JP3356529B2 - 瓶の中栓 - Google Patents

瓶の中栓

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JP3356529B2
JP3356529B2 JP02969794A JP2969794A JP3356529B2 JP 3356529 B2 JP3356529 B2 JP 3356529B2 JP 02969794 A JP02969794 A JP 02969794A JP 2969794 A JP2969794 A JP 2969794A JP 3356529 B2 JP3356529 B2 JP 3356529B2
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Inventor
政章 植杉
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太一工業株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、瓶口に嵌脱自在に嵌ま
る中栓に関するものである。
【0002】
【従来の技術】この種の瓶の中栓11は、図に示すよ
うに、瓶口Aに密嵌する栓部12aの上端にフランジ1
2bを連接して成る栓体12を合成樹脂にて形成し、こ
の栓体12のフランジ12bに、栓体12の上面を覆う
金属板製の天板13をかしめ付けにて嵌着した構造にな
っている。なお、シール性を向上するために栓部12a
の下部に、アルミ箔等の金属箔14を貼り付けている。
【0003】そして、包装工程では、瓶内に内容物を充
填してから、中栓11を瓶口A内に嵌め込んで(打栓
し)、次いで、薄金属板製の封緘蓋Cを瓶口Aに被嵌
し、この封緘蓋Cのスカート部を瓶口Aの外周面に形成
した環状溝A1に絞り込むことによって封緘するように
している。
【0004】封緘蓋Cのスカート部には、その下端部か
ら上端まで傾斜状に延びる弱化線C1が形成されてお
り、封緘蓋Cを弱化線C1に沿って切り裂いて、封緘蓋
Cを瓶口Aから切除することによって開封するようにし
ていることは周知の通りである。
【0005】また、他の形態の中栓として、図に示す
ように、栓体12のフランジ12aに、瓶口Aに被嵌す
る封緘用のスカート部15を一体的に連接し、このスカ
ート部15の内周面に、瓶口Aの環状溝A1に係合する
半径内向きの環状突起16を形成したものもあり、この
形態のものも広く利用されていることは周知の通りであ
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、これらの中
栓11は瓶を密封するものであるから、密封機能を確実
ならしめるためには、栓部12aの外周面を瓶口Aの内
周面に全周にわたって密着させておく必要があり、その
ためには、栓部12aが瓶口Aにきっちり嵌まるように
しなければならない。
【0007】ところが、栓部12aが瓶口A内にきっち
り嵌まるように形成すると、包装工程での打栓に際し
て、栓部12aと瓶口Aとの間の抵抗によって栓部12
aが座屈変形して、栓部12aが上下方向に押し縮めら
れた状態になってしまう密封不良が発生することがあっ
た。
【0008】この問題を解消するためには、座屈変形を
生じないよう栓部12aの厚さtを厚くすれば良いと考
えられる。しかし、栓部12aの厚さtを厚くすると、
栓部12aの剛性が過度に高くなり過ぎるため、栓部1
2aの外周面が瓶口Aの内周面に密着せずに却って密封
性能が低下するばかりか、瓶口Aからの中栓11の抜き
取りも頗る厄介になると言う問題があった。
【0009】本発明は、密封確実性と瓶口からの抜き取
りの容易性とを損なうことなく、打栓に際しての座屈変
形を防止できるようにした中栓を提供することを目的と
するものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
請求項1の発明は、合成樹脂にて、瓶口内に密嵌する有
底筒状の栓部とその上端に連接したフランジとから成る
栓体を形成し、この栓体のフランジに、当該栓体の上面
を覆う金属板製の天板を嵌着し、前記栓体における栓部
の内周面に、上下方向に延びる多数本の補強リブを、
円周方向に沿って適宜間隔で突設して成る中栓であっ
前記栓部における底板の中央部に上向き突部を形成
する一方、前記多数本の補強リブのうち平面視で十字方
向に位置した補強リブを、その下端が前記底板の上向き
突部にまで延長した長補強リブに形成するという構成に
した。
【0011】また、請求項2の発明は、請求項1に記載
した中栓において、前記各長補強リブと、隣り合う長補
強リブの間を円周方向に等分する部位に位置した補強リ
ブとの断面積を、他の補強リブの断面積よりも大きくす
るという構成にした。
【0012】
【発明の作用・効果】このように構成すると、栓部の内
周面に上下長手の多数本の補強リブを形成したことによ
り、上下方向からの圧縮力に対する栓部の強度が著しく
向上するから、栓部の肉厚を厚くしなくても、包装工程
での打栓に際して栓部が座屈変形することを防止でき
る。
【0013】そして、栓部の肉厚を厚くする必要がない
こと、及び、補強リブの存在によって栓部が平断面凹凸
状になって、打栓に際して平断面視で円周方向に沿って
細かいしわができた状態になることにより、打栓に際し
ての変形が栓部の全周にわたって分散した状態で吸収さ
れることとの相乗作用により、瓶口の内周面に対する栓
部のなじみ性を向上させることができるから、栓体の栓
部を、瓶口の内周面の全周にわたって密着し状態に保
持することができるのであり、その結果、瓶の密封機能
を向させることができるのであり、加えて、栓部の変
形が許容されるから、瓶口からの中栓の抜き取りも容易
に行うことができる。
【0014】従って本発明によると、包装工程での打栓
に際しての座屈変形に起因して包装不良が発生すること
を、瓶の密封性能と瓶口からの抜き取りの容易性とを損
なうことなく防止できる効果を有する。
【0015】また、請求項2の構成にすると、平面視十
字状に配置した長補強リブ、及び隣り合う長補強リブ間
を円周方向に等分する部位に位置した補強リブの断面積
を大きくしたことにより、軸方向の外力に対する栓部の
剛性が向上するから、打栓に際しての変形防止をより一
層確実ならしめることができる。
【0016】
【実施例】次に、本発明の実施例を図面(図1〜図
に基づいて説明する。
【0017】図1〜図4は第1実施例を示しており、中
栓1の基本的な構造は従来と同様で、ポリエチレン等の
比較的軟質の合成樹脂により、瓶口Aに密嵌する栓部2
aの上端にフランジ2bを連接して成る栓体2を形成
し、この栓体2のフランジ2bに、栓体2の上面を覆う
金属板製の天板3をかしめ付けにて嵌着した構造になっ
ている。天板3は、ブリキ板やアルミ板等の種々の金属
板で製造し得る。
【0018】栓体2の栓部2aは、全体として下窄まり
のテーパ状で且つ下部が小径となるよう段違い状に形成
されており、栓部2aにおける下部の外面には、シール
性を向上するためにアルミ箔等の金属箔4が貼り付けら
れている。栓部2aにおける底板2cの中央部は上向き
突状に形成されている(上向き突部を符号5で示す)。
栓体2のフランジ2bは上部が大径で下部が小径となる
よう異径に形成されており、大径部に前記天板3をかし
め付けている一方、フランジ2bのうち瓶口Aの頂面に
接当する部位6は断面鋸歯状に形成されている。
【0019】そして、栓体2における栓部2aの内周面
に、断面三角形で上下方向に延びる多数本の補強リブ7
を、円周方向に沿って適宜間隔で内向き突設している。
【0020】第1実施例では、多数本の補強リブ7のう
ち適宜本数ずつ飛び飛びに位置した補強リブ7a,7b
(実施例では円周方向に8等分した部位に位置してい
る)の横幅寸法w及び突出高さ寸法tを(換言すると断
面積を)、他の補強リブ7cの横幅寸法及び高さ寸法よ
りも大きくすることにより、飛び飛びに位置した複数本
の補強リブ7a,7bの断面積を、他の補強リブ7cの
断面積よりも大きくしている。
【0021】突出高さ寸法tが大きい8本の補強リブ7
a,7bのうち平面視で十字方向に延びる4本の長補強
リブ7aは、栓部2aの上向き突部5まで延長してお
り、他の補強リブ7b,7cは、栓部2aにおける底面
の半径中途部まで延長している。
【0022】以上の構成において、包装工程は、図3に
示すように、打栓具Bによる押圧にて、瓶口Aに中栓1
を嵌め込んで(打栓して)、それから、図4に示すよう
に、図の場合と同様に形成した金属板製の封緘蓋Cを
瓶口Aに被嵌して、封緘蓋Cのスカート部を瓶口Aの環
状溝A1内に絞り込むという手順で行われる。
【0023】しかして、中栓1における栓部2aの内周
面に多数本の補強リブ7(7a,7b,7c)を形成し
たことにより、上下方向からの圧縮に対する栓部2aの
強度が格段に向上するから、栓部2aの肉厚tを厚くし
なくても、打栓に際して栓部2aが座屈変形して包装不
良が発生することを防止できる。
【0024】そして、栓部2aの肉厚を厚くしなくても
良いこと、及び、補強リブ7(7a ,7b,7c)の存
在によって、打栓に際して栓部2aは円周方向に細かい
しわがよった状態に変形して、打栓に際しての変形が全
周にわたって分散した状態で吸収されることとにより、
栓部2aの嵌め込みに際して、瓶口Aに対する栓部2a
のなじみ性が向上して、栓部2は瓶口Aの内周面に全
周にわたって密着することになり、従って、密封性能を
確実に保持することができるのである。加えて、栓部2
aの変形が許容されることにより、瓶口Aからの中栓1
の抜き取りも容易に行うことができる。
【0025】なお、清酒等の液体を瓶詰めする場合、内
容物を加温した状態で充填したり、減圧室内で包装した
りすることにより、包装後において瓶の内部を減圧状態
にし、以って、中栓1を瓶口Aに吸引保持するようにし
た真空包装が一般的に行われているが、本発明では、前
記したように栓部2aの全周が瓶口Aの周に対して密
着するから、真空包装による中栓1の吸引効果も高く、
この点でも密封の確実性を向上できる。
【0026】この第1実施例のように、各補強リブ7
a,7b,7cを栓部2aの底面まで延びる構成にする
と、栓部2aの底板2cに対して適度のリブ効果を付与
できるので、密封性能をより向上できる利点がある
【0027】記第1実施例は補強リブ77a,7
b,7cを断面三角形に形成した場合であったが、補
強リブの断面形状は、例えば図5(a)(b)に第
施例として示すように任意の形状にすることができる。
【0028】図に示す第実施例は、補強リブ7の突
出高さ寸法tが、当該補強リブ7の上端から下端に向か
って徐々に小さくなるように設定したものである。
【0029】また、図に示すのは、栓体1のフランジ
2bに封緘用のスカート部8を一体成形した第4実施例
である。なお、この実施例では各補強リブ7は底板2c
の中心まで延びるように形成している(底板2cの箇所
では補強リブ7の突出高さ寸法tを低くして、底板2c
の剛性が過度に高くならないようにしている)。
【0030】上記の各実施例は補強リブを栓体の軸線と
並行に延びるように形成した場合であったが、補強リブ
は、栓体の軸線に対して傾斜した状態に形成しても良
い。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施例の縦断正面図である。
【図2】図1のII−II視断面図である。
【図3】打栓工程を示す図である。
【図4】包装した状態での断面図である。
【図5】(a)は第2実施例の平断面図、(b)は
(a)の部分拡大図である。
【図6】3実施例の部分断面図である。
【図7】第4実施例の一部破断断面図である。
【図8】従来例を示す断面図である。
【図9】他の従来例を示す断面図である。
【符号の説明】
1 中栓 2 栓体 2a 栓部 2b フランジ 2c 栓部の底板 3 天板 7 補強リブ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B65D 41/62 B65D 39/04

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】合成樹脂にて、瓶口内に密嵌する有底筒状
    の栓部とその上端に連接したフランジとから成る栓体を
    形成し、この栓体のフランジに、当該栓体の上面を覆う
    金属板製の天板を嵌着し、前記栓体における栓部の内周
    面に、上下方向に延びる多数本の補強リブを、円周方
    向に沿って適宜間隔で突設して成る中栓であって前記栓部における底板の中央部に上向き突部を形成する
    一方、前記多数本の補強リブのうち平面視で十字方向に
    位置した補強リブを、その下端が前記底板の上向き突部
    にまで延長した長補強リブに形成 したことを特徴とする
    瓶の中栓。
  2. 【請求項2】前記各長補強リブと、隣り合う長補強リブ
    の間を円周方向に等分する部位に位置した補強リブ
    断面積を、他の補強リブの断面積よりも大きくしたこと
    を特徴とする請求項1に記載した瓶の中栓。
JP02969794A 1994-02-28 1994-02-28 瓶の中栓 Expired - Lifetime JP3356529B2 (ja)

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JPH10147355A (ja) * 1996-11-14 1998-06-02 Daiichi Kogyo Kk 瓶 栓
JP2007099365A (ja) * 2005-10-06 2007-04-19 Kirinzan Shuzo Kk 飲料を詰め密封外包袋で被覆された飲料用容器及びその製造方法
JP6850006B2 (ja) * 2018-04-13 2021-03-31 きた産業株式会社 瓶栓

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