JP3355075B2 - 固体電解質型燃料電池 - Google Patents
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Description
池に係り、特にセパレータ本体がMgO及びMgAl2
O4 、或いは、ランタンクロマイト系複合酸化物を主成
分とするセラミックスよりなるガスセパレータを備える
固体電解質型燃料電池に関する。
るガスセパレータを有した固体電解質型燃料電池の一例
について第1〜3図を参照して説明する。第3図の通
り、この固体電解質型燃料電池1は、集電板2、ガスセ
パレータ3、集電板4、セル5をこの順に多数積層して
なるものである。この固体電解質型燃料電池1の構成部
材のうち、ガスセパレータ3は、第1図の通り、それぞ
れMgO及びMgAl2 O4 を主成分とするセラミック
ス焼結体よりなるセパレータ本体6、積層用枠体7及び
ガス流通用枠体8と、セパレータ本体6に対し接合され
たランタンクロマイト系複合酸化物製電子流路材9とで
構成されている。
ス流通用枠体8は、細帯形状部8aに対し円盤形状部8
bを接合したものである。
合するには、例えば、特開平6−64974号公報記載
の方法に従って、MgO粉末及びAl2 O3 粉末の混合
物を水と混合してスラリーとし、このスラリーを被接合
面に塗付し、第2図に示す如く、被接合部材同士を重ね
合わせ、乾燥、焼成するようにしている。
aと円盤形状部8bとを別々に焼結体として製作してお
き、両者を上記と同じくMgO−Al2 O3 スラリーを
用いて焼成して結合させることにより製造されている。
(YSZ)の板状焼結体よりなる電解質5aに対し、N
i−YSZ系サーメット(燃料極)やランタンマンガナ
イト系複合酸化物(空気極)などよりなる電極5bを接
合した構造となっている。
タ3の枠体7,8に対し、上記のMgO−Al2 O3 ス
ラリーの塗付、乾燥及び焼成により接合されている。
gAl2 O4 を主体とするガスセパレータ3の製造に際
しては、MgO粉末及びAl2 O3 粉末を含むスラリー
を被接合面に塗付し、被接合物同士を重ね合わせた後、
乾燥、焼成し、接合界面に発生するMgO−Al2 O3
複合酸化物層を介して両者を接合するようにしているの
であるが、このMgO−Al2 O3 複合酸化物は、その
焼結温度が高いために、接合時の温度が1400℃以上
の高温になる。しかし、このような高温で接合すると、
燃料極や空気極も高温に曝されて劣化し、これにより電
池性能が損なわれるようになるという問題があった。
製作時の接合温度を従来よりも低下させることができる
ものとしてMgOとSiO2 とをMgO:SiO2 =
1:0.5〜5(重量比)の割合で含む接合材を用いた
固体電解質型燃料電池を先に提案した(特願平7−38
262号。以下「先願」という。)。
〜1300℃程度で接合を行うことができる。
ータ材料としてランタンクロマイト系複合酸化物を主成
分とするセラミックス焼結体を用いたものもあり、この
ような固体電解質型燃料電池10は、一般に第4図に示
す如く、インターコネクターを兼ねたガスセパレータ1
1と、燃料極12、電解質13及び空気極14を積層し
てなるセル15とを交互に積層して構成されている。第
5図はこの固体電解質型燃料電池10の積層構造の詳細
を示す部分拡大断面図であり、図示の如く、ガスセパレ
ータ11同士は、電解質13を介して接合されている
(図中、Aは接合部分)。
係る接合材はSiO2 を含み、このSiO2 が、固体電
解質型燃料電池の発電中、特に還元雰囲気中において、
拡散し、電極材料に悪影響を及ぼすという問題点があっ
た。
し、固体電解質型燃料電池のセルの性能低下を起こさな
い温度での接合を可能にし、且つ還元雰囲気中で電極材
料に悪影響を及ぼさない接合材を用いた固体電解質型燃
料電池を提供することにある。
料電池は、セラミックス焼結体よりなるガスセパレータ
を持つ固体電解質型燃料電池であって、ガスセパレータ
材料同士、及び/又は、ガスセパレータ材料とセル材料
であるジルコニアとが、接合材を介して焼成することに
より接合されてなる固体電解質型燃料電池において、該
接合材がAl2O3とCaOと場合によりMgOとを含
みSiO 2 を含まず、Al2O3とCaOとの割合がA
l2O3:CaO=0.5:1〜15:1(重量比)で
あり、MgOの割合がAl2O3とCaOとの合計量に
対して0〜150重量%であることを特徴とする。
とCaOと場合によりMgOで構成される混合粉末をス
ラリー化してガスセパレーター材料に塗布し、各部材を
張り合わせて、1300℃以下の温度で焼成することに
より容易に接合することができる。
と接合材であるAl2 O3 −CaO系とが1300℃以
下という焼成温度で液相焼結する反応を利用して、接合
層に複合酸化物を生成させる。これによって、各部材間
は化学的に強固に接合されることになる。なお、接合材
中には第3成分としてMgOが添加される場合がある
が、このMgOは液相焼結の融点を下げる作用を奏し、
また、接合材反応量の制御のために有効である。
タがMgO及びMgAl2 O4 を主成分とする場合、或
いは、ランタンクロマイト系複合酸化物を主成分とする
場合に有効であり、MgO及びMgAl2 O4 を主成分
とするガスセパレータにあっては、ガスセパレータ材料
のMgAl2 O4 のAl成分と接合材とが反応して、接
合層にAl−Ca系或いはAl−Ca−Mg系複合酸化
物が生成し、これにより、各部材間は強固に接合され
る。また、ランタンクロマイト系複合酸化物を主成分と
するガスセパレータにあっては、ガスセパレータ材料の
Crと接合材とが反応して、接合層にCr−Al−Ca
系或いはCr−Al−Ca−Mg系複合酸化物が生成
し、これにより、各部材間は強固に接合される。
gO及びMgAl2 O4 を主成分とするスピネル系セラ
ミックス焼結体製のガスセパレータ3のセパレータ本体
6と枠体7,8との接合、或いは、この枠体7,8とセ
ル5のYSZ焼結体製電解質5aとの接合、或いは、第
4,5図に示すようなランタンクロマイト系複合酸化物
を主成分とするガスセパレータ11とセル15のYSZ
焼結体製電解質13の接合に当り、Al2 O3 とCaO
と場合によりMgOとを含み、Al2 O3 とCaOとの
割合がAl2 O3 :CaO=0.5:1〜15:1(重
量比)であり、MgOの割合がAl2 O3 とCaOとの
合計量に対して0〜150重量%である接合材を用い
る。
aO粉末を上記割合で混合し、これに更に必要に応じて
MgO粉末を上記配合で混合してなる混合粉末に、必要
に応じてポリビニルブチラール等の結合剤、ジブチルフ
タレート等の可塑剤、ノニオン等の分散剤等を添加して
下記配合のスラリーとしたものを被接合面にスプレー等
により乾燥後の塗布量で0.02〜0.04g/cm2
となるように塗布して乾燥し、その後、被接合面同志を
当接し、0.3〜0.5kg/cm2 程度の荷重をかけ
て、1300℃以下、好ましくは1200〜1300℃
の温度で焼成して接合を行う。
が上記範囲からはずれてAl2 O3 が少ないと、焼結性
が悪いため、十分な接合強度が得られない。逆に、Al
2 O3 が多いと焼結が遅いため、ガスシール性能が劣る
ものとなる。
るMgOの割合が150重量%を超えると焼結性が悪く
なる。
パレータのセパレータ本体や枠体としては、MgO及び
MgAl2 O4 を主成分とするセラミックス焼結体、又
は、ランタンクロマイト系複合酸化物を主成分とするセ
ラミックス焼結体よりなるものが挙げられるが、具体的
なセラミックス組成は次の通りである。
%) La0.7 Ca0.3 CrO3 :100 また、セルの電解質を構成するY2 O3 安定化ZrO2
としては、次のような組成が主に採用される。
説明する。
合し、更に、この混合粉末に対して表1に示す割合でM
gO粉末を混合し(ただし、No.11ではMgO無添
加)、得られたAl2 O3 −CaO−MgO混合粉末に
対して、下記配合で接合用スラリーを調製した。
ス焼結体製ガスセパレータ(組成:MgO:42重量
%,MgAl2 O4 :58重量%)の接合を必要とする
面にスプレー塗布し(乾燥後の塗布量0.02g/cm
2 )、第2図に示す如く、各部材を貼り合せ、乾燥後、
0.3kg/cm2 の面圧荷重、1300℃の温度で焼
成して接合を行った。
して4点曲げ試験を行って、接合部の強度を調べたとこ
ろ、本発明のAl2O3−CaO−MgO組成範囲内の
ものは、いずれも表1に示す如く、高い接合強度が得ら
れたことが確認された。また、各接合部のガスシール性
能を調べたところ、表1に示す如く、本発明のAl2O
3−CaO−MgO組成範囲内のものは、実用上十分な
性能が得られた。
ところ、表1に示す如く、本発明のAl2 O3 −CaO
−MgO組成範囲内のものは、実用上十分な性能が得ら
れた。
様の接合条件で、MgO−MgAl2 O4 系セラミック
ス焼結体製枠体とセルのYSZ焼結体製電解質(組成:
ZrO2 =92mol%,Y2 O3 =8mol%)との
接合を行い、同様に強度及び空気透過率を調べ、結果を
表2に示した。
MgO組成範囲であれば、強度、ガスシール性能共に、
良好な結果が得られることが明らかである。
様の接合条件で、ランタンクロマイト系複合酸化物系セ
ラミックス焼結体製ガスセパレータ(組成:La0.7 C
a0.3 CrO3 )とセルのYSZ焼結体製電解質(組
成:ZrO2 =92mol%,Y2 O3 =8mol%)
との接合を行い、同様に強度及び空気透過率を調べ、結
果を表3に示した。
MgO組成範囲であれば、強度、ガスシール性能共に、
良好な結果が得られることが明らかである。
型燃料電池によれば、セラミックス焼結体製ガスセパレ
ータ同士、或いは、セパレータとYSZ焼結体製セルと
の接合に際し、接合温度を低くすることができるため、
セル性能に悪影響を及ばすことがない。また、接合材中
にSiO2 を含有しないことから、電極材料に悪影響を
及ぼすこともない。このため高性能固体電解質型燃料電
池の製造が可能となる。
である。
る。
視図である。
斜視図である。
面図である。
Claims (4)
- 【請求項1】 セラミックス焼結体よりなるガスセパレ
ータを持つ固体電解質型燃料電池であって、ガスセパレ
ータ材料同士、及び/又は、ガスセパレータ材料とセル
材料であるジルコニアとが、接合材を介して焼成するこ
とにより接合されてなる固体電解質型燃料電池におい
て、 該接合材がAl2O3とCaOとを含みSiO 2 を含ま
ず、Al2O3とCaOとの割合がAl2O3:CaO
=0.5:1〜15:1(重量比)であることを特徴と
する固体電解質型燃料電池。 - 【請求項2】 セラミックス焼結体よりなるガスセパレ
ータを持つ固体電解質型燃料電池であって、ガスセパレ
ータ材料同士、及び/又は、ガスセパレータ材料とセル
材料であるジルコニアとが、接合材を介して焼成するこ
とにより接合されてなる固体電解質型燃料電池におい
て、 該接合材がAl2O3とCaOとMgOとを含みSiO
2 を含まず、Al2O3とCaOとの割合がAl
2O3:CaO=0.5:1〜15:1(重量比)であ
り、MgOの割合がAl2O3とCaOとの合計量に対
して150重量%以下であることを特徴とする固体電解
質型燃料電池。 - 【請求項3】 請求項1又は2の固体電解質型燃料電池
において、ガスセパレータ材料がMgO及びMgAl2
O3を主成分とすることを特徴とする固体電解質型燃料
電池。 - 【請求項4】 請求項1又は2の固体電解質型燃料電池
において、ガスセパレータ材料がランタンクロマイト系
複合酸化物を主成分とすることを特徴とする固体電解質
型燃料電池。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP22790895A JP3355075B2 (ja) | 1995-09-05 | 1995-09-05 | 固体電解質型燃料電池 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP22790895A JP3355075B2 (ja) | 1995-09-05 | 1995-09-05 | 固体電解質型燃料電池 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0973910A JPH0973910A (ja) | 1997-03-18 |
JP3355075B2 true JP3355075B2 (ja) | 2002-12-09 |
Family
ID=16868192
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP22790895A Expired - Lifetime JP3355075B2 (ja) | 1995-09-05 | 1995-09-05 | 固体電解質型燃料電池 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3355075B2 (ja) |
Families Citing this family (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
NL1026861C2 (nl) * | 2004-08-18 | 2006-02-24 | Stichting Energie | SOFC stackconcept. |
ATE523910T1 (de) * | 2008-02-02 | 2011-09-15 | Elringklinger Ag | Verfahren zur herstellung einer elektrisch isolierenden dichtungsanordnung für einen brennstoffzellenstack und dichtungsanordnung für einen brennstoffzellenstack |
JP2011192460A (ja) * | 2010-03-12 | 2011-09-29 | Mitsubishi Materials Corp | 固体酸化物形燃料電池の発電セルユニットとその製造方法 |
-
1995
- 1995-09-05 JP JP22790895A patent/JP3355075B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0973910A (ja) | 1997-03-18 |
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