JP3355684B2 - 極低温ガス圧縮機用電動機の冷却方法 - Google Patents
極低温ガス圧縮機用電動機の冷却方法Info
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- JP3355684B2 JP3355684B2 JP06583893A JP6583893A JP3355684B2 JP 3355684 B2 JP3355684 B2 JP 3355684B2 JP 06583893 A JP06583893 A JP 06583893A JP 6583893 A JP6583893 A JP 6583893A JP 3355684 B2 JP3355684 B2 JP 3355684B2
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、極低温ガス用圧縮機に
係わり、更に詳しくは、ヘリウムガス用ターボ圧縮機に
関する。
係わり、更に詳しくは、ヘリウムガス用ターボ圧縮機に
関する。
【0002】
【従来の技術】ヘリウムガスを圧縮するためにターボ圧
縮機が用いられ、圧縮機のインペラに電動機が直結さ
れ、このインペラの高速回転により、例えば約80K
(約−193℃)の低温ヘリウムガスが圧縮され、約1
20K(約−153℃)まで昇温する。
縮機が用いられ、圧縮機のインペラに電動機が直結さ
れ、このインペラの高速回転により、例えば約80K
(約−193℃)の低温ヘリウムガスが圧縮され、約1
20K(約−153℃)まで昇温する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】かかるターボ圧縮機を
運転すると、鉄損、銅損、風損等により電動機が発熱
し、放置すると電動機が過熱して破損するおそれがあ
る。従って、従来から電動機の冷却のために、例えば空
気冷却、油冷却、等の手段が用いられていた。空気冷却
は、電動機の外部に冷却フィンを設け、この冷却フィン
を介して電動機内部の熱を放熱させる手段であり、一方
油冷却は、電動機の内部にミスト状の油を流し、軸受等
の冷却と併用して内部を冷却する手段であるが、両者と
も、放熱熱量が小さく、電動機を十分冷却できず、か
つ、極低温ガスの圧縮用に用いると電動機から極低温ガ
スに熱が流入し極低温ガスの圧縮性能を阻害する問題点
があった。更に、電動機の冷却手段として、液化ガス冷
却、極低温ガス冷却、等の手段が提案されていた。液化
ガス冷却は、電動機のケーシング部に冷却用ジャケット
を設け、ここに液化窒素等の液化ガスを導入して冷却す
る手段であり、一方極低温ガス冷却は、圧縮機で圧縮し
た極低温ガスの一部を電動機内部に流して冷却する手段
であり、両者とも、電動機を十分に冷却することはでき
るが、インペラ部で発生し圧縮ガスに流入する熱量が依
然として大きい問題点があった。すなわち、インペラの
回転によりインペラ背面とケーシングとの隙間でガスの
粘性に基づく発熱があり、この熱が圧縮した極低温ガス
に流入するため圧縮機の効率が低下する問題点があっ
た。また、電動機が十分に冷却されても回転子の温度は
依然として冷却ガスよりも相当に高い(例えば温度差3
00℃)ので、回転子を介して冷却ガスに熱が流入し、
圧縮機の効率が低下する問題点があった。更に、従来の
極低温ガス冷却では、極低温ガスが無駄に消費されるた
め、電動機の冷却により圧縮機の効率が低下する問題点
があった。本発明は、かかる問題点を解決するために創
案されたものである。すなわち、本発明の目的は、イン
ペラとケーシングの隙間で発生する粘性に起因する発熱
が極低温ガスに流入するのを防ぎ、かつ電動機の回転子
を介して極低温ガスに流入する熱を低減して、圧縮機の
効率を向上させることができる極低温ガス圧縮用電動機
の冷却方法を提供することにある。
運転すると、鉄損、銅損、風損等により電動機が発熱
し、放置すると電動機が過熱して破損するおそれがあ
る。従って、従来から電動機の冷却のために、例えば空
気冷却、油冷却、等の手段が用いられていた。空気冷却
は、電動機の外部に冷却フィンを設け、この冷却フィン
を介して電動機内部の熱を放熱させる手段であり、一方
油冷却は、電動機の内部にミスト状の油を流し、軸受等
の冷却と併用して内部を冷却する手段であるが、両者と
も、放熱熱量が小さく、電動機を十分冷却できず、か
つ、極低温ガスの圧縮用に用いると電動機から極低温ガ
スに熱が流入し極低温ガスの圧縮性能を阻害する問題点
があった。更に、電動機の冷却手段として、液化ガス冷
却、極低温ガス冷却、等の手段が提案されていた。液化
ガス冷却は、電動機のケーシング部に冷却用ジャケット
を設け、ここに液化窒素等の液化ガスを導入して冷却す
る手段であり、一方極低温ガス冷却は、圧縮機で圧縮し
た極低温ガスの一部を電動機内部に流して冷却する手段
であり、両者とも、電動機を十分に冷却することはでき
るが、インペラ部で発生し圧縮ガスに流入する熱量が依
然として大きい問題点があった。すなわち、インペラの
回転によりインペラ背面とケーシングとの隙間でガスの
粘性に基づく発熱があり、この熱が圧縮した極低温ガス
に流入するため圧縮機の効率が低下する問題点があっ
た。また、電動機が十分に冷却されても回転子の温度は
依然として冷却ガスよりも相当に高い(例えば温度差3
00℃)ので、回転子を介して冷却ガスに熱が流入し、
圧縮機の効率が低下する問題点があった。更に、従来の
極低温ガス冷却では、極低温ガスが無駄に消費されるた
め、電動機の冷却により圧縮機の効率が低下する問題点
があった。本発明は、かかる問題点を解決するために創
案されたものである。すなわち、本発明の目的は、イン
ペラとケーシングの隙間で発生する粘性に起因する発熱
が極低温ガスに流入するのを防ぎ、かつ電動機の回転子
を介して極低温ガスに流入する熱を低減して、圧縮機の
効率を向上させることができる極低温ガス圧縮用電動機
の冷却方法を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、回転子
(1)がケーシング(2)の内部に軸心を中心に回転自
在に設けられ、その先端に約120K以下の極低温ガス
を圧縮するインペラ(3)が回転可能に取り付けられて
いる極低温ガス圧縮機用電動機の冷却方法であって、前
記インペラの回転子側背面と回転子を囲むケーシング内
部とを連通する極低温ガス流入口(10)と、インペラ
と反対側のケーシング内部と外部とを連通する極低温ガ
ス流出口(12)と、ケーシング内のインペラ側に回転
子に近接して設けられた温度センサー(8)とを備え、
圧縮した極低温ガスをインペラ(3)の背面から極低温
ガス流入口(10)を通してケーシング内部に流入さ
せ、流入した極低温ガスを電動機の回転子に沿って流
し、流入直後の極低温ガスの温度を温度センサー(8)
により計測し、その計測温度を所定の一定温度に維持す
るように、ケーシングから排出する極低温ガスの流量を
制御する、ことを特徴とする極低温ガス圧縮機用電動機
の冷却方法が提供される。本発明の好ましい実施例によ
れば、前記ケーシング(2)から排出された極低温ガス
を、前記極低温ガス圧縮機に吸入させる、ことが好まし
い。
(1)がケーシング(2)の内部に軸心を中心に回転自
在に設けられ、その先端に約120K以下の極低温ガス
を圧縮するインペラ(3)が回転可能に取り付けられて
いる極低温ガス圧縮機用電動機の冷却方法であって、前
記インペラの回転子側背面と回転子を囲むケーシング内
部とを連通する極低温ガス流入口(10)と、インペラ
と反対側のケーシング内部と外部とを連通する極低温ガ
ス流出口(12)と、ケーシング内のインペラ側に回転
子に近接して設けられた温度センサー(8)とを備え、
圧縮した極低温ガスをインペラ(3)の背面から極低温
ガス流入口(10)を通してケーシング内部に流入さ
せ、流入した極低温ガスを電動機の回転子に沿って流
し、流入直後の極低温ガスの温度を温度センサー(8)
により計測し、その計測温度を所定の一定温度に維持す
るように、ケーシングから排出する極低温ガスの流量を
制御する、ことを特徴とする極低温ガス圧縮機用電動機
の冷却方法が提供される。本発明の好ましい実施例によ
れば、前記ケーシング(2)から排出された極低温ガス
を、前記極低温ガス圧縮機に吸入させる、ことが好まし
い。
【0005】
【作用】上記、本発明の方法によれば、圧縮した極低温
ガスの一部をインペラの背面からケーシング内部に流入
させるので、インペラの回転によりインペラ背面とケー
シングとの隙間でガスの粘性に基づく発熱があっても、
この熱は圧縮した極低温ガスに流入せずにケーシング内
部に流入するため、圧縮機の効率は低下しない。また、
流入した極低温ガスは、電動機に比べ依然として相当低
温であり、電動機を十分冷却することができる。更に、
流入した極低温ガスを電動機の回転子に沿って流し、流
入直後の極低温ガスの温度を温度センサー(8)により
計測し、その計測温度を所定の一定温度に維持するよう
に、ケーシングから排出する極低温ガスの流量を制御す
るので、インペラが取り付けられた回転子の温度を十分
低温に冷却することができ、回転子を介して冷却ガスに
流入する熱量を低減し、圧縮機の効率を向上させること
ができる。また、本発明の好ましい実施例によれば、冷
却に必要な量だけの極低温ガスを前記ケーシング(2)
から排出し、かつこの極低温ガスを再び極低温ガス圧縮
機に吸入させるので、極低温ガスが無駄に消費されず、
圧縮機の効率を高く維持することができる。
ガスの一部をインペラの背面からケーシング内部に流入
させるので、インペラの回転によりインペラ背面とケー
シングとの隙間でガスの粘性に基づく発熱があっても、
この熱は圧縮した極低温ガスに流入せずにケーシング内
部に流入するため、圧縮機の効率は低下しない。また、
流入した極低温ガスは、電動機に比べ依然として相当低
温であり、電動機を十分冷却することができる。更に、
流入した極低温ガスを電動機の回転子に沿って流し、流
入直後の極低温ガスの温度を温度センサー(8)により
計測し、その計測温度を所定の一定温度に維持するよう
に、ケーシングから排出する極低温ガスの流量を制御す
るので、インペラが取り付けられた回転子の温度を十分
低温に冷却することができ、回転子を介して冷却ガスに
流入する熱量を低減し、圧縮機の効率を向上させること
ができる。また、本発明の好ましい実施例によれば、冷
却に必要な量だけの極低温ガスを前記ケーシング(2)
から排出し、かつこの極低温ガスを再び極低温ガス圧縮
機に吸入させるので、極低温ガスが無駄に消費されず、
圧縮機の効率を高く維持することができる。
【0006】
【実施例】以下、本発明の好ましい実施例を図面を参照
して説明する。図1は、ヘリウムガスを圧縮する極低温
ガス圧縮機の全体断面図である。この図において、電動
機は回転軸、すなわち回転子1を備え、この回転子1が
密閉したケーシング2の内部に回転自在に設けられ、そ
の先端(図で左端)に極低温ガスを圧縮するインペラ3
が取り付けられている。極低温ガスは、ヘリウムガスで
あり、インペラ3の高速回転により、例えば約80K
(約−193℃)の低温ヘリウムガスが約120K(約
−153℃)の温度まで圧縮される。
して説明する。図1は、ヘリウムガスを圧縮する極低温
ガス圧縮機の全体断面図である。この図において、電動
機は回転軸、すなわち回転子1を備え、この回転子1が
密閉したケーシング2の内部に回転自在に設けられ、そ
の先端(図で左端)に極低温ガスを圧縮するインペラ3
が取り付けられている。極低温ガスは、ヘリウムガスで
あり、インペラ3の高速回転により、例えば約80K
(約−193℃)の低温ヘリウムガスが約120K(約
−153℃)の温度まで圧縮される。
【0007】図1において、回転子1は、2つのラジア
ル軸受4により半径方向に支持されている。このラジア
ル軸受4は、回転子1を無接触で支持する磁気軸受であ
るのが良い。更に、インペラ3に作用する軸方向力を支
持するようにスラスト軸受を備えるのが良い。また、回
転子1のまわりを電動機の固定子6が無接触に囲み、固
定子6の磁界により回転子1を回転させるようになって
いる。かかる構成により、固定子6に高周波電源(例え
ば1667Hz)を印加することにより、回転子1を例
えば10万rpmの高速で回転させることができる。
ル軸受4により半径方向に支持されている。このラジア
ル軸受4は、回転子1を無接触で支持する磁気軸受であ
るのが良い。更に、インペラ3に作用する軸方向力を支
持するようにスラスト軸受を備えるのが良い。また、回
転子1のまわりを電動機の固定子6が無接触に囲み、固
定子6の磁界により回転子1を回転させるようになって
いる。かかる構成により、固定子6に高周波電源(例え
ば1667Hz)を印加することにより、回転子1を例
えば10万rpmの高速で回転させることができる。
【0008】極低温ガス圧縮機は、更に、インペラ3の
回転子側背面と回転子を囲むケーシング内部とを連通す
る極低温ガス流入口10と、インペラ3と反対側のケー
シング内部と外部とを連通する極低温ガス流出口12
と、ケーシング内のインペラ側に回転子に近接して設け
られた温度センサー8とを備えている。この温度センサ
ー8は接触型温度センサー、例えば熱電対であり、回転
子1の表面を流れる極低温ガスの温度を計測するように
取り付けられている。かかる構成により圧縮された極低
温ガスをインペラ3の背面から電動機内部に流入させ、
流入した極低温ガスを電動機の回転子1に沿って流し、
流入直後の極低温ガスの温度を温度センサー8により計
測することができる。また、電動機のケーシング2に
は、固定子6を囲むように冷却ジャケット(図示せず)
を設けるのが良い。
回転子側背面と回転子を囲むケーシング内部とを連通す
る極低温ガス流入口10と、インペラ3と反対側のケー
シング内部と外部とを連通する極低温ガス流出口12
と、ケーシング内のインペラ側に回転子に近接して設け
られた温度センサー8とを備えている。この温度センサ
ー8は接触型温度センサー、例えば熱電対であり、回転
子1の表面を流れる極低温ガスの温度を計測するように
取り付けられている。かかる構成により圧縮された極低
温ガスをインペラ3の背面から電動機内部に流入させ、
流入した極低温ガスを電動機の回転子1に沿って流し、
流入直後の極低温ガスの温度を温度センサー8により計
測することができる。また、電動機のケーシング2に
は、固定子6を囲むように冷却ジャケット(図示せず)
を設けるのが良い。
【0009】更に、この極低温ガス流出口12と極低温
ガス圧縮機の吸入側とを連結するガスライン14が設け
られ、このガスライン14には流量を調節するための流
量調節弁16が取り付けられている。また、流量調節弁
16を制御する制御器18が設けられ、この制御器18
には温度センサー8の出力が伝達され、その計測温度を
所定の一定温度に維持するように、電動機のケーシング
2から排出する極低温ガスの流量を制御するようになっ
ている。かかる構成により、流入直後の極低温ガスの温
度を所定の一定温度に維持するように、回転子1に沿っ
て流れ電動機から排出される極低温ガスの流量を制御す
ることができる。
ガス圧縮機の吸入側とを連結するガスライン14が設け
られ、このガスライン14には流量を調節するための流
量調節弁16が取り付けられている。また、流量調節弁
16を制御する制御器18が設けられ、この制御器18
には温度センサー8の出力が伝達され、その計測温度を
所定の一定温度に維持するように、電動機のケーシング
2から排出する極低温ガスの流量を制御するようになっ
ている。かかる構成により、流入直後の極低温ガスの温
度を所定の一定温度に維持するように、回転子1に沿っ
て流れ電動機から排出される極低温ガスの流量を制御す
ることができる。
【0010】上述した電動機は以下のように運転する。
すなわち、本発明によれば、圧縮した極低温ガスをイン
ペラ3の背面から極低温ガス流入口10を通して電動機
内部に流入させ、流入した極低温ガスを電動機の回転子
1に沿って流し、流入直後の極低温ガスの温度を温度セ
ンサー8により計測し、その計測温度を所定の一定温度
に維持するように、流量調節弁16及び制御器18によ
り電動機から排出する極低温ガスの流量を制御する。こ
れにより、インペラ3の回転によりインペラ背面とケー
シング2との隙間でガスの粘性に基づく発熱があって
も、この熱は圧縮した極低温ガスに流入せずに電動機内
部に流入するため、圧縮機の効率は低下しない。また、
流入した極低温ガスは、電動機に比べ依然として相当低
温であり、電動機を十分冷却することができる。また、
インペラ3が取り付けられた回転子1の温度を十分低温
に冷却することができ、回転子1を介して冷却ガスに流
入する熱量を低減し、圧縮機の効率を向上させることが
できる。また、電動機の極低温ガス流出口12から排出
された極低温ガスは、ガスライン14を介して極低温ガ
ス圧縮機に吸入させるのが良い。これにより、極低温ガ
スが無駄に消費されず、圧縮機の効率を高く維持するこ
とができる。
すなわち、本発明によれば、圧縮した極低温ガスをイン
ペラ3の背面から極低温ガス流入口10を通して電動機
内部に流入させ、流入した極低温ガスを電動機の回転子
1に沿って流し、流入直後の極低温ガスの温度を温度セ
ンサー8により計測し、その計測温度を所定の一定温度
に維持するように、流量調節弁16及び制御器18によ
り電動機から排出する極低温ガスの流量を制御する。こ
れにより、インペラ3の回転によりインペラ背面とケー
シング2との隙間でガスの粘性に基づく発熱があって
も、この熱は圧縮した極低温ガスに流入せずに電動機内
部に流入するため、圧縮機の効率は低下しない。また、
流入した極低温ガスは、電動機に比べ依然として相当低
温であり、電動機を十分冷却することができる。また、
インペラ3が取り付けられた回転子1の温度を十分低温
に冷却することができ、回転子1を介して冷却ガスに流
入する熱量を低減し、圧縮機の効率を向上させることが
できる。また、電動機の極低温ガス流出口12から排出
された極低温ガスは、ガスライン14を介して極低温ガ
ス圧縮機に吸入させるのが良い。これにより、極低温ガ
スが無駄に消費されず、圧縮機の効率を高く維持するこ
とができる。
【0011】電動機のケーシング2に設けられた冷却ジ
ャケットには、液化窒素を導入するのが良い。これによ
り、極低温ガス流入口10を通して流す極低温ガスの流
量を更に低減することができる。
ャケットには、液化窒素を導入するのが良い。これによ
り、極低温ガス流入口10を通して流す極低温ガスの流
量を更に低減することができる。
【0012】次に冷却条件を説明する。電動機の起動時
には、回転子1の温度は一般に大気温度付近或いは零下
数十度の程度の軽度の低温(停止直後に運転再開の場
合)であるため、冷却はあまり必要がない。従って、起
動時には、電動機ケーシング、回転子共に冷却しなくて
もよい。電動機の昇降速時には、回転数の3乗に比例し
た負荷が電動機に作用し、この負荷にほぼ比例した発熱
が生ずるので、冷却が必要となる。この発熱特性と、ジ
ャケット〜固定子間の伝熱特性を考慮して、ケーシング
をまず冷却し定格の80%程度の回転数となってから回
転子の冷却を開始するのがよい。これにより制御を簡略
化することができる。なお、回転子1は低温のヘリウム
ガスによって直接冷却されるので、時定数は極めて短
く、短時間で冷却することができる。電動機が高速回転
する定常時には、ケーシング冷却と回転子冷却とを併用
し、回転子の平均温度を常温に保つために上述した制御
を行うのがよい。
には、回転子1の温度は一般に大気温度付近或いは零下
数十度の程度の軽度の低温(停止直後に運転再開の場
合)であるため、冷却はあまり必要がない。従って、起
動時には、電動機ケーシング、回転子共に冷却しなくて
もよい。電動機の昇降速時には、回転数の3乗に比例し
た負荷が電動機に作用し、この負荷にほぼ比例した発熱
が生ずるので、冷却が必要となる。この発熱特性と、ジ
ャケット〜固定子間の伝熱特性を考慮して、ケーシング
をまず冷却し定格の80%程度の回転数となってから回
転子の冷却を開始するのがよい。これにより制御を簡略
化することができる。なお、回転子1は低温のヘリウム
ガスによって直接冷却されるので、時定数は極めて短
く、短時間で冷却することができる。電動機が高速回転
する定常時には、ケーシング冷却と回転子冷却とを併用
し、回転子の平均温度を常温に保つために上述した制御
を行うのがよい。
【0013】
【発明の効果】上述したように、本発明の方法によれ
ば、圧縮した極低温ガスの一部をインペラの背面から電
動機内部に流入させるので、インペラの回転によりイン
ペラ背面とケーシングとの隙間でガスの粘性に基づく発
熱があっても、この熱は圧縮した極低温ガスに流入せず
に電動機内部に流入するため、圧縮機の効率は低下しな
い。また、流入した極低温ガスは、電動機に比べ依然と
して相当低温であり、電動機を十分冷却することができ
る。更に、流入した極低温ガスを電動機の回転子に沿っ
て流し、流入直後の極低温ガスの温度を温度センサーに
より計測し、その計測温度を所定の一定温度に維持する
ように、電動機から排出する極低温ガスの流量を制御す
るので、インペラが取り付けられた回転子の温度を十分
低温に冷却することができ、回転子を介して冷却ガスに
流入する熱量を低減し、圧縮機の効率を向上させること
ができる。また、本発明の好ましい実施例によれば、冷
却に必要な量だけの極低温ガスを電動機から排出し、か
つこの極低温ガスを再び極低温ガス圧縮機に吸入させる
ので、極低温ガスが無駄に消費されず、圧縮機の効率を
高く維持することができる。
ば、圧縮した極低温ガスの一部をインペラの背面から電
動機内部に流入させるので、インペラの回転によりイン
ペラ背面とケーシングとの隙間でガスの粘性に基づく発
熱があっても、この熱は圧縮した極低温ガスに流入せず
に電動機内部に流入するため、圧縮機の効率は低下しな
い。また、流入した極低温ガスは、電動機に比べ依然と
して相当低温であり、電動機を十分冷却することができ
る。更に、流入した極低温ガスを電動機の回転子に沿っ
て流し、流入直後の極低温ガスの温度を温度センサーに
より計測し、その計測温度を所定の一定温度に維持する
ように、電動機から排出する極低温ガスの流量を制御す
るので、インペラが取り付けられた回転子の温度を十分
低温に冷却することができ、回転子を介して冷却ガスに
流入する熱量を低減し、圧縮機の効率を向上させること
ができる。また、本発明の好ましい実施例によれば、冷
却に必要な量だけの極低温ガスを電動機から排出し、か
つこの極低温ガスを再び極低温ガス圧縮機に吸入させる
ので、極低温ガスが無駄に消費されず、圧縮機の効率を
高く維持することができる。
【0014】従って、本発明により、インペラとケーシ
ングの隙間で発生する粘性に起因する発熱が極低温ガス
に流入するのを防ぎ、かつ電動機の回転子を介して極低
温ガスに流入する熱を低減して、圧縮機の効率を向上さ
せることができる優れた効果を得ることができる。
ングの隙間で発生する粘性に起因する発熱が極低温ガス
に流入するのを防ぎ、かつ電動機の回転子を介して極低
温ガスに流入する熱を低減して、圧縮機の効率を向上さ
せることができる優れた効果を得ることができる。
【図1】本発明の方法を実施するための極低温ガス圧縮
機の全体断面図である。
機の全体断面図である。
1 回転子 2 ケーシング 3 インペラ 4 ラジアル軸受 6 固定子 8 温度センサー 10 極低温ガス流入口 12 極低温ガス流出口 14 ガスライン 16 流量調節弁 18 制御器
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 大矢 博志 東京都江東区豊洲3丁目2番16号 石川 島播磨重工業株式会社 豊洲総合事務所 内 (72)発明者 朝倉 啓 東京都江東区豊洲3丁目2番16号 石川 島播磨重工業株式会社 豊洲総合事務所 内 (56)参考文献 特開 昭55−53662(JP,A) 特開 昭62−178800(JP,A) 特公 昭50−13489(JP,B1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F04C 23/00 - 29/10 H02K 9/06
Claims (2)
- 【請求項1】 回転子(1)がケーシング(2)の内部
に軸心を中心に回転自在に設けられ、その先端に約12
0K以下の極低温ガスを圧縮するインペラ(3)が回転
可能に取り付けられている極低温ガス圧縮機用電動機の
冷却方法であって、前記 インペラの回転子側背面と回転子を囲むケーシング
内部とを連通する極低温ガス流入口(10)と、インペ
ラと反対側のケーシング内部と外部とを連通する極低温
ガス流出口(12)と、ケーシング内のインペラ側に回
転子に近接して設けられた温度センサー(8)とを備
え、 圧縮した極低温ガスをインペラ(3)の背面から極低温
ガス流入口(10)を通してケーシング内部に流入さ
せ、流入した極低温ガスを電動機の回転子に沿って流
し、流入直後の極低温ガスの温度を温度センサー(8)
により計測し、その計測温度を所定の一定温度に維持す
るように、ケーシングから排出する極低温ガスの流量を
制御する、ことを特徴とする極低温ガス圧縮機用電動機
の冷却方法。 - 【請求項2】 前記ケーシング(2)から排出された極
低温ガスを、前記極低温ガス圧縮機に吸入させる、こと
を特徴とする請求項1に記載の極低温ガス圧縮機用電動
機の冷却方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP06583893A JP3355684B2 (ja) | 1993-03-25 | 1993-03-25 | 極低温ガス圧縮機用電動機の冷却方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP06583893A JP3355684B2 (ja) | 1993-03-25 | 1993-03-25 | 極低温ガス圧縮機用電動機の冷却方法 |
Publications (2)
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JPH06280770A JPH06280770A (ja) | 1994-10-04 |
JP3355684B2 true JP3355684B2 (ja) | 2002-12-09 |
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ID=13298560
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-
1993
- 1993-03-25 JP JP06583893A patent/JP3355684B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Publication date |
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