JP3357820B2 - 接続装置および超電導マグネット - Google Patents

接続装置および超電導マグネット

Info

Publication number
JP3357820B2
JP3357820B2 JP24884697A JP24884697A JP3357820B2 JP 3357820 B2 JP3357820 B2 JP 3357820B2 JP 24884697 A JP24884697 A JP 24884697A JP 24884697 A JP24884697 A JP 24884697A JP 3357820 B2 JP3357820 B2 JP 3357820B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
region
superconductor layer
substrate
disposed
layer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP24884697A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH1186923A (ja
Inventor
六月 山崎
久士 芳野
宏 久保田
由紀 工藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toshiba Corp filed Critical Toshiba Corp
Priority to JP24884697A priority Critical patent/JP3357820B2/ja
Publication of JPH1186923A publication Critical patent/JPH1186923A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3357820B2 publication Critical patent/JP3357820B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Superconductors And Manufacturing Methods Therefor (AREA)
  • Superconductor Devices And Manufacturing Methods Thereof (AREA)
  • Containers, Films, And Cooling For Superconductive Devices (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は接続装置に関し、特
に超電導状態で大電流を流す接続装置に関する。また本
発明は、例えば超電導状態にある回路と常電導状態にあ
る回路とを接続する接続装置に関する。また本発明は超
電導マグネットに関し、特に超電導状態で大電流を流す
ことができかつ断熱性の高い電流リードを備えた超電導
マグネットに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、強い磁場をつくり出す超電導マグ
ネットなどには例えばニオブ系の超電導体等が用いられ
てきた。この超電導体は、液体へリウムかあるいは冷凍
器を併用して冷却する必要がある。液体へリウムは液体
窒素と比較すると比熱が小さくわずかな熱進入でも蒸発
してしまうこと、また高価であることから、ランニング
コストを削減するために断熱に多くの努力が払われてい
る。
【0003】最も大きな熱進入源は液体へリウム中に保
持される超電導体に電流を導入する電流リードである。
従来電流リードには銅を用いてきた。電流リードには大
電流を流すので、ここでの発熱を抑えるためには断面積
を大きくして抵抗を下げる必要がある。しかしながら、
電気伝導率の高い材料は熱伝導率も高いので、それによ
る熱進入は大きくなってしまうという背反した問題が生
ずる。したがって、電流リードに大電流を流し、かつ熱
進入をいかに削減するかが大きな課題であった。
【0004】熱伝導率が小さく大電流を流すことができ
る材料としては、酸化物超電導体が発見された。この酸
化物超電導体材料は、液体窒素温度以上でも超電導を示
し、また焼結体であるため熱伝導率が低い。このためこ
れを電流リードに用いることにより熱進入を減少させる
ことができた。しかしながらこの材料は焼結体であるた
めに臨界電流密度Jc が小さく、通常103 オーダーで
ある。また大電流を流すために酸化物超電導体の断面積
を大きくしたとしても、電流は表面を流れるために実質
的な臨界電流密度Jc はさらに小さくなってしまう。そ
の結果かなり大きな断面積が必要となり、通常100A
程度の電流を流すためには1cm2 程度の断面積が必要
となり、熱進入を効果的に低減することはできなかっ
た。
【0005】焼結して作製した酸化物超電導体の中でも
比較的臨界電流密度が高い材料として、Bi系の超電導
体が知られている。銀シース法を用いて作製したBi系
の超電導体からなる線材は104 A/cm2 のオーダー
の臨界電流密度Jc を有するが、熱伝導率の高い銀が超
電導体表面を覆っているため、熱進入を低減することが
困難であるという問題がある。さらにこの材料は液体窒
素温度程度の温度域では磁場中の臨界電流密度が急激に
低下するという欠点を持っている。したがって超電導マ
グネットの電流リードに用いる場合は磁場がかからない
ような手段を講ずる必要があった。このため超電導マグ
ネットの構成が複雑になるという問題があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明はこのような問
題点を解決するためになされたものである。すなわち本
発明は、臨界電流密度が大きくかつ熱伝導率の小さな
電導線材と電流導入ケーブルとの接続装置を提供するこ
とを目的とする。また本発明は臨界電流密度が大きくか
つ熱進入の小さな電流リードを備えた、高性能でランニ
ングコストの小さな超電導マグネットを提供することを
目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】このような課題を解決す
るため、本発明は下記のような構成を備えたものであ
る。
【0008】
【0009】請求項に記載の本発明の接続装置は、第
1の面と第2の面とを有する第1の基板と、前記第1の
基板の第1の面に配設され、第1の領域と第2の領域と
を有する第1の超電導体層と、前記第1の基板の第2の
面に配設され、第1の領域と第2の領域とを有する第2
の超電導体層と、前記第1の超電導体層の前記第1の領
域と、前記第2の超電導体層の前記第1の領域とに配設
された第1の接続端子と、前記第1の超電導体層の前記
第2の領域と、前記第2の超電導体層の前記第2の領域
とに配設された第2の接続端子とを具備したことを特徴
とする。すなわち請求項に記載の本発明の接続装置
は、基板の両面に酸化物超伝導体を配設し、それぞれの
超電導体層の両端部に接続端子を配設することにより例
えば基板の片面だけに酸化物超伝導体を配設した構成の
接続装置とほぼ等しい熱伝導率で電流容量を2倍にする
ことができる。
【0010】上述した構成の本発明の接続装置は、これ
ら単体で用いることもできるが、これらの構成を積層す
るなど複数組み合わせて用いることができる。請求項
に記載の本発明の接続装置は、第1の面を有する第1の
基板と、前記第1の基板の第1の面に配設され、第1の
領域と第2の領域と前記第1の領域と前記第2の領域と
を隔てる第3の領域とを有する第1の酸化物超電導体層
と、前記第1の酸化物超電導体層の前記第1の領域に配
設された第1の接続端子と、前記第1の酸化物超電導体
層の前記第2の領域に配設された第2の接続端子と、前
記第1の酸化物超電導体層の前記第3の領域に配設さ
れ、第1の面と第2の面とを有する第2の基板と、前記
第2の基板の第1の面に配設され、第1の領域と第2の
領域と前記第1の領域と前記第2の領域とを隔てる第3
の領域とを有する第2の酸化物超電導体層と、前記第2
の酸化物超電導体層の前記第1の領域に配設された第3
の接続端子と、前記第2の酸化物超電導体層の前記第2
の領域に配設された第4の接続端子とを具備したことを
特徴とする。この接続装置は、例えば請求項に記載し
た構成の接続装置を積層して構成したものであり、各層
の第1の接続端子、第2の接続端子が露出するように階
段状に積層したものである。
【0011】請求項に記載の本発明の接続装置は、第
1の面と第2の面とを有する第1の基板と、前記第1の
基板の第1の面に配設され、第1の領域と第2の領域と
を有する第1の超電導体層と、前記第1の基板の前記第
1の面と対向配置された第1の面を有する第2の基板
と、前記第2の基板の前記第1の面に配設され、前記第
1の超電導体の前記第1の領域および前記第2の領域と
それぞれ対向した第1の領域と第2の領域とを有する第
2の超電導体層と、前記第1の超電導体層の前記第1の
領域と前記第2の超電導体層の第1の領域とに配設され
た第1の接続端子と、前記第1の超電導体層の前記第2
の領域と前記第2の超電導体層の第2の領域とに配設さ
れた第2の接続端子と、前記第1の超電導体層と前記第
2の超電導体層の前記第1の接続端子間および前記第1
の超電導体層と前記第2の超電導体層の前記第2の接続
端子間に挟持された可撓性を有する導体層とを具備した
ことを特徴とする。この接続装置も例えば請求項に記
載した構成の接続装置を積層して構成したものであり、
積層された第1の端子間および第2の端子間に例えば銀
箔、インジウム箔などの可撓性を有する導体層を挟持し
たものである。外部回路とに接続は、この導体層を介し
て行うようにすればよい。またこの導体層を束ねること
により各超電導体層と一括接続するようにしてもよい。
【0012】前記第1の超電導体層および前記第2の超
電導体層の膜厚dは、この膜厚dを変化させたときに、
前記第1の超電導体層および前記第2の超電導体層を流
れる超電導電流の臨界電流Ic がほぼリニアに変化する
範囲内にするようにしてもよい。また、前記第1の接続
端子および前記第2の接続端子の厚さtは、前記第1の
超電導体層および前記第2の超電導体層の膜厚dに対し
て、ほぼ 0.1d≦t≦10d の範囲にするようにしてもよい。
【0013】請求項に記載の本発明の超電導体マグネ
ットは、超電導体からなるコイルと、前記超電導体を超
電導状態に保持するように温度が調節され、前記コイル
を収容する第1の容器と、前記第1の容器を収容すると
ともに前記第1の容器を保冷する第2の容器と、前記第
2の容器内に配設され、厚さが1mm以下の基板と、前
記基板上に配設され、第1の領域と第2の領域とを有す
る酸化物超電導体層と、前記酸化物超電導体層の前記第
1の領域に配設された第1の接続端子と、前記酸化物超
電導体層の前記第2の領域に配設された第2の接続端子
とを有する電流リードと、前記電流リードの前記第1の
端子と前記コイルとを接続する超電導体からなる第1の
配線と、前記電流リードの前記第2の端子と接続され前
記第2の容器の外部まで導出された第2の配線とを具備
したことを特徴とする。
【0014】すなわち本発明の接続装置は、熱伝導率の
小さな基板上に酸化物超電導体層を配設し、さらに酸化
物超電導体層の互いに分離した複数の領域に導体層から
なる接続端子を配設したものである。
【0015】基板上に配設する酸化物超電導体層として
は、例えばY1 Ba2 Cu3 7-x、Nd1 Ba2 Cu
3 7-x 、Bi−2212、Bi−2223、Tl−1
223などを用いることができる。臨界電流密度Jc を
高める観点からは、Y1 Ba2 Cu3 7-x が好適であ
る。また超電導体層を配設する基板としては、例えばM
gO、SrTiO3 、LaAlO3 、NdGaO3 、Y
AlO3 、YSZ、サファイアなどを用いることができ
る。熱伝導率が低減しまた、臨界電流密度の高い超電導
体層の成膜性を高めるという点では、基板材料としてS
rTiO3 を用いることが好適である。LaAlO
3 も、SrTiO3 よりは成膜性が低いが比較的臨界電
流密度の高い超電導体層の成膜が容易で、大面積の基板
が得られるという点では好適に用いることができる。こ
のように、基板材料は77Kにおける熱伝導率が5W/
cmK以下、厚さが1mm以下の範囲で必要に応じて用
いるようにすればよい。
【0016】酸化物超電導体層はこれらの基板上に例え
ばスパッタリング方、CVD法、レーザー蒸着法などの
成膜法を用いて、厚さ約1μm以上にわたって成膜する
ようにすればよい。例えば、Y1 Ba2 Cu3 7-x
どの酸化物超電導体層を、その格子定数が最も長い結晶
軸が基板表面に対しほぼ垂直に配向するように成膜する
ようにすればよい。このとき、XRDパターン(X線回
折パターン)に現れる回折ピークの半値幅が1度以下に
なるように、より好ましくは0.5度以下になるように
成膜することが好適である。(103)面のポールフィ
ギュアーに4回対称性が現れ、半値幅が10度以下にな
ると臨界電流密度Jc は1×106 A/cm2 以上とな
り、したがって超電導体層の膜厚が均一であれば成膜面
積に応じて臨界電流は増大することができる。
【0017】このような構成を採用することにより、例
えば超電導体層の幅が約10mm程度あれば、約100
A程度以上の電流を流すことができる。この場合熱進入
の主要な原因は基板にあるから、基板は必要な強度を維
持できる範囲でできるだけ薄くする方が好ましいが、例
えば基板の厚さを約1mmとしても、その断面積は0.
1cm2 となり、さらにその熱伝導率は焼結した超電導
体とほぼ同じ程度であることから、熱進入は約1/10
にまで低減する。また基板の厚さを約0.2mmにし、
さらに基板の両面に超電導体層を成膜することにより、
さらに熱伝導率を低減し、臨界電流密度を大きくするこ
とができる。例えば焼結体を用いた場合と比較して熱進
入は約1/100にまで低減することができる。また電
流は超電導体層の膜厚を大きくすることでもさらに増や
すことができる。しかしながら、基板上に成膜する超電
導体層の膜厚が10μm以上になると、前述した焼結体
の場合と同様に電流が表面を流れてしまう傾向が大きく
なるため臨界電流がリニアに増えない上、ヒートショッ
クなどで剥がれやすくなる。したがって超電導体層の厚
さは約10μm程度以下に設定することが好適である。
【0018】このようにして基板上に配設した超電導体
層上の第1の領域と第2の領域に例えばAg、Cu、A
u、Al、Ptあるいはこれらの合金等の導体からなる
接続端子を積層成膜する。第1の領域と第2の領域と
は、基板の両端に形成するようにしてもよいし、これ以
外の部分に配設するようにしてもよい。この接続端子の
厚さは、超電導体層に流す電流の大きさ等によって設定
するようにすればよいが、超電導体層の厚さdに対して
約0.1d以上10d以下程度の厚さに設定することが
好適である。約0.1d以下ではこの接続端子を構成す
る導体層での発熱か生じてしまう。また約10d以上で
は超電導体層から剥がれ易くなるので好ましくない。
【0019】さらに、例えば接続端子を成膜した後、酸
素分圧が約10Torr以上の雰囲気中で約200℃〜
800℃程度の温度範囲でアニールするようにすれば、
接続端子の接触抵抗を低減することができる。さらに好
ましくは超電導体を成膜した後に大気にさらすことなく
接続端子を連続的に成膜するようにするとよい。これに
より接触抵抗をさらに低減することができる。ただし超
電導体層を成膜した後、基板温度が約600℃以下、よ
り好ましくは約400℃以下、さらに好ましくは約20
0℃以下程度まで低下してから接続端子となる導体層を
成膜することにより、より緻密で電気抵抗の低い導体層
を得ることができる。接続端子をあまり高い温度で成膜
すると、蒸着粒子が凝集して粒成長しやすく、その際に
形成される粒界のために電気抵抗が高くなるので好まし
くない。
【0020】このように配設した接続端子を介して、半
田等を用いて電流導入用ケーブルあるいは超電導線材を
接合することにより、熱進入を小さく抑制しながら大き
な電流を流すことができる。また接触抵抗も非常に小さ
くなり発熱量も大幅に低減する。
【0021】従来、酸化物超電導体の焼結体を電流リー
ドに用いた場合、超電導線材、及び電流導入ケーブルと
の接合部分における接触抵抗が大きいという問題があっ
たが、本発明では、超電導体層上に導体層からなる接続
端子を配設することによりこの問題を解決することがで
きた。また本発明の構成では交流電流を流しても基板が
電気絶縁体であるので交流損失が実質的になくすること
ができるという利点も有している。
【0022】また、基板の両面に超電導体層を成膜する
ことにより、電流リード全体の熱容量をほとんど変える
ことなく電流容量を2倍に増やすことができる。
【0023】また、このような基板上に超電導体層を配
設した構成の接続部を複数積層して用いることにより電
流容量をさらに増やすことができるだけでなく、機械的
強度も大きくすることができる。
【0024】
【発明の実施の形態】以下に本発明についてさらに詳細
に説明する。
【0025】(実施形態1)図1は本発明の接続装置の
構造の例を概略的に示す図である。この接続装置は、基
板11と、この基板上に配設された例えばY1 Ba2
3 7-x などからなる酸化物超電導体層12と、この
酸化物超電導体層12の第1の領域12aおよび第2の
領域12bとに配設された第1の接続端子13aと第2
の接続端子13bとを具備したものである。上述のよう
に、基板11は77Kにおける熱伝導率が5W/cmK
以下、厚さが約1mm以下に設定している。また酸化物
超電導体層12はその格子定数の最も大きな結晶軸が、
基板11の表面の法線方向とほぼ平行になるように成膜
して配設されている。
【0026】このような構成を採用することにより、本
発明の接続装置においては基板からの熱侵入を低減する
とともに、電流容量を増大することができる。
【0027】(実施形態2)図2は本発明の接続装置の
構造の別の例を概略的に示す図である。この接続装置
は、第1の面と第2の面とを有する第1の基板11と、
第1の基板11の第1の面11aに配設され、第1の領
域12aと第2の領域12bとを有する第1の超電導体
層12と、第1の基板11の第2の面11bに配設さ
れ、第1の領域15aと第2の領域15bとを有する第
2の超電導体層15と、第1の超電導体層12の第1の
領域12aと、第2の超電導体層15の第1の領域15
aとに配設された第1の接続端子13aと、第1の超電
導体層12の第2の領域12bと、第2の超電導体層1
5の第2の領域15bとに配設された第2の接続端子1
3bとを具備したものである。なおこの例では、第1の
超電導体層12と第2の超電導体層15とは同一の酸化
物超電導体により形成されているが、異なる超伝導体で
成膜するようにしてもよい。
【0028】このように基板11の両面に超電導体層1
2、15を成膜することにより、電流リード全体の熱容
量をほとんど変えることなく電流容量を2倍に増やすこ
とができる。
【0029】このように本発明の接続装置は基板上に超
電導体層を配設しさらに超電導体層上に接続端子を配設
したものである。そして、図1および図2に例示した構
成を基本単位としてこれらを複数積み重ねるなどするこ
とによりさらに大きな電流を流すことができる。
【0030】(実施形態3)図3は本発明の接続装置の
構成の別の例を概略的に示す図である。この接続装置
は、図1に例示した本発明の接続装置を基本単位として
複数積層したものであり、第1の面を有する第1の基板
11と、第1の基板11の第1の面に配設され、第1の
領域12aと第2の領域12bと第1の領域12aと第
2の領域12bとを隔てる第3の領域12cとを有する
第1の酸化物超電導体層12と、第1の酸化物超電導体
層12の第1の領域12aに配設された第1の接続端子
13aと、第1の酸化物超電導体層12の第2の領域1
2bに配設された第2の接続端子13bと、第1の酸化
物超電導体層12の第3の領域12cに配設され、第1
の面と第2の面とを有する第2の基板21と、第2の基
板21の第1の面に配設され、第1の領域21aと第2
の領域21bとを有する第2の酸化物超電導体層22
と、第2の酸化物超電導体層22の第1の領域21aに
配設された第3の接続端子23aと、第2の酸化物超電
導体層22の前記第2の領域22bに配設された第4の
接続端子23bとを具備したものである。
【0031】図3に例示した本発明の接続装置は、電流
導入ケーブル及び超電導線材などの外部回路との接合面
を確保するために、例えば図1に例示したような構造を
有する本発明の接続装置を、接続方向の両端部が階段状
の段差を段差を有するように、長さの異なる基板を積層
するようにしたものである。なおここでは2層に積層し
た構成を例示しているが、さらに複数層積層するように
してもよい。図4は本発明の接続装置の構造の別の例を
概略的に示す図であり、第1の基板11の一方の面側に
同一構成の接続装置をさらに2層、他方の面にもさらに
2層積層して電流容量を大きくしたものである。
【0032】このような構成を採用することにより、本
発明の接続構造を複数積層した場合でも、各超電導体層
と容易に接続することができる。
【0033】(実施形態4)図5は本発明の接続装置の
構成の別の例を概略的に示す図である。この接続装置
は、図1に例示した本発明の接続装置の構成を基本単位
として、端部に段差をつけることなく積層したものであ
る。接続端子13a、13bとの接続を確保するため
に、例えばAg、Au、Cu、Al、Pt、In、Sn
などからなる電気抵抗が1×10-5Ω・cm以下の導電
性箔41を介して複数の接続装置を積層している。すな
わち、第1の領域12aに配設された第1の接続端子1
3aと、第2の領域12bに配設された第2の接続端子
13bと、その上に積層される同じ構成を有する基板1
1との間に、厚さが約5μm〜1mm程度、好ましくは
約10μm〜100μm程度ののAg、Au、Cu、A
l、Pt、In、Snなどからなる電気抵抗が1×10
-5Ω・cm以下の導電性箔41を挟んで積層している。
【0034】この導電性箔41と超電導体層12上に積
層した接続端子13とを接合した時の接触抵抗をさらに
小さくするために、例えば銀ペーストなどの導電性流体
あるいは導電性接着剤を介在させて接合するようにして
もよい。あるいは導電性箔を第1の導電性箔41と第1
の導電性箔41より融点が低い材料からなる第2の導電
性箔41との積層構造にして、接続端子と第1の箔の間
に第2の導電性箔41が挟持されるように配設し、第2
の箔の融点程度に加熱するようにしてもよい。この方法
を用いれば、図2に例示したような基板の両面に超電導
体層を成膜した接続装置も接合することもでき、熱容量
を増やすことなく電流容量を増やすことができる。
【0035】このようにして作製した超電導部材は耐環
境性及び機械的強度向上のため熱伝導率の低い樹脂たと
えばテフロン、ポリイミド、ポリエチレン、エポキシ樹
脂など、あるいはアルミナ、シリカなどのセラミクスで
封止して一体化することが好ましい。また封止しないま
でも熱伝導率の低いセラミクス等で補強するようにすれ
ばよい。一方、なんらかの原因で電流が流れすぎ、この
部材の臨界電流値を越えたために、ここからクエンチす
ることは好ましくない。従ってこの超電導部材にはこの
部材の臨界電流の少なくとも80%以下好ましくは50
%以下の臨界電流を有する超電導線材を接続して機器を
構成することが望ましい。以上に述べたように、本発明
による超電導部材は大電流を流しても発熱がない上、断
面積及び熱伝導率が小さく、熱を伝えにくいので電流導
入ケーブルと超電導線材をつなぐ部材として用いること
により熱進入を大幅に低減することができる。
【0036】(実施形態5)図6は本発明の接続装置の
構造の別の例を概略的に示す図である。この接続装置1
00は例えば図2に例示した構成の本発明の接続装置を
複数積層したものである。すなわちこの接続装置は、図
2に例示した構成の接続装置を複数積層したものであ
り、第1の面11aと第2の面11bとを有する第1の
基板11と、第1の基板11の第1の面11aに配設さ
れ、第1の領域12aと第2の領域12bとを有する第
1の超電導体層12と、第1の基板11の第1の面11
aと対向配置された第1の面21aを有する第2の基板
21と、第2の基板21の第1の面21aに配設され、
第1の超電導体12の第1の領域12aおよび第2の領
域12bとそれぞれ対向した第1の領域15aと第2の
領域15bとを有する第2の超電導体層15と、第1の
超電導体層12の第1の領域12aと第2の超電導体層
15の第1の領域15aとに配設された第1の接続端子
13aと、第1の超電導体層12の前記第2の領域12
bと第2の超電導体層15の第2の領域15bとに配設
された第2の接続端子13bと、第1の超電導体層12
と第2の超電導体層15の第1の接続端子13a間およ
び第1の超電導体層12と第2の超電導体層15の第2
の接続端子13b間に挟持された導電性箔41とを具備
したものである。
【0037】このような構成を採用することにより、例
えば図5に例示した本発明の接続装置と比較して接続装
置全体の熱容量をほとんど変えることなく電流容量を2
倍に増やすことができる。
【0038】(実施形態6)図7は本発明の接続装置の
構造のさらに別の例を概略的に示す図である。
【0039】この接続装置は、石英からなる基材31の
両面に、例えば図3に例示した構成の本発明の接続装置
を配設したものである。なおここでは基材を中空構造に
して接続装置全体の機械強度を向上するとともに、基材
全体の熱伝導率が増大するのを抑制している。
【0040】このような構成を採用することにより超電
導体層を形成する基板を基材を用いない場合よりも薄く
することができる。したがって基板による熱進入を低減
することができる。
【0041】(実施形態7)図8は上述したような構成
を有する本発明の接続装置100を用いて非超伝導体配
線(銅線)61と超電導線62とを接続した様子を概略
的に示す図であり、図8(a)は全体の構成を概略的に
示す図であり、図8(b)は接続装置100と配線6
1、62との接続部を拡大して示す図である。ここでは
図6に例示した本発明の接続装置を用いて接続した構成
を示している。
【0042】なお超電導線62は例えば超電導マグネッ
トなどの超電導体状態にある系と接続されており、した
がって超電導線62も例えば液体ヘリウムなどにより7
7Kより低い温度に冷却されている。また銅線61は例
えば超電導マグネットに電力を供給する電源のような非
超電導系と接続されている。
【0043】第1の接続端子13a間から引き出された
導電性箔41は束ねられて銅からなる接続部材63と接
続されている。また接続装置100と接続部材63とは
端子台65に接着剤、ナットなどで固定されている。導
電性箔41と接続部材63との間の接続は半田64によ
り行った構成を例示しているが、ナットなどにより機械
的に固定するようにしてもよい。 (実施形態9)図9は本発明の接続装置の構成のさらに
別の例を概略的に示す図である。この接続装置は、図2
に例示した本発明の接続装置を基本単位として図3に例
示した本発明の接続装置のように端部に段差をつけて複
数積層したものである。図3に例示した本発明の接続装
置では、基板の一方の面のみに超電導体層を配設した構
成を基本単位として積層しているが、図9に例示した構
成では基板の両面に超電導体層を積層した構成を基本単
位として階段状に積層している。このような構成を採用
することにより、例えば図3に例示した本発明の接続装
置と比較して(電流容量/熱伝導率)のアスペクト比を
ほぼ2倍に大きくすることができる。
【0044】(実施形態10)図10は本発明の超電導
マグネットの構造を概略的に示す図であり、図11は図
10に例示したような超電導マグネットの構成を模式的
に示す図である。この超電導マグネットは、例えばNb
Tiなどの超伝導体からなる超電導コイル50と、超電
導コイル50が超電導状態に保持されるように冷却する
液体ヘリウムが充填された第1の容器51と、第1の容
器51を収容するとともに第1の容器51を保冷する第
2の容器52と、第2の容器内52に配設され、基板1
1と、この基板11上に配設された第1の領域12aと
第2の領域12bとを有する酸化物超電導体層12と、
酸化物超電導体層12の第1の領域12aに配設された
第1の接続端子13aと、第2の領域12bに配設され
た第2の接続端子13bとを有する接続装置100と、
接続装置100の第1の端子13aと超電導コイル50
とを接続する超伝導体からなる第1の配線53と、接続
装置100の第1の端子13aと接続され第2の容器5
2の外部まで導出された第2の配線54とを具備したも
のである。
【0045】第1の容器51にはヘリウム注入管55に
より外部から液体ヘリウムが導入され約4.2K程度に
冷却されている。蒸発したヘリウムは、回収管56によ
り回収され再利用される。超電導コイル50に電源60
からの電力を供給する配線は回収管56の内部に収容す
るようにしてもよい。なお第2の容器52内には液体窒
素が導入され、第1の容器51を保冷している。なお、
57は磁束計、58は液体ヘリウムの液面計、59は第
1の容器51、第2の容器52を収容するクライオスタ
ットである。本発明の超電導マグネットにおいては、外
部から電源を供給する配線61と、超電導マグネット5
0と接続された超電導配線62との接続とを、上述した
ような構成を有する本発明の接続装置100により接続
することにより、第1の容器51内への熱侵入を大幅に
低減するとともに、電流容量を大きくすることができ
る。したがって、例えば液体ヘリウムなどの冷媒の消費
量を大幅に低減し、超電導マグネットの運転コストを低
下することができた。
【0046】(実施形態11)幅10mm、長さ100
mm、厚さ0.2mmのSrTiO3 からなる基板11
を平行移動させながら、その上にレーザー蒸着法を用い
てYBCOからなる酸化物超電導体層12を成膜した。
同一方向に一定速度で移動させる場合には移動速度を1
cm/minにすることにより1μmの膜厚が得られ
る。また往復運動の場合は10cm/minの移動速度
で5往復させると同じ膜厚が得られる。
【0047】成膜条件は、基板温度750℃、酸素分圧
0.5Torr、酸素流量50sccm、レーザーフル
ーエンス1.5J/cm2 、繰り返し周波数100Hz
で行った。成膜後、酸素を20Torr以上の圧力にな
るまてチャンバー内に導入し基板温度が200℃になる
まで放置した。
【0048】次にチャンバー内を10-6Torrのオー
ダーまで減圧し、ターゲットを銀に変えてレーザー蒸着
法により超電導体層12の両端から10mmの領域に厚
さ500nmの銀を積層し、接続端子13a、13bを
配設した。この時のレーザーフルーエンスはYBCOを
成膜した時と同じてあるが、繰り返し周波数は200H
zにして成膜した。
【0049】このようにして得られた本発明の接続装置
100の臨界電流は200Aであった。その一端に電源
60につないだ銅線61を、もう一端にコイル上に巻い
たNiTiからなる超電導線材62をそれぞれ半田付け
して図10、図11に例示した超電導マグネットを作製
し、100Aの電流を供給したところ約5Tの磁場を発
生した。
【0050】この超電導マグネットにおいては断熱漕内
にある超電導線材と大気中にある送電ケーブルが、断面
積が小さく熱が伝わりにくい本発明の接続装置により接
続されているため熱進入が非常に少なくすることができ
る。また部材の電気抵抗はゼロてあるばかりでなく接合
部分での接触抵抗が低いため発熱がほとんどない。その
結果超電導コイルの冷媒として用いた液体へリウムの消
費を大幅に削減することができた。
【0051】(実施形態12)実施形態11と同様の方
法で幅10mm、長さ100mm、厚さ0.2mmのS
rTiO3 基板の両面にYBCOを1μm成膜した。ま
た両端から10mmの領域の超電導体層両面に厚さ50
0nmの銀を積層した。このようにして得られた本発明
の接続装置の一端の両面の銀に銅線を、もう一端に超電
導線材を半田付けして超電導マグネットを作製し、20
0Aの電流を流して10Tの磁場を発生させた。このマ
グネットにおいては断熱漕内にある超電導線材と大気中
にある送電ケーブルが断面積が小さく熱が伝わりにくい
本発明の接続装置を介して接続されているため熱進入が
非常に少ない。またこの部材は、磁場がかかっても超電
導が壊れにくいYBCO膜からできているので、磁力線
の漏れをあまり考慮しなくてもよい。従って設計に自由
度が生まれる。ところで、本発明の接続装置にかなり強
い磁場がかかる場合には、磁力線の向きと、この接続装
置を流れる電流の向きが同じでになるようにすることが
望ましい。それが困難な場合は、磁力線の向きが酸化物
超電導膜面に平行になるようにすることが好適である、
このようにすれば臨界電流の減少を小さくすることがで
きる。
【0052】(実施形態13)実施形態11と同様にY
BCOを成膜した後、酸素を20Torr以上の圧力に
なるまてチャンバー内に導入し基板温度が200℃にな
るまで放置した。次にチャンバー内を10-6Torr台
まて減圧し、ターゲットを銀に変えてレーザー蒸着法に
より超電導体層の両端から10mmの領域に厚さ500
nmの銀を積層した。その後また酸素を20Torr以
上の圧力になるまでチャンバー内に導入し、この部材を
400℃以上の温度になるまで加熱し、一定温度下で1
時間保持した。このようにして作製した本発明の接続装
置においては超電導体層と銀の膜との接触抵抗をさらに
低減させることがてきた。
【0053】(実施形態14)実施形態11と同様に幅
10mm、厚さ0.2mm、長さが100mm、90m
m及び80mmの基板に各2枚づつYBCOを1μm成
膜した。その後各部材の両端部分のYBCO膜上に少な
くとも長さ5mm以上、10mm程度の範囲に銀を50
0nm蒸着した。これらの各部材を例えば図4に例示し
たように端部をずらして重ね、相互に接着剤を用いて接
着した。このようにして得られた本発明の接続装置の一
端に銅線61を、もう−端に超電導線材62を半田付け
してボア径が1mのMRI用超電導マグネットを作製
し、600Aの電流を供給したところ約1.5Tの磁場
を発生させることができた。
【0054】このマグネットにおいては断熱漕内にある
超電導線材と大気中にある送電ケーブルが、断面積が小
さく熱が伝わりにくい本発明の接続装置を介して接続さ
れているため熱進入が非常に少ない。また部材の電気抵
抗はゼロであるばかりでなく接合部分での接触抵抗が低
いため発熱がほとんどない。その結果このような大電流
を流しても冷媒の液体へリウムの消費が少なくすること
ができた。
【0055】(実施形態15)実施形態14と同様に幅
10mm、厚さ0.2mm、長さが100mm、90m
m、及ひ80mmの基板に各2枚づつYBCOを1μm
成膜した。その後各部材の両端部分のYBCO膜上に少
なくとも長さ5mm以上、10mm程度の範囲に銀を5
00nm蒸着した。これらの各部材を図7のように厚さ
1mmの石英からなる基材31の両面に長い部材から順
に重ね、接着剤を用いて接着した。
【0056】このようにして作製した本発明の接続装置
においては石英の熱伝導率が小さいため熱進入はさほど
増えることなく機械的強度が向上した。
【0057】(実施形態16)実施形態11と同様の成
膜条件て幅10mm、厚さ0.2mm長さ100mmの
SrTiO3 からなる基板11の両面にYBCOを1μ
m成膜した後、端から10mmの領域の両面に接続端子
13a、13bとして銀を約500nm成膜した。次に
図6に示すように幅10mm長さ20mm、厚さ20μ
mの銀箔を10mm程度はみ出させて各本発明の接続装
置間に挟み、圧着した。さらにはみ出した銀からなる導
電性箔41を束ねて端子台65上に固定し、一端に超電
導線材62をもう一端に送電ケーブルの銅線61を半田
付けした。
【0058】この方法により基板11の両面に成膜した
超電導体に電流を流すことができるので、熱侵入をほと
んど増やすことなく臨界電流を2000Aに増大するこ
とができた。
【0059】(実施形態17)実施形態11と同様の成
膜条件て幅10mm、厚さ0.2mm、長さ100mm
のSrTiO3 基板5枚の両面にYBCOを1μm成膜
した後、端から10mmの領域の両面に銀を1μm成膜
した。
【0060】次に図6に示すように幅10mm、長さ2
0mm、厚さ20μmの銀からなる導電性箔41を10
mm程度はみ出させて各本発明の接続装置間に挟み、圧
着した。この時導電性箔41間に厚さ20μm程度のI
nからなる第2の導電性箔41bを挟んでおき、200
℃程度に加熱した。このようにすることにより低融点の
Inからなる第2の導電性箔41bが溶融し、常温に戻
した時には固まって銀からなる導電性箔41どうしをを
接着するので接触抵抗を無くすことができる。このとき
溶融したInが超電導体層12と接触すると、超電導体
層12の特性が劣化してしまうので注意が必要である。
ここでは超電導体層12上に成膜した銀からなる接続端
子を厚くすることにより超電導体層を第2の導電性箔か
ら保護している。
【0061】次にはみ出した導電性箔41を東ねて端子
台65上の銅からなる接続部材63上に固定し、一端に
超電導線材62をもう一端に送電ケーブルの銅線61を
半田付けした。このような構成を採用することにより、
基板11の両面に成膜した超電導体12に電流を流すこ
とができ臨界電流を2000Aにまで大きくすることが
できた。また接続端子部での接触抵抗が無いため、この
部分での発熱を実質的になくすることができた。その結
果このような大電流を流しても冷媒の液体へリウムの消
費が少なくすることができた。
【0062】(実施形態18)実施形態11と同様に幅
10mm、厚さ0.2mm、長さが100mmの基板1
枚及び長さ90mmと80mmの基板各2枚の両面にY
BCOを1μm成膜した。その後各部材の両端部分のY
BCO膜上に少なくとも長さ5mm以上、10mm程度
の範囲に接続端子13a、13bとして銀を500nm
蒸着した。これらの各部材を例えば図9に例示したよう
に端部をずらして重ねて圧着した。この時超電導体層1
2同士が貼り合わされる面において、基板の長さが長い
ほうの基板11上に設けられた接続端子13の面積を短
いほうの基板11上に設けられた接続端子13の面積よ
り広くしておき、短いほうの基板11上に設けられた接
続端子13の面積の少なくとも10%以上、好ましくは
50%以上、さらに好ましくは80%以上を、対向する
面に設けられた接続端子と接触させた。
【0063】このようにして作製した本発明の接続装置
においては露出している接続端子13の1カ所に電流導
入のための銅線61あるいは超電導線62を接続する
と、2枚の超電導体層12面に電流を流すことができ
る。接続端子どうしを導電性ペーストや銀、Inなどの
導電性箔を挟んで圧着するようにしてもよい。なお、こ
の超電導マグネットを、例えば磁気浮上列車、超電導回
転機、MHD発電機、核融合炉、超電導送電、磁気分
離、船舶推進に適用するようにすれば、これらの運転コ
ストを低減することができる。
【0064】
【発明の効果】以上説明したように本発明の接続装置に
よれば、外界からの熱進入を最小限にして極低温に冷却
された超電導体に大電流を導入することができる。かつ
自らの発熱がない本発明の接続装置を提供することがで
きる。また接触抵抗も非常に小さくすることができ発熱
量も大幅に低減することができる。したがって、高価な
液体ヘリウムなどの冷媒の消費量を低減することができ
る。また本発明の接続装置においては、基板の両面に超
電導体層を成膜することにより、接続装置全体の熱容量
をほとんど変えることなく電流容量を2倍に増やすこと
ができる。さらに、本発明の接続装置を複数積層して用
いることにより電流容量をさらに増やすことができるだ
けでなく、機械的強度も大きくすることができる。
【0065】本発明の超電導マグネットによれば、断熱
容器内に保持された超電導線と大気中にある送電ケーブ
ルとを、断面積が小さく熱伝導率の小さい接続装置を介
して接続しているため、熱進入を非常に小さくするとと
もに、電流容量を大きくすることができる。また電流は
酸化物超電導体層を介して流れるから電気抵抗はゼロで
あるばかりでなく、接続端子部での接触抵抗も極めて小
さいため発熱をほとんどなくすることができる。したが
って大電流を流しても冷媒の消費を少なくすることがで
き、超電導マグネットの運転コストを低減することがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の接続装置の構造の例を概略的に示す
図。
【図2】本発明の接続装置の構造の別の例を概略的に示
す図。
【図3】本発明の接続装置の構造の別の例を概略的に示
す図。
【図4】本発明の接続装置の構造の別の例を概略的に示
す図。
【図5】本発明の接続装置の構成の別の例を概略的に示
す図。
【図6】本発明の接続装置の構造の別の例を概略的に示
す図。
【図7】本発明の接続装置の構造のさらに別の例を概略
的に示す図。
【図8】本発明の接続装置を用いて非超伝導体線と超電
導線とを接続した様子を概略的に示す図。
【図9】本発明の接続装置の構成のさらに別の例を概略
的に示す図。
【図10】本発明の超電導マグネットの構造を概略的に
示す図。
【図11】本発明の超電導マグネットの構成を模式的に
示す図。
【符号の説明】
11…………基板 12…………酸化物超電導体層 12a………第1の領域 12b………第2の領域 12c………第3の領域 13…………接続端子 13a………第1の接続端子 13b………第2の接続端子 15…………酸化物超電導体層 15a………第1の領域 15b………第2の領域 21…………基板 22…………酸化物超電導体層 22a………第1の領域 22b………第2の領域 23a………第1の接続端子 23b………第2の接続端子 31…………基材 41…………導電性箔 50…………超電導コイル 51…………第1の容器 52…………第2の容器 53…………クライオスタット 60…………電源 61…………非超電導線(銅線) 62…………超電導線 63…………接続部材 64…………半田 65…………端子台 100…………接続装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 工藤 由紀 神奈川県川崎市幸区小向東芝町1番地 株式会社東芝 研究開発センター内 (56)参考文献 特開 平7−78640(JP,A) 特開 平3−41782(JP,A) 特開 平3−32830(JP,A) 特開 平2−54881(JP,A) 特開 平1−101676(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01R 4/68 ZAA

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1の面と第2の面とを有する厚さが1
    mm以下の第1の基板と、 前記第1の基板の第1の面に配設され、第1の領域と第
    2の領域とを有する第1の超電導体層と、 前記第1の基板の第2の面に配設され、第1の領域と第
    2の領域とを有する第2の超電導体層と、 前記第1の超電導体層の前記第1の領域と、前記第2の
    超電導体層の前記第1の領域とに配設された第1の接続
    端子と、 前記第1の超電導体層の前記第2の領域と、前記第2の
    超電導体層の前記第2の領域とに配設された第2の接続
    端子とを具備したことを特徴とする超電導線材と電流導
    入ケーブルとの接続装置
  2. 【請求項2】 第1の面を有する厚さが1mm以下の
    1の基板と、 前記第1の基板の第1の面に配設され、第1の領域と第
    2の領域と前記第1の領域と前記第2の領域とを隔てる
    第3の領域とを有する第1の酸化物超電導体層と、 前記第1の酸化物超電導体層の前記第1の領域に配設さ
    れた第1の接続端子と、 前記第1の酸化物超電導体層
    の前記第2の領域に配設された第2の接続端子と、 前
    記第1の酸化物超電導体層の前記第3の領域に配設さ
    れ、第1の面を有する厚さが1mm以下の第2の基板
    と、 前記第2の基板の第1の面に配設され、第1の領域と第
    2の領域と前記第1の領域と前記第2の領域とを隔てる
    第3の領域とを有する第2の酸化物超電導体層と、 前記第2の酸化物超電導体層の前記第1の領域に配設さ
    れた第3の接続端子と、 前記第2の酸化物超電導体層
    の前記第2の領域に配設された第4の接続端子とを具備
    したことを特徴とする超電導線材と電流導入ケーブルと
    の接続装置
  3. 【請求項3】 第1の面を有する厚さが1mm以下の
    1の基板と、 前記第1の基板の第1の面に配設され、第1の領域と第
    2の領域とを有する第1の超電導体層と、 前記第1の基板の前記第1の面と対向配置された第1の
    面を有する厚さが1mm以下の第2の基板と、 前記第2の基板の前記第1の面に配設され、前記第1の
    超電導体の前記第1の領域および前記第2の領域とそれ
    ぞれ対向した第1の領域と第2の領域とを有する第2の
    超電導体層と、 前記第1の超電導体層の前記第1の領域と前記第2の超
    電導体層の第1の領域とに配設された第1の接続端子
    と、 前記第1の超電導体層の前記第2の領域と前記第2の超
    電導体層の第2の領域とに配設された第2の接続端子
    と、 前記第1の超電導体層と前記第2の超電導体層の前記第
    1の接続端子間および前記第1の超電導体層と前記第2
    の超電導体層の前記第2の接続端子間に挟持された可撓
    性を有する導体層とを具備したことを特徴とする超電導
    線材と電流導入ケーブルとの接続装置
  4. 【請求項4】 前記第1の超電導体層および前記第2の
    超電導体層の膜厚dは、この膜厚dを変化させたとき
    に、前記第1の超電導体層および前記第2の超電導体層
    を流れる超電導電流の臨界電流Ic がほぼリニアに変化
    する範囲内にあることを特徴とする請求項1乃至3のい
    ずれか1項に記載の超電導線材と電流導入ケーブルとの
    接続装置。
  5. 【請求項5】 基板の第1の面に第1の領域と第2の領
    域とを有する超電導体層を配設し前記超電導体層の第1
    の領域と第2の領域にそれぞれ接続端子を配設させた接
    続構体の複数を、第1および第2の面を有する補強材の
    前記第1および第2の面に、前記基板の第2の面を前記
    補強材側にして配設してなることを特徴とする超電導線
    材と電流導入ケーブルとの接続装置
  6. 【請求項6】 超電導体からなるコイルと、 前記超電導体が超電導状態に保持されるように冷却する
    温度調節手段を有し、前記コイルを収容する第1の容器
    と、 前記第1の容器を収容するとともに前記第1の容器を保
    冷する第2の容器と、 前記第2の容器内に配設され、厚さが1mm以下の基板
    と、この基板上に配設された第1の領域と第2の領域と
    を有する酸化物超電導体層と、前記酸化物超電導体層の
    前記第1の領域に配設された第1の接続端子と、前記酸
    化物超電導体層の前記第2の領域に配設された第2の接
    続端子とを有する電流リードと、 前記電流リードの前記第1の端子と前記コイルとを接続
    する前記超電導体からなる第1の配線と、 前記電流リードの前記第2の端子と接続され前記第2の
    容器の外部まで導出された第2の配線とを具備したこと
    を特徴とする超電導マグネット。
JP24884697A 1997-09-12 1997-09-12 接続装置および超電導マグネット Expired - Fee Related JP3357820B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP24884697A JP3357820B2 (ja) 1997-09-12 1997-09-12 接続装置および超電導マグネット

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP24884697A JP3357820B2 (ja) 1997-09-12 1997-09-12 接続装置および超電導マグネット

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH1186923A JPH1186923A (ja) 1999-03-30
JP3357820B2 true JP3357820B2 (ja) 2002-12-16

Family

ID=17184299

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP24884697A Expired - Fee Related JP3357820B2 (ja) 1997-09-12 1997-09-12 接続装置および超電導マグネット

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3357820B2 (ja)

Families Citing this family (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4399763B2 (ja) * 2003-02-28 2010-01-20 住友電気工業株式会社 直流用超電導ケーブル線路
JP4652721B2 (ja) * 2004-05-21 2011-03-16 古河電気工業株式会社 超電導コイル
JP5065102B2 (ja) * 2008-03-07 2012-10-31 公益財団法人鉄道総合技術研究所 高温超電導電流リードの製造方法
JP5266852B2 (ja) * 2008-04-15 2013-08-21 富士電機株式会社 超電導電流リード
KR101642878B1 (ko) * 2010-05-20 2016-07-27 연세대학교 산학협력단 대전류 통전용 도체 단말부 및 대전류 통전장치
JP6471625B2 (ja) * 2015-06-25 2019-02-20 新日鐵住金株式会社 超電導通電素子

Also Published As

Publication number Publication date
JPH1186923A (ja) 1999-03-30

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5568361B2 (ja) 超電導線材の電極部接合構造、超電導線材、及び超電導コイル
KR101968074B1 (ko) 전기도금된 안정제 함량을 감소시키는 구조체
US7138581B2 (en) Low resistance conductor, processes of production thereof, and electrical members using same
JP6853267B2 (ja) 第2世代超伝導フィラメント及びケーブル
JP2007266149A (ja) 超電導線材の接続方法及び超電導線材
JPH11144938A (ja) 電流リード装置および冷凍機冷却型超電導マグネット
US5376755A (en) Composite lead for conducting an electrical current between 75-80K and 4.5K temperatures
JP5548441B2 (ja) 超電導接続構造体および超電導線材の接続方法、超電導コイル装置
JP5724029B2 (ja) 超電導電流リード、超電導電流リード装置、および超電導マグネット装置
JP2013012645A (ja) 酸化物超電導コイル及び超電導機器
JP3357820B2 (ja) 接続装置および超電導マグネット
JP2012256744A (ja) 超電導コイル
JP6086852B2 (ja) 酸化物超電導線材、酸化物超電導線材の接続構造体、酸化物超電導線材と電極端子の接続構造体、及びこれを備えた超電導機器、並びにこれらの製造方法
JP6329736B2 (ja) 積層パンケーキ型超電導コイル及びそれを備えた超電導機器
JP5675232B2 (ja) 超電導電流リード
JP2009230912A (ja) 酸化物超電導電流リード
JP2018055990A (ja) 超電導電流リード及び酸化物超電導線材
JP2013074082A (ja) 永久電流スイッチ、およびそれを備える伝導冷却型超電導マグネット装置
US10938128B2 (en) Superconducting interconnects with ultra-low thermal conductivity
JP5614831B2 (ja) 酸化物超電導電流リード
JP2012109254A (ja) 超電導電流リード
JP6707164B1 (ja) 超電導線材の接続構造体及び超電導線材
JP3766448B2 (ja) 超電導電流リード
JPH10188696A (ja) 酸化物超電導線材及びその接合方法
Wesche Milestones in the History of Superconductivity

Legal Events

Date Code Title Description
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20020924

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081004

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081004

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091004

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101004

Year of fee payment: 8

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees