JP3356156B2 - 接触角計測装置 - Google Patents

接触角計測装置

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JP3356156B2
JP3356156B2 JP2000065546A JP2000065546A JP3356156B2 JP 3356156 B2 JP3356156 B2 JP 3356156B2 JP 2000065546 A JP2000065546 A JP 2000065546A JP 2000065546 A JP2000065546 A JP 2000065546A JP 3356156 B2 JP3356156 B2 JP 3356156B2
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真彦 山下
尚史 高尾
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、接触角計測装置に
関し、詳しくは、液状物により母材に形成されたフィレ
ットの接触角を光学的に計測する接触角計測装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】マイクロソルダリング技術において、は
んだ材料の濡れ性は接合強度と共に重要な特性である。
はんだ濡れ性評価手法の1つにメニスコグラフ試験機を
用いた方法が知られている。この方法は、被接合材(基
板)をはんだ浴に浸したときに受ける力の時間変化(濡
れ曲線)を求めて、濡れ時間と濡れ力とを評価するもの
である。はんだ濡れ性評価においては、濡れ時間、濡れ
力と共に、溶融状態でのはんだ鏡面の角度(接触角)も
重要な因子として用いられるが、メニスコグラフ法で
は、この接触角を求めることはできない。
【0003】図12に、メニスコグラフ法において、溶
融したはんだ浴に母材を浸したときに形成されるはんだ
フィレットの様子を示す。母材が浸漬されるとはんだが
母材に沿って濡れ上がり、曲面形状のはんだフィレット
が形成される。この状態におけるはんだフィレット先端
でのはんだ鏡面と母材面とがなす角度θが接触角であ
る。
【0004】はんだフィレット各部の法線ベクトルが基
準面としての水平面と成す角度(以下、「はんだフィレ
ット各部の角度」という)分布の時間変化及び接触角
を、濡れ曲線と同時に計測することは、はんだ材料のは
んだ濡れ挙動を解明する上で大変有意義なことである。
【0005】一方、発明者等は、2種類の投光パターン
で交互に照明を行い、それぞれの反射光の強度をカメラ
で撮像し、その強度比に基づいて対象物の面方向を検出
する装置を提案している(特開平8−136252号公
報、特開平9−210653号公報)。はんだフィレッ
トは金属光沢を有する鏡面物体であるので、この装置を
用いることにより、鏡面の正反射特性を利用してはんだ
フィレット各部の角度を測定することができ、各部の角
度を積分して得られたはんだフィレットの3次元形状か
ら接触角θを算出することが可能である。この場合、接
触角θを精度良く算出するためには、はんだフィレット
の3次元形状を正確に求める必要がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、フィレ
ット先端部近傍には、はんだの濡れ性を向上させるため
に母材に塗布したフラックスが溶融して堆積しており、
熱により焦げ付きを生じている場合もある。このためフ
ラックスによりフィレット先端部近傍のはんだ鏡面の反
射率が低下して正確な角度を求めることができず、この
部分を積分の開始点とした場合には、はんだフィレット
の3次元形状を適切に求めることができない。このた
め、接触角θにも大きな誤差が生じてしまう、という問
題があった。
【0007】従って、本発明の目的は、液状物により母
材に形成されたフィレットの接触角を、光学的手法によ
り精度良く計測する接触角計測装置を提供することにあ
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1に記載の発明は、液状物により母材に形成
されたフィレットを照明するように配列された複数の発
光部を備える照明手段と、各発光部の輝度がそれぞれ異
なる第1のパターン、各発光部の輝度がそれぞれ異なり
且つ第1のパターンとは異なる第2のパターン、及びフ
ィレットを拡散照明する第3のパターンでフィレットが
照明されるように前記照明手段を制御する照明制御手段
と、フィレットからの反射光像を撮像する撮像手段と、
フィレットを第1のパターンで照明したときの撮像によ
り得られた第1の反射光像の輝度と、フィレットを第2
のパターンで照明したときの撮像により得られた第2の
反射光像の輝度との比に基づいて、フィレット各部の角
度を演算する角度演算手段と、フィレットを第3のパタ
ーンで照明したときの第3の反射光像に基づいて定まる
積分開始点から前記演算されたフィレット各部の角度を
積分してフィレットの3次元形状を演算する形状演算手
段と、演算されたフィレットの3次元形状に基づいて、
液状物の接触角を演算する接触角演算手段と、を備えた
ことを特徴とする。
【0009】請求項1の発明の照明手段は、液状物によ
り母材に形成されたフィレットを照明するように配列さ
れた複数の発光部を備えており、照明制御手段は、この
照明手段の各発光部の輝度がそれぞれ異なる第1のパタ
ーン、各発光部の輝度がそれぞれ異なり且つ第1のパタ
ーンとは異なる第2のパターン、及びフィレットを拡散
照明する第3のパターンの3つのパターンでフィレット
が照明されるように照明手段を制御する。フィレットか
らの反射光像は撮像手段によって撮像される。
【0010】第1のパターンで照明されたときも、また
第2のパターンで照明されたときも、同一の発光部から
照明された光は、フィレットの同一部により反射され
て、撮像手段の同じ位置に結像される。
【0011】従って、角度演算手段により、フィレット
を第1のパターンで照明したときの反射光像の輝度とフ
ィレットを第2のパターンで照明したときの反射光像の
輝度との比に基づいて、フィレット各部に光を照明した
発光部の位置を各々求めることができ、この発光部の位
置を用いてフィレット各部の角度が演算される。即ち、
各発光部は照明時の輝度がそれぞれ異なり、フィレット
表面の各部の反射率の影響は比を取ることによりキャン
セルされるので、第1のパターンで照明したときの反射
光像の輝度と第2のパターンで照明したときの反射光像
の輝度との比から、撮像手段の所定位置に結像される光
を照明した発光部の位置が特定され、発光部の位置、フ
ィレットの反射点、及び撮像手段への入射位置を用い
て、フィレット各部の角度が演算される。
【0012】また、第3のパターンでフィレットが照明
され、その反射光像が撮像手段により撮像され、形状演
算手段により、フィレットを第3のパターンで照明した
ときの第3の反射光像に基づいて定まる積分開始点から
前記演算されたフィレット各部の角度を積分して、フィ
レットの3次元形状が演算される。
【0013】即ち、フィレットの3次元形状は、フィレ
ットを第3のパターンで照明したときの反射光像に応じ
て積分条件を設定して演算することができる。また、フ
ィレットを第3のパターンで照明したときの反射光像に
基づいて設定された積分の開始点以前のデータを読み飛
ばして積分し、3次元形状を演算するようにしてもよ
い。
【0014】最後に、接触角演算手段により、演算され
たフィレットの3次元形状に基づいて、液状物の母材へ
の接触角が演算される。
【0015】請求項1の発明では、拡散照明となる第3
パターンでフィレットを照明してフィレットの輝度情報
である反射光像を得て、その反射光像と演算されたフィ
レット各部の角度とに基づいて、即ち、フィレットにつ
いて、母材表面での反射率低下等、角度の正確な計測を
阻害する要因の有無をモニタ画像で確認し、誤って求め
られたデータを演算に用いないようにして、適正な開始
点から積分を行うように積分条件を設定し、フィレット
の3次元形状を演算している。
【0016】このため、フィレット先端部近傍に、例え
ば母材表面での反射率低下等のフィレットの角度の正確
な計測を阻害する要因がある場合においても、適切なフ
ィレットの3次元形状を算出することができ、この3次
元形状から接触角θを求めることにより、液状物の接触
角θを精度良く求めることができる。
【0017】請求項2に記載の発明は、液状物により母
材に形成されたフィレットを照明するように配列された
複数の発光部を備える照明手段と、各発光部の輝度がそ
れぞれ異なる第1のパターン、及び各発光部の輝度がそ
れぞれ異なり且つ第1のパターンとは異なる第2のパタ
ーンでフィレットが照明されるように前記照明手段を制
御する照明制御手段と、フィレットからの反射光像を撮
像する撮像手段と、フィレットを第1のパターンで照明
したときの撮像により得られた第1の反射光像の輝度
と、フィレットを第2のパターンで照明したときの撮像
により得られた第2の反射光像の輝度との比に基づい
て、フィレット各部の角度を演算する角度演算手段と、
前記第1の反射光像及び前記第2の反射光像のいずれか
一方の光像に基づいて定まる積分開始点から前記演算さ
れたフィレット各部の角度を積分してフィレットの3次
元形状を演算する形状演算手段と、演算されたフィレッ
トの3次元形状に基づいて、液状物の接触角を演算する
接触角演算手段と、を備えたことを特徴とする。
【0018】請求項2の発明の照明制御手段は、各発光
部の輝度がそれぞれ異なる第1のパターン、及び各発光
部の輝度がそれぞれ異なり且つ第1のパターンとは異な
る第2のパターンの2つのパターンでフィレットが照明
されるように照明手段を制御する。フィレットからの反
射光像が撮像手段によって撮像されると、請求項1の発
明と同様に、角度演算手段によりフィレット各部の角度
が演算される。そして、形状演算手段により、前記第1
の反射光像及び前記第2の反射光像のいずれか一方の光
像に基づいて定まる積分開始点から前記演算されたフィ
レット各部の角度を積分してフィレットの3次元形状が
演算され、接触角演算手段により、演算されたフィレッ
トの3次元形状に基づいて、液状物の母材への接触角が
演算される。なお、前記第1の反射光像及び前記第2の
反射光像のいずれか一方の光像の代わりに、フィレット
を第1のパターンで照明したときの第1の反射光像及び
フィレットを第2のパターンで照明したときの第2の反
射光像を合成して得られた光像でもよい。
【0019】請求項2の発明では、積分条件を設定する
ための特別な照明を行うことなく、第1のパターン及び
第2のパターンでフィレットを照明してフィレットの輝
度情報である反射光像を得て、その反射光像(または複
数の反射光像を合成して得られた合成光像)と演算され
たフィレット各部の角度とに基づいて、即ち、フィレッ
ト各部の角度の正確な計測を阻害する要因の有無をモニ
タ画像で確認し、誤って求められたデータを演算に用い
ないようにして、適正な開始点から積分を行うように積
分条件を設定し、フィレットの3次元形状を演算してい
る。
【0020】従って、請求項2の発明では、請求項1の
発明と同様に、フィレット先端部近傍に、例えば母材表
面での反射率低下等のフィレットの角度の正確な計測を
阻害する要因がある場合においても、適切なフィレット
の3次元形状を算出することができ、この3次元形状か
ら接触角θを求めることにより、液状物の接触角θを精
度良く求めることができると共に、照明パターンが2種
類で済むため、計測工程が簡略化され、計測時間も短縮
できる。また、形状演算手段を、前記第1の反射光像と
前記第2の反射光像とを合成して得られた合成光像に基
づいて定まる積分開始点から前記演算されたフィレット
各部の角度を積分してフィレットの3次元形状を演算す
るものに変更した場合にも、同様の効果を得ることがで
きる。
【0021】なお、本発明において、接触角θは、はん
だフィレット各部の角度を積分して得られたはんだフィ
レットの3次元形状の輪郭線を直線または曲線近似し、
近似した直線または曲線と母材表面とが成す角度として
決定されている。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、本発明の接触角計測装置
を、はんだフィレットの接触角計測に適用した実施の形
態について説明する。 (第1の実施の形態)本発明の第1の実施の形態につい
て説明する。図1には、はんだフィレット接触角計測シ
ステム10の全体構成が示されている。はんだフィレッ
ト接触角計測システム10は、メニスコグラフ試験機1
2と、光学計測部14と、コンピュータ16とから構成
されている。
【0023】メニスコグラフ試験機12は、設置板18
に戴置された台座20を備えており、台座20には取り
外し可能なはんだ浴22が昇降可能に保持されている。
台座20には支柱24が立設され、該支柱24にははん
だ浴22の上方に向かって迫出したアーム26が支持さ
れている。アーム26には濡れ力を測定するための電子
てんびん28が収納されており、計測時には、母材であ
る板状の銅片30が電子てんびん28のフックに引掛け
られ、その一部がはんだ浴22に浸るように、はんだ浴
22が上昇される。
【0024】光学計測部14は、設置板18上に固定さ
れた高さの調節が可能な台座32と、台座32上に配置
されたCCDカメラ34と、一端がCCDカメラ34の
上面に固定された照明装置36とから構成されている。
【0025】CCDカメラ34はレンズ38を有し、図
2に示すように、計測時には、銅片30表面に形成され
たはんだフィレット40の先端部がレンズ38の光軸上
に位置するように調整される。このCCDカメラ34
は、照明装置36で照明されたはんだフィレット40か
らの反射光像を撮像する。また、CCDカメラ34はコ
ンピュータ16に接続されている。撮像により得られC
CDカメラ34から出力された画像信号は、A/D変換
器によりデジタル信号に変換されてコンピュータ16に
入力される。
【0026】照明装置36は、銅片30のフィレット部
の位置を中心とした1/4円弧状のアーム41を備え、
アーム41の内側には多数(本実施の形態では37個)
のLED(発光ダイオード)42が、所定の角度間隔
(本実施の形態では2.2°)でアーム41に沿って、
即ち、円弧状に配置されている。LEDの発光輝度は駆
動電流に対して直線的に変化するため、各LEDの発光
輝度は抵抗によって駆動電流量を制御することにより調
整することができる。また、LEDの発光波長を近赤外
領域(例えば、ピーク発光波長880nm)とし、近赤
外領域の光を透過するフィルタを通してCCDカメラで
撮像することにより、蛍光灯等の各種光源の照明下での
計測が可能になる。
【0027】また、照明装置36は照明駆動装置44に
接続されており、照明駆動装置44により駆動される。
照明駆動装置44はコンピュータ16に接続されてお
り、コンピュータ16からの指令に基づき、照明装置3
6を所定の駆動タイミングで且つ所定の駆動モードで駆
動する。
【0028】なお、照明装置36の駆動モードは、第1
パターン、第2パターン、及び第3パターンの3種類で
ある。第1パターンでは、円弧状に配列された1番目の
LEDから最後のLEDまでを輝度が等比級数的に増加
するように発光させ、第2パターンでは、1番目のLE
Dから最後のLEDまでを輝度が等比級数的に減少する
ように発光させる。第3パターンは、はんだフィレット
40表面の反射率を観察するために方向性のない拡散照
明であり、例えば、1番目のLEDから最後のLEDま
でを同じ輝度で発光させる。
【0029】コンピュータ16は、CPU、ROM、及
びRAMを備え、モニタ17に接続されている。CCD
カメラ34からコンピュータ16に入力されたデジタル
信号は画像データとしてRAMに記憶される。
【0030】次に、はんだフィレット40の表面での光
の正反射を利用して、はんだフィレット40の各部位の
角度を求める方法について説明する。この方法は、はん
だフィレット40の表面に対して、照明装置36とCC
Dカメラ34とを図3に示すように配置した上で、各L
EDを発光させ反射光像の輝度を計測し、はんだフィレ
ット40の表面の角度に応じてはんだフィレット40の
表面から反射してCCDカメラ34に入射する光がどの
LEDからの光かを特定し、CCDカメラ34で撮像さ
れた画像の画素とLEDとの対応付けを行うことによ
り、はんだフィレット40表面の画素に対応した各微小
部位の角度を求めるものである。CCDカメラ34で撮
像された画像の画素とLEDとの対応付けは、以下のよ
うに行う。
【0031】図3(A)に示すように、LEDの輝度を
段階的に小さくした第1の発光パターンAで照明したと
き、CCDのある画素では、はんだフィレット40の表
面の角度に応じてi番目のLEDからの反射光像が撮像
される。このときのLEDの輝度をL1(i)とする。
また、図3(B)に示すように、LEDの輝度を第1の
発光パターンAとは逆に段階的に大きくした第2の発光
パターンBで照明したとき、光は第1の発光パターンA
で照明した場合と同一の光路でCCDカメラ34に入射
し、i番目のLEDからの反射光像が同一の画素で撮像
される。このときのLEDの輝度をL2(i)とする。
【0032】i番目のLEDからの光が、はんだフィレ
ット40表面の微小部位で正反射してCCDカメラ34
へ入射するとき、はんだフィレット40表面の反射率を
rとすると、CCDカメラ34で撮像された反射光像の
輝度は、第1の発光パターンAでのL1(i)に対して
はr・L1(i)、第2の発光パターンBでのL2
(i)に対してはr・L2(i)となる。従って、得ら
れた2つの反射光像の輝度比は、{r・L1(i)}/
{r・L2(i)}、すなわちL1(i)/L2(i)
であり、i番目のLEDについて予め設定された2つの
パターンでの発光輝度比に等しい。従って、撮像した2
つの反射光像の輝度比により、CCDの入射位置の各々
(各画素の各々)で、撮像された反射光像に対応するL
EDを求めることができる。
【0033】このように、2つの発光パターンではんだ
フィレット40を照明して、CCDカメラ34で撮像し
た2つ反射光像の各画素における輝度比から、CCDカ
メラ34で受光した光線を出力したLEDの位置が分か
るので、その画素に対応するはんだフィレット40表面
の微小部位がどのLEDからの光を反射したかを特定す
ることができ、LEDの位置とCCDカメラ34の受光
位置(画素位置)との関係から、その微小部位における
法線ベクトルが基準面と成す角度βを求めることができ
る。
【0034】これにより、CCDカメラ34の視野内に
おいて、はんだフィレット40表面の角度分布を、例え
ば図5に示すように求めることができる。
【0035】なお、予め設定された2つのパターンでの
輝度比によりLEDを特定するため、CCDカメラで撮
像することができる輝度範囲(ダイナミックレンジ)に
より光源であるLEDの個数が制限され、計測分解能が
制限されるが、複数の異なる露光条件で撮像を行い、各
露光条件下で撮像された複数の画像を合成することによ
り、CCDカメラのダイナミックレンジより広いダイナ
ミックレンジの画像を合成することができ、LEDの個
数を増やして計測分解能を向上させることができる。
【0036】次に、このはんだフィレット接触角計測シ
ステム10の接触角の計測手順を、図4に示すフローチ
ャートに基づいて説明する。
【0037】ステップ100において、計測開始信号に
よりはんだ浴22を上昇させると、銅片30がはんだ浴
に浸り、銅片30とはんだ浴22とが接することによる
導通信号により測定が開始され、コンピュータ16から
照明駆動装置44を制御して照明装置36を第1の発光
パターンAで発光させる。ステップ102で、このとき
のはんだフィレット40の画像をCCDカメラ34によ
って撮像し、ステップ104で、各画素位置(x,y)
における反射光像の輝度Ia(x,y)をコンピュータ
16に取り込み、対数変換して輝度値Da(x,y)と
した後、画像データAとして記憶する。
【0038】次に、ステップ106で、コンピュータ1
6から照明駆動装置44を制御して、照明装置36を第
2の発光パターンBで発光させる。そして、ステップ1
08で、この時のはんだフィレット40の画像をCCD
カメラ34によって撮像し、ステップ110で、各画素
位置(x,y)における反射光像の輝度Ib(x,y)
をコンピュータ16に取り込み、対数変換して輝度値D
b(x,y)とした後、画像データBとして記憶する。
【0039】次に、ステップ112において、記憶した
画像データA、B間で対応する画素における対数変換し
た輝度値の差(Da(x,y)−Db(x,y))を演
算し、差(Da(x,y)−Db(x,y))を各画素
についての反射光像の輝度比Ia/Ibに相当する値と
して記憶する。反射光像の輝度Ia、Ibを対数変換し
て輝度値Da、Dbとしたのは、輝度比に相当する値を
減算により求めるようにするためであり、減算により求
めた差を逆変換した値は反射光像の輝度比(Ia(x,
y)/Ib(x,y))に相当している。なお、上記で
は、差によって輝度比に相当する値を求める例について
説明したが、輝度Ia(x,y)、Ib(x,y)を対
数変換することなく記憶し、直接輝度比を求めるように
してもよい。
【0040】次に、ステップ114において、各画素位
置(x,y)に対応する反射点における法線ベクトルが
基準面と成す角度(はんだフィレット40の各部の角
度)を求める。角度は、反射光像の輝度差(Da(x,
y)−Db(x,y))の値から角度へ変換するルック
アップテーブルを予め作成しておき、このテーブルを参
照することで求めることができる。このルックアップテ
ーブルは、はんだフィレット40の位置、照明装置36
の各LEDの位置、およびCCDカメラ34への入射位
置からキャリブレーションを行い作成する方法の他、は
んだフィレット40の位置に実際に色々な角度の面を置
いて取り込んだ画像データをもとに作成する方法があ
る。尚、はんだフィレット40、LED42、およびC
CDカメラ34への入射位置の位置関係は、はんだフィ
レット40の反射点、即ち、CCDカメラ34の画面上
の画素位置に応じて変化するので、以上の処理により、
CCDカメラ34で撮像した1画面の各画素に対応する
はんだフィレット40の各部の角度分布を得ることがで
きる。
【0041】次に、ステップ116において、コンピュ
ータ16から照明駆動装置44を制御して照明装置36
を第3の発光パターンCで発光させる。ステップ118
で、このときのはんだフィレット40の画像をCCDカ
メラ34によって撮像し、ステップ120で、撮像した
画像をモニターに画像Cとして表示する。
【0042】次に、ステップ122で、積分条件を設定
する。例えば、モニターに表示された画像Cから、フィ
レット先端部にフラックスが堆積しており、積分の開始
点として不適切と判断されるときは、その角度データを
無効データとして無視して演算に用いないようにし、フ
ラックス堆積部分の下側から積分を開始するように積分
開始点を設定する。
【0043】積分条件の設定は、例えば、画像C内の画
素間に極端な濃度差があるときにその画素に対応する角
度データを無視して積分の開始点を設定する、というよ
うに自動で行うことができる。また、オペレータがモニ
ターに表示された画像Cを目視して、マニュアル操作で
積分条件を入力するようにしてもよい。
【0044】ステップ124で、はんだフィレット40
の各部の角度が、設定された条件下で積分されて、はん
だフィレット40の3次元形状が演算される。ステップ
126で3次元形状の輪郭線を直線または曲線近似し、
ステップ128で近似した直線または曲線と銅片表面と
の成す角度θが接触角として算出される。
【0045】積分条件の設定を行わずに求めた、はんだ
フィレットの各部位の角度の分布を図5及び図6に示
す。この図において、上下方向はフィレットの高さ方向
を表し、左右方向はフィレットの幅方向を表す。銅片3
0の表面に形成されたはんだフィレット先端部にフラッ
クスが溶融して堆積していると、その部分での反射率が
低下するので、周辺の角度値と連続性の無い角度値(例
えば、図5の上から4行目の中央の4つのデータ)を算
出してしまう。しかしながら、角度分布のみを見ていて
も、周辺の角度値と連続性の無い角度値がフラックスの
堆積に起因して誤って求められたものか否かを判断する
ことができない。このため、この誤った角度を起点とし
て図5の上から下へと積分が行われ、はんだフィレット
40の3次元形状が算出された結果、フィレット先端部
では誤った形状が算出されてしまう。
【0046】一方、図7にモニタに表示された画像Cを
示すが、この画像Cを参照すれば、フィレット先端部に
フラックスの堆積による着色があり、この部分で入射光
が吸収されて反射率が低下したために誤った角度値が算
出されたことが分かる。従って、この部分の角度を読み
飛ばし、開始点を下側へずらして積分を行い算出したは
んだフィレット40の3次元形状を図8(B)に示す。
図から分かるように、算出された3次元形状は図8
(A)に示す実際のフィレット先端部の形状を適切に表
している。 (第2の実施の形態)次に、本発明の第2の実施の形態
について説明する。第2の実施の形態は、図1に示すは
んだフィレット接触角計測システム10を用い、照明装
置36の駆動モードを、前述の第1パターン及び第2パ
ターンの2種類とし、第1のパターンで照明したときの
画像データ及び第2のパターンで照明したときの画像デ
ータのいずれかを選択して使用し、積分条件を設定する
ものである。
【0047】次に、この第2の実施の形態のはんだフィ
レット接触角計測システム10の接触角の計測手順を、
図9に示すフローチャートに基づいて説明する。計測開
始信号によりはんだ浴22を上昇させると、銅片30が
はんだ浴に浸り、銅片30とはんだ浴22とが接するこ
とによる導通信号により測定が開始される。測定開始と
共に、第1の実施の形態のステップ100〜104と同
様にして、コンピュータ16から照明駆動装置44を制
御して照明装置36を第1の発光パターンAで発光させ
て、はんだフィレット40を照明し、はんだフィレット
40の画像をCCDカメラ34によって撮像し、各画素
位置(x,y)における反射光像の輝度Ia(x,y)
をコンピュータ16に取り込み、発光パターンAでの画
像データAとして記憶する。
【0048】次に、第1の実施の形態のステップ106
〜110と同様にして、コンピュータ16から照明駆動
装置44を制御して照明装置36を第2の発光パターン
Bで発光させて、はんだフィレット40を照明し、はん
だフィレット40の画像をCCDカメラ34によって撮
像し、各画素位置(x,y)における反射光像の輝度I
b(x,y)をコンピュータ16に取り込み、発光パタ
ーンBでの画像データBとして記憶する。
【0049】次に、ステップ211で、第1の発光パタ
ーンAで照明して得られた画像データと第2の発光パタ
ーンBで照明して得られた画像データとの間で対応する
画素における輝度比(Ia(x,y)/Ib(x,
y))を演算して記憶する。なお、上記では、商によっ
て輝度比を求める例について説明したが、各画素位置
(x,y)における反射光像の輝度を対数変換して記憶
し、差によって輝度比に相当する値を求めるようにして
もよい。
【0050】次に、第1の実施の形態のステップ114
と同様にして、上記輝度比から各画素位置(x,y)に
対応する反射点における法線ベクトルが基準面と成す角
度(はんだフィレット40の各部の角度)を求める。角
度は、反射光像の輝度比から角度へ変換するルックアッ
プテーブルを予め作成しておき、このテーブルを参照す
ることで求めることができる。以上の処理により、CC
Dカメラ34で撮像した1画面の各画素に対応するはん
だフィレット40の各部の角度分布を得ることができ
る。
【0051】次に、ステップ212において、表示する
画像として、第1の発光パターンAで照明したときの画
像データを用いるか、第2の発光パターンBで照明した
ときの画像データを用いるかを選択し、ステップ214
で、第1の発光パターンAで照明したときの画像データ
が選択された場合には、画像データAに基づく画像P A
をモニタに表示し、第2の発光パターンBで照明したと
きの画像データが選択された場合には、画像データBに
基づく画像PBをモニタに表示する。
【0052】次に、第1の実施の形態のステップ122
〜128と同様にして、モニターに表示された画像PA
(または、画像PB)を確認し、積分条件が設定され、
はんだフィレット40の各部の角度が設定された条件下
で積分されて、はんだフィレット40の3次元形状が演
算され、3次元形状の輪郭線の近似直線と銅片表面との
成す角度θが接触角として算出される。
【0053】本実施の形態においても、モニタに表示さ
れた画像を参照すると、フィレット先端部にフラックス
の堆積による着色があり、この部分で入射光が吸収され
て反射率が低下したために誤った角度値が算出されたこ
とが分かる。従って、この部分の角度を読み飛ばし、開
始点を下側へずらして積分を行い算出すると、実際のフ
ィレット先端部の3次元形状が適切に求められる。 (第3の実施の形態)次に、本発明の第3の実施の形態
について説明する。第3の実施の形態は、第2の実施の
形態と同様に、図1に示すはんだフィレット接触角計測
システム10を用い、照明装置36の駆動モードを、前
述の第1パターン及び第2パターンの2種類とし、第1
のパターンで照明したときの画像データ及び第2のパタ
ーンで照明したときの画像データのいずれかを選択して
使用し、積分条件を設定するものであるが、それぞれの
パターンで照明する際に複数の画像を撮像し、これらの
画像を合成して得られた合成画像を輝度比の演算及びモ
ニタへの表示に使用する点で、第2の実施の形態と相違
する。
【0054】次に、この第3の実施の形態のはんだフィ
レット接触角計測システム10の接触角の計測手順を、
図10に示すフローチャートに基づいて説明する。ステ
ップ200において、第1の実施の形態のステップ10
0〜104と同様にして、コンピュータ16から照明駆
動装置44を制御して照明装置36を第1の発光パター
ンAで発光させて、はんだフィレット40を照明し、照
明開始から所定時間T Sの間のはんだフィレット40の
画像をCCDカメラ34によって撮像し、各画素位置
(x,y)における反射光像の輝度IaS(x,y)を
コンピュータ16に取り込み、発光パターンAでの照明
時間が短い画像データASとして記憶する。
【0055】次のステップ202で、第1の実施の形態
のステップ100〜104と同様にして、コンピュータ
16から照明駆動装置44を制御して照明装置36を第
1の発光パターンAで発光させて、はんだフィレット4
0を照明し、照明開始から所定時間TL(>TS)の間の
はんだフィレット40の画像をCCDカメラ34によっ
て撮像し、各画素位置(x,y)における反射光像の輝
度IaL(x,y)をコンピュータ16に取り込み、発
光パターンAでの照明時間が長い画像データA Lとして
記憶する。
【0056】次に、ステップ204で、第1の実施の形
態のステップ106〜110と同様にして、コンピュー
タ16から照明駆動装置44を制御して照明装置36を
第2の発光パターンBで発光させて、はんだフィレット
40を照明し、照明開始から所定時間TLの間のはんだ
フィレット40の画像をCCDカメラ34によって撮像
し、各画素位置(x,y)における反射光像の輝度Ib
L(x,y)をコンピュータ16に取り込み、発光パタ
ーンBでの照明時間が長い画像データBLとして記憶す
る。
【0057】次のステップ206において、第1の実施
の形態のステップ106〜110と同様にして、コンピ
ュータ16から照明駆動装置44を制御して、照明装置
36を第2の発光パターンBで発光させて、はんだフィ
レット40を照明し、照明開始から所定時間TSの間の
はんだフィレット40の画像をCCDカメラ34によっ
て撮像し、各画素位置(x,y)における反射光像の輝
度IbS(x,y)をコンピュータ16に取り込み、発
光パターンBでの照明時間が短い画像データB Sとして
記憶する。
【0058】次に、ステップ208において、画像デー
タAS、AL間で対応する画素における合成画像の輝度I
mix(x,y)を演算する。この場合、照明時間が長
い場合(時間TL)の画像データALから得られる輝度が
飽和していない場合には、時間TLの輝度IaL(x,
y)を合成画像の輝度Iamix(x,y)とし、照明時
間が長い場合の画像データALから得られる輝度が飽和
している場合には、照明時間が短い場合(時間TS)の
画像データASから得られる輝度と照明時間の比R(TL
/TS)との積(IaS(x,y)×R)を合成画像の輝
度Iamix(x,y)とする。この合成画像の輝度Ia
mix(x,y)を合成画像データAMIXとして記憶する。
【0059】次に、ステップ210で、上記と同様にし
て、画像データBS、BL間で対応する画素における合成
画像の輝度Ibmix(x,y)を演算し、この合成画像
の輝度Ibmix(x,y)を合成画像データBMIXとして
記憶する。
【0060】次に、第2の実施の形態のステップ211
と同様にして、第1の発光パターンAで照明して得られ
た合成画像データと第2の発光パターンBで照明して得
られた合成画像データとの間で対応する画素における輝
度比を演算して記憶する。異なる照明条件下で撮像され
た複数の画像を合成することにより、CCDカメラのダ
イナミックレンジより広いダイナミックレンジの画像を
合成することができるので、合成画像データ(AMIX
MIX)の組合せから、輝度比を演算するのが好まし
い。なお、上記では、商によって輝度比を求める例につ
いて説明したが、各画素位置(x,y)における反射光
像の輝度を対数変換して記憶し、差によって輝度比に相
当する値を求めるようにしてもよい。
【0061】次に、第1の実施の形態のステップ114
と同様にして、上記輝度比から各画素位置(x,y)に
対応する反射点における法線ベクトルが基準面と成す角
度(はんだフィレット40の各部の角度)を求める。角
度は、反射光像の輝度比から角度へ変換するルックアッ
プテーブルを予め作成しておき、このテーブルを参照す
ることで求めることができる。以上の処理により、CC
Dカメラ34で撮像した1画面の各画素に対応するはん
だフィレット40の各部の角度分布を得ることができ
る。
【0062】次に、ステップ212において、表示する
画像として、第1の発光パターンAで照明したときの画
像データ(AS、AL)を用いるか、第2の発光パターン
Bで照明したときの画像データ(BS、BL)を用いるか
を選択する。
【0063】次に、ステップ214で、第1の発光パタ
ーンAで照明したときの画像データが選択された場合に
は、合成画像データAMIXに基づく合成画像PMAをモニ
タに表示し、第2の発光パターンBで照明したときの画
像データが選択された場合には、合成画像データBMIX
に基づく合成画像PMBをモニタに表示する。なお、合成
画像データAMIXまたは合成画像データBMIXのデータ幅
がモニタのデータ幅(通常は8ビット)を超える場合
は、画像データを圧縮して使用する。
【0064】上記では、照明時間が短い場合の画像デー
タ(ASまたはBS)と照明時間が長い場合の画像データ
(ALまたはBL)とを合成して合成画像データ(AMIX
またはBMIX)を演算し、合成画像データ(AMIXまたは
MIX)に基づく合成画像(PMAまたはPMB)をモニタ
に表示する例について説明したが、ステップ212にお
いて、照明時間が短い場合の画像データ(ASまたは
S)又は照明時間が長い場合の画像データ(ALまたは
L)を選択してそのまま使用しても良い。画像データ
(AS、BS、AL、またはBL)をそのまま使用する場合
には、ステップ214で、使用するデータに対応して、
画像データASに基づく画像PSA、画像データALに基づ
く画像PLA、画像データBSに基づく画像PSB、及び画
像データBLに基づく画像PLBをのいずれかをモニタに
表示する。
【0065】次に、第1の実施の形態のステップ122
〜128と同様にして、モニターに表示された画像PMA
(または、画像PSA、画像PLA、画像PMB、画像PSB
及び画像PLBのいずれかの画像)を確認し、積分条件が
設定され、はんだフィレット40の各部の角度が設定さ
れた条件下で積分されて、はんだフィレット40の3次
元形状が演算され、3次元形状の輪郭線の近似直線と銅
片表面との成す角度θが接触角として算出される。
【0066】本実施の形態においても、モニタに表示さ
れた画像を参照すると、フィレット先端部にフラックス
の堆積による着色があり、この部分で入射光が吸収され
て反射率が低下したために誤った角度値が算出されたこ
とが分かる。従って、この部分の角度を読み飛ばし、開
始点を下側へずらして積分を行い算出すると、実際のフ
ィレット先端部の3次元形状が適切に求められる。 (第4の実施の形態)第3の実施の形態では、第1の発
光パターンAで照明したときの画像データ(AS、AL
及び第2の発光パターンBで照明したときの画像データ
(BS、BL)のいずれかを選択する例について説明した
が、第4の実施の形態は、図11に示すように、図10
のステップ212に代えて、画像データ(AS、AL)と
画像データ(BS、BL)からなる総ての画像データを使
用して合成画像データを演算するステップ216を設け
たものである。その他の点は、第3の実施の形態と同様
であるため、同一ステップには同じ符号を付して説明を
省略する。
【0067】本実施の形態では、ステップ216で、合
成画像データAMIXと合成画像データBMIXとを更に合成
した合成画像データMMIXを演算し、ステップ214
で、得られた合成画像データMMIXに基づく合成画像P
MABをモニタに表示する。
【0068】合成画像データMMIXは、記憶した合成画
像データAMIX、BMIX間で対応する画素における合成画
像の輝度Imix(x,y)に関するデータである。合成
画像の輝度Imix(x,y)は、第1の発光パターンA
での合成画像の輝度Iamix(x,y)と第2の発光パ
ターンBでの合成画像の輝度Ibmix(x,y)との和
(Iamix(x,y)+Ibmix(x,y))として演算
することができる。または、第1の発光パターンAでの
合成画像の輝度Iamix(x,y)と第2の発光パター
ンBでの合成画像の輝度Ibmix(x,y)のうち大き
い方の値(Max(Iamix(x,y),Ibmix(x,
y)))を合成画像の輝度Imix(x,y)として演算
することができる。なお、合成画像データMMIXのデー
タ幅がモニタのデータ幅(通常は8ビット)を超える場
合は、画像データを圧縮して使用する。
【0069】本実施の形態においても、モニタに表示さ
れた画像を参照すると、フィレット先端部にフラックス
の堆積による着色があり、この部分で入射光が吸収され
て反射率が低下したために誤った角度値が算出されたこ
とが分かる。従って、この部分の角度を読み飛ばし、開
始点を下側へずらして積分を行い算出すると、実際のフ
ィレット先端部の3次元形状が適切に求められる。
【0070】以上の通り、第1〜4の実施の形態では、
はんだフィレットを照明して画像を撮像し、その画像を
モニタに表示してはんだフィレット表面の反射率を観察
するので、角度値がフラックスの堆積などの光学的な計
測を阻害する要因により誤って求められたか否かを判断
することができ、誤って求められたデータを読み飛ばす
等して積分の開始点を決定し、決定された開始点から積
分を行い、はんだフィレットの3次元形状を算出するこ
とにより、フィレットの3次元形状を適切に求めること
ができ、はんだの銅片への接触角θを光学的に精度良く
計測することができる。
【0071】特に、第2〜第4の実施の形態では、照明
パターンが2種類で済むため、計測工程が簡略化され、
計測時間も短縮できる。
【0072】また、第3の実施の形態では、第1の発光
パターンAで照明したときの画像データ(AS、AL)及
び第2の発光パターンBで照明したときの画像データ
(BS、BL)を使用した合成画像データを用いて積分条
件を設定する例について説明し、第4の実施の形態で
は、第1の発光パターンAで照明したときの画像データ
(AS、AL)及び第2の発光パターンBで照明したとき
の画像データ(BS、BL)の両方を使用した合成画像デ
ータを用いて積分条件を設定する例について説明した
が、1つの装置内で、画像データ(AS、AL)及び画像
データ(BS、BL)のいずれかを選択して使用するか、
合成画像データを使用するかを、選択できるように構成
してもよい。
【0073】なお、第1〜4の実施の形態では、本発明
の接触角計測装置を、メニスコ装置の板状または棒状の
母材に形成されたはんだフィレットの接触角計測に適用
した例について説明したが、チップ部品の部品端子に形
成されたはんだフィレット、挿入型リード部品のリード
に形成されたはんだフィレット、及び表面実装型リード
部品のリードに形成されたはんだフィレットの接触角計
測にも適用することができるほか、インク等の他の液状
物の接触角計測にも適用することができる。
【0074】
【発明の効果】本発明によれば、フィレットを照明して
反射光像を得て、得られた反射光像と演算されたフィレ
ット各部の角度とに基づいて、フィレットの3次元形状
を演算するので、フィレット先端部近傍に、例えば母材
表面の反射率の低下等フィレットの角度の正確な計測を
阻害する要因がある場合においても、正確なフィレット
の3次元形状を算出することができ、この3次元形状か
ら接触角θを求めることにより、液状物の接触角θを精
度良く求めることができる、という効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1及び第2の実施の形態のはんだフィレット
接触角計測システムの概略構成図である。
【図2】CCDカメラの配置位置を示す構成図である。
【図3】対象物の各部位の角度を求める原理を説明する
説明図である。
【図4】第1の実施の形態の接触角の計測手順を示すフ
ローチャートである。
【図5】補正前の画像データから求めたはんだフィレッ
トの各部位の角度βの分布図である。
【図6】図5の角度βの分布に基づいて算出されたはん
だフィレットの3次元形状を示す図である。
【図7】モニタに表示された画像Cを模式的に示す模式
図である。
【図8】(A)は実際のフィレット先端部の形状を示す
概略図であり、(B)は補正後の角度に基づいて積分を
行い算出したはんだフィレットの3次元形状を示すずで
ある。
【図9】第2の実施の形態の接触角の計測手順を示すフ
ローチャートである。
【図10】第3の実施の形態の接触角の計測手順を示す
フローチャートである。
【図11】第4の実施の形態の接触角の計測手順を示す
フローチャートである。
【図12】メニスコグラフ法において形成されるはんだ
フィレットを示す模式図である。
【符号の説明】 10 はんだフィレット接触角計測システム 12 はんだフィレット形成部 14 光学計測部 16 コンピュータ 18 設置板 22 はんだ浴 30 母材 34 CCDカメラ 36 照明装置 38 レンズ 40 はんだフィレット 42 LED(発光ダイオード) 44 照明駆動装置
フロントページの続き (56)参考文献 塚田敏彦 水野守倫 山田啓一 山本 新 高尾尚史 長谷川英雄,メニスコグ ラフ法における接触角測定技術の開発 (2)〜接触角計測システム〜,第2回 エレクトロニクスにおけるマイクロ接 合・実装技術シンポジウム論文集,日 本,社団法人 溶接学会,1996年2月1 日,p107−112 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01B 11/00 G01N 21/88

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】液状物により母材に形成されたフィレット
    を照明するように配列された複数の発光部を備える照明
    手段と、 各発光部の輝度がそれぞれ異なる第1のパターン、各発
    光部の輝度がそれぞれ異なり且つ第1のパターンとは異
    なる第2のパターン、及びフィレットを拡散照明する第
    3のパターンでフィレットが照明されるように前記照明
    手段を制御する照明制御手段と、 フィレットからの反射光像を撮像する撮像手段と、 フィレットを第1のパターンで照明したときの撮像によ
    り得られた第1の反射光像の輝度と、フィレットを第2
    のパターンで照明したときの撮像により得られた第2の
    反射光像の輝度との比に基づいて、フィレット各部の角
    度を演算する角度演算手段と、 フィレットを第3のパターンで照明したときの第3の反
    射光像に基づいて定まる積分開始点から前記演算された
    フィレット各部の角度を積分してフィレットの3次元形
    状を演算する形状演算手段と、 演算されたフィレットの3次元形状に基づいて、液状物
    の接触角を演算する接触角演算手段と、を備えた接触角
    計測装置。
  2. 【請求項2】液状物により母材に形成されたフィレット
    を照明するように配列された複数の発光部を備える照明
    手段と、 各発光部の輝度がそれぞれ異なる第1のパターン、及び
    各発光部の輝度がそれぞれ異なり且つ第1のパターンと
    は異なる第2のパターンでフィレットが照明されるよう
    に前記照明手段を制御する照明制御手段と、 フィレットからの反射光像を撮像する撮像手段と、 フィレットを第1のパターンで照明したときの撮像によ
    り得られた第1の反射光像の輝度と、フィレットを第2
    のパターンで照明したときの撮像により得られた第2の
    反射光像の輝度との比に基づいて、フィレット各部の角
    度を演算する角度演算手段と、前記第1の反射光像及び前記第2の反射光像のいずれか
    一方の光像に基づいて 定まる積分開始点から前記演算さ
    れたフィレット各部の角度を積分して フィレットの3次
    元形状を演算する形状演算手段と、 演算されたフィレットの3次元形状に基づいて、液状物
    の接触角を演算する接触角演算手段と、を備えた接触角
    計測装置。
  3. 【請求項3】液状物により母材に形成されたフィレット
    を照明するように配列された複数の発光部を備える照明
    手段と、 各発光部の輝度がそれぞれ異なる第1のパターン、及び
    各発光部の輝度がそれぞれ異なり且つ第1のパターンと
    は異なる第2のパターンでフィレットが照明されるよう
    に前記照明手段を制御する照明制御手段と、 フィレットからの反射光像を撮像する撮像手段と、 フィレットを第1のパターンで照明したときの撮像によ
    り得られた第1の反射光像の輝度と、フィレットを第2
    のパターンで照明したときの撮像により得られた第2の
    反射光像の輝度との比に基づいて、フィレット各部の角
    度を演算する角度演算手段と、前記第1の反射光像と前記第2の反射光像とを合成して
    得られた合成光像に基づいて定まる積分開始点から前記
    演算されたフィレット各部の角度を積分して フィレット
    の3次元形状を演算する形状演算手段と、 演算されたフィレットの3次元形状に基づいて、液状物
    の接触角を演算する接触角演算手段と、を備えた接触角
    計測装置。
  4. 【請求項4】前記形状演算手段は、前記積分の開始点以
    前のデータを読み飛ばして積分する請求項1乃至3のい
    ずれか1項に記載の接触角計測装置
  5. 【請求項5】前記液状物により母材に形成されたフィレ
    ットが、はんだ液によりメニスコ装置の板状または棒状
    の母材に形成されたはんだフィレット、はんだ液により
    チップ部品の部品端子に形成されたはんだフィレット、
    はんだ液により挿入型リード部品のリードに形成された
    はんだフィレット、及びはんだ液により表面実装型リー
    ド部品のリードに形成されたはんだフィレットのいずれ
    かである請求項1乃至4のいずれか1項に記載の接触角
    計測装置。
  6. 【請求項6】前記フィレットが、はんだ液によりフラッ
    クスが塗布された母材に形成されたはんだフィレットで
    ある場合に、 前記形状演算手段は、前記第3の反射光像に基づいて、
    フィレット先端部にフラックスが堆積しており、積分の
    開始点として不適切と判断されるときは、その角度デー
    タを無効データとして無視して演算に用いないように
    し、フラックス堆積部分の下側から積分を開始するよう
    に積分開始点を設定可能である請求項1、4及び5のい
    ずれか1項に記載の接触角計測装置。
  7. 【請求項7】前記形状演算手段は、前記第3の反射光像
    内の画素間に極端な濃度差があるときに、該画素に対応
    する角度データを無視して積分の開始点を設定可能であ
    る請求項6に記載の接触角計測装置。
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