JPH10275589A - 飛行時間型質量分析装置 - Google Patents
飛行時間型質量分析装置Info
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- JPH10275589A JPH10275589A JP9078245A JP7824597A JPH10275589A JP H10275589 A JPH10275589 A JP H10275589A JP 9078245 A JP9078245 A JP 9078245A JP 7824597 A JP7824597 A JP 7824597A JP H10275589 A JPH10275589 A JP H10275589A
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Abstract
も生成イオンの質量を求めることを可能にする。 【解決手段】 飛行時間型質量分析装置の飛行空間内
に、イオンが入射し、かつ出射可能であり、内部が一様
電位となる導電性の箱を設置し、該箱の電位を特定のイ
オンの入射時と出射時で異ならせたことを特徴とする。
Description
ーで出射したイオンを所定距離離れた検出器で検出し、
イオンの速度と飛行時間とからイオンの質量を分析する
飛行時間型質量分析装置に関するものである。
に示した図である。パルスイオン源1の前側にはスリッ
ト2が設けられ、パルス電圧3で加速されたイオンがス
リット2から出射する。出射したイオンは長さLの飛行
空間を隔てたイオン検出器4で検出され、加速パルスに
同期して駆動されるレコーダ5で記録されようになって
いる。ここで、イオンが加速エネルギーeVa(eは電
荷、Vaは加速電圧)でイオン源1を出射したとし、そ
の質量をMとすると、出射したイオンの速さv0 は v0 =(2eVa/M)1/2 ……(1) となる。イオン検出器までの飛行距離をlとすると、パ
ルスイオン源からイオン検出器までの飛行時間t0 は t0 =l/v0 ……(2) となる。(1)、(2)式より飛行時間は質量によって
異なるため、飛行時間から質量分析を行うことが可能で
ある。
て、飛行中に質量Mのイオンが質量mのイオンと質量
(M−m)の中性粒子に分解した場合を考える。このと
き、運動量保存の法則から、生成した粒子の速さは元の
イオンの速さv0 と同じであって、このままでは分解し
たイオンの質量は不明である。
で、飛行空間において、イオンが分解した場合にも生成
イオンの質量を求めることができる飛行時間型質量分析
装置を提供することを目的とする。
源と、飛行空間を介してパルスイオン源から所定距離隔
てて設けられたイオン検出器とを備え、パルスイオン源
から所定エネルギーで出射し、イオン検出器で検出され
るまでの飛行時間よりイオンの質量を分析する飛行時間
型質量分析装置において、前記飛行空間内に、イオンが
入射し、かつ出射可能であり、内部が一様電位となる導
電性の箱を設置し、該箱の電位を特定のイオンの入射時
と出射時で異ならせたことを特徴とする。
て説明する。図1は本発明の質量分析装置の原理を説明
するための図である。図1(a)に示すように、パルス
イオン源1とイオン検出器4との間の飛行空間の所定位
置に導体の箱10を配置する。箱10は通常は接地電位
としておく。パルスイオン源1、スリット2を通して質
量Mのイオンが速度v0 で出射し、箱10の手前で質量
mと質量(M−m)に分解し、これらのイオンが箱10
に入射し、出射したとする。図1(b)に示すように、
これらのイオンが箱10内を飛行中箱の電位がVcであ
るとする。箱10は導体であるので、その内部の電位が
一様であり、電界は0である。したがって、イオンは箱
10内では速度v0 が維持され、箱10を出射するとき
質量mのイオンはeVcの運動エネルギーを得ることに
なる。質量(M−m)の中性粒子は運動エネルギーが与
えられないため、速度は一定である。
オンの速さをv′とすると、 (1/2)mv′2 =(1/2)mv0 2 +eVc ……(3) となり、 v′=(v0 2 +2eVc/m)1/2 …………(4) となって、v′は生成イオンmの質量に依存することに
なる。イオンが出射して検出器2に到達するまでの合計
時間τm はスリットから箱10までの距離をl1、箱1
0からイオン検出器4までの距離をl2 とすると、 τm =l1 /v0 +l2 /v′=τ1 +τ2 ……(5) となる。 ここで、τ1 =l1 ・(M/2eVa)1/2 τ2 =l2 /(2eVa/M+2eVc/m)1/2 ………(6) である。従って、τm を測定することにより生成イオン
の質量mを求めることができるところで、上記説明では
パルスイオン源を出るイオンが1種類の場合であった
が、通常は多くの種類のイオンが出射する。そのため、
質量M以外のイオンおよびそれから生成したイオンを取
り除くことが必要となる。このような例について図2よ
り説明する。
10の電位を示す図である。箱10の電位は目的とする
イオンが到着する直前までイオンの加速電圧Vaより大
きい電位Vrとしておく。このようにすると、Mより軽
いイオンは、運動エネルギーがeVaに満たないので追
い返され、箱を通過することができない。次に、質量M
のイオンが到着する直前に箱の電位を飛行空間と同電位
(通常は接地電位)とする。箱の電位がイオンの加速電
圧Vaより小さいので、質量Mのイオンは箱に入ること
ができる。次に、このイオンが箱に入った後(タイミン
グt1)、箱の電位をVcとする。さらにこのイオンが
箱を出た直後(タイミングt2)、箱の電位をVrに戻
す。このようにすると、到着時間の遅いMより重いイオ
ンおよびそれらから生成したイオンは箱には入れず、追
い返されることになる。なお、この場合、Vc>Vaで
あれば、Vr=Vcとしても良い。こうしてM以外の質
量のイオンは除かれ、前述の(5)式、(6)式によ
り、特定質量のイオンを分析することができる。
法の例を示しており、図示するように箱10の前にイオ
ンゲート11を配置し、質量Mおよび質量Mから生成し
たイオンが通過するタイミングだけゲートを開くもので
ある。イオンゲート11はイオン通路を挟んで2枚の電
極を置き、これら電極に電圧を加えて電極間に電場を発
生させ、イオンを曲げることにより目的とするものだけ
を通すもので、電界型に限らず、磁界型のものとしても
良い。
を飛行する場合のみに付いて説明したが、電場、磁場が
存在し、イオンの飛行軌跡が直線状でなく、電磁場によ
って曲げられるような場合であっても同様である。但
し、質量Mおよびそれから生成したイオンがほぼ同時に
箱に入射することが必要である。また、上記説明では箱
の前でイオンが分解し、別れたイオンと中性粒子が箱に
入る例について説明したが、箱内にガスを入れる、或い
はレーザ光を照射する等により質量Mのイオンが箱の中
で分解するようにしても本発明は適用可能である。この
場合ガスとしてはヘリウムガスのような分子量の軽いも
のを用いることによりそれとの衝突によるエネルギーロ
スを無視することができる。また、生成するイオンで、
ある特定以下の質量のイオン(m<m0 )を測定する必
要のない場合は、MおよびMから生成するイオンが入射
する時の箱の電位をV=(m0 /M)Vaとすれば、質
量m 0 より小さいイオンは箱の中に入ることができず、
これを除くことができる。
オンおよびそれから生成するほぼ同じ速度をもつイオン
に対し、それらが箱に入射するときと出射するときの箱
の電位を変化させることによりそれらイオンの速度を質
量に依存したものとすることができ、そのため、飛行時
間型質量分析系においても、生成イオンの質量を測定す
ることが可能である。
の図である。
示す図である。
る図である。
である。
4…イオン検出器、5…レコーダ、10…箱、11…イ
オンゲート。
Claims (1)
- 【請求項1】 パルスイオン源と、飛行空間を介してパ
ルスイオン源から所定距離隔てて設けられたイオン検出
器とを備え、パルスイオン源から所定エネルギーで出射
し、イオン検出器で検出されるまでの飛行時間よりイオ
ンの質量を分析する飛行時間型質量分析装置において、
前記飛行空間内に、イオンが入射し、かつ出射可能であ
り、内部が一様電位となる導電性の箱を設置し、該箱の
電位を特定のイオンの入射時と出射時で異ならせたこと
を特徴とする飛行時間型質量分析装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP07824597A JP3354427B2 (ja) | 1997-03-28 | 1997-03-28 | 飛行時間型質量分析装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP07824597A JP3354427B2 (ja) | 1997-03-28 | 1997-03-28 | 飛行時間型質量分析装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10275589A true JPH10275589A (ja) | 1998-10-13 |
JP3354427B2 JP3354427B2 (ja) | 2002-12-09 |
Family
ID=13656635
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP07824597A Expired - Lifetime JP3354427B2 (ja) | 1997-03-28 | 1997-03-28 | 飛行時間型質量分析装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3354427B2 (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009230948A (ja) * | 2008-03-21 | 2009-10-08 | Jeol Ltd | タンデム型飛行時間型質量分析装置 |
JP2014532967A (ja) * | 2011-11-04 | 2014-12-08 | マイクロマス ユーケー リミテッド | 加速器デバイスを備える質量分析計 |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP4594138B2 (ja) * | 2005-03-16 | 2010-12-08 | 日本電子株式会社 | 飛行時間型質量分析計 |
JP4922900B2 (ja) * | 2007-11-13 | 2012-04-25 | 日本電子株式会社 | 垂直加速型飛行時間型質量分析装置 |
-
1997
- 1997-03-28 JP JP07824597A patent/JP3354427B2/ja not_active Expired - Lifetime
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2009230948A (ja) * | 2008-03-21 | 2009-10-08 | Jeol Ltd | タンデム型飛行時間型質量分析装置 |
JP2014532967A (ja) * | 2011-11-04 | 2014-12-08 | マイクロマス ユーケー リミテッド | 加速器デバイスを備える質量分析計 |
US9552975B2 (en) | 2011-11-04 | 2017-01-24 | Micromass Uk Limited | Mass spectrometers comprising accelerator devices |
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JP3354427B2 (ja) | 2002-12-09 |
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