JP3358929B2 - 構造物の風洞試験装置 - Google Patents

構造物の風洞試験装置

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JP3358929B2
JP3358929B2 JP01444996A JP1444996A JP3358929B2 JP 3358929 B2 JP3358929 B2 JP 3358929B2 JP 01444996 A JP01444996 A JP 01444996A JP 1444996 A JP1444996 A JP 1444996A JP 3358929 B2 JP3358929 B2 JP 3358929B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、橋梁の橋桁や主塔
のような構造物の風洞試験装置に係り、特に構造物の模
型を導風路に固定するための構造に関する。
【0002】
【従来の技術】橋梁の橋桁や主塔のような大規模な構造
物の空気力学的性質を研究する際には、構造物の模型を
用いた風洞試験が行なわれる。この模型に作用する各種
の力を計測する方法としては、風洞に置かれた模型の基
部に検出器を取り付け、この検出器により模型に作用す
る揚力や抗力等を直接計測する方法と、模型を吊り線を
介して風洞に吊り下げて保持し、この吊り線の先端に取
り付けた検出器により、上記模型に作用する揚力や抗力
等を計測する方法とが知られている。
【0003】図8は、吊り線を用いた従来の風洞試験装
置1の概略を示している。この風洞試験装置1は、人工
的に空気流を発生させる風洞2を有している。風洞2の
吹出口3には、導風路4が接続されており、風洞2から
送られる空気は、導風路4を矢印Aの方向に流れるよう
になっている。
【0004】導風路4には、一対の模型支持バー5a,
5bが配置されている。模型支持バー5a,5bは、空
気の流れ方向と直交する方向に互いに離間されており、
夫々の模型支持バー5a,5bは、空気の流れ方向に沿
って水平に配置されている。そして、これら模型支持バ
ー5a,5bの間には、構造物の模型6が水平に支持さ
れている。
【0005】模型支持バー5a,5bは、ピアノ線ある
いはワイヤーのような四本の吊り線8a〜8dを介して
導風路4の天井面から吊り下げられている。吊り線8a
〜8dの下端部は、模型支持バー5a,5bの両端部に
接続され、これら模型支持バー5a,5bを水平に保持
している。各吊り線8a〜8dの上端には、模型6に作
用する揚力LおよびモーメントMを計測するための検出
器9a〜9dが接続されている。これら検出器9a〜9
dは、導風路4の天井面に固定されている。
【0006】模型支持バー5a,5bの空気の流れ方向
上流側の端部には、吹出口3の方向に向けて水平に延び
る吊り線10a,10bが接続されている。これら吊り
線10a,10bの先端には、模型6に作用する抗力D
を検出するための他の検出器11a,11bが接続され
ている。検出器11a,11bは、導風路4の壁面に固
定されている。
【0007】模型支持バー5a,5bの空気の流れ方向
下流側の端部には、夫々吊り線13a,13bが接続さ
れている。吊り線13a,13bは、空気の流れ方向に
向けて水平に導かれた後、滑車14を介して下向きに導
かれている。これら吊り線13a,13bの下端部に
は、ウエイト15a,15bが接続されている。ウエイ
ト15a,15bは、オイルが充填されたオイルポット
16a,16bに導入されている。オイルは、その粘性
に基づく流動抵抗により、ウエイト15a,15bの振
動を吸収するようになっており、上記オイルポット16
a,16bがダンパとしての機能を果たしている。
【0008】そのため、空気の流れの中に置かれた支持
バー5a,5bおよび模型6は、常時ウエイト15a,
15bの重量を受けており、空気の流れによる模型6の
揺れや振動が抑え込まれている。
【0009】ところで、上記模型6は、長方形板状をな
す本体6aと、この本体6aの両端面から突出された軸
6b,6cとを有している。軸6b,6cは、本体6a
の端面の中央部に固定され、この本体6aと一体に回動
するようになっている。そして、図9に一方を代表して
示すように、模型6の軸6b(6c)は、ベアリングボ
ックス18を介して模型支持バー5a(5b)に回動可
能に支持されている。
【0010】そのため、模型6は、軸6b,6cを中心
に任意な角度に回動し得るようになっており、この回動
により、空気の流れ方向に対する模型6の向きが変えら
れるようになっている。
【0011】なお、模型6の本体6aの端面には、気流
制御板18が取り付けられている。この気流制御板18
は、本体6aに空気流が一様に当たるように、この本体
6aの周囲の空気の流れを制御するためのものであり、
本体6aの反対側の端面にも取り付けられている。
【0012】図9に示すように、軸6bには、この軸6
bと一体に回動する角度表示板19が取り付けられてい
る。角度表示板19は、模型6の回動角度を示す目盛2
0を有している。この角度表示板19と向かい合う位置
には、角度指示針21が配置されている。角度指示針2
1は、ベアリングボックス18に固定されており、この
角度指示針21の先端と目盛20との位置関係により、
模型6の回動角度が表示されるようになっている。
【0013】一方の模型支持バー5aには、固定金具2
3が取り付けられている。固定金具23は、直角に折れ
曲がった固定片24を有し、この固定片24は、角度表
示板19と向かい合っている。そして、角度表示板19
と固定片24とは、C形クランプあるいはしゃこ万力の
ような固定具25を介して互いに結合されるようになっ
ている。
【0014】固定具25は、略C形のフレーム27と、
このフレーム27に支持された操作ねじ28とを有して
いる。フレーム27の固定あご27aと操作ねじ28の
可動あご28aとは、互いに向かい合っており、これら
あご27a,28aの間に、上記角度表示板19および
固定片24が介在されている。
【0015】そのため、操作ねじ28を操作して、可動
あご28aと固定あご27との間で角度表示板19お
よび固定片24を挾み込むと、角度表示板19が固定金
具23を介して模型支持バー5aに固定され、軸6bひ
いては模型6の自由な回動が制限されるようになってい
る。
【0016】なお、図中符号29は、模型6の横振れを
防止するためのフックを示す。このような構成の風洞試
験装置1によると、模型6の向きを変えるには、まず最
初に、固定具25の操作ねじ28を人為的に操作し、角
度表示板19の挾み込みを解除する。これにより、角度
表示板19が固定金具23から切り離されるので、模型
6は、その軸6b,6cを支点に自由に回動し得る状態
となる。
【0017】次に、模型6の長手方向に沿う両側に作業
者を待機させ、この作業者の手作業により模型6を回動
させる。すると、角度表示板19が模型6と一体に回動
し、この角度表示板19の目盛20と角度指示針21と
によって模型6の回動角度が表示される。模型6が所望
の角度に回動されたならば、再び固定具25の操作ねじ
28を操作し、可動あご28aと固定あご27との間
で角度表示板19および固定片24を挾み込む。このこ
とにより、模型6の軸6bが角度表示板19を介して模
型支持バー5aに結合され、模型6が所望の角度に固定
される。
【0018】この従来の風洞試験装置1の場合、模型6
は、角度表示板19や固定具25を介して模型支持バー
5aに固定されるので、空気の流れを受ける模型6が揺
れたり振動することはなく、この模型6に作用する揚力
L、モーメントMおよび抗力D等を正確に計測すること
ができる。
【0019】ところが、この従来の風洞試験装置1で
は、模型6の向きを変える作業を全て人手によって行な
っているので、模型6の向きを変える際には、模型6の
両側に作業者を待機させねばならない。そのため、計測
に支承はないものの、多くの試験要員を必要とし、大規
模な構造物の空気力学的性質を研究する際に、多大な労
力や人件費を必要とするといった問題がある。
【0020】一方、図10は、模型6の向きを変える作
業を全て自動化した風洞試験装置30の一例を開示して
いる。この風洞試験装置30は、模型6の向きを変える
ための構成が上記風洞試験装置1と相違しており、それ
以外の基本的な構成は同一となっている。
【0021】図10に示すように、一方の模型支持バー
5aには、ブラケット31を介して模型回動機構32が
支持されている。模型回動機構32は、駆動源となるモ
ータ33と、このモータ33と模型6の軸6bとの間に
介在された減速機34とを備えている。
【0022】モータ33は、正転および逆転が可能なパ
ルスモータであり、このモータ33は、図示しない計測
室からの遠隔操作により、その回転角度および回転方向
が制御されるようになっている。減速機34としては、
バックラッシュを極力少なくするため、ウォーム減速機
が用いられている。この減速機34は、互いに噛み合う
ウォームとウォームホイール(共に図示せず)とを備え
ている。ウォームは、減速機34の入力軸35に取り付
けられている。この入力軸35は、カップリング36を
介してモータ33のモータ軸に接続されている。ウォー
ムホイールは、減速機34の出力端に位置されており、
このウォームホイールに上記模型6の軸6bの先端が連
結されている。
【0023】そのため、モータ33の回転は、減速機3
4により減速された後、模型6の軸6bに伝えられ、こ
れにより、模型6が所望の角度に回動されるようになっ
ている。
【0024】なお、この風洞試験装置30においては、
模型6の軸6bに角度指示針21が取り付けられてお
り、この角度指示針21が角度表示板19の目盛20に
沿って移動するようになっている。
【0025】このような構成の風洞試験装置30による
と、モータ33を計測室から遠隔操作することで、空気
の流れ方向に対する模型6の向きを自動的に変えること
ができ、上記風洞試験装置1に比べて試験要員を減らす
ことができる。しかも、モータ33の回転を一旦減速機
34で減速した後、模型6の軸6bに伝えているので、
この模型6の向きを少ない力で容易に変えることができ
る。
【0026】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の風洞試験装置30の場合、減速機34としてバック
ラッシュの少ないウォーム減速機を用いてはいるもの
の、そのウォームとウォームホイールとの間には、僅か
ながらも遊びが存在する。そのため、この遊びの分だけ
模型6にがたが生じるのを避けられず、模型6が空気の
流れを受けた時に、揺れたり振動することがあり得る。
【0027】この結果、検出器9a〜9b、11a,1
1bによって計測されるデータにばらつきが生じ、模型
6に作用する各種の力を精度良く計測する上での妨げと
なるといった問題がある。
【0028】本発明の目的は、模型の向きを自動的に変
える場合に、この模型をがたつくことなくしっかりと固
定することができ、模型に作用する揚力等の各種の力を
精度良く安定して計測できる構造物の風洞試験装置を得
ることにある。
【0029】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1に記載された構造物の風洞試験装置は、空
気が流れる導風路と:この導風路に配置され、回動中心
となる軸を有する模型と;この模型を上記導風路に吊り
下げて保持する吊り線と;上記模型が空気の流れを受け
た時に、この模型に生じる各種の力を上記吊り線を介し
て検出する検出器と:モータおよびこのモータに連動す
る減速機を有し、上記模型を上記軸を中心に回動させる
ことにより、空気の流れ方向に対する模型の向きを変化
させる模型回動機構と;遠隔操作されるアクチュエータ
を有し、上記模型を上記模型回動機構によって定められ
た向きに固定するための固定機構と;を備えていること
を特徴としている。
【0030】この構成によると、導風路に置かれた模型
は、モータおよび減速機を介して自動的に回動されるの
で、この模型の向きを一切の人手を煩わすことなく変え
ることができる。そのため、試験要員を減らすことがで
き、風洞試験の省力化が可能となる。
【0031】模型が所望の角度にまで回動されたなら
ば、アクチュエータを作動させて模型を固定する。この
固定により、モータから減速機を経て模型に至る回転力
伝達経路に多少の遊びが存在しても、模型が揺れたりが
たつくことはなく、空気の流れを受ける模型を所望の向
きに確実に固定することができる。したがって、検出器
によって計測されるデータにばらつきが生じることはな
く、高精度な計測が可能となる。
【0032】請求項2に記載された構造物の風洞試験装
置は、空気が流れる導風路と:この導風路に配置され、
回動中心となる軸を有する模型と;この模型を上記導風
路に吊り下げて保持する吊り線と;上記模型が空気の流
れを受けた時に、この模型に生じる各種の力を上記吊り
線を介して検出する検出器と:モータおよびこのモータ
に連動する減速機を有し、上記模型を上記軸を中心に回
動させることにより、空気の流れ方向に対する模型の向
きを変化させる模型回動機構と;上記軸上に同軸に配置
され、上記模型と一体に回動するブレーキディスクと、
このブレーキディスクを挾み込むパッドと、このパッド
をブレーキディスクに押圧する電磁石とを有し、上記模
型を上記模型回動機構によって定められた向きに固定す
るための電磁式ディスクブレーキと;を備えていること
を特徴としている。
【0033】この構成によれば、導風路に置かれた模型
は、モータおよび減速機を介して自動的に回動されるの
で、模型の向きを一切の人手を煩わすことなく変えるこ
とができる。そのため、試験要員を減らすことができ、
風洞試験の省力化が可能となる。
【0034】模型が所望の角度にまで回動されたなら
ば、電磁石を励磁させ、ブレーキディスクをパッドで挾
み込む。このことにより、ブレーキディスクとパッドと
の間に摩擦力が発生し、ブレーキディスクや軸の自由な
回動が制限される。そのため、モータから減速機を経て
模型に至る回転力伝達経路に多少の遊びが存在しても、
模型が揺れたりがたつくことはなく、空気の流れを受け
る模型を所望の向きに確実に固定することができる。し
たがって、検出器によって計測されるデータにばらつき
が生じることはなく、高精度な計測が可能となる。
【0035】また、上記構成の場合、電磁石を励磁させ
ることによりパッドをブレーキディスクに押し付けてい
るので、油圧式のディスクブレーキのように複雑でかつ
大掛かりな油圧配管を必要としない。そのため、ディス
クブレーキを模型の軸上に無理なく組み込むことができ
る。
【0036】請求項3に記載された構造物の風洞試験装
置は、空気が流れる導風路と:この導風路に配置され、
回動中心となる軸を有する模型と;この模型を上記導風
路に吊り下げて保持する吊り線と;上記模型が空気の流
れを受けた時に、この模型に生じる各種の力を上記吊り
線を介して検出する検出器と:モータおよびこのモータ
に連動する減速機を有し、上記模型を上記軸を中心に回
動させることにより、空気の流れ方向に対する模型の向
きを変化させる模型回動機構と;上記軸上に同軸に配置
され、上記模型と一体に回動する円盤状の摩擦車と、こ
の摩擦車の外周面に上記空気の流れ方向とは逆方向から
押し付けられる制動子と、この制動子を上記摩擦車の外
周面に対し進退させるアクチュエータとを有し、上記模
型を上記模型回動機構によって定められた向きに固定す
るための摩擦ブレーキ機構と;を備えていることを特徴
としている。
【0037】この構成によれば、導風路に置かれた模型
は、モータおよび減速機を介して自動的に回動されるの
で、模型の向きを一切の人手を煩わすことなく変えるこ
とができる。そのため、試験要員を減らすことができ、
風洞試験の省力化が可能となる。
【0038】模型が所望の角度にまで回動されたなら
ば、アクチュエータを作動させ、制動子を摩擦車の外周
面に押し付ける。このことにより、制動子と摩擦車との
間に摩擦力が発生し、この摩擦車や軸の自由な回動が制
限される。そのため、モータから減速機を経て模型に至
る回転力伝達経路に多少の遊びが存在しても、模型が揺
れたりがたつくことはなく、空気の流れを受ける模型を
所望の向きに確実に固定することができる。したがっ
て、検出器によって計測されるデータにばらつきが生じ
ることはなく、高精度な計測が可能となる。
【0039】また、上記構成の場合、制動子は、空気の
流れ方向とは逆方向から摩擦車に接しているので、導風
路の風下の方向から模型の軸を支えることができる。そ
のため、模型の軸が強大な風力を受けていても、この軸
の荷重負担を低減することができ、模型の固定をより確
実に行なうことができる。
【0040】請求項4に記載された構造物の風洞試験装
置は、空気が流れる導風路と:この導風路に配置され、
回動中心となる軸を有する模型と;この模型を上記導風
路に吊り下げて保持する吊り線と;上記模型が空気の流
れを受けた時に、この模型に生じる各種の力を上記吊り
線を介して検出する検出器と:モータおよびこのモータ
に連動する減速機を有し、上記模型を上記軸を中心に回
動させることにより、空気の流れ方向に対する模型の向
きを変化させる模型回動機構と;上記軸上に同軸に配置
され、上記模型と一体に回動するロック盤と、このロッ
ク盤の側面に開口され、上記軸と同心をなす円上におい
て周方向に間隔を存して配置された複数の嵌合孔と、こ
れら嵌合孔のいずれか一つに取り外し可能に嵌合される
嵌合ピンと、この嵌合ピンを上記ロック盤に対し進退さ
せるアクチュエータとを有し、上記模型を上記模型回動
機構によって定められた向きに固定するためのロック機
構と;を具備している。そして、上記ロック盤の嵌合孔
は、上記嵌合ピンが出入りする一端と、この一端と向か
い合う他端とを有し、この一端から他端に進むに従い口
径が順次減小されるテーパ状をなすとともに、上記嵌合
ピンは、上記嵌合孔に対応するようなテーパ状をなして
いることを特徴としている。
【0041】この構成によれば、導風路に置かれた模型
は、モータおよび減速機を介して自動的に回動されるの
で、この模型の向きを一切の人手を煩わすことなく変え
ることができる。そのため、試験要員を減らすことがで
き、風洞試験の省力化が可能となる。
【0042】模型が所望の角度にまで回動されたなら
ば、アクチュエータを作動させ、嵌合ピンをロック盤の
嵌合孔に嵌合させる。この場合、嵌合ピンは、その耐せ
ん断力によってロック盤の自由な回動を制限することに
なり、ロック盤や模型の軸の回動が阻止される。そのた
め、モータから減速機を経て模型に至る回転力伝達経路
に多少の遊びが存在しても、模型が揺れたりがたつくこ
とはなく、空気の流れを受ける模型を所望の向きに確実
に固定することができる。したがって、検出器によって
計測されるデータにばらつきが生じることはなく、高精
度な計測が可能となる。
【0043】また、ロック盤の回動は、嵌合ピンの耐せ
ん断力によって制限されるので、嵌合ピンと嵌合孔との
嵌合部分にスリップが生じることはない。そのため、模
型が強大な風力を受けても、この模型が揺れたりがたつ
くことはなく、模型を所定の向きに確実に固定すること
ができる。
【0044】さらに、上記構成によると、嵌合ピンおよ
び嵌合孔は、夫々テーパ状をなしているので、嵌合ピン
が嵌合孔に嵌まり込む時点では、嵌合孔の口径の方が嵌
合ピンの直径よりも大きくなっている。そのため、模型
の回動に伴って嵌合孔と嵌合ピンとの位置がロック盤の
周方向に相対的に変位するにも拘らず、嵌合ピンが嵌合
孔の開口縁部に引っ掛かることはなく、これら嵌合孔と
嵌合ピンとの嵌合を確実かつ円滑に行なうことができ
る。
【0045】
【発明の実施の形態】以下本発明の第1の実施の形態
を、図1および図2にもとづいて説明する。この第1の
実施の形態に示された風洞試験装置50は、上記従来の
風洞試験装置30と基本的に同一の構成を有している。
そのため、従来の風洞試験装置30と同一の構成部分に
ついては同一の参照符号を付して、その説明を省略す
る。
【0046】図1に示すように、風洞試験装置50は、
模型6を所望の向きに固定する電磁式ディスクブレーキ
51を備えている。電磁式ディスクブレーキ51は、円
盤状のブレーキディスク52と、このブレーキディスク
52を跨ぐキャリパ53とを備えている。ブレーキディ
スク52は、模型6の軸6bに同軸状に取り付けられて
いる。このブレーキディスク52は、減速機34と模型
6の本体6aとの間に配置され、模型6の軸6bと一体
に回動するようになっているキャリパ53は、サポート
パネル54を介して上記ブラケット31に支持されてい
る。このキャリパ53は、アクチュエータとしての一対
の電磁石55a,55bを支持している。電磁石55
a,55bは、電磁力が生じた時にストロークするプラ
ンジャ(図示せず)を有し、これらプランジャがブレー
キディスク52を挾んで向かい合っている。これらプラ
ンジャのブレーキディスク52と向かい合う面には、パ
ッド56a,56bが取り付けられている。
【0047】電磁石55a,55bは、計測室に配置さ
れた図示しない電源に電気的に接続されている。そのた
め、電源をONして電磁石55a,55bを励磁させる
と、プランジャがブレーキディスク52に向けて進出
し、パッド56a,56bがブレーキディスク52に押
し付けられて、このブレーキディスク52を強固に挾み
込むようになっている。電源をOFFして電磁石55a,
55bの励磁を解除すると、プランジャがブレーキディ
スク52から遠ざかる方向にストロークする。これによ
り、パッド56a,56bによるブレーキディスク52
の挾み込みが解除される。
【0048】また、電源をOFFした場合でも、電磁石
55a,55bには電磁力が残留するため、上記キャリ
パ53には、残留磁気の除去装置が設けられている。そ
のため、電源をOFFした際には、プランジャがブレー
キディスク52から遠ざかる方向に速やかにストローク
し、パッド56a,56bによるブレーキディスク52
の挾み込みが滑らかに解除されるようになっている。
【0049】図1に示すように、目盛20を有する角度
表示板19は、一方の模型支持バー5aの上面に取り付
けられている。そのため、模型6が回動されると、角度
指示針21の先端が角度表示板19の目盛20に沿って
移動するようになっており、この角度指示針21が指す
目盛20によって模型6の回動角度が表示される。
【0050】角度表示板19と向かい合う位置には、カ
メラ58が配置されている。カメラ58は、角度表示板
19上に示された模型6の回動角度を確認したり、模型
6の向きを監視するためのものである。このカメラ58
は、ケーブル59を介してモニター60に接続されてい
る。このモニター60は、カメラ58で撮影された映像
を表示するためのもので、上記計測室に設置されてい
る。
【0051】そのため、作業者は、モニター60で模型
6の向きを監視しながら、この模型6に加わる各種の力
の計測作業を遠隔地から行なえるようになっている。こ
のような構成の風洞試験装置50によると、作業者は、
モニター60を見ることによって模型6の向きや回動角
度を監視することができる。そのため、模型6の回動角
度を模型回動機構32を通じて自動的に変えることがで
き、模型6の向きを手作業で変える場合に比べて試験要
員を減らすことができる。よって、風洞試験の省力化を
図れ、人件費に依存するコストを大幅に低減することが
できる。
【0052】模型6を所望の向きに固定するには、計測
室からの遠隔操作により電磁式ディスクブレーキ51の
電磁石55a,55bを励磁させ、パッド56a,56
bでブレーキディスク52を強固に挾み込む。このこと
により、ブレーキディスク52とパッド56a,56b
との間に摩擦力が発生し、このブレーキディスク52を
介して模型6の軸6bをしっかりと抑え込むことができ
る。
【0053】したがって、減速機34のウォームとウォ
ームホイールとの間に多少の遊びが存在しても、模型6
が揺れたりがたつくことはなく、空気の流れを受ける模
型6を所望の向きに確実に固定することができる。この
結果、検出器9a〜9d、11a,11bによって計測
されるデータにばらつきが生じることはなく、高精度な
計測が可能となる。
【0054】また、電磁式ディスクブレーキ51は、電
磁石55a,55bの励磁によって、ブレーキディスク
52の自由な回動を制限する摩擦力を発生させているの
で、油圧式のディスクブレーキのように複雑でかつ大掛
かりな油圧配管を必要としない。そのため、電磁式ディ
スクブレーキ51を模型6の軸6b上に無理なく組み込
むことができ、既存の風洞試験装置50をそのまま利用
することができる。よって、風洞試験装置50の製造コ
ストを低減することができる。
【0055】図3および図4は、本発明の第2の実施の
形態を開示している。この第2の実施の形態は、主に導
風路4に置かれた模型6を固定するための構成が上記第
1の実施の形態と相違しており、それ以外の構成は、第
1の実施の形態と同一である。そのため、この第2の実
施の形態において、上記第1の実施の形態と同一の構成
部分には同一の参照符号を付して、その説明を省略す
る。
【0056】図3および図4に示すように、風洞試験装
置50は、模型6を所望の向きに固定する摩擦ブレーキ
機構71を備えている。この摩擦ブレーキ機構71は、
円盤状の摩擦車72と、この摩擦車72の外周面に押し
付けられる制動子73と、この制動子73を摩擦車72
の外周面に進退させるエアシリンダあるいは油圧シリン
ダのようなアクチュエータ74とを備えている。
【0057】摩擦車72は、模型6の軸6bに同軸状に
取り付けられている。この摩擦車72は、減速機34と
模型6の本体6aとの間に配置され、模型6の軸6bと
一体に回動するようになっている。
【0058】アクチュエータ74は、上記ブラケット3
1に支持されている。このアクチュエータ74は、突没
可能なピストンロッド75を有し、このピストンロッド
75の先端に上記制動子73が連結されている。そのた
め、制動子73は、上記アクチュエータ74によって摩
擦車72の外周面に接する制動位置と、この摩擦車72
の外周面から離脱される制動解除位置とに亘って移動さ
れるようになっている。図4の(B)に示すように、制
動子73およびアクチュエータ74は、模型6の軸6b
よりも空気の流れ方向下流側に配置されている。そのた
め、制動子73が上記制動位置に移動されると、この制
動子73は、空気の流れ方向とは逆方向から摩擦車72
の外周面に押し付けられる。
【0059】なお、アクチュエータ74は、計測室に配
置された操作スイッチ(図示せず)によって動作される
ようになっている。このような構成の風洞試験装置50
によると、模型6や角度表示板19は、カメラ58によ
って監視され、模型6の向きや回動角度が計測室のモニ
ター60に表示されている。そのため、上記第1の実施
の形態と同様に、模型回動機構32を通じて模型6の回
動角度を自動的に変えることができ、模型6の向きを手
作業で変える場合に比べて試験要員を減らすことができ
る。
【0060】模型6を所望の向きに固定するには、計測
室からの遠隔操作によりアクチュエータ74を動作さ
せ、そのピストンロッド75を介して制動子73を制動
位置に移動させる。このことにより、制動子73が摩擦
車72の外周面に強固に押し付けられて、これら摩擦車
72と制動子73との間に摩擦力が発生し、摩擦車72
ひいては模型6の自由な回動が制限される。
【0061】したがって、減速機34のウォームとウォ
ームホイールとの間に多少の遊びが存在しても、模型6
が揺れたりがたつくことはなく、空気の流れを受ける模
型6を所定の向きに確実に固定することができる。この
結果、検出器9a〜9b、11a,11bによって計測
されるデータにばらつきが生じることはなく、高精度な
計測が可能となる。
【0062】しかも、上記構成によると、制動子73
は、空気の流れ方向とは逆方向から摩擦車72の外周面
に接しているので、模型6の固定時には、導風路4の風
下側から摩擦車72を介して模型6の軸6bを支えるこ
とができる。このため、導風路4に置かれた模型6が強
大な風力を受けていても、この模型6の軸6bの荷重負
担を軽減することができる。したがって、模型6を導風
路4により確実に固定でき、空気の流れによる模型6の
揺れを未然に防止することができる。
【0063】また、図5ないし図7は、本発明の第3の
実施の形態を開示している。この第3の実施の形態は、
主に導風路4に置かれた模型6を固定するための構成が
上記第1あるいは第2の実施の形態と相違しており、そ
れ以外の構成は、上記実施の形態と同一である。その
ため、この第の実施の形態において、上記第1および
第2の実施の形態と同一の構成部分には同一の参照符号
を付して、その説明を省略する。
【0064】図3および図4に示すように、風洞試験装
置50は、模型6を所望の向きに固定するためのロック
装置81を備えている。ロック装置81は、ロック盤8
2と、このロック盤82を回動不能にロックする嵌合ピ
ン83と、この嵌合ピン83をロック盤82に接離する
方向に移動させるエアシリンダあるいは油圧シリンダの
ようなアクチュエータ84とを備えている。
【0065】ロック盤82は、模型6の軸6bに同軸状
に取り付けられている。ロック盤82は、減速機34と
模型6の本体6aとの間に配置され、この模型6の軸6
bと一体に回動するようになっている。ロック盤82の
側面には、複数の嵌合孔85が開口されている。これら
嵌合孔85は、軸6bと同心をなす円上において、ロッ
ク盤82の周方向に間隔を存して配置されている。そし
て、嵌合孔85の配置間隔は、模型6を所望の向きにセ
ットする際の回動角度に基づいて決められている。その
ため、嵌合孔85は、軸6bと同軸をなす円上におい
て、この軸6bの中心から所定の角度を割り振った位置
に開口されている。
【0066】図7に示すように、嵌合孔85は、ロック
盤82の一方の側面に開口する第1の開口端85aと、
ロック盤82の他方の側面に開口する第2の開口端85
bとを有している。これら第1および第2の開口端85
a,85bとは、同軸的に向かい合っている。嵌合孔8
5は、第1の開口端85aから第2の開口端85bに進
むに従い口径が順次減少するようなテーパ状をなしてお
り、この嵌合孔85の内面は、緩やかな傾斜面85cと
なっている。
【0067】アクチュエータ84は、上記減速機34の
上面に支持されている。このアクチュエータ84は、ロ
ック盤82に向かって突没可能なピストンロッド87を
有している。ピストンロッド87は、軸6bと平行に配
置されており、このピストンロッド87の延長線上に上
記嵌合孔85が位置されるようになっている。
【0068】上記嵌合ピン83は、ピストンロッド87
の先端部に取り付けられている。この嵌合ピン83は、
上記ロック盤82の嵌合孔85に対応したテーパを有し
ている。そのため、嵌合ピン83は、ロック盤82の方
向に進むに従い外径が順次減少されており、この嵌合ピ
ン83の外周面は、緩やかな傾斜面83aとなってい
る。
【0069】このような嵌合ピン83は、上記アクチュ
エータ84の突没動作により上記嵌合孔85に嵌合され
るロック位置と、この嵌合孔85から引き抜かれるロッ
ク解除位置とに亘って移動されるようになっている。嵌
合ピン83が嵌合孔85に嵌合された状態では、図7の
(B)に示すように、嵌合ピン83の傾斜面83aが嵌
合孔85の傾斜面85cに隙間なく密接し、この嵌合ピ
ン83の耐せん断力により、ロック盤82が回動不能に
ロックされるようになっている。
【0070】なお、上記アクチュエータ84は、計測室
に配置された操作スイッチ(図示せず)によって動作さ
れる。このような構成の風洞試験装置50において、模
型6を所望の向きにセットするには、まず計測室からの
遠隔操作によりモータ33を駆動し、この模型6を所望
の角度にまで回動させる。この際、模型6とロック盤8
2とは、一体に回動されるので、模型6が所望の回動角
度にまで回動されると、ロック盤82の嵌合孔85のう
ちの一つが嵌合ピン83と向かい合い、これら嵌合孔8
5と嵌合ピン83との位置合わせがなされる。
【0071】次に、アクチュエータ84を動作させるこ
とにより、ピストンロッド87をロック盤82に向けて
突出させ、嵌合ピン83をロック位置に移動させる。こ
のことにより、嵌合ピン83がロック盤82の嵌合孔8
5に密に嵌合し、この嵌合ピン83の耐せん断力によっ
てロック盤82の自由な回動が制限される。そのため、
模型6は、所望の角度に回動された姿勢に固定される。
【0072】ロック装置81による模型6の固定を解除
するには、アクチュエータ84のピストンロッド87を
縮め、嵌合ピン83をロック解除位置に移動させる。こ
の移動により、嵌合ピン83が嵌合孔85から引き出さ
れ、ロック盤82による模型6のロックが解除される。
【0073】このような構成によれば、模型6や角度表
示板19は、カメラ58によって監視され、模型6の向
きや回動角度が計測室のモニター60に表示されてい
る。そのため、上記第1の実施の形態と同様に、模型回
動機構32を通じて模型6の回動角度を自動的に変える
ことができ、模型6の向きを手作業で変える場合に比べ
て試験要員を減らすことができる。
【0074】しかも、上記構成によると、嵌合ピン83
と嵌合孔85との嵌合により、模型6の自由な回動が制
限されるので、減速機34のウォームとウォームホイー
ルとの間に多少の遊びが存在しても、模型6が揺れたり
がたつくことはなく、空気の流れを受ける模型6を所定
の向きに確実に固定することができる。この結果、検出
器9a〜9b、11a,11bによって計測されるデー
タにばらつきが生じることはなく、高精度な計測が可能
となる。
【0075】また、ロック盤82の回動は、嵌合ピン8
3の耐せん断力によって制限されるので、嵌合ピン83
と嵌合孔85との嵌合部分にスリップが生じることはな
い。そのため、導風路4に置かれた模型6が強大な風力
を受けても、模型6に揺れやがたつきをが生じることは
なく、この模型6を所望の向きにより確実に固定するこ
とができる。
【0076】さらに、嵌合ピン83および嵌合孔85
は、夫々テーパ状をなしているので、嵌合ピン83が嵌
合孔85の第1の開口端85aに入り込む時点では、嵌
合孔85の口径の方が嵌合ピン83の直径よりも大きく
なっている。そのため、嵌合ピン83が嵌合孔85に嵌
まり込む時に、嵌合ピン83が嵌合孔85の開口縁部に
引っ掛かることはなく、これら嵌合ピン83と嵌合孔8
5との嵌合を確実かつ円滑に行なえるといった利点があ
る。
【0077】
【発明の効果】請求項1に記載した構成によれば、模型
の向きを一切の人手を煩わすことなく自動的に変えるこ
とができ、従来よりも試験要員を減らすことができる。
そのため、風洞試験の省力化が可能となり、人件費に依
存するコストを大幅に低減できる。しかも、モータから
減速機を経て模型に至る回転力伝達経路に多少の遊びが
存在しても、模型が揺れたりがたつくのを防止でき、空
気の流れを受ける模型を所望の向きにしっかりと固定す
ることができる。したがって、検出器によって検出され
るデータにばらつきが生じることはなく、模型に作用す
る各種の力を精度良く計測することができる。
【0078】請求項2に記載した構成によれば、模型の
向きを一切の人手を煩わすことなく自動的に変えること
ができ、従来よりも試験要員を減らすことができる。そ
のため、風洞試験の省力化が可能となり、人件費に依存
するコストを大幅に低減できる。しかも、モータから減
速機を経て模型に至る回転力伝達経路に多少の遊びが存
在しても、模型が揺れたりがたつくのを防止でき、空気
の流れを受ける模型を所望の向きにしっかりと固定する
ことができる。したがって、検出器によって検出される
データにばらつきが生じることはなく、模型に作用する
各種の力を精度良く計測することができる。さらに、電
磁式ディスクブレーキは、複雑でかつ大掛かりな油圧配
管を必要としないので、この電磁式ディスクブレーキを
模型の軸に無理なく組み込むことができる。したがっ
て、既存の風洞試験装置をそのまま利用することがで
き、製造コストの低減が可能となる。
【0079】請求項3に記載した構成によれば、模型の
向きを一切の人手を煩わすことなく自動的に変えること
ができ、従来よりも試験要員を減らすことができる。そ
のため、風洞試験の省力化が可能となり、人件費に依存
するコストを大幅に低減できる。しかも、モータから減
速機を経て模型に至る回転力伝達経路に多少の遊びが存
在しても、模型が揺れたりがたつくのを防止でき、空気
の流れを受ける模型を所望の向きにしっかりと固定する
ことができる。したがって、検出器によって検出される
データにばらつきが生じることはなく、模型に作用する
各種の力を精度良く計測することができる。
【0080】さらに、この構成によれば、導風路の風下
側から摩擦車を介して模型の軸を支えることができるの
で、この模型の軸が強大な風力を受けていても、この軸
の荷重負担を軽減することができる。したがって、導風
路に置かれた模型をより確実に固定することができ、空
気の流れによる模型の揺れを防止して、高精度な計測が
可能となる。
【0081】請求項4に記載した構成によれば、模型の
向きを一切の人手を煩わすことなく自動的に変えること
ができ、従来よりも試験要員を減らすことができる。そ
のため、風洞試験の省力化が可能となり、人件費に依存
するコストを大幅に低減できる。しかも、モータから減
速機を経て模型に至る回転力伝達経路に多少の遊びが存
在しても、模型が揺れたりがたつくのを防止でき、空気
の流れを受ける模型を所望の向きにしっかりと固定する
ことができる。したがって、検出器によって検出される
データにばらつきが生じることはなく、模型に作用する
各種の力を精度良く計測することができる。さらに、こ
の構成によれば、ロック盤の回動は、嵌合ピンの耐せん
断力によって制限されるので、嵌合ピンと嵌合孔との嵌
合部分にスリップが生じることはない。したがって、模
型が強大な風力を受けても、この模型が揺れたりがたつ
くことはなく、模型を所望の向きにより確実に固定する
ことができる。
【0082】加えて、嵌合ピンが嵌合孔に嵌まり込む時
に、嵌合ピンが嵌合孔の開口縁部に引っ掛かることはな
く、これら嵌合ピンと嵌合孔との嵌合を確実かつ円滑に
行なうことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態において、模型を固
定する電磁式ディスクブレーキを示す斜視図。
【図2】(A)は、模型を固定する電磁式ディスクブレ
ーキの平面図。(B)は、パッドを有する電磁石とブレ
ーキディスクとの位置関係を示す平面図。
【図3】本発明の第2の実施の形態において、模型を固
定する摩擦ブレーキ装置を示す斜視図。
【図4】(A)は、模型を固定する摩擦ブレーキ装置の
平面図。(B)は、図4の(A)のB−B線に沿う断面
図。
【図5】本発明の第3の実施の形態において、模型を固
定するロック装置を示す斜視図。
【図6】模型を固定するロック装置の平面図。
【図7】(A)は、図6のC−C線に沿う断面図。
(B)は、嵌合ピンが嵌合孔に嵌まり込んだ状態を示す
断面図。
【図8】従来の風洞試験装置の全体を概略的に示す斜視
図。
【図9】(A)は、従来の風洞試験装置において、模型
を固定する固定具を示す斜視図。(B)は、模型を固定
する固定具を示す平面図。
【図10】(A)は、従来の風洞試験装置において、模
型を回動させる模型回動機構の斜視図。(B)は、模型
を回動させる模型回動機構の平面図。
【符号の説明】
4…導風路 6…模型 6b…軸 8a〜8d,10a,10b…吊り線 9a〜9d,11a,11b…検出器 32…模型回動機構 33…モータ 34…減速機 51…電磁式ディスクブレーキ 52…ブレーキディスク 55a,55b…電磁石 56a,56b…パッド 71…摩擦ブレーキ機構 72…摩擦車 73…制動子 74…アクチュエータ 81…ロック装置 82…ロック盤 83…嵌合ピン 84…アクチュエータ 85…嵌合孔
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01M 9/02 G01M 9/06 B09B 25/00

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 空気が流れる導風路と:この導風路に配
    置され、回動中心となる軸を有する模型と;この模型を
    上記導風路に吊り下げて保持する吊り線と;上記模型が
    空気の流れを受けた時に、この模型に生じる各種の力を
    上記吊り線を介して検出する検出器と:モータおよびこ
    のモータに連動する減速機を有し、上記模型を上記軸を
    中心に回動させることにより、空気の流れ方向に対する
    模型の向きを変化させる模型回動機構と;遠隔操作され
    るアクチュエータを有し、上記模型を上記模型回動機構
    によって定められた向きに固定するための固定機構と;
    を備えていることを特徴とする構造物の風洞試験装置。
  2. 【請求項2】 空気が流れる導風路と:この導風路に配
    置され、回動中心となる軸を有する模型と;この模型を
    上記導風路に吊り下げて保持する吊り線と;上記模型が
    空気の流れを受けた時に、この模型に生じる各種の力を
    上記吊り線を介して検出する検出器と:モータおよびこ
    のモータに連動する減速機を有し、上記模型を上記軸を
    中心に回動させることにより、空気の流れ方向に対する
    模型の向きを変化させる模型回動機構と;上記軸上に同
    軸に配置され、上記模型と一体に回動するブレーキディ
    スクと、このブレーキディスクを挾み込むパッドと、こ
    のパッドをブレーキディスクに押圧する電磁石とを有
    し、上記模型を上記模型回動機構によって定められた向
    きに固定するための電磁式ディスクブレーキと;を備え
    ていることを特徴とする構造物の風洞試験装置。
  3. 【請求項3】 空気が流れる導風路と:この導風路に配
    置され、回動中心となる軸を有する模型と;この模型を
    上記導風路に吊り下げて保持する吊り線と;上記模型が
    空気の流れを受けた時に、この模型に生じる各種の力を
    上記吊り線を介して検出する検出器と:モータおよびこ
    のモータに連動する減速機を有し、上記模型を上記軸を
    中心に回動させることにより、空気の流れ方向に対する
    模型の向きを変化させる模型回動機構と;上記軸上に同
    軸に配置され、上記模型と一体に回動する円盤状の摩擦
    車と、この摩擦車の外周面に上記空気の流れ方向とは逆
    方向から押し付けられる制動子と、この制動子を上記摩
    擦車の外周面に対し進退させるアクチュエータとを有
    し、上記模型を上記模型回動機構によって定められた向
    きに固定するための摩擦ブレーキ機構と;を備えている
    ことを特徴とする構造物の風洞試験装置。
  4. 【請求項4】 空気が流れる導風路と:この導風路に配
    置され、回動中心となる軸を有する模型と;この模型を
    上記導風路に吊り下げて保持する吊り線と;上記模型が
    空気の流れを受けた時に、この模型に生じる各種の力を
    上記吊り線を介して検出する検出器と:モータおよびこ
    のモータに連動する減速機を有し、上記模型を上記軸を
    中心に回動させることにより、空気の流れ方向に対する
    模型の向きを変化させる模型回動機構と;上記軸上に同
    軸に配置され、上記模型と一体に回動するロック盤と、
    このロック盤の側面に開口され、上記軸と同心をなす円
    上において周方向に間隔を存して配置された複数の嵌合
    孔と、これら嵌合孔のいずれか一つに取り外し可能に嵌
    合される嵌合ピンと、この嵌合ピンを上記嵌合孔に対し
    進退させるアクチュエータとを有し、上記模型を上記模
    型回動機構によって定められた向きに固定するためのロ
    ック機構と;を具備し、 上記ロック盤の嵌合孔は、上記嵌合ピンが出入りする一
    端と、この一端と向かい合う他端とを有し、この一端か
    ら他端に進むに従い口径が順次減小されるテーパ状をな
    すとともに、 上記嵌合ピンは、上記嵌合孔に対応するようなテーパ状
    をなしていることを特徴とする構造物の風洞試験装置。
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