JP3361467B2 - Icカード用平面コイル及びicカードの製造方法 - Google Patents

Icカード用平面コイル及びicカードの製造方法

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JP3361467B2 JP34686498A JP34686498A JP3361467B2 JP 3361467 B2 JP3361467 B2 JP 3361467B2 JP 34686498 A JP34686498 A JP 34686498A JP 34686498 A JP34686498 A JP 34686498A JP 3361467 B2 JP3361467 B2 JP 3361467B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はICカード用平面コ
イル及びICカードの製造方法に関し、更に詳細には導
線が実質的に同一平面上に複数回卷回されて成る平面コ
イルに、端部の一方が半導体素子の電極端子に接続され
たワイヤの他方の端部が接続される端子が形成されてい
るICカード用平面コイル、及びこのICカード用平面
コイルを用いたICカードの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ICカードは、図12に示す如く、導線
102が複数回卷回されて成る矩形状の平面コイル10
0と半導体素子104とから構成されている。かかる平
面コイル100と半導体素子104とは、PVC等から
成り且つ表面側に文字等が印刷された二枚の樹脂フィル
ム106によって挟み込まれており、二枚の樹脂フィル
ム106はポリウレタン樹脂等から成る接着剤層によっ
て接着されている。この接着剤層は、平面コイル100
及び半導体素子104を封止してもいる。かかるICカ
ードは、カード処理装置に設けられた磁場内を通過する
際に、平面コイル100内に電磁誘導による電力が発生
して半導体素子104を起動し、半導体素子104とカ
ード処理装置との情報の授受をアンテナとしての平面コ
イル100を介して行うことができる。このICカード
では、平面コイル100と半導体素子104との電気的
な接続は、平面コイル100に設けられた端子108、
108と、半導体素子104の電極端子110、110
とを接続するワイヤ112、112によってなされてい
る。
【0003】ところで、平面コイル100は、製造コス
ト等の観点から金属薄板にプレス加工又はエッチング加
工を施して形成されるため、平面コイル100を形成す
る導線102は、通常、半導体素子104よりも厚い。
この様な導線102の端部に形成された端子108も、
導線102と等しい厚さである。かかる平面コイル10
0の端子108と半導体素子104の電極端子110と
をワイヤ112によって接続すると、図13に示す如
く、ループ状のワイヤ112の頂点が導線102から突
出する。このため、平面コイル100及び半導体素子1
04を封止する接着剤層も、ループ状のワイヤ112を
完全に封止できる厚さとすることを要し、最終的に得ら
れるICカードは厚いものとなる。しかし、ICカード
は、可及的に薄いものが要求されている。このため、本
発明者等は、かかる要求に応えるべく、図14に示す様
に、平面コイル100の端子108にコイニングを施
し、端子108を薄くすることを試みた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】図14に示す様に、平
面コイル100の端子108を薄くすることによって、
ループ状のワイヤ112の頂点を導線102の上面と下
面との間に位置させることができる。このため、平面コ
イル100及び半導体素子104を封止する接着剤層を
薄くすることができ、最終的に得られるICカードを可
及的に薄くすることができる。しかしながら、平面コイ
ル100の端子108を薄くすべく、図15(a)に示
す端子108にコイニングを施すと、図15(b)に示
す如く、コイニングが施された端子108の面積が拡大
し、端子108の近傍の導線102に接触することがあ
る。この端子108の面積拡大は、平面コイル100の
端子108を、導線102の厚さの50〜60%の厚さ
となるようにコイニングする必要があり、コイニングに
よって潰された部分が外側に広がるからである。
【0005】かかる接触は、半導体素子104の電極端
子110、110と平面コイル100の端子108、1
08とを接続するワイヤ112が導線102を横切らな
いようにすべく、図12に示す様に、平面コイル104
の端子108、108の間の導線102、102・・が
半導体素子104の上面(又は下面)を通過する場合、
半導体素子104の大きさによっては、平面コイル10
0の導線102、102・・の幅が他の部分よりも狭い
箇所に半導体素子104を搭載することが必要となる。
このため、端子108と隣接する導線102との間が、
平面コイル100の他の箇所における導線102の間の
間隙よりも幅狭となり、コイニングされた端子108と
隣接する導線102との接触が頻発するおそれがある。
また、この様な、平面コイル100の端子108と隣接
する導線102との接触は、最終的に得られたICカー
ドの信頼性を低下させる原因となるため、ICカード用
平面コイルの検査を厳重とすることが必要となり、IC
カードの製造コストが高くなる。そこで、本発明の課題
は、平面コイルの端子間の導線が半導体素子の上面又は
下面を通過するように配設され、平面コイルの端子と内
外方向に隣接する導線との間隔が狭くなっても、平面コ
イルの端子にコイニングが施されたとき、コイニングさ
れた端子と導線との接触を防止し得るICカード用平面
コイル及びICカードの製造方法を提供することにあ
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、前記課題
を解決すべく検討を重ねた結果、コイニングによる潰し
部の面積拡大を吸収する潰し吸収部として、凹部や凹溝
をコイニング領域内及び/又はコイニング領域の境界近
傍に設けることによって、コイニングを施した平面コイ
ルの端子の面積拡大を可及的に防止できることを知り、
本発明に到達した。すなわち、本発明は、導線が実質的
に同一平面上に複数回卷回されて成る平面コイルに、半
導体素子の電極端子がワイヤを介して電気的に接続され
る端子が形成されているICカード用平面コイルであっ
て、該平面コイルの端子の少なくとも前記ワイヤが接続
される箇所を含む部位にコイニングを施した際、コイニ
ングによる潰し部の面積拡大を吸収する潰し吸収部が、
前記端子のコイニングが施されるコイニング領域内及び
/又はコイニング領域との境界近傍に形成されているこ
とを特徴とするICカード用平面コイルにある。
【0007】また、本発明は、導線が実質的に同一平面
上に複数回卷回された平面コイルの端子に、半導体素子
の電極端子がワイヤを介して電気的に接続されて成るI
Cカードを製造する際に、該平面コイルとして、金属薄
板をプレス加工又はエッチング加工によって形成した平
面コイルであって、前記平面コイルの端子の少なくとも
前記ワイヤが接続される箇所を含む部位にコイニングを
施したとき、コイニングによる潰し部の面積拡大を吸収
する潰し吸収部が、前記端子のコイニングが施されるコ
イニング領域内及び/又はコイニング領域との境界の近
傍に形成されている平面コイルを用い、前記平面コイル
の端子のコイニング領域にコイニングを施してコイニン
グ面を形成した後、前記コイニング面にめっきによって
金属めっき層を形成してボンディング面とし、次いで、
前記ボンディング面と前記平面コイルに搭載した半導体
素子の電極端子とをワイヤボンディングによって電気的
に接続することを特徴とするICカードの製造方法にあ
る。
【0008】かかる本発明において、平面コイルの端子
の一部をコイニング領域とする場合、或いは平面コイル
の端子の全面をコイニング領域とする場合であっても、
コイニング領域の全面に亘って潰し吸収部を形成するこ
とによって、コイニングに因る端子面積の拡大を更に一
層防止できる。かかる潰し吸収部としては、ディンプル
状凹部及び/又は凹溝を採用でき、このディンプル状凹
部及び/又は凹溝を、平面コイルの端子のコイニング面
側に形成してもよく、コイニング面の反対側面に形成し
てもよい。また、潰し吸収部としては、貫通孔及び/又
はスリットを採用でき、この貫通孔及び/又はスリット
をコイニング領域との境界に沿って形成することによっ
て、ワイヤの端部が接続される接続面を可及的に平坦に
形成できる。ここで、コイニングを施した部分の板厚
を、コインニングを施す前の板厚の50〜60%とする
ことが好ましい。かかるコイニングよって、平面コイル
の端子と半導体素子の電極端子とを接続するループ状の
ワイヤの頂点を平面コイルを構成する導線の上面と下面
との間に位置させることができるからである。
【0009】本発明によれば、平面コイルの端子にコイ
ニングを施しても、コイニングによる潰し部は、コイニ
ング領域内及び/又はコイニング領域との境界近傍に形
成されたディンプル状凹部や凹溝、或いは貫通孔やスリ
ット等の潰し吸収部によって実質的に吸収される。この
ため、平面コイルの端子と内外方向に隣接する導線との
間が幅狭となった場合でも、コイニングによる潰し部が
端子の外側方向に拡大して端子の面積を拡大し、隣接す
る導線と接触する事態を防止できる。したがって、得ら
れた平面コイルの検査等を簡略化することができ、IC
カードの製造コストの低減を図ることができる。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明に係るICカード用平面コ
イルの一例を図1に示す。図1に示すICカード用平面
コイル10、10は、ICカード用アンテナフレーム1
4内に形成されている。このICカード用アンテナフレ
ーム14は、金属薄板をエッチング加工又はプレス加工
して形成したものであり、金属薄板としては、帯状の金
属薄板を用いることが好適であり、ロール状に巻かれた
帯状の金属薄板を引き出して使用してもよい。この様
に、ICカード用平面コイル10をICカード用アンテ
ナフレーム14内に形成することによって、平面コイル
10を単独で形成する場合に比較して、工程間の搬送や
収納を容易に行うことができる。図1に示すICカード
用アンテナフレーム14は、矩形状の平面コイル10
が、その最外側導線12aに沿って所定間隔15を開け
て形成された外側フレーム16に支承されているもので
ある。かかる平面コイル10の支承は、外側フレーム1
6の内側端縁の異なる箇所から平面コイル10の方向に
延びる支承部18、18・・の各先端と平面コイル10
の最外側導線12aとが接続されることによってなされ
ている。
【0011】かかる平面コイル10の内側空間には、平
面コイル10の最内側導線12bに沿って所定間隔20
を開けて内側フレーム22が形成されている。この内側
フレーム22の外側端縁の複数箇所から平面コイル10
の方向に延びる支承部24、24・・と平面コイル10
の最内側導線10bとが接続されている。この様に、平
面コイル10の内側空間を、内側フレーム22の形成に
よって実質的に閉塞できる。このため、ICカード用ア
ンテナフレーム14を搬送等する際に、平面コイル10
の内側空間に他のICカード用アンテナフレーム14が
入り込む等の事態を防止でき、ICカード用アンテナフ
レーム14の取扱性を更に向上できる。この内側フレー
ム22は、内側フレーム22の軽量化のために空間部2
6、26が形成されている。
【0012】また、平面コイル14の内外方向に隣接す
る各周の導線12、12・・を、連結片28、28・・
によって連結することによって、ICカード用アンテナ
フレーム14を搬送等する際に、平面コイル10を構成
する導線12、12・・がバラバラにならず一体となっ
ている。このため、ICカード用アンテナフレーム14
の取扱性を更に一層向上できる。かかる連結片28を、
図1に示す様に、各周の導線12の間に階段状に形成す
ることにより、連結片28、28・・を切断する際に、
連結片28を切断する切断用パンチの加工を容易にし、
且つ切断用パンチの強度を向上できる。つまり、連結片
28、28・・の切断は、通常、同時に行われる。この
ため、連結片28、28・・が一直線状に形成されてい
る場合、切断用パンチが櫛歯状となり、切断用パンチの
加工が困難で且つ切断用パンチの強度も低下する。この
点、図1に示す様に、連結片28、28・・を階段状に
形成することによって、連結片28、28・・の各形成
位置に倣って切断用パンチの位置をずらすことができ、
切断用パンチの加工が容易となり、且つ切断用パンチの
強度を向上できるのである。
【0013】更に、図1に示す矩形状の平面コイル10
には、平面コイル10の直線部の各々に屈曲部30が形
成されている。この屈曲部30は、平面コイル10の直
線部を構成する各周の導線12が、実質的に同一箇所で
且つ同一方向(平面コイル10の内方)に突出するよう
に、曲折されて形成されている曲折部から成る。図1に
示すICカード用アンテナフレーム10には、半導体素
子32が搭載されている。この半導体素子32が搭載さ
れる箇所は、平面コイル10の端子34、34の近傍で
あって、隣接する各周の導線12との間隙が他よりも幅
狭に形成されている。このため、平面コイル10の半導
体素子32が搭載された箇所では、図2に示す様に、平
面コイル10の端子34、34の間の各周の導線12
が、半導体素子32の電極端子36、36の間を通過し
ている。この様に、半導体素子32の上面を通過する各
周の導線12には、図3に示す様に、下向の凹部38が
形成されている。この凹部38の底面側には、電極端子
36、36の形成面が向くように、半導体素子32が搭
載されている。
【0014】更に、平面コイル10に搭載された半導体
素子32の電極端子36、36と平面コイル10の端子
34、34との各々は、ワイヤ40、40によって接続
されている。このワイヤ40の一端部が接続される平面
コイル10の端子34は、図3に示す様に、導線12よ
りも薄く形成されている。このため、端子34に一端部
が接続されたループ状のワイヤ40の頂点は、導線12
の上面と下面との間に位置することができる。したがっ
て、半導体素子32が搭載された平面コイル10を封止
する封止樹脂を、平面コイル10の導線12を封止する
厚さとすることでよく、ICカードの厚さを可及的に薄
くできる。
【0015】この様に、平面コイル10の端子34を薄
くするには、図3に示す様に、搭載された半導体素子3
2の電極端子形成面と端子34のワイヤ40の接続面と
が同一平面となるように、端子34にコイニングを施す
ことによって可能であるが、単に端子34にコイニング
を施すと、図15に示す如く、コイニングを施した端子
34の面積が拡大して導線12とが接触するおそれが
る。このため、図4(a)(b)に示す様に、端子34
の全面に潰し吸収部としてのディンプル状凹部46、4
6・・〔図4(a)〕や凹溝48、48・・〔図4
(b)〕を形成する。これらのディンプル状凹部46
(以下、単に凹部46と称することがある)又は凹溝4
8の横断面形状としては、楔状〔図5(a)〕、台形状
〔図5(b)〕、U字状又は半円状〔図5(c)〕を例
示できる。この様な横断面形状の凹部46又は凹溝48
のうち、楔状〔図5(a)〕又は台形状〔図5(b)〕
の凹部46又は凹溝48は、プレス加工によって形成で
きる。このプレス加工では、凹部46又は凹溝48を形
成した後、端子34の外形形状を形成することによっ
て、良好な外観の端子34を形成できる。また、U字状
又は半円状〔図5(c)〕の凹部46又は凹溝48は、
プレス加工でもエッチング加工でも形成できる。このエ
ッチング加工では、平面コイル10を形成する際に、同
時に凹部46又は凹溝48を形成できる。尚、ディンプ
ル状凹部46の平面形状は、円形でも矩形であっても任
意の形状とすることができる。
【0016】図4(a)(b)に示す端子34にコイニ
ングを施すと、コイニングによる潰し部は、図6に示す
様に、端子34に形成した凹部46又は凹溝48の側面
が内方に突出し、凹部46又は凹溝48を埋めることに
よって吸収できる。このため、潰し部は端子34の外側
方向には実質的に広がらず、端子34の面積を実質的に
拡大することがない。ここで、コイニングによって凹部
46又は凹溝48が完全に埋められず、端子面に多少の
凹凸が形成されても、通常、端子面には銀等から成る金
属めっき層が形成されて平坦面となるため問題とはなら
ない。また、図4(b)に示す凹溝48の各々は、導線
12と平行方向に延びているが、凹溝48の延出方向は
導線12に対して直角方向に延びていてもよく、凹部4
6と凹溝48とが混在して形成されていてもよい。
【0017】図4の端子34では、凹部46又は凹溝4
8が、端子34のコイニングを施すコイニング面側に開
口しているが、コイニング面の反対面側に、潰し吸収部
としてのディンプル状凹部46、46・・や凹溝48、
48・・を形成してもよい。端子34の凹部46等を形
成した面と反対面側にコイニングを施しても、コイニン
グによって発生した潰し部は、コイニング面と反対側面
に形成された凹部46や凹溝48を埋めることによって
吸収できる。この様に、コイニングを施したコイニング
面は、コイニングによって平坦面となり、且つ銀等の金
属めっきが施されるため、ワイヤ40の一端部との接続
を容易に且つ確実に行うことができる。尚、端子34の
コイニング面と反対面側に、凹部46と凹溝48とを混
在させて形成してもよい。
【0018】図4においては、潰し吸収部として、端子
34に凹部46又は凹溝48を形成しているが、図7
(a)に示す様に、潰し吸収部としてスリット52、5
2を形成してもよい。図7(a)に示すスリット52、
52は、コイニング領域44の境界を画するものであ
る。すなわち、コイニング領域44は、スリット52、
52と一点鎖線53、53で囲まれた領域である。かか
るコイニング領域44にコイニングを施すと、図7
(b)に示す様に、コイニングによる潰し部は、スリッ
ト52、52を実質的に埋めることによって吸収され、
潰し部によって端子34の端縁が外方に拡大し端子34
の面積拡大を防止できる。但し、コイニングが施されな
かった端子34の先端部は、ワイヤボンディングする際
に、邪魔となるため、一点鎖線54で切断することが好
ましい。
【0019】かかるスリット52は、図7においては端
子34の近傍の導線12と平行方向に延びているが、図
8(a)の様に、端子34の近傍の導線12に対して直
交する方向に延びるスリット52、52であってもよ
い。この場合も、スリット52、52と一点鎖線53、
53とで囲まれる領域がコイニング領域44である。ま
た、図8(b)の様に、コイニング領域44を囲むよう
に、4本のスリット52を形成してもよい。かかる図8
(b)の端子34は、コイニングによる潰し部が4本の
スリット52によって吸収されるため、コイニング後の
端子34の外形形状を最も良好とすることができる。但
し、図8(a)(b)に示す端子34でも、コイニング
が施されなかった端子34の先端部は、ワイヤボンディ
ングする際に邪魔となるため、一点鎖線54で切断する
ことが好ましい。
【0020】これまで説明してきた平面コイル10は、
図1に示すICカード用アンテナフレーム14内に形成
されている。かかるICカード用アンテナフレーム14
内に形成した平面コイル10において、端子34、34
が形成された箇所は、平面コイル10の幅が最も狭くな
っている箇所であり、導線12、12・・が高密度に形
成されている箇所である。この様な箇所に形成された端
子34、34にコイニングを施しても、端子34、34
に図8に示す凹部46、36・・又は凹溝48、48・
・を形成しておくことによって、コイニングによる端子
34、34の面積拡大を実質的に防止でき、コイニング
を施した端子34、34と隣接する導線12との接触を
確実に防止できる。
【0021】次いで、コイニングを施した端子34のコ
イニング面に、めっきによって銀等の金属めっき層を形
成してボンディング面を形成する。かかる金属めっき層
は、端子34のめっきを施す部分のみが露出するよう
に、ICカード用アンテナフレーム14にマスクを被着
させて電解めっきを施すことによって形成できる。更
に、平面コイル10の所定箇所に半導体素子32を搭載
する。ICカード用アンテナフレーム14内に形成され
た平面コイル10の半導体素子32を搭載する箇所は、
図1に示す様に、平面コイル10を形成する導線12、
12・・の幅が最も狭い箇所である。この箇所に半導体
素子32を搭載した後、半導体素子32の電極端子3
6、36と、平面コイル10の端子34に形成したボン
ディング面とをワイヤ40によって接続することによ
り、図1に示すICカード用アンテナフレーム14を得
ることができる。かかるワイヤ40によるワイヤボンデ
ィングは、従来から半導体装置のワイヤボンディングに
用いられているワイヤボンディング装置を使用して行う
ことができる。特に、ウェッジ・ボンディング法によっ
てワイヤボンディングすることが好ましい。ボンディン
グされたループ状のワイヤ40の頂点を、他のボンディ
ング法よりも低くできるからである。
【0022】その後、ICカード用アンテナフレーム1
4から平面コイル10を切り離し、図9に示すICカー
ド60を形成する。かかるICカード60を形成するに
は、ICカード用アンテナフレーム14から切り離した
平面コイル10を、PVC等から成り且つ表面側に文字
等が印刷された二枚の樹脂フィルム56、56によって
挟み込む。この二枚の樹脂フィルム56、56の対向面
の少なくとも一方には、ポリウレタン樹脂等から成る接
着剤層が形成されているため、二枚の樹脂フィルム5
6、56を接合すると共に、半導体素子32が搭載され
た平面コイル10を接着剤層によって封止し、図9に示
すICカード60を得ることができる。ここでは、図9
に示すICカード60を図1に示すICカード用アンテ
ナフレーム14から製造する例について説明したが、金
属薄板をエッチング加工又はプレス加工して得た単一の
平面コイル10からICカード60を形成してもよいこ
とは勿論のことである。
【0023】ところで、ワイヤ40の一端部が接続され
る端子34の部分は、通常、平面コイル10の端子34
の端子面の一部でよいため、コイニングを施す部分を端
子34の一部とすることができる。この様に、コイニン
グを施す部分を端子34の一部とすることによって、端
子34の全面にコイニングを施す場合に比較して、コイ
ニングに因る端子34の面積拡大を更に小さくできる。
かかるコイニングを施す端子34の部分には、コイニン
グを施した際に、コイニングによる潰し部を吸収し得る
ように、潰し吸収部を形成する。この潰し吸収部として
は、図10に示す様に、点線で囲ったコイニング領域4
4内に形成した複数個のディンプル状凹部46、46・
・〔図10(a)〕又は凹溝48、48・・〔図10
(b)〕を一例として挙げることができる。このディン
プル状凹部46、46・・〔図10(a)〕や凹溝4
8、48・・〔図10(b)〕の横断面形状は、図5
(a)〜(c)に示す形状と同様であるため、ここでは
詳細な説明を省略する。この様に、端子34の一部にコ
イニングを施す場合にも、コイニング領域44に潰し吸
収部としてのディンプル状凹部46、46・・や凹溝4
8、48・・を形成することによって、端子34の一部
にコイニングを施したとき、図6に示す様に、コイニン
グによる潰し部によって、凹部46又は凹溝48の各々
が埋められるため、端子34の面積を拡大することを実
質的に防止できる。尚、凹部46又は凹溝48の各々
は、コイニング面の反対面側に形成しても、コイニング
に因る端子34の面積拡大を防止可能である。
【0024】更に、図11に示す端子34は、その一部
にコイニングが施される端子34であって、コイニング
領域44と端子34との境界近傍に、凹溝48、48が
互いに直交するように形成されていると共に、その端縁
が端子34の端縁よりも距離tだけ後退されて形成され
ている。この距離tは、コイニング領域44にコイニン
グを施した際に、潰し部のうち、コイニング領域44の
端縁方向に押し出された部分によって、コイニング領域
44の面積が拡大しても、端子34の端縁から突出しな
いようにするための距離である。一方、コイニングの際
に、潰し部のコイニング領域44と端子34との方向に
押し出された部分は、凹溝48、48を埋めることによ
って吸収される。図11において、コイニング領域44
と端子34とを連結する連結部の端縁50は、傾斜縁に
形成されており、傾斜縁の傾斜角(α)を30〜45°
とすることが好ましい。この様に、連結部の端縁50を
傾斜縁とすることによって、プレス加工によって平面コ
イル10を形成する際に、ポンチの擦れに因るばり発生
を防止できる。尚、凹溝48に代えてスリットを形成し
ても、コイニングに因る端子34の面積拡大を防止可能
である。
【0025】以上、説明してきた図10(a)(b)に
は、コイニング領域44内に、凹部46又は凹溝48の
みが形成されていたが、同一のコイニング領域44内に
凹部46と凹溝48とを混在させてもよい。更に、凹部
46の箇所に貫通孔を形成してもよく、凹溝48の箇所
にスリットを形成してもよい。更に、貫通孔とスリット
とを混在させてもよい。また、図3においては、半導体
素子32の上面を平面コイル10の導線12、12・・
が通過するように、半導体素子32を平面コイル10に
搭載した状態を示すが、半導体素子32の下面を平面コ
イル10の導線12、12・・が通過するように、半導
体素子32を平面コイル10に搭載してもよい。この場
合、半導体素子32の電極端子36、36の形成面と反
対側面が、導線12、12・・に形成された上向の凹部
の底面側に搭載される。かかる場合も、搭載された半導
体素子32の電極端子形成面と端子34のワイヤ40の
接続面とが同一平面となるように、端子34にコイニン
グを施す。尚、図11に示す端子34では、距離tとし
て、コイニング領域44にコイニングを施した際に、コ
イニング領域44の面積が拡大しても、端子34の端縁
から確実に突出しない距離を確実に確保できる場合に
は、コイニング領域44の境界近傍に凹溝48、48を
形成しなくてもよい。
【0026】
【発明の効果】本発明によれば、平面コイルの端子にコ
イニングを施したとき、コイニングした端子と導線との
接触を防止できるため、最終的に得られたICカードの
信頼性を向上させることができ、ICカード用平面コイ
ルの検査を簡略化できる。その結果、ICカードの製造
コストの低減を可能とし、ICカードの普及を図ること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るICカード用平面コイルの一例を
示す平面図である。
【図2】図1に示す平面コイル10の端子近傍の部分正
面図である。
【図3】図2に示す平面コイル10の端子近傍の部分断
面図である。
【図4】平面コイル10の端子34に形成した潰し吸収
部の一例を示す部分平面図である。
【図5】端子34に形成した潰し吸収部としての凹部又
は凹溝の断面形状を説明する部分断面図である。
【図6】コイニングが施されたとき、端子34に形成し
た潰し吸収部としての凹部又は凹溝の作用を説明するた
めの説明図である。
【図7】端子34に形成した潰し吸収部の他の例を示す
部分平面図である。
【図8】端子34に形成した潰し吸収部の他の例を示す
部分平面図である。
【図9】最終的に得られたICカードの平面図である。
【図10】端子34に形成した潰し吸収部の他の例を示
す部分平面図である。
【図11】端子34に形成した潰し吸収部の他の例を示
す部分平面図である。
【図12】従来のICカードを説明するための平面図で
ある。
【図13】図12に示す平面コイル100の端子近傍の
部分断面図である。
【図14】図12に示す平面コイル100の端子108
にコイニングを施した状態を説明するための部分断面図
である。
【図15】図12に示す平面コイル100の端子108
にコイニングを施した状態を説明するための部分平面図
である。
【符号の説明】
10 平面コイル 12 導線 32 半導体素子 34 平面コイル10の端子 36 半導体素子32の電極端子 40 ワイヤ 44 コイニング領域 46 ディンプル状凹部 48 凹溝 52 スリット
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平8−207476(JP,A) 特開 平6−310324(JP,A) 特開 平11−328352(JP,A) 特開 平11−219417(JP,A) 特開2000−76406(JP,A) 国際公開99/62026(WO,A1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G06K 19/00 - 19/18

Claims (10)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 導線が実質的に同一平面上に複数回卷回
    されて成る平面コイルに、半導体素子の電極端子がワイ
    ヤを介して電気的に接続される端子が形成されているI
    Cカード用平面コイルであって、 該平面コイルの端子の少なくとも前記ワイヤが接続され
    る箇所を含む部位にコイニングを施した際、コイニング
    による潰し部の面積拡大を吸収する潰し吸収部が、前記
    端子のコイニングが施されるコイニング領域内及び/又
    はコイニング領域との境界近傍に形成されていることを
    特徴とするICカード用平面コイル。
  2. 【請求項2】 コイニング領域が、平面コイルの端子の
    一部であって、前記コイニング領域の全面に亘って潰し
    吸収部が形成されている請求項1記載のICカード用平
    面コイル。
  3. 【請求項3】 コイニング領域が、平面コイルの端子の
    全面であって、前記平面コイルの端子の全面に亘って潰
    し吸収部が形成されている請求項1記載のICカード用
    平面コイル。
  4. 【請求項4】 潰し吸収部が、ディンプル状凹部及び/
    又は凹溝であって、端子のコイニングが施されるコイニ
    ング面側に形成されている請求項1〜3のいずれか一項
    記載のICカード用平面コイル。
  5. 【請求項5】 潰し吸収部が、ディンプル状凹部及び/
    又は凹溝であって、端子のコイニングが施されるコイニ
    ング面の反対面側に形成されている請求項1〜3のいず
    れか一項記載のICカード用平面コイル。
  6. 【請求項6】 潰し吸収部が、貫通孔及び/又はスリッ
    トであって、端子のコイニング領域との境界に沿って形
    成されている請求項1記載のICカード用平面コイル。
  7. 【請求項7】 導線が実質的に同一平面上に複数回卷回
    された平面コイルの端子に、半導体素子の電極端子がワ
    イヤを介して電気的に接続されて成るICカードを製造
    する際に、 該平面コイルとして、金属薄板をプレス加工又はエッチ
    ング加工によって形成した平面コイルであって、前記平
    面コイルの端子の少なくとも前記ワイヤが接続される箇
    所を含む部位にコイニングを施したとき、コイニングに
    よる潰し部の面積拡大を吸収する潰し吸収部が、前記端
    子のコイニングが施されるコイニング領域内及び/又は
    コイニング領域との境界の近傍に形成されている平面コ
    イルを用い、 前記平面コイルの端子のコイニング領域にコイニングを
    施してコイニング面を形成した後、前記コイニング面に
    めっきによって金属めっき層を形成してボンディング面
    とし、 次いで、前記ボンディング面と前記平面コイルに搭載し
    た半導体素子の電極端子とをワイヤボンディングによっ
    て電気的に接続することを特徴とするICカードの製造
    方法。
  8. 【請求項8】 潰し吸収部として、ディンプル状凹部及
    び/又は凹溝を形成する請求項7記載のICカードの製
    造方法。
  9. 【請求項9】 潰し吸収部として、貫通孔及び/又はス
    リットを形成する請求項7記載のICカードの製造方
    法。
  10. 【請求項10】 コイニングを施した部分の板厚を、コ
    インニングを施す前の板厚の50〜60%とする請求項
    7〜9のいずれか一項記載のICカードの製造方法。
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