JP3355101B2 - 制御装置 - Google Patents

制御装置

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JP3355101B2
JP3355101B2 JP33358696A JP33358696A JP3355101B2 JP 3355101 B2 JP3355101 B2 JP 3355101B2 JP 33358696 A JP33358696 A JP 33358696A JP 33358696 A JP33358696 A JP 33358696A JP 3355101 B2 JP3355101 B2 JP 3355101B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、搬送機や組立
機、自動機など同じ動作を連続的あるいは断続的に繰り
返すモータに用いられる制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】図9は、例えば、「ACサーボシステム
の理論と設計の実際」(1990年5月8日、総合電子
出版社発行)に記載されたモータの位置制御系の構成を
示すブロック図である。図9において、1はモータ、2
はモータ1の電流を検出する電流センサ、3はモータ1
の速度を検出する速度センサ、4はモータ1の角度を検
出する位置センサである。5は電流センサ2で検出され
た電流信号に対してノイズ除去などの信号処理を行う電
流センサインターフェース回路であり、電流検出値6を
出力する。
【0003】7は速度センサ3で検出された速度信号に
対してノイズ除去などの信号処理を行う速度センサイン
ターフェース回路で、速度検出値8を出力する。9は位
置センサ4で検出された位置信号に対してノイズ除去な
どの信号処理を行う位置センサインターフェース回路で
あり、位置検出値10を出力する。11はモータ1の目
標位置指令値12を生成する指令値生成手段、13は目
標位置指令値12と位置検出値10との差から速度指令
値14を出力する位置制御器である。
【0004】15は速度指令値14と速度検出値8との
差から電流指令値16を出力する速度制御器、17は電
流指令値16と電流検出値6との差からモータ印加電圧
を出力する電流制御器、18は電流制御器17の出力に
基づいてモータ1に電力を供給する電力変換器、19は
モータ1、速度制御器15、電流制御器17及び電力変
換器18等から成る制御対象、20は位置制御器13等
から成る、制御対象19を制御するモータ制御手段であ
る。
【0005】一般にモータの位置制御系は図9のように
構成され、指令値生成手段11で生成された目標位置指
令値12にモータ1が追従して動くように制御されてい
る。一般産業分野で用いられる搬送機や組立機、自動機
などに用いられるモータの制御装置でも、基本的には同
様の制御方式が用いらている。しかし、このような制御
方式では、高速・高精度動作が要求される分野では十分
な精度を得ることができず、そのために様々な制御方式
が開発されている。
【0006】図10は、高精度な制御を実現するために
提案されている繰り返し制御系のブロック図であり、
「繰り返し制御」(1986年12月10日、財団法人
計測自動制御学会発行)に記載されたものである。繰り
返し制御は一定周期で同じ動作を繰り返す目標指令値に
モータなどの制御対象を高精度に追従させるための制御
方式である。
【0007】説明の都合上、図10の制御装置のブロッ
ク図を図11のブロック図に示すように等価変換する。
等価変換とは、制御系の作用を変化させないようにブロ
ック図を変換することであり、等価変換の前と後とでは
制御系の作用は全く同一に保たれる。したがって、図1
0に示す制御系と図11に示す制御装置とは全く同一の
作用を持つ。よって、以下図11に基づいて説明する。
【0008】図11において、21は制御対象、22は
制御対象20を制御するモータ制御手段である。23は
補正量計算手段であり、後述する第1の加算手段の出力
に応じて、モータの位置あるいは速度の誤差を零に近づ
けるための補正量25を算出する。26は記憶手段であ
り、補正量25を記憶し、次回動作時に記憶した補正量
25を信号27として出力する。繰り返し制御系では、
目標指令値24は一定周期で同じパターンを繰り返して
おり、記憶手段26では、補正量25を目標指令値24
の1周期分だけ遅らせて信号27として出力するように
なっている。すなわち、記憶手段26の信号27は、一
周期前の補正量25に等しい。
【0009】28は制御対象21内のモータの角度を検
出し、位置検出値29を出力する位置検出手段、30は
制御対象21内のモータの目標指令値24を生成する指
令値生成手段、31は比較手段であり、目標指令値24
と位置検出値29との差、すなわち、追従誤差32を計
算して出力する。33は第1の加算手段であり、追従誤
差32と信号27との和を計算し、その結果を補正量計
算手段23へ出力する。第2の加算手段34では、信号
27と目標指令値24とが加算され、補正指令値35と
してモータ制御手段22に与えられる。制御対象21と
モータ制御手段22とを図9のモータ位置制御系にあて
はめると、制御対象21は制御対象19に相当し、モー
タ制御手段22は位置制御器13に相当する。
【0010】次に、上記のように構成されたモータの制
御装置の動作について説明する。まず、目標指令値24
は一定周期で同じパターンを繰り返す値となっている。
繰り返しの一回目の動作は、記憶手段26からは何も出
力されないため、目標指令値24がそのままモータ制御
手段22に与えられる。また、これと同時に目標指令値
24と位置検出値29との差、すなわち、追従誤差32
が補正量計算手段23に入力され、さらにその出力であ
る補正量25が記憶手段26に入力される。
【0011】繰り返しの二回目の動作では、記憶手段2
6からは一回目の動作時(前回動作時)に計算された補
正量25が信号27として出力され、この信号27と目
標指令値24との和が補正指令値35としてモータ制御
手段22に入力され、制御対象21内のモータが駆動さ
れる。これと同時に、このときの位置検出値29と元の
目標指令値24との追従誤差32が計算され、追従誤差
32と記憶手段26の信号27との和から新たな補正量
25を計算し、記憶手段26に入力される。二回目の動
作時に計算された補正量25は記憶手段26から信号2
7として出力され、三回目の動作の目標指令値24の補
正に用いられる。
【0012】このように目標指令値24を補正するの
は、以下の考えに基づいている。説明を簡単にするた
め、まず、補正量計算手段23の伝達特性を1、すなわ
ち、入力値をそのまま出力するものとして説明する。
【0013】一回目の動作に目標指令値24をそのまま
モータ制御手段22に与えると追従誤差32が出たので
あるから、二回目の動作もほぼ同じ誤差が出ると仮定す
ると、目標指令値24と一回目の動作の追従誤差32と
の和を新たな補正指令値35としてモータ制御手段22
に与えるとモータは目標指令値24に近い動きをすると
期待できる。そこで、二回目の動作は目標指令値24と
一回目の動作の追従誤差32との和を補正指令値35と
してモータ制御手段22に与える。
【0014】さらに、三回目の動作は、二回目の動作の
補正指令値35に二回目の動作の追従誤差32とを足し
込んで、新たな補正指令値35を計算し、モータ制御手
段22に入力する。このように、一回前の補正指令値3
5と一回前の動作(前回の動作)の追従誤差32との和
を新たな補正指令値35とすることを繰り返すことによ
り、目標指令値24への追従誤差32はどんどん小さく
なると期待できる。
【0015】以上が繰り返し制御の基本的な考え方であ
るが、単純に、一回前の補正指令値35と一回前の動作
の追従誤差32との和を新たな補正指令値35とするだ
けでは、ほとんどの場合制御系が不安定になることが知
られており、補正量計算手段23では補正量25の高周
波成分をカットするなどの適切な処理をしなければなら
ない。制御系を安定化するための補正量計算手段で行う
処理内容については、たとえば先に挙げた文献「繰り返
し制御」に記載している。
【0016】繰り返し制御系は以上のように構成されて
おり、1回前の動作の追従誤差32に基づいて目標指令
値24を補正することにより、追従誤差が小さくなるよ
うに構成されている。また、補正量計算手段23を適切
に設定することにより、繰り返し回数が増えるに従って
追従誤差32が小さくなることが証明されている。
【0017】図12は、繰り返し制御を用いた場合のシ
ミュレーション結果を示したものである。シミュレーシ
ョンに用いたモータの構成を図13に模式的に示す。図
13において、36はモータ、37は重り、38はモー
タ36と重り37とを接続する軸である。軸38は弾性
体にて形成されており、ねじり振動を発生する。
【0018】図12において、図12(a)は補正指令
値35、図12(b)は追従誤差32、図12(c)は
モータ36の速度と重り37の速度との差であり、軸3
8のねじり振動速度を表している。また、図12(d)
はモータ36の電流検出値である。目標指令値の繰り返
し周期は4秒で、0〜4秒が一回目の動作、4〜8秒が
二回目の動作、8〜12秒が三回目の動作、12〜16
秒が四回目の動作の繰り返し動作を示している。
【0019】図12(b)を見ると、繰り返し回数が増
えるに従って追従誤差32が小さくなっているのが判
る。しかし、図12(c)を見ると、繰り返し回数が増
えるに従って、軸38のねじり振動速度が大きくなって
いる。振動速度が大きくなると、目標指令値24への追
従精度が悪くなるだけでなく、停止時に残留振動が発生
し、振動が整定するのに時間がかかることから作業時間
も長くなってしまう。
【0020】
【発明が解決しようとする課題】従来のモータの制御装
置は図9のように構成されており、より高精度の追従制
御を実現したいと言う要求に十分答えられているとは言
えない。また、図10のような繰り返し制御方式も提案
されているが、繰り返し制御によって振動が増大すると
いう問題点があった。
【0021】また、学習した指令値は、全く同じ指令値
に対しての動作のみ有効である。したがって、同じパタ
ーンの動きであっても低速で動かしたり、高速で動かし
たりする場合には学習した効果が無くなり、ただ単に利
用すると逆に誤差が大きくなる可能性があった。このた
め、動作速度を変更すると学習をやり直さなければなら
なかった。
【0022】さらに、重い負荷をモータで駆動する場合
は、最初から定常運転速度でモータを動かすのではな
く、停止状態から徐々に運転速度を上げていき、最終的
に定常運転に移行するように制御される。逆にモータを
停止させる時には、定常運転状態から徐々に運転速度を
下げて行き、最終的にモータを停止させるように制御さ
れる。このような加速時や減速時には繰り返し制御によ
って学習した補正指令値は有効には作用しないため、過
大な誤差が生じる可能性がある。
【0023】この発明は、上記のような問題点を解決す
るためになされたものであり、振動の少ないモータの制
御装置を得るとともに、動作速度が変化した場合や加減
速運転時にも高い追従精度を実現するモータの制御装置
を得ることを目的としている。
【0024】
【課題を解決するための手段】この発明に係る請求項1
の制御装置は、同じ動作を連続的あるいは断続的に繰り
返す目標指令値にモータの位置、あるいは、モータの速
度を追従させるようにモータを制御するために、前回動
作から目標指令値の補正量を作成し、補正量と目標指令
値とが加算された補正指令値に基づいて指令値を生成
し、指令値をモータに与えることによりモータを駆動さ
せる制御装置において、補正量を記憶する記憶手段と、
モータの電流値を検出する電流検出手段と、電流検出手
段によって検出された電流値に負の定数を乗ずる乗算手
段と、乗算手段の出力と記憶手段から出力された前回動
作時の補正量との和を計算する加算手段と、加算手段の
出力に応じて、モータの電流値の絶対値が小さくなるよ
うにするため補正量を算出して出力する補正量計算手段
とを備えたものである。
【0025】又、この発明に係る請求項2の制御装置
は、同じ動作を連続的あるいは断続的に繰り返す目標指
令値にモータの位置、あるいは、モータの速度を追従さ
せるようにモータを制御するために、前回動作から目標
指令値の補正量を作成し、補正量と目標指令値とが加算
された補正指令値に基づいて指令値を生成し、指令値を
モータに与えることによりモータを駆動させる制御装置
において、第1の補正量を記憶する第1の記憶手段と、
モータの電流値を検出する電流検出手段と、電流検出手
段によって検出された電流値に負の定数を乗ずる乗算手
段と、乗算手段の出力と記憶手段から出力された前回動
作時の第1の補正量との和を計算する第1の加算手段
と、第1の加算手段の出力に応じて、モータの電流値
絶対値が小さくなるようにするための値から成る第1の
補正量を算出して出力する第1の補正量計算手段とを備
え、第2の補正量を記憶する第2の記憶手段と、目標指
令値とモータの位置、あるいは、モータの速度との差を
算出する比較手段と、比較手段の出力と第2の記憶手段
から出力される前回動作時の第2の補正量とを加算する
第2の加算手段と、第2の加算手段の出力に応じて目標
指令値のモータの位置あるいは速度との誤差を零に近づ
けるための第2の補正量を計算する第2の補正量計算手
段と、第1の補正量と第2の記憶手段から出力される前
回動作時の第2の補正量とを加算し、補正量を生成する
第3の加算手段とを備えたものである。
【0026】又、この発明に係る請求項3の制御装置
は、所望の動作を実現するように、モータを制御する制
御装置において、与えられた指令値に対してモータの位
置あるいは速度を追従させるようにモータを制御するモ
ータ制御手段と、所望の動作と同じ動作を所望の動作と
は異なる動作時間でモータが制御されたときに、モータ
制御手段に与えられた指令値を学習指令値として記憶す
る記憶手段と、記憶手段に記憶された学習指令値を時間
軸方向に伸縮する指令値伸縮手段と、指令値伸縮手段の
出力を入力しモータ制御手段に指令値として出力する動
的補償器とを備え、記憶手段の記憶した学習指令値の時
間長をL1、実際にモータを動かすときの指令値の時間
長をL2、モータ制御手段の制御時定数をTとしたと
き、記憶手段に記憶された学習指令値を指令値伸縮手段
において時間軸方向に一様にL2/L1に伸縮するととも
に、動的補償器の伝達特性を(L1・T・s+L1)/
(L2・T・s+L1)としたものである。
【0027】又、この発明に係る請求項4の制御装置
は、加減速運動を伴う所望の動作を実現するように、モ
ータを制御する制御装置において、与えられた指令値に
対してモータの位置あるいは速度を追従させるようにモ
ータを制御するモータ制御手段と、所望の動作を加減速
を伴わず定常運転速度にてモータが制御されたときに、
モータ制御手段に与えられた指令値を学習指令値として
記憶する記憶手段と、記憶手段に記憶された学習指令値
に対して加減速処理を行う加減速手段と、加減速手段の
出力を入力しモータ制御手段に指令値として出力する動
的補償器とを備え、記憶手段の記憶した学習指令値の動
的補償器の伝達特性を可変とし、モータ制御手段の制御
時定数をT、定常運転速度に対する加減速手段における
指令速度の割合をKvとしたとき、動的補償器の伝達特
性を(Kv・T・s+Kv)/(T・s+Kv)としたも
のである。
【0028】又、この発明に係る請求項5の制御装置
は、請求項3または請求項4に記載の記憶手段に記憶さ
せる学習指令値として、同じ動作を連続的あるいは断続
的に繰り返す目標指令値にモータの位置、あるいは、モ
ータの速度を追従させるようにモータを制御するため
に、上記繰り返し動作に基づいて補正されモータ制御手
段に与えられた指令値を用いたものである。
【0029】又、この発明に係る請求項6の制御装置
は、請求項3または請求項4に記載の記憶手段に記憶さ
せる学習指令値として、請求項1または請求項2に記載
の制御装置によって補正された指令値を用いたものであ
る。
【0030】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.以下、この発明の実施の形態を図につい
て説明する。図1はこの発明の実施の形態1におけるモ
ータの制御装置の構成を示すブロック図である。図にお
いて、図11に示した従来モータの制御装置と同様の部
分は同一の記号を付して説明を省略する。また、39は
モータの電流値40を検出する電流検出手段、41は電
流値40に負の定数を乗ずる乗算手段、42は後述する
第2の加算手段の出力に応じてモータの電流値40を零
に近づける補正量43を算出する補正量計算手段であ
る。
【0031】44は記憶手段であり、補正量43を記憶
し、目標指令値24の一周期分だけ時間を遅らせて次回
動作時に出力する。45は加算手段としての第2の加算
手段であり、乗算手段41の出力と記憶手段44の出力
とを加算する。第2の加算手段45の出力は補正量計算
手段42に入力される。また、46は第1の加算手段で
あり、目標指令値24と補正量43とを加算することに
より、補正指令値47を出力する。
【0032】次に上記のように構成された実施の形態1
のモータの制御装置の動作について説明する。まず、一
回目の動作(前回動作にあたるもの)について説明す
る。検出された電流値40は乗算手段41により負の定
数を乗じた後、第2の加算手段45にて記憶手段44の
出力と加算される。しかし、一回目の動作は記憶手段4
4の出力は零であるから、第2の加算手段45からは乗
算手段41の出力がそのまま出力され、補正量計算手段
42に入力される。補正量計算手段42で計算された補
正量43は第1の加算手段46により、目標指令値24
と加算され、目標指令値24を補正する。
【0033】この補正により、モータの電流値40がプ
ラスの値を持つときは目標指令値24が減少し、モータ
の電流値40も減少する。逆に、モータの電流値40が
マイナスの値を持つときは目標指令値24が増加し、モ
ータの電流値40も増加することになる。すなわち、い
ずれの場合もモータの電流値40が零に近づくように補
正指令値47が補正されることになる。
【0034】補正量43はこのように第1の加算手段4
6に入力されるが、それと同時に記憶手段44に入力さ
れる。二回目の動作もほぼ同様に動作するが、記憶手段
44からは一回目の動作の補正量43が出力されること
になるから、第2の加算手段45では、一回目の動作の
補正量43と乗算手段41の出力とが加算され、それら
の和が補正量計算手段42に入力されることになる。
【0035】図1に示したの実施の形態1は、いわば、
モータの電流値40の絶対値を小さくするような繰り返
し制御系を構成していることになる。従来の場合の図1
2(c)と図12(d)を見ると、モータの電流値と機
械振動とには密接な関係があることがわかる。すなわ
ち、機械振動が発生している所でモータの電流値も振動
している。さらに、繰り返しの回数が増え、機械振動が
大きくなるに従って、電流の振動も大きくなっている。
このように、モータの電流値と振動とは密接な関係があ
ることから、モータの電流値の振動を小さくすることに
より、機械振動も低減することができると期待できる。
【0036】図2は図1に示した実施の形態1の制御装
置を従来と同様図13に示したモータを用いてシミュレ
ーションした結果をプロットしたものである。図におい
て、図2(a)は補正指令値47、図2(b)は追従誤
差、図2(c)はモータ36の速度と重り37の速度と
の差であり、軸38のねじり振動速度を表している。ま
た、図2(d)はモータの電流値40である。図12
(c),(d)と図2(c),(d)とを比較すると、
図2では繰り返しの回数が増えるに従ってモータの電流
値の振動が押さえられており、それにともなって機械振
動も抑制されており、振動抑制効果があることがわか
る。
【0037】実施の形態2.図3はこの発明の実施の形
態2におけるモータの制御装置の構成を示すブロック図
である。実施の形態2は、図11に示す制御装置と図1
に示す制御装置を組み合わせたものであり、図11の制
御装置と同様に目標指令値への追従精度を向上させるこ
とができると同時に、図1の制御装置が有する振動抑制
効果をも有する。図3において、上記実施の形態1と同
様の場合は同一の記号を付して説明を省略する。48は
後述する第1の加算手段の出力に応じてモータの電流値
40を零に近づける第1の補正量49を算出する第1の
補正量計算手段、50は第1の記憶手段であり、第1の
補正量49を記憶し、目標指令値24の一周期分だけ時
間を遅らせて次回動作時に出力する。51は第1の加算
手段であり、乗算手段41の出力と第1の記憶手段50
の出力とを加算する。第1の加算手段51の出力は第1
の補正量計算手段48に入力される。
【0038】52は第2の補正量計算手段であり、後述
する第2の加算手段の出力に応じて、モータの位置ある
いは速度の誤差を零に近づけるための第2の補正量53
を算出する。54は第2の記憶手段であり、第2の補正
量53を記憶し、次回動作時に記憶した第2の補正量5
3を信号55としてを出力する。繰り返し制御系では、
目標指令値24は一定周期で同じパターンを繰り返して
おり、第2の記憶手段54では、第2の補正量53を目
標指令値24の1周期分だけ遅らせて、信号55として
出力するようになっている。すなわち、第2の記憶手段
54の信号55は、一周期前の第2の補正量53に等し
い。
【0039】56は第2の加算手段であり、追従誤差3
2と信号55との和を計算し、その結果を第2の補正量
計算手段52へ出力する。57は第1の補正量49と信
号55と目標指令値24とが加算され、補正指令値58
としてモータ制御手段22に与える第3の加算手段であ
る。
【0040】次に、上記のように構成された実施の形態
2のモータの制御装置の動作について説明する。まず、
目標指令値24は一定周期で同じパターンを繰り返す値
となっている。繰り返しの一回目の動作(前回の動作に
あたるもの)は、両記憶手段50、54からは何も出力
されない。また、これと同時に比較手段31にて目標指
令値24と位置検出値29との差、すなわち、追従誤差
32が出力され第2の補正量計算手段52に入力され
る。さらにその出力である第2の補正量53が第2の記
憶手段54に入力される。
【0041】又、検出された電流値40は乗算手段41
により負の定数を乗じた後、第1の加算手段51にて第
1の記憶手段55の出力と加算される。しかし、一回目
の動作は第1の記憶手段50の出力は零であるから、第
1の加算手段51からは乗算手段41の出力がそのまま
出力され、第1の補正量計算手段48に入力される。第
1の補正量計算手段48では第1の補正量49が計算さ
れる。そして、第3の加算手段57により、目標指令値
24と第1の補正量49と信号55とが加算され、目標
指令値24を補正する。
【0042】繰り返しの二回目の動作では、第2の記憶
手段54からは一回目の動作時(前回動作時)に計算さ
れた第2の補正量53が信号55として出力され、又、
第1の記憶手段50からは一回目の動作の第1の補正量
49が出力されることになるから、第1の加算手段51
では、一回目の動作の第1の補正量49と乗算手段41
の出力とが加算され、それらの和が第1の補正量計算手
段48に入力され、第1の補正量49として出力され
る。そして、信号55と第1の補正量49と目標指令値
24との和が補正指令値58としてモータ制御手段22
に入力され、制御対象21内のモータが駆動される。
【0043】図3に示したの実施の形態2は、いわば、
モータの電流値40の絶対値を小さくし、且つ、モータ
の位置誤差を小さくするような繰り返し制御系を構成し
ていることになる。
【0044】図4は図3に示した実施の形態2の制御装
置を従来と同様図13に示したモータを用いてシミュレ
ーションした結果をプロットしたものである。図におい
て、図4(a)は補正指令値58、図4(b)は追従誤
差32、図4(c)はモータ36の速度と重り37の速
度との差であり、軸38のねじり振動速度を表してい
る。また、図4(d)はモータの電流値40である。
【0045】図12(c),(d)と図4(c),
(d)とを比較すると、図4では繰り返しの回数が増え
るに従ってモータの電流値の振動が押さえられており、
それにともなって機械振動も抑制されており、振動抑制
効果があることがわかる。さらに、図4(b)を見る
と、繰り返し回数が増えるに従って追従誤差32が小さ
くなっているのが判る。
【0046】図1、図3に示した両実施の形態では、電
流検出値を用いて制御系を構成していたが、電流制御手
段が十分高い制御時定数を有する場合には、電流指令値
とモータから検出している電流検出値とはほぼ一致する
から、電流検出値の代わりに電流指令値を用いても良
い。また、モータの電流値とモータトルクは比例関係に
あることから、電流検出値の代わりにモータトルクを検
出して同様に用いても、上記各実施の形態と同様の効果
を奏することは言うまでもない。
【0047】実施の形態3.図5はこの発明の実施の形
態3におけるモータの制御装置の構成を示すブロック図
である。図において、上記各実施の形態と同様の部分は
同一の記号を付して説明を省略する。59は今回行う所
望の動作と同じ動作を所望の動作とは異なる動作時間で
モータが制御されたときに、モータ制御手段22に与え
られた指令値を学習指令値60として記憶する記憶手
段、61は記憶手段59に記憶された学習指令値60を
時間軸方向に伸縮する指令値伸縮手段、62は指令値伸
縮手段61の出力を入力しモータ制御手段22に指令値
として出力する動的補償器である。
【0048】記憶手段59の記憶した学習指令値60の
時間長をL1、実際にモータを動かすときの指令値の時
間長をL2、モータ制御手段22の制御時定数をTとし
たとき、記憶手段59に記憶された学習指令値60を指
令値伸縮手段61において時間軸方向に一様にL2/L1
に伸縮するとともに、動的補償器62の伝達特性を(L
1・T・s+L1)/(L2・T・s+L1)とする。
【0049】ここで、動的補償器62の伝達特性を(L
1・T・s+L1)/(L2・T・s+L1)としたことに
ついて以下説明する。まず、ここでは他の繰り返し制御
によって学習した補正指令値U(s)を指令値伸縮手段
61により時間軸方向に伸縮することによりUk(s)
を生成し、動的補償器62を通すことによりモータ制御
手段22に与える指令値を生成している。
【0050】所望の動作と同じ動作を所望の動作とは異
なる動作時間でモータが制御された時の目標指令値r
(t)とする。また、この時、他の繰り返し制御によっ
て学習した補正指令値をu(t)とする。理想的な場合
を考え、補正指令値u(t)をモータ制御手段22に与
えてモータを制御した結果、上記目標指令値r(t)へ
の追従誤差が零になったとする。このとき、上記補正指
令値u(t)は、上記目標指令値r(t)を上記モータ
制御手段22の逆システムに通した信号になっている。
すなわち、上記目標指令値r(t)、上記補正指令値u
(t)のラプラス変換をそれぞれR(s)、U(s)と
し、モータ制御手段の伝達特性をG(s)とすると、補
正指令値U(s)は、 U(s)={1/G(s)}・R(s) (1) となっている。尚sは、ラプラス演算子である。
【0051】また、目標指令値R(s)、補正指令値U
(s)を時間軸方向にK倍した指令値をそれぞれ、Rk
(s)、Uk(s)とすると、ラプラス変換の性質によ
り、 Rk(s)=k・R(k・s) (2) Uk(s)=k・U(k・s) (3) となる。
【0052】時間軸方向にk倍した目標指令値Uk
(s)に対して繰り返し制御を適用し、補正指令値を学
習したとすると、その補正指令値U1(s)は(1)式と同
様に、 U1(s)={1/G(s)}・Rk(s) (4) となる。
【0053】(4)式に(2)式を代入すると、 U1(s)={1/G(s)}・k・R(k・s) (5) となる。また、(1)式より、U(k・s)={1/G
(k・s)}・R(k・s)であるから、(5)式は U1(s)={1/G(s)}・k・G(k・s)・U(k・s) (6) となる。又、(6)式に(3)式を適用すると、 U1(s)={G(k・s)/G(s)}・Uk(s) (7) となる。
【0054】ここで、モータ制御手段の伝達特性G
(s)を一次遅れ要素と近似し、その時定数をTとする
と、 G(s)=1/(T・s+1) (8) であるから、(7)式に(8)式を代入することにより、 U1(s)={(T・s+1)/(T・k・s+1)}・Uk(s) (9) となる。
【0055】(9)式により、ひとつの動作速度で学習し
た補正指令値U(s)から、別の動作速度に対する補正
指令値U1(s)を生成することができることがわか
る。ここで記憶手段59に記憶されている学習指令値6
0を時間の関数としてu(t)と表すと、指令値伸縮手段6
1の出力はu(L1・t/L2)となる。よって、(9)式にK=L
2/L1を代入すれば得られることとなる。
【0056】以上のことより、学習時とは異なる動作速
度の指令値に対して、学習をやり直すこと無しに補正指
令値を生成することができ、一度だけ補正指令値を学習
しておけば、常に高精度の制御を実現することができ
る。
【0057】図6に図5に示した実施の形態3の制御装
置を用いた際のシミュレーション結果を示す。図6
(a)はモータ制御手段に与えられる補正指令値を示し
たものであり、図6(b)は目標指令値への追従誤差を
示している。図6のシミュレーションでは、L1=4秒
で学習した補正指令値を学習指令値60として用い、L
2=8秒で動かした場合の結果である。記憶手段59に
記憶されている学習指令値60は従来の場合の図11の
繰り返し制御によって学習した、図12(a)の12秒〜
16秒の補正指令値が記憶されているものとする。図6
(b)より、追従誤差の最大値は図12(b)の12秒〜
16秒における最大誤差と同程度であり、繰り返し周期が
変わっても学習をやり直す必要が無く、高精度の追従制
御が実現されていることが確認できた。
【0058】実施の形態4.図7はこの発明の実施の形
態4におけるモータの制御装置の構成を示すブロック図
である。図において、上記実施の形態3と同様の部分は
同一符号を付して説明を省略する。63は記憶手段59
に記憶された学習指令値60に対して加減速処理を行う
加減速手段、64は加減速手段63の出力を入力しモー
タ制御手段22に指令値として出力する動的補償器であ
る。
【0059】そして、動的補償器64の伝達特性を可変
とし、モータ制御手段22の制御時定数をT、定常運転
速度に対する加減速手段における指令速度の割合をKv
としたとき、動的補償器64の伝達特性を(Kv・T・
s+Kv)/(T・s+Kv)とする。
【0060】この動的補償器64の伝達特性の式は学習
指令値の停止状態から定常運転速度まで、直線的に加速
する場合は、Kを定数として、kv=K・tとなる。こ
のとき、記憶手段59に記憶されている学習指令値60
を時間の関数としてu(t)と表すと、加減速手段から出力
される指令値はu(0.5・K・t・t)となる。このこ
とから、上記実施の形態3にて示した式(9)にK=1
/Kvを代入すれば、得られることとなる。
【0061】図8に図7に示した実施の形態4の制御装
置を用いたシミュレーション結果を示す。図8では、停
止状態から直線的に動作速度を速くして行き、8秒で定
常運転速度に達している。8秒から12秒の間は定常運
転速度でモータを動かし、12秒から20秒では動作速
度を徐々に遅くして行き、20秒で停止状態になってい
る。図8(a)はモータ制御手段22に与えられる補正
指令値を示したものであり、図8(b)は目標指令値へ
の追従誤差を示している。図8のシミュレーションで
は、上記実施の形態3と同様にL1=4秒で学習した補
正指令値を学習指令値60として用いており、記憶手段
59には図12(a)の12秒〜16秒の補正指令値が記憶
されている。図8(b)より、追従誤差の最大値は図1
2(b)の12秒〜16秒における最大誤差と同程度であ
り、動作中に動作速度が変化しても高精度の追従制御が
実現されていることが確認できた。
【0062】このように、重い負荷をモータで駆動し、
最初から定常運転速度でモータを動かすのではなく、停
止状態から徐々に運転速度を上げていき、最終的に定常
運転に移行するように制御される。又、逆にモータを停
止させる時には、定常運転状態から徐々に運転速度を下
げて行き、最終的にモータを停止させるように制御され
る。このような加速時や減速時、繰り返し制御によって
学習した指令値を有効に作用させることができる。
【0063】上記実施の形態3及び実施の形態4では学
習指令値として、従来の動作のものを用いる例を示した
が、これに限られることはなく、例えば、上記実施の形
態1及び実施の形態2の制御装置にて補正された指令値
を学習指令値とに用いるようにしても、同様に行うこと
ができる。
【0064】又、上記実施の形態3及び実施の形態4で
は繰り返し動作に基づいて補正された指令値を用いる例
を示したが、これに限られることはなく、1度きりの動
作による指令値を用いても、上記実施の形態と同様に用
いることができるため、精度よく制御を行うことができ
る。
【0065】上記各実施の形態では、繰り返し動作を連
続的行う場合について説明したが、断続的に繰り返し動
作を行う場合に適用することができることは言うまでも
ない。
【0066】
【発明の効果】以上のように、この発明の請求項1によ
れば、同じ動作を連続的あるいは断続的に繰り返す目標
指令値にモータの位置、あるいは、モータの速度を追従
させるようにモータを制御するために、前回動作から目
標指令値の補正量を作成し、補正量と目標指令値とが加
算された補正指令値に基づいて指令値を生成し、指令値
をモータに与えることによりモータを駆動させる制御装
置において、補正量を記憶する記憶手段と、モータの電
流値を検出する電流検出手段と、電流検出手段によって
検出された電流値に負の定数を乗ずる乗算手段と、乗算
手段の出力と記憶手段から出力された前回動作時の補正
量との和を計算する加算手段と、加算手段の出力に応じ
て、モータの電流値の絶対値が小さくなるようにする
め補正量を算出して出力する補正量計算手段とを備えた
ので、モータの電流値の増大を抑制し、これに起因して
いたモータの振動を低減することができる制御装置を提
供することが可能である。
【0067】又、この発明の請求項2によれば、同じ動
作を連続的あるいは断続的に繰り返す目標指令値にモー
タの位置、あるいは、モータの速度を追従させるように
モータを制御するために、前回動作から目標指令値の補
正量を作成し、補正量と目標指令値とが加算された補正
指令値に基づいて指令値を生成し、指令値をモータに与
えることによりモータを駆動させる制御装置において、
第1の補正量を記憶する第1の記憶手段と、モータの電
流値を検出する電流検出手段と、電流検出手段によって
検出された電流値に負の定数を乗ずる乗算手段と、乗算
手段の出力と記憶手段から出力された前回動作時の第1
の補正量との和を計算する第1の加算手段と、第1の加
算手段の出力に応じて、モータの電流値の絶対値が小さ
くなるようにするための値から成る第1の補正量を算出
して出力する第1の補正量計算手段とを備え、第2の補
正量を記憶する第2の記憶手段と、目標指令値とモータ
の位置、あるいは、モータの速度との差を算出する比較
手段と、比較手段の出力と第2の記憶手段から出力され
る前回動作時の第2の補正量とを加算する第2の加算手
段と、第2の加算手段の出力に応じて目標指令値のモー
タの位置あるいは速度との誤差を零に近づけるための第
2の補正量を計算する第2の補正量計算手段と、第1の
補正量と第2の記憶手段から出力される前回動作時の第
2の補正量とを加算し、補正量を生成する第3の加算手
段とを備えたので、モータの電流値の増大を抑制し、こ
れに起因していたモータの振動を低減することができる
とともに、モータの位置あるいは速度の誤差を減少し、
モータの位置あるいは速度誤差を低減することができる
制御装置を提供することが可能である。
【0068】又、この発明の請求項3によれば、所望の
動作を実現するように、モータを制御する制御装置にお
いて、与えられた指令値に対してモータの位置あるいは
速度を追従させるようにモータを制御するモータ制御手
段と、所望の動作と同じ動作を所望の動作とは異なる動
作時間でモータが制御されたときに、モータ制御手段に
与えられた指令値を学習指令値として記憶する記憶手段
と、記憶手段に記憶された学習指令値を時間軸方向に伸
縮する指令値伸縮手段と、指令値伸縮手段の出力を入力
しモータ制御手段に指令値として出力する動的補償器と
を備え、記憶手段の記憶した学習指令値の時間長をL
1、実際にモータを動かすときの指令値の時間長をL2、
モータ制御手段の制御時定数をTとしたとき、記憶手段
に記憶された学習指令値を指令値伸縮手段において時間
軸方向に一様にL2/L1に伸縮するとともに、動的補償
器の伝達特性を(L1・T・s+L1)/(L2・T・s
+L1)としたので、異なる動作時間の動作の学習指令
値を利用し、モータの制御を精度よく行うことのできる
制御装置を提供することが可能である。
【0069】又、この発明の請求項4によれば、加減速
運動を伴う所望の動作を実現するように、モータを制御
する制御装置において、与えられた指令値に対してモー
タの位置あるいは速度を追従させるようにモータを制御
するモータ制御手段と、所望の動作を加減速を伴わず定
常運転速度にてモータが制御されたときに、モータ制御
手段に与えられた指令値を学習指令値として記憶する記
憶手段と、記憶手段に記憶された学習指令値に対して加
減速処理を行う加減速手段と、加減速手段の出力を入力
しモータ制御手段に指令値として出力する動的補償器と
を備え、記憶手段の記憶した学習指令値の動的補償器の
伝達特性を可変とし、モータ制御手段の制御時定数を
T、定常運転速度に対する加減速手段における指令速度
の割合をKvとしたとき、動的補償器の伝達特性を(Kv
・T・s+Kv)/(T・s+Kv)としたので、定常運
転速度の動作の学習指令値を利用し、加減速運動を伴う
モータの制御を精度よく行うことのできる制御装置を提
供することが可能である。
【0070】又、この発明の請求項5によれば、請求項
3または請求項4に記載の記憶手段に記憶させる学習指
令値として、同じ動作を連続的あるいは断続的に繰り返
す目標指令値にモータの位置、あるいは、モータの速度
を追従させるようにモータを制御するために、上記繰り
返し動作に基づいて補正されモータ制御手段に与えられ
た指令値を用いたので、繰り返し動作に基づいて補正さ
れた学習指令値を利用し、モータの繰り返し制御を精度
よく行うことのできる制御装置を提供することが可能で
ある。
【0071】又、この発明の請求項6によれば、請求項
3または請求項4に記載の記憶手段に記憶させる学習指
令値として、請求項1または請求項2に記載の制御装置
によって補正された指令値を用いたので、モータの振動
が低減された、あるいは、モータの位置あるいは速度誤
差が低減されたモータの動作の指令値を利用し、モータ
の制御を精度よく行うことのできる制御装置を提供する
ことが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態1の制御装置の構成を
示すブロック図である。
【図2】 図1に示した制御装置のシミュレーションの
結果を示す図である。
【図3】 この発明の実施の形態2の制御装置の構成を
示すブロック図である。
【図4】 図3に示した制御装置のシミュレーションの
結果を示す図である。
【図5】 この発明の実施の形態3の制御装置の構成を
示すブロック図である。
【図6】 図5に示した制御装置のシミュレーションの
結果を示す図である。
【図7】 この発明の実施の形態4の制御装置の構成を
示すブロック図である。
【図8】 図7に示した制御装置のシミュレーションの
結果を示す図である。
【図9】 従来の制御装置の構成を示すブロック図であ
る。
【図10】 従来の制御装置の構成を示すブロック図で
ある。
【図11】 従来の制御装置の構成を示すブロック図で
ある。
【図12】 図11に示した制御装置のシミュレーショ
ンの結果を示す図である。
【図13】 モータの構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
21 制御対象、22 モータ制御手段、24 目標指
令値、39 電流検出手段、40 電流値、41 乗算
手段、42 補正量計算手段、43 補正量、44 記
憶手段、45 第2の加算手段、46 第1の加算手
段、47,58 補正指令値、48 第1の補正量計算
手段、49 第1の補正量、50 第1の記憶手段、5
1 第1の加算手段、52 第2の補正量計算手段、5
3 第2の補正量、54 第2の記憶手段、55 信
号、56 第2の加算手段、57 第3の加算手段、5
9 記憶手段、60 学習指令値、61 指令値伸縮手
段、62 動的補償手段、63 加減速手段、64 動
的補償手段。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平2−266401(JP,A) 特開 平7−264890(JP,A) 特開 平6−67705(JP,A) 特開 平4−323706(JP,A) 特開 平6−318102(JP,A) 原辰次,繰り返し制御,計測と制御, 日本,社団法人計測制御学会,1986年12 月,Vol.25,No.12,P.51〜 P.59 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G05D 3/00 - 3/20 G05B 11/00 - 13/04 H02P 5/00

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 同じ動作を連続的あるいは断続的に繰り
    返す目標指令値にモータの位置、あるいは、前記モータ
    の速度を追従させるように前記モータを制御するため
    に、前回動作から前記目標指令値の補正量を作成し、前
    記補正量と前記目標指令値とが加算された補正指令値に
    基づいて指令値を生成し、前記指令値を前記モータに与
    えることにより前記モータを駆動させる制御装置におい
    て、 前記補正量を記憶する記憶手段と、前記モータの電流値
    を検出する電流検出手段と、前記電流検出手段によって
    検出された前記電流値に負の定数を乗ずる乗算手段と、
    前記乗算手段の出力と前記記憶手段から出力された前回
    動作時の前記補正量との和を計算する加算手段と、前記
    加算手段の出力に応じて、前記モータの電流値の絶対値
    が小さくなるようにするため前記補正量を算出して出力
    する補正量計算手段とを備えたことを特徴とする制御装
    置。
  2. 【請求項2】 同じ動作を連続的あるいは断続的に繰り
    返す目標指令値にモータの位置、あるいは、前記モータ
    の速度を追従させるように前記モータを制御するため
    に、前回動作から前記目標指令値の補正量を作成し、前
    記補正量と前記目標指令値とが加算された補正指令値に
    基づいて指令値を生成し、前記指令値を前記モータに与
    えることにより前記モータを駆動させる制御装置におい
    て、 第1の補正量を記憶する第1の記憶手段と、前記モータ
    の電流値を検出する電流検出手段と、前記電流検出手段
    によって検出された前記電流値に負の定数を乗ずる乗算
    手段と、前記乗算手段の出力と前記記憶手段から出力さ
    れた前回動作時の前記第1の補正量との和を計算する第
    1の加算手段と、前記第1の加算手段の出力に応じて、
    前記モータの電流値の絶対値が小さくなるようにする
    めの値から成る前記第1の補正量を算出して出力する第
    1の補正量計算手段とを備え、 第2の補正量を記憶する第2の記憶手段と、前記目標指
    令値と前記モータの位置、あるいは、前記モータの速度
    との差を算出する比較手段と、前記比較手段の出力と前
    記第2の記憶手段から出力される前回動作時の前記第2
    の補正量とを加算する第2の加算手段と、前記第2の加
    算手段の出力に応じて前記目標指令値の前記モータの位
    置あるいは速度との誤差を零に近づけるための前記第2
    の補正量を計算する第2の補正量計算手段と、前記第1
    の補正量と前記第2の記憶手段から出力される前回動作
    時の前記第2の補正量とを加算し、前記補正量を生成す
    る第3の加算手段とを備えたことを特徴とする制御装
    置。
  3. 【請求項3】 所望の動作を実現するように、モータを
    制御する制御装置において、 与えられた指令値に対して前記モータの位置あるいは速
    度を追従させるように前記モータを制御するモータ制御
    手段と、前記所望の動作と同じ動作を前記所望の動作と
    は異なる動作時間で前記モータが制御されたときに、前
    記モータ制御手段に与えられた指令値を学習指令値とし
    て記憶する記憶手段と、前記記憶手段に記憶された前記
    学習指令値を時間軸方向に伸縮する指令値伸縮手段と、
    前記指令値伸縮手段の出力を入力し前記モータ制御手段
    に前記指令値として出力する動的補償器とを備え、前記
    記憶手段の記憶した前記学習指令値の時間長をL1、実
    際に前記モータを動かすときの前記指令値の時間長をL
    2、前記モータ制御手段の制御時定数をTとしたとき、
    前記記憶手段に記憶された前記学習指令値を前記指令値
    伸縮手段において時間軸方向に一様にL2/L1に伸縮す
    るとともに、前記動的補償器の伝達特性を(L1・T・
    s+L1)/(L2・T・s+L1)としたことを特徴と
    する制御装置。
  4. 【請求項4】 加減速運動を伴う所望の動作を実現する
    ように、前記モータを制御する制御装置において、 与えられた指令値に対して前記モータの位置あるいは速
    度を追従させるように前記モータを制御するモータ制御
    手段と、前記所望の動作を加減速を伴わず定常運転速度
    にて前記モータが制御されたときに、前記モータ制御手
    段に与えられた指令値を学習指令値として記憶する記憶
    手段と、前記記憶手段に記憶された前記学習指令値に対
    して加減速処理を行う加減速手段と、前記加減速手段の
    出力を入力し前記モータ制御手段に前記指令値として出
    力する動的補償器とを備え、前記記憶手段の記憶した前
    記学習指令値の前記動的補償器の伝達特性を可変とし、
    前記モータ制御手段の制御時定数をT、前記定常運転速
    度に対する前記加減速手段における指令速度の割合をK
    vとしたとき、前記動的補償器の伝達特性を(Kv・T・
    s+Kv)/(T・s+Kv)としたことを特徴とする制
    御装置。
  5. 【請求項5】 請求項3または請求項4に記載の記憶手
    段に記憶させる学習指令値として、同じ動作を連続的あ
    るいは断続的に繰り返す目標指令値にモータの位置、あ
    るいは、前記モータの速度を追従させるように前記モー
    タを制御するために、上記繰り返し動作に基づいて補正
    されモータ制御手段に与えられた指令値を用いたことを
    特徴とする制御装置。
  6. 【請求項6】 請求項3または請求項4に記載の記憶手
    段に記憶させる学習指令値として、請求項1または請求
    項2に記載の制御装置によって補正された指令値を用い
    たことを特徴とする制御装置。
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Non-Patent Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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原辰次,繰り返し制御,計測と制御,日本,社団法人計測制御学会,1986年12月,Vol.25,No.12,P.51〜P.59

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