リンマンナン、レバン、ペクチン、ポリビニル
ピロリドン、コラーゲン、ポリビニルメタクリレート、
コンドロイチン硫酸ナトリウム、等の各種増粘剤や水溶
性高分子、ポリサルフォン(PS)、ポリフェニルサル
フォン、ポリフェニレンサルファイト(PPS)、ポリ
ビニルブチラール(PVB)、アクリル系樹脂、ポリア
ミド(PA)、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン
(PE)、エチレン酢酸ビニル共重合体(EVA)、フ
ェノール樹脂、メラミン系樹脂、尿素系樹脂、タール、
ピッチ、ウレタン、ワックス、ワックスエマルジョン、
コロイダルシリカ、メタケイ酸アルミン酸マグネシウ
ム、水ガラス、リン酸アルミニウム、リン酸ナトリウ
ム、リン酸水素カルシウム、無水リン酸水素カルシウム
等のリン酸塩等が例示できるが、特にこれらに限定され
るものではない。
【0012】なお、薬剤含有体には、その特性を損なわ
ない範囲で、必要に応じて溶剤、顔料、色素、防腐剤、
他の固着剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、耐水性耐油性
向上剤、香料、難燃剤、強度向上剤等の他の添加剤を配
合してもよい。添加できる酸化防止剤としては、例えば
3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシトルエン、3
−t−ブチル−4−ヒドロキシアニソール、3,5−ジ
−t−ブチル−4−ヒドロキシアニソール、メルカプト
ベンズイミダゾール、ジラウリル−チオ−ジ−プロピオ
ネート、2−t−ブチル−4−メトキシフェノール、3
−t−ブチル−4−メトキシフェノール、2,6−ジ−
t−ブチル−4−エチルフェノール、ステアリル−β−
(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)
プロピオネート、α−トコフェロール、アスコルビン
酸、エリソルビン酸、2,2′−メチレン−ビス(6−
t−ブチル−4−メチルフェノール)、2,2′−メチ
レン−ビス−(6−t−ブチル−4−エチルフェノー
ル)、4,4′−メチレン−ビス(2,6−ジ−t−ブ
チルフェノール)、4,4′−ブチリデン−ビス(6−
t−ブチル−3−メチルフェノール)、4,4′−チオ
−ビス(6−t−ブチル−3−メチルフェノール)、
1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサ
ン、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス
(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)
ベンゼン、トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−
t−ブチルフェニル)ブタン、テトラキス[メチレン
(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシヒドロシン
ナメート)]メタン、オクタデシル−3,5−ジ−t−
ブチル−4−ヒドロキシヒドロシンナメート、フェニル
−β−ナフチルアミン、N,N−ジフェニル−p−フェ
ニレンジアミン、2,2,4−トリメチル−1,3−ジ
ヒドロキノリンポリマー、6−エトキシ−2,2,4−
トリメチル−1,3−ジヒドロキノリン、3,5−ジ−
t−ブチル−4−ヒドロキシ−ベンジルフォスフォネー
ト−ジエチルエステル、ビス(3,5−ジ−t−ブチル
−4−ヒドロキシベンジルホスホン酸エチル)カルシウ
ム:ポリエチレンワックス、オクチル化ジフェニルアミ
ン、トリス[2−(3′,5′−ジ−t−ブチル−4′
−ヒドロキシヒドロ−シンナモイルオキシル)エチル]
イソシアヌレート、トリス−(4−t−ブチル−2,6
−ジメチル−3−ヒドロキシベンジル)イソシアヌレー
ト、3,9−ビス[1,1−ジ−メチル−2−{β−
(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチル−フェ
ニル)プロピオニルオキシ}エチル]−2,4,8,1
0−テトラオキザスピロ[5,5]ウンデカン、ジトリ
デシル−3,3′−チオジプロピオネート、ジミリスチ
ル−3,3′−チオジプロピオネート、ジステアリル−
3,3′−チオジプロピオネート、トリエチレングリコ
ール−ビス[3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−
ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、1,6−ヘキ
サンジオール−ビス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−
4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、N,N′
−ヘキサメチレンビス(3,,5−ジ−t−ブチル−4
−ヒドロキシ−ヒドロシンナマミド)、2,2−チオ−
ジエチレンビス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−
ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、N,N′−ビ
ス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフ
ェニル)プロピオニル]ヒドラジン、トリス−(3,5
−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−イソシ
アヌレート及び2,4−ビス−(n−オクチルチオ)−
6−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルアニリ
ノ)−1,3,5−トリアジンなどの化合物が挙げられ
る。これらの化合物は、単独でも、また2種以上を組み
合わせて混合使用することもできる。これら酸化防止剤
の添加により、加熱使用時における熱劣化防止、酸化防
止、薬剤の分解、重合防止、長期に亘る経時安定性の向
上などの効果が得られる。
【0013】また、過酸化物分解剤と一般に呼ばれる酸
化防止剤、例えば、ジラウリルチオジプロピオネート
(DLTP)やジステアリルチオジプロピオネート(D
STP)等を、前記酸化防止剤と組み合わせて、混合使
用することもできる。さらに、安定剤として紫外線吸収
剤を用いることにより、保管時、使用時の耐光性を一段
と向上させることができる。
【0014】本発明の薬剤含有体には種々の蒸散性薬剤
を含有させるこができ、殺虫剤としては、従来より用い
られている各種蒸散性殺虫剤を用いることができ、ピレ
スロイド系殺虫剤、カーバメイト系殺虫剤、有機リン系
殺虫剤等を挙げることができる。一般に安全性が高いこ
とからピレスロイド系殺虫剤が好適に用いられ、例えば
アレスリン、d1,d−T80−アレスリン、d,d−
T80−アレスリン、d,d−T80−プラレトリン、
フタルスリン、d−T80−レスメトリン、d−T80
−フラメトリン、ペルメトリン、フェノトリン、フェン
バレレート、シペルメトリン、シフェノトリン、エムペ
ントリン、テラレスリン、エトフェンプロックス、ヘン
フルスリン、ベンフルスリン等従来公知の各種ピレスロ
イド系殺虫剤を用いることができる。その他、薬剤とし
て加熱蒸散性の殺菌剤、殺ダニ剤、防バイ剤、防錆剤、
芳香剤、忌避剤等の使用ができる。
【0015】本発明の加熱蒸散方法の態様としては以下
のような種々の態様を採用することができるが、これら
に限定されるものではない。 イ)薬剤含有体を加熱装置の発熱体上にスペーサ部材を
介して一定間隔の空間部を形成するように載置し、上記
空間部を介して間接的に加熱する。 ロ)薬剤含有体を開口部を有する容器に収納し、該容器
と薬剤含有体とからなる薬剤蒸散体を構成し、これを加
熱装置の発熱体上に載置し、該薬剤蒸散体下部の容器底
板を介して間接的に加熱する。 ハ)上記容器内面にリブ等を突設するなど、適当な手段
により容器内面と薬剤含有体の間に空間部(間隙部)を
形成し、該空間部(間隙部)と容器底板とを介して間接
的に加熱する。 ニ)上記容器外面に凸部を突設するなど、適当な手段に
より容器底板と発熱体との間に空間部を形成し、該空間
部と容器底板、あるいはさらに上記間隙部を介して間接
的に加熱する。 ホ)薬剤含有体を円柱状、多角柱状等任意の形状に成形
し、該薬剤含有体の周囲に発熱体を一定間隔を置いて配
置し、該間隔の空間部を介して間接的に加熱する。 ヘ)薬剤含有体を筒状に成形し、その内部空間に発熱体
を挿入して筒状の薬剤含有体とその中の発熱体との間に
一定間隔の空間部を設け、該空間部を介して間接的に加
熱する。 ト)発熱体上面周囲に任意の数の凸部を形成し、該凸部
の上に薬剤含有体を載置し、薬剤含有体と発熱体との間
に上記凸部の高さに相当する間隔の空間部を設け、該空
間部を介して実質的に間接的に加熱する(上記凸部を介
しての熱伝導による加熱も利用されるがその割合はかな
り少ない)。
【0016】以下、本発明の加熱蒸散方法の各種態様に
ついて図面を参照しながら具体的に説明する。図面にお
いて、図4、図6、図7及び図10は特許請求の範囲に
関わる本発明 の実施例を示し、残りの図は特許請求の範
囲と関係しない本発明の参考例を示している。図2は本
発明に係る薬剤蒸散体の一参考例を示し、この薬剤蒸散
体1は、薬剤を含有する薬剤含有体2とこれを内包する
容器3とからなる。容器3は上部容器4と下部容器5の
2部材からなり、これら上部及び下部容器の周囲側壁
は、これら各容器を嵌合固定して組み立てたときに開口
部6を形成するように切り欠かれている。組み立てたと
きに容器3の上板を構成する上部容器4の上板部8及び
底板を構成する下部容器5の底板部9の外表面には、複
数(本例の場合それぞれ4個)の凸部7が突設されてお
り、図1に示すように加熱装置10の発熱体11上に載
置されたときに、下部容器5の底板部9と発熱体11と
の間にスペースSが形成されるようになっている。従っ
て、図1に示す状態で加熱使用した場合、下部容器5の
底板部9及びこれと発熱体11との間のスペースSが均
熱部を形成し、容器3内に保持されている薬剤含有体2
が均一に加熱される。
【0017】尚、図2に示す容器の場合、上部容器4及
び下部容器5のそれぞれの外表面に凸部7が形成されて
いるため、いずれの側を下側にして発熱体11上に載置
しても、容器3と発熱体11との間にはスペースSが形
成される。しかしながら、上記凸部7は上部容器4又は
下部容器5の一方の外表面のみに設けることもできる。
そしてこの場合、凸部7が形成された面を下側にして発
熱体11上に載置した場合、上記と同様に容器と発熱体
との間にスペースSが形成され、薬剤含有体2の下面を
より低い加熱温度に設定でき、一方、凸部が形成されて
いない面を下側にして発熱体11上に載置すると、容器
3の下面と発熱体11とが接触し、薬剤含有体2の下面
を上記の場合よりも高い加熱温度に設定でき、加熱使用
開始時により多量の薬剤蒸散が必要とされる場合などに
有利となる。また、図3に示すように、上部容器12及
び下部容器13のいずれの外表面にも凸部を形成しない
ようにすることもできる。
【0018】前記図1乃至3に示した容器の場合、容器
内面と薬剤含有体との間には外観上明らかな間隙は形成
されていない。従って、薬剤含有体2に含有される薬剤
は、主としてその被加熱面である下面から蒸散し、薬剤
含有体下側部を移行して開口部6を経て外部に揮散され
る。これに対して、図4に示す実施例の場合、上部容器
14及び下部容器15の内表面に薬剤含有体担持用の複
数のリブ16が突設され、上記内表面と薬剤含有体2と
の間に間隙Xが形成されるようにして、加熱により蒸散
した薬剤が開口部6に向ってよりスムーズに流れるよう
に構成されている。また、上記間隙Xも薬剤含有体加熱
の際に下部容器15の底板部と共に均熱部を形成する。
尚、上記間隙Xは上部容器14又は下部容器15の一方
の内表面側にのみ形成することもできる。図5は図1に
示す容器の変形例を示し、上部容器17及び下部容器1
8の外表面に形成される凸部19の数及び設置場所が違
うほか、上部容器17と下部容器18との嵌合位置が四
隅でなく他の位置(側辺部等)である点で異なる。
【0019】図6に示す実施例は、図4に示す薬剤蒸散
体の実施例の変形実施例を示し、上部容器20及び下部
容器21のそれぞれの内表面にリブ16が形成されてい
ることは同様であるが、上部容器20及び下部容器21
の中央部にそれぞれ通気孔22,23が形成され、また
上部容器20及び下部容器21のそれぞれの外表面に凸
部24が突設されている点で異なる。この場合にも、上
記通気孔22,23、凸部24、及びリブ16はそれぞ
れ上部容器20又は下部容器21の一方にのみ形成する
ことができる。上記通気孔22,23を設けることによ
り、薬剤含有体2からの薬剤の蒸散がよりスムーズに行
えると共に、下部容器21の通気孔23は薬剤含有体2
と下部容器21の底板部との間隙X、下部容器21の底
板部及びそれと発熱体との間のスペースと共に二重の均
熱部を形成している。尚、上記通気孔は上部容器及び/
又は下部容器に1個設ける場合に限られず、複数個設け
ることもできる。
【0020】図7は他の実施例を示し、上部容器25及
び下部容器26のそれぞれの内表面に複数のリブ27が
突設されているほか、上部容器25及び下部容器26の
それぞれの上板部及び底板部に複数の通気孔28が穿設
されている。また、薬剤含有体29の中央部に連通孔3
0が形成され、一方、上部容器25の内表面中央部に上
記連通孔30に挿通される円筒状の係合リブ31が突設
されていると共に、下部容器26の内表面中央部には上
記円筒状係合リブ31に嵌挿される係止突子32が突設
され、該係止突子32の先端にはきのこ状の膨出部33
が形成され、抜け止め構造とされている。尚、薬剤含有
体29の連通孔30、係合リブ31及び係止突子32の
数及び設置箇所は任意でよい。
【0021】図8は前記各実施例及び参考例とは外観態
様が全く別の参考例を示し、本例の場合、容器34は枠
体からなり、該枠体の周囲所定箇所に、上下に突出し、
その先端部が内側に折曲したフック部36を有する係止
片35が複数個設けられ、上記係止片35のフック部3
6によって薬剤含有体2が枠体容器34内に保持される
ようになっている。
【0022】一方、図9は前記図7に示す薬剤蒸散体の
実施例に一部似ている他の参考例であり、上部容器37
及び下部容器38の外表面に凸部39が形成されている
点、及びそれらの内表面にリブが設けられていない点で
異なるほか、上部容器37と下部容器38の嵌合構造も
若干異なる。すなわち、本例の場合、上部容器37の内
表面に、薬剤含有体43の中央連通孔44と対応する位
置に、嵌合孔41を有する係合リブ40を突設すると共
に、下部容器38の内表面に、上記係合リブ40と対応
する位置に、上記係合リブ40の嵌合孔41に嵌合する
係止突子42を突設し、該係止突子42を上記嵌合孔4
1に嵌合することにより上部容器37と下部容器38が
組み立てられる。
【0023】図10は他の実施例を示し、上部容器45
及び下部容器46の略中央部に開口部47を形成し、一
方、薬剤含有体48の略中央部にも連通孔49を形成
し、これら開口部47及び連通孔49は略同心の位置関
係を有している。本例の場合、これら開口部47及び連
通孔49から形成される中央孔は、薬剤の揮散に用いら
れる。尚、前記した図1乃至図6及び図10に示す各
施例及び参考例の場合、上下部容器の固定には従来公知
の技術を利用でき、例えばフック嵌合、ネジ固定、溶
着、接着等の各種方法が使用できる。
【0024】図11は本発明の加熱蒸散方法の他の参考
を示し、加熱装置50の発熱体11設置部の周囲側壁
51の上縁部に、発熱体11の上面より所定距離だけ高
い位置に段部52を設け、該段部52に図3に示す薬剤
蒸散体を設置し、発熱体と薬剤蒸散体との間にスペース
Sを形成するように構成したものである。このように構
成することによって、薬剤含有体2は上記スペースS及
び下部容器13の底板を介して間接的に加熱される。ま
た別の態様として、薬剤含有体2を容器に収納せずに直
に上記段部52に載置し、スペースSを介して間接的に
加熱するようにすることもできる。
【0025】一方、図12に示す参考例においては、発
熱体11の上面四隅部に凸部53が設けられており、従
ってこの上に薬剤蒸散体を載置すると下部容器13の下
面と発熱体11の上面との間に上記凸部53の高さに相
当する間隔のスペースSが形成される。従って、薬剤蒸
散体を発熱体11によって加熱した場合、薬剤含有体2
は上記スペースS及び下部容器13の底板を介して間接
的に加熱される。また別の態様として、薬剤含有体2を
容器に収納せずに直に上記発熱体11の凸部53の上に
載置することもできる。この場合、上記凸部を介しての
熱伝導による加熱も利用されるが、その割合はかなり少
なく、実質的には上記スペースSを介して間接的に加熱
される。
【0026】図13は本発明の加熱蒸散方法の他の参考
を示し、円柱状、楕円柱状、多角柱状等任意の形状に
成形した薬剤含有体54の周囲に発熱体56を一定間隔
を置いて配置し、これらを基台57の凹部58に載置し
たものである。このような構成において発熱体56によ
り薬剤含有体54を加熱すると、発熱体56と薬剤含有
体54との間に形成されたスペースSを介して間接的に
加熱される。また、上記態様とは逆の配置態様も可能で
あり、すなわち薬剤含有体を筒状に成形し、その内部空
間に発熱体を挿入して薬剤含有体とその中の発熱体との
間に一定間隔の空間部を設け、該空間部を介して間接的
に加熱する。
【0027】図1乃至図12に示す実施例及び参考例
おいて、前記薬剤含有体を保持する容器の材質として
は、使用されれる薬剤に応じ、耐熱性・耐薬剤性を有す
る事が望まれる。例えば、ポリプロピレン、ポリエチレ
ン、ポリアミド、ポリエチレンテレフタレート、ポリブ
チレンテレフタレート、ポリサルフォン、ポリアセター
ル、メラミン樹脂、ポリ四フッ化エチレン、フェノール
樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ウレタ
ン樹脂、メタアクリル酸樹脂、ポリアリレート、ポリケ
トン、ポリアミドイミド、ポリアリルサルフォン、ポリ
フェニレンサルファイト、ポリフェニルサルフォン、ポ
リエーテルニトリル等が挙げられる。容器の形状は、略
直方体に限定されず、略円柱状、略楕円状、略多角柱、
及びそれらの錘台状等任意である。また薬剤含有体の形
状も、これら容器形状に対応して任意の形状に成形でき
る。容器は、通常の成形方法により形成され、射出成
形、加圧成形、圧縮成形等が挙げられる。さらに容器壁
部及び/又は薬剤含有体を多孔状に成形することもでき
る。また、前記発熱体の発熱方法としては、抵抗ヒータ
ー(ニクロム線等)・半導体(PTC)を用いたヒータ
ーに通電する方法、酸化反応(鉄・マグネシウム等の金
属の酸化等)、加水反応(生石灰と水の反応等)、アル
コール・ガス・灯油・ワックス等の燃焼熱、また白金触
媒を使用したアルコール・ガス等の燃焼熱を利用する方
法、及びその他の熱源を直接あるいは間接的に利用する
方法が用いられる。
【0028】
【試験例】以下、試験例を示して本発明についてより具
体的に説明する。 試験例1 発熱体の発熱板中央温度を120℃、140℃、160
℃、及び180℃にそれぞれ設定した各種発熱板(24
×36mm)上に、ポリフェニレンサルファイト(以下
PPSと略称する)製の図3の下部容器13(22×3
4×0.3mm)を設置し、発熱板表面温度と下部容器
13のPPS板の薬剤含有体側の表面温度を熱電対型表
面温度計にて測定した。尚、温度測定部は対角線の交点
とし、室温25℃の条件で測定した。また、別に下部容
器の底面に0.5mmの高さの凸部を突設し、発熱板と
の間にスペースを設け、図1と同様の状態として温度測
定を行った。その結果を表1に示す。
【表1】
【0029】表1に示す結果から明らかなように、発熱
体の発熱板表面温度において、120℃から180℃の
間に60℃の差がある場合でも、下部容器を載置すると
その薬剤含有体側表面温度は47℃の差となり、さら
に、下部容器底面に凸部を突設して発熱板との間にスペ
ースを設けると、27℃の差となる。この様に、下部容
器底板自体や発熱板との間のスペースによって均熱部を
設けけることにより、発熱体の温度の違いによる下部容
器上面(薬剤含有体下面)の温度のバラツキを減少させ
ることができ、薬剤加熱を安定化させることができる。
【0030】試験例2 市販の加熱蒸散蚊取器具の正特性サーミスターを用いた
発熱体の発熱板上に、ポリサルフォン製の図5の下部容
器(24×36mm、厚みt=0.5mm、1mm、及
び2mm、下部容器底面の凸部なし)を設置し、発熱板
表面温度と下部容器上面の薬剤含有体側表面温度を熱電
対型表面温度計にて表面の温度分布を調べた。その結果
を表2に示す。尚、温度測定部は24×36mmの対角
線を6等分する5点(図14を参照)とし、室温25℃
の条件で測定した。また、別の下部容器の底面に0.3
mm、0.5mm、1.0mm、及び1.5mmの高さ
の凸部を突設し、発熱板との間に上記各間隔のスペース
を設けた場合についても同様に温度分布を調べた。その
結果を表2に併せて示す。尚、下部容器の厚み2.0m
mのものについてのみの温度分布を図15に示す。
【表2】
【0031】表2及び図15に示す結果から明らかなよ
うに、前記市販の正特性サーミスター(以下PTCと略
称する)を用いた場合、発熱板表面温度はPTCの位置
する部分(図14の測定部3)が最も高く、端にいくほ
ど温度が低くなり、発熱板表面の最高温度と最低温度の
温度差は40℃以上であった。しかし、ポリサルフォン
製の下部容器(図5)を発熱板の上に設置した場合、薬
剤含有体側表面温度は、発熱板表面温度より全体的に低
くなり、最高温度と最低温度の温度差もかなり緩和さ
れ、容器の厚みがあるほど温度範囲が小さくなる。しか
し、容器の厚みだけで均一な温度分布を得るためには極
端に厚い容器となり、サイズ、コストの問題が生じる。
しかし発熱板と容器の間にスペース(空間)を設けるこ
とにより、容器サイズを大きくすることなく均一な温度
分布を得ることができる。この場合、空間距離は0.5
mm以上が好ましく、更に好ましくは1.0mm以上で
ある。上記手段は、薬剤含有体を一定温度で均一に加熱
でき、薬剤を蒸散させる上で非常に有効であると考えら
れる。また、容器の厚さと空間距離の組みあわせによ
り、均一に保持される温度を任意に設定出来るため、同
一の発熱板を用いても熱特性の異なる薬剤を最適の条件
で加熱することが可能である。
【0032】参考例1,2及び比較例1,2 下記処方の参考例1及び2の固形製剤を図2の形状のポ
リサルフオン製容器に組み込み、発熱板温度165℃の
器具に装着して薬剤含有体下面温度を120℃とし、加
熱蒸散を行い、3時間毎に揮散した殺虫有効成分を吸引
してシリカゲルに補集し、これを12時間目まで繰り返
し、各々についてアセトンを用いて抽出した試料溶液を
ガスクロマトグラフィーによって定量分析を行った。次
に、12時間加熱蒸散後の薬剤含有体をアセトンを用い
て抽出し、同様に有効成分の定量分析を行った。また比
較例として、有効成分含有量が各々同じである市販品マ
ットA及びBについても同様に加熱蒸散させ、有効成分
の定量を行った。また、仕込み量に対する薬剤回収量の
関係より、薬剤分解率を下記算出式より求めた。各々の
結果を下記表3に示す。 仕込み量−総揮散量−残量 薬剤分解率(%)=──────────────×100 仕込み量
【0033】 参考例1 比較例1 リン酸カルシウム 200mg 市販品(A) プラレトリン 10mg (プラレトリン 10mg) マット下面温度 120℃ マット下面温度 165℃ 参考例2 比較例2 無水リン酸水素カル 500mg 市販品(B) シウム d−アレスリン 36mg (d−アレスリン 36mg) マット下面温度 120℃ マット下面温度 165℃
【表3】
【0034】表3に示す結果から明らかなように、市販
品(A)、(B)の殺虫マットを市販の加熱蒸散用蚊取
器具にて揮散させた場合、初期に多量の薬剤が揮散し、
後半は揮散量が顕著に減少するため効力不足が生じる。
また薬剤分解も著しく、約3割が分解している。それに
比べ、市販の加熱蒸散用蚊取器具に薬剤含有体を保持す
るポリサルフォン製容器を設置した場合、薬剤含有体の
下面温度が120℃となり、参考例1および2の処方で
は、加熱の初期から後期まで揮散量変化も少なく、安定
した薬剤蒸散が得られている。また、薬剤分解率も非常
に低く、有効な薬剤揮散が得られる。
【0035】実施例3〜8 図4に示す形状のポリアミド製容器を用い、内部に下記
処方の固形製剤の薬剤含有体を組み込み、発熱板温度1
50℃の器具に装着し、薬剤含有体下面温度を約110
℃として、加熱蒸散を行い、先の参考例と同様の方法で
12時間毎に揮散した有効成分を定量分析した。結果を
表4に示す。
【0036】 実施例3 実施例6 リン酸カルシウム 3000mg タルク 1000mg d−アレスリン 40mg プラレトリン 10mg 酸化防止剤A 1mg 酸化防止剤B 0.2mg 実施例4 実施例7 リン酸カルシウム 3000mg タルク 1000mg d−アレスリン 160mg プラレトリン 40mg 酸化防止剤A 4mg 酸化防止剤B 0.8mg 実施例5 実施例8 リン酸カルシウム 3000mg タルク 1000mg d−アレスリン 280mg プラレトリン 70mg 酸化防止剤A 7mg 酸化防止剤B 1.4mg 酸化防止剤A:トリス−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベン ジル)−イソシアヌレート(商品名 IRGANOX31 14) 酸化防止剤B:1,6−ヘキサンジオール−ビス[3−(3,5−ジ−t −ブチル−4−ヒドロキシフェニルプロピオネート](商 品名IRGANOX 259)
【表4】 表4に示す結果から明らかなように、いずれの参考例及
実施例においても、長時間にわたり、安定した有効成
分の揮散が得られると共に、有効揮散率も高いものであ
った。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の加熱蒸散方法の一参考例を示し、薬剤
蒸散体を加熱装置の発熱体上に載置した状態を加熱装置
の内部構造を省略して示す概略断面図である。
【図2】本発明で用いる薬剤蒸散体の一参考例を示す斜
視図である。
【図3】本発明で用いる薬剤蒸散体の他の参考例を示す
断面図である。
【図4】本発明で用いる薬剤蒸散体の実施例を示す断面
図である。
【図5】本発明で用いる薬剤蒸散体のさらに他の参考例
を示す断面図である。
【図6】本発明で用いる薬剤蒸散体のさらに他の実施例
を示す断面図である。
【図7】本発明で用いる薬剤蒸散体のさらに他の実施例
を示す断面図である。
【図8】本発明で用いる薬剤蒸散体のさらに他の参考例
を示す断面図である。
【図9】本発明で用いる薬剤蒸散体のさらに他の参考例
を示す断面図である。
【図10】本発明で用いる薬剤蒸散体のさらに他の実施
を示す断面図である。
【図11】本発明の加熱蒸散方法の他の参考例を示す概
略断面図である。
【図12】本発明の加熱蒸散方法の別の参考例を示す概
略断面図である。
【図13】本発明の加熱蒸散方法のさらに他の参考例
示す概略断面図である。
【図14】試験例2における温度測定部を説明するため
の概略図である。
【図15】試験例2において得られた温度分布を示すグ
ラフである。
【符号の説明】
1 薬剤蒸散体、2,29,43,48,54 薬剤含
有体、3 容器、4,14,17,20,25,37,
45 上部容器、5,13,15,18,21,26,
38,46 下部容器、6,47 開口部、7,19,
24,39 凸部、8 上板部、9 底板部、10,5
0 加熱装置、11,56 発熱体、16,27 リ
ブ、22,23 通気孔、30,44,49 連通孔、
31,40係合リブ、32,42 係止突子、34 枠
体容器、35 係止片、36 フック部。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭51−51467(JP,A) 特開 昭53−121938(JP,A) 実開 昭51−78276(JP,U) 実開 昭59−81372(JP,U) 実開 昭53−142474(JP,U) 実公 昭30−4844(JP,Y1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A01N 25/18 A01M 1/20

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 上板部及び/又は側板部の少なくとも一
    ヶ所に開口部を設けた保形性を有する容器の中に、固体
    状薬剤含有体を容器の上板部に直接接触しないように離
    隔し、かつ前記薬剤含有体と発熱体との間の距離が1m
    m以上になるように容器底面から離隔するよう載置し、
    これを発熱体上に置き、薬剤を蒸散させることを特徴と
    する薬剤の長時間加熱蒸散方法。
  2. 【請求項2】 固体状薬剤含有体が容器の側板部から離
    隔して載置されていることを特徴とする請求項1記載の
    薬剤の長時間加熱蒸散方法。
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