JP3355828B2 - 電気伝導度検出器 - Google Patents

電気伝導度検出器

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、イオンクロマトグラフ
において使用される電気伝導度検出器に関する。
【0002】
【従来の技術】イオンクロマトグラフにおいて使用され
る電気伝導度検出器は、カラムを通過した移動相及び試
料から成る液体の電気伝導度を測定するものであり、そ
のために、カラム通過後の液体を挟んで対向する二つの
電極に電圧が印加され、その二つの電極間に流れる電流
が測定される。このとき、直流電圧が印加されると、電
極周辺で分極が起こり液体の電気伝導度を正しく検出す
ることができないため、1kHz程度の交流電圧が印加
される。そして平衡復調回路により、二つの電極間に流
れる電流を示す信号に対して同期検波が行なわれ、その
同期検波によって得られた検波出力がローパスフィルタ
に通される。このローパスフィルタにより、前記液体の
電気伝導度に比例した直流成分が得られる。
【0003】イオンクロマトグラフによる分析において
必要となる電気伝導度は、カラムで分離された試料の各
種成分に対応するものである。しかし、移動相自身の電
気伝導度(バックグラウンド)が大きいと、電気伝導度
検出器内のアンプが飽和して正しい電気伝導度の測定が
できない場合がある。そこで、このバックグラウンドを
消去するために、二つの電極に印加される交流電圧と逆
位相の電圧が反転アンプによって生成され、この逆位相
の電圧を所定抵抗(「リファレンス抵抗」と呼ばれる)
に印加することによって流れる電流が二つの電極間に流
れる電流に足し合わされる。これにより、バックグラウ
ンドが消去され、試料の各種成分に対応する電気伝導度
の変化分のみが得られる。ただし、バックグラウンドを
完全に消去するためには、同期検波による検波出力をロ
ーパスフィルタに通して得られる信号に基づいてリファ
レンス抵抗を適切に調整する必要がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記従来の電気伝導度
検出器では、同期検波によって得られた検波出力をロー
パスフィルタに通す必要があり、ノイズを除去するため
にはできるだけローパスフィルタの遮断周波数を低く設
定するのが好ましい。しかし、ローパスフィルタの遮断
周波数を低くすると検出器としての応答性が低下するた
め、カラムから出てくる液体の電気伝導度の急激な変化
に追従することができなくなる。また、同期検波を歪な
く行なうためには高精度の平衡復調回路が必要であり、
このことは電気伝導度検出器のコスト上昇の要因とな
る。さらに、前述のバックグラウンドの消去のためのリ
ファレンス抵抗の調整の際に、同期検波による検波出力
をローパスフィルタに通して得られる信号が必要である
ため、バックグラウンドの消去のための調整に長時間を
要するという問題もあった。
【0005】本発明はこのような問題を解決するために
成されたものであり、その目的とするところは、応答が
速くかつバックグラウンドの消去のための調整を短時間
で行なうことができる電気伝導度検出器を低コストで提
供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に成された本発明は、液体を挟んで対向する二つの電極
に電圧を印加して該二つの電極間に流れる電流を測定す
ることにより、前記液体の電気伝導度を検出する電気伝
導度検出器において、 a)デジタル信号を入力して該デジタル信号が示す値の
電圧を生成し、該電圧を前記二つの電極間に印加するD
/A変換手段と、 b)前記二つの電極間に流れる電流の値を示すデジタル
信号を生成するA/D変換手段と、 c)D/A変換手段に所定周期の交流を表わす第1デジ
タル信号を入力することによって前記二つの電極間に該
周期の交流電圧を印加し、第1デジタル信号又は第1デ
ジタル信号と同一周期の交流を表わすデジタル信号と、
第1デジタル信号に対応してA/D変換手段によって生
成される第2デジタル信号とについて、前記交流の1周
期分の積和演算を行なうことにより、前記液体の電気伝
導度を算出する演算手段と、を備えた構成としている。
また、本発明に係る電気伝導度検出器では、前記演算手
段は、第1デジタル信号と同一周期の交流矩形波を表わ
すデジタル信号と第2デジタル信号との積和演算に替え
て、第1デジタル信号の極性が正であるときには第2デ
ジタル信号を加算し、第1デジタル信号の極性が負であ
るときには第2デジタル信号を減算することにより、前
記液体の電気伝導度を算出する構成とすることができ
る。
【0007】
【作用】本発明の構成によると、第1デジタル信号が演
算手段からD/A変換手段に入力され、これがD/A変
換手段によりアナログ信号に変換されて、第1デジタル
信号が示す値の電圧として出力される。そして、この電
圧が液体を挟んで配置された二つの電極に印加される。
ここで、第1デジタル信号は所定周期の交流を表わすも
のであるため、二つの電極にはその周期の交流電圧が印
加される。この交流電圧の印加によって二つの電極間に
電流が流れる。この電流は二つの電極に挟まれた液体を
流れる交流電流であり、この交流電流は、A/D変換手
段により、その電流値を示すデジタル信号に変換され
る。演算手段は、これを第2デジタル信号として取り込
み、この第2デジタル信号と、前記の第1デジタル信号
又はこれと同一周期の交流を表わすデジタル信号(以下
「第1デジタル信号等」という)とについて、1周期分
の積和演算を行なう。この積和演算のうち、第1デジタ
ル信号等と第2デジタル信号との乗算は、従来の電気伝
導度検出器における平衡復調回路による同期検波に相当
し、第1デジタル信号等と第2デジタル信号との積につ
いて1周期分の総和を計算することは、従来の電気伝導
度検出器におけるローパスフィルタによるフィルタリン
グに相当する。したがって、この積和演算により、二つ
の電極間の液体の電気伝導度に相当する値が算出され
る。
【0008】なお、第1デジタル信号と同一周期の交流
矩形波を表わすデジタル信号と第2デジタル信号との積
和演算により電気伝導度に相当する値を算出する場合に
は、第1デジタル信号の値の正負に応じて第2デジタル
信号を1周期分だけ加算又は減算することにより、その
積和演算を実質的に行なうことができる。
【0009】
【発明の効果】本発明によれば、デジタルデータについ
ての1周期分の積和演算により、平衡復調回路による同
期検波及びローパスフィルタによるフィルタリングに相
当する処理が行なわれる。このため、1周期という短い
時間で対象とする液体の電気伝導度に相当する値を算出
することができ、ローパスフィルタを必要とした従来の
電気伝導度検出器に比べ、応答性が向上する。また、イ
オンクロマトグラフによる分析の際のバックグラウンド
の消去のための調整を1周期分の積和演算の結果に基づ
き短時間で行なうことができるという利点もある。さら
に、平衡復調回路を必要とした従来の電気伝導度検出器
に比べ、コスト的にも有利である。
【0010】なお、第1デジタル信号と同一周期の交流
矩形波を表わすデジタル信号と第2デジタル信号とを用
いて電気伝導度に相当する値を算出する場合には、乗算
を行なうことなく実質的に積和演算を行なうことができ
るため、さらにコストの低減を図ることができる。
【0011】
【実施例】図1は、本発明の一実施例である電気伝導度
検出器の構成を示す図である。この電気伝導度検出器
は、D/A変換器10、反転アンプ12、リファレンス
抵抗Rr、測定セル14、I/V変換器16、A/D変
換器18、及びマイクロプロセッサ20を図1に示すよ
うに接続されて構成となっており、イオンクロマトグラ
フにおけるカラム(図示せず)を通過した移動相及び試
料から成る液体の電気伝導度を測定する。
【0012】上記構成の電気伝導度検出器において、カ
ラムを通過した移動相及び試料から成る液体は測定セル
14内に流される。測定セル14内には2枚の対向する
電極(以下「測定電極」という)が設けられており、こ
の2枚の測定電極間に正弦波の交流電圧viが印加され
る。
【0013】D/A変換器10は、マイクロプロセッサ
20から入力されるデジタル信号をアナログ信号に変換
することにより、上記の交流電圧viを発生させる。本
実施例では、viとして図2(a)に示すような交流電
圧が発生され、これが測定セル14に印加される。ここ
で図2(a)に示した波形は、階段状ではあるが全体と
しては正弦波であり、その周波数は1kHz程度に設定
されている。
【0014】反転アンプ12及びリファレンス抵抗Rr
は既述のバックグラウンドの消去を行なうためのもので
ある。すなわち、演算増幅器と抵抗によって構成された
反転アンプ12により、交流電圧viと逆位相の電圧−
vi(以下「反転電圧」という)が得られ、この反転電
圧−viはリファレンス抵抗Rrに印加される。そして、
この反転電圧−viの印加によってリファレンス抵抗Rr
に流れる電流が、測定電極間に流れる電流(測定セル1
4に流れる電流)iに足し合わされる。リファレンス抵
抗Rrの値は、マイクロプロセッサ20によって調整さ
れ、測定セル14を流れる移動相(溶離液)自身の電気
伝導度(バックグラウンド)に相当する値に設定され
る。したがって、測定電極間を流れる電流とリファレン
ス抵抗Rrを流れる電流を足し合わせることにより、バ
ックグラウンドに相当する電流がキャンセルされ、カラ
ムからの試料の各種成分の溶出による電気伝導度の変化
分のみを示す電流が得られる。
【0015】I/V変換器16は、演算増幅器と抵抗に
よって構成され、上記の電気伝導度の変化分のみを示す
電流を電圧voに変換する。A/D変換器18は、この
電圧voをデジタル信号に変換してマイクロプロセッサ
20に入力する。
【0016】マイクロプロセッサ20は、A/D変換器
18から入力されたデジタル信号によって表わされるデ
ータDoと、測定電極に印加される電圧viを発生させる
ためにD/A変換器10に入力したデジタル信号によっ
て表わされるデータDiとを用いて、以下に示す第1又
は第2の算出方法に基づき、電気伝導度に相当する値を
算出する。
【0017】[1]第1の算出方法 測定電極に印加される正弦波の交流電圧viを vi(t)=V・sin(ω・t) …(1) とおく。測定セル14を流れる液体(測定電極間の液
体)の電気伝導度をSSとすると、測定電極間に流れる
電流iは、 i(t)=SS・vi(t)=SS・V・sin(ω・t) …(2) リファレンス抵抗Rrの電気伝導度をSr=1/Rrとす
ると、リファレンス抵抗Rrに流れる電流irは、 ir(t)=Sr・{−vi(t)}=−Sr・V・sin(ω・t) …(3) である。したがって、I/V変換器16の出力voは、 vo(t)=R・{i(t)+ir(t)} =R・V・(SS−Sr)・sin(ω・t) …(4) となる。ここでRは、I/V変換器16を構成する演算
増幅器の出力端子と反転入力端子との間に接続された抵
抗の値である。
【0018】いま、vo(t)とvi(t)との積をX(t)とお
くと、 X(t)=vo(t)・vi(t) =R・V2・(SS−Sr)・sin2(ω・t) =(1/2)・R・V2・(SS−Sr)・{1−cos(2・ω・t)} …(5) である。このX(t)を交流電圧vi(t)の1周期分につい
て積分した値をYとすると、 Y=∫(0, 2・π/ω)X(t)dt =(1/2)・R・V2・(SS−Sr)・(2・π/ω) …(6) となる。ここで∫(a,b)Adtは、項Aについてt=aか
らt=bまで積分した値を示すものとする。
【0019】前述のようにリファレンス抵抗Rrの値
(=1/Sr)はバックグラウンドがキャンセルされる
ように調整されているため、上記式(6)におけるSS−S
rは、試料の各種成分の溶出による電気伝導度の変化分
を示すものであり、これが求めるべき電気伝導度(以下
「試料電気伝導度」という)である。以上からわかるよ
うに、このバックグラウンドがキャンセルされた試料電
気伝導度SS−Srは、vo(t)とvi(t)との積X(t)の1
周期分についての積分値Yを算出することにより求める
ことができる。
【0020】そこでマイクロプロセッサ20は、デジタ
ルデータを用いて Y=∫(0, 2・π/ω)X(t)dt=∫(0, 2・π/ω)vo(t)・vi(t)dt …(7) に対応する積和演算を行なうことにより、試料電気伝導
度SS−Srを求める。すなわち、vi(t)に対応するデジ
タルデータDiとvo(t)に対応するデジタルデータDoと
を用いて、式(7)に対応する積和演算を行なう。そし
て、この積和演算によって得られる値Sは式(6)より試
料電気伝導度SS−Srに比例するため、この積和演算結
果Sを試料電気伝導度の測定値として出力する。
【0021】[2]第2の算出方法 交流電圧viの周波数は、通常、1kHz程度であるた
め、この交流電圧viに対応するデジタルデータDiの1
周期当たりの個数(1周期当たりのサンプル数)Nを3
2とすると、上記の積和演算における1回の乗算を30
μsec程度で行なう必要がある。したがって、上記第1
の算出方法では高速のマイクロプロセッサが必要とな
る。そこで本算出方法では、乗算を行なうことなく、以
下のようにして試料電気伝導度SS−Srを算出する。
【0022】本算出方法では、図2(b)に示すような
振幅1の矩形波の交流信号Rec(t)を考える。この交流
信号Rec(t)をフーリエ展開すると、 Rec(t)=sin(ω・t)−(1/3)・sin(3・ω・t)+(1/5)・sin(5・ω・t)−… … …(9) となるため、このRec(t)をvo(t)に乗じて1周期分に
ついて積分した値をZとすると、式(4)より、 Z=∫(0, 2・π/ω)vi(t)・Rec(t)dt =R・V・(SS−Sr) ×∫(0, 2・π/ω){sin2(ω・t)−(1/3)・sin(ω・t)・sin(3・ω・t) +(1/5)・sin(ω・t)・sin(5・ω・t)−……}dt …(10) となる。この式(10)の右辺の被積分関数における中括弧
内の第2項以下は、角周波数ωの整数倍の周波数成分の
みであるためt=0からt=2・π/ωまで積分すると
全て0となる。したがって、式(5)からわかるように、
式(10)によって与えられる積分値Zは、式(6)によって
与えられる積分値すなわち Y=∫(0, 2・π/ω)X(t)dt =R・V2・(SS−Sr)・∫(0, 2・π/ω)sin2(ω・t)dt に等しい。よって、式(6)より Z=(1/2)・R・V2・(SS−Sr)・(2・π/ω) …(11) となる。以上より、試料電気伝導度はSS−Srは、vo
(t)とRec(t)との積の1周期分についての積分値Zを算
出することによっても求めることができる。
【0023】上記より、vo(t)に対応するデジタルデー
タDoを用いて、 Z=∫(0, 2・π/ω)vo(t)・Rec(t)dt …(12) に対応する積和演算を行なうことにより、試料電気伝導
度SS−Srの算出が可能であることがわかる。ここで、
vi(t)>0のときRec(t)=1、vi(t)<0のときRec
(t)=−1であることを利用すると(図2参照)、実際
には乗算を行なうことなく、式(12)に対応する積和演算
を行なうことができる。すなわち、vi(t)に対応するデ
ジタルデータDiの値が正か負かに応じて、vo(t)に対
応するデジタルデータDoの加算又は減算を行なえばよ
い。そこで、マイクロプロセッサ20は、図3に示すフ
ローチャートに基づいて式(12)に対応する積和演算を行
なう。
【0024】すなわち、まずステップS10において、
積和演算結果を示す変数Sを初期化する。次にステップ
S12において、現時点のvo(t)の値を示すデジタルデ
ータDoをA/D変換器18から入力する。次にステッ
プS14において、このDoに対応するDiの値が正か否
か、すなわち現時点のvo(t)に対応するvi(t)の値を決
定するためにマイクロプロセッサ20が設定したデジタ
ルデータDiの値が正か否かを判定し、正であればステ
ップS16へ進み、正でなければステップS18へ進
む。
【0025】ステップS16へ進んだときには、上記D
oに対応するRec(t)の値は1であるため、変数Sにこの
Do(現時点のvo(t)の値を示すデジタル値)を加算す
る。一方、ステップS18へ進んだときには、上記Do
に対応するRec(t)の値は−1であるため、変数Sから
このDoを減算する。これらステップS16及びS18
により積和演算が行なわれる。
【0026】ステップS16又はS18の実行後は、ス
テップS20において、上記の積和演算が1周期分行な
われたか否かを判定する。1周期分の積和演算が終了し
ていなければ、ステップS12へ戻って次のサンプル時
刻におけるDoを入力し、このDoに対してステップS1
4〜S20の処理を行なう。このようにして、1周期分
の積和演算が終了していない間はステップS12〜S2
0が繰り返し実行され、1周期分の積和演算が終了する
とステップS22へ進む。ステップS22へ進んだ時点
では、変数Sには1周期分の積和演算の結果が設定され
ている。この変数Sの値は、式(12)に対応する積和演算
の結果を示しており、式(11)より試料電気伝導度SS−
Srに比例するため、この積和演算結果Sを試料電気伝
導度の測定値として出力する。この測定値の出力後は、
ステップS10へ戻り、次の1周期分についての積和演
算が行なわれる。
【0027】なお、本実施例の電気伝導度検出器におい
てバックグラウンドの消去が十分でない場合には、1周
期分の積和演算の結果Sに基づき、リファレンス抵抗R
rの調整が行なわれる。すなわち、オペレータが所定操
作を行なうと、マイクロプロセッサ20が、試料が含ま
れない移動相のみの場合における1周期分の積和演算の
結果Sが0となるように、リファレンス抵抗Rrの値を
調整する。
【0028】以上のように本実施例によれば、従来の電
気伝導度検出器において平衡復調回路とローパスフィル
タによって行なわれていた処理に相当するものが、デジ
タルデータを用いた1周期分の積和演算により行なわれ
る。これにより、1周期分の時間で測定結果を得ること
ができ、ローパスフィルタを必要とした従来の電気伝導
度検出器に比べて応答性が向上するため、カラムから出
てくる液体の電気伝導度の急激な変化に追従できるよう
になる。また、バックグラウンドの消去のためのリファ
レンス抵抗Rrの調整を、1周期分の積和演算の結果S
に基づき、短時間で行なうことができる。さらに、精度
の高い平衡復調回路を必要とした従来の電気伝導度検出
器と異なり、同期検波に相当する処理がマイクロプロセ
ッサによって行なわれるため、本実施例の電気伝導度検
出器はコスト的にも有利である。そして、前記第2の算
出方法に基づいて積和演算を行なった場合には、実際に
は乗算が不要となるため、低速のマイクロプロセッサに
よってもこの積和演算が可能となり、さらにコストの低
減を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施例である電気伝導度検出器の
構成を示す図。
【図2】 前記実施例において測定セルに印加される電
圧を示す図(a)、及び電気伝導度に相当する値を算出
するために使用される矩形波の交流信号を示す図
(b)。
【図3】 前記実施例における電気伝導度の算出方法の
一例を示すフローチャート。
【符号の説明】
10…D/A変換器 12…反転アンプ 14…測定セル 16…I/V変換器 18…A/D変換器 20…マイクロプロセッサ vi …測定セルに印加される電圧 i …測定セルを流れる電流 vo …測定セルを流れる電流に相当する値の電圧

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 液体を挟んで対向する二つの電極に電圧
    を印加して該二つの電極間に流れる電流を測定すること
    により、前記液体の電気伝導度を検出する電気伝導度検
    出器において、 a)デジタル信号を入力して該デジタル信号が示す値の
    電圧を生成し、該電圧を前記二つの電極間に印加するD
    /A変換手段と、 b)前記二つの電極間に流れる電流の値を示すデジタル
    信号を生成するA/D変換手段と、 c)D/A変換手段に所定周期の交流を表わす第1デジ
    タル信号を入力することによって前記二つの電極間に該
    周期の交流電圧を印加し、第1デジタル信号又は第1デ
    ジタル信号と同一周期の交流を表わすデジタル信号と、
    第1デジタル信号に対応してA/D変換手段によって生
    成される第2デジタル信号とについて、前記交流の1周
    期分の積和演算を行なうことにより、前記液体の電気伝
    導度を算出する演算手段と、 を備えることを特徴とする電気伝導度検出器。
  2. 【請求項2】 前記演算手段は、第1デジタル信号と同
    一周期の交流矩形波を表わすデジタル信号と第2デジタ
    ル信号との積和演算に替えて、第1デジタル信号の極性
    が正であるときには第2デジタル信号を加算し、第1デ
    ジタル信号の極性が負であるときには第2デジタル信号
    を減算することにより、前記液体の電気伝導度を算出す
    る請求項1に記載の電気伝導度検出器。
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