JP3361365B2 - ウレタン系オリゴマーとその製造法、および該オリゴマーを硬化性成分とする活性エネルギー線硬化型ウレタン系樹脂組成物 - Google Patents

ウレタン系オリゴマーとその製造法、および該オリゴマーを硬化性成分とする活性エネルギー線硬化型ウレタン系樹脂組成物

Info

Publication number
JP3361365B2
JP3361365B2 JP22217893A JP22217893A JP3361365B2 JP 3361365 B2 JP3361365 B2 JP 3361365B2 JP 22217893 A JP22217893 A JP 22217893A JP 22217893 A JP22217893 A JP 22217893A JP 3361365 B2 JP3361365 B2 JP 3361365B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
molecular weight
urethane
oligomer
mol
unit
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP22217893A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH0753664A (ja
Inventor
元喜 原田
彰尚 大下
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Synthetic Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Nippon Synthetic Chemical Industry Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Synthetic Chemical Industry Co Ltd filed Critical Nippon Synthetic Chemical Industry Co Ltd
Priority to JP22217893A priority Critical patent/JP3361365B2/ja
Publication of JPH0753664A publication Critical patent/JPH0753664A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3361365B2 publication Critical patent/JP3361365B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Polyurethanes Or Polyureas (AREA)
  • Macromonomer-Based Addition Polymer (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、新規なウレタン系オリ
ゴマーとその製造法、および該オリゴマーを硬化性成分
として含有する活性エネルギー線硬化型ウレタン系樹脂
組成物に関するものである。
【従来の技術】
【0002】ウレタンアクリレート系オリゴマーは紫外
線硬化性を有し、エポキシアクリレートオリゴマー、ポ
リエステルアクリルオリゴマーなどと同様に、塗料、イ
ンク、保護コーティング剤、接着剤など被膜形成原料と
して有用である。
【0003】以下説明の便宜のためおよび分子構造を直
感的に把握できるようにするため、必要に応じ、活性水
素含有(メタ)アクリレート系モノマー単位を「=」、
ポリイソシアネート単位を「○」、低分子量ポリオール
を「−」、高分子量ポリオールを「……」と表わすこと
にする。
【0004】本出願人の出願にかかる特開昭57−17
2915号公報には、1,4−シクロヘキサンジメタノ
ールを多価アルコールとして含む分子量500〜200
0の低分子量ポリエステル樹脂にジイソシアネート化合
物を反応させ、ついで活性水素含有アクリル系単量体を
反応させて得られるプレポリマーを用いた光硬化性ウレ
タンアクリル樹脂組成物が示されている。得られるプレ
ポリマーの構造は =○……○= (2) となる。
【0005】本出願人の出願にかかる特開昭57−65
714号公報(特公平2−10166号公報)には、分
子量約1000〜5000のポリエステルポリオール
(A) と多価イソシアネート化合物(B) とを反応させた
後、活性水素含有アクリル系単量体(C) を反応させたプ
レポリマーを用いた光硬化性樹脂組成物が示されてい
る。実施例1においては、(A) 2モルに対し(B) を3モ
ル反応させ、ついで(C) を2モル反応させているので、
得られるプレポリマーの構造は =○……○……○= (3) となる。
【0006】特開平3−244618号公報には、ポリ
エーテル系グリコール(a) 、ジイソシアネート化合物
(b) 、分子量300以下の2価アルコール(c) および水
酸基を有するビニル系不飽和単量体(d) の四者を反応し
て得られる紫外線硬化性ウレタン化合物が示されてい
る。ここでポリエーテル系グリコール単位はソフトセグ
メントであり、その両端に2価アルコールとジイソシア
ネートよりなる連続的なウレタン結合のハードセグメン
トが位置している。すなわちこのプレポリマーの構造
は、 =○−○……○−○= (4) =○−○−○……○−○−○= (5) =○−○−○−○……○−○−○−○= (6) などとなる。
【0007】特開平4−77515号公報には、分子量
1000〜10000のポリオール、ジイソシアネート
化合物、分子量300以下の2価アルコール、および水
酸基を有するビニル系不飽和単量体の四者を反応して得
られる放射線硬化型オリゴマーが示されている。このオ
リゴマーの構造は、 =○−○……○−○= (7) =○−○……○−○……○−○= (8) =○−○……○−○……○−○……○−○= (9) などである。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】上記のうち特開昭57
−172915号公報に開示の光硬化性ウレタンアクリ
ル樹脂組成物は、その実施例によれば、引張強度−伸度
のバランスが、150kg/cm2−310%、200kg/cm2
−180%、240kg/cm2−90%、230kg/cm2−1
60%、240kg/cm2−130%であり、強度および伸
度が共に不足する傾向がある。なお伸度を最大限に上げ
ようとすると、強度が一段と小さくなるという問題点が
ある。
【0009】特開昭57−65714号公報(特公平2
−10166号公報)に開示のプレポリマーを用いた光
硬化性樹脂組成物にあっては、該プレポリマーにさらに
単官能性ポリマーとして2−ヒドロキシエチルアクリレ
ートまたは2−ヒドロキシエチルメタクリレートを併用
した実施例によれば、引張強度−伸度のバランスが、1
80kg/cm2−380%、120kg/cm2−310%、14
0kg/cm2−430%、120kg/cm2−360%、75kg
/cm2−470%であり、伸度の点では満足のいく結果が
得られるものの、引張強度が不足しているという問題点
がある。なお単官能性ポリマーを併用しない場合には、
引張強度、ヤング率、伸度が著減する傾向がある。また
本発明者らの追試によれば、同公報の光硬化性樹脂組成
物はタックフリー時間が5秒以上と光硬化性樹脂組成物
にしては長いという不利もある。
【0010】特開平3−244618号公報に開示の紫
外線硬化性ウレタン化合物は、その実施例によれば、引
張強度−伸度のバランスが、230kg/cm2−450%、
250kg/cm2−440%であり、伸びの点では満足のい
く結果が得られるものの、引張強度が不足しているとい
う問題点がある。
【0011】これに対し特開平4−77515号公報に
開示の放射線硬化型オリゴマーは、その実施例によれ
ば、引張強度−伸度のバランスが、450kg/cm2−80
0%、480kg/cm2−760%、360kg/cm2−700
%、470kg/cm2−550%、440kg/cm2−620%
であり、引張強度および伸度の双方が極めてすぐれてい
る。しかしながらこのオリゴマーから得られる硬化被膜
は、ヤング率が15〜55kg/cm2というように低いとい
う不利がある。また本発明者らの追試によれば、その硬
化被膜は、テーバー摩耗試験による耐摩耗性がたとえば
10〜22mgというように不足すること、耐汚染性が不
充分で(速乾性油性インクで線引きし、室温下に24時
間放置後、エタノールで拭き取ったとき、線跡がはっき
り残る)、汚れやゴミなどが付着すると容易には清浄化
できないという不利もある。
【0012】本発明は、このような背景下において、引
張強度および伸度が共にすぐれ、ヤング率も大きく、耐
摩耗性、耐汚染性も良好で、さらには硬化時のタックフ
リー時間が短い新規なウレタン系オリゴマーとその製造
、およびそれを硬化性成分として含有する活性エネル
ギー線硬化型ウレタン系樹脂組成物を提供することを目
的とするものである。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明のウレタン系オリ
ゴマーは、活性水素含有(メタ)アクリレート系モノマ
ー単位を「=」、ポリイソシアネート単位を「○」、分
子量300以下の低分子量ポリオール単位を「−」、分
子量500以上の高分子量ポリエーテル系ポリオール
を「……」で表わすとき、 =○……○−○……○= (1) で示されるものである。
【0014】本発明のウレタン系オリゴマーの製造法
は、活性水素含有(メタ)アクリレート系モノマー単位
を「=」、ポリイソシアネート単位を「○」、分子量3
00以下の低分子量ポリオール単位を「−」、分子量5
00以上の高分子量ポリエーテル系ポリオール単位を
「……」で表わすとき、 まず、ポリイソシアネートの概
ね2モルと低分子量ポリオールの概ね1モルとを反応さ
せ、 ついで、その反応系に高分子量ポリエーテル系ポリ
オールの概ね2モルを加え て反応させてから、 さらに、
その反応系にポリイソシアネートの概ね2モルを加えて
反応させ、 最後に、その反応系に活性水素含有(メタ)
アクリレート系モノマーの概ね2モルを加えて反応させ
ることにより、 =○……○−○……○= (1) で示されるウレタン系オリゴマーを得ることを特徴とす
るものである。
【0015】本発明の活性エネルギー線硬化型ウレタン
系樹脂組成物は、上記のウレタン系オリゴマーを硬化性
成分として含有するものである。
【0016】以下本発明を詳細に説明する。
【0017】本発明のウレタン系オリゴマーは、上述の
式(1) で表わされる。このオリゴマーを構成する各成分
につき順に説明する。
【0018】活性水素含有(メタ)アクリレート系モノ
マーとしては、たとえば、2−ヒドロキシエチル(メ
タ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)ア
クリレート、トリプロピレングリコール(メタ)アクリ
レート、1,4−ブチレングリコールモノ(メタ)アク
リレート、2−ヒドロキシ−3−クロロプロピル(メ
タ)アクリレート、グリセロールモノ(メタ)アクリレ
ート、グリセロールジ(メタ)アクリレート、グリセロ
ールメタクリレートアクリレートなどが用いられる。
【0019】ポリイソシアネートとしては、たとえば、
2,4−または2,6−トリレンジイソシアネート、m
−またはp−キシリレンジイソシアネート、水添キシリ
レンジイソシアネート、ジフェニルメタン−4,4’−
ジイソシアネートまたはその変性物や重合物、ヘキサメ
チレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネー
ト、1,4−テトラメチレンジイソシアネート、ナフタ
レンジイソシアネートなどが用いられる。
【0020】分子量300以下の低分子量ポリオールと
しては、たとえば、エチレングリコール、ジエチレング
リコール、トリエチレングリコール、1,2−または
1,3−プロピレングリコール、1,3−または1,4
−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6
−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコールなどが用
いられる。
【0021】分子量500以上の高分子量ポリエーテル
ポリオールとしては、分子量が500以上のもの、殊
に500〜4000のものが用いられ、分子量が500
未満では硬化物の伸度が不足するようになる。高分子量
ポリエーテル系ポリオールの代表例は、後述の実施例に
も示したように、ポリテトラメチレングリコールであ
る。
【0022】本発明のウレタン系オリゴマーは、典型的
には、ポリイソシアネート2モルと低分子量ポリオール
1モルとを適当な溶媒の存在下に窒素ガスなどの不活性
ガス雰囲気下に温度50〜95℃程度で反応させ、つい
で高分子量ポリエーテル系ポリオール2モルを加えて反
応させてから、さらにポリイソシアネート2モルを加え
て反応させ、最後に活性水素含有(メタ)アクリレート
系モノマー2モルを加えて温度50〜80℃程度で反応
させる方法が採用される。反応に際しては適宜触媒を存
在させることができる。ただし、上に述べた各成分の反
応モル比は代表的な場合を示したものである。
【0023】上記方法のほか、 ・ ポリイソシアネート2モルと低分子量ポリオール1
モルとを反応させ、ついで高分子量ポリエーテル系ポリ
オール2モルを加えて反応させ、さらにポリイソシアネ
ート2モルおよび活性水素含有(メタ)アクリレート系
モノマー2モルを加えて反応させる方法、 ・ ポリイソシアネート4モルと高分子量ポリエーテル
ポリオール2モルとを反応させ、ついで低分子量ポリ
オール1モルと活性水素含有(メタ)アクリレート系モ
ノマー2モルとを加えて反応させる方法、 ・ ポリイソシアネート2モルと活性水素含有(メタ)
アクリレート系モノマー2モルとを反応させ、ついで高
分子量ポリエーテル系ポリオール2モルを反応させ、さ
らにポリイソシアネート2モルと低分子量ポリオール1
モルとを加えて反応させる方法、なども採用される。
【0024】各成分のトータル仕込みモル比は、ポリイ
ソシアネート4モル、低分子量ポリオール1モル、高分
子量ポリエーテル系ポリオール2モル、活性水素含有
(メタ)アクリレート系モノマー2モルを基準とする
が、ポリイソシアネート 3.5〜4.5 モル、低分子量ポリ
オール 0.5〜1.5 モル、高分子量ポリエーテル系ポリオ
ール 1.5〜2.5 モル、活性水素含有(メタ)アクリレー
ト系モノマー 1.5〜2.5 モル程度の変動は許容される。
【0025】これにより、下記の式で表わされるウレタ
ン系オリゴマーが得られる。ただし、下記の式において
は、先にも述べたように、活性水素含有(メタ)アクリ
レート系モノマー単位を「=」、ポリイソシアネート単
位を「○」、分子量300以下の低分子量ポリオール
を「−」、分子量500以上の高分子量ポリエーテル
ポリオール単位を「……」で表わしてある。(なお、
従来の技術の項では「……」を「高分子量ポリオール単
位」の意味で使っているが、本発明について説明すると
きは、「……」を「高分子量ポリエーテル系ポリオール
単位」の意味で使っている。) =○……○−○……○= (1)
【0026】本発明の活性エネルギー線硬化型ウレタン
系樹脂組成物は、上記のウレタン系オリゴマーを硬化性
成分として含有するものである。
【0027】この組成物を電子線照射により硬化させる
ときは光重合開始剤は用いないのが通常であるが、紫外
線照射により硬化させるときは、光重合開始剤を配合す
る。光重合開始剤としては、たとえば、1−ヒドロキシ
シクロヘキシルフェニルケトン、ベンゾイン、ベンゾイ
ンメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾ
インイソプロピルエーテル、ベンゾインn−ブチルエー
テル、ベンゾインフェニルエーテル、ベンジルジフェニ
ルジスルフィド、アゾビスイソブチロニトリル、ジベン
ジル、ジアセチル、アントラキノン、ナフトキノン、ベ
ンゾフェノン、ピバロインエチルエーテル、ベンゾイル
パーオキサイド、ベンジルケタール、1,1−ジクロロ
アセトフェノン、パラ−t−ブチルジクロロアセトフェ
ノン、2−クロロチオキサントン、2−メチルチオキサ
ントン、2,2−ジエトキシアセトフェノン、2,2−
ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、2,2−ジ
クロロ−4−フェノキシアセトフェノン、ミヒラーズケ
トン、フェニルグリオキシレート、α−ヒドロキシイソ
ブチルフェノン、ジベゾスパロン、ベンゾフェノンアミ
ン系、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロ
キシ−2−メチルプロパノン、2−メチル−[4−(メ
チルチオ)フェニル]−2−モルフォリノ−1−プロパ
ノンなどが用いられ、その配合量は組成物全体に対しお
よそ1〜10重量%とすることが多い。
【0028】この組成物には、そのほか種々の添加剤を
配合することができる。添加剤の例としては、フィラ
ー、染顔料、油、可塑剤、ワックス類、乾燥剤、分散
剤、湿潤剤、乳化剤、ゲル化剤、安定剤、消泡剤、レベ
リング剤、チクソトロピー性付与剤などがあげられる。
【0029】またこの組成物には、スチレン、ビニルト
ルエン、α−メチルスチレン、メチルメタクリレート、
メチルアクリレート、エチルアクリレート、アクリロニ
トリル、酢酸ビニル、2−ヒドロキシエチルメタクリレ
ート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、シクロ
ヘキシルアクリレート、ジシクロペンタジエンアクリレ
ート、N−ビニルピロリドン、フルフリルアクリレー
ト、カルビトールアクリレート、ベンジルアクリレー
ト、ブトキシエチルアクリレート、アリルアクリレー
ト、フェノキシエチルアクリレート、アクリロキシエチ
ルホスフェート、2−ビニルピリジンをはじめとする種
々のモノマーを所望の量配合することができる。
【0030】上記組成物は、これを対象物に適用した
後、紫外線または電子線を照射することにより硬化す
る。紫外線照射を行うときの光源としては、高圧水銀
灯、超高圧水銀灯カーボンアーク灯、キセノン灯、メタ
ルハライドランプ、ケミカルランプ、ブラックライトな
どが用いられる。照射時間は、光源の種類、光源と塗布
面との距離、その他の条件によっても異なるが、長くと
も数10秒で充分であり、通常は数秒、場合によっては
数分の1秒でもよい。紫外線照射後は、必要に応じ加熱
を行って硬化の完全を図ることもできる。電子線照射の
場合には、たとえば、50〜1000KeV の範囲のエネ
ルギーを持つ電子線を用い、2〜5Mradの照射量とする
のがよい。
【0031】本発明のウレタンアクリレート系オリゴマ
ーおよび該オリゴマーを含有する活性エネルギー線硬化
型樹脂組成物は、塗料、インク、保護コーティング剤、
アンカーコーティング剤、磁性粉コーティングバインダ
ー、サンドブラスト用被膜、接着剤、版材など、各種の
被膜形成材料として有用である。
【0032】
【作用】本発明のウレタン系オリゴマーは独特の分子構
造を有するため、該オリゴマーを硬化性成分として含有
する活性エネルギー線硬化型ウレタン系樹脂組成物から
得られた被膜は、引張強度、伸度、ヤング率がいずれも
大きい上、耐摩耗性、耐汚染性も良好である。また、硬
化時のタックフリー時間が短いという利点もある。
【0033】
【実施例】次に実施例をあげて本発明をさらに説明す
る。以下「部」、「%」とあるのは重量基準で示したも
のである。
【0034】実施例1 〈ウレタン系オリゴマー〉 温度計、撹拌機、水冷コンデンサー、窒素ガス吹き込み
口を備えた四つ口フラスコに、イソホロンジイソシアネ
ート 202.0g(0.91モル)、ネオペンチルグリコール4
7.3g(0.45モル)、酢酸エチル 375.0gを仕込み、内
温80〜90℃で5時間反応させ、残存イソシアネート
基が 6.1%となった時点で、分子量650のポリテトラ
メチレングリコール 568.0g(0.87モル)、ジブチルス
ズジラウリレート0.15gを加えてさらに5時間反応させ
た。残存イソシアネート基が 0.5%となった時点でイソ
ホロンジイソシアネート 202g(0.91モル)を加えて反
応させ、残存イソシアネート基が 2.8%となった時点で
内温を60〜70℃に保ち、2−ヒドロキシエチルアク
リレート 105.5g(0.91モル)を加えて4時間反応さ
せ、残存イソシアネート基が 0.5%となった時点で反応
を止めた。
【0035】得られたウレタン系オリゴマーのNMRチ
ャートを図1に、IRチャートを図2に示す。このウレ
タン系オリゴマーは、 =○……○−○……○= (1) の構造を有するものである。
【0036】 〈活性エネルギー線硬化型ウレタン系樹脂組成物〉 上記で得たウレタン系オリゴマーを含む組成物(樹脂分
100部)に、光開始剤として1−ヒドロキシシクロヘ
キシルフェニルケトン(チバガイギー社製の「イルガキ
ュア184」)5部を添加、混合して紫外線硬化型樹脂
液を調製した。この樹脂液をポリエステルフィルム上に
アプリケーターを用いて100μm 厚に塗工し、温度7
5℃で10分間熱風乾燥してから、高圧水銀ランプ80
W/cmを用いて20cmの高さから5m/min のコンベア速度
で1パスの紫外線照射を行い、硬化被膜を形成させた。
タックフリー時間は 0.5秒と短いものであった。
【0037】形成した被膜をポリエステルフィルムから
剥離して、巾10mm、長さ25mmの試験片を作成し、オ
ートグラフにより引張速度20mm/minの条件で、引張強
度、ヤング率および伸度を測定した。結果を次に示す。 引張強度 320 kg/cm2 ヤング率 110 kg/cm2 伸度 385 %
【0038】また上記被膜につき、テーバー式摩耗試験
機を用いて摩耗性を測定すると共に、耐汚染性をテスト
した。結果を次に示す。なお耐汚染性については、被膜
上に市販の赤および黒の速乾性油性インクで線引きし、
室温下に24時間放置後、エタノールで拭き取り、線跡
がない場合を○、線跡がわずかに残る場合を△、線跡が
はっきりと残る場合を×と判定した。 耐摩耗性 1.8 mg(荷重1000g、wheel CS-10 、回転数500
rpm ) 耐汚染性 黒の速乾性油性インク ○ 赤の速乾性油性インク ○
【0039】実施例2〜3 下記の各成分を用いたほかは実施例1に準じてウレタン
系オリゴマーを製造し、紫外線照射を行って硬化被膜を
形成した。
【0040】実施例2 ・仕込み成分およびトータル仕込みモル比 トリレンジイソシアネート 4モル ネオペンチルグリコール 1モル 分子量650のポリテトラメチレングリコール 2モル 2−ヒドロキシエチルアクリレート 2モル ・測定結果 引張強度 395 kg/cm2 ヤング率 125 kg/cm2 伸度 287 % 耐摩耗性 1.2 mg(荷重1000g、wheel CS-10 、回転数500
rpm ) 耐汚染性 黒の速乾性油性インク ○ 赤の速乾性油性インク ○
【0041】実施例3 ・仕込み成分およびトータル仕込みモル比 キシリレンジイソシアネート 4モル ネオペンチルグリコール 1モル 分子量650のポリテトラメチレングリコール 2モル 2−ヒドロキシエチルアクリレート 2モル ・測定結果 引張強度 450 kg/cm2 ヤング率 280 kg/cm2 伸度 203 % 耐摩耗性 0.6 mg(荷重1000g、wheel CS-10 、回転数500
rpm ) 耐汚染性 黒の速乾性油性インク ○ 赤の速乾性油性インク ○
【0042】比較例1 温度計、撹拌機、水冷コンデンサー、窒素ガス吹き込み
口を備えた四つ口フラスコに、窒素気流下、アジピン酸
1.0モル、エチレングリコール0.56モルおよび1,4−
ブタンジオール0.56モルを仕込み、撹拌しながら温度2
30℃で17時間加熱し、酸価が 0.6 KOHmg/gとなった
時点で反応を止め、冷却した。水酸基価は55.6 KOHmg/g
であった。このポリエステルポリオールの数平均分子量
は、高速液体クロマトグラフによる測定で2080であ
った。
【0043】このポリエステルポリオール2モルに対
し、2,6−トリレンジイソシアネートと2,4−トリ
レンジイソシアネートとの重量比で20%/80%の混
合物3モルを混合し、さらに適量の酢酸エチルを加えて
から、温度60〜90℃で反応させ、残存イソシアネー
ト基が 1.8%となった時点で2−ヒドロキシエチルアク
リレート2.06モルとモノメチルエーテルハイドロキノン
0.04%とを加えて50℃で11時間反応させ、残存イソ
シアネート基が 0.2%となった時点で反応を止めた。水
酸基価は 3.3 KOHmg/gであった。
【0044】得られたウレタン系オリゴマーは、 =○……○……○= (3) の構造を有するものである。
【0045】上記で得たウレタン系オリゴマー100部
にベンゾインイソプロピルエーテル3部とを加えて均一
な樹脂液とし、この樹脂液をポリエステルフィルム上に
アプリケーターを用いて100μm 厚に塗工し、温度7
5℃で10分間熱風乾燥してから、高圧水銀ランプ80
W/cmを用いて20cmの高さから5m/min のコンベア速度
で1パスの紫外線照射を行い、硬化被膜を形成させた。
【0046】以下実施例1の場合と同様にして試験片を
作成し、引張強度、ヤング率および伸度を測定した。結
果を次に示す。 引張強度 75 kg/cm2 ヤング率 40 kg/cm2 伸度 120 %
【0047】
【発明の効果】本発明のウレタン系オリゴマーは独特の
分子構造を有するため、該オリゴマーを硬化性成分とし
て含有する活性エネルギー線硬化型ウレタン系樹脂組成
物から得られた被膜は、引張強度、伸度、ヤング率がい
ずれも大きい上、耐摩耗性、耐汚染性も良好である。ま
た、硬化時のタックフリー時間が短いという利点もあ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1で得られたウレタン系オリゴマーのN
MRチャートである。
【図2】実施例1で得られたウレタン系オリゴマーのI
Rチャートである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭61−190519(JP,A) 特開 平1−121381(JP,A) 特開 昭51−114436(JP,A) 特開 平5−247156(JP,A) 特開 平5−255463(JP,A) 特開 平5−262837(JP,A) 特開 平5−320286(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08G 18/00 - 18/87 C08F 290/06,299/06

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】活性水素含有(メタ)アクリレート系モノ
    マー単位を「=」、ポリイソシアネート単位を「○」、
    分子量300以下の低分子量ポリオール単位を「−」、
    分子量500以上の高分子量ポリエーテル系ポリオール
    単位を「……」で表わすとき、 =○……○−○……○= (1) で示されるウレタン系オリゴマー。
  2. 【請求項2】高分子量ポリエーテル系ポリオール単位
    が、ポリテトラメチレングリコール単位である請求項1
    記載のウレタン系オリゴマー。
  3. 【請求項3】活性水素含有(メタ)アクリレート系モノ
    マー単位を「=」、ポリイソシアネート単位を「○」、
    分子量300以下の低分子量ポリオール単位を「−」、
    分子量500以上の高分子量ポリエーテル系ポリオール
    単位を「……」で表わすとき、 まず、ポリイソシアネートの概ね2モルと低分子量ポリ
    オールの概ね1モルとを反応させ、 ついで、その反応系に高分子量ポリエーテル系ポリオー
    ルの概ね2モルを加えて反応させてから、 さらに、その反応系にポリイソシアネートの概ね2モル
    を加えて反応させ、 最後に、その反応系に活性水素含有
    (メタ)アクリレート系モノマーの概ね2モルを加えて
    反応させることにより、 =○……○−○……○= (1) で示されるウレタン系オリゴマーを得ることを特徴とす
    るウレタン系オリゴマー の製造法。
  4. 【請求項4】請求項1記載のウレタン系オリゴマーを硬
    化性成分として含有する活性エネルギー線硬化型ウレタ
    ン系樹脂組成物。
JP22217893A 1993-08-12 1993-08-12 ウレタン系オリゴマーとその製造法、および該オリゴマーを硬化性成分とする活性エネルギー線硬化型ウレタン系樹脂組成物 Expired - Fee Related JP3361365B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP22217893A JP3361365B2 (ja) 1993-08-12 1993-08-12 ウレタン系オリゴマーとその製造法、および該オリゴマーを硬化性成分とする活性エネルギー線硬化型ウレタン系樹脂組成物

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP22217893A JP3361365B2 (ja) 1993-08-12 1993-08-12 ウレタン系オリゴマーとその製造法、および該オリゴマーを硬化性成分とする活性エネルギー線硬化型ウレタン系樹脂組成物

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH0753664A JPH0753664A (ja) 1995-02-28
JP3361365B2 true JP3361365B2 (ja) 2003-01-07

Family

ID=16778392

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP22217893A Expired - Fee Related JP3361365B2 (ja) 1993-08-12 1993-08-12 ウレタン系オリゴマーとその製造法、および該オリゴマーを硬化性成分とする活性エネルギー線硬化型ウレタン系樹脂組成物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3361365B2 (ja)

Families Citing this family (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100432211B1 (ko) * 1995-12-30 2004-08-31 고려화학 주식회사 내열성이우수한광경화형불소변성우레탄아크릴레이트올리고머의제조방법
KR100509419B1 (ko) * 1995-12-30 2006-02-01 주식회사 케이씨씨 광경화형우레탄아크릴레이트올리고머의제조방법
CN101356204B (zh) * 2006-01-06 2012-04-11 电气化学工业株式会社 光固化性树脂组合物
JP2008226356A (ja) * 2007-03-13 2008-09-25 Mitsubishi Chemicals Corp 光記録媒体保護層用放射線硬化性組成物、及び光記録媒体
JP5497303B2 (ja) * 2009-02-05 2014-05-21 共栄社化学株式会社 カール抑制コーティング剤
JP6452320B2 (ja) * 2014-05-26 2019-01-16 日本合成化学工業株式会社 ウレタン(メタ)アクリレート系化合物、活性エネルギー線硬化性樹脂組成物及びコーティング剤組成物

Also Published As

Publication number Publication date
JPH0753664A (ja) 1995-02-28

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US4072770A (en) U.V. curable poly(ester-urethane) polyacrylate polymers and wet look coatings therefrom
US4369300A (en) Acrylated urethane silicone compositions
US4065587A (en) U.V. Curable poly(ether-urethane) polyacrylates and wet-look polymers prepared therefrom
JP3566972B2 (ja) 塗料組成物、被覆光学繊維及びその製造方法
JP2930670B2 (ja) コーティング形成方法
US5578693A (en) Multifunctional terminally unsaturated urethane oligomers
GB2067213A (en) Acrylate Urethane Silicone Compositions
US4183796A (en) Radiation curable oligomers based on tris(2-hydroxyethyl) isocyanurate
JP3361365B2 (ja) ウレタン系オリゴマーとその製造法、および該オリゴマーを硬化性成分とする活性エネルギー線硬化型ウレタン系樹脂組成物
JP4662126B2 (ja) 活性エネルギー線硬化型樹脂組成物の硬化物
JP3115792B2 (ja) 活性エネルギー線硬化型樹脂組成物、その製造方法、活性エネルギー線硬化型樹脂の成形硬化品
JP3330202B2 (ja) ウレタン系オリゴマーおよび該オリゴマーを硬化性成分とする活性エネルギー線硬化型ウレタン系樹脂組成物
JP3330201B2 (ja) ウレタン系オリゴマーおよび該オリゴマーを硬化性成分とする活性エネルギー線硬化型ウレタン系樹脂組成物
US4151056A (en) Radiation curable coating compositions containing alkanediones or cycloalkanediones
JP3345931B2 (ja) 紫外線硬化型樹脂組成物及びそれを用いた光ファイバー
JPH05320287A (ja) 樹脂組成物及びその硬化物
JP4140952B2 (ja) 活性エネルギー線硬化型樹脂組成物
JP3330203B2 (ja) ウレタン系オリゴマーおよび該オリゴマーを硬化性成分とする活性エネルギー線硬化型ウレタン系樹脂組成物
JP3189275B2 (ja) 活性エネルギー線硬化型樹脂組成物
JP4017055B2 (ja) (メタ)アクリル酸エステル、これを用いた樹脂組成物
JP2849240B2 (ja) 防曇組成物用の活性エネルギー線硬化型オリゴマー
JPS59191772A (ja) 被覆,接着用組成物
JP2000053906A (ja) 印刷インキ用樹脂組成物
JPS5923725B2 (ja) 光硬化性ウレタンアクリル樹脂組成物
JP4017056B2 (ja) (メタ)アクリル酸エステル、これを用いた樹脂組成物

Legal Events

Date Code Title Description
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20020926

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081018

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081018

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091018

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091018

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091018

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091018

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101018

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101018

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111018

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111018

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111018

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121018

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121018

Year of fee payment: 10

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees