JP3354912B2 - 合成樹脂粉粒体の除湿乾燥方法及びその装置 - Google Patents

合成樹脂粉粒体の除湿乾燥方法及びその装置

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JP3354912B2
JP3354912B2 JP36728799A JP36728799A JP3354912B2 JP 3354912 B2 JP3354912 B2 JP 3354912B2 JP 36728799 A JP36728799 A JP 36728799A JP 36728799 A JP36728799 A JP 36728799A JP 3354912 B2 JP3354912 B2 JP 3354912B2
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浩 今井
智 高木
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、合成樹脂成形機に
供給すべき合成樹脂粉粒体の除湿乾燥方法及びその装置
に関する。
【0002】
【従来の技術】合成樹脂成形に用いる原材料には吸湿し
易いものがあり、水分は成形に悪影響を及ぼし、製品の
品質を低下させる。一般に、材料の乾燥には、熱によっ
て水分の蒸発を促し、その水蒸気を吸着剤等により排出
処理する方法がある。また、乾燥処理にマイクロ波を用
いるものがある。また、水分の蒸発を促進させる方法と
して、真空を使用するものもある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従来の熱循環方式で
は、外部からの空気を熱風に変換するため、効率が悪
く、乾燥に長時間を要するとともに、熱風に晒された合
成樹脂粉粒体を劣化させるおそれがあり、運転経費、設
備規模等に問題がある。また、マイクロ波方式において
も、同様に改善すべき不都合がある。
【0004】また、真空乾燥は、高真空度を実現する場
合、真空ポンプが大きくなる等の問題があり、従来、実
用性に乏しいとされてきた。
【0005】そこで、本発明は、真空処理と加熱処理と
を併用して除湿乾燥の高効率化を実現した合成樹脂粉粒
体の除湿乾燥方法及びその装置を提供することを目的と
する。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、合成樹脂成形
機に供給される合成樹脂粉粒体の除湿乾燥方法及びその
装置であって、合成樹脂粉粒体(原材料31)の供給手
段(吸上げ機構2、上自動開閉バルブ4、供給受け口
1)、加熱手段(熱交換器8、ヒートパイプ11)が設
置された乾燥装置本体(真空除湿乾燥装置本体7)内に
吸込み空気とともに搬送される合成樹脂粉粒体を前記吸
込み空気と分離して供給口から合成樹脂粉粒体を入れて
加熱するとともに、その加熱中、真空処理を行って除湿
乾燥を実現し、下側の排出口から乾燥後の合成樹脂粉粒
体を排出する。したがって、合成樹脂粉粒体の除湿乾燥
の高効率化とともに高品質化を実現している。
【0007】請求項1に係る本発明は、合成樹脂成形機
に供給される合成樹脂粉粒体を真空下で加熱して除湿乾
燥させる、合成樹脂粉粒体の除湿乾燥方法であって、上
部側に供給口(供給受け口1)を備える乾燥装置本体
(真空除湿乾燥装置本体7)の前記供給口に、吸込み空
気とともに搬送される合成樹脂粉粒体(原材料31)を
前記吸込み空気と分離して受け、その合成樹脂粉粒体を
前記乾燥装置本体に入れる工程と、前記乾燥装置本体内
に所定量の前記合成樹脂粉粒体を収容後、その合成樹脂
粉粒体を加熱する工程と、前記加熱中、前記乾燥装置本
体内から空気を排出させて前記乾燥装置本体内を真空状
態に維持するとともに、適当量の空気を前記乾燥装置本
体内に導入させ、前記合成樹脂粉粒体の加熱により発生
した蒸気を前記空気とともに外部へ排出させる工程と、
除湿乾燥の後、前記乾燥装置本体の底部側の前記合成樹
脂粉粒体を前記乾燥装置本体の排出口から排出させる工
程と、前記乾燥装置本体の前記排出口から排出させた前
記合成樹脂粉粒体を一時的に貯蔵手段に貯蔵させる工程
と、前記貯蔵手段に前記合成樹脂粉粒体が満たされたこ
とを検出して前記乾燥装置本体の前記排出口を閉じると
ともに、前記乾燥装置本体に所定量の前記合成樹脂粉粒
体を搬送する工程と、前記貯蔵手段から前記合成樹脂粉
粒体を前記合成樹脂成形機に供給する工程とを備えたこ
とを特徴とする。即ち、加熱手段が設置された乾燥装置
本体内に吸込み空気とともに搬送される合成樹脂粉粒体
を吸込み空気と分離して受け、上側の供給口から合成樹
脂粉粒体を入れて加熱すると、その加熱によって水分が
気化する。この加熱中、乾燥装置本体を真空化すると、
乾燥装置本体内の水分の蒸発が促進され、真空処理によ
り蒸気が外気に放出される。そして、除湿乾燥が終了し
た合成樹脂粉粒体は、乾燥装置本体の下部側の排出口か
ら排出させることができる。したがって、真空処理と加
熱処理との併用で短時間で効率の良い除湿乾燥が実現で
きるとともに、乾燥装置本体から排出させた合成樹脂粉
粒体を一時的に貯蔵手段に貯蔵させて待機しているの
で、合成樹脂成形機側の要求に即座に応ずることがで
き、合成樹脂成形機に合成樹脂粉粒体の連続的供給が可
能である上、合成樹脂成形機に供給される合成樹脂粉粒
体の品質を高めることができる。また、貯蔵手段に合成
樹脂粉粒体が満たされたことを検出して乾燥装置本体の
排出口を閉じ、乾燥装置本体に所定量の合成樹脂粉粒体
を供給するので、乾燥処理の迅速化が図られる。しか
も、真空加熱処理では、適当量の空気を乾燥装置本体内
に導入し、合成樹脂粉粒体から発生する蒸気を前記空気
とともに乾燥装置本体外に排出させるので、水分流出が
良好となり、合成樹脂粉粒体の乾燥効率が高められる。
【0008】請求項2に係る本発明は、合成樹脂成形機
に供給される合成樹脂粉粒体を真空下で加熱して除湿乾
燥させる、合成樹脂粉粒体の除湿乾燥装置であって、供
給口(供給受け口1)から合成樹脂粉粒体が供給される
乾燥装置本体(真空除湿乾燥装置本体7)と、この乾燥
装置本体を開閉する蓋(上蓋16)と、この蓋上に設置
されて前記供給口に吸込み空気とともに前記合成樹脂粉
粒体を供給する供給手段(吸上げ機構2、上自動開閉バ
ルブ4、供給受け口1)と、この供給手段によって前記
吸込み空気とともに供給される前記合成樹脂粉粒体を前
記吸込み空気と分離する分離手段(空気分離機構3)
と、前記乾燥装置本体に設置されて前記合成樹脂粉粒体
を加熱する加熱手段(熱交換器8、ヒートパイプ11)
と、この加熱手段によって前記合成樹脂粉粒体を加熱し
ている間、前記乾燥装置本体を空気の排出により真空化
する真空形成手段(真空ポンプ5)と、前記乾燥装置本
体の底部側に設けられて前記合成樹脂粉粒体を排出され
る排出口と、この排出口から排出させた前記合成樹脂粉
粒体を前記合成樹脂成形機に供給する前に一時的に貯蔵
する貯蔵手段(貯蔵タンク12)と、この貯蔵手段に前
記合成樹脂粉粒体が満たされたことを検出して前記乾燥
装置本体の前記排出口を閉じる開閉手段(下自動開閉バ
ルブ22)と、この開閉手段が閉じられて前記真空形成
手段によって前記空気が排出されるとき、前記乾燥装置
本体内に適当量の空気を導入させる空気導入手段(バイ
パス)と、前記貯蔵手段に前記合成樹脂粉粒体が満たさ
れたことを検出して前記乾燥装置本体の前記開閉手段を
作動させるとともに、前記供給手段によって前記乾燥装
置本体に所定量の前記合成樹脂粉粒体を供給させる制御
手段(本体スイッチ6、上限スイッチ13)とを備えた
ことを特徴とする。即ち、本発明は、上記方法を装置と
して実現したものであり、所定量の合成樹脂粉粒体を入
れた乾燥装置本体には加熱手段が設置されており、これ
によって合成樹脂粉粒体が加熱され、水分を蒸発させ
る。真空処理は、真空形成手段である真空ポンプで行わ
れ、合成樹脂粉粒体の加熱処理と乾燥装置本体の真空処
理との併用により、短時間で効率の良い除湿乾燥が得ら
れる。また、この合成樹脂粉粒体の除湿乾燥装置におい
ても、真空加熱処理中に適当量の空気を乾燥装置本体内
に導入し、合成樹脂粉粒体から発生する蒸気を前記空気
とともに乾燥装置本体外に排出させるので、水分流出が
良好となり、合成樹脂粉粒体の乾燥効率が高められる。
【0009】乾燥装置本体には上部側を開閉する蓋が設
けられ、この蓋側に吸込み空気とともに前記合成樹脂粉
粒体を供給する供給手段、吸込み空気と合成樹脂粉粒体
とを分離する分離手段を備え、この分離手段によって吸
込み空気と分離させた合成樹脂粉粒体を供給口を通して
乾燥装置本体に供給することができる。また、蓋を開く
ことにより、乾燥装置本体内の清掃等の管理を行うこと
ができる。そして、乾燥後の合成樹脂粉粒体は乾燥装置
本体から排出手段を通して排出され、合成樹脂成形機に
供給される。
【0010】したがって、真空処理と加熱処理との併用
で短時間で効率の良い除湿乾燥が実現できるとともに、
乾燥装置本体から排出させた合成樹脂粉粒体を一時的に
貯蔵手段に貯蔵させて待機しているので、合成樹脂成形
機側の要求に即座に応ずることができ、合成樹脂成形機
合成樹脂粉粒体の連続的供給が可能である上、合成樹
脂成形機に供給される合成樹脂粉粒体の品質を高めるこ
とができる。しかも、貯蔵手段に合成樹脂粉粒体が満た
されたことを検出して乾燥装置本体の排出口を閉じ、乾
燥装置本体に所定量の合成樹脂粉粒体を供給するので、
乾燥処理の迅速化を図ることができる。
【0011】
【発明の実施の形態】図1ないし図4は本発明の合成樹
脂粉粒体の除湿乾燥方法及びその装置の実施の形態を示
し、図1は除湿乾燥装置の全体構成を略示した縦断面
図、図2は下自動開閉バルブが開いた状態を略示した断
面図、図3は下自動開閉バルブが閉じた状態を略示した
断面図、図4は貯蔵タンクを分離可能にした状態を略示
した断面図である。
【0012】この除湿乾燥装置は、合成樹脂粉粒体であ
る原材料31を吸込み空気とともに吸い上げる吸い上げ
機構2と、原材料31と吸込み空気とを分離する空気分
離機構3とを有する供給受け口1が上自動開閉バルブ4
を介して連結した真空除湿乾燥装置本体7を設け、除湿
乾燥時における真空除湿乾燥装置本体7から外部への放
熱を極力抑えるため、真空除湿乾燥装置本体7に内壁9
を設け、外面部に襞が設けられたヒートパイプ11、
P.T.C内蔵襞付きパイプ10を備える熱交換器8を
設け、真空除湿乾燥装置本体7の底面側の排出口を開閉
する下自動開閉バルブ22を設け、その下側に除湿乾燥
された原材料31を蓄える貯蔵タンク12を設け、最下
端に設けられたフランジ14を合成樹脂成形機の原材料
受け口15に連結して原材料31を供給するようにした
ものである。即ち、この除湿乾燥装置において、真空除
湿乾燥装置本体7への所定量の原材料31の供給するた
めに設置された吸い上げ機構2、空気分離機構3、上自
動開閉バルブ4又は供給受け口1は真空除湿乾燥装置本
体7への原材料31の供給手段を構成し、空気分離機構
3は同時に搬送される原材料31及び吸込み空気から原
材料31の合成樹脂粉粒体を分離する分離手段を構成し
ている。また、熱交換器8及びヒートパイプ11は、原
材料31の加熱手段であり、熱交換器8は発熱手段、ヒ
ートパイプ11は放熱手段を構成している。そして、下
自動開閉バルブ22は真空除湿乾燥装置本体7の底面側
の原材料排出口とともに排出手段を構成している。
【0013】真空除湿乾燥装置本体7には、従来、加熱
装置として多用されてきたニクロム線の欠点である断線
のし易さ、設定温度保持のための自動温度調節器の必要
性、成形機の振動による故障等を補う加熱手段として、
P.T.Cセラミックス発熱体を内蔵し、かつ、外壁の
表面積を増大するために適当な位置に襞を設けたP.
T.C内蔵襞付きパイプ10を縦方向に数本適宜配置し
た物で構成された熱交換器8を設置している。従来、原
材料の種類毎に加熱設定温度を変える必要があると考え
られていたが、特定の温度と加熱時間によって、原材料
の種類毎に温度設定をする必要はない。
【0014】P.T.C内蔵襞付きパイプ10の熱を更
に遠い位置まで早く伝えることが可能な熱伝導係数が大
きいヒートパイプ11を使用し、更に外壁の表面積を増
大するため、適当な位置に襞を設けた物で構成された熱
交換器8が使用されている。
【0015】原材料31へ熱を早く伝える手段として、
熱交換器8の外壁には遠赤外線を放射する塗料がコーテ
ィングされており、この塗料のコーティングによって熱
交換器8自体の放熱による熱の伝導及び対流に加え、遠
赤外線の放射を利用することができる。
【0016】真空除湿乾燥装置本体7に設置した内壁9
は、その内壁9と真空除湿乾燥装置本体7との間に空間
を形成し、熱交換器8からの熱を真空除湿乾燥装置本体
7に閉じ込め、外部への放熱防止を図ることができる。
【0017】真空形成手段としての真空ポンプ5が設置
されており、この真空ポンプ5の使用により、真空除湿
乾燥装置本体7の下方より貯蔵タンク12内の高温乾燥
空気をバルブを通して吸引し、空気とともに水分を大気
中に放出する。即ち、バイパスと空気量を適宜調節でき
るバルブを通して適当量の空気を真空ポンプ5に吸引
し、所定の真空度を保持したまま吸引された高温乾燥空
気が真空除湿乾燥装置本体7内の下方より原材料31の
表面に触れながら、真空除湿乾燥装置本体7の上方より
真空ポンプ5を通して大気中に放出され、最大限の水分
放出が可能となっている。
【0018】上自動開閉バルブ4及び排出手段としての
下自動開閉バルブ22は、除湿乾燥された原材料31を
合成樹脂成形機に自動供給する目的で設置されたもので
あり、真空除湿乾燥装置本体7に原材料31が滞留する
時間を一定にさせ、また、先入れ傘20及び先出し傘2
1は、真空除湿乾燥装置本体7に先入れされた原材料3
1を順序よく先出しするために設けられている。先入れ
傘20は原材料31を真空除湿乾燥装置本体7に乾燥後
のものの上に乾燥前のものが重なるように順序よく入れ
るための案内手段であり、先出し傘21は樹脂乾燥後の
原材料31を真空除湿乾燥装置本体7から乾燥したもの
を先に順序よく排出させるための案内手段を構成してい
る。
【0019】除湿乾燥装置においては、所定の真空度を
保持することが必要であるが、下自動開閉バルブ22の
閉鎖作動時に原材料31の咬み込みがあると所定の真空
度を保持することができないので、仕切作動板24にて
先に原材料31を咬み込むことにより、真空除湿乾燥装
置本体7から貯蔵タンク12への原材料31の流れを止
め、その後、中板26にて完全にバルブを閉める機構を
併用し、下自動開閉バルブ22による密閉性を高めてい
る。
【0020】真空除湿乾燥装置本体7や貯蔵タンク12
の掃除の際に、上蓋16を真空除湿乾燥装置本体7より
分離させることにより真空除湿乾燥装置本体固定スプリ
ング32に加わる重量を減少させている。このため、下
蓋板27を上側に持ち上げることができ、貯蔵タンク1
2を容易に真空除湿乾燥装置本体7より分離することが
でき、真空除湿乾燥装置本体7や貯蔵タンク12の掃除
を容易に行うことができる。なお、17は表示手段とし
てのパトライト、19は真空圧力ゲージ、23は上蓋
板、25は仕切作動板スプリング、28は小Oリング、
29は大Oリング、30はエアーシリンダである。
【0021】次に、本発明の合成樹脂粉粒体の除湿乾燥
方法を説明する。
【0022】吸込み空気と共に送られる所定量の原材料
31が供給受け口1で吸込み空気と分離されて上自動開
閉バルブ4を通過後、真空除湿乾燥機本体7へと供給さ
れる。所定量の原材料31が真空除湿乾燥機本体7に入
れられると、上自動開閉バルブ4が閉まり、同時に熱交
換器8のP.T.C内蔵襞付きパイプ10に電圧が印加
される。表面積を大きくするために襞を設けたヒートパ
イプ11と、P.T.C内蔵襞付きパイプ10とで構成
された熱交換器8は、P.T.Cセラミックス発熱体の
特性として初期突入電流が大きく、理想的な定温発熱体
であって、電源投入後、数分間という極めて短時間で熱
的平衡状態に達し、その後はP.T.Cセラミックス発
熱体自体が自動的にそれ自体を流れる電流を調節する機
能を備えていることから、その周囲を一定温度で加熱し
続ける。そして、真空除湿乾燥装置本体7の本体スイッ
チ6によって制御された所定量の原材料31は、この熱
交換器8の熱伝導により速やかに一定温度に加熱され
る。この場合、熱交換器8にコーティングされた塗料が
発する遠赤外線の放射効果により熱交換器8自体の表面
温度は約1割程度推移するが、その温度差分の熱エネル
ギーが放射エネルギーになって合成樹脂粉粒体である原
材料31の各粉粒体の内部加熱を行うことができ、除湿
乾燥効率の向上が図られる。
【0023】このような加熱処理と並行して真空処理が
行われる。即ち、加熱中、真空ポンプ5の作用により、
下自動開閉バルブ22に装備したバイパス回路を通して
貯蔵タンク12内の高温乾燥空気を所定の真空度を保持
しながら真空除湿乾燥装置本体7内を連続的に通過させ
る。下方より上方へと空気が通過する際、真空除湿乾燥
装置本体7内の原材料31の表面に通過する空気が接触
して移動することから、その空気は原材料31の付着水
と触れて拡散する結合水を含んで徐々に湿潤化し、最大
飽和水蒸気量となって大気中に放出され、その結果、原
材料31の除湿乾燥が行われる。この間、合成樹脂成形
機は成形処理を行い原材料31を消費するが、その成形
中に原材料31が除湿乾燥される。
【0024】電気制御部18に設置したタイマーの指示
により下自動開閉バルブ22が開き、除湿乾燥された原
材料31は真空除湿乾燥装置本体7から自然落下により
排出され、貯蔵タンク12側に供給される。貯蔵タンク
12が原材料31で満たされると、上限スイッチ13の
指示により二段締めの構造を有する下自動開閉バルブ2
2が原材料31を咬み込むことなく閉められる。このと
き、上自動開閉バルブ4が開かれ、供給受け口1の作動
により所定の原材料31が真空除湿乾燥装置本体7に供
給され、その供給量は本体スイッチ6により制御され
る。以上の制御を1つの制御サイクルとして実行し、除
湿乾燥の処理は短時間で行うことができるため、合成樹
脂成形機側の成形処理の原材料31の消費に比較して除
湿乾燥の処理量が多いので、除湿乾燥された原材料31
を合成樹脂成形機に連続的に供給することができる。
【0025】このように真空加熱方式による合成樹脂粉
粒体の除湿乾燥装置は、下自動開閉バルブ22の使用に
よる原材料31の咬み込み防止、除湿乾燥の処理時間の
短縮、高効率化を図って、合成樹脂成形機に原材料31
の連続的な供給等、優れた特徴を有するものである。
【0026】除湿乾燥は、加熱処理に真空処理を併用し
たことにより、低温での水の沸騰現象を活用でき、原材
料31の表面に付着している付着水、原材料31内部に
ある結合水を気化蒸発させ、真空ポンプ5の吸引力によ
り強制的に原材料31と分離し、真空ポンプ5を介して
大気中に放出させることができる。この除湿効果を助長
するため、下自動開閉バルブ22に設けたバイパスより
連続的に貯蔵タンク12の高温乾燥空気を吸引し、真空
除湿乾燥装置本体7内に滞留している原材料31と接触
させて最大飽和水蒸気量を大気に放出される結果、気化
蒸発させた水分を短時間に排出でき、効率的な除湿乾燥
を行うことができる。その際、加熱された原材料31か
ら気化蒸発で奪われた熱量は、P.T.Cセラミックス
発熱体を用いて連続供給される。即ち、熱交換器8とし
てP.T.C内蔵襞付きパイプ10を用いて表面積を増
大し、更に遠い位置まで熱を早く伝えることが可能な襞
を設けたヒートパイプ11を設けているので、原材料3
1との接触面積を増加させて熱伝導率を高め、原材料3
1の急速に均一加熱を図ることができ、高効率の除湿乾
燥を実現している。更に、定温特性を有するP.T.C
セラミックス発熱体を用いた熱交換器8の表面には、真
空中においても性能を発揮する遠赤外線を放射する塗料
がコーティングされており、付着水、結合水の気化蒸発
を促進させることができると同時に、熱交換器8表面の
温度を低温化させることができ、低温化と加熱時間の短
縮化を図ることができ、加熱による原材料31の劣化防
止を図ることができる。
【0027】更に、真空除湿乾燥装置本体7を二重構造
にしているので、熱交換器8の熱を真空除湿乾燥装置本
体7に閉じ込め、真空除湿乾燥装置本体7からの放熱を
極力抑えることができ、P.T.Cセラミックス発熱体
の熱を原材料31に効率よく伝達させ、熱効率を高める
ことができる。
【0028】また、原材料31の供給は、真空除湿乾燥
装置本体7の熱交換器8に除湿乾燥された原材料31の
先入れ先出しを可能にした原材料31の案内手段として
の先入れ傘20及び先出し傘21を設けたので、真空除
湿乾燥装置本体7に原材料31を乾燥前後の原材料31
が混じることなく供給できるとともに、除湿乾燥された
原材料31を順序よく、むらなく合成樹脂成形機に供給
できる。
【0029】また、原材料31の交換時における掃除の
し易さ等の装置の取り扱いについては、真空除湿乾燥装
置本体7の上蓋16に熱交換器8を一体化し、簡単な止
め金具で取り外しを行えるようにしたので、熱交換器8
にP.T.C内蔵襞付きパイプ10を縦方向に配列して
原材料31の残留を抑制できる。しかも、上蓋16を真
空除湿乾燥装置本体7から開き、貯蔵タンク12と真空
除湿乾燥装置本体7とを簡単に分離でき、これら貯蔵タ
ンク12及び真空除湿乾燥装置本体7の掃除を容易に行
うことができる。
【0030】このように、真空方式による除湿乾燥装置
によれば、合成樹脂粉粒体の除湿乾燥の短時間、高効率
化に加えて省スペース化、軽量化、省エネルギー化を図
ることができ、成形製品の精密化、小型成形機用の原材
料の除湿乾燥装置の製品化等の要請に応じることがで
き、成形機毎に除湿乾燥装置を設置する理想的な成形シ
ステムの構築に寄与することができる。
【0031】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
次の効果が得られる。 a 合成樹脂粉粒体を乾燥装置本体内に搬送し、乾燥装
置本体内でその合成樹脂粉粒体の除湿乾燥を真空処理と
加熱処理とを併用して行うので、合成樹脂粉粒体の除湿
乾燥の処理時間の短縮化とともに高効率化を実現するこ
とができる。 b 処理の高効率化により、合成樹脂成形処理側の消費
量に比較して除湿乾燥の処理量を高めることができると
ともに貯蔵手段に合成樹脂粉粒体を貯蔵して待機させて
合成樹脂成形機に連続的に供給でき、しかも、貯蔵手段
への合成樹脂粉粒体の排出に応じて乾燥装置本体に所定
量の合成樹脂粉粒体を供給でき、乾燥処理の迅速化を図
ることができるとともに、樹脂成形の高品質化に寄与す
ることができる。 c 蓋の開閉によって乾燥装置本体の内部を清掃できる
等、保守の容易化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の合成樹脂粉粒体の除湿乾燥方法及びそ
の装置の実施の形態として全体構成を略示した縦断面図
である。
【図2】下自動開閉バルブが開いた状態を略示した断面
図である。
【図3】下自動開閉バルブが閉じた状態を略示した断面
図である。
【図4】貯蔵タンクを分離可能にした状態を略示した断
面図である。
【符号の説明】
1 供給受け口(供給口) 2 吸い上げ機構(供給手段) 3 空気分離機構(分離手段) 4 上自動開閉バルブ(供給手段) 5 真空ポンプ(真空形成手段) 7 真空除湿乾燥装置本体 8 熱交換器(加熱手段) 11 ヒートパイプ(加熱手段) 16 上蓋 20 先入れ傘 21 先出し傘 22 下自動開閉バルブ
フロントページの続き (72)発明者 大沼 良啓 静岡県富士市西柏原新田201番地 高木 産業株式会社内 (72)発明者 今井 浩 静岡県富士市西柏原新田201番地 高木 産業株式会社内 (72)発明者 高木 智 静岡県富士市西柏原新田201番地 高木 産業株式会社内 (56)参考文献 特開 平1−286806(JP,A) 特開 昭59−22711(JP,A) 特開 平2−127006(JP,A) 特開 平4−85008(JP,A) 特開 昭55−128442(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B29B 13/06 F26B 5/00 - 5/16 F26B 17/16 - 17/34

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 合成樹脂成形機に供給される合成樹脂粉
    粒体を真空下で加熱して除湿乾燥させる、合成樹脂粉粒
    体の除湿乾燥方法であって、 上部側に供給口を備える乾燥装置本体の前記供給口に、
    吸込み空気とともに搬送される合成樹脂粉粒体を前記吸
    込み空気と分離して受け、その合成樹脂粉粒体を前記乾
    燥装置本体に入れる工程と、 前記乾燥装置本体内に所定量の前記合成樹脂粉粒体を収
    容後、その合成樹脂粉粒体を加熱する工程と、 前記加熱中、前記乾燥装置本体内から空気を排出させて
    前記乾燥装置本体内を真空状態に維持するとともに、適
    当量の空気を前記乾燥装置本体内に導入させ、前記合成
    樹脂粉粒体の加熱により発生した蒸気を前記空気ととも
    に外部へ排出させる工程と、 除湿乾燥の後、前記乾燥装置本体の底部側の前記合成樹
    脂粉粒体を前記乾燥装置本体の排出口から排出させる工
    程と、 前記乾燥装置本体の前記排出口から排出させた前記合成
    樹脂粉粒体を一時的に貯蔵手段に貯蔵させる工程と、 前記貯蔵手段に前記合成樹脂粉粒体が満たされたことを
    検出して前記乾燥装置本体の前記排出口を閉じるととも
    に、前記乾燥装置本体に所定量の前記合成樹脂粉粒体を
    搬送する工程と、 前記貯蔵手段から前記合成樹脂粉粒体を前記合成樹脂成
    形機に供給する工程と、 を備えたことを特徴とする合成樹脂粉粒体の除湿乾燥方
    法。
  2. 【請求項2】 合成樹脂成形機に供給される合成樹脂粉
    粒体を真空下で加熱して除湿乾燥させる、合成樹脂粉粒
    体の除湿乾燥装置であって、 供給口から合成樹脂粉粒体が供給される乾燥装置本体
    と、 この乾燥装置本体を開閉する蓋と、 この蓋上に設置されて前記供給口に吸込み空気とともに
    前記合成樹脂粉粒体を供給する供給手段と、 この供給手段によって前記吸込み空気とともに供給され
    る前記合成樹脂粉粒体を前記吸込み空気と分離する分離
    手段と、 前記乾燥装置本体に設置されて前記合成樹脂粉粒体を加
    熱する加熱手段と、 この加熱手段によって前記合成樹脂粉粒体を加熱してい
    る間、前記乾燥装置本体を空気の排出により真空化する
    真空形成手段と、 前記乾燥装置本体の底部側に設けられて前記合成樹脂粉
    粒体を排出される排出口と、 この排出口から 排出させた前記合成樹脂粉粒体を前記合
    成樹脂成形機に供給する前に一時的に貯蔵する貯蔵手段
    と、 この貯蔵手段に前記合成樹脂粉粒体が満たされたことを
    検出して前記乾燥装置本体の前記排出口を閉じる開閉手
    段と、 この開閉手段が閉じられて前記真空形成手段によって前
    記空気が排出されるとき、前記乾燥装置本体内に適当量
    の空気を導入させる空気導入手段と、 前記貯蔵手段に前記合成樹脂粉粒体が満たされたことを
    検出して前記乾燥装置本体の前記開閉手段を作動させ
    とともに、前記供給手段によって前記乾燥装置本体に所
    定量の前記合成樹脂粉粒体を供給させる制御手段と、 を備えたことを特徴とする合成樹脂粉粒体の除湿乾燥装
    置。
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