JP3355846B2 - 洗濯機 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、予洗行程と本洗行程を
有し、予洗行程にて酵素を投入する洗濯機に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来の洗濯方式を、パルセーター式洗濯
機を例に挙げて説明すると、底部にパルセーターを備え
た洗濯兼脱水槽に衣類を投入した後、所定量の水と洗剤
を投入し、パルセーターを回転させることにより、洗濯
を行っていた。つまり、洗剤の作用と、パルセーターの
回転による機械力の作用により、衣類の汚れを除去して
いた。ここでいう衣類の汚れには、無機汚れ、脂質汚
れ、蛋白汚れなどがあるが、無機汚れは、洗剤と機械力
の作用で比較的落ち易い。一方、脂質汚れ、蛋白汚れ
は、落ちにくい汚れであるため、脂質汚れ、蛋白汚れの
洗浄性能を向上させるために、衣料用洗剤には、脂質分
解酵素、蛋白質分解酵素が配合されるようになってき
た。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、酵素を
洗剤に配合させると、洗剤に含まれる界面活性剤により
酵素の活性が阻害され、酵素が汚れに対して効果的に働
かないという問題を有していた。また、大量の水を使う
本洗行程で酵素を作用させることになるので、酵素の濃
度が大変低くなり、汚れに対して有効に働かせることは
困難であった。

【０００４】本発明は上記課題を解決するもので、予洗
行程でまず汚れに酵素を作用させ、汚れを分解し、つぎ
に本洗行程で、落とし易くなった汚れを洗剤で落とすと
ともに、予洗行程で、衣類に攪拌による機械力を加えて
傷めることなく、また予洗行程の使用水量を少なくする
ことにより、酵素の界面活性剤による活性阻害を防止
し、少ない酵素でも有効に効率的に働かせて洗浄性能を
大幅に向上させることを第１の目的としている。

【０００５】また、本発明は、予洗行程および本洗行程
で、衣類に攪拌による機械力を加えて傷めることなく、
また予洗行程および本洗行程の使用水量を少なくするこ
とにより、少ない酵素でも効率的に汚れに作用させ、洗
浄力を大幅に向上させ、さらに大幅な節水を実現するこ
とを第２の目的としている。

【０００６】また、本発明は、予洗行程あるいは、予洗
行程および本洗行程で、酵素や洗剤を汚れに効率的に作
用させることを第３の目的としている。

【０００７】また、本発明は、予洗行程あるいは、予洗
行程および本洗行程で、酵素や洗剤を、適切なタイミン
グに、汚れに効率よく作用させ、省エネルギーを実現さ
せ、さらに液の飛び散りを防止することを第４の目的と
している。

【０００８】また、本発明は、予洗行程あるいは、予洗
行程および本洗行程で、酵素や洗剤を、衣類にまんべん
なくかけることにより、洗いむらをなくすことを第５の
目的としている。

【０００９】また、本発明は、予洗行程で、水温を上げ
ることにより酵素が汚れに働き易い条件にし、洗浄力を
大幅に向上させることを第６の目的としている。

【００１０】また、本発明は、酵素が有効に働く水温に
達してから予洗行程を開始することにより、短時間で酵
素を働かせ、布を傷めることなく洗浄力を向上させるこ
とを第７の目的としている。

【００１１】また、本発明は、予洗行程で、酵素が有効
に働く水温に維持することにより、洗浄力を大幅に向上
させ、水温が上昇しすぎないようにすることにより、水
温上昇による布傷みや色落ちを防止することを第８の目
的としている。

【００１２】また、本発明は、予洗行程後、排水および
脱水を行うことにより、洗剤液中では、蛋白汚れとして
働く酵素の量を本洗中に少なくすることにより、洗剤の
洗浄効果を高めることを第９の目的としている。

【００１３】また、本発明は、あらかじめ計量しセット
された酵素および洗剤が所定のタイミングで自動投入さ
れることにより、使用者の手間を軽減することを第１０
の目的としている。

【００１４】また、本発明は、所定のタイミングで酵素
および洗剤が自動的に計量、投入されることにより、酵
素、洗剤の計量ミスをなくし、また使用者の手間を大幅
に軽減することを第１１の目的としている。

【００１５】

【課題を解決するための手段】本発明は上記第１の目的
を達成するために、洗濯兼脱水槽と、前記洗濯兼脱水槽
内に給水する給水手段と、前記洗濯兼脱水槽を回転させ
る駆動手段と、前記洗濯兼脱水槽内の衣類に洗濯液をシ
ャワー状に循環供給する洗濯液循環供給手段と、前記給
水手段、駆動手段、洗濯液循環供給手段などの動作を制
御する制御手段とを備え、前記制御手段は、酵素を含む
水を用いた予洗行程と、洗剤液を用いた本洗行程とを実
行し、前記予洗行程は、前記槽駆動手段により前記洗濯
兼脱水槽を回転させながら前記洗濯液循環供給手段によ
り前記洗濯兼脱水槽内の内側側面にへばりついたまま回
転する衣類に洗濯液をシャワー状に供給することによ
り、衣類に洗濯液が供給されると同時に衣類が洗濯液を
排出する脱水シャワー行程としたことを第１の課題解決
手段としている。

【００１６】また、第２の目的を達成するために、上記
第１の課題解決手段の予洗行程および本洗行程がいずれ
も脱水シャワー行程としたことを第２の課題解決手段と
している。

【００１７】また、第３の目的を達成するために、上記
第１または第２の課題解決手段の脱水シャワー行程にお
いて、洗濯兼脱水槽の回転を高低制御可能としたことを
第３の課題解決手段としている。

【００１８】また、第４の目的を達成するために、上記
第１〜３の課題解決手段の脱水シャワー行程において、
洗濯兼脱水槽を高速、低速の２段階で回転駆動し、洗濯
液循環供給手段の作動は、前記高速回転から前記低速回
転へと回転数が下がっていく間に行うようにしたことを
第４の課題解決手段としている。

【００１９】また、第５の目的を達成するために、上記
第１〜４の課題解決手段に加えて、洗濯液循環供給手段
はシャワー状循環給水を行うための循環ポンプを備え、
前記循環ポンプは、動作および停止を繰り返すようにし
たことを第５の課題解決手段としている。

【００２０】また、第６の目的を達成するために、上記
第１〜５の課題解決手段に加えて、洗濯液の循環経路の
途中に洗濯液を加熱する加熱手段を備え、前記加熱手段
は、洗濯液循環供給手段の作動開始と同時に作動を開始
することを第６の課題解決手段としている。

【００２１】また、第７の目的を達成するために、上記
第１〜５の課題解決手段に加えて、洗濯液を加熱する加
熱手段と、前記洗濯液の温度を検知する水温検知手段と
を備え、前記加熱手段を作動することにより洗濯液を加
熱し、前記水温検知手段により洗濯液の温度が所定値に
達したと検知したとき、脱水シャワー行程を開始するよ
うにしたことを第７の課題解決手段としている。

【００２２】また、第８の目的を達成するために、上記
第１〜７の課題解決手段の洗濯液を加熱する加熱手段
と、前記洗濯液の温度を検知する水温検知手段とを備
え、脱水シャワー行程において、前記加熱手段を作動す
ることにより洗濯液を加熱し、前記水温検知手段により
洗濯液の温度が所定値に達したと検知したとき、その温
度を所定時間維持するように前記加熱手段をオン、オフ
制御することを第８の課題解決手段としている。

【００２３】また、第９の目的を達成するために、上記
第１〜８の課題解決手段の予洗行程の後、排水および脱
水を行うようにしたことを第９の課題解決手段としてい
る。

【００２４】また、第１０の目的を達成するために、上
記第１〜９の課題解決手段に加えて、洗濯物の量を判定
する布量判定手段と、前記布量判定手段の信号に基づい
て給 水水位を判定する給水水位判定手段と、前記給水水
位判定手段の信号に基づいて酵素量を判定する酵素量判
定手段と、前記給水水位判定手段の信号に基づいて洗剤
量を判定する洗剤量判定手段と、酵素および洗剤をそれ
ぞれ自動投入する酵素投入装置および洗剤投入装置とを
備え、予洗行程と本洗行程における所定のタイミングで
酵素と洗剤を自動投入するようにしたことを第１０の課
題解決手段としている。

【００２５】また、第１１の目的を達成するために、上
記第１〜９の課題解決手段に加えて、洗濯物の量を判定
する布量判定手段と、前記布量判定手段の信号に基づい
て給水水位を判定する給水水位判定手段と、前記給水水
位判定手段の信号に基づいて酵素量を判定する酵素量判
定手段と、前記給水水位判定手段の信号に基づいて洗剤
量を判定する洗剤量判定手段と、前記酵素量判定手段の
信号に基づいて所定量の酵素を自動投入する酵素投入装
置と、前記洗剤量判定手段の信号に基づいて所定量の洗
剤を自動投入する洗剤投入装置とを備え、予洗行程と本
洗行程における所定のタイミングで酵素と洗剤を自動投
入するようにしたことを第１１の課題解決手段としてい
る。

【００２６】

【作用】本発明は上記した第１の課題解決手段により、
予洗行程において、衣類に遠心力を加えながら、シャワ
ー状に酵素液を循環供給するため、酵素を効率的に汚れ
に作用させ、汚れを分解した酵素液を排出させることを
同時に、かつ連続的に行うことが可能となる。また、予
洗行程の使用水量を少なくすることができるので、少な
い酵素でも効率的に汚れに作用させることができる。ま
た、予洗行程時、衣類には、摩擦などの機械力は加わっ
ていないため、衣類を傷めることなく、酵素液の通過に
より、脂質汚れや蛋白汚れを分解することができる。つ
ぎに、洗剤液で本洗を行うため、酵素で分解され落とし
易くなった汚れを洗剤で効率的に落とすことができ、洗
浄性能を大幅に向上することができる。

【００２７】また、第２の課題解決手段により、予洗行
程において、衣類に遠心力を加えながら、酵素液を供給
するため、酵素を効率的に汚れに作用させ、汚れを分解
した酵素液を排出させることを同時に、かつ連続的に行
うことが可能となり、酵素液の通過により、脂質汚れや
蛋白汚れを分解することができる。また、予洗行程の使
用水量を少なくすることが可能なので、少ない酵素でも
効率的に汚れに作用させることができる。つぎに、本洗
行程においても、衣類に遠心力を加えながら、洗剤液を
供給するため、洗剤を効率的に汚れに作用させ、汚れを
取り込んだ洗剤液を排出させることを同時に、かつ連続
的に行うことが可能となる。また、予洗行程において、
汚れが分解され洗剤で落とし易くなっているため、洗浄
力を大幅に向上させることができる。また、予洗と本洗
行程を通じて、衣類には、摩擦などの機械力は加わって
いないため、衣類を傷めることなく、汚れを除去するこ
とができる。さらに、予洗と本洗行程を通じて、使用水
量を少なくすることが可能となるので、大幅な節水がで
きる。

【００２８】また、第３の課題解決手段により、脱水回
転数の低速回転時は衣類に加わる遠心力が弱まるため、
衣類の洗濯液（酵素液または洗剤液）の含水量が一時的
に増大し、その間に汚れが分解あるいは取り込まれる。
高速回転時は衣類に加わる遠心力が高くなるため、洗濯
液は衣類から排出される。この繰り返しによって、衣類
に摩擦などの機械力を加え、傷めることなく、効率的に
汚れを分解あるいは除去することができる。

【００２９】また、第４の課題解決手段により、衣類に
加わる遠心力が弱い低速回転時に、洗濯液（酵素液また
は洗剤液）を供給して、衣類の含水量を一時的に増大さ
せ、汚れの分解あるいは取り込みを行い、その後、洗濯
液供給を停止し高速回転で衣類に加わる遠心力を高めて
衣類に含まれる洗濯液を排出する。このように、洗濯液
の含水と、排出を分けて行うことにより、かつ汚れの分
解あるいは取り込みが行われるタイミングに、効率的に
洗濯液循環手段を作動させることによって省エネルギー
に汚れを落とし、また高速回転時の洗濯液の給水による
液の飛び散りを防止することができる。

【００３０】また、第５の課題解決手段により、シャワ
ー状循環給水の循環手段をポンプで構成し、ポンプの動
作および停止を繰り返すことにより、洗濯（酵素液また
は洗剤液）が上下方向に振幅を持って供給されるので、
衣類に洗濯液を確実に供給することができ、洗浄むらの
発生を防止することができる。

【００３１】また、第６の課題解決手段により、予洗行
程において、衣類に遠心力を加えながら、酵素液を供給
するため、予洗行程の使用水量を少なくすることが可能
なので、省エネルギーで、かつ短時間で水温を上昇させ
ることができる。そして、予洗行程で、水温を上げるこ
とにより、酵素が汚れに働き易い条件にし、洗浄力を大
幅に向上させることができる。

【００３２】また、第７の課題解決手段により、酵素を
含む水の温度が加熱手段により所定値に達したとき、脱
水シャワー行程を開始するので、酵素が有効に働く水温
に達した時点から短時間で酵素を汚れに働かせることが
できるので、布を傷めることなく洗浄力を向上させるこ
とができる。

【００３３】また、第８の課題解決手段により、酵素を
含む水の温度が所定値に達したとき、その温度を所定時
間維持することにより、酵素が有効に働く水温に維持す
ることができ、洗浄力を大幅に向上させることができ
る。また、水温が上昇しすぎないようにすることによ
り、水温上昇による布傷みや色落ちを防止することがで
きる。

【００３４】また、第９の課題解決手段により、予洗行
程の後、排水および脱水を行うことにより、洗剤中で
は、蛋白汚れとして働く酵素の量を本洗中に少なくする
ことができ、洗剤の洗浄効果を高めることができる。

【００３５】また、第１０の課題解決手段により、酵素
および洗剤を所定位置に計量してセットすれば、所定の
タイミングで自動投入されるので、使用者の手間を軽減
することができる。

【００３６】また、第１１の課題解決手段により、酵素
および洗剤が自動的に計量され、かつ所定のタイミング
で自動投入されることにより、酵素、洗剤の計量ミスを
なくし、また使用者の手間を大幅に軽減することができ
る。

【００３７】

【実施例】以下、本発明の第１の実施例を図１および図
２を参照しながら説明する。

【００３８】図１に示すように、洗濯機外枠１は、４つ
の吊り棒２により水受け槽３を吊り下げ、水受け槽３内
に洗濯兼脱水槽（以下、洗濯槽という）４を回転自在に
配設し、洗濯槽４の底部にパルセーター５を回転自在に
配設している。モータ６は、Ｖベルト７および減速機構
８を介して、パルセーター５および洗濯槽４を駆動す
る。給水弁９は、水受け槽３内に洗濯水を給水するもの
で、排水弁１０は、水受け槽３内の洗濯液を排水する。
制御装置１１は図２に示すように構成している。

【００３９】エンコーダ１２はモータ６の回転角を検知
するもので、モータ６の１回転ごとに６個のパルスを出
力し、その出力をパルスカウンタ１３に入力している。
パルスカウンタ１３はエンコーダ１２の出力パルス数を
カウントし、この出力を布量判定手段１４に入力して布
量を判定する。布量判定手段１４の信号に基づいて給水
水位判定手段１５は給水水位を判定する。また、給水水
位判定手段１５の信号に基づいて酵素量判定手段１６は
酵素量を判定し、洗剤量判定手段１７は洗剤量を判定す
る。

【００４０】制御手段１８は、マイクロコンピュータを
含んだ各種電子回路から構成されており、布量判定手段
１４、給水水位判定手段１５、酵素量判定手段１６、洗
剤量判定手段１７、洗濯槽４内の水位を検知する水位検
知手段１９などからの信号を取り込んで、パワースイッ
チング手段２０を介してモータ６、給水弁９、排水弁１
０などの通電を制御し、酵素を含む水を用いた予洗行程
と、洗剤液を用いた本洗行程とを実行し、本洗行程の
後、すすぎ、脱水の一連の行程を逐次制御し、さらに、
表示手段２１を制御するようにしている。表示手段２１
は液晶表示素子などからなり、洗濯槽４の水位や動作状
態、酵素量、洗剤量を表示する。

【００４１】上記構成において図３を参照しながら動作
を説明すると、まず、ステップ２２で洗濯物を洗濯槽４
の中に入れ、ステップ２３でスタートスイッチ（図示せ
ず）を押すと、ステップ２４で、制御手段１８は、モー
タ６を右方向に０.３秒駆動し、１.５秒休止した後、左
方向に０.３秒駆動して１.５秒休止し、休止期間の始め
から０.４秒までのエンコーダ１２の出力パルス数をパ
ルスカウンタ１３で計数し、布量判定手段１４により洗
濯物の布量を判定する。

【００４２】つぎに、ステップ２５で、布量判定手段１
４の信号に基づいて給水水位判定手段１５が給水水位を
判定し、ステップ２６で、給水水位判定手段１６の信号
を取り込んで、酵素量判定手段１６は酵素量を判定し、
洗剤量判定手段１７は洗剤量を判定し、表示手段２１に
表示する。

【００４３】つぎに、ステップ２７に進み、制御手段１
８により給水弁９が作動し、所定水位まで給水する。ス
テップ２８で、所定量の酵素を投入し、ステップ２９
で、モータ６を洗濯水流に応じて右回転、休止、左回
転、休止と制御する。モータ６の回転はＶベルト７、減
速機構８を介してパルセータ５に伝えられ、洗濯槽４の
中の洗濯物と酵素液が攪拌される。制御手段１８により
所定時間までパルセータ５の回転を行い、酵素液による
予洗行程を終了する。

【００４４】つぎに、ステップ３０で、所定量の洗剤を
投入し、ステップ３１で、パルセータ５の攪拌により、
洗濯槽４の中の洗濯物と洗剤液が攪拌される。制御手段
１８により所定時間までパルセータ５の回転を行い、洗
剤液による本洗行程を終了する。

【００４５】このように本実施例によれば、酵素液でま
ず予洗を行うため、酵素と界面活性剤の共存による酵素
の活性阻害を防止できるので、酵素が汚れ分解に有効に
働く。つぎに、洗剤液で本洗を行うため、酵素で分解さ
れ落とし易くなった汚れを洗剤で効率的に落とすことが
でき、洗浄性能を大幅に向上することができる。

【００４６】つぎに、本発明の第２の実施例を図４およ
び図５を参照しながら説明する。なお、上記第１の実施
例と同じ構成のものは同一符号を付して説明を省略す
る。

【００４７】図４に示すように、洗濯液散水部３２は、
洗濯槽４の内側側面に向けて洗濯液を供給するようにし
ている。循環水路３３は、水受け槽３内の洗濯液を洗濯
液散水部３２に循環するもので、経路途中に循環ポンプ
３４を有しており、洗濯液散水部３２、循環経路３３、
循環ポンプ３４により洗濯液供給手段３５を構成してい
る。

【００４８】つぎに、図５に示すように、予洗水位判定
手段３７は、布量判定手段１５の信号に基づいて予洗行
程の給水水位を判定し、酵素量判定手段１６は、予洗水
位判定手段３７の信号に基づいて酵素量を判定する。本
洗水位判定手段３８は、布量判定手段１５の信号に基づ
いて本洗行程の給水水位を判定し、洗剤量判定手段１７
は、本洗水位判定手段３８の信号に基づいて洗剤量を判
定する。

【００４９】制御手段３９は、酵素を含む水を用いた予
洗行程と、洗剤液を用いた本洗行程とを実行し、予洗行
程は、洗濯槽４を回転させる脱水回転と、循環ポンプ３
４を作動させて洗濯槽４の内側側面に位置する洗濯物に
酵素液を供給するシャワー状循環給水を併せ持つ脱水シ
ャワー行程を実施するようにしている。

【００５０】上記構成において図６を参照しながら動作
を説明すると、まず、ステップ２２で洗濯物３６を洗濯
槽４の中に入れ、ステップ２３でスタートスイッチ（図
示せず）を押し、ステップ２４で、布量判定手段１４に
より洗濯物の布量を判定する。つぎに、ステップ４０
で、布量判定手段１４の信号に基づいて予洗水位判定手
段３７により予洗行程の給水水位を判定し、本洗水位判
定手段３８により本洗行程の給水水位を判定する。

【００５１】ステップ４１で、予洗水位判定手段３７の
信号を取り込んで、酵素量判定手段１６は酵素量を判定
し、本洗水位判定手段３８の信号を取り込んで洗剤量判
定手段１７は洗剤量を判定し、表示手段２１に表示す
る。つぎに、ステップ４２に進み、制御手段３９により
給水弁９を作動し、所定水位まで給水する。ステップ４
３で、所定量の酵素を投入し、ステップ４４で、制御手
段３９によってモータ６を作動し、モータ６の回転はＶ
ベルト７、減速機構８を介して洗濯槽４に伝えられ、所
定回転数になるようオン、オフを制御される。

【００５２】洗濯槽４の回転により、洗濯物３６には遠
心力が加わり、洗濯槽４の内側側面にへばりついたまま
回転する。循環ポンプ３４を作動させることにより、洗
濯槽４の内側側面に位置する洗濯物３６に酵素液を供給
する。また同時に、洗濯槽４の回転により、洗濯物３６
に含まれている酵素液は脱水され、水受け槽３の下部か
ら循環ポンプ３４により汲み上げられ、循環経路３３を
通して洗濯液散水部３２より酵素液が洗濯物３６に向け
て供給される。制御手段３９により所定時間まで、洗濯
槽の回転と、酵素液の供給を連続して行う。

【００５３】ここで、予洗行程では、洗濯槽４の回転に
より遠心力を加え洗濯物３６を広げながら酵素液を供給
し、汚れに作用した酵素液を排出させることを同時に、
かつ連続的に行うことが可能となるので、少ない酵素液
でも効率的に汚れに作用させることができる。また、こ
のときには、衣類に摩擦などの機械力は加わっていない
ため、衣類を傷めることなく、酵素により汚れを分解す
ることができる。

【００５４】つぎに、ステップ４５に進み、制御手段３
９により給水弁９を作動し、所定水位まで給水し、ステ
ップ４６で、所定量の洗剤を投入し、ステップ４７で、
パルセータ５の攪拌により、洗濯槽４の中の洗濯物３６
と洗剤液が攪拌される。制御手段３９により、所定時間
までパルセータ５の回転を行い、洗剤液による本洗行程
を終了する。

【００５５】このように本実施例によれば、酵素液を用
いた予洗を脱水シャワー行程で行うため、少ない酵素液
でも効率的に汚れに作用させることができる。また、こ
のときには、衣類に摩擦などの機械力は加わっていない
ため、衣類を傷めることなく、酵素により汚れを分解す
ることができる。つぎに洗剤液で本洗を行うため、酵素
で分解され落とし易くなった汚れを洗剤で効率的に落と
すことができ、洗浄性能を大幅に向上することができ
る。

【００５６】つぎに、本発明の第３の実施例を図７を参
照しながら説明する。なお、上記第１または第２の実施
例と同じ構成のものは同一符号を付して説明を省略す
る。

【００５７】図に示すように、制御手段４８は、酵素を
含む水を用いた予洗行程と、洗剤液を用いた本洗行程と
を実行し、予洗行程および本洗行程は、いずれも洗濯槽
４を回転させる脱水回転と、循環ポンプ３４を作動させ
て洗濯槽４の内側側面に位置する洗濯物に酵素液を供給
するシャワー状循環給水を併せ持つ脱水シャワー行程を
実施するようにしている。

【００５８】上記構成において図８を参照しながら動作
を説明すると、ステップ２２で洗濯物３６を洗濯槽４の
中に入れ、ステップ２３でスタートスイッチ（図示せ
ず）を押し、ステップ２４で、布量判定手段１４により
洗濯物の布量を判定する。つぎ、ステップ４９で、布量
判定手段１４の信号に基づいて給水水位判定手段１５に
より給水水位を判定する。ステップ５０で、給水水位判
定手段１５の信号を取り込んで、酵素量判定手段１６は
酵素量を判定し、洗剤量判定手段１７は洗剤量を判定
し、表示手段２１に表示する。

【００５９】つぎに、ステップ５１に進み、制御手段４
８により給水弁９を作動し、所定水位まで給水する。ス
テップ５２で、所定量の酵素を投入する。ステップ５３
で、制御手段４８により所定時間まで洗濯槽４を回転さ
せるとともに、循環ポンプ３４を作動させることによ
り、洗濯槽４の内側側面に位置する洗濯物３６に酵素液
を連続して供給する。ステップ５４で、所定量の洗剤を
投入する。つぎに、ステップ５５で、制御手段４８によ
り所定時間まで洗濯槽４の回転と、洗剤液の供給を連続
して行う。

【００６０】このように本実施例によれば、予洗行程
で、酵素により汚れを分解し、本洗行程で、酵素で分解
され落とし易くなった汚れを洗剤で効率的に落とすこと
により、洗浄性能を大幅に向上することができる。ま
た、予洗および本洗を脱水シャワー行程で行うため、大
幅な節水が可能となる。さらに、衣類に摩擦などの機械
力は加わっていないため、衣類の傷みを最小限に低減す
ることができる。

【００６１】つぎに、本発明の第４の実施例について説
明する。

【００６２】図５における制御手段３９は、予洗行程に
おいて、脱水回転とシャワー状循環給水を併わせ持つ脱
水シャワー行程を実施するとともに、モータ６によって
洗濯槽４の回転数を高速回転Ｒ１（たとえば、１５０〜
３００ｒｐｍ）と低速回転Ｒ２（たとえば、５０〜１０
０ｒｐｍ）の２段階の繰り返しに回転駆動するように
し、また、図７における制御手段４８は、予洗行程およ
び本洗行程において、脱水回転とシャワー状循環給水を
併わせ持つ脱水シャワー行程を実施するとともに、モー
タ６によって洗濯槽４の回転数を高速回転Ｒ１（たとえ
ば、１５０〜３００ｒｐｍ）と低速回転Ｒ２（たとえ
ば、５０〜１００ｒｐｍ）の２段階の繰り返しに回転駆
動するようにしている。他の構成は上記第２または第３
の実施例と同じである。

【００６３】上記構成において図９を参照しながら動作
を説明すると、図９は洗濯時間の経過と洗濯槽４の回転
数との関係を示している。制御手段３９、４８によって
洗濯槽４の回転数を高速回転Ｒ１と低速回転Ｒ２の間で
制御する。このとき、洗濯槽４の回転数が徐々に低くし
ていくＴ１からＴ２の間では、衣類に加わる遠心力が弱
くなり、洗濯液（酵素液または洗剤液）の排出能力が低
下し、衣類の洗濯液含水量が徐々に増大していく。つま
り、衣類は洗濯液によってつけおかれた状態となり、洗
濯液の汚れへの作用時間も長くなる。そして、低速回転
Ｒ２から再び高速回転Ｒ１へと回転数を高くしていくＴ
２からＴ３の間では、衣類に加わる遠心力が高くなるた
め、汚れに作用した洗濯液が排出される。

【００６４】このように本実施例によれば、予洗行程ま
たは本洗行程において、洗濯液を供給している間に洗濯
槽４の回転数を高低制御して、衣類に加わる遠心力を変
化させ、洗濯液の含水量を変化させることにより、洗濯
液が効率よく汚れに作用するため、洗濯時間を短縮する
ことができる。

【００６５】つぎに、本発明の第５の実施例について説
明する。

【００６６】上記第４の実施例の制御手段３９は、モー
タ６によって、洗濯槽４の回転数を高速回転Ｒ１'（た
とえば、１５０〜３００ｒｐｍ）と低速回転Ｒ２'（た
とえば、５０〜１００ｒｐｍ）の２段階に繰り返し回転
駆動するようにし、シャワー状循環給水を脱水回転数が
低いときに行うようにし、また、制御手段４８も同様
に、モータ６によって、洗濯槽４の回転数を高速回転Ｒ
１'（たとえば、１５０〜３００ｒｐｍ）と低速回転Ｒ
２'（たとえば、５０〜１００ｒｐｍ）の２段階に繰り
返し回転駆動するようにし、シャワー状循環給水を脱水
回転数が低いときに行うようにしている。他の構成は上
記第４の実施例と同じである。

【００６７】上記構成において図１０を参照しながら動
作を説明すると、図１０は洗濯時間の経過と洗濯槽の回
転数との関係を示している。制御手段３９、４８によっ
て洗濯槽４の回転数を、高速回転Ｒ１'と低速回転Ｒ２'
の間で制御し、洗濯液供給手段３５は、高速回転Ｒ１'
の時点Ｔ１'から低速回転Ｒ２'の時点Ｔ２'へと回転数
が下がっていく間に作動させる。

【００６８】このとき、洗濯液（酵素液または洗剤液）
を供給しながら、洗濯槽４の回転数が徐々に低くなれば
衣類に加わる遠心力が弱くなり、洗濯液の排出能力が低
下し、衣類の洗濯液含水量が徐々に増大していく。つま
り、衣類は洗濯液によってつけおかれた状態となり、洗
濯液の汚れへの作用時間も長くなる。そして、洗濯液の
供給を停止し、低速回転Ｒ２'から再び高速回転Ｒ１'へ
と回転数を高くしていくＴ２'からＴ３'の間では、衣類
に加わる遠心力が高くなるため、汚れに作用した洗濯液
が排出される。

【００６９】このように本実施例によれば、洗濯液供給
手段３５によって洗濯槽４の回転数を高低制御して衣類
に加わる遠心力を変化させ、洗濯液を効率よくに作用す
るタイミングに供給することによって、洗濯液供給手段
３５の効率的な作動が可能となり省エネルギーを実現
し、また高速回転時の洗濯液の飛び散りを防止すること
ができる。

【００７０】つぎに、本発明の第６の実施例について説
明する。

【００７１】図５における制御手段３９は、予洗行程に
おいて、脱水回転とシャワー状循環給水を併わせ持つ脱
水シャワー行程を実施するとき、洗濯液供給手段３５を
構成している循環ポンプ３４の動作および停止（たとえ
ば、１秒オン−０.５秒オフ）を連続して制御するよう
にし、また、図７における制御手段４８は、予洗行程お
よび本洗行程において、脱水回転とシャワー状循環給水
を併わせ持つ脱水シャワー行程を実施するとき、循環ポ
ンプ３４の動作および停止（たとえば、１秒オン−０.
５秒オフ）を連続して制御するようにしている。他の構
成は上記第２または第３の実施例と同じである。

【００７２】上記構成において動作を説明すると、循環
ポンプ３４の作動中は洗濯液（酵素液または洗剤液）は
勢いよく洗濯槽４の側面上部に向かって供給されるが、
循環ポンプ３４を作動させた瞬間、また停止させた瞬間
は、洗濯槽４の側面下部から洗濯槽４の底部に供給され
ることになる。

【００７３】このように本実施例によれば、図１１に示
すように、洗濯槽４への洗濯液の供給位置に変位を持た
せることができるので、脱水回転中の衣類全体に洗濯液
を供給し、洗いむらの発生を防止することができる。

【００７４】つぎに、本発明の第７の実施例を図１２お
よび１３を参照しながら説明する。なお、上記第２の実
施例と同じ構成のものは同一符号を付して説明を省略す
る。

【００７５】図に示すように、加熱手段５６は、洗濯液
（酵素液または洗剤液）を加熱するもので、循環経路３
３の途中に設置している。水温検知手段５７は、洗濯液
の温度を検知するもので、水受け槽３の底部に取り付け
ている。制御手段５８は、酵素を含む水を用いた予洗行
程と、洗剤液を用いた本洗行程とを実行し、予洗行程
は、洗濯槽４を回転させる脱水回転と、循環ポンプ３４
を作動させて洗濯槽４の内側側面に位置する洗濯物に酵
素液を供給するシャワー状循環給水を併せ持つ脱水シャ
ワー行程を実施するようにし、シャワー状循環給水の循
環開始と同時に加熱をスタートするようにしている。

【００７６】上記構成において図１４を参照しながら動
作を説明すると、図１４は洗濯時間の経過と洗濯槽４内
の水温の関係を示している。予洗行程において、給水、
酵素投入後、洗濯液供給手段３５の作動と同時に、加熱
手段５６を作動させるので、水温を上昇させることがで
きる。

【００７７】ここで、酵素の活性と水温の関係の一例を
図１５に示す。約４０℃までは水温が高いほど酵素が有
効に働くことがわかる。

【００７８】このように本実施例によれば、予洗行程で
水温を上昇させることにより、酵素が汚れに働き易い条
件にして、洗浄力を大幅に向上させることができる。

【００７９】つぎに、本発明の第８の実施例について説
明する。

【００８０】図１３における制御手段５８は、酵素を含
む水を用いた予洗行程と、洗剤液を用いた本洗行程とを
実行し、予洗行程は、洗濯槽４を回転させる脱水回転
と、循環ポンプ３４を作動させて洗濯槽４の内側側面に
位置する洗濯物に酵素液を供給するシャワー状循環給水
を併せ持つ脱水シャワー行程を実施するようにし、酵素
を含む水の温度が、加熱手段５６により所定温度ｔ１に
達したとき、脱水シャワー行程を開始するようにしてい
る。他の構成は上記第７の実施例と同じである。

【００８１】上記構成において図１６を参照しながら動
作を説明すると、予洗行程において、脱水回転とシャワ
ー状循環給水を併わせ持つ脱水シャワー行程を実施する
が、制御手段５８は、給水、酵素投入後、加熱手段５６
を作動させて、水温が所定温度ｔ１に達したとき、洗濯
槽４の回転と洗濯液供給手段３５の作動と実施する。

【００８２】このように、酵素が有効に働く水温に達し
てから、脱水シャワー行程を実施するので、短時間に効
率よく酵素を汚れに作用させることができ、洗浄力を大
幅に向上させることができる。

【００８３】つぎに、本発明の第９の実施例について説
明する。

【００８４】図１３における制御手段５８は、酵素を含
む水を用いた予洗行程と、洗剤液を用いた本洗行程とを
実行し、予洗行程は、洗濯槽４を回転させる脱水回転
と、循環ポンプ３４を作動させて洗濯槽４の内側側面に
位置する洗濯物に酵素液を供給するシャワー状循環給水
を併せ持つ脱水シャワー行程を実施するようにし、酵素
を含む水の温度が所定値に達したとき、その温度を所定
時間維持するようにしている。他の構成は上記第７また
は第８の実施例と同じである。

【００８５】上記構成において図１７を参照しながら動
作を説明すると、予洗行程において、脱水回転とシャワ
ー状循環給水を併わせ持つ脱水シャワー行程を実施する
が、給水、酵素投入後、加熱手段５６を作動させて、水
温が所定温度ｔ１に達すると、加熱手段５６への通電を
オン、オフ制御して所定温度を維持する。

【００８６】このように、酵素が最も有効に働く水温に
維持することにより、洗浄力を大幅に向上させることが
できる。また、所定温度以上に水温が上昇しないので、
衣類の傷みや色落ちを防止することができる。

【００８７】つぎに、本発明の第１０の実施例について
説明する。

【００８８】図２における制御手段１８は、酵素液での
予洗行程終了後、酵素液を排水・脱水するようにしてい
る。他の構成は上記第１の実施例と同じである。

【００８９】上記構成において図１８を参照しながら動
作を説明する。ステップ２２からステップ２９までは、
上記第１の実施例と同じであるので説明を省略する。ス
テップ５９で、予洗行程終了後、酵素液を排水し、衣類
に含まれている液を脱水する。その後、ステップ６０
で、所定水位まで給水し、ステップ３０で洗剤を投入
し、ステップ３１でパルセーター５を所定時間まで回転
させて、洗剤液による本洗行程を終了する。

【００９０】このように本実施例によれば、予洗行程
後、酵素液を排水し、衣類に含まれている液を脱水する
ので、洗剤液中では、蛋白汚れとして働く酵素の量を本
洗中に少なくすることができるので、洗剤の洗浄効果を
高めることができる。

【００９１】つぎに、本発明の第１１の実施例を図１９
および図２０を参照しながら説明する。なお、上記第１
の実施例と同じ構成のものは同一符号を付して説明を省
略する。

【００９２】図に示すように、酵素投入装置６１は、洗
濯槽４内に予めセットされた酵素を投入するものであ
り、洗剤投入装置６２は、洗濯槽４内に予めセットされ
た洗剤を投入するものである。制御手段６３は、パワー
スイッチング手段２０を介してモータ６、給水弁９、排
水弁１０などの通電を制御し、酵素を含む水を用いた予
洗行程と、洗剤液を用いた本洗行程とを実行し、本洗行
程の後、すすぎ、脱水の一連の行程を逐次制御し、さら
に、酵素投入装置６１と洗剤投入装置６２の動作を制御
し、所定のタイミングで酵素と洗剤を自動投入するよう
にしている。

【００９３】上記構成において図２１を参照しながら動
作を説明する。ステップ２２からステップ２６までは、
上記第１の実施例と同じであるので説明を省略する。ス
テップ２６で、酵素量判定手段１６と洗剤量判定手段１
７により、酵素量と洗剤量を判定し、ステップ６４で判
定結果を表示手段２１により表示する。ステップ６５
で、表示された量の酵素を計量し酵素投入装置６１にセ
ットし、洗剤を洗剤投入装置６２にセットする。つぎ
に、ステップ６６で所定水位まで給水し、ステップ６７
で酵素を自動投入し、ステップ６８でパルセーター５を
所定時間まで回転させて予洗行程を終了させる。つぎ
に、ステップ６９で洗剤を自動投入し、ステップ７０で
パルセーター５を所定時間まで回転させて本洗行程を終
了させる。

【００９４】このように本実施例によれば、酵素および
洗剤を所定位置にセットすれば、所定のタイミングで自
動投入されるので、使用者の手間を軽減することができ
る。

【００９５】つぎに、本発明の第１２の実施例を図２２
および図２３を参照しながら説明する。なお、上記第１
の実施例と同じ構成のものは同一符号を付して説明を省
略する。

【００９６】図に示すように、酵素計量投入装置７１
は、酵素量判定手段１６の信号に基づいて酵素を計量
し、洗濯槽４内に投入するものであり、洗剤計量投入装
置７２は、洗剤量判定手段１７の信号に基づいて洗剤を
計量し洗濯槽４内に投入するものである。制御手段７３
は、パワースイッチング手段２０を介してモータ６、給
水弁９、排水弁１０などの通電を制御し、酵素を含む水
を用いた予洗行程と、洗剤液を用いた本洗行程とを実行
し、本洗行程の後、すすぎ、脱水の一連の行程を逐次制
御し、さらに、酵素計量投入装置７１と洗剤計量投入装
置７２の動作を制御し、所定のタイミングで酵素と洗剤
を自動投入するようにしている。

【００９７】上記構成において図２４を参照しながら動
作を説明する。ステップ２２からステップ２７までは、
上記第１の実施例と同じであるので説明を省略する。ス
テップ７４で、酵素量判定手段１６により判定された酵
素の量を酵素計量投入装置７１により計量し、洗濯槽４
内に投入し、ステップ７５でパルセーター５を所定時間
まで回転させて予洗行程を終了させる。つぎに、ステッ
プ７６で、洗剤量判定手段１７により判定された洗剤の
量を洗剤計量投入装置７１により計量し、洗濯槽４内に
投入し、ステップ７７でパルセーター５を所定時間まで
回転させて本洗行程を終了させる。

【００９８】このように本実施例によれば、酵素および
洗剤を自動的に計量し、かつ所定のタイミングで自動投
入されるので、酵素、洗剤の計量ミスをなくし、また使
用者の手間を大幅に軽減することができる。

【００９９】

【発明の効果】以上のように本発明は、洗濯兼脱水槽
と、前記洗濯兼脱水槽内に給水する給水手段と、前記洗
濯兼脱水槽を回転させる駆動手段と、前記洗濯兼脱水槽
内の衣類に洗濯液をシャワー状に循環供給する洗濯液循
環供給手段と、前記給水手段、駆動手段、洗濯液循環供
給手段などの動作を制御する制御手段とを備え、前記制
御手段は、酵素を含む水を用いた予洗行程と、洗剤液を
用いた本洗行程とを実行し、前記予洗行程は、前記槽駆
動手段により前記洗濯兼脱水槽を回転させながら前記洗
濯液循環供給手段により前記洗濯兼脱水槽内の内側側面
にへばりついたまま回転する衣類に洗濯液をシャワー状
に供給することにより、衣類に洗濯液が供給されると同
時に衣類が洗濯液を排出する脱水シャワー行程としたか
ら、酵素液を用いた予洗を脱水シャワー行程で行うた
め、少ない酵素でも効率的に汚れに作用させることがで
き、また、このときには、衣類に摩擦などの機械力は加
わっていないため、衣類を傷めることなく、酵素により
汚れを分解することができる。つぎに洗剤液で本洗を行
うため、酵素で分解され落とし易くなった汚れを洗剤で
効率的に落とすことができ、洗浄性能を大幅に向上する
ことができる。

【０１００】また、予洗行程および本洗行程がいずれも
脱水シャワー行程としたから、予洗行程で酵素により汚
れを分解し、本洗行程で、酵素で分解され落とし易くな
った汚れを洗剤で効率的に落とすことにより、洗浄性能
を大幅に向上できる。また、予洗および本洗を脱水シャ
ワー行程で行うため、大幅な節水が可能となる。さら
に、衣類に摩擦などの機械力は加わっていないため、衣
類の傷みを最小限に低減することができる。

【０１０１】また、脱水シャワー行程において、洗濯兼
脱水槽の回転を高低制御可能としたから、衣類に加わる
遠心力を変化させ、洗濯液（酵素液または洗剤液）の含
水量を変化させることができ、洗濯液が効率よく汚れに
作用するため、洗濯時間を短縮することができる。

【０１０２】また、脱水シャワー行程において、洗濯兼
脱水槽を高速、低速の２段階で回転駆動し、洗濯液循環
供給手段の作動は、前記高速回転から前記低速回転へと
回転数が下がっていく間に行うようにしたから、衣類に
加わる遠心力を変化させ、洗濯液（酵素液または洗剤
液）を効率よく衣類に作用するタイミングに供給するこ
とによって、洗濯液供給手段の効率的な作動が可能とな
り省エネルギーを実現し、また高速回転時の洗濯液の飛
び散りを防止することができる。

【０１０３】また、洗濯液循環供給手段はシャワー状循
環給水を行うための循環ポンプを備え、前記循環ポンプ
は、動作および停止を繰り返すようにしたから、洗濯槽
への洗濯液（酵素液または洗剤液）の供給位置に変位を
持たせることができ、脱水回転中の衣類全体に洗濯液を
供給し、洗いむらの発生を防止することができる。

【０１０４】また、洗濯液の循環経路の途中に洗濯液を
加熱する加熱手段を備え、前記加熱手段は、洗濯液循環
供給手段の作動開始と同時に作動を開始するようにした
から、予洗行程で水温を上昇させることにより、酵素が
汚れに働き易い条件にすることができ、洗浄力を大幅に
向上させることができる。

【０１０５】また、洗濯液を加熱する加熱手段と、前記
洗濯液の温度を検知する水温検知手段とを備え、前記加
熱手段を作動することにより洗濯液を加熱し、前記水温
検知 手段により洗濯液の温度が所定値に達したと検知し
たとき、脱水シャワー行程を開始するようにしたから、
酵素が有効に働く水温に達してから、脱水シャワー行程
を実施するので、短時間に効率よく酵素を汚れに作用さ
せることができ、洗浄力を大幅に向上させることができ
る。

【０１０６】また、洗濯液を加熱する加熱手段と、前記
洗濯液の温度を検知する水温検知手段とを備え、脱水シ
ャワー行程において、前記加熱手段を作動することによ
り洗濯液を加熱し、前記水温検知手段により洗濯液の温
度が所定値に達したと検知したとき、その温度を所定時
間維持するように前記加熱手段をオン、オフ制御するよ
うに構成したから、酵素が最も有効に働く水温に維持す
ることにより、洗浄力を大幅に向上させることができ
る。また、所定温度以上に水温が上昇しないので、衣類
の傷みや色落ちを防止することができる。

【０１０７】また、予洗行程の後、排水および脱水を行
うようにしたから、酵素液を排水し、衣類に含まれてい
る液を脱水するので、洗剤液中では、蛋白汚れとして働
く酵素の量を本洗中に少なくすることができ、洗剤の洗
浄効果を高めることができる。

【０１０８】また、洗濯物の量を判定する布量判定手段
と、前記布量判定手段の信号に基づいて給水水位を判定
する給水水位判定手段と、前記給水水位判定手段の信号
に基づいて酵素量を判定する酵素量判定手段と、前記給
水水位判定手段の信号に基づいて洗剤量を判定する洗剤
量判定手段と、酵素および洗剤をそれぞれ自動投入する
酵素投入装置および洗剤投入装置とを備え、予洗行程と
本洗行程における所定のタイミングで酵素と洗剤を自動
投入するようにしたから、使用者の手間を軽減すること
ができる。

【０１０９】また、洗濯物の量を判定する布量判定手段
と、前記布量判定手段の信号に基づいて給水水位を判定
する給水水位判定手段と、前記給水水位判定手段の信号
に基づいて酵素量を判定する酵素量判定手段と、前記給
水水位判定手段の信号に基づ いて洗剤量を判定する洗剤
量判定手段と、前記酵素量判定手段の信号に基づいて所
定量の酵素を自動投入する酵素投入装置と、前記洗剤量
判定手段の信号に基づいて所定量の洗剤を自動投入する
洗剤投入装置とを備え、予洗行程と本洗行程における所
定のタイミングで酵素と洗剤を自動投入するようにした
から、酵素、洗剤の計量ミスをなくし、また使用者の手
間を大幅に軽減することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の第１の実施例の洗濯機の縦断面図

【図２】同洗濯機のブロック回路図

【図３】同洗濯機の動作フローチャート

【図４】本発明の第２の実施例の洗濯機の縦断面図

【図５】同洗濯機のブロック回路図

【図６】同洗濯機の動作フローチャート

【図７】本発明の第３の実施例の洗濯機のブロック回路
図

【図８】同洗濯機の動作フローチャート

【図９】本発明の第４の実施例の洗濯機の洗濯槽の回転
数制御を示すタイムチャート

【図１０】本発明の第５の実施例の洗濯機の洗濯槽の回
転数制御を示すタイムチャート

【図１１】本発明の第６の実施例の洗濯機の縦断面図

【図１２】本発明の第７の実施例の洗濯機の縦断面図

【図１３】同洗濯機のブロック回路図

【図１４】同洗濯機の洗濯槽内の水温を示すタイムチャ
ート

【図１５】同洗濯機の酵素の活性と水温の関係を示す特
性図

【図１６】本発明の第８の実施例の洗濯機の洗濯槽内の
水温を示すタイムチャート

【図１７】本発明の第９の実施例の洗濯機の洗濯槽内の
水温を示すタイムチャート

【図１８】本発明の第１０の実施例の洗濯機の動作フロ
ーチャート

【図１９】本発明の第１１の実施例の洗濯機の縦断面図

【図２０】同洗濯機のブロック回路図

【図２１】同洗濯機の動作フローチャート

【図２２】本発明の第１２の実施例の洗濯機の縦断面図

【図２３】同洗濯機のブロック回路図

【図２４】同洗濯機の動作フローチャート

【符号の説明】

１８ 制御手段

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 太田 文夫 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電 器産業株式会社内 (56)参考文献 特開 平６−327883（ＪＰ，Ａ) 特開 平７−8671（ＪＰ，Ａ) 特開 昭59−192397（ＪＰ，Ａ) 特開 平５−3990（ＪＰ，Ａ) 特公 昭63−64237（ＪＰ，Ｂ１) 実公 昭64−2714（ＪＰ，Ｙ１) (58)調査した分野(Int.Cl.⁷，ＤＢ名) D06F 33/02 D06F 33/04

Claims (11)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 洗濯兼脱水槽と、前記洗濯兼脱水槽内に
   給水する給水手段と、前記洗濯兼脱水槽を回転させる駆
   動手段と、前記洗濯兼脱水槽内の衣類に洗濯液をシャワ
   ー状に循環供給する洗濯液循環供給手段と、前記給水手
   段、駆動手段、洗濯液循環供給手段などの動作を制御す
   る制御手段とを備え、前記制御手段は、酵素を含む水を
   用いた予洗行程と、洗剤液を用いた本洗行程とを実行
   し、前記予洗行程は、前記槽駆動手段により前記洗濯兼
   脱水槽を回転させながら前記洗濯液循環供給手段により
   前記洗濯兼脱水槽内の内側側面にへばりついたまま回転
   する衣類に洗濯液をシャワー状に供給することにより、
   衣類に洗濯液が供給されると同時に衣類が洗濯液を排出
   する脱水シャワー行程とした洗濯機。
2. 【請求項２】 予洗行程および本洗行程がいずれも脱水
   シャワー行程とした請求項１に記載の洗濯機。
3. 【請求項３】 脱水シャワー行程において、洗濯兼脱水
   槽の回転を高低制御可能とした請求項１または２に記載
   の洗濯機。
4. 【請求項４】 脱水シャワー行程において、洗濯兼脱水
   槽を高速、低速の２段階で回転駆動し、洗濯液循環供給
   手段の作動は、前記高速回転から前記低速回転へと回転
   数が下がっていく間に行うようにした請求項１〜３のい
   ずれか１項に記載の洗濯機。
5. 【請求項５】 洗濯液循環供給手段はシャワー状循環給
   水を行うための循環ポンプを備え、前記循環ポンプは、
   動作および停止を繰り返すようにした請求項１〜４のい
   ずれか１項に記載の洗濯機。
6. 【請求項６】 洗濯液の循環経路の途中に洗濯液を加熱
   する加熱手段を備え、前記加熱手段は、洗濯液循環供給
   手段の作動開始と同時に作動を開始する請求項１〜５の
   いずれか１項に記載の洗濯機。
7. 【請求項７】 洗濯液を加熱する加熱手段と、前記洗濯
   液の温度を検知する水温検知手段とを備え、前記加熱手
   段を作動することにより洗濯液を加熱し、前記水温検知
   手段により洗濯液の温度が所定値に達したと検知したと
   き、脱水シャワー行程を開始する請求項１〜５のいずれ
   か１項に記載の洗濯機。
8. 【請求項８】 洗濯液を加熱する加熱手段と、前記洗濯
   液の温度を検知する水温検知手段とを備え、脱水シャワ
   ー行程において、前記加熱手段を作動することにより洗
   濯液を加熱し、前記水温検知手段により洗濯液の温度が
   所定値に達したと検知したとき、その温度を所定時間維
   持するように前記加熱手段をオン、オフ制御する請求項
   １〜７のいずれか１項に記載の洗濯機。
9. 【請求項９】 予洗行程の後、排水および脱水を行うよ
   うにした請求項１〜８のいずれか１項に記載の洗濯機。
10. 【請求項１０】 洗濯物の量を判定する布量判定手段
    と、前記布量判定手段の信号に基づいて給水水位を判定
    する給水水位判定手段と、前記給水水位判定手段の信号
    に基づいて酵素量を判定する酵素量判定手段と、前記給
    水水位判定手段の信号に基づいて洗剤量を判定する洗剤
    量判定手段と、酵素および洗剤をそれぞれ自動投入する
    酵素投入装置および洗剤投入装置とを備え、予洗行程と
    本洗行程における所定のタイミングで酵素と洗剤を自動
    投入するようにした請求項１〜９のいずれか１項に記載
    の洗濯機。
11. 【請求項１１】 洗濯物の量を判定する布量判定手段
    と、前記布量判定手段の信号に基づいて給水水位を判定
    する給水水位判定手段と、前記給水水位判定手段の信号
    に基づいて酵素量を判定する酵素量判定手段と、前記給
    水水位判定手段の信号に基づいて洗剤量を判定する洗剤
    量判定手段と、前記酵素量判定手段の信号に基づいて所
    定量の酵素を自動投入する酵素投入装置と、前記洗剤量
    判定手段の信号に基づいて所定量の洗剤を自動投入する
    洗剤投入装置とを備え、予洗行程と本洗行程における所
    定のタイミングで酵素と洗剤を自動投入するようにした
    請求項１〜９のいずれか１項に記載の洗濯機。