JP3361376B2 - 熱交換器フィン詰り検知機能付きガス燃焼機器 - Google Patents

熱交換器フィン詰り検知機能付きガス燃焼機器

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JP3361376B2
JP3361376B2 JP34514393A JP34514393A JP3361376B2 JP 3361376 B2 JP3361376 B2 JP 3361376B2 JP 34514393 A JP34514393 A JP 34514393A JP 34514393 A JP34514393 A JP 34514393A JP 3361376 B2 JP3361376 B2 JP 3361376B2
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豊 青木
靖之 小西
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パロマ工業株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ガス給湯器,ガス風呂
釜などのガス燃焼機器に関し、さらに詳しくは、ガスバ
ーナの熱により給水管を流れる水を加熱する熱交換器の
フィン詰り具合を検知する機能を備えたガス燃焼機器に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、この種のガス燃焼機器、たとえば
ガス給湯器などでは、図9にその制御フローチャートを
示したが、給湯栓を開くと水流スイッチがONして送風
ファンの回転が始まり、次いで各種ガス弁が開いてガス
バーナにガスが供給され、イグナイタによりその点火が
行なわれ、そのガスバーナによる燃焼ガスの熱により熱
交換器に配管された給水管を流れる水が加熱され、出湯
水が得られる。
【0003】そして通常の運転状態では出湯温度と設定
温度との比較によりガスバーナのガス量を連続的に制御
(フィードバック制御)して一定の出湯温度の出湯水が
得られるようにし、一方給湯栓を閉じると水流スイッチ
がOFFとなり、各種ガス弁が閉じて送風ファンが停止
し、燃焼が停止されるようにしていることは周知のとう
りである。
【0004】たとえばこのようなガス給湯器において、
熱交換器のフィン部には繰り返しの運転あるいは長時間
の運転によって各種の腐食生成物が堆積し、あるいはス
スのような燃焼生成物やほこり等が付着する。ここに腐
食生成物としては、高温酸化生成物や低温腐食生成物と
いったものがある。
【0005】高温酸化生成物は、熱交換器のフィン部に
高温度の燃焼排気ガスが接触することによりそのフィン
部が酸化して生成された酸化銅(CuO)や酸化鉛(P
bO)等の酸化物を総称したものであり、ガスバーナへ
の燃焼ガスのインプット量の影響(負荷が大きいと大炎
長が長く高温酸化されやすい)、又は空気比の影響(空
気比が低く火炎温度が高い方が高温酸化されやすい)に
より生じる。
【0006】また、低温腐食生成物は、その熱交換器の
フィン部に燃焼排ガス中の水分などが凝縮したドレイン
と反応して生成される硝酸銅(Cu(NO32),炭酸
銅(CuCO3 ),硫酸銅(CuSO4 )等の塩類を総
したものであり、比較的低温度の出湯温度(約40℃以
下)の湯を使用する場合に燃焼ガスの温度が低くなるこ
とにより生じるものである。一方燃焼生成物(スス)
は、燃焼ガス中の未燃炭素成分がススとして付着したよ
うなものをいう。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしてこのような腐
食生成物や燃焼生成物(スス),あるいはほこりなど
が、長期間に亘る器具の運転使用によって熱交換器のフ
ィン部に付着生成(堆積)されると、それが原因で熱交
換器のフィン間を通過する燃焼排気ガスの通気抵抗が増
加する。そのために燃焼に必要な空気の供給量が減少し
て一酸化炭素ガス(COガス)が多量に発生して燃焼不
良を起こしたり、さらには熱交換器のフィン部に付着生
成物が堆積することによりそのフィン部の熱伝達効率も
悪くなって、所望の出湯温度が得られなくなるという現
象が起こる。
【0008】また、繰り返しの運転、永年の使用によっ
て燃焼室系の腐食や穴開き等を引き起こし、これが原因
で燃焼ガスの漏洩等が起こって火炎等の事故が起き、器
具使用上の安全性が損なわれるといった問題も生じるこ
とになる。
【0009】本発明は、このような問題点を解決するた
めになされたものであり、その目的とするところは、ガ
ス給湯器などのガス燃焼機器において適確に熱交換器の
フィン詰り具合を検知することにより不完全燃焼を回避
し、また燃焼室系の腐食・穴開き等と平行して起こるフ
ィン詰り具合を検知することによりメインテナンスの適
確な対応によって器具の安全なる使用を達成せんとする
ものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
に本発明の熱交換器フィン詰り検知機能付きガス燃焼機
器は、ガスバーナによる燃焼ガスが流れる燃焼ガス流路
に設けられる熱交換器に、通常の熱伝導性材料によりフ
ィン全体が構成されたフィン部分のほかにそれとは材料
の異なる耐腐食性材料によりフィン全体が構成された
ィン部分を備え、少なくともその耐腐食性材料によるフ
ィン部分を通過した燃焼ガスの排気温度又は流速を検知
する手段を前記燃焼ガス流路における熱交換器の耐腐食
性材料によるフィン部分の下流側に配置し、前記検知手
段からの検知信号に基づいて前記熱交換器のフィン詰り
が検知されるように構成されてなることを要旨とするも
のである。この場合に1つの実施態様としては、図2に
示されるように、耐腐食性材料によるフィン部分の下流
側に、そこを通過した燃焼ガスの排気温度を検知する手
段(たとえば、熱電対)を設けたものが挙げられる。
【0011】また本発明の別の実施態様としては、図6
に示されるように、耐腐食性材料によるフィン部分を通
過した燃焼ガスの排気温度を検知する第1の検知手段の
ほかに、通常の熱伝導性材料によるフィン部分を通過し
た燃焼ガスの排気温度を検知する第2の検知手段とをそ
れぞれ備え、該第1の排気温度検知手段および第2の排
気温度検知手段からの検知信号に基づいて前記熱交換器
のフィン詰りが検知されるようにしたものが挙げられ
る。
【0012】さらに本発明の別の実施態様としては、図
8に示されるように、前記熱交換器に設けられる通常の
熱伝導性材料によるフィン部分と耐腐食性材料によるフ
ィン部分との間に、その両フィン部分を通過する燃焼ガ
スが混合されるのを阻止する仕切部材が設けられている
ものも挙げられる。
【0013】
【作用】上記の構成を有する本発明の熱交換器フィン詰
り検知機能付きガス燃焼機器によれば、初めに上位概念
としての請求項1に記載の発明について説明すると、ガ
スバーナによる燃焼ガスは、燃焼ガス流路に設けられる
熱交換器のフィン間を通るが、そのときに通常の熱伝導
性フィン部分の方が耐腐食性フィン部分よりも各種の腐
食生成物や燃焼生成物当が付着堆積してフィン詰りが起
こり易いために、経年変化によってその熱伝導性フィン
部分の燃焼排気ガスの流れが悪くなってその燃焼排気ガ
スは耐腐食性フィン部分の方を通過するように流れ込ん
でくる。
【0014】その結果、この耐腐食性フィン部分を通過
する燃焼排気ガスの温度が上昇し、またその流速が増
し、その燃焼ガスの排気温度又は流速が熱交換器の下流
側に配置される検知手段(たとえば、熱電対や流速セン
サ等)により検知され、その検知信号の変化により前記
熱交換器のフィン詰りが検知される。
【0015】このときに耐腐食性フィン部分を通過する
燃焼ガスの排気温度又は流速を検知する第1の検知手段
のほかに、通常の熱伝導性フィン部分を通過する燃焼ガ
スの排気温度を検知する第2検知手段を熱交換器のフィ
ンの下流側に備えるものにあっては、この第1の検知手
段および第2の検知手段からの検知信号に基づいて前記
熱交換器のフィン詰りが検知される。
【0016】この場合には、熱交換器の通常の熱伝導性
フィン部分への付着生成物の付着量が増すにつれてガス
バーナによる燃焼ガスの流れは耐腐食性フィン側へ片寄
り、その結果として通常の熱伝導性フィン部分の燃焼ガ
スの量は減少することから、両方の検知信号を採ること
によりその検知信号の変化度合をより大きくみることが
でき、より正確に熱交換器のフィン詰り具合が検知され
ることになる。
【0017】
【実施例】以下に本発明を具体化した一実施例を図面を
参照して詳細に説明する。初めに本発明が適用されるガ
ス給湯器の全体構成を図1に示して説明する。このガス
給湯器10は、給水管12と給湯管14とが熱交換器1
6を介して接続され、給水管12には水流スイッチ18
が、また給湯管14には湯温サーミスタ22がそれぞれ
接続されている。給湯管14の先端に給湯栓24が設け
られている。
【0018】一方、熱交換器16を加熱するガスバーナ
26には、ガス管28が接続され、このガス管28には
ガス元電磁弁30、メイン電磁弁32およびガス比例弁
34が設けられると共に、ガスバーナ26には送風ファ
ン36も接続されている。そして、給水管12の水流ス
イッチ18、給水管14の湯温サーミスタ22、ガス管
28のガス元電磁弁30、メイン電磁弁32およびガス
比例弁34、並びに送風ファン36はそれぞれコントロ
ーラ38に接続されている。
【0019】次に、図2に本発明の第1の実施例として
の熱交換器の構成を具体的に示して説明する。この実施
例では、前述の熱交換器16とガスバーナ26とがケー
シング40により囲まれていて、このケーシング40内
にガスバーナ26による燃焼ガスが熱交換器16に向け
て流れるガス流路42が形成されている。一方、熱交換
器16には多数のフィン44,44・・が、そのガス流
路42を流れる燃焼ガスの流れとは直交する方向に多数
枚列設されてなるものであるが、その熱交換器16のフ
ィンの材質を一部他の材質により置き換えている。
【0020】すなわち大半部分のフィン44,44・・
(A部分)は、通常この種熱交換器のフィン材料として
用いられる良熱伝導性の銅(Cu)材料により構成され
るが、片側サイド寄り部位の一部のフィン45,45・
・(B部分)は、銅材料よりも燃焼排気ガスにより腐食
し難い耐腐食性材料、たとえばステンレス(SuS)材
料や炭化ケイ素(SiC)などのセラミック材料により
構成されている。
【0021】そしてこのケーシング40内の熱交換器1
6の下流側には、前述の耐腐食性フィン部分(B部分)
を通過してきた燃焼ガスの排熱温度を検知する熱電対4
6がその熱交換器16のフィン部分(B部分)に近接し
てケーシング壁に取付けられている。この熱電対46は
燃焼ガス温度を検知することにより起電力が上昇するも
のであり、やはりコントローラ38に接続されている。
【0022】このように構成されたガス給湯器10は、
次のように作動する。給湯栓24を開くと給水管12に
水が流れ水流スイッチ18がONし、コントローラ38
への通電により送風ファン36が回転を開始する。そし
てプリパージの後ガス元電磁弁30およびメイン電磁弁
32が開いてガス比例弁34が緩点火動作状態となり、
ガスバーナ26にガスが供給され、それと同時にイグナ
イタ(図示せず)が連続的にスパークしてガスバーナ2
6に緩点火が行なわれる。
【0023】緩点火動作終了後には比例制御が開始さ
れ、湯温サーミスタ22で検出した湯温と設定した湯温
とに差があると、コントローラ38でそれを判断し、ガ
ス比例弁34へ信号を送り、ガス量を連続的に変化させ
て熱交換器16の出口温度を一定に保ち、ガス比例弁3
4によるガス量の変化に応じてコントローラ38から送
風ファン36のファンモータへ信号が送られ、ガス量と
空気量の関係が一定に保たれるようになっている。
【0024】一方給湯栓24を閉じると水流スイッチ1
8がOFFとなり、ガス元電磁弁30,メイン電磁弁3
2およびガス比例弁34がOFFとなり、ガスバーナ2
6が消火し、ポストパージ動作に入り、ポストパージ動
作のタイムアップによりファンが停止されるものであ
る。
【0025】かくして本発明によれば、熱交換器16の
フィンに付着生成物が存在しない(比較的「新品」に属
する)場合には、ガスバーナ26による燃焼ガスが各フ
ィン44,44・・間を通過するときの通気抵抗は、通
常の銅フィン部分(A部分)も耐腐食性フィン部分(B
部分)もそれ程変わらず、ほぼ同じ状態にある。したが
ってそのときの熱電対46で検知される燃焼ガスの排気
温度に相当する起電力値(mA)をベースとして考え
る。
【0026】そしてこれが繰り返しの運転によって熱交
換器16のフィンに付着生成物が堆積してくるが、ステ
ンレス材料やセラミックス材料製の耐腐食性材料による
フィン部分(B部分)は、通常の熱交換器の良熱伝導性
フィン材料である銅材料製のフィン部分(A部分)より
も燃焼排気ガスによって腐食され難い。
【0027】このためにフィン目詰りの主な原因の一つ
である腐食生成物が耐腐食性フィンB部分のフィン4
5,45・・には付着し難い。したがって銅フィンA部
分のフィン44,44・・に腐食生成物が付着してフィ
ン目詰りを起こした場合でも耐腐食性フィンB部分のフ
ィン目詰りの度合は銅フィンA部分よりも小さいことに
なる。
【0028】つまり熱交換器16の各フィン44,44
・・、45,45・・間の排気ガスの通気抵抗は、初期
段階では銅フィンA部分と耐腐食性フィンB部分とで同
等であるが、経年変化によりフィンの目詰りが起きてく
ると、銅フィンA部分のフィン44,44・・間の通気
抵抗の方が、耐腐食性フィンB部分のフィン45,45
・・間の通気抵抗よりも大きくなる。
【0029】このために銅フィンA部分を通過する燃焼
排気ガスの通過量が減少し、図3に示されるように、耐
腐食性フィンB部分を通過する燃焼排気ガスの通過量が
増加し、かつその排気ガスの流れも速くなる。そして耐
腐食性フィンB部分を通過する燃焼排気ガスとフィンと
の接触時間が短くなり、その排気ガスは高温度のままフ
ィン間を通過してしまうため、その下流側の排気温度が
高くなり、熱電対46の超電力は上昇するためコントロ
ーラ38では熱交換器16にフィン詰まりが生じつつあ
ることか゛検知される。
【0030】図4は、熱交換器16のフィン詰り度合と
熱電対46の起電力値との関係を示したものである。横
軸にフィン詰り度合を採り、縦軸に熱電対46の起電力
値(mA)を採っている。図示されるように、熱交換器
16のフィン詰り度合が増すにつれて熱電対46の起電
力値が上昇する。そしてこの熱電対46の起電力値は、
前述の耐腐食性フィンB部分を通過する燃焼ガスの通過
量が増してその排気温度が高くなるにつれて高くなるも
のであるから、その起電力値の上昇によって熱交換器1
6のフィン詰りが生じつつあること、およびそのフィン
詰り具合の進行度が判断されるものである。
【0031】図5は、このガス給湯器10の制御フロー
チャートを示している。このフローチャートでは熱交換
器16のフィン詰りがどのように判断され、またそれに
対して器具がどのように作動するかが示されている。前
述のように給湯栓24を開き水流スイッチ18のON信
号が検知される(ステップ1、以下単に「S1」と表記
する)と、ガスバーナ26の燃焼が開始される(S2)
が、そのガスバーナ26の燃焼排気ガスの排気温度は、
熱交換器16の耐腐食性フィンB部分を通過したときに
熱電対46により起電力値として検知される。
【0032】そしてその熱電対46の起電力がある基準
値以下(この実施例ではAmV以下とする。図4中、点
「A」)と判断されている限り(S3,「NO」)で
は、出湯温度が設定温度になるようにガス比例弁34の
開度や送風ファン36の回転数が制御されてフィードバ
ック制御がなされる(S4)。そして水流スイッチ18
がON状態にある限り(S5,「YES」)では燃焼は
継続し、熱電対46により燃焼排気ガスの排気温度が検
知され続け、一方水流スイッチ18のOFF信号が検知
される(S5、「NO」)と燃焼が停止される(S
6)。
【0033】このようなガス燃焼状態いおいて、S3で
熱電対46の起電力がAmV以上になったと判断された
とき(S3,「YES」)、このガス器具のフィン目詰
りランプ(図示せず)を点滅させて使用者に注意が喚起
される(S7)と共に、この状態ではまだ燃焼異常を来
たしているとはみなされないので設定温度になるように
ガス比例弁34の開度および送風ファン36の回転数を
制御することにより燃焼が安定的に制御される(S
9)。
【0034】そしてS10において熱電対46の起電力
がBmV以下である間(S10,「NO」)において器
具は作動し続け、水流スイッチ18がOFFされなけれ
ば(S11,「YES」)燃焼を続けるし、水流スイッ
チ18のOFF信号が検知されれば(S11,「N
O」)燃焼は停止される(S12)が、燃焼を継続して
熱電対46の起電力がBmV(図3中、点「B」)以上
になったと判断されたとき(S10,「YES」)、燃
焼が停止される(S13)とともに、フィン目詰りの異
常表示ランプ(図示せず)が点滅し、かつ警報器が鳴る
等により使用者に警告が発せられる(S14)。
【0035】したがって使用者は、このフローチャート
のS7において熱交換器16のフィン詰り現象が生じつ
つあることを察知でき、またS14においてフィン詰り
が異常状態にあることの警告を受けることから、早めに
メインテナンスの対応を採ることができる。またそうす
ることによって熱交換器16やケーシング40等の損傷
を回避し、火災等の重大事故へ連がるということを防止
出来る。
【0036】図6は、本発明の第2の実施例を示したも
のである。この実施例では、やはりケーシング40内に
配置される熱交換器16に多数枚列設されるフィンの材
質として、第1の実施例の場合と同様、大半部分を占め
るフィンA部分には銅材料が用いられ、片側サイド寄り
部位のフィンB部分には耐腐食性のステンレス材料やセ
ラミック材料が用いられているが、そのケーシング40
内の熱交換器16の下流側には、前述の耐腐食性のフィ
ンB部分を通過してきた燃焼ガスの排熱温度を検知する
熱電対(1)46のほかに、通常の銅材料のフィンA部
分を通過してきた燃焼ガスの排気温度を検知する熱電対
(2)48もケーシング壁に取付けられている。この熱
電対(2)48も熱電対(1)46と同様、燃焼ガス温
度を検知することにより起電力が上昇するものであり、
やはりコントローラ38に接続されている。尚、この実
施例の説明では、前述の図2の構成と同一の構成部分に
ついては同一の符号を付して、その構成の詳細な説明は
割愛している。
【0037】かくしてこの図6に示した実施例の場合
も、熱交換器16のフィンに付着生成物が存在しない
(比較的、「新品」に属する)場合には、ガスバーナ2
6による燃焼ガスが各フィン44,44・・、45,4
5・・間を通過するときの通気抵抗は、通常の銅フィン
部分(A部分)も耐腐食性フィン部分(B部分)もそれ
程変わらず、ほぼ同じ状態にあるが、繰り返しの運転に
よって熱交換器16のフィンに付着生成物が堆積してく
ると、銅フィン部分(A部分)の方が耐腐食性フィン部
分(B部分)よりも通気抵抗が増加するために銅フィン
部分(A部分)の燃焼排気ガスの通過量が減少しその排
気ガスの流れが遅くなるし、その分耐腐食性フィン部分
(B部分)を通過する燃焼排気ガスの通過量が増加し、
その排気ガスの流れも速くなる。
【0038】そして耐腐食性フィン部分(B部分)では
フィンとの接触時間も短かく燃焼排気ガスが高温度のま
まを通過してその燃焼排気ガスの下流側の排気温度が高
くなり、反面銅フィン部分(A部分)では燃焼排気ガス
が温度を下げて通過するためその燃焼排気ガスの下流側
の排気温度が低くなる。したがって熱電対(1)46の
起電力は上昇し、熱電対(2)48の起電力は下降する
ため、コントローラ38では熱交換器16aにフィン詰
りが生じつつあることが検知される。
【0039】図7は、やはり図4に示したと同様、熱交
換器16のフィン詰り度合いと熱電対(1)46および
熱電対(2)48の起電力値との関係を示している。図
示されるように、熱交換器16のフィン詰り度合いが増
すにつれて熱電対(1)46の起電力値が上昇し、熱電
対(2)の起電力値が下降する。したがってコントロー
ラ38では、両熱電対(1)(2)の起電力値の差から
熱交換器16のフィン詰りの度合いを検知するものであ
る。
【0040】すなわちフィン詰りが進行し、耐腐食性フ
ィン部分(B部分)を通過する燃焼ガスの通過量が増し
てその排気温度が高くなるにつれて熱電対(1)46の
起電力値は高くなり、逆にそのとき通常の銅フィン部分
(A部分)を通過する燃焼ガスの通過量が減少してその
排気温度は低くなるから熱電対(2)48の起電力値は
低くなり、その起電力値の上昇と下降との差(△E)に
よって熱交換器16aのフィン詰りが生じつつあるこ
と、およびそのフィン詰り具合の進行度が判断される。
【0041】そしてこの図6に示した実施例のように両
熱電対(1)(2)を用いることにより、前述の図4の
場合よりも熱電対の起電力値の変動を大きくとらえるこ
とができ、より正確にかつ早めにフィン詰り具合やフィ
ン詰りの進行度が判断されるものである。
【0042】図8は、本発明の別の実施例として、熱電
対46により検知される耐腐食性フィン部分(B部分)
を通過した燃焼排気ガスが通常の銅フィン部分(A部
分)を通過する燃焼排気ガスとフィンを通過した直後に
すぐには混ざらないように、その燃焼排気ガスの混合を
阻止するようにしたものである。
【0043】この実施例では、前述の図2に示した熱交
換器16の構成と同様に熱交換器16とガスバーナ26
とを囲むケーシング40内のガス流路42に配置される
熱交換器16aの銅フィン部分(A部分)と耐腐食性フ
ィン部分(B部分)との間に、銅フィン部分(A部分)
のフィン間を通過する燃焼ガスと耐腐食性フィン部分
(B部分)のフィン間を通過する燃焼ガスとが混合され
るのを阻止する仕切部材50が設けられている。
【0044】そしてこの図8に示した実施例によれば、
銅フィン部分(A部分)を通過する燃焼排気ガスと耐腐
食性フィン部分(B部分)を通過する燃焼排気ガスとは
仕切部材50によってそのガスの混合が阻止されるので
その耐腐食性フィン部分(B部分)を通過した燃焼排気
ガスの排気温度は熱電対46により正確に測られるもの
である。
【0045】以上実施例に基づいて本発明を説明した
が、本発明は上記実施例に何ら限定されるものではな
く、本発明の主旨を逸脱しない範囲で種々の設定変更が
可能であることは言うまでもないことである。たとえ
ば、上述のフィンBを耐食性材料のフィンの代わりに耐
食耐熱表面処理を施したものでもよい。
【0046】またたとえば上記実施例では、その燃焼ガ
スの排気温度を検知するのに熱電対を用いた例のみを示
しているが、勿論これに代えて各種サーミスタ,測温抵
抗体等を用いても構わないし、燃焼ガスの流速センサに
よってフィン詰り現象によって生じる燃焼ガスの流速の
変化を検知するものでもよい。
【0047】尚、フィン詰りをガス給湯器本体に表示ラ
ンプや警報器を設けて使用者に知らせることは一般的に
とられる手段であるが、このときにそのフィン詰りの度
合によって表示ランプの点滅を代えるとか、警報音を代
える等種々の設計を付加することは勿論可能である。
【0048】
【発明の効果】以上説明したことから明らかなように本
発明の熱交換器フィン詰り検知機能付きガス燃焼機器に
よれば、繰り返し運転等によって熱交換器のフィン部に
腐食生成物,燃焼生成物(スス)あるいはほこり等が堆
積してフィンの目詰り等が生じたときに、これを適確に
検知してCOガスの発生すなわち燃焼不良を回避し、あ
るいは燃焼室系の腐食・穴開き等によるメインテナンス
の適確な対応の必要性を把握せんとするものである。し
たがって本発明をガス給湯器などのガス燃焼機器に適用
することは器具の安全なる使用が達成され、産業上極め
て有益なものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明が適用されるガス燃焼機器(ガス給湯
器)の概略構成図である。
【図2】図1に示したガス給湯器における要部の詳細な
構成図である。
【図3】図2に示したガス給湯器における燃焼状態を説
明した図である。
【図4】図2および図3に示した構成における熱交換器
のフィン詰り度合と熱電対の起電力値との関係を説明し
た図である。
【図5】この図2および図3に示したガス給湯器におけ
る熱交換器のフィン詰り現象を検知する制御フローチャ
ートである。
【図6】本発明の第2実施例における要部の詳細な構成
図である。
【図7】図6に示した構成における熱交換器のフィン詰
り度合と熱電対の起電力値との関係を示した図である。
【図8】本発明の第3の実施例における要部の詳細な構
成図である。
【図9】この種のガス給湯器における従来一般に知られ
ている制御フローチャートである。
【符号の説明】
10 ガス給湯器 16,16a 熱交換器 26 ガスバーナ 38 コントローラ 42 ガス流路 44,44・・,45,45・・ フィン 46,48 熱電対 50 仕切部材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 実開 昭61−63547(JP,U) 実開 昭58−77280(JP,U) 実開 昭60−21657(JP,U) 実開 昭51−146457(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F23N 5/10 320 F23N 5/24 104 F28F 27/00

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ガスバーナによる燃焼ガスが流れる燃焼
    ガス流路に設けられる熱交換器に、通常の熱伝導性材料
    によりフィン全体が構成されたフィン部分のほかにそれ
    とは材料の異なる耐腐食性材料によりフィン全体が構成
    されたフィン部分を備え、少なくともその耐腐食性材料
    によるフィン部分を通過した燃焼ガスの排気温度又は流
    速を検知する手段を前記燃焼ガス流路における熱交換器
    の耐腐食性材料によるフィン部分の下流側に配置し、前
    記検知手段からの検知信号に基づいて前記熱交換器のフ
    ィン詰りが検知されるように構成されてなることを特徴
    とする熱交換器フィン詰り検知機能付きガス燃焼機器。
  2. 【請求項2】 前記請求項1に記載される熱交換器フィ
    ン詰り検知機能付きガス燃焼機器において、耐腐食性材
    料によるフィン部分を通過した燃焼ガスの排気温度又は
    流速を検知する第1の検知手段と、通常の熱伝導性材料
    によるフィン部分を通過した燃焼ガスの排気温度又は流
    速を検知する第2の検知手段とをそれぞれ備え、該第1
    の検知手段および第2の検知手段からの検知信号に基づ
    いて前記熱交換器のフィン詰りが検知されるように構成
    されてなることを特徴とする熱交換器フィン詰り検知機
    能付きガス燃焼機器。
  3. 【請求項3】 前記熱交換器に設けられる通常の熱伝導
    性材料によるフィン部分と耐腐食性材料によるフィン部
    分との間に、その両フィン部分を通過する燃焼ガスが混
    合されるのを阻止する仕切部材が設けられていることを
    特徴とする請求項1または2に記載される熱交換器フィ
    ン詰り検知機能付きガス燃焼機器。
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