JP3356704B2 - 集塵機 - Google Patents

集塵機

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JP3356704B2
JP3356704B2 JP36947598A JP36947598A JP3356704B2 JP 3356704 B2 JP3356704 B2 JP 3356704B2 JP 36947598 A JP36947598 A JP 36947598A JP 36947598 A JP36947598 A JP 36947598A JP 3356704 B2 JP3356704 B2 JP 3356704B2
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康文 阪田
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昭和風力機械株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は集塵機に係り、詳し
くは、ダストを捕捉するフィルタと、含塵空気を吸引す
ると共に浄化空気を排気するファンと、フィルタから払
い落とされたダストを収容するダスト受けとを備える装
置であって、振動源となるファンを本体下部に配置して
騒音や振動の発生を抑制すると共に、流通する空気によ
って捕集されたダストが舞い上がることのないようにし
た集塵機に関するものである。
【0002】含塵空気からダストを捕捉して浄化した空
気を排気できるようになっている集塵機は、そのケーシ
ングが一般的には直方体等の函状となっている。集塵機
は、例えば工場等においては邪魔にならないように、建
屋の片隅に設置されることが多いからである。そのため
空気排出部が、壁面等に直面しないようにケーシングの
天板等に設けられるので、含塵空気を吸引してフィルタ
へ送ると共に浄化した空気を排気するファンは、一般的
にケーシング内の上部空間に配置される。
【0003】集塵機のケーシング内には、その機能上、
少なくともフィルタが配置される濾過空間とファンが設
置される機械空間とが確保される。そして、各空間を形
成する部屋が左右に並べられたり上下に重ねられるなど
して、一体となっている。このような既存の集塵機にお
いては、濾過空間内に設置される函体の上面にフィルタ
を平面的に配置したものや、フィルタ自体が円筒状をな
し例えば上端が閉止された恰好で配置されるのが一般的
である。
【0004】いずれもフィルタの下方にはフィルタから
払い落とされたダストを受けるトレイが配置されるが、
トレイとフィルタとの間の空間から含塵空気を導入する
ようにエア通路が確保されている。したがって、空気は
トレイの直上部から導入された後に函体もしくはフィル
タ筒内を上昇し、フィルタを通過した空気が濾過空間に
一旦充満される。浄化された空気はダクト等を介してフ
ァンの吸引力により機械空間へ導出され、ケーシングに
設けた空気排出部から外部へ放出される。フィルタに付
着したダストは休止中に払い落とし装置によってトレイ
に落とされ、適宜取り出されて廃棄される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】このようなことから分
かるように、吸引された含塵空気はトレイの上を流れる
ことになるので、捕集されたダストが吸引空気によって
舞い上がる。その舞い上がったダストはフィルタに再度
付着することになり、フィルタの目詰まりが早期に生じ
ることになり、払い落とし操作を頻繁に行わなければな
らなくなるといったように、保守作業の面で問題を抱え
る。
【0006】ところで、ファンは集塵機の中で最も重量
の嵩むものである。それのみならず電動機や羽根車とい
った可動部分を有するので、加振源となる。一方、集塵
機はその機能上空気が流通する空間を多く確保しておか
なければならないため、これがファンによる振動を増幅
させるという問題がある。とりわけ、濾過空間と機械空
間とを上下に配置し上部空間にファンを設置する場合に
は、騒音や振動が大きくなる問題がある。ましてや、重
いファンが上に存在するとケーシングをより一層強固な
ものとしておかなければならず、振動対策も十分に施し
ておくことが要求される。
【0007】本発明は上記の問題に鑑みなされたもの
で、その目的は、集塵機の設置面積を小さくしておくた
めに濾過空間と機械空間を重ねた場合に、振動を可及的
に抑制すると共にケーシングの剛性を抑えておくことが
でき、それによってコストダウンを図ることができるよ
うにすること、捕集されたダストが流通する空気により
舞い上がってフィルタの目詰まりが早まるのを回避し、
常時高い濾過効果を維持させておくことができるように
した集塵機を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、含塵空気を通
過させてダストを捕捉するフィルタと、そのフィルタに
含塵空気を送り込むために吸引すると共に浄化空気を排
気するファンと、フィルタから払い落とされたダストを
収容し廃棄するために取り出すことができるダスト受け
とを備える集塵機に適用される。その特徴とするところ
は、図1および図2を参照して、集塵機が本体5とその
上半部5Aに形成した傾斜面5aに被せられる蓋体6と
を備える。本体5の上半部5Aには、含塵空気が導入さ
れるダストチャンバ8と浄化された空気を流通させるエ
ア通路9とが傾斜面5aに略平行して内部に設けた第一
隔壁10とその第一隔壁上で傾斜面側に向けて立設した
第二隔壁11とで画成されることにより形成される一
方、下半部5Bにはダストチャンバに連なるダスト収集
空間14とエア通路9の下方でダクト15を介して連な
るエア排出空間16とが、平面的に見て曲折する下部隔
壁17(図8を参照)で画成されることにより形成され
る。蓋体6の内部にはダストチャンバ8から出た浄化空
気をエア通路9へ導く中継通路20が形成され、フィル
タ2はダストチャンバ8と中継通路20との境界部分に
傾斜した姿勢で取り付けられる。ファン4はエア排出空
間16に設置され、その吸込口4Aがダクト15に接続
される一方で、排気口4Bはエア排出空間16内で開口
される。そして、ダスト受け3はダスト収集空間14に
出し入れ可能に配置されたバケットであり、ダストチャ
ンバ8から落下したダストを受け取ることができるよう
にしたことである。
【0009】異なる発明の特徴は、図12および図13
を参照して、集塵機が本体とその上半部55Aに被せら
れる蓋体56とを備える。本体の上半部55Aには、含
塵空気が導入されるダストチャンバ58と浄化された空
気を流通させるエア通路59とが上部隔壁61で画成さ
れることにより形成される一方、下半部55Bにはダス
トチャンバ58に連なるダスト収集空間64とエア通路
59の下方で連なるエア排出空間66とが、下部隔壁6
2で画成されることにより形成される。蓋体56の内部
にはダストチャンバ58から出た浄化空気をエア通路5
9へ導く中継通路20が形成され、フィルタ2はダスト
チャンバ58と中継通路20との境界部分に垂直な姿勢
で取り付けられる。ファン54はエア排出空間66に設
置され、その吸込口54Aがエア排出空間66に接続さ
れる一方で、排気口はエア排出空間66内で開口され
る。そして、ダスト受け53はダスト収集空間64に出
し入れ可能に配置されたバケットであり、ダストチャン
バ58から落下したダストを受け取ることができるよう
にしたことである。
【0010】図13に示すように、フィルタ2はダスト
チャンバ58に面して対向して配置され、ダストチャン
バ58とダスト収集空間64とはホッパ部68を介して
連通され、含塵空気を取り入れる空気取入口57がホッ
パ部68を画成する本体ケーシングの側壁に設けられて
いることである。
【0011】図4のように、含塵空気を取り入れる空気
取入通路23が本体ケーシングの側壁からダストチャン
バ8に向かうように設けられ、浄化空気を外部へ排気す
る空気排出口25がエア排出空間16(図2を参照)を
画成する本体ケーシングの側壁に設けられる。
【0012】図1を参照して、ダストチャンバ8とダス
ト収集空間14とはホッパ部18を介して連通され、バ
ケット3の上部開口をホッパ部の下端部に密着させるこ
とができるように、バケットが昇降機構19(図9を参
照)を介して取り付けられている。
【0013】フィルタ2は、本体のダストチャンバ8の
側に取り付けられていてもよいし、図示しないが、蓋体
側の中継通路20の側に取り付けられていてもよい。
【0014】
【発明の効果】本発明によれば、集塵機本体の上半部は
ダストチャンバとエア通路とを主たる構成とし、下半部
に重量の嵩むダスト受けとファンを設置するようにした
ので、全体的に構造が安定し、本体ケーシングの剛性も
過大とならず、ひいてはコストダウンを図った集塵機と
することができる。そして、ファンから発生する振動や
ノイズも空間の多い函体でありながら、それを増幅させ
るようなことも可及的に少なくなる。
【0015】フィルタは上半部に位置するダストチャン
バと蓋体の中継通路との境界部分に設けられるので、フ
ィルタから払い落とされたダストは下半部のバケットに
至って収容される。したがって、払い落とされたダスト
が運転再開時にダストチャンバに導入された含塵空気に
よって舞い上がることはほとんどなく、フィルタの目詰
まりを早めるということもない。
【0016】フィルタの交換も蓋体を開いて引き出すだ
けでよく、保守作業も極めて簡便なものとなる。しか
も、蓋体は上半部に位置していることから、作業者に無
用の負担を与えることもない。
【0017】上半部の例えば前面を傾斜させダストチャ
ンバの空間も傾けておけば、フィルタからダストを払い
落としたとき、そのダストを他のフィルタの上に落とす
ことなくダスト受けに直ちに導入することができ、フィ
ルタの目詰まりの発生を遅らせることができる。
【0018】フィルタを垂直な姿勢で取り付けるように
しておけば、本体ケーシングのスリム化が図られ、狭い
場所でも収まりのよい集塵機となる。もちろん、ダスト
を払い落としたとき下半部に格納されたバケット等に円
滑に収容することができ、流通空気による舞い上がりが
可及的に抑制される。
【0019】フィルタをダストチャンバに面して対向す
るように配置していると集塵面積を大きくしておくこと
ができ、コンパクトな構造でありながら集塵能力を高く
維持させることができる。このような場合でも、空気取
入口はホッパ部を画成する本体ケーシングの側壁に設け
ておくことができるので、設置位置の自由度が高くなる
利点がある。
【0020】空気取入通路を本体ケーシングの側壁から
ダストチャンバに向かうように設けると共に空気排出口
を本体側壁に備えておけば、含塵空気の吸い込みや浄化
した空気の排気のための位置を簡単に振り替えることが
できるようになり、現場の状況に容易に順応して設置す
ることができる。
【0021】ダストチャンバとダスト収集空間とをホッ
パ部を介して連通させ、バケットが昇降機構を介して取
り付けられていれば、バケットの上部開口をホッパ部の
下端部近傍に密着させることができ、気密を維持してダ
ストを収容することが可能となる。
【0022】フィルタをダストチャンバ側に取り付ける
ようにしておけば、蓋体を開けるだけで簡単に取り出
し、また交換することができる。もちろん、フィルタが
蓋体に取り付けられていても同様に機能させることがで
きるだけでなく、蓋体全体を交換すればその作業性はま
すます向上する。
【0023】
【発明の実施の形態】以下に本発明に係る集塵機を、図
面に基づいて詳細に説明する。図3は集塵機の全体を示
した前面図であり、図1は図3中のI−I線矢視断面
を、図2はII−II線矢視断面を表している。
【0024】図1から分かるように、本集塵機1には、
含塵空気を通過させてダストを捕捉するフィルタ2と、
そのフィルタから払い落とされたダストを収容し廃棄す
るために取り出すことができるダスト受け3とが備えら
れ、図2に示すように、含塵空気を送り込むために吸引
すると共に浄化された空気を排気するファン4が設置さ
れている。そして、出し入れ自在なダスト受けと重量の
嵩むファンとは、後述する空間や通路が確保されて全体
で一つのボックスをなしている下部に配置される。
【0025】詳しく述べると、図4に示すように集塵機
は本体5とその上半部5Aに被せられる蓋体6とを備
え、その上半部には前面側に傾斜面5aが形成されてい
る。すなわち、本体ケーシングは、図5のように側面矢
視が三角形をなす上半部5Aとこの上半部に連なる側面
矢視が矩形の下半部5Bとからなっており、全体の正面
矢視は図3のように矩形をなしている。
【0026】一方、蓋体6は図5のように上半部5Aの
傾斜面5aに被せられるもので、本例では上端部にヒン
ジ7が設けられ、図4のように上方へ開くことができる
ようになっている。この蓋体6は薄いもので十分である
が、空気の流通を可能にする空間を確保しておくために
全体的に函状となっている。このような薄い蓋体を本体
ケーシングの上半部5Aに傾斜して被せると、集塵機と
して特異な外観となるだけでなく、後述するフィルタの
配置も従来から存在しない形態となり、それによって捕
捉ダストの払い落としにおいても都合のよいものとな
る。
【0027】内部構造を詳しく述べると、図6を参照し
て、本体の上半部5Aには、含塵空気が導入されるダス
トチャンバ8と浄化された空気を流通させるエア通路9
とが形成される。これは、ダストチャンバ8とエア通路
9とが、図1および図2に示すように傾斜面に略平行し
て内部に設けた第一隔壁10と、この第一隔壁上で垂直
をなし傾斜面側に向けて立設した第二隔壁11(図6を
参照)とで画成されている。すなわち、第一隔壁は側面
から見て傾斜面に略平行しており、第二隔壁は第一隔壁
の前面空間を左右に仕切っている。したがって、これら
各隔壁によって上半部5Aの傾斜面側にはダストチャン
バ8とエア通路9とが左右に並んで形成され、第一隔壁
10の後には三角状の背後空間12(図1および図2を
参照)が残された恰好となっている。
【0028】なお、ダストチャンバ8には後述するごと
くフィルタが並べられるので、図7に示す各フィルタ2
に設けたフランジ部2aの上下縁を載せるためのビーム
が、図6では隠れているが左右へ延びるように配置され
ている。そのフランジ部の左右縁は、図6に示した第二
隔壁11とダストチャンバの左側に少し幅を確保した面
板13に載せられる。
【0029】本体ケーシングの下半部5Bには、ダスト
チャンバ8に連なる図1に示すダスト収集空間14と、
図2に示したエア通路9の下方でダクト15を介して連
なるエア排出空間16とが形成されるが、これらの空間
は、図8に示すように平面的に見て曲折する鉛直姿勢の
下部隔壁17で区画されている。
【0030】ダスト収集空間14には、ダストチャンバ
から落下したダストを受け取る深いバケット3が、本体
ケーシングの前面からダスト収集空間に出し入れ可能に
配置される。そのために、ダストチャンバ8とダスト収
集空間14とは図1のホッパ部18を介して連通された
状態にあり、バケット3は、その上部開口をホッパ部の
下端部近傍に密着させることができるように、ダスト収
集空間14の側部に配置した図9に示す昇降機構19を
介して取り付けられる構造となっている。
【0031】蓋体6の内部には、図1に示すように、ダ
ストチャンバ8から出た浄化空気をエア通路9(図4を
参照)へ導く中継通路20が形成される。本例において
は、次に述べるようにフィルタはダストチャンバ側に取
り付けられるので、この蓋体は単なる函状を形成するに
過ぎないが、本体との合わせ部分には、フィルタの周囲
を押さえておくためのビーム21が設けられる。そし
て、フィルタ2の背面に振動を与えてダストをフィルタ
から払い落とすための公知のシェイキング装置22が設
けられる。
【0032】フィルタはダストチャンバと中継通路との
境界部分に配置されるが、ダストチャンバの表面側に嵌
め込まれるので、傾斜した姿勢で取り付けられた恰好と
なっている。なお、フィルタは例えば図6のごとく襞を
有する公知のもの(図7も参照)が使用される。これが
大きければ一つでもよいが、本例においては四つのフィ
ルタ2A,2B,2C,2Dが上下に配置されている。
【0033】フィルタに含塵空気を送り込むために吸引
すると共に浄化空気を排気するファン4は、図2のよう
にエア排出空間16に設置されている。なお、ファンは
実際には図8のように羽根車ケーシング4aを斜めの姿
勢にして格納される。その吸込口4Aはチューブを介し
て図2のダクト15に接続される一方、排気口4Bはエ
ア排出空間16内で開口されており、このエア排出空間
は第一隔壁10により区画された三角状の背後空間12
と連なった恰好となっているので、排気は本体ケーシン
グの背後部分の広い空間に一旦滞留されることになる。
【0034】なお、含塵空気を取り入れる空気取入通路
23は図4に示すようにエア通路9を横切ってダストチ
ャンバ8を画成する第二隔壁11に臨むダクトによって
確保されるが、その空気取入口24は本体ケーシングの
側壁に設けられる。一方、浄化空気を外部へ排気する空
気排出口25は、エア排出空間を画成している本体ケー
シングの両壁にルーバの形態で与えられている(図3を
参照)。上記の空気取入通路の外部開口は左右いずれの
側壁に設けてもよいが、図4に示した位置とは反対側に
設ける場合には、本体ケーシングに単なる開口を設けて
おくだけで含塵空気を直ちにダストチャンバ8へ導入す
ることができる。
【0035】なお、図9に示したバケット3の昇降機構
19は、図10のような構造となっている。この機構は
バケット3の左右に張り出した支持バー31を介して昇
降させるもので、運転中はフロアから少し持ち上げら
れ、その上端が図1に示したホッパ部18を支える天板
32等に図示しないパッキン材を介して密着され、ダス
トチャンバ8から落ちてきたダストを気密的に収容でき
るようになっている。
【0036】図10を参照して、ダスト収集空間14の
内部側壁にはハンドル33を伴ったリンク機構が設けら
れる。これはハンドルと一体になったL字状レバー34
とコ字状リンク35および揺動アーム36からなる。L
字状レバー34は折れ曲がり部分で、揺動アーム36は
一端部でそれぞれ回動可能に水平ピン37,38によっ
て枢支され、コ字状リンク35の一端はL字状レバー3
4の先端部で、他端は揺動アーム36の中間部でそれぞ
れ回動可能に接続されている。
【0037】常時は図10中に実線で示す位置にハンド
ル33があり、これを図11に実線で示した位置まで上
げると揺動アーム36が下がる。この揺動アームには上
記した支持バー31を載せる凹みが形成されているが、
これが下がるとバケット3も降下する。図のように揺動
アーム36が下がりきると、バケットのキャスタ39が
着地して支持バー31が揺動アームから外れるようにな
っている。
【0038】この状態でバケット3を集塵機本体の前面
へ引き出すことができ、またダストを捨てたバケットを
ダスト収集空間14へ入れることができる。ハンドル3
3を下ろすと揺動アーム36が支持バー31を載せてバ
ケット3を上昇させる。ハンドルを仮想線の位置まで下
ろすとバケット3はホッパ部もしくはその近傍に密着す
る。図10の仮想線の位置は図11のそれと同じである
が、実線の位置までハンドル33をさらに下ろすとL字
状レバー34の先端が中立点を越え、リンク機構にバケ
ットの重みが作用していても、バケットの位置が維持さ
れるようになっている。ちなみに、図8に示した40は
下半部の前面を体裁よく覆うフロントカバーであり、図
6のように門構え状となっている。
【0039】このような集塵機においては、以下のよう
に空気が流通してダストが捕捉される。ファンが稼働す
ると含塵空気は図4の空気取入通路23から吸い込ま
れ、直ちに図1のダストチャンバ8に導入される。空気
がフィルタ2を通過して蓋体6の中継通路20に抜ける
際に、ダストがフィルタに付着して除塵される。浄化空
気は蓋体6内を移動して図6の右方向へ流れ、上半部5
Aに形成したエア通路9に入る。
【0040】空気は図2のエア通路9を下降してダクト
15に至り、チューブを経てファンに吸い込まれる。フ
ァンの排気口4Bから出た空気はエア排出空間16や背
後空間12に充満されるが、その空気は本体ケーシング
に設けた空気排出口であるルーバ25(図5を参照)か
ら排気される。ちなみに、排気口4Bから出た空気は背
後空間12を含む広い空間に向けて放出されることにな
るので、流れが減速されることにより排気振動を伴うこ
となく静かに放出させることができる。
【0041】例えば一日の運転が終了した時点で図1に
示すシェイキング装置22を図3に示したノブ41の押
し引き操作によって、フィルタ2に付着したダストを払
い落とす。ダストは傾斜した第一隔壁10上を滑ってバ
ケット3に収容される。このとき、傾斜姿勢にあるフィ
ルタから落ちるダストは隣のフィルタに載ることはほと
んどなく、フィルタの目詰まりを早めることもない。
【0042】ダストは完全にバケットに落とされるの
で、運転を再開したときダストチャンバ8内を含塵空気
が流通しても、その流れがバケット内に及ぶことがな
く、ダストの飛散は可及的に抑制される。本体5と蓋体
6によって空気が迷路をたどるような流通となっている
ことから、全てのフィルタによって均一に効率よく集塵
することができる。
【0043】フィルタを交換するときは図4のように蓋
体6を開ければ、順次上半部5Aから取り出すことがで
き、交換操作も容易である。空気取入口は本体ケーシン
グのいずれの側にでも設けることができ、設置現場の状
況に応じて選択することができる。図3は右から空気を
取り入れるようにしているので、左の本体ケーシングに
おける空気取入口には盲蓋42が取り付けられている。
バケットの出し入れも前述した昇降機構19にって簡単
になされ、ダストが大量にたまったバケットであっても
キャスタ39によって容易に搬出することができる。
【0044】集塵機はその機能上空間が各所に確保され
たものであるが、重量の嵩むファンやバケットは最下部
に設けられているので、本体が背の高いものとなっても
その安定性はよい。したがって、本体ケーシングの剛性
を過大に設計しておくことも回避される。ファンから振
動が発生しても、地面近くにあることから増幅されるこ
とも少なく、騒音も低減される。
【0045】以上述べた例では、フィルタをダストチャ
ンバ側に取り付けるようにしているが、蓋体すなわち中
継通路側のダストチャンバに対応する箇所に嵌め込むな
どして取り付けることもできる。いずれにしても、フィ
ルタはダストチャンバと中継通路との境界部分に位置し
ていれば、所期の目的を達成することができる。後者の
場合、蓋体を本体から着脱自在なヒンジ結合としておけ
ば、蓋体全体を交換するだけでフィルタの交換も可能と
なり、作業性を一段と向上させることができるようにな
る。
【0046】ちなみに、上半部には傾斜面をなす部分が
片側にのみ形成されているが、本体の後面側にも設ける
といったようにしてもよい。その場合には図1等の構造
が背中合わせの恰好となるので、バケットは前後に二つ
設けるなど適宜の配慮を施せばよい。
【0047】図12は異なる例の集塵機であり、上半部
55Aのダストチャンバ58とエア通路59とが、鉛直
姿勢の上部隔壁61で前後に画成されることによって形
成され、下半部55Bのダスト収集空間64とエア排出
空間66とが、鉛直姿勢の下部隔壁62で画成されてい
る例である。この例の最も特徴的なところは、フィルタ
2A,2B,2C,2Dがダストチャンバ58と後述す
る蓋体56との境界部分に垂直な姿勢で取り付けられて
いることである。
【0048】そのフィルタ2は、図13に示すように、
ダストチャンバ58に面して左右に対向して配置され、
ダストチャンバ58とダスト収集空間64とはホッパ部
68(図12も参照)を介して連通されている。その詳
細な取り付け要領は先の例に準ずるものであるので詳細
な説明は省く。
【0049】この例においても上半部55Aに蓋体56
が設けられるが、上記したようにフィルタが対向した配
置となっている関係上、図13のように左右に各一つの
函体が採用されている。したがって、上半部55Aは直
方体を形成しているが、下半部55Bに比べれば蓋体5
6,56の幅だけ狭くなっている。もちろん、フィルタ
をダストチャンバ58に嵌め込む方式としておいてもよ
いし、蓋体56に予め取り付ける形態としておいてもよ
い。
【0050】図12を参照して、上半部55Aと下半部
55Bとの間に設けられたホッパ部68の背後には水平
な仕切り板63が配置される。しかし、その奥部は開口
していて、下半部55Bの一部の空間をなす縦通路65
がエア通路59に連通されている。この縦通路を形成す
る垂直な仕切り板67にはファン54の吸込口54Aに
導通する孔があけられており、浄化された空気をファン
で吸引できるようになっている。
【0051】なお、バケット53の上部開口をホッパ部
68の下端部近傍に密着させることができるように昇降
機構が設けられていることも先の例と変わりがないが、
含塵空気を取り入れる空気取入口57がホッパ部68を
画成する本体ケーシングの側壁に設けられている。これ
は、フィルタが上記したように対向して配置されている
ことによるのであるが、フィルタが縦一列にのみ配置さ
れる場合には、上半部のケーシングに空気取入口を設け
ておくことができるのは述べるまでもない。
【0052】このような構造の集塵機においても、前述
した例の場合と同様に作動させまたダストを収集して廃
棄することができる。そして、本体ケーシングの一層の
スリム化が図られ、狭い場所でも設置面積を大きく占め
ることなく収めることができる。ましてや、フィルタを
対向配置しておけば集塵能力を増大させながらも装置の
コンパクト化が実現される。空気取入口もホッパ部を利
用するなどしておくことができるので、設置姿勢や向き
に制約が掛かることも少なくなる。
【0053】いずれの例においても蓋体を上半部の前後
面や側面に配置するようにしているが、蓋体を上半部の
上方に配置することも差し支えない。その場合にも、蓋
体には中継通路が確保され、これがダストチャンバとエ
ア通路とに跨がるような構造としておくことは言うまで
もない。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る集塵機の断面を示し、図3のI
−I線矢視におけるダストチャンバとダスト収集空間の
配置を表した構造図。
【図2】 図3のII−II線矢視におけるエア通路とエア
排出空間の配置を表した構造図。
【図3】 集塵機の全体前面図。
【図4】 蓋体を少し開いた状態を示す集塵機の斜視
図。
【図5】 集塵機の一方の側面全体を表した立面図。
【図6】 蓋体を取り除いた状態における本体の前面
図。
【図7】 フィルタの形状の一例を表した概略断面図。
【図8】 本体の下半部における内部構造の平面矢視
図。
【図9】 バケットのための昇降機構とケーシング側面
に設けた空気排気口の一例を示す立面図。
【図10】 昇降機構とその動きの一部を表した機構
図。
【図11】 図10に続く動作を説明する機構図。
【図12】 異なる形態の集塵機の側面から見た内部構
造図。
【図13】 図12中のXIII−XIII線矢視図。
【符号の説明】
1…集塵機、2,2A,2B,2C,2D…フィルタ、
3…ダスト受け(バケット)、4…ファン、4A…吸込
口、4B…排気口、5…本体、5a…傾斜面、5A…上
半部、5B…下半部、6…蓋体、8…ダストチャンバ、
9…エア通路、10…第一隔壁、11…第二隔壁、14
…ダスト収集空間、15…ダクト、16…エア排出空
間、17…下部隔壁、18…ホッパ部、19…昇降機
構、20…中継通路、23…空気取入通路、25…空気
排出口(ルーバ)、53…バケット、54…ファン、5
5A…上半部、55B…下半部、56…蓋体、57…空
気取入口、58…ダストチャンバ、59…エア通路、6
1…上部隔壁、62…下部隔壁、64…ダスト収集空
間、66…エア排出空間、68…ホッパ部。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 阪田 康文 三重県阿山郡伊賀町下柘植字馬場5030 昭和風力機械株式会社内 (56)参考文献 実開 昭49−74752(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B01D 46/00 - 46/54

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 含塵空気を通過させてダストを捕捉する
    フィルタと、該フィルタに含塵空気を送り込むために吸
    引すると共に浄化空気を排気するファンと、前記フィル
    タから払い落とされたダストを収容し廃棄するために取
    り出すことができるダスト受けとを備える集塵機におい
    て、 集塵機は本体とその上半部に形成した傾斜面に被せられ
    る蓋体とを備え、 前記本体の上半部には、含塵空気が導入されるダストチ
    ャンバと浄化された空気を流通させるエア通路とが、前
    記傾斜面に略平行して内部に設けた第一隔壁と該第一隔
    壁上で前記傾斜面側に向けて立設した第二隔壁とで画成
    されることにより形成される一方、下半部には、前記ダ
    ストチャンバに連なるダスト収集空間と前記エア通路の
    下方でダクトを介して連なるエア排出空間とが、平面的
    に見て曲折する下部隔壁で画成されることにより形成さ
    れ、 前記蓋体の内部には、前記ダストチャンバから出た浄化
    空気を前記エア通路へ導く中継通路が形成され、 前記フィルタは、前記ダストチャンバと中継通路との境
    界部分に傾斜した姿勢で取り付けられ、 前記ファンは前記エア排出空間に設置され、その吸込口
    が前記ダクトに接続される一方、排気口は該エア排出空
    間内で開口され、 前記ダスト受けは前記ダスト収集空間に出し入れ可能に
    配置されたバケットであり、ダストチャンバから落下し
    たダストを受け取ることができるようになっていること
    を特徴とする集塵機。
  2. 【請求項2】 含塵空気を通過させてダストを捕捉する
    フィルタと、該フィルタに含塵空気を送り込むために吸
    引すると共に浄化空気を排気するファンと、前記フィル
    タから払い落とされたダストを収容し廃棄するために取
    り出すことができるダスト受けとを備える集塵機におい
    て、 集塵機は本体とその上半部に被せられる蓋体とを備え、 前記本体の上半部には、含塵空気が導入されるダストチ
    ャンバと浄化された空気を流通させるエア通路とが上部
    隔壁で画成されることにより形成される一方、下半部に
    は、前記ダストチャンバに連なるダスト収集空間と前記
    エア通路の下方で連なるエア排出空間とが、下部隔壁で
    画成されることにより形成され、 前記蓋体の内部には、前記ダストチャンバから出た浄化
    空気を前記エア通路へ導く中継通路が形成され、 前記フィルタは、前記ダストチャンバと中継通路との境
    界部分に垂直な姿勢で取り付けられ、 前記ファンは前記エア排出空間に設置され、その吸込口
    がこのエア排出空間に接続される一方、排気口は該エア
    排出空間内で開口され、 前記ダスト受けは前記ダスト収集空間に出し入れ可能に
    配置されたバケットであり、ダストチャンバから落下し
    たダストを受け取ることができるようになっていること
    を特徴とする集塵機。
  3. 【請求項3】 前記フィルタはダストチャンバに面して
    対向して配置され、該ダストチャンバとダスト収集空間
    とはホッパ部を介して連通され、含塵空気を取り入れる
    空気取入口が前記ホッパ部を画成する本体ケーシングの
    側壁に設けられていることを特徴とする請求項2に記載
    された集塵機。
  4. 【請求項4】 含塵空気を取り入れる空気取入通路が本
    体ケーシングの側壁から前記ダストチャンバに向かうよ
    うに設けられ、 浄化空気を外部へ排気する空気排出口が前記エア排出空
    間を画成する本体ケーシングの側壁に設けられているこ
    とを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか一項
    に記載された集塵機。
  5. 【請求項5】 前記ダストチャンバとダスト収集空間と
    はホッパ部を介して連通され、 前記バケットの上部開口を前記ホッパ部の下端部近傍に
    密着させることができるように、該バケットが昇降機構
    を介して取り付けられていることを特徴とする請求項1
    ないし請求項4のいずれか一項に記載された集塵機。
  6. 【請求項6】 前記フィルタは、前記ダストチャンバ側
    に取り付けられていることを特徴とする請求項1ないし
    請求項5のいずれか一項に記載された集塵機。
  7. 【請求項7】 前記フィルタは、前記中継通路側に取り
    付けられていることを特徴とする請求項1ないし請求項
    5のいずれか一項に記載された集塵機。
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