JP3354427B2 - 飛行時間型質量分析装置 - Google Patents

飛行時間型質量分析装置

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JP3354427B2
JP3354427B2 JP07824597A JP7824597A JP3354427B2 JP 3354427 B2 JP3354427 B2 JP 3354427B2 JP 07824597 A JP07824597 A JP 07824597A JP 7824597 A JP7824597 A JP 7824597A JP 3354427 B2 JP3354427 B2 JP 3354427B2
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石原盛男
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Jeol Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は所定の加速エネルギ
ーで出射したイオンを所定距離離れた検出器で検出し、
イオンの速度と飛行時間とからイオンの質量を分析する
飛行時間型質量分析装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】図4は飛行時間型質量分析装置を模式的
に示した図である。パルスイオン源1の前側にはスリッ
ト2が設けられ、パルス電圧3で加速されたイオンがス
リット2から出射する。出射したイオンは長さLの飛行
空間を隔てたイオン検出器4で検出され、加速パルスに
同期して駆動されるレコーダ5で記録されようになって
いる。ここで、イオンが加速エネルギーeVa(eは電
荷、Vaは加速電圧)でイオン源1を出射したとし、そ
の質量をMとすると、出射したイオンの速さv0 は v0 =(2eVa/M)1/2 ……(1) となる。イオン検出器までの飛行距離をlとすると、パ
ルスイオン源からイオン検出器までの飛行時間t0 は t0 =l/v0 ……(2) となる。(1)、(2)式より飛行時間は質量によって
異なるため、飛行時間から質量分析を行うことが可能で
ある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、図4におい
て、飛行中に質量Mのイオンが質量mのイオンと質量
(M−m)の中性粒子に分解した場合を考える。このと
き、運動量保存の法則から、生成した粒子の速さは元の
イオンの速さv0 と同じであって、このままでは分解し
たイオンの質量は不明である。
【0004】本発明は上記課題を解決するためのもの
で、飛行空間において、イオンが分解した場合にも生成
イオンの質量を求めることができる飛行時間型質量分析
装置を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、パルスイオン
源と、飛行空間を介してパルスイオン源から所定距離隔
てて設けられたイオン検出器とを備え、パルスイオン源
から所定エネルギーで出射し、イオン検出器で検出され
るまでの飛行時間よりイオンの質量を分析する飛行時間
型質量分析装置において、前記飛行空間内に、イオンが
入射し、かつ出射可能であり、内部が一様電位となる導
電性の箱を設置し、該箱の電位を特定のイオンの入射時
と出射時で異ならせたことを特徴とする。
【0006】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て説明する。図1は本発明の質量分析装置の原理を説明
するための図である。図1(a)に示すように、パルス
イオン源1とイオン検出器4との間の飛行空間の所定位
置に導体の箱10を配置する。箱10は通常は接地電位
としておく。パルスイオン源1、スリット2を通して質
量Mのイオンが速度v0 で出射し、箱10の手前で質量
mと質量(M−m)に分解し、これらのイオンが箱10
に入射し、出射したとする。図1(b)に示すように、
これらのイオンが箱10内を飛行中箱の電位がVcであ
るとする。箱10は導体であるので、その内部の電位が
一様であり、電界は0である。したがって、イオンは箱
10内では速度v0 が維持され、箱10を出射するとき
質量mのイオンはeVcの運動エネルギーを得ることに
なる。質量(M−m)の中性粒子は運動エネルギーが与
えられないため、速度は一定である。
【0007】いま、箱10を出射したときの質量mのイ
オンの速さをv′とすると、 (1/2)mv′2 =(1/2)mv0 2 +eVc ……(3) となり、 v′=(v0 2 +2eVc/m)1/2 …………(4) となって、v′は生成イオンmの質量に依存することに
なる。イオンが出射して検出器2に到達するまでの合計
時間τm はスリットから箱10までの距離をl1、箱1
0からイオン検出器4までの距離をl2 とすると、 τm =l1 /v0 +l2 /v′=τ1 +τ2 ……(5) となる。 ここで、τ1 =l1 ・(M/2eVa)1/2 τ2 =l2 /(2eVa/M+2eVc/m)1/2 ………(6) である。従って、τm を測定することにより生成イオン
の質量mを求めることができるところで、上記説明では
パルスイオン源を出るイオンが1種類の場合であった
が、通常は多くの種類のイオンが出射する。そのため、
質量M以外のイオンおよびそれから生成したイオンを取
り除くことが必要となる。このような例について図2よ
り説明する。
【0008】図2は質量M以外のイオンを除く場合の箱
10の電位を示す図である。箱10の電位は目的とする
イオンが到着する直前までイオンの加速電圧Vaより大
きい電位Vrとしておく。このようにすると、Mより軽
いイオンは、運動エネルギーがeVaに満たないので追
い返され、箱を通過することができない。次に、質量M
のイオンが到着する直前に箱の電位を飛行空間と同電位
(通常は接地電位)とする。箱の電位がイオンの加速電
圧Vaより小さいので、質量Mのイオンは箱に入ること
ができる。次に、このイオンが箱に入った後(タイミン
グt1)、箱の電位をVcとする。さらにこのイオンが
箱を出た直後(タイミングt2)、箱の電位をVrに戻
す。このようにすると、到着時間の遅いMより重いイオ
ンおよびそれらから生成したイオンは箱には入れず、追
い返されることになる。なお、この場合、Vc>Vaで
あれば、Vr=Vcとしても良い。こうしてM以外の質
量のイオンは除かれ、前述の(5)式、(6)式によ
り、特定質量のイオンを分析することができる。
【0009】図3は特定質量以外のイオンを除く他の方
法の例を示しており、図示するように箱10の前にイオ
ンゲート11を配置し、質量Mおよび質量Mから生成し
たイオンが通過するタイミングだけゲートを開くもので
ある。イオンゲート11はイオン通路を挟んで2枚の電
極を置き、これら電極に電圧を加えて電極間に電場を発
生させ、イオンを曲げることにより目的とするものだけ
を通すもので、電界型に限らず、磁界型のものとしても
良い。
【0010】なお、上記説明では簡単のために自由空間
を飛行する場合のみに付いて説明したが、電場、磁場が
存在し、イオンの飛行軌跡が直線状でなく、電磁場によ
って曲げられるような場合であっても同様である。但
し、質量Mおよびそれから生成したイオンがほぼ同時に
箱に入射することが必要である。また、上記説明では箱
の前でイオンが分解し、別れたイオンと中性粒子が箱に
入る例について説明したが、箱内にガスを入れる、或い
はレーザ光を照射する等により質量Mのイオンが箱の中
で分解するようにしても本発明は適用可能である。この
場合ガスとしてはヘリウムガスのような分子量の軽いも
のを用いることによりそれとの衝突によるエネルギーロ
スを無視することができる。また、生成するイオンで、
ある特定以下の質量のイオン(m<m0 )を測定する必
要のない場合は、MおよびMから生成するイオンが入射
する時の箱の電位をV=(m0 /M)Vaとすれば、質
量m 0 より小さいイオンは箱の中に入ることができず、
これを除くことができる。
【0011】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、特定のイ
オンおよびそれから生成するほぼ同じ速度をもつイオン
に対し、それらが箱に入射するときと出射するときの箱
の電位を変化させることによりそれらイオンの速度を質
量に依存したものとすることができ、そのため、飛行時
間型質量分析系においても、生成イオンの質量を測定す
ることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の質量分析装置の原理を説明するため
の図である。
【図2】 質量M以外のイオンを除く場合の箱の電位を
示す図である。
【図3】 質量M以外のイオンを除く他の方法を説明す
る図である。
【図4】 飛行時間型質量分析装置を模式的に示した図
である。
【符号の説明】
1…パルスイオン源、2…スリット、3…パルス電圧、
4…イオン検出器、5…レコーダ、10…箱、11…イ
オンゲート。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 パルスイオン源と、飛行空間を介してパ
    ルスイオン源から所定距離隔てて設けられたイオン検出
    器とを備え、パルスイオン源から所定エネルギーで出射
    し、イオン検出器で検出されるまでの飛行時間よりイオ
    ンの質量を分析する飛行時間型質量分析装置において、
    前記飛行空間内に、イオンが入射し、かつ出射可能であ
    り、内部が一様電位となる導電性の箱を設置し、該箱の
    電位を特定のイオンの入射時と出射時で異ならせたこと
    を特徴とする飛行時間型質量分析装置。
JP07824597A 1997-03-28 1997-03-28 飛行時間型質量分析装置 Expired - Lifetime JP3354427B2 (ja)

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