JP3359921B2 - 血液組成物用懸濁媒体及びその使用方法 - Google Patents

血液組成物用懸濁媒体及びその使用方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 本発明は、新規な血液学上の組成物(hematological
composition)用懸濁媒体、特に電子的及び光学的手段
を使用する全血測定装置に対して、基準血球アナローグ
(analog)と共に特定の用途を有する新規な血液学上の
組成物用懸濁媒体、及び前記アナローグ及び前記懸濁媒
体を製造し、使用する方法に関するものである。
【0002】 品質管理は長い間臨床血液技術において必要かつ日常
的な操作であった。白血球の亜群(subpopulation)の
間で区別を行うことを含めて、赤血球及び白血球をカウ
ントする際の精度は、一部には、適当な対照製剤(cont
rol product)の使用に依存している。現在入手可能な
数多くのタイプの粒子計数装置を使用する場合には、対
照製剤を使用して品質管理を行うことが必要である。そ
れは、装置が機能不全になる可能性が常に存在するから
である。自動粒子計数装置用品質制御プログラムを維持
する従来方法は、全血標準として新鮮なヒト血液を準備
することであった。しかし、この新鮮な血液は僅かに1
日間使用可能であるにすぎず、従って耐久性のある血液
製剤が開発された。
【0003】 血球計数装置の精確さ及び精度をモニターする基準血
球アナローグを含む血液学上の対照製剤は、特に重要で
ある。上述のような血球計数装置を使用する場合には、
白血球の区別及び他のパラメータの正確さを維持するに
は、現在新しい基準血球アナローグが必要であること
が、認められている。
【0004】 対照製剤は新鮮な全血の製剤にできるだけ近く近似さ
せる必要がある。ブタクサの花粉、ポリスチレン ラテ
ックス、種々の有機物質及び固定されたヒト赤血球を使
用することにより、適当に分粒された(sized)粒子を
安定な懸濁液として供給することが試みられた。これら
の懸濁液はいずれも、白血球の少なくとも4種の部分母
集団について白血球を区別するための対照製剤として使
用するのに適当ではなかった。
【0005】 品質管理を維持するのに使用される物質(以下、血液
学上の対照製剤又は対照製剤と称する)は、特定の環境
下に、血液学用装置を校正するのにも使用することがで
きる。本発明の目的のために、対照製剤は、液体媒体中
に懸濁している1種以上の血球アナローグを含有してお
り、血球アナローグは、分析の際に、装置によって分析
できる血液の物理的又は生物学的性質の少なくとも1種
をシュミレーションする。ここに「アナローグ(analo
g)」とは、目標とする群(targetedpopulation)の物
理的又は生物学的性質の少なくとも1種をシュミレーシ
ョンする粒子であると定義する。それ故、或る自動機械
は対照製剤の或る成分のみを分析することができ、これ
は対照製剤が他の機械によって分析することができる追
加パラメータ成分を含有していてもそうである。従っ
て、対照製剤に使用されるアナローグ又は懸濁媒体を開
発して、白血球の少なくとも4種のサブグループ、即
ち、リンパ球、単球、好中球及び好酸球に対する照合基
準(check)を提供することは、行われていない。
【0006】 対照製剤は、比較に基づいて、新鮮な血液の試験試料
がこれからの測定に関してどのように関与しているか
を、正確に示す必要があるのは明らかである。さらに、
対照製剤が新鮮な血液をシミュレーションすることがい
かに重要であるかも明らかである。その理由は、赤血球
のような血液成分が、提供者から取り出された後数時間
以内にゆるやかに溶解し、大きさ及び形状に変化が生じ
ることがあるからである。同様に、白血球も変性する。
【0007】 一般的に、アナローグを製造する従来方法は、固定前
に当初の容積が維持又は減少している赤血球を使用する
ことに集中している。固定前に浸透圧雰囲気を操作する
ことによって生じる血球の収縮又は膨脹には、限界があ
った。ヒト以外の赤血球を予め約30〜50%以上収縮又は
膨潤させると、過度の血球の会合又は血球の溶解が起
る。
【0008】 フント(Hunt)の米国特許第3,873,467号明細書は、
ヒト血液中の血漿の代りをする非タンパク質の水性懸濁
流体中に、洗浄し安定化されたヒト赤血球を懸濁させた
懸濁液を含有する基準の血液学上の対照製剤(hematolo
gic reference control)を教示している。この基準の
血液学上の対照製剤の安定性は、血球の平均細胞容積を
実質的に変化させることなく、血球に球形をとらせる性
質を有する物質を水性懸濁流体中に含有させることによ
って血球を調整し、かつ時間の経過と共に分解する通常
の傾向に対する抵抗性を血球に付与することによって、
得られる。なお、水性懸濁流体は血球に対して生物学的
活性を抑制する雰囲気を生成する。好適例では、基準対
照製剤中に、平均血球容積が実質的に増大するように処
理された固定ヒト赤血球を、少量含有させる。固定ヒト
赤血球は血球容積の変化に対して抵抗性を有し、また安
定化血球を溶解する溶解剤の作用下の溶解に対して抵抗
性を有する。基準対照製剤中の固定赤血球は、ヒト血液
内の白血球群の代りをする。
【0009】 カルバー(Carver)等の米国特許第4,704,364号明細
書には、クールター・カウンタ(COUTER・COUNTER(登
録商標))モデルSプラス型分析装置によって代表され
る電子式粒子カウンタにおける限界値及び追加の操作性
能を制御するための対照製剤が開示されている。しか
し、現在は、クールター(登録商標)VCS分析装置によ
って代表される電子式光学的粒子カウンタ用の全血球対
照製剤が要望されている。このVCS分析装置によって、
白血球の少なくとも4種の群を区別することができる。
【0010】 大きさの範囲、容積分布、光散乱範囲、並びに電気的
不透明度及び導電性に対する感度に基づいて、少なくと
も4種の白血球群が他の血球から区別される自動的にヒ
ト白血球を区別して計数する計数装置はいずれも、対照
製剤が正常なヒト血液中のそれぞれの血球の大きさの範
囲、容積分布及び感度の特性をよくシュミレーションす
ることを要求している。問題は、電子式光学的自動粒子
計数装置に使用される対照製剤中に商業的に使用できる
のに充分な再現性を有する量において、所定の大きさ、
容積及び光散乱という性質を、正確に生じさせる方法を
見出すことにある。
【0011】 ヒトのリンパ球、単球、好中球、好塩基球及び好酸球
は、特定の大きさ分布範囲及び光学的特性を有し、安定
化(例えば、グルタルアルデヒドのような固定剤によ
る)後には、懸濁媒体中におけるこれらの応答性が適正
な識別を不可能にすることがある。この結果、適正な粒
子計数装置の動作を評価することが不可能になる。白血
球の亜群のそれぞれに対する大きさの上限および下限の
両方が、基準対照製剤に示されている必要がある。さら
に、対照製剤中の各白血球亜群の平均血球容積は、正常
なヒト血液の値に近似している必要がある。しかも、対
照製剤に使用される液体懸濁媒体は、血球を有意に収縮
又は膨潤させないことが必要である。さらに、対照製剤
は経時変化によって容積分布ヒストグラム特性又は他の
パラメータを悪化させてはならない。マルチパラメータ
装置に使用される対照製剤中の白血球アナローグに対す
る追加の要件は、計数及び区別を行うには、全血対照製
剤中のアナローグ細胞が溶解剤によって完全溶解しては
ならないことである。
【0012】 種々の媒体が血球アナローグと共に使用されている。
米国特許第4,299,726号明細書には、多目的希釈剤及び
媒体が開示されている。希釈剤は、赤血球を予め調整す
るのに使用され、乳糖、アジ化ナトリウムおよび非イオ
ン界面活性剤を主成分とし、pHを調整し、オスモル濃度
を調整する。媒体は、全血対照製剤のキャリアとして使
用され、乳糖、殺真菌剤及び抗生物質を含有する。ま
た、媒体は赤血球の細胞膜を変化させる追加の成分を含
有しており、この追加の成分としては胆汁酸塩、コール
酸誘導体、抗ヒスタミン性を有するフェノチアジン化合
物とその塩及び局部麻酔性を有する4−アミノ安息香酸
エステル誘導体とその塩がある。
【0013】 従来の媒体の欠点の一つは、赤血球及び固定されたヒ
トの白血球又は白血球アナローグと共に使用した場合
に、対照製剤が、白血球の少なくとも4種の部分母集団
を区別する装置において、全血試料をシミュレーション
しないことである。
【0014】 測定するのが望ましい赤血球及び白血球の特定パラメ
ータは、全血基準対照製剤に適した媒体の必要な特性の
いくつかを示している。望ましいのは赤血球の容積を知
ることである。この測定を確認しかつ赤血球をカウント
すると、赤血球沈層細胞容積(packed cell volume)又
は赤血球容積率を計算することができる。従って、対照
製剤の懸濁媒体は、試料中の赤血球の容積を平衡させか
つ安定化することができて、その平均細胞容積を測定で
きるようにする必要がある。
【0015】 また、対照製剤は、ヒト血小板の大きさ及び分布の下
限に相当する大きさの下限において、おそらく妨害を示
す微粒状物質を含有しないようにする必要がある。同時
に、懸濁媒体には、所要に応じて、対照製剤包装後の微
生物の成長を防止する制菌剤を含有させる。
【0016】 赤血球及び白血球は名目上大きさが異なるが、これら
の大きさの範囲は異なっている傾向があるか、或いは少
なくともある健康状態下において重なっていることがあ
る。しかも、これらの2種の血球の不透明度も重なって
いることがある。赤血球及びリンパ白血球は不幸にも細
胞の大きさが可成り重なっているので、大きさを区別す
ることのみによって一方の存在下に他方を数えるのは実
際的でない。
【0017】 従来実施されている方法では赤血球の間質を溶解する
(stromatolyse)強力な溶解剤を使用しており、この溶
解剤は赤血球を小さくして極小粒子とするか或いは膜を
可溶化して計数に現われないようにし、常にではないに
しても、白血球から細胞質を取り除いて溶解に対する抵
抗性の大きい白血球の核のみが数えられるようにする。
当初の白血球の細胞容積は極めて大きな影響を受けかつ
最小値まで小さくなるので、この比較的古い型式の血球
大きさ分析装置によっては1個の白血球母集団のみが識
別されるにすぎない。
【0018】 アンスレイ(Ansley)等の米国特許第3,741,875号明
細書は、区別(differential)白血球カウント、即ち白
血球百分率を得る方法を開示している。血液試料に、細
胞固定剤であるモノアルデヒド、例えばホルムアルデヒ
ドを添加する。固定工程後に溶血剤を添加して、赤血球
に含まれているヘモグロビンを赤血球から溶液中に釈放
させる。特定の細胞化学的基質(cytochemical substra
te)、発色性沈殿カップリング試薬(chromogenic prec
ipitating coupling reagent)、及びpH緩衝剤を添加し
て、固定化酵素を含有する特定タイプの細胞中で不溶性
染料を析出させる。次いで、この染色された血球を含有
する溶液を測光式カウンタに通す。特定の種類の細胞中
に含まれている異なる酵素に対して異なる特定の基質を
使用して、種類の異なる細胞の絶対的および相対的なカ
ウントを得る。細胞固定溶液にはモノアルデヒドのみが
使用されている。ジアルデヒドは架橋反応を起こし、細
胞外沈殿を生成するので、不安定であると言われてい
る。
【0019】 レディス(Ledis)等の米国特許第4,485,175号明細書
は、溶解剤として第四アンモニウム塩を使用し、かつ直
流電界による励起(direct current field excitatio
n)のみを用いるクールター.カウンタ(登録商標)モ
デルSプラス自動式血液カウンタを使用して、白血球の
リンパ球、単球、および顆粒球の母集団の三容積区別測
定(differential determination)を行う方法、及びこ
れに使用する試薬系に関するものである。
【0020】 レディス等の米国特許第4,571,179号明細書は、溶解
剤中にサポニンを含有し、かつ固定剤としてグルタルア
ルデヒドのような迅速に活性を示す架橋剤を含有する試
薬系を開示している。この試薬系は全血に再現制のある
影響を及ぼして赤血球の間質を溶解させ、白血球を変性
して、フロー分析装置による検出及び分類のめたの4種
の異なるクラスターを形成するためのデータを生じさせ
る。
【0021】 これらのクラスターは、血液中に存在する4種の主要
な白血球のタイプ、即ちリンパ球、単球、好中球及び好
酸球を表わしているので、白血球の区別分析法を提供す
る。レディス等によれば、D.C.容積、又は種々の角度に
おける光散乱を使用する従来の白血球フロー分析法は、
リンパ球、顆粒球及び単球に相当する3種の白血球クラ
スターを示すにすぎなかった。白血球を分類するために
レディス等によって使用されたパラメータは、DC(クー
ルター)容積、高周波(RF)の大きさ、クールター不透
明度(RFの大きさ/DC容積)、種々の角度範囲における
光散乱、及び種々の波長の照明下における蛍光のうちの
2種以上の組合せを含んでいる。
【0022】 米国特許第2,656,508号明細書に最初に記載されてい
るクールターの原理を使用する電子式カウンタは、粒子
数の真の反映を示すものである。クールターの原理によ
れば、顕微鏡的大きさの粒子が電解液中に懸濁してい
て、これらの粒子がその大きさに近い順序で大きさの小
さい電界を通過する場合には、電界の電気的インピーダ
ンスに瞬間的な変化が起る。この電界を直流(DC)又は
低周波電流によって励起された場合には、上述の電気的
変化は粒子容積に密接に比例する。商業的装置において
は、これらの変化は或る適当な手段によって検出され、
カウンタ及び分析装置を作動させるのに使用される。こ
のような装置と組み合わされている分析装置は、粒子容
積に基いて粒子をいくつかの群に分類して分け、得られ
たデータを記録する。
【0023】 クールターの原理に関する発明は、クールター等の米
国特許第3,502,974号明細書において、直流による電界
励起のほかに高周波(RF)電流を使用して、検討される
粒子に関するDC容積情報だけでなく、粒子構成物質の組
成及び性質に基く情報を提供することにより、著しく拡
張された。この特許明細書は、大きさが同じでも構成物
質の異なる粒子を互に区別することができる装置を開示
している。低周波電流即ち直流電流(DC)と高周波(R
F)電流との両方によって粒子検知電界を発生させるこ
とにより、2種以上の相互に関係のある出力信号を、1
個の粒子の電界通過から得ることができる。これは、血
球のような粒子が低周波電流又は直流電流の電界に関し
てほとんど常に絶縁体であるが、前記粒子が周囲の電解
質から高周波電流を区別して通すか又は妨害することが
できることに起因する。これは、均質粒子の場合には誘
電率の差に起因することがあり、或いは極めて薄い膜の
なかに封入されていて電解質とは異なる導電性を有する
内容物を有する血球の場合には嚢様構造に起因すること
がある。従って、すべての直流電流が血球のまわりを流
れている間、RF電流はいくらか白血球を通って流れる。
RF電流が粒子を通って流れる容易さは、光の透過性と同
様に、「電流透過性」又は単に「透過性」と呼ばれてい
るものの尺度であり、他方、RF電流を妨害する粒子の能
力はその「不透明度」と呼ばれる。最近の刊行物では、
「不透明度」は直流インピーダンスによって分割された
高周波インピーダンスであると定義されている。
【0024】 粒子の相対的な電気的不透明度は、分類のために、粒
子内容物、従ってその該粒子のタイプを明らかにする特
徴になる。タイプの異なる粒子がそれぞれ異なる不透明
度を有する限り、これらの差は検出可能である。しか
し、有意に異なる粒子がほとんど同じ不透明度を有する
ことがあり、このような粒子はこの方法では効果的に分
類することができない。クールター等の米国特許第3,83
6,849号明細書は、粒子を処理することにより種々のタ
イプの粒子の不透明度を選択的に変えることができるの
で、検出可能な相違が生じることを教示している。
【0025】 クールター・カウンター(登録商標)モデルSプラス
自動式血球カウンタは、全血試料を希釈し、溶解剤を添
加し、その直後に計数を開始するように設計されてい
る。従って、希釈剤−溶解剤系は、溶解期間中に赤血球
の完全な間質溶解を行うのに十分な速さの赤血球溶解動
力学(kinetics)を提供する必要がある。さらに、白血
球容積の変化はデータ収集工程の間最小である必要があ
り、理想的には数分間は安定である必要がある。
【0026】 クールター・モデルVCSは半自動式分析装置であっ
て、この装置は、DC(クールター)容積、クールター不
透明度及び種々の角度範囲における光散乱を使用するこ
とにより血液を分析するものである。クールター・モデ
ルVCSは、試薬系を使用して全白血球カウントにおいて
5つの部分の区別を行い、リンパ球、単球、好中球、好
酸球及び好塩基球の群の定量分析を行っている。この試
薬系は、弱「酸」が溶解作用を行った後に加えられたク
エンチ(quench)を含み、その作用は白血球に対する溶
解作用を著しく低下させることにある。クエンチ直後
に、装置は残りの白血球の容積、不透明度及び光散乱と
いった特性の測定を開始する。
【0027】 このモデルVCSは、溶解期間の間に赤血球の完全な間
質溶解を達成するのに充分な速い赤血球溶解動力学を提
供する必要があるが、白血球の容積、クールター不透明
度及び光散乱という性質に関しては、白血球に影響を及
ぼしてはならない。本発明において使用することができ
るクールター・カウンタ(登録商標)装置はVCS、STKS
及びMAXMである。しかし、モデルS及びS−プラスのタ
イプは、全血対照製剤中に存在する白血球アナログのす
べての部分母集団を区別することはできないが、白血球
アナローグの全カウントを与えることができる。S−プ
ラスタイプのあるものは2つの白血球亜群をさらに区別
することができる。
【0028】 新しい電子式光学的粒子計数装置では、白血球アナロ
ーグ、及び全血試料を一層密接にシュミレーションする
安全な全血対照製剤のための懸濁媒体を用意する必要が
あった。本願明細書は、第1に、クールター(登録商
標)タイプの粒子カウンタの場合に有用な血液学上の対
照製剤の具体例に関するものであるが、ここに開示され
ている懸濁媒体、アナローグ及び対照製剤、並びにここ
に記載されているこれらの使用方法は、粒子カウンタに
一般的に広く適用することができる。ここに「電子式光
学的粒子カウンタ」とは、クールター・カウンタ(登録
商標)装置のほかに、粒子の大きさ、質量、容積、不透
明度又は光散乱を示す信号に電子的に応答する電子式区
別回路(discriminator circuit)(「限界値(thresho
ld)」)を使用することにより、種々の大きさの粒子を
区別する他の任意のタイプの粒子カウンタを包含するも
のとする。クールター及びクールター・カウンターは共
にクールター社の登録商標である。
【0029】 本発明は、血漿物質水溶液及び血球の血液アナローグ
組成物を特徴とする血液学上の対照製剤を提供する。 本発明は、血液組成物と共に使用する血漿物質水溶液
を含有する懸濁媒体に関するものである。この懸濁媒体
は、粒子カウンタの品質制御のために使用される対照製
剤中の赤血球、固定された白血球、白血球アナローグ、
血小板又は血小板アナローグに対するキャリアとして、
主な用途を有する。さらに、この懸濁媒体は、血球を溶
解するために血漿構成成分の取り換えが必要である洗浄
後のヒト血液に対する懸濁媒体として、用途を有する。
【0030】 DC(クールター)容積、高周波(RF)の大きさ、クー
ルター不透明度(RFの大きさ/DC容積)、種々の角度範
囲における光散乱、及び照明の種々の波長下における蛍
光のうちの2つ以上のパラメータによって分析を行う装
置に使用する場合には、懸濁媒体は、固定された白血球
及び白血球アナローグに、本来の白血球に類似した性質
を持たせる。さらに、懸濁媒体を含有する本発明に係る
全血対照製剤を溶解剤に加えた場合には、懸濁媒体は対
照製剤中の赤血球に溶解反応を生起させることができ
る。
【0031】 好適例においては、本発明は、さらに、非イオン界面
活性剤と組み合されている血漿物質の水溶液に関するも
のである。 さらに、本発明は、装置が製造者の分析に関する仕様
の範囲内で作動しているかどうかを測定するために、懸
濁媒体を使用する方法に関するものである。この方法で
は、血液試料と、血漿物質水溶液を含有する細胞懸濁媒
体とを組み合わせ、生成した混合物を装置内で分析して
装置が仕様の範囲内で作動しているかどうかを測定す
る。この際、前記分析を、D.C.容積、RFの大きさ、不透
明度、及び光散乱からなる群から選択された少なくとも
1つの項目、一層好ましくは2つ以上の項目につい行
う。
【0032】 現在のマルチ(multiple)白血球群分析は、特定の大
きさ及び容積インクリメント、並びに特定の光散乱とい
う特性を、品質制御に使用するために必要としている。
従って、現在では、電子式光学的粒子カウンタの限界設
定を点検するために、少なくともリンパ球、単球、好中
球、及び好酸球を包含する主要な白血球成分のそれぞれ
に対してアナローグを準備しておく必要がある。従来、
増加容積と増加光散乱とは互に関係付けられており、ヒ
ト以外の白血球から少なくとも4種の異なる白血球アナ
ローグ群を作ることを妨害していた。
【0033】 アナローグ及びその分析に用いられる装置が一層複雑
になるにつれて、アナローグに対する懸濁媒体はその複
雑性を尊重(compliment)する必要がある。特に、懸濁
媒体はこれらのアナローグ及び装置に適合している必要
があり、またアナローグの物理的及び生物学的性質を尊
重する必要がある。
【0034】 本発明に係る懸濁媒体は、主として、血球から作られ
た白血球アナローグと共に使用される。白血球アナロー
グを製造する1つの方法では、異なる供給源から、多く
のタイプの血液計数装置における複数個の限界設定に適
合するように処理された血球を得る。血球を選択するに
当って、主要な限定は原細胞の平均細胞容積であって、
それは原細胞の平均細胞容積が所望のアナローグの平均
細胞容積に関連しているからである。この方法の範囲を
限定することなく、特定の動物からの赤血球を特定の基
準とすることができ、他の動物からの赤血球及び白血球
を本発明において使用することができることが理解され
る。
【0035】 白血球アナローグの製造方法としては、赤血球と低浸
透圧(hypoosmotic)溶液とを混合して赤血球の容積を
膨脹させ;赤血球のヘモグロビン含量を変化させてヒト
白血球の光散乱及び不透明度という性質をシュミレーシ
ョンさせ;赤血球が血液試験操作において使用される溶
解剤による分解に対して抵抗性を有するように赤血球を
固定し、この固定された赤血球が直流(D.C.)電流によ
って測定した容積、高周波(RF)の大きさ、不透明度及
び光散乱からなる群から選択されたヒト白血球の性質に
類似している少なくとも2つの性質を有するようにす
る。好酸球アナローグを作る方法は類似しているが、ヘ
モグロビン含量の変化に伴って細胞内のヘモグロビンが
変性され、細胞からのヘモグロビンの漏出は起らない。
この追加の具体例では、ヒト白血球の容積及び光散乱と
いう特性を有するアナローグが得られる。
【0036】 1つの具体例においては、本発明方法は、赤血球をそ
の原容積の50%以上膨潤させることができ、これにより
所望のアナローグを製造するための動物の選択範囲が一
層広くなる。好ましい具体例においては、赤血球はその
原容積の75%以上膨潤させる。
【0037】 本発明に係る懸濁媒体と共に使用するのに適したアナ
ローグを製造するには、七面鳥、ニワトリ、アヒルのよ
うな鳥の赤血球、好ましくはガチョウの赤血球が、アル
デヒド安定化処理によって一層小さいリンパ球アナロー
グを生成させるのに有用である、ことを見出した。ま
た、「魚類」、特にサメ科の魚、及び爬虫類動物、特に
アリゲータを包含する他のヒト以外の脊椎動物が、望ま
しい大きさの範囲内の赤血球を有し、該赤血球が、適切
に処理された場合に、ヒトの単球、好中球及び好酸球の
一層大きい大きさに類似しているアナローグを生成す
る、ことを見出した。一般的に、これらの赤血球は、優
れた懸濁安定性及び高度の再現性を有する容積分布とい
う特性を示す。しかし、合理的な出費で多量に入手でき
るかどうかといった考慮すべき問題を、考慮に入れる必
要がある。 その上、赤血球を固定して、赤血球が、全血対照製剤
中の白血球パラメータを測定する際の血液試験操作にお
いて使用される溶解剤による分解に対して抵抗性を示す
ようにする。
【0038】 鳥類、アリゲータ及びテンジクザメの赤血球には核が
あるが、核の存在は、赤血球の調節された溶血を可能に
するここに記載されている方法を与えるヒト白血球の代
替物として前記赤血球を使用するために、不可欠でな
く、また有害でもない。赤血球中のヘモグロビンの好ま
しくは20〜80重量%、最も好ましくは30〜70重量%を遊
離させる。さらに、赤血球を有機アルデヒドのような固
定剤によって安定化し、細胞膜の破裂及びヘモグロビン
のさらなる損失を防止する。 これらの安定化白血球アナローグ細胞は、対照製剤に
おいて、ヒト白血球細胞の満足できる代替物となる。
【0039】 本発明の一層好ましい具体例においては、対照製剤
は、さらに、ヒトリンパ球と類似させるための固定され
ているガチョウ赤血球と、ヒトの単球、好中球、及び好
酸球に類似させるための固定されているアリゲータ赤血
球との懸濁液を混合して、これらのすべての赤血球を本
発明に係る懸濁媒体中に懸濁させ、ヒト白血球に類似し
た1つの組成物を提供するような割合で組み合わせるこ
とにより生成する組成物として、具体化されている。次
いで、この対照製剤を溶解可能なヒト赤血球、及び安定
化血小板又は血小板アナローグと混合して、1つ(sing
le)のマルチ分析に用いられる対照製剤を提供する。
【0040】 捕集工程において、赤血球を、生理食塩水(塩化ナト
リウム溶液)中に溶解させたエチレンジアミン四酢酸
(EDTA)のアルカリ金属塩のような凝固防止剤中に懸濁
させる。他の凝固防止剤及びその塩も、不当な溶血又は
細胞会合を起こさない限り、使用することができる。
【0041】 新鮮な赤血球は、洗浄して提供者に特異的な血漿タン
パク質を除去する必要がある。これにより、多数の血球
提供者からの赤血球を混合した際に、血球の凝集の起る
可能性が小さくなる。赤血球は一緒にプールして均一な
混合物とする。
【0042】 プールした赤血球を処理助剤である血清物質で予備処
理することができる。血清物質による予備処理によっ
て、赤血球を破壊することなく赤血球を膨潤させること
ができる。赤血球を低浸透圧雰囲気に曝すことは、平均
血球容積を増大し、光散乱ヒストグラムの幅を狭めると
いう主要な作用を有する。血球は、血球の溶質濃度より
小さい溶質濃度を有する低浸透圧雰囲気の結果として、
大きさが増大する。血球内側の溶質濃度が血球外側の溶
質濃度より大きい場合には、水が血球中に入って濃度を
平衡させる傾向がある。従って、血球内側の水の移動に
よって膨潤が起る。低浸透圧雰囲気としては、ナトリウ
ム化合物の溶液、カリウム化合物の溶液、又はナトリウ
ム及びカリウム両化合物の溶液、或いは当業者にとって
望ましい溶質濃度を与えることが知られている他の組成
物がある。
【0043】 ここに述べられているように、血清物質としては、コ
レステロール、コレステロールエステル、及び血清血漿
中に存在する1種以上の他の化合物と組み合わされてい
るコレステロール、及びこれらの混合物がある。好まし
くは、このような他の化合物としては、さらに、リポタ
ンパク質、リン脂質及びこれらの混合物がある。当業者
によって認められているように、代表的な例において、
コレステロールは約30%のエステルを含有している。さ
らに、当業者によって認められているように、リポタン
パク質はコレステロールを水溶液中に維持する。予備処
理に使用する血清物質は、コレステロール、コレステロ
ールエステル、リポタンパク質コレステロール、リポタ
ンパク質コレステロールエステル、リン脂質と組み合わ
されているコレステロール及びこれらの混合物からなる
群から選択するのが好ましい。
【0044】 血清物質としては、リン脂質と組み合わされているコ
レステロールが最も好ましい。このような好適な具体例
の市場で入手できる適当な例は、ペンテックス(Pente
x,登録商標))コレステロール・スーパートレート(Su
per−Trate)(マイルス社(Miles Inc.)であり、これ
はリン脂質と組み合わされている高密度のリポタンパク
質コレステロール及びリポタンパク質コレステロールエ
ステルである。従って、比較的小さい細胞をその原容積
の30〜50%以上膨脹させた場合には、予備処理が必要で
ある。さらに、使用する血清物質の濃度は、低浸透圧溶
液によって起る血球の膨脹程度、並びに赤血球からの赤
血球ヘモグロビンの漏出を許容する固定反応の処理条件
の両方の関数である、と信じられている。主として常温
におけるアルデヒド濃度のために、約2時間以内に血球
が固定されるプロセスにおい、低浸透圧が約150ミリオ
スモルより大きい場合には、予備処理は不必要であると
思われる。予備処理を行う場合には、コレステロール濃
度を、1ミクロリットル当たり1×106の細胞という細
胞カウントに対して0.1〜5.0mgとするのが好ましい。使
用コレステロール濃度が大きすぎる場合には、血球は溶
解する傾向を示す。低すぎるコレステロール濃度を使用
した場合には、血球は膨潤の際に破裂する。
【0045】 血球を破裂させることなく膨潤させる従来技術の試み
は、細胞膜を強化する作用を有する酒石酸ナトリウムカ
リウムのような処理助剤を使用することに集中されてい
る。しかし、この方法では予期した30〜50%より大きく
膨脹させることができず、また血球が調節された溶血を
起こすこともない。
【0046】 1工程プロセスで血球の膨潤及び固定を同時に行う点
について本発明方法を説明したが、細胞を血清物質で予
備処理し、血球を膨潤させてヘモグロビンの釈放制御を
可能にし、しかる後に血球を固定するために、2工程以
上を使用することも、本発明方法の範囲内にある。しか
し、このような方法には、各工程の処理条件を制御する
問題、特に血球を固定するタイミングの問題があると予
想される。
【0047】 本発明の好適な具体例においては、リン酸ナトリウム
と固定剤とを組み合わせることにより、低浸透圧溶液を
所望の浸透圧にする。本来の血液の正常な張度(tonici
ty)に対して浸透圧が低い程、一部には水が細胞外側か
ら細胞内側に移動するために、血球の膨潤程度が大きく
なる。浸透圧は、当初の細胞の大きさ、細胞の数、及び
細胞の所要の最終的大きさによって、0〜150ミリオス
モルの範囲であるのが好ましく;好酸球アナローグの場
合には65〜95ミリオスモルであり;リンパ球アナローグ
の場合には5〜35ミリオスモルであり;好中球アナロー
グの場合には45〜65ミリオスモルであるのが一層好まし
い。上述の好適範囲は等張食塩溶液で洗浄した血球に基
くものであり、またさらに約20,000〜50,000/μLの細
胞という固定反応における細胞数に基づくものである。
【0048】 付随して述べると、温度は血球の膨潤速度に独立的に
影響を与えるとは思われないが、固定反応速度には影響
を与える。血球が膨脹するにつれて、ヘモグロビンがさ
らに釈放されるのを固定反応が防止するまで、ヘモグロ
ビンは血球から制御された速度で漏出する。大部分のヘ
モグロビンは、低浸透圧処理の最初の5分以内に釈放さ
れる。従って、血球を同時に膨潤及び固定する場合に、
溶液における固定温度を低下させると、血球が膨潤しつ
つある間、固定プロセス及びヘモグロビン釈放速度を制
御することができる。固定反応が完了した際に、血球
は、血液試験操作に使用される通常の溶解剤の影響下
に、溶解又は分解に対して抵抗性を有する。本発明の他
の好適な具体例においては、グルタルアルデヒドを含有
するチルドされた低張性溶液に血球を添加する。このチ
ルドされた固定用溶液は温度が0〜15℃、一層好ましく
は1〜10℃である。最も好ましい具体例においては、固
定処理をリンパ球及び単球のアナローグの場合には2〜
8℃で行い、好中球及び好酸球のアナローグの場合には
常温で行う。温度を低くすると、クールター・カウンタ
(登録商標)モデルVCS分析装置のような分粒(sizin
g)装置で測定されるように、定性的に相違する細胞が
提供されることが分かる。定性的な相違には、常温固定
の場合より大きい平均細胞容積が含まれる。
【0049】 膨潤した細胞を固定することは、細胞膜を強靱にし、
細胞膜の分解を防止するのに重要である。これは、血球
を、ホルムアルデヒドのようなモノアルデヒド、又はグ
ルタルアルデヒドのようなジアルデヒドを包含する有機
アルデヒドの溶液と、接触させることによって達成され
る。グルタルアルデヒドは、ホルムアルデヒドより速や
かに反応するので、好ましいアルデヒドである。グルタ
ルアルデヒドは、約20,000〜50,000/μLの細胞という
細胞数に基いて、最終濃度が約0.05〜0.8%、一層好ま
しくは0.1〜0.6%の範囲である限り、最終濃度より高い
濃度で添加することができる。適当なアルデヒド及びそ
の濃度を選択する際の実際的な限界は、固定反応を制御
する際のパラメータとしての細胞数及び不当な細胞会合
の消滅に関する機能上の限界である。固定反応の条件
は、使用する特定の動物の血球及び製造される白血球ア
ナローグによって変化する。
【0050】 グルタルアルデヒドによる常温固定化は大部分の場合
に2時間以内に起るが、クールター・カウンタ(登録商
標)血液装置において使用される通常の赤血球溶解剤に
対して完全な抵抗性を示す赤血球の場合には、これより
長い時間が必要である。赤血球を注意して選択した場合
には、グルタルアルデヒドによる固定時間の長さは、温
度、グルタルアルデヒド濃度、細胞数及び所望の釈放ヘ
モグロビン量によって2〜72時間、好ましくは3〜30時
間である。最も好ましい具体例においては、約20,000〜
50,000/μLの細胞という細胞数の場合の固定時間は、
単球及びリンパ球のアナローグの場合には10〜24時間で
あり、好酸球及び好中球のアナローグの場合には3〜18
時間である。不完全な固定は、目標とするヒト白血球群
の場合より小さい平均細胞容積を有する部分固定赤血球
を生成することがある。一般的に、固定時間の上限は製
造上の便宜性に基く。固定後に、遠心分離又は重力手段
によって、血球を液相から分離し、次いでリンパ酸緩衝
溶液によって洗浄する。
【0051】 固定用溶液のpHは7.0〜9.0の範囲である。固定用溶液
のpHが低すぎる場合には、凝集が起ることがあり、高す
ぎる場合には、血球が破裂することがある。
【0052】 さらに、pHはヘモグロビンの釈放に影響を与える。固
定反応が迅速すぎる場合には、血球はヘモグロビンを漏
出させることができない。従って、pH範囲は約7.0〜9.
0、好ましくは7.5〜8.5である。最も好ましい具体例に
おいては、固定用溶液のpHは、好中球及び好酸球のアナ
ローグの場合には8.0±0.2であり、単球及びリンパ球の
アナローグの場合には7.8±0.1である。
【0053】 好酸球アナローグは、低張性グルタルアルデヒド溶液
が好ましくは常温であり、低張性グルタルアルデヒド溶
液が主として血球を完全固定するのではなく、血球中の
ヘモグロビンを軽度に架橋させるのに使用される場合を
除き、同様な方法で製造される。従って、約20,000〜5
0,000/μLの細胞数の場合のアルデヒド濃度は約0.1〜
0.4%であり、一層好ましくは0.2〜0.3%である。ヘモ
グロビンを軽度に架橋させ、リン酸緩衝溶液によって洗
浄した後に、第4アンモニウム化合物のようなタンパク
質変性剤、又は血球内でヘモグロビンを沈殿させること
が当業者に知られている他の変性剤によって、血球をさ
らに処理する。変性用溶液のpHは9.0〜12.0である必要
があり、好ましくは10.0〜11.0である。
【0054】 この処理によって細胞容積が小さくなることはない。
タンパク質変性剤による処理は、膨潤細胞の光散乱特性
を大きくして、ヒト好酸球に類似した所要の光散乱特性
を有する膨潤細胞を提供する。ヘモグロビンの変性及び
ヘモグロビンの制御された釈放の両者は、血球内のヘモ
グロビン組成を変える作用を有する。しかし、光散乱性
は、単球及びリンパ球のアナローグにおけるヘモグロビ
ンの制御された釈放と、好酸球アナローグにおけるヘモ
グロビンの変性との間で、明確に相違する。一般的に、
血球からのヘモグロビンの漏出は、血球の光散乱及び不
透明度を低下させる。血球内のヘモグロビンを変性する
と、血球の光散乱が大きくなる。
【0055】 好酸球アナローグを製造する好適方法では、赤血球プ
ールを血清物質の水溶液で予備処理し、赤血球を膨潤さ
せ、赤血球内のヘモグロビンを変性し、次いで赤血球を
固定する。当業者によって認められているように、血清
物質による予備処理を必要とする膨潤処理が必要でない
適当に分粒された赤血球を選択することも、この製造方
法の範囲内にある。この場合には、この製造方法におい
て、赤血球内のヘモグロビンを変性してヒト白血球の光
散乱性に類似させ、この赤血球を固定して赤血球が血液
試験操作において使用される溶解剤による分解に対して
抵抗性を示すようにする。従って、処理された赤血球
は、ヒト白血球に類似した光散乱及び容積という性質を
有する。しかし、赤血球が或る程度まで膨潤していない
場合には、赤血球は自然な球形ではないので、光散乱の
標準偏差は目標とする細胞群の境界内に入らないことが
予想される。球形化剤の添加によりこの問題を回避する
ことができる。
【0056】 当業者に知られている方法によって、赤血球を膨潤さ
せ、赤血球からヘモグロビンを漏出させ、赤血球内のヘ
モグロビンを変性し、かつ赤血球を収縮させる上述の処
理工程の組合せを使用することにより、D.C.容積、RFの
大きさ、不透明度及び光散乱という複数個の異なる物理
的パラメータを有するアナローグを製造する方法を、効
果的に得ることができる。特に、赤血球の収縮及び膨潤
は上述のパラメータのすべてに影響を及ぼすことがあ
り、他方、赤血球内のヘモグロビンの変化は不透明度及
び光散乱という特性に影響を及ぼすことがある。
【0057】 本発明に係る懸濁媒体は広い用途を有しているので、
この懸濁媒体を、当業界において知られている他の方法
によって製造された白血球アナローグと一緒に使用する
こともできる。このような他の方法としては、後述の実
施例5に記載したように、ヒト白血球を固定して5種の
白血球亜群に類似させる方法がある。
【0058】 基準血球対照製剤は、当業者にとって既知の方法又は
上述の方法によって製造された1種以上の白血球アナロ
ーグを含有することができる。白血球アナローグは、リ
ン酸緩衝溶液及び米国特許第4,213,876号、同第4,299,7
26号、同第4,358,394号及び同第3,873,467号明細書に詳
細に記載されている媒体のような適当な媒体中に貯蔵し
ておくことができる。
【0059】 次の特定例は米国特許第4,299,726号明細書に開示さ
れている:
【0060】 上述の化学物質の多くはいくつかの商品名によって知
られており、上述の名称はメルクインデックス第7版
(1989)、米国ニュージャージー州 ラーウェイ(Rahw
ay)所在のメルク・アンド・カンパニー・インク発行に
記載されている一般名である。
【0061】 対照製剤を製造する場合には、上澄液を白血球アナロ
ーグから除去し、次いで白血球アナローグを本発明に係
る懸濁媒体中に再懸濁させる。本発明に係る懸濁媒体
は、血漿物質水溶液を含有する。ここに述べるように、
血漿物質水溶液は、(上述のような)血清物質、血漿タ
ンパク質と組み合わせれている血清物質及びこれらの混
合物の水溶液を含む。さらにここに述べるように、血漿
タンパク質としては、血漿に含まれているタンパク質の
1種以上がある。これらの血漿タンパク質としては、ア
ルブミン、リポタンパク質、グロブリン、フィブリノゲ
ン、及びこれらの混合物が好ましい。血漿物質は、コレ
ステロール、コレステロールエステル、リポタンパク質
コレステロール、リポタンパク質コレステロールエステ
ル、リン脂質と組み合わされているコレステロール、ア
ルブミンと組みあわされているコレステロール、アルブ
ミンと組み合わされているコレステロールエステル、リ
ン脂質と組み合わされているリポタンパク質コレステロ
ール、アルブミンと組み合わされているリポタンパ質コ
レステロール及びこれらの混合物からなるから選択する
のが、一層好ましい。
【0062】 サポニンベースの溶解剤系における赤血球の溶解に対
する血漿物質の有用性を確認するために、血漿物質水溶
液を、洗浄後の赤血球に添加した。前記水溶液はリン酸
緩衝溶液中に3%の血漿物質を含有していた。これらの
結果は次の通りである:
【0063】
【0064】 上述の試験結果から、洗浄後の赤血球に血漿物質を添
加すると、サポニン溶解剤系中における溶解が可能にな
ることが分かる。アルブミンは赤血球及びサポニンと互
に作用して溶解作用を行うと考えられる。しかし、洗浄
後の赤血球及びウシ血清をさらに米国特許第4,299,726
号明細書に記載されている成分のような他の成分と組み
合わせた場合には、アルブミンは溶解を起こさせない。
しかし、リポタンパク質コレステロールを添加した場合
には、溶解が行われる。しかも、リポタンパク質コレス
テロールをPBSに添加した場合にも、溶解が行われる。
【0065】 上述のように赤血球から製造した白血球アナローグを
使用した場合には、血漿物質水溶液を、装置で使用する
より12時間以上前に、血液組成物に添加するのが好まし
い。
【0066】 1種以上の白血球アナローグを溶解可能なヒト赤血球
と組み合わせて、溶解剤を使用する装置に用いられる1
種のマルチ分析標準血球対照製剤を提供する場合には、
血漿物質水溶液が結合コレステロールを含有しているの
が最も好ましい。最も好ましい血漿物質の適当な例は、
マイルス社の米国特許第4,290,774号明細書に記載され
ているモデュサイト(Moducyte,登録商標)であって、
これはアルブミンと結合している高密度リポタンパク質
コレステロールである。懸濁媒体中の最終コレステロー
ル濃度は、最終対照製剤における細胞数によって、400
〜1,200mg/L、好ましくは600〜1,000mg/Lの範囲であ
る。
【0067】 ここに開示した方法によって製造された白血球アナロ
ーグを使用している対照製剤の場合には、本発明に係る
懸濁中媒体に不充分な濃度のコレステロールを使用した
際に、基準血球対照製剤中の赤血球は、サポニン溶解剤
系を使用した時にノイズ(noise)及び残滓が存在しな
いように細胞膜を溶解する程効果的には溶解せず、溶解
反応のために白血球アナローグは所要の大きさより小さ
い平均細胞容積を有する。媒体が余りにも高濃度のコレ
ステロールを含有している場合には、基準血球対照製剤
中の赤血球は、ノイズ及び残滓が存在しないように細胞
膜を溶解する程効果的には溶解しない。
【0068】 特に、米国特許第4,751,179号明細書に記載されてい
るような試薬系を用いるクールター・モデルVCS技術を
使用している装置のような装置において、対照製剤を使
用して白血球の2種以上の群、(1)リンパ球系白血球
(リンパ球)及び(2)骨髄球系白血球(好中球、単
球、好酸球及び好塩基球)を区別する場合には、本発明
に係る懸濁媒体は、作用の弱い溶解剤と固定されていな
い赤血球との反応を生じさせることができるので、赤血
球は溶解するが、白血球アナローグはほとんど作用を受
けずに残り、白血球アナローグの各タイプをカウントす
ることができる。米国特許第4,751,179号明細書によっ
て教示されているように、溶解剤には2種類のものがあ
る。即ち、(1)サポニンを含有する溶解希釈剤であっ
て、全血試料を希釈すると同時に赤血球の間質を溶解す
る作用をするもの、又は(2)非溶解性血液希釈剤と、
これに続いて使用されるサポニン含有溶解剤とからなる
二部分系がある。
【0069】 米国特許第4,123,876号、同第4,299,726号、又は同第
4,358,395号明細書に記載されている媒体のような従来
技術の媒体を使用する場合には、ここに開示されている
方法によって製造された白血球アナローグは、容積が目
標とする白血球群にとって望ましい値より小さい。特
に、本発明に係る懸濁媒体を、赤血球又は白血球のいず
れかから製造された白血球アナローグと一緒に使用した
場合には、白血球アナローグのD.C.容積は目標とする白
血球群にとって望ましい範囲内にある。
【0070】 本発明に係る懸濁媒体の一層の好ましい具体例におい
ては、懸濁媒体は、さらに、非イオン界面活性剤を含有
している。この界面活性剤は親水性−親油性バランス
(HLB)の高いものである。代表的な例においては、HLB
は15より大きい値、一層好ましくは17より大きい値であ
る。代表的な例において、界面活性剤は、白血球アナロ
ーグに悪影響を及ぼすことなく、赤血球に一層特異的な
溶解作用を及ぼすのに有効な量で使用する。さらに、界
面活性剤は対照製剤中の遊離コレステロールを安定化す
るので、遊離コレステロールが溶液から析出することは
ない。当業者によって認められているように、界面活性
剤の有効量は経験的に求めることができるが、代表的な
例においては対照製剤の0.5重量%未満である。
【0071】 適当な非イオン界面活性剤としては、一般式:R−X−
(Y)−H(式中のRは炭素原子数C8〜C18の親油性
鎖を示し;Xは−0−,フェニレン−0−,又は−COO−
を示し;Yは−CH2CH2O−又は−CH2CH2CH2O−を示し;nは1
5〜50の整数を示す)で表わされるアルキルポリエーテ
ルアルコールがある。これらの界面活性剤の適当な商業
製品の例としては、GAFケミカル社によるジアゾパン(D
iazopan,登録商標)SS−837、ローム・アンド・ハス社
によるトリトン(Triton,登録商標)X405、及びBASFワ
イアンドット社によるプルロニック(Pluronic,登録商
標)F−127PRILLがある。
【0072】 本発明を何らかの理論に結び付けようとするものでは
ないが、現在、赤血球を溶解させる本発明に係る懸濁媒
体中において、赤血球と、弱い溶解剤(例えば、サポニ
ン)と、血漿物質との間には、相互作用があると信じら
れている。特に、現在、血漿物質は細胞膜コレステロー
ルに影響を及ぼし、このコレステロールはさらに溶解剤
に対する白血球アナローグの応答に影響を及ぼす、と信
じられている。その上、さらに、界面活性剤は溶解反応
を赤血球にとって一層特異的なものにするが、測定パラ
メータに関しては白血球アナローグに悪影響を及ぼさな
いと信じられている。また、さらに、界面活性剤は細胞
膜又は血漿物質の中に存在するコレステロールに影響を
及ぼしていることがある、と信じられている。
【0073】 6ケ月間まで安定性を有する血液基準対照製剤に用い
られる本発明に係る懸濁媒体は、血漿物質水溶液及び任
意の適合性殺真菌剤と殺菌剤、及び任意の補助剤、例え
ば、プリンヌクレオシド、胆汁酸、コール酸誘導体、フ
ェノチアジン化合物と抗ヒスタミン性を有するその塩、
及び4−アミノ安息香酸と麻酔性を有するその誘導体と
その塩、並びに赤血球球形化剤、又はこれらの組合わせ
を含有する。既知の赤血球溶解剤と一緒に使用するため
に、1種以上の白血球アナローグをシングル(single)
基準血球対照製剤に混入することができるので、本発明
に係る懸濁媒体にとって配合はすべての白血球アナロー
グに関して同じである。
【0074】 当業者によって認められているように、懸濁媒体は細
胞の溶解を回避するのに充分な張度を有している必要が
ある。懸濁媒体にとって好ましい配合は次の通りであ
る。
【0075】
【0076】 以下に、本発明の最も好ましい具体例に従って、本発
明に係る懸濁媒体と一緒に使用される白血球アナローグ
の製造方法を、実施例に示す。実施例1は、ガチョウ細
胞を処理するのに好まし試薬及び技術の特定例に関する
もので、配合は単に例示であるにすぎない。実施例2,3
及び4は、アリゲータ細胞を処理するのに好ましい試薬
及び技術の特定例に関するもので、配合は単に例示であ
るにすぎない。実施例5は、ヒト白血球を使用して、本
発明に係る懸濁媒体と一緒に使用される5種の白血球亜
群アナローグを製造する例に関するもので、白血球アナ
ローグに関する配合は単に例示であるにすぎない。実施
例6は、4種の白血球群の集合体に関するもので、配合
は単に例示であるにすぎない。実施例に記載されている
試薬及び/又は技術は、ガチョウ及びアリゲータ以外の
動物からの血球にも適用することができる。この開示に
従って、他の成分及び割合を使用することができる。
【0077】 実施例1 ガチョウ赤血球由来のリンパ球アナローグ 以下に、ガチョウ赤血球を処理して、正常な分粒され
たリンパ球アナローグを得るのに好ましい試薬及び推奨
される特定の操作工程に関する特定例を説明する。 これらの配合及び操作は単に例示にすぎず、他の成
分、割合及び操作も本発明における開示に従って使用す
ることができた。
【0078】 リン酸緩衝溶液(PBS)1リットル中の配合 1.リン酸二水素ナトリウム:0.2g 2.リン酸一水素ナトリウム・7H2O:2.0g 3.アジ化ナトリウム:0.1g 4.塩化ナトリウム:9.4g 5.蒸留水:全体を1Lにする量;pH約7.4;オスモル濃度315
〜345mOsm/kg.
【0079】 リンパ球低張溶液 1.リン酸二水素ナトリウム:0.2g 2.リン酸一水素ナトリウム・7H2O:2.0g 3.蒸留水:全体を1Lにする量;pH約7.8;オスモル濃度15
〜25mOsm/kg.
【0080】 操 作 1. 平均細胞容積が約140〜170fLの範囲である鳥赤血球
を選択した。沈層(packed)鳥赤血球をリン酸緩衝溶液
(PBS)で洗浄した。 2. 2×106/μLの細胞数に対して1.0〜5.0mgのコレス
テロールを添加し、常温で2〜6時間培養した。 3. チルドされたリンパ球低張溶液に25%グルタルアル
デヒド市販品を添加することにより、グルタルアルデヒ
ド含有量が約0.1〜0.8%であるグルタルアルデヒド固定
剤を製造した。温度は2〜8℃が好ましかった。好まし
いグルタルアルデヒド濃度は約0.35%であった。 4. 洗浄後の赤血球を工程3の固定剤の測定量に対して
1:35の希釈割合で添加した。密閉容器に移し、これを2
〜8℃において18〜24時間ゆっくり回転させた。ヘモグ
ロビン含有量の減少を計算したところ、約60重量%であ
った。
【0081】 5. 上澄液を除去し、細胞をPBSによって数回洗浄し、
次いで適当な貯蔵用溶液中に再懸濁させた。 6. 単独の(stand alone)リンパ球アナローグの場合
には、洗浄後の固定された細胞を本発明に係る懸濁媒体
中に再懸濁させ、濃度を、正常ヒト血液中のヒトリンパ
球細胞の濃度に類似した値になるように調整した。 7. 対照製剤にとって多数の血液パラメータが存在する
場合には、本発明に係る懸濁媒体中に、洗浄後の固定さ
れた細胞を、他の血液組成物及びマルチパラメータ血液
学上の対照製剤にとって望ましいアナローグと共に添加
した。細胞数はリンパ球の割合の測定に適合させた。 8. 適当な安定剤を使用することにより固定された細胞
を6ケ月間を超える期間にわたって貯蔵することができ
た。 他のタイプの哺乳動物の赤血球を使用して出発した点
を除き、上述の実施例に従って、匹敵する結果を得た。
【0082】 実施例2 アリゲータ赤血球由来の単球細胞アナローグ 以下に、アリゲータ赤血球を処理して単球細胞アナロ
ーグを得るのに好ましい試薬及び推奨される特定の操作
工程に関する特定例を説明する。これらの配合及び操作
は単に例示にすぎず、他の成分、割合及び操作も本発明
における開示に従って、使用することができた。
【0083】 単球低張溶液 1.リン酸二水素ナトリウム:0.1g 2.リン酸一水素ナトリウム:1.0g 3.蒸留水:全体を1Lにする量;pH約7.8;オスモル濃度5
〜15mOsm/kg. 細胞洗浄溶液(PBS)は実施例1に記載した通りとし
た。
【0084】 操 作 1. 平均細胞容積が約350〜450fLの範囲であるアリゲー
タ赤血球を選択した。沈層アリゲータ赤血球をリン酸緩
衝溶液(PBS)で洗浄した。 2. 2×106/μLの細胞数に対して1.0〜5.0mgのコレス
テロールを添加し、常温で3〜5時間培養した。 3. チルドされた単球低張溶液に25%グルタルアルデヒ
ド市販品を添加することにより、グルタルアルデヒド含
有量が約0.1〜0.8%であるグルタルアルデヒド固定剤を
製造した。温度は2〜8℃であるのが好ましかった。グ
ルタルアルデヒドの好ましい濃度は約0.15%であった。 4. 洗浄後の赤血球を工程3の固定剤の測定量に対して
1:50の希釈割合で添加した。密閉容器に移し、これを常
温において18〜24時間ゆるやかにころがした。ヘモグロ
ビン含有量の減少を計算したところ、約40重量%であっ
た。
【0085】 5. 上澄液を除去し、細胞をPBSによって数回洗浄し、
次いで適当な貯蔵用溶液中に再懸濁させた。 6. 単独の単球アナローグの場合には、洗浄後の固定さ
れた細胞を本発明に係る懸濁媒体中に再懸濁させ、濃度
を、正常ヒト血液中のヒト単球細胞の濃度に類似した値
になるように調節した。 7. マルチ血液学上の対照製剤の場合には、本発明に係
る懸濁媒体中に、洗浄後の固定された細胞を、他の血液
組成物及びマルチパラメータ対照製剤にとって望ましい
アナローグと共に、単球細胞の測定に適した濃度で添加
した。 8. 適当な安定剤を使用することにより、固定された細
胞は6ケ月間を超える期間にわたって貯蔵することがで
きた。
【0086】 実施例3 以下に、アリゲータ赤血球を処理して好酸球アナロー
グを得るのに好ましい試薬及び推奨される特定の操作の
特定例を説明する。これらの配合及び操作は例示にすぎ
ず、他の成分、割合及び操作も本発明の開示に従って使
用することができた。
【0087】 好酸球低張液 1.リン酸二水素ナトリウム:0.32g 2.リン酸水素二ナトリウム:8.08g 3.蒸留水:全体を1Lにする量;pH約8.0;オスモル濃度75
〜85mOsm/kg
【0088】 好酸球ヘモグロビン変性処理溶液 1.塩化ジメチルジココアンモニウム:2.5g 2.トリス(ヒドロキシメチル)アミノ メタン:6.06g
(有機緩衝剤) 3.蒸留水:全体を1Lにする量;pH約10.5
【0089】 好酸球後処理洗浄溶液 1.ポリオキシエチル化 アルキルフェノール:5g(GAFケ
ミカル社からのジアゾパン(Diazopan、登録商標)SS−
837) 2.蒸留水:全体を1Lにする量 細胞洗浄溶液(PBS)は実施例1に記載した通りであ
る。
【0090】 操 作 1. 平均細胞容積が約400〜500fLの範囲であるアリゲー
タ赤血球を選択した。沈層アリゲータ赤血球をPBSで洗
浄した。 2. 1×106/μLの細胞数に対してコレステロール0.25
〜1.25mgを加え、常温で2〜5時間培養した。 3. 好酸球低張溶液に市販25%グルタルアルデヒド製品
を加えることにより、グルタルアルデヒド含有量が約0.
1〜0.8%であるグルタルアルデヒド架橋剤を製造した。
グルタルアルデヒドの好ましい濃度は約0.2%であっ
た。 4. 洗浄後の赤血球を工程3の架橋剤の測定量に対し
て、1:50の希釈割合で加えた。密閉容器に移し、これを
常温で18〜24時間ゆっくり回転させた。 5. 上澄液を除去し、細胞をPBSで数回洗浄した。
【0091】 6. 洗浄後の赤血球を好酸球ヘモグロビン変性処理溶液
に対して1:10の希釈割合で加えた。密閉容器に移し、こ
れを常温で2〜4時間ゆっくり回転させた。 7.上澄液を除去し、細胞を好酸球後処理洗浄溶液で数回
洗浄して、好酸球ヘモグロビン変性処理溶液を除去し
た。次に、適当な貯蔵溶液中に再び懸濁させた。 8.単独の好酸球アナローグの場合には、洗浄後の固定さ
れた細胞を本発明に係る懸濁媒体中に再び懸濁させ、濃
度を調節して正常ヒト血液中のヒト好酸球の濃度に類似
させた。 9. マルチ血液学上の対照製剤の場合には、洗浄後の固
定された細胞を、本発明に係る懸濁媒体中に、他の血液
組成物及びマルチパラメータ血液学上の対照製剤にとっ
て望ましいアナローグと共に、好酸球を測定するのに適
当な濃度で加えた。 10. 適当な安定剤を使用することにより、固定された
細胞は6ヶ月間を越える期間にわたって貯蔵することが
できた。
【0092】 実施例4 アリゲータ赤血球由来の好中球アナローグ 以下に、アリゲータ赤血球を処理して好中球アナロー
グを得るのに好ましい試薬及び推奨される特定の操作の
操作例を説明する。これらの配合及び操作は例示にすぎ
ず、他の成分、割合及び操作も本発明の開示に従って使
用することができた。
【0093】 好中球低張溶液 1.リン酸二水素ナトリウム:0.23g 2.リン酸水素二ナトリウム:5.32g 3.蒸留水:全体を1Lにする量;pH約8.0;オスモル濃度45
〜65mOsm/kg 細胞洗浄溶液(PBS)は実施例1に記載した通りであ
る。
【0094】 操 作 1.平均細胞容積が約400〜500fLの範囲であるアリゲータ
赤血球を選択した。沈層アリゲータ赤血球をPBSで洗浄
した。 2.好中球低張溶液に市販25%グルタルアルデヒド製品を
加えることにより、グルタルアルデヒド含有量が約0.1
〜0.8%であるグルタルアルデヒド固定剤を製造した。
グルタルアルデヒドの好ましい濃度は約0.4%であっ
た。 3.細胞数1×106の洗浄後の赤血球を工程2の固定剤の
測定量に対して、1:50の希釈割合で加えた。密閉容器に
移し、これを常温で18〜24時間ゆっくり回転させた。 4.上澄液を除去し、細胞をPBSで数回洗浄し、次に適当
な貯蔵溶液中に再び懸濁させた。
【0095】 5.沈層細胞を非イオン性界面活性剤溶液に加えた。前記
溶液は提供者の細胞容積を標準化する傾向があった。こ
の溶液は蒸留水1L中にHLB約13.5を有するオクチルフェ
ノキシ ポリエキトシ エタノール(トリトン(Trito
n、登録商標)X−100、ローム・アンド・ハス社)0.5g
を含んでいた。 6.上澄液を除去し、細胞をPBSで数回洗浄して、適当な
貯蔵溶液中に再び懸濁させた。 7.単独の好中球アナローグの場合には、洗浄後の固定さ
れた細胞を、本発明に係る懸濁媒体中に再び懸濁させ、
濃度を調節して正常ヒト血液中のヒト好中球の濃度に類
似させた。 8.ルチ血液学上の対照製剤の場合には、洗浄後の固定さ
せた細胞を、本発明に係る懸濁媒体中に、他の血液組成
物及びマルチパラメータ血液学上の対照製剤にとって望
ましいアナローグと共に、好中球を測定するのに適当な
濃度で加えた。 9.適当な安定剤を使用することにより、固定させた細胞
を6ヶ月を越える期間にわたって貯蔵することができ
た。
【0096】 実施例5 ヒト白血球由来の5種の白血球亜群のアナローグ 1.全血をデキストラン(分子量100,000〜500,000)溶液
に1:10の希釈割合で加え、重力手段によって1〜3時間
沈降させた。 2.上澄液を除去した。この液には白血球、血小板及び若
干の残留赤血球が含まれていた。 3.工程2の生成物を300RCF未満において約10分間遠心分
離した。血小板を吸出して白血球、残留赤血球及び少量
の血漿をボタンに似た形状で残した。これらの残留物を
再び懸濁させた。 4.水のように適当な溶解剤を加えて、白血球から赤血球
を溶解した。 5.工程4の生成物を遠心分離し、上澄液を除去して、沈
層白血球を残した。沈層白血球をほぼ同容積の生理食塩
水中に再び懸濁した。
【0097】 6.白血球を適当な等張固定剤溶液、例えば5%ホルムア
ルデヒド及び95%PBS(容積%)の溶液に1:10の希釈割
合で加え、密閉容器に移し、これを常温で18〜30時間ゆ
っくり回転させた。 7.濃度約0.1%のグルタルアルデヒドを含有するグルタ
ルアルデヒド固定剤溶液を前記プールに1:1の希釈割合
で加え、更に8〜12時間固定化を続けた。 8.上澄液を除去し、細胞をPBSで数回洗浄し、次いで適
当な貯蔵用溶液中に再び懸濁させた。 9.単度の5種の白血球亜群アナローグの集合体の場合に
は、洗浄後の固定された細胞を、本発明に係る懸濁媒体
中に再び懸濁させ、濃度を調節して正常ヒト血液中のヒ
ト白血球の濃度に類似させた。 10.マルチ血液学上の対照製剤の場合には、洗浄後の固
定された細胞を、本発明に係る懸濁媒体中に、他の血液
組成物及びマルチパラメータ血液学上の対照製剤にとっ
て望ましいアナローグと共に加えた。細胞数は白血球の
割合を測定するのに適合させた。
【0098】 11.適当な安定剤を使用することにより、固定された細
胞を6ヶ月を越える期間にわたって貯蔵することができ
た。
【0099】 実施例6 正常ヒト血液試料中の白血球の所望の組成と類似させ
るための亜集合体(sub−assembly)において、各成分
を下記の量使用した。
【0100】 4種の白血球亜群の最終集合体において、上澄液を除
去し、次いでコレステロールの最終濃度が800mgである
モデュサイト(Moducyte、登録商標)の水溶液1.0L中に
細胞を再び懸濁させた。 この集合体は既知の適当な安定剤を添加することによ
って、約6ヶ月まで貯蔵することができた。
【0101】 白血球群の割合及び細胞総数を調整して、ヒト血液に
おける病的状態並びに正常状態を表すことができた。ま
た、これらの組成物は、特に、クールターの原理を使用
する自動粒子分析装置の制御及び検量用製剤として有用
であった。 次いで、未処理ヒト赤血球、類似白血球、及び安定化
血小板又は類似血小板の懸濁液を、最終の赤血球、白血
球及び血小板の数、並びにヘモグロビン含有量及びヘマ
トクリットが所望の範囲に入るような割合で加えること
ができた。
【0102】 安定化血小板を当業界において既知の方法により得
た。有用な方法としては、次の方法がある: 1.米国特許第4,405,719号明細書に記載されているよう
な、所定のpH及びオスモル濃度の範囲に維持されている
水溶液中のヨードアセトアミト及びイミノ二酢酸又はそ
れらの塩と適合性制菌剤との組合せ。 2.米国特許第4,389,490号明細書に詳細に記載されてい
るような、濃度0.1〜5%のグルタルアルデヒド及びあ
る直鎖異性アルコールのエトキシレートの混合物である
非イオン性界面活性剤を含む固定ー安定剤組成物。 3.米国特許第4,264,470号明細書に記載されているよう
な、ヒト血小板に近い大きさ範囲及び容積分布を有する
ように、所要に応じて安定化され、組み合わされ、かつ
混和されたヤギ赤血球を含むヒト血小板アナローグ。
【0103】 各血液パラメーターに対する値を変化させて異常に低
い状態及び異常に高い状態を表すことができた。正常血
液中の白血球数は5,000〜11,000/μLであり、リンパ球
の値は20〜40%であり、単核細胞の値は10%未満であ
り、顆粒球の値は60〜80%であり、好酸球の値は約5%
未満であり、好塩基球の値は約2%であった。ヒト血液
中の赤血球の正常な範囲は4,0000,000〜5,000,000細胞
/μLであった。正常ヘモグロビン値は12〜16g/100mL
であった。ここに「ヘマトクリット」とは、全血の容積
に対する沈層赤血球の容積の比であると定義する。ヒト
における正常比は約45%であった。平均赤血球容積と
は、100万/μLの赤血球に対する血液1L当たりの沈層
赤血球容積mLの比であった。平均赤血球ヘモグロビン濃
度とは、沈層赤血球100mL当たりヘモグロビンの中間又
は平均の重量を示す指数である。平均赤血球ヘモグロビ
ンとは、100万/μLの赤血球に対するヘモグロビン含
有量(g/L)の比である。
【0104】 対照製剤は、比較に基づいて、新鮮な全血成分の試料
が上述のすべての測定値に関してどのような構成をして
いるかを正確に示す必要がある。
【0105】 上述の記載では、本発明の詳細な説明を例示のために
行ったが、同業者であれば、ここに記載した詳細な説明
において多くの変形を、本発明の思想及び範囲を逸脱す
ることなく、行うことができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 エリオット マイケル エヌ アメリカ合衆国 フロリダ州 33026 クーパー シティー ベコニア ウェイ 2840 (72)発明者 ネイロー ナンシー アール アメリカ合衆国 フロリダ州 33023 ミラマー フラミンゴ ドライブ 2648 (72)発明者 フイッシャー ティモシー ジェイ アメリカ合衆国 ノース カロライナ州 27613 ローリー ペアノー ウェイ 6405 (56)参考文献 特開 昭55−16296(JP,A) 特開 昭57−203956(JP,A) 特表 昭61−502217(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01N 33/96 G01N 33/49

Claims (11)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】血液学上の対照製剤において、 コレステロール、コレステロールエステル、リポタンパ
    ク質コレステロール、リポタンパク質コレステロールエ
    ステル、リン脂質と組み合わされているコレステロー
    ル、アルブミンと組み合わされているコレステロール、
    アルブミンと組み合わされているコレステロールエステ
    ル、リン脂質と組み合わされているリポタンパク質コレ
    ステロール、アルブミンと組み合わされているリポタン
    パク質コレステロール及びこれらの混合物からなる群か
    ら選択された物質の水溶液及び少なくとも血球から作っ
    た好酸球アナローグまたは血球から作った好中球アナロ
    ーグの血液学上のアナローグ組成物を含有することを特
    徴とする血液学上の対照製剤。
  2. 【請求項2】前記物質の水溶液はヒト白血球に類似して
    いる前記血液学上の組成物の物理的性質の少なくとも1
    つを維持するのに充分な量で存在し、前記物理的性質は a.直流(D.C.)電流によって測定された容積、 b.高周波(RF)の大きさ、 c.光散乱、及び d.不透明度 からなる群から選択された性質であることを特徴とする
    請求項1記載の血液学上の対照製剤。
  3. 【請求項3】前記血球から作った好酸球アナローグまた
    は血球から作った好中球アナローグは膨潤してその容積
    を増大すると同時に固定される血球を含むことを特徴と
    する請求項2記載の血液学上の対照製剤。
  4. 【請求項4】リンパ球アナローグ、単球アナローグ、好
    中球アナローグ、および好酸球アナローグを含む少なく
    とも4種の異なる白血球アナローグを含有していること
    を特徴とする請求項1又は2記載の血液学上の対照製
    剤。
  5. 【請求項5】さらに、溶解可能な赤血球を含有してお
    り、前記物質の水溶液は、溶解剤が赤血球を溶解し、か
    つ前記溶解剤の活性を白血球アナローグによって遅延さ
    せて、該白血球アナローグの各タイプを区別することが
    できるようにするのに充分な量で存在していることを特
    徴とする請求項4記載の血液学上の対照製剤。
  6. 【請求項6】前記物質の水溶液は、血球容積及び光散乱
    度に関して、前記白血球アナローグのそれぞれの区別を
    可能にするのに有効な量で存在していることを特徴とす
    る請求項4記載の血液学上の対照製剤。
  7. 【請求項7】細胞用懸濁媒体を使用するに当り、 a.少なくとも血球から作った好酸球アナローグまたは血
    球から作った好中球アナローグを含む血液学上の試料と
    細胞用懸濁媒体とを組み合わせ、前記細胞用懸濁媒体
    は、コレステロール、コレステロールエステル、リポタ
    ンパク質コレステロール、リポタンパク質コレステロー
    ルエステル、リン脂質と組み合わされているコレステロ
    ール、アルブミンと組み合わされているコレステロー
    ル、アルブミンと組み合わされているコレステロールエ
    ステル、リン脂質と組み合わされているリポタンパク質
    コレステロール、アルブミンと組み合わされているリポ
    タンパク質コレステロール及びこれらの混合物からなる
    群から選択された物質の水溶液を含むものであり; b.生成した混合物を (1)直流(D.C.)電流によって測定された容積、 (2)高周波(RF)の大きさ、 (3)不透明度、及び (4)光散乱 からなる群から選択された少なくとも1種の分析項目に
    関して、装置によって分析して、前記装置がその仕様の
    範囲内で機能しているかどうかを決めることを特徴とす
    る細胞用懸濁媒体の使用方法。
  8. 【請求項8】血液学上の試料が、リンパ球アナローグ、
    単球アナローグ、好中球アナローグ、および好酸球アナ
    ローグを含む少なくとも4種の異なる白血球アナローグ
    を含有していることを特徴とする請求項7記載の方法。
  9. 【請求項9】前記懸濁媒体が、さらに、15より大きい親
    水性親油性バランスを有し、かつ前記血液学上の試料中
    の遊離コレステロールを安定化するのに有効な量で存在
    する非イオン界面活性剤を含有していることを特徴とす
    る請求項7記載の方法。
  10. 【請求項10】前記物質の水溶液を、血球容積及び光散
    乱度に関して、前記白血球アナローグのそれぞれの区別
    を可能にするのに有効な量で、存在させることを特徴と
    する請求項8記載の方法。
  11. 【請求項11】さらに、前記血液学上の試料に溶解可能
    な赤血球を含有させ、前記物質の水溶液は、溶解剤が前
    記血液学上の試料中の赤血球を溶解することができるの
    に充分な量で存在させるが、前記溶解剤が白血球アナロ
    ーグに影響を及ぼすには不充分な濃度であることを特徴
    とする請求項7〜8のいずれか一つの項に記載の方法。
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