JP2014532967A - 加速器デバイスを備える質量分析計 - Google Patents

加速器デバイスを備える質量分析計 Download PDF

Info

Publication number
JP2014532967A
JP2014532967A JP2014539410A JP2014539410A JP2014532967A JP 2014532967 A JP2014532967 A JP 2014532967A JP 2014539410 A JP2014539410 A JP 2014539410A JP 2014539410 A JP2014539410 A JP 2014539410A JP 2014532967 A JP2014532967 A JP 2014532967A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
length
flight region
ions
potential
region
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2014539410A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6152113B2 (ja
Inventor
ブラウン、ジェフリー、マーク
グリーン、マーティン、レイモンド
ジェイ. ラングリッジ、デイヴィッド
ジェイ. ラングリッジ、デイヴィッド
Original Assignee
マイクロマス ユーケー リミテッド
マイクロマス ユーケー リミテッド
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by マイクロマス ユーケー リミテッド, マイクロマス ユーケー リミテッド filed Critical マイクロマス ユーケー リミテッド
Publication of JP2014532967A publication Critical patent/JP2014532967A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6152113B2 publication Critical patent/JP6152113B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01JELECTRIC DISCHARGE TUBES OR DISCHARGE LAMPS
    • H01J49/00Particle spectrometers or separator tubes
    • H01J49/26Mass spectrometers or separator tubes
    • H01J49/34Dynamic spectrometers
    • H01J49/40Time-of-flight spectrometers
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01JELECTRIC DISCHARGE TUBES OR DISCHARGE LAMPS
    • H01J49/00Particle spectrometers or separator tubes
    • H01J49/02Details
    • H01J49/06Electron- or ion-optical arrangements
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01JELECTRIC DISCHARGE TUBES OR DISCHARGE LAMPS
    • H01J49/00Particle spectrometers or separator tubes
    • H01J49/0027Methods for using particle spectrometers
    • H01J49/0031Step by step routines describing the use of the apparatus
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01JELECTRIC DISCHARGE TUBES OR DISCHARGE LAMPS
    • H01J49/00Particle spectrometers or separator tubes
    • H01J49/02Details
    • H01J49/06Electron- or ion-optical arrangements
    • H01J49/062Ion guides
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01JELECTRIC DISCHARGE TUBES OR DISCHARGE LAMPS
    • H01J49/00Particle spectrometers or separator tubes
    • H01J49/26Mass spectrometers or separator tubes
    • H01J49/34Dynamic spectrometers
    • H01J49/40Time-of-flight spectrometers
    • H01J49/403Time-of-flight spectrometers characterised by the acceleration optics and/or the extraction fields

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Analytical Chemistry (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Optics & Photonics (AREA)
  • Other Investigation Or Analysis Of Materials By Electrical Means (AREA)
  • Electron Tubes For Measurement (AREA)

Abstract

イオンが通る飛行領域、および検出器またはフラグメンテーション・デバイスを設けることを含む質量分析方法を開示する。イオンが検出器またはフラグメンテーション・デバイスに向かって進行するように飛行領域に沿って電位プロファイルが維持される。次に、第1の長さの飛行領域が維持する電位は、少なくとも一部のイオンは、第1の長さの飛行領域内を進行している間に第1の電位から第2の電位に変更される。変更した電位は、第1の長さの飛行領域の出口に第1の電位差を与え、この電位差により、イオンが第1の長さの飛行領域を離れるときにイオンは加速される。これにより、イオンの運動エネルギーは、検出器またはフラグメンテーション・セルに到達する前に増大される。【選択図】図1C

Description

本発明は、質量分析計および質量分析方法に関する。
関連案件の相互参照
本出願は、2011年11月4日出願の英国特許出願第1119059.2号および2011年11月7日出願の米国特許出願第61/556499号の優先権および利益を主張する。これらの出願の全体が参照により本明細書に組み込まれる。
多くの飛行時間型(time of flight 'TOF')検出器機器は、マイクロチャネル・プレート検出器(microchannel plate detector 'MCPs')、または非連続若しくは連続ダイノード検出器等の電子増倍管検出器を利用する。こうした検出器の共通の特徴は、一次イオンが検出器に衝突し、二次電子を解放し、この二次電子がさらなる電子増倍段階へと導かれることである。イオンが衝突して二次電子を生成することによる変換効率または電子収率が、検出器の効率を定義する。研究者等は、MCP中のイオンが二次電子を発生させる収率(λ)は、以下であることを以前に示している。
Figure 2014532967
式中、mはイオンの質量であり、vはイオンの速度であり、kは10-24の値を有する比例定数であり、無名数効率λを残すように質量mおよび速度vのSI単位を打ち消す単位を有する。効率λの強い速度依存性は、比較的遅い傾向がある大きな質量電荷比のイオンが、より速くより小さい質量電荷比のイオンよりも著しく少ないイオン数しかもたらさないことを意味する。
イオンの電荷qが固定電源電位Vsにより加速される在来のTOFシステムでは、効率λの上式は、再構成され、以下のように近似することができる。
Figure 2014532967
多くの状況では、この収率λは、一単位よりも著しく少ないものであり、研究者等は、高い質量イオン(>100kDa)から信号を生成する機構は、検出器の衝突面での二次イオン収率の生成によって左右されることを示している。こうした二次イオンは、その後、検出器内の次の衝突面で電子を発生させる。したがって、検出器の効率が不十分であるという問題が、1価の高質量電荷比イオンを分析する際に深刻になることは明らかである。このことは、例えばマトリックス支援レーザー脱離イオン化(matrix assisted laser desorption ionization 'MALDI')を使用して巨大タンパク質またはポリマーを分析するときによくある問題である。検出器の効率は、低い加速電位を有する飛行時間型(TOF)機器にとっても主要な問題となる。
電子または二次イオンの収率を最大化し、したがって検出器の効率を最大化するために、多くのTOF質量分析計は、イオンが高い運動エネルギーで検出器に到達するように高い加速電圧を利用している。そのような構成では、イオンは、接地電位または接地電位付近で加速領域に入り、次に、数千エレクトロン・ボルトのエネルギーを有するように高電圧を使用して加速させる。このことを達成するために、イオン検出器の衝突面は、接地電位に対して高い電位で保持される。陽イオンおよび陰イオンの両方で動作可能にするために、イオン検出器の出力部も高電圧で保持される。イオン検出器からの信号出力部は、時間−デジタル変換器(time to digital converters 'TDCs')またはアナログ−デジタル変換器(analogue to digital converters 'ADCs')を使用して一般に記録される。しかし、高速の最新技術TOFシステム記録電子機器は、接地電位または接地電位付近で動作し、高電圧に対して感度が高いことが多い。したがって、イオン検出器の出力部に印加する高電圧をADCまたはTDCから絶縁し、一方で同時に検出器に到達したイオンに起因する信号を高い忠実度で転送可能にすることが一般的な要件である。このことは、容量結合または光結合を使用して達成することができる。しかし、絶縁する電圧が高いほど、イオン信号の忠実度を損なわずに効果的な絶縁を実現することがより困難になる。
一部のTOF機器では、低速度または低エネルギー・イオンに対する検出効率を上げるために後段加速検出器(post acceleration detector 'PAD')が使用される。この種類の検出器では、イオンは非連続変換ダイノードの方へ加速され、そこから発生した二次イオンおよび/または電子は、次に電子増倍管の衝突面に加速される。変換ダイノードで形成した二次荷電種は、一般に低質量電荷比であるので、それらの速度は一次イオンの速度よりも著しく速く、したがって検出効率が上昇する。しかし、このアプローチは、検出器の時間応答が通常動作の時間応答よりも桁違いに遅い場合があるという欠点を有し、このことは質量分析計の性能をひどく損なうことがある。したがって、PAD検出器は、機器分解能の損失を許容可能な支障とすることができる、非常に高い質量電荷比種の効率を向上するために一般に使用される。PAD検出器は、低イオン加速電圧を使用する質量分析計においても利用される。
改良された、質量分析計および質量分析の方法の提供が望まれる。
本発明によれば、
イオンが中を進行する飛行領域、および検出器を設けることと、
イオンが検出器に向かって進行するように飛行領域に沿って電位プロファイルを維持することと、
少なくとも一部のイオンが第1の長さの飛行領域内を進行している間に、第1の長さの飛行領域が維持する電位を第1の電位から第2の電位に変更することと
を含む質量分析方法であって、変更した電位は、長さの飛行領域の出口に第1の電位差を与え、少なくとも一部のイオンは、長さの飛行領域を離れるときに電位差により加速される、質量分析方法が提供される。
本発明は、イオンの飛行中に質量分析計の構成要素に印加される電位を変更することによって、検出器上に入射するイオンのエネルギーを増大可能にする。検出器の効率は、検出器に衝撃を与えるイオンの運動エネルギーに好ましくは比例し、このイオン・エネルギーが増大すると、より高いイオン検出効率がもたらされる。このことは、従来の検出技法では低い運動エネルギーを有する傾向のある、高質量電荷比および低電荷状態を有するイオンに特に有用である。本発明は、イオンの運動エネルギーを増大可能にもし、一方で質量分析計検出システムの高電圧絶縁または分離要求に対する影響があれば最小にする。
好ましくは、第1の長さの飛行領域と検出器との間に電位差を与えるように、第1の長さの飛行領域が維持する電位は、検出器が維持する電位と比較して変更される。代替的に、第1の長さの飛行領域と第2の長さの飛行領域との間に電位差を与えるように、第1の長さの飛行領域が維持する電位は、下流の第2の長さの飛行領域が維持する電位と比較して変更することができる。
好ましくは、少なくとも一部のイオンは、運動エネルギーを増加させて検出器に到達するように電位差によって加速される。これにより、イオンの検出効率を改良することができる。
異なる質量電荷比の範囲を有するイオンは、好ましくは、飛行領域内を通り、イオンが検出器に向かって進行するときに質量電荷比に従って空間的に分離される。この方法では、比較的低い質量電荷比のイオンが第1の長さの飛行領域を通って出る間は電位差が比較的小さくまたは電位差がないように設定され、比較的高い質量電荷比のイオンが第1の長さの飛行領域を通って出るときは電位差が比較的高く設定されるように、第1の長さの飛行領域の電位は好ましくは時間で変動する。
本方法は、イオンが第1の長さの飛行領域内を進行している間に第1の長さの飛行領域が維持する電位を第2の電位から第3の電位に変更することを含み、変更した電位は、第1の長さの飛行領域の出口に第2の電位差を与え、それによりイオンは、第1の長さの飛行領域を離れるときに第2の電位差により加速される。好ましくは、第2の電位差は、第1の電位差よりも大きい。比較的低い質量電荷比のイオンが第1の長さの飛行領域を通って出る間は第1の電位差が比較的小さく設定され、比較的高い質量電荷比のイオンが第1の長さの飛行領域を通って出るときに第2の電位差が比較的高く設定されるように、第1の長さの飛行領域の電位は時間で変動することが好ましい。
本方法は、飛行領域にイオン・ミラーを設けることを含むことができ、それにより、イオンがイオン・ミラーに向かって進行するときに、イオンが第1の長さの飛行領域を通って第1の長さの飛行領域の第1の端部に第1の方向で進行するようにし、且つイオンがミラーによって反射された後、および検出器に向かう途中で第1の長さの飛行領域を第2の方向で進行し、第1の長さの飛行領域の第2の端部に入るようにする。この方法では、第1の長さの飛行領域が維持する電位を変更するステップは、第1の長さの飛行領域の第2の端部で第1の電位差を与えることができる。イオンは、イオン・ミラーによって反射され、それによりイオンは第1の長さの飛行領域を第2の方向で進行し、次に、イオンは、第2の端部を通って第1の長さの飛行領域を離れ、検出器に向かって進行するときに第1の電位差により加速される。第1の長さの飛行領域が維持する電位が第2の電位から第3の電位に変更される方法によれば、方法は、イオンが第1の長さの飛行領域内を第2の方向で進行している間に、第2の電位から第3の電位に電位を変更することをさらに含むことができる。変更された電位は、第1の長さの飛行領域の第2の端部に第2の電位差を与え、それによりイオンは、第2の端部を通って第1の長さの飛行領域を離れ、検出器に向かって進行するときに第2の電位差により加速される。
好ましくは、本方法は、少なくとも一部のイオンがさらなる長さの飛行領域内を進行する間にさらなる長さの飛行領域が維持する電位を変更することをさらに含む。さらなる長さの飛行領域は、第1の長さの飛行領域に対して異なる軸方向位置の飛行領域にあり、さらなる長さの飛行領域の電位を変更した結果、さらなる電位差がさらなる長さの飛行領域の出口に配置される。少なくとも一部のイオンは、さらなる長さの飛行領域を離れるときにこのさらなる電位差により加速される。ただ1つのさらなる長さの飛行領域を記載したが、2つ以上のさらなる長さの飛行領域を提供できることは了解されよう。
第1の長さの飛行領域およびさらなる長さの飛行領域に印加する電位が変更されるタイミングは、第1の長さの飛行領域の出口で第1の電位差によって加速されるイオンが、さらなる長さの飛行領域の出口でさらなる電位差によって加速されるイオンとは異なるように選択することができる。代替的に、第1の長さの飛行領域およびさらなる長さの飛行領域に印加する電位が変更されるタイミングは、同じイオンが、第1の長さの飛行領域の出口で第1の電位差によって加速され、さらなる長さの飛行領域の出口でさらなる電位差によって加速されるように選択することができる。
好ましくは、第1の長さの飛行領域は、第1の群の電極によって定義され、第1の電位は、各電極が同一のものであるそれぞれの電極に印加され、第1の長さの飛行領域が維持する電位を変更するステップは、各電極が同一のものであるそれぞれの電極に第1の電位とは異なる電位を印加することを含む。
好ましくは、さらなる長さの飛行領域は、さらなる群の電極によって定義され、第2の電位は、各電極が同一のものであるそれぞれの電極に印加され、さらなる長さの飛行領域が維持する電位を変更するステップは、各電極が同一のものであるそれぞれの電極に第2の電位とは異なる電位を印加することを含む。
本方法は、さらなる長さの飛行領域に隣接する第1の長さの飛行領域に、さらなる長さの飛行領域と第1の長さの飛行領域との間に配置する加速領域を設けることと、RF電圧源の第1の位相を第1の長さの飛行領域の電極に印加し、RF電圧源の第2の位相をさらなる長さの飛行領域の電極に印加することとを含み、それにより、イオンが第1の長さの飛行領域内を進行している間に、第1の長さの飛行領域の電位はRF電圧源によって増大され、RF電圧源が第1の長さの飛行領域とさらなる長さの飛行領域との間に電位差を与えたときに、イオンが第1の長さの飛行領域から出て、加速領域を通って加速され、さらなる長さの飛行領域内に入るようにする。イオンがさらなる長さの飛行領域に入った後、RF電圧源は、さらなる長さの飛行領域の電位を好ましくは増大させ、さらなる長さの飛行領域の出口にさらなる電位差を与え、イオンがさらなる長さの飛行領域から出るときに加速される。好ましくは、RF電圧源の周波数は、加速が望ましいイオンの質量電荷比に基づいて選択される。
軸方向に離間した電極は、軸方向長さの飛行領域に沿って配置することができ、DC電位は、DC軸方向電場を生成するためにこれらの電極に印加することができ、このDC軸方向電場は、イオンが電位差(複数可)によって加速される方向とは反対である軸方向でイオンに力を及ぼす。第1の長さの飛行領域の電位および/またはさらなる長さの飛行領域の電位は、第1の電位差および/またはさらなる電位差により選択範囲の質量電荷比のイオンを一方向に加速するために時間で変動することができ、他の質量電荷比を有するイオンは、DC軸方向電場によって別の方向に駆動することができる。
軸方向に離間した電極は、軸方向長さの飛行領域に沿って配置することができ、RF電圧は、イオンを径方向に閉じ込めるために、第1の長さの飛行領域の電極、および/またはさらなる長さの飛行領域の電極、および/または第1の長さの飛行領域とさらなる長さの飛行領域との間の電極に印加することができる。
好ましくは、第1の長さの飛行領域および/またはさらなる長さの飛行領域は、零電場領域であり、この長さの飛行領域が維持する電位を変更するステップは、この長さの飛行領域を零電場領域として維持することを含む。代替的に、軸方向電圧勾配を第1の長さの飛行領域および/またはさらなる長さの飛行領域に沿って配置することができ、この長さの飛行領域が維持する電位を変更することは、電圧勾配を一定に維持しながら電圧勾配を形成する電圧の大きさを変更することを含むことができる。
好ましくは、イオンが中を進行する間に第1の長さの飛行領域および/またはさらなる長さの飛行領域の電位を変更するステップは、イオンが中を進行するときにイオンの運動エネルギーを増大せず、イオンの位置エネルギーを増大させる。
好ましくは、イオン検出器は一定の電位で維持される一方で、第1の長さの飛行領域および/またはさらなる長さの飛行領域に印加される電位は、変更される。
第1の長さの飛行領域および/またはさらなる長さの飛行領域の長さは、>2mm、>4mm、>8mm、>10mm、>20mm、>40mm、>60mm、>80mm、>100mm、>150mm、>300mm、>および600mmからなる群から選択することができる。
好ましくは、本方法は、飛行時間型質量分析方法である。そのような方法は、加速電極と検出器との間に飛行領域を設けることをさらに含み、イオンは、電圧パルスを加速電極に印加することによって飛行領域内で加速される。好ましくは、イオンは、イオンが加速電極によって飛行領域内で加速されるまで飛行時間方向への速度を実質的に有さない。
好ましくは、イオンが第1の長さの飛行領域および/またはさらなる長さの飛行領域を離れるときに親イオンのみが電位差により加速され、フラグメント・イオンは加速されない。または、イオンが第1の長さの飛行領域および/またはさらなる長さの飛行領域を離れるときにフラグメント・イオンのみが電位差により加速され、親イオンは加速されない。
本発明は、
イオンが中を進行する飛行領域と、
検出器と、
使用時にイオンが検出器に向かって進行するように飛行領域に沿って電位プロファイルを維持し、少なくとも一部のイオンが第1の長さの飛行領域内を進行している間に第1の長さの飛行領域が維持する電位を第1の電位から第2の電位に変更するように配置、構成した制御手段とを備える質量分析計であって、
変更した電位は、長さの飛行領域の出口で第1の電位差を与え、それにより少なくとも一部のイオンは、長さの飛行領域を離れるときに電位差により加速される、質量分析計をさらに提供する。
質量分析計は、上記の質量分析法のいずれか1つまたは組合せを実施するように配置、構成することができる。
一実施形態によれば、質量分析計は、以下をさらに備える:
(a)(i)エレクトロスプレー・イオン化(Electrospray ionisation 'ESI')イオン源、(ii)大気圧光イオン化(Atmospheric Pressure Photo Ionisation 'APPI')イオン源、(iii)大気圧化学イオン化(Atmospheric pressure Chemical Ionisation 'APCI')イオン源、(iv)マトリックス支援レーザー脱離イオン化(Matrix Assisted Laser Desorption Ionisation 'MALDI')イオン源、(v)レーザー脱離イオン化(Laser Desorption Ionisation 'LDI')イオン源、(vi)大気圧イオン化(Atmospheric Pressure Ionisation 'API')イオン源、(vii)シリコンを用いた脱離イオン化(Desorption Ionisation on Silicon 'DIOS')イオン源、(viii)電子衝撃(Electron Impact 'EI')イオン源、(ix)化学イオン化(Chemical Ionisation 'CI')イオン源、(x)電場イオン化(Field Ionisation 'FI')イオン源、(xi)電場脱離(Field Desorption 'FD')イオン源、(xii)誘導結合プラズマ(Inductively Coupled Plasma 'ICP')イオン源、(xiii)高速原子衝撃(Fast Atom Bombardment 'FAB')イオン源、(xiv)液体二次イオン質量分析方法(Liquid Secondary Ion Mass Spectro metry 'LSIMS')イオン源、(xv)脱離エレクトロスプレーイオン化(Desorption Electrospray Ionisation 'DESI')イオン源、(xvi)ニッケル63放射性イオン源、(xvii)大気圧マトリックス支援レーザー脱離イオン化イオン源、(xviii)サーモスプレーイオン源、(xix)大気サンプリング・グロー放電イオン化(Atmospheric Sampling Glow Discharge Ionisation 'ASGDI')イオン源、(xx)グロー放電(Glow Discharge 'GD')イオン源、および(xxi)インパクタイオン源からなる群から選択したイオン源、および/または、
(b)1つまたは複数の連続またはパルス化イオン源、および/または、
(c)1つまたは複数のイオン・ガイド、および/または、
(d)1つまたは複数のイオン移動分離デバイスおよび/または1つまたは複数の非対称電場イオン移動スペクトロメータ・デバイス、および/または、
(e)1つまたは複数のイオン・トラップまたは1つまたは複数のイオン捕捉領域、および/または、
(f)(i)衝突誘導解離(Collisional Induced Dissociation 'CID')フラグメンテーション・デバイス、(ii)表面誘導解離(Surface Induced Dissociation 'SID')フラグメンテーション・デバイス、(iii)電子移動解離(Electron Transfer Dissociation 'ETD')フラグメンテーション・デバイス、(iv)電子捕獲解離(Electron Capture Dissociation 'ECD')フラグメンテーション・デバイス、(v)電子衝突若しくは衝撃解離フラグメンテーション・デバイス、(vi)光誘導解離(Photo Induced Dissociation 'PID')フラグメンテーション・デバイス、(vii)レーザー誘導解離フラグメンテーション・デバイス、(viii)赤外線誘導解離デバイス、(ix)紫外線誘導解離デバイス、(x)ノズル−スキマー・インターフェース・フラグメンテーション・デバイス、(xi)インソース・フラグメンテーション・デバイス、(xii)インソース衝突誘導解離フラグメンテーション・デバイス、(xiii)熱若しくは高温源フラグメンテーション・デバイス、(xiv)電場誘導フラグメンテーション・デバイス、(xv)磁界誘導フラグメンテーション・デバイス、(xvi)酵素消化若しくは酵素分解フラグメンテーション・デバイス、(xvii)イオン−イオン反応フラグメンテーション・デバイス、(xviii)イオン−分子反応フラグメンテーション・デバイス、(xix)イオン−原子反応フラグメンテーション・デバイス、(xx)イオン−準安定イオン反応フラグメンテーション・デバイス、(xxi)イオン−準安定分子反応フラグメンテーション・デバイス、(xxii)イオン−準安定原子反応フラグメンテーション・デバイス、(xxiii)付加イオンまたは生成イオンを形成するためにイオンを反応させるイオン−イオン反応デバイス、(xxiv)付加イオンまたは生成イオンを形成するためにイオンを反応させるイオン−分子反応デバイス、(xxv)付加イオンまたは生成イオンを形成するためにイオンを反応させるイオン−原子反応デバイス、(xxvi)付加イオンまたは生成イオンを形成するためにイオンを反応させるイオン−準安定イオン反応デバイス、(xxvii)付加イオンまたは生成イオンを形成するためにイオンを反応させるイオン−準安定分子反応デバイス、(xxviii)付加イオンまたは生成イオンを形成するためにイオンを反応させるイオン−準安定原子反応デバイス、および(xxix)電子イオン化解離(Electron Ionisation Dissociation 'EID')フラグメンテーション・デバイスからなる群から選択される1つまたは複数のコリジョン・リアクション・セルまたはフラグメンテーション・セル、および/または、
(g)(i)四重極質量分析器、(ii)2Dまたは直線四重極質量分析器、(iii)Paulまたは3D四重極質量分析器、(iv)Penningトラップ質量分析器、(v)イオン・トラップ質量分析器、(vi)磁場型質量分析器、(vii)イオン・サイクロトロン共鳴(Ion Cyclotron Resonance 'ICR')質量分析器、(viii)フーリエ変換イオン・サイクロトロン共鳴(Fourier Transform Ion Cyclotron resonance 'FTICR')質量分析計、(ix)静電気またはOrbitrap質量分析器、(x)フーリエ変換静電気またはOrbitrap質量分析器、(xi)フーリエ変換質量分析器、(xii)飛行時間型質量分析器、(xiii)直交加速飛行時間型質量分析器、および(xiv)直線加速度飛行時間型質量分析器からなる群から選択した質量分析器、および/または、
(h)1つまたは複数のエネルギー分析器または静電気エネルギー分析器、および/または、
(i)1つまたは複数のイオン検出器、および/または、
(j)(i)四重極質量フィルタ、(ii)2Dまたは直線四重極イオン・トラップ、(iii)Paulまたは3D四重極イオン・トラップ、(iv)Penningイオン・トラップ、(v)イオン・トラップ、(vi)磁場型質量フィルタ、(vii)飛行時間型質量フィルタ、および(viii)ウィーン・フィルタからなる群から選択した1つまたは複数の質量フィルタ、および/または、
(k)イオンをパルス化するデバイスまたはイオン・ゲート、および/または、
(l)実質的に連続するイオン・ビームをパルス化イオン・ビームに変換するデバイス。
質量分析計は、以下のいずれかをさらに備える:
(i)外側胴状電極と、同軸内側スピンドル状電極とを備えるC−Trap・Orbitrap(RTM)質量分析器であって、第1の動作モードでは、イオンはC−Trapに輸送され、次にOrbitrap(RTM)質量分析器内に出射され、第2の動作モードでは、イオンはC−Trapに輸送され、次にコリジョン・セルまたは電子移動解離デバイスに輸送され、少なくとも一部のイオンは、フラグメント・イオンに断片化され、フラグメント・イオンは、次に、Orbitrap(RTM)質量分析器に出射される前にC−Trapに輸送される、C−Trap・Orbitrap(RTM)質量分析器、および/または、
(ii)使用時にイオンが中に輸送される開口を有する複数の電極をそれぞれが備える積層リング・イオン・ガイドであって、電極の間隔はイオン経路の長さ部に沿って増大し、電極の開口は、イオン・ガイドの上流区分では第1の直径を有し、電極の開口は、イオン・ガイドの下流区分では第1の直径よりも小さい第2の直径を有し、使用時にACまたはRF電圧の逆位相を連続する電極に印加する、積層リング・イオン・ガイド。
一実施形態によれば、質量分析計は、ACまたはRF電圧を電極に供給するように配置、構成したデバイスをさらに備える。ACまたはRF電圧は、好ましくは、(i)<50Vピーク・トゥ・ピーク(peak to peak)、(ii)50〜100Vピーク・トゥ・ピーク、(iii)100〜150Vピーク・トゥ・ピーク、(iv)150〜200Vピーク・トゥ・ピーク、(v)200〜250Vピーク・トゥ・ピーク、(vi)250〜300Vピーク・トゥ・ピーク、(vii)300〜350Vピーク・トゥ・ピーク、(viii)350〜400Vピーク・トゥ・ピーク、(ix)400〜450Vピーク・トゥ・ピーク、(x)450〜500Vピーク・トゥ・ピーク、および(xi)>500Vピーク・トゥ・ピークからなる群から選択される大きさを有する。
ACまたはRF電圧は、好ましくは、(i)<100kHz、(ii)100〜200kHz、(iii)200〜300kHz、(iv)300〜400kHz、(v)400〜500kHz、(vi)0.5〜1.0MHz、(vii)1.0〜1.5MHz、(viii)1.5〜2.0MHz、(ix)2.0〜2.5MHz、(x)2.5〜3.0MHz、(xi)3.0〜3.5MHz、(xii)3.5〜4.0MHz、(xiii)4.0〜4.5MHz、(xiv)4.5〜5.0MHz、(xv)5.0〜5.5MHz、(xvi)5.5〜6.0MHz、(xvii)6.0〜6.5MHz、(xviii)6.5〜7.0MHz、(xix)7.0〜7.5MHz、(xx)7.5〜8.0MHz、(xxi)8.0〜8.5MHz、(xxii)8.5〜9.0MHz、(xxiii)9.0〜9.5MHz、(xxiv)9.5〜10.0MHz、および(xxv)>10.0MHzからなる群から選択される周波数を有する。
本発明の好ましい実施形態は、イオン検出器の効率がイオン検出器に入射するイオンのエネルギーおよび/または速度に依存する、従来の飛行時間型機器に対する改良に関する。好ましい実施形態は、イオンの飛行中に飛行時間型質量分析計の構成要素に印加される電位を変更することによって、検出器に入射するイオンのエネルギーを増大可能にする。検知器における二次電子の収率は、イオン衝撃の運動エネルギーに比例するので、このエネルギー増加は、より高いイオン検出効率をもたらす。このことは、高い質量電荷比で低い電荷状態を有するイオンの場合特に有利である。というのは、これらのイオンは、従来低い運動エネルギー、したがって低いイオン検出効率を有するからである。例えば、非常に高い質量を有するそのような1価のイオンは、マトリックス支援レーザー脱離イオン化(MALDI)を使用して生成することができる。したがって、好ましい実施形態は、低い加速電位を利用する、および/または比較的遅い速度およびしたがって低い検出効率を有する高質量電荷比のイオンを分析する場合に利用する検出器、特に、飛行時間型機器の総合効率を改善する。
従来の飛行時間型質量分析計では、検出器の一次衝突面でのイオン・エネルギーは、最初の加速電極から検出器の一次衝突面への電位差によって左右される。対照的に、本発明の好ましい実施形態では、検出器の一次衝突面でのイオン・エネルギーは、イオンが飛んでいる間に分析器の特定領域に印加する電位を変更することによって増大する。したがって、好ましい実施形態は、イオンの運動エネルギーを増大可能にする一方で、質量分析計および検出システムの高電圧絶縁または分離といった要件に対する影響があれば最小にする。
好ましい実施形態を飛行時間型質量分析計について説明してきたが、本発明が他の種類の質量分析計にも有用であることは了解されよう。
別の態様から、本発明は、
イオンが中を進行する飛行領域およびフラグメンテーション・デバイスを設けることと、
親イオンまたはプリカーサー・イオンがフラグメンテーション・デバイスに向かって進行するように飛行領域に沿って電位プロファイルを維持することと、
少なくとも一部のイオンが第1の長さの飛行領域内を進行している間に長さの飛行領域が維持する電位を第1の電位から第2の電位に変更することとを含む質量分析方法であって、
変更した電位は、長さの飛行領域の出口に第1の電位差を与え、それによって少なくとも一部のイオンは、長さの飛行領域を離れるときに電位差により加速され、その結果、イオンは、イオンのエネルギーおよび中のフラグメントを増加させてフラグメンテーション・デバイスに到達するような、質量分析方法を提供する。
この質量分析方法は、イオン検出器をフラグメンテーション・デバイスに置き換えたことを除いて、イオンがエネルギーを増大させてイオン検出器に到達するように加速される質量分析方法について上記した特徴のいずれか1つまたは組合せを含むことができる。
フラグメンテーション・デバイスは、表面誘導解離を可能にするためのガス充填コリジョン・セルまたはデバイスである。
別の態様から、本発明は、
使用時にイオンが中を進行する飛行領域と、
フラグメンテーション・デバイスと、
使用時に親イオンまたはプリカーサー・イオンがフラグメンテーション・デバイスに向かって進行するように飛行領域に沿って電位プロファイルを維持し、
少なくとも一部のイオンが第1の長さの飛行領域内を進行している間に、長さの飛行領域が維持する電位を第1の電位から第2の電位に変更するように配置、構成した制御手段とを備える質量分析計であって、
変更した電位は、長さの飛行領域の出口に第1の電位差を与え、それによって、少なくとも一部のイオンは、長さの飛行領域を離れるときに電位差により加速され、その結果、イオンは、イオンのエネルギーおよびフラグメントを増加させてフラグメンテーション・デバイスに到達するようになる、質量分析計を提供する。
この質量分析計は、イオン検出器をフラグメンテーション・デバイスに置き換えたことを除いて、イオンがエネルギーを増加させてイオン検出器に到達するように加速される、上記した質量分析方法のいずれか1つまたは組合せを実施するように配置、構成することができる。
この質量分析計は、イオン検出器をフラグメンテーション・デバイスに置き換えたことを除いて、イオンがエネルギーを増加させてイオン検出器に到達するように加速される質量分析計について上記した特徴のいずれか1つまたは組合せを含むことができる。
現在開示しているイオン加速方法が、検出器またはフラグメンテーション・デバイス以外の質量分析計の領域にイオンを加速するのに使用できることは了解されよう。
したがって、本発明は、
イオンが中を進行する飛行領域を設けることと、
イオンが飛行領域を通って進行するように飛行領域に沿って電位プロファイルを維持することと、
少なくとも一部のイオンが第1の長さの飛行領域内で進行している間に、第1の長さの飛行領域が維持する電位を第1の電位から第2の電位に変更すること
を含む質量分析方法であって、変更した電位は、長さの飛行領域の出口に第1の電位差を与え、それにより、少なくとも一部のイオンは、長さの飛行領域を離れるときに電位差により加速される、質量分析方法をさらに提供する。
この質量分析方法は、イオンがイオン検出器以外の質量分析計の一領域に加速されることを除いて、イオンがエネルギーを増加させてイオン検出器に到達するように加速される質量分析方法について上記した特徴のいずれか1つまたは組合せを含むことができる。
別の態様から、本発明は、
イオンが中を進行する飛行領域と、
使用時にイオンが飛行領域を通って進行するように飛行領域に沿って電位プロファイルを維持し、少なくとも一部のイオンが第1の長さの飛行領域内を進行している間に、第1の長さの飛行領域が維持する電位を第1の電位から第2の電位に変更するように配置、構成した制御手段とを含む質量分析計であって、
変更した電位は、長さの飛行領域の出口に第1の電位差を与え、それにより、少なくとも一部のイオンは、長さの飛行領域を離れるときに電位差により加速される、質量分析計を提供する。
この質量分析計は、イオンがイオン検出器以外の質量分析計の一領域に対して加速されることを除いて、イオンがエネルギーを増加させてイオン検出器に到達するように加速される上記した質量分析方法のいずれか1つまたは組合せを実施するように配置、構成することができる。
従来の様式で動作する直交加速反射飛行時間型質量分析器の位置エネルギーを示す図である。 質量分析器が本発明の一実施形態により動作するときの異なる時間での位置エネルギーを示す図である。 質量分析器が本発明の一実施形態により動作するときの異なる時間での位置エネルギーを示す図である。 本発明の別の実施形態で動作する直交加速反射飛行時間型質量分析器の位置エネルギーを示す図である。 本発明の別の実施形態で動作する直交加速反射飛行時間型質量分析器の位置エネルギーを示す図である。 本発明の別の実施形態で動作する直交加速反射飛行時間型質量分析器の位置エネルギーを示す図である。 本発明の好ましい実施形態の電極構造を示す概略図である。 本発明の別の好ましい実施形態の電極構造を示す概略図である。 イオンの質量電荷比に応じて図4の実施形態におけるイオンが進行した軸方向距離を示す図である。 本発明の別の実施形態の電極構造を示す概略図である。
次に、本発明の様々な実施形態を単に例として添付の図面を参照しながら説明する。
次に、陽イオンモードで動作し、2段加速領域および2段反射またはイオン・ミラーを有する飛行時間型(TOF)質量分析計を説明する。しかし、本発明を陰イオン動作および他の多くの形態の機器に適用できることも企図される。
図1Aは、従来の様式で動作される場合の直交加速反射TOF質量分析器の位置エネルギー図である。この図は、TOF質量分析器内の固定電極に印加した相対電位を表す。図1Aの電極に印加した電位およびこれらの電極間の距離は以下の通りである。
1=2322.2V
2=0V
3=−627.8V
4=1641.2V
5=2322.2V
1=2.7mm
2=18mm
3=711mm
4=112mm
5=56.9mm。
この形態は、1mm幅イオン・ビームの三次空間集束を実現し、約30,000FWHMの理論質量分解能をもたらす。
次に、質量分析器の動作を説明する。イオンは、位置1において実質的に0の運動エネルギーで飛行時間分析方向に出発する。時間T0で、イオンは2段加速領域を通って加速し始め、距離L1+L2にわたり加速し続け、V1−V3(たとえば2950V)の全電位降下を受ける。長さL3の零電場飛行管領域に入るイオンの全運動エネルギー、qEtot(単位eV)は、
Figure 2014532967
によって示され、式中、q=イオン上の電荷数、m=イオンの質量、および、v=イオンの速度である。
この例では、単一電荷陽イオンは、零電場領域L3に入ったときに2950eVの運動エネルギーを有することになる。次に、イオンは零電場領域L3を通って進行し、2段反射またはイオン・ミラーに入る。イオンの運動エネルギーは、イオン・ミラーの距離、すなわちL4およびL5にわたって0に減少する。次に、イオンは、反射されて開始位置の方に戻り、L4およびL5の距離にわたって再度加速し、それによりイオンは上記式(1)に示した運動エネルギーを得るようになる。次に、イオンは、零電場ドリフト領域L3に再度入り、位置2で、式(1)に示した運動エネルギーでイオン検出器に入射する。
イオン検出器の入力部での電位、Vinは、V3に等しい。電圧Vdは、検出器自体にわたり印加され、したがってイオン検出器の出力部での電位、Voutは、V3+Vdに等しい。最新技術のマイクロチャンネル・プレート検出器は、例えば+2000Vのバイアス電圧で動作することができ、V3は約−628Vであるこの例では、検出器の出力部での電位は+1372Vである。この検出器の出力部での電位は、接地電位に入力部を有する下流のアナログ−デジタル変換器(ADC)または時間−デジタル変換器(TDC)で記録される前に信号から分離しなければならない。
図1Bは、時間T1の後、図1Aの位置エネルギー・プロファイルを構成する本発明の第1の実施形態を示し、但し、T1>T0である。図1Aに関して説明したように、時間T0では、イオンは位置1から加速領域L1およびL2を通って加速される。次に、イオンは、上記式(1)で示した運動エネルギーで零電場領域L3に入る。時間T1では、質量電荷比範囲M1からM2(但しM2>M1)のイオンは、左領域L1およびL2を有するが、イオン検出器2にまだ到達していない。例えば、時間T1=7.8μsでは、質量電荷比>30,000のイオンは、領域L3にちょうど入ったところであり、質量電荷比<7のイオンは、位置2で検出器にちょうど到達したところである。
時間T1では、質量電荷比範囲M1からM2内のイオンは、領域L3、L4およびL5を通って進行しており、これらの領域で電極に印加される電位は、図1Bの点線で示すように急速に増大する。電位V3、V4およびV5は、量Xだけそれぞれ電位V6、V7およびV8に増大する。この変更の結果として、イオンの位置エネルギーは、運動エネルギーは同じままであるにもかかわらず増大する。検出器2の衝突面に印加された電位は一定のままであるが、電位V6、V7およびV8が増大すると、イオンは、領域L3から検出器に向かって進行ときに検出器上で加速することになる。十分な性能を維持するために、電場を画定する格子は、イオン検出器の入力部で領域L3内に電場が貫入するのを制限するように検出器入力部の近傍に位置決めすることができる。
上述のように、領域L3、L4およびL5内のイオンが検出器に到達可能である場合、イオンは検出器の衝突面の方へ加速することになる。次に、検出器におけるイオンの全運動エネルギー、E1tot(単位eV)は、
Figure 2014532967
によって示される。
例として、電位V3、V4およびV5のそれぞれがX=5000Vだけ増大した場合、7から30,000の間の質量電荷比値を有する1価の陽イオンは、7950eVの運動エネルギーで検出器に衝突することになる。質量電荷比7のイオンは、7.8μsの検出器への飛行時間を有し、質量電荷比30,000のイオンは、512μsの検出器への飛行時間を有することになる。この実施形態により、イオンは、イオン検出効率を増大させるために検出器に向かって加速可能になるが、検出器2の一次衝突面では電位を変更しないことは了解されよう。このことにより、検出器を取得システム(例えば、ADCまたはTDC)に結合させる要件をさらに要求することなく、イオンがより効率的に検出される。
イオンの運動エネルギーのさらなる増大は、図1Cに示す本発明の実施形態により実現することができる。この方法によれば、電極に印加される電位は、図1Bで示した時間T1の後に固定して維持されない。そうではなく、電位は、図1Bに関して上述したように最初に変動するが、時間T2の後、範囲M3からM4の(但しM3<M4)内の質量電荷比のイオンが反射領域L4およびL5から出て再度領域L3に入ったときに、領域L3で電極に印加した電位は、図1Cの点線で示されるように量Yだけさらに増大する。これにより、M3からM4の間の質量電荷比を有し、領域L3内にあるイオンの位置エネルギーを再度増大させる。上述した同じ例示的形態を使用すると、質量電荷比30,000のイオンは、反射領域L4およびL5から出て、時間T2=349μsで領域L3に入ることになる。この時、質量電荷比14,000のイオンは、領域L3をちょうど過ぎ、位置2で検出器に到達したことになる。
時間T2で領域L3内にある質量電荷比M3からM4のイオンが、検出器に到達可能である場合、イオンは、
Figure 2014532967
によって示される全エネルギー、E2tot(単位eV)で検出器衝突面に向かって加速されることになる。
領域L3に印加した電圧がV6からV9に量Y=5000Vだけ増大した場合、この例では、14,000から30,000の間の質量電荷比値を有する1価の陽イオンは、12950eVの運動エネルギーで検出器に衝突することになる。したがって、質量電荷比範囲M3からM4内のイオン・エネルギーは、図1Aに関して記載した従来の方法と比較して4.4倍増大し、検出器におけるイオン−電子変換効率の比例的増加をもたらす。
M3からM4よりも広い質量電荷比範囲は、図1Bの方法に従って、時間T1で電位V3、V4およびV5をX=10,000だけV6、V7およびV8に増大することにより12950eVの運動エネルギーに加速できることは了解されよう。しかし、図1Bおよび図1Cの組合せ方法で示すように、多数のパルスをより低い電圧で使用する利点は、電圧パルス電子機器の費用および電力要件を低減することである。別の利点は、電極に印加する絶対最大電位を最小化でき、それにより高電圧絶縁の要件を単純化することである。
図1Bおよび図1Cに関して記載した方法によれば、イオンの空間集束条件および飛行時間は、示される質量電荷比の範囲内のイオンでは著しく変化しない。他の質量電荷比値を有するイオンは、検出器に到達できないか、集束から外れる場合がある。さらに、時間T1またはT2で電圧が増加する領域の縁部付近にあるイオンは、高電圧パルスXおよびYの立ち上り時間の制限により集束から外れることがある。したがって、好ましい方法では、特定範囲の質量電荷比に対して検出効率を増大することができる。例えばTOF分析器の上流に配置した質量フィルタを使用することによって、この範囲の質量電荷比を事前選択することが望ましい場合があり、この質量フィルタは、この質量範囲内のイオンのみを分析器内に伝達する。検出効率を増大させて検出される質量電荷比の範囲は、電圧変化が生じる時間T1および/またはT2を変更することによって選択することができる。
好ましい実施形態に適したパルス電源は、すでに市販されている。例えば、モデルPVX4110(Directed Energy社、米国コロラド州Fort Collins)等、最新技術の±10,000Vパルス発生器は、60nsの立ち上がり/立ち下がり時間を有する、200ns幅、0から10,000Vのパルスを10KHzで提供することができる。
上記したもの以外の形態、電位およびタイミングが、添付の特許請求の範囲において定義される本発明の範囲から逸脱することなく想定できることは当業者には明らかであろう。
図2Aから図2Cは、本発明の別の実施形態を示す。図2Aは、イオンが加速領域L1およびL2によって最初に加速されたときの時間T0での位置エネルギー・プロファイルを示す。図1Aに関して上記したのと同様にして、イオンは、式(1)で示す運動エネルギーで領域L2から零電場領域L3内に入る。時間T1の後で、質量電荷比範囲M5からM6(但しM5<M6)を有するイオンは、領域L1、L2、L3、L4およびL5を横断し、反射して検出器に向かって戻され、次に領域L3に再度入るが、位置2のイオン検出器にはまだ到達していない。これらのイオンは領域L3の区分を通って進行するが、この区分の電位は、図2Bの点線3に示すように量Z1だけ上がる。短い期間の後、質量電荷比範囲M5からM6内のイオンの全てまたは一部が、電位が増大した領域L3の区分を離れるときにZ1と等しい加速電位を受け、したがってこれらのイオンの運動エネルギーは量Z1eVだけ増大する。次に、エネルギーが増大したこれらのイオンを、検出器によって以前よりも高い検出効率で検出することができる。しかし、より好ましくは、これらのイオンは、以下で説明するように検出前に再度加速される。
イオンが電位Z1によって加速された後、イオンは領域L3の第2の区分を通って進行することができる。時間T2でイオンが領域L3のこの区分を通って進行するとき、この区分の電位は図2Cの点線4で示すようにZ2Vだけ増大する。イオンは、領域L3の第2の区分を離れるときにイオン検出器の入力部に向けて再度加速される。したがって、検出器に到達するイオンの全エネルギーは、Z1+Z2eVだけ増大する。
イオンが領域L3の様々な区分の電位を増大することで2度加速されると説明したが、領域L3または他の領域のさらなる区分に印加する電位を増大することによってさらなる段の加速を実施することが可能であり、この結果、検出器ではより高いイオン衝撃エネルギーがもたらされ、したがってさらに改良された検出器効率がもたらされることは了解されよう。この方法は、多数の後段加速を使用し、加速を達成するのに中程度の大きさの電圧のみを使用することによって運動エネルギーの大幅な増大を実現できるという利点を有する。多数の区分を実現するために、領域L3は、電場画定格子によってそれぞれが境界を画定できるいくつかの独立区分に分割することができる。
図2Bおよび図2Cに関して記載した方法では、好ましくは、選択範囲の質量電荷比を有するイオンのみが、各区分により常時増大する運動エネルギーを有する。このことは、所望のイオンが区分に入る時間と対応するように区分の電位が上昇する時間を選択することによって達成される。非常に高い質量(例えば>100kDaから最大メガ・ダルトン、またはさらには最大ギガ・ダルトン範囲まで、およびそれらの範囲を上回る)のイオン分析に関して、非常に高いエネルギーがイオン検出のためにイオンにもたらされることは有利である。したがって、これらのイオンを数十または数百keVの運動エネルギーに加速させるために多数の区分を設けることができる。より広範な質量電荷比にわたって検出効率を改良するために、異なる範囲の質量電荷比のイオンを区分により異なる時間で加速させることができる。区分の電位が上昇する時間を、異なる範囲の質量電荷比イオンが区分内にある時間に同期させることができる。したがって、異なる範囲の質量電荷比のイオンは、異なる時間で各区分により加速させることができる。次に、異なる質量電荷比は、向上した検出効率で検出され、得られた質量スペクトルを組み合わせて複合完全質量範囲TOFスペクトルを形成することができる。
図3は、上記した区分を設けるための電極構造の一実施形態を示す。この構造は、イオンが進行する経路に沿って軸方向に配置した複数の電極セグメント6を提供する。加速領域8は、隣接する各対の電極セグメント6の間に画定される。各セグメントは、イオンが中を進行する多重極ロッド・セットまたは円筒、もしくは開口電極を備えることができる。交互のセグメントがRF電圧源10の異なる位相、好ましくは電圧源10の反対の位相に接続される。したがって、所与の電極セグメント6に印加される電位は、対象のイオンがそのセグメント6内にある間に上昇するように時間を決めることができる。例えば、第1のセグメント6aのRF電位は、対象のイオンがその軸セグメント内にある間に上昇させることができる。対象のイオンは、第1の軸セグメント6aから出ると、電位差だけ第2の軸セグメント6bに向かって加速され、この電位差は、RF電圧の反対位相が隣接するセグメントに印加されるために、隣接するセグメント6aとセグメント6bとの間に配置されるものである。対象のイオンが第2の軸セグメント6b内に入ると、そのセグメントに印加されるRF電位を増大することができる。イオンが第2の軸セグメント6bから出るとき、イオンは、異なるRF位相が第2の軸セグメントおよび第3の軸セグメントに印加されることにより、第2の軸セグメント6bと第3の軸セグメント6cとの間の電位差によって再度加速される。この加速工程は、さらなる軸セグメント6の間、または全ての隣接する対の軸セグメント6の間で繰り返すことができる。
対象のイオンが軸セグメント6間で加速されるたびに、これらのイオンは、前の軸セグメントを通った速度よりも速い速度で次の軸セグメントを通過することになるのは了解されよう。したがって、ある加速領域8の次に来る各軸セグメント6の長さは、好ましくはその加速領域8より前にある軸セグメント6よりも長くする。これにより、イオンは、次に来る軸セグメントとその次の軸セグメントとの間にRF電圧源10によって印加される電位差によって、加速領域8の次に来る軸セグメント6から加速すべき正しい時間で出ることが保証される。軸セグメント6の全てが同じ長さを有する場合、速度を増大させる対象のイオンとしては、イオンが、イオンが出る軸セグメントと次の軸セグメントとの間に加速RF電位差が配置される前に軸セグメント6から早期に出てしまうことになる。このことは、電位差がイオンが出る時間に減速電場をもたらした場合、イオンを減速することすらある。11個の加速領域8が12個の軸セグメント6間に設けられ、これらの軸セグメントは、漸進的に長さが増しているのが図3の実施形態からわかる。任意の数の軸セグメント6および加速領域8を設けることができることは了解されよう。
RF電圧源10の周波数は、対象のイオンの質量電荷比に基づいて選択することができる。より低い質量電荷比のイオンは、より速くデバイスを通って移動し、こうしたイオンをデバイスに通して駆動させるために、セグメント6に印加すべきより高い周波数のRF電圧を必要とする。一方で、より高い質量電荷比のイオンは、より遅くデバイスを通って移動し、こうしたイオンをデバイスに通して駆動させるために、セグメント6に印加すべきより低い周波数のRF電圧を必要とすることになる。
図示しない実施形態では、軸セグメント6は、同じ長さを有することができ、加速領域8の形態位置は、構造を容易にするために軸経路に沿って等間隔に離間することができる。そのような実施形態では、軸セグメント6に印加されるRF電圧10の周波数は、システムを通るイオンの飛行時間と共に増大するか、または軸セグメント6に印加されるRF周波数は、対象のイオンがデバイスに沿って追跡されるようにデバイスの長さに沿って増大する。
軸セグメント6は、四重極ロッド・セット等の多重極ロッド・セットであってもよいことが企図される。これにより、デバイスは、所与の質量電荷比でイオンを径方向に集束可能にするだけでなく、イオンを軸方向に加速可能にもする。RF電圧は、イオンを径方向に閉じ込めるために各軸セグメントの電極(複数可)に印加される。好ましくは、RF電圧源の異なる位相は、イオンを径方向に閉じ込めるために各軸セグメント6の異なる電極に印加される。例えば、各軸セグメントは、四重極ロッド・セットとすることができ、1対の対向ロッドは、RF電圧の第1の位相に接続でき、もう1対の対向ロッドは、RF電圧源の別の位相、好ましくは反対位相に接続することができる。
RF電圧10を印加してイオンを軸方向に加速する、とりわけ、異なる質量電荷比のイオンを加速させるためにこのRF電圧10を走査すると、多くのイオンを失うことがある。一定範囲の質量電荷比にあるイオンのみが、加速電位差が次の加速領域8にわたって配置されると同時に、その加速領域8に連続して到達するようにRF電圧と同期するために、一部のイオンは失われる。したがって、一部のイオンは、RF電圧10と位相外れとなり、加速すべき正確な時間で加速領域8に到達しない。このことは、デバイスの感度を比較的低くする場合がある。RF電圧によってデバイスから搬送されないこれらのイオンを回収し、デバイスの感度を上げるために、DC遅延電場をデバイスに沿って軸方向に印加することができ、それにより、RF電圧10と位相外れであって、デバイスから外れて加速されないイオンは、後で分析されるようにデバイスの入口に向けて強制的に戻される。
図4は、図3の実施形態と同様の好ましい実施形態を示し、各軸セグメント6は、中を貫く開口を有する複数の電極12から形成される。RF電圧源14の異なる位相、好ましくは反対の位相は、隣接する開口電極12に適用され、それにより、イオンは電極12によって径方向に閉じ込められ、デバイスの軸に沿って開口を通り進行することができる。
本実施形態では、緩衝ガスを利用してイオンの径方向への閉じ込めを改良するのを助けることができる。第2のRF電圧源10は、軸セグメント6および加速領域8の位置を画定するために使用される。この実施形態では、第2のRF電圧源10の第1の位相は、第1の軸セグメント6aを画定するように最初の3つの開口電極12に印加される。第2のRF電圧源10の、第2の、好ましくは反対位相は、第2の軸セグメント6bを画定するように次の3つの開口電極12に印加される。第2のRF電圧源10の第1の位相は、第3の軸セグメント6cを画定するように次の4つの開口電極12に印加される。第2のRF電圧源10の第2の位相は、第4の軸セグメント6dを画定するように次の4つの開口電極12に印加される。このパターンは、様々な軸セグメント6を画定するようにデバイスに沿って継続する。加速領域8は、隣接する軸セグメント6の各対の間を画定し、図3に関して記載したように動作する。これにより、対象のイオンをデバイスの右に向けた矢印によって図4で表す方向に加速させる。さらに、図3に関して上記したように、各軸セグメント6の長さは、漸進的に長くなり、対象のイオンがデバイスを通過するときに進行する増加速度を反射することができる。所与の軸セグメント6の長さは、選択した数の隣接する開口電極12に第2のRF電圧源10の所与の位相を印加することによって容易に選択することができる。
上述のように、一部のイオンはRF軸加速電圧10と位相外れとなり、加速すべき正確な時間で加速領域8に到達しない。この実施形態では、DC遅延電場は、RF軸加速電圧10と位相外れであるイオンがデバイスの始めに戻るようにデバイスに沿って軸方向に印加することができる。DC電場は、図4でデバイスの左に向けた矢印によって表される。DC電場は、異なる軸セグメント6の電極12に異なるDC電圧を印加することによって配置することができる。異なるDC電圧は、DC電場をデバイスに沿って配置するために各軸セグメント6内の異なる電極12に印加することもできる。
図5は、イオンの質量電荷比に応じて、イオンが好ましい実施形態のデバイスを通って進行した軸方向距離を示す。データは、SIMIONモデルによるものであり、デバイスは、RF電場の5mm区分、その後のDC遅延電場の5mm区分により周期的とみなされる。モデル・パラメータは、RF加速電圧源が250kHzの周波数を有する、すなわち質量電荷比500を有するイオンを同調するように入力した。このRF電圧源は、−4359V/mのピーク電場を有する正弦パルスであるとみなされた。イオンは、最初は10eVの運動エネルギーを有する位相0にあるとみなされた。このことは、質量500を有するイオンがRF位相の半ばでデバイスに沿って5mm進行する結果をもたらす。この例では、次に、遅延DC電場は、これらのイオンを次の5mmにわたって、および同じ時間量の間、最初の速度に戻るように減速させる。最初の5mm領域(d1)にわたる運動エネルギー利得は、2Vd1/piであるので、次の5mm領域d2にわたる電位差が最初の運動エネルギーに戻るようにイオンを回復させることが望ましいことがある。この特別な解決策では、イオンが1つの完全加速/減速周期にわたって最初の運動エネルギーに回復すると、これらのイオンの速度に対する正味の変化はない。したがって、これらのイオンは、加速すべき正しい時間で次の加速領域に到達し、このようにデバイスを通って伝播し続ける。図5は、質量500を有するこれらのイオンがデバイスを通って長い軸方向距離を伝播することを示す。他の質量のイオンは、加速領域に正しい時間で継続的に到達してデバイスを通って動き続けるようにデバイスを通って伝播しない。したがって、これらのイオンがデバイスを通って伝播する最大距離は、質量500を有するイオンの最大距離よりも少ない。
同様に、RF電圧源の周波数が改変されると、500の質量を有するイオンは、加速領域に正しい時間で継続的に到達してデバイスを通って動き続けるようにデバイスを通って伝播しない。図5は、RF電圧源の周波数が250kHzから249kHzまたは251kHzのいずれかに同調した場合に、所与の質量のイオンがデバイスを通って伝播することになる最大距離が変化することを示す。したがって、デバイスを通る最大伝播距離がイオン質量およびRF電圧源の周波数に応じて変動することは明らかである。したがって、RF電圧源の周波数を同調することによって、イオンをフィルタリングすることができ、所望の質量のイオンをデバイスの所望の部分に移動させるかまたはデバイスから離すことができることを了解されよう。
図6は、図4に関して上記した積層リング・イオン・ガイドに対する代替実施形態を示す。この実施形態では、デバイスは、RF電位がイオンを径方向に閉じ込めるように印加される四重極ロッド・セット20を備える。ロッド・セットの各ロッドは、イオンを軸方向に加速するための正弦形加速羽根22を備える。図4に関して上記したようにDC遅延電場を設けるのが望ましい場合、ロッド・セットは、異なるDC電位が異なる軸セグメントに印加されてDC遅延電場を発生できるように軸方向にセグメント化することができる。
本発明を好ましい実施形態を参照しながら説明してきたが、様々な形状および詳細の変更を添付の特許請求の範囲に示す本発明の範囲から逸脱することなく行うことができることは当業者には理解されよう。
例えば、本発明は、反射またはイオン・ミラーのない直線飛行時間型システムに適用可能であることも理解されよう。
上記した形態は、直線であるが、加速領域は、円形アレイ等の非直線アレイで配置できることも企図される。例えば、円形サイクロトロン・デバイスを、イオン・エネルギーを増大するために利用することができる。
様々な異なる種類の質量分析計が本発明から利益を得ることを了解されよう。例えば、本発明は、四重極直交加速TOFシステムおよび軸方向MALDI−TOFシステムに特に有益であるが、他の種類の質量分析計および検出器を利用することもできる。
本明細書に記載の方法をガス充填コリジョン・セルの衝突誘導解離(CID)または表面誘導解離(SID)に先立って質量分析計内で使用して、プリカーサー・イオンの運動エネルギーを増加できることも企図される。次に、得られる娘イオンを質量分析器、例えばTOFで質量分析することができる。

Claims (37)

  1. イオンが中を進行する飛行領域、および検出器を設けることと、
    イオンが前記検出器に向かって進行するように前記飛行領域に沿って電位プロファイルを維持することと、
    少なくとも一部のイオンが第1の長さの飛行領域内を進行している間に、前記第1の長さの前記飛行領域が維持する電位を第1の電位から第2の電位に変更することと
    を含む質量分析方法であって、前記変更した電位は、前記長さの飛行領域の出口に第1の電位差を与え、それにより、前記少なくとも一部のイオンは、前記長さの飛行領域を離れるときに前記電位差により加速される、質量分析方法。
  2. 前記第1の長さの飛行領域が維持する前記電位は、前記第1の長さの飛行領域と前記検出器との間に前記電位差を与えるように前記検出器が維持する電位と比較して変更される、請求項1に記載の方法。
  3. 前記第1の長さの飛行領域が維持する前記電位は、前記第1の長さの飛行領域と前記第2の長さ飛行領域との間に前記電位差を与えるように下流の第2の長さの前記飛行領域が維持する前記電位と比較して変更される、請求項1に記載の方法。
  4. 前記少なくとも一部のイオンは、運動エネルギーを増加させて前記検出器に到達するように前記電位差により加速される、請求項1から3のいずれかに記載の方法。
  5. 異なる質量電荷比の範囲を有するイオンは、前記飛行領域内に通され、前記検出器に向かって進行するときに質量電荷比に従って空間的に分離される、請求項1から4のいずれかに記載の方法。
  6. 前記第1の長さの飛行領域の前記電位は、比較的低い質量電荷比のイオンが前記第1の長さの飛行領域を通って出る間は前記電位差が比較的小さくまたは前記電位差がないように設定され、比較的高い質量電荷比のイオンが前記第1の長さの飛行領域を通って出るときに前記電位差が比較的高く設定されるように時間で変動する、請求項5に記載の方法。
  7. イオンが前記第1の長さの飛行領域内を進行している間に前記第1の長さの飛行領域が維持する前記電位を前記第2の電位から第3の電位に変更することを含む、請求項1から6のいずれかに記載の方法であって、前記変更した電位は、前記第1の長さの飛行領域の出口に第2の電位差を与え、それにより、イオンは、前記第1の長さの飛行領域を離れるときに前記第2の電位差により加速される、方法。
  8. 前記第2の電位差は、前記第1の電位差よりも大きい、請求項7に記載の方法。
  9. 前記第1の長さの飛行領域の前記電位は、比較的低い質量電荷比のイオンが前記第1の長さの飛行領域を通って出る間は前記第1の電位差が比較的小さく設定され、比較的高い質量電荷比のイオンが前記第1の長さの飛行領域を通って出るときは前記第2の電位差が比較的高く設定されるように時間で変動する、請求項7または8に記載の方法。
  10. 前記飛行領域にイオン・ミラーを設けること含む、請求項1から9のいずれかに記載の方法であって、イオンが前記イオン・ミラーに向かって進行するときに、イオンが第1の方向で前記第1の長さの飛行領域を通り前記第1の長さの飛行領域の第1の端部に進行するようにし、前記イオンは、前記ミラーによって反射された後および前記検出器に向かう途中、第2の方向で前記第1の長さの飛行領域を通り前記第1の長さの飛行領域の第2の端部に進行する、方法。
  11. 前記第1の長さの飛行領域が維持する前記電位を変更する前記ステップは、前記第1の長さの飛行領域の前記第2の端部に前記第1の電位差を与え、イオンは、前記第2の方向で前記第1の長さの飛行領域を通って進行するように前記イオン・ミラーによって反射され、次に、前記イオンは、前記第2の端部を通って前記第1の長さの飛行領域を離れ、前記検出器に向かって進行するときに前記第1の電位差により加速される、請求項10に記載の方法。
  12. イオンが前記第2の方向で前記第1の長さの飛行領域内を進行している間に前記第1の長さの飛行領域が維持する前記電位を前記第2の電位から前記第3の電位に変更することを含む、請求項7または8に従属する請求項10または11に記載の方法であって、前記変更した電位は、前記第1の長さの飛行領域の前記第2の端部に第2の電位差を与え、それにより、イオンは、前記第2の端部を通って前記第1の長さの飛行領域を離れ、前記検出器に向かって進行するときに前記第2の電位差により加速される、方法。
  13. 少なくとも一部のイオンがさらなる長さの飛行領域内を進行している間に前記さらなる長さの飛行領域が維持する前記電位を変更することを含む、請求項1から12のいずれかに記載の方法であって、前記さらなる長さの飛行領域は、前記第1の長さの飛行領域に対して異なる軸方向位置の前記飛行領域にあり、前記変更した電位により、さらなる電位差が前記さらなる長さの飛行領域の出口に配置されることになり、それにより、少なくとも一部のイオンは、前記さらなる長さの飛行領域を離れるときに前記さらなる電位差により加速される、方法。
  14. 前記第1の長さの飛行領域および前記さらなる長さの飛行領域に印加される前記電位が変更されるタイミングは、前記第1の長さの飛行領域の前記出口で前記第1の電位差によって加速されるイオンが、前記さらなる長さの飛行領域の前記出口で前記さらなる電位差によって加速されるイオンとは異なるように選択される、請求項13に記載の方法。
  15. 前記第1の長さの飛行領域および前記さらなる長さの飛行領域に印加される前記電位が変更されるタイミングは、同じイオンが、前記第1の長さの飛行領域の前記出口で前記第1の電位差によって加速され、前記さらなる長さの飛行領域の前記出口で前記さらなる電位差によって加速されるように選択される、請求項13に記載の方法。
  16. 前記第1の長さの飛行領域は、第1の群の電極によって画定され、第1の電位は、各電極が同一のものである前記それぞれの電極に印加され、前記第1の長さの飛行領域が維持する前記電位を変更する前記ステップは、各電極が同一のものである前記それぞれの電極に前記第1の電位とは異なる電位を印加することを含む、請求項1から15のいずれかに記載の方法。
  17. 前記さらなる長さの飛行領域は、さらなる群の電極によって画定され、第2の電位は、各電極が同一のものである前記それぞれの電極に印加され、前記さらなる長さの飛行領域が維持する前記電位を変更する前記ステップは、各電極が同一のものである前記それぞれの電極に前記第2の電位とは異なる電位を印加することを含む、請求項16に記載の方法。
  18. 前記さらなる長さの飛行領域に隣接する前記第1の長さの飛行領域に、前記さらなる長さの飛行領域と前記第1の長さの飛行領域との間に配置する加速領域を設けることと、RF電圧源の第1の位相を前記第1の長さの飛行領域の前記電極に印加し、前記RF電圧源の第2の位相を前記さらなる長さの飛行領域の前記電極に印加することとを含む、請求項17に記載の方法であって、それにより、イオンが前記第1の長さの飛行領域内を進行している間に、前記第1の長さの飛行領域の前記電位は前記RF電圧源によって増大され、前記RF電圧源が前記第1の長さの飛行領域と前記さらなる長さの飛行領域との間に電位差を与えたときに、前記イオンは前記第1の長さの飛行領域から出て、前記イオンを前記加速領域に通して加速させ、前記さらなる長さの飛行領域内に入るようにする、方法。
  19. 前記RF電圧源は、イオンが前記さらなる長さの飛行領域に入った後、前記さらなる長さの飛行領域の前記電位を増大させ、前記イオンが前記さらなる長さの飛行領域から出るときに前記イオンを加速するように前記さらなる長さの飛行領域の前記出口に前記さらなる電位差を与える、請求項18に記載の方法。
  20. 前記RF電圧源の周波数は、加速するのが望ましいイオンの質量電荷比に基づいて選択される、請求項18または19に記載の方法。
  21. 軸方向に離間した電極は、前記飛行領域の軸方向長さに沿って配置され、DC電位は、イオンが前記電位差(複数可)によって加速される方向とは反対である軸方向で前記イオンに力を及ぼすDC軸方向電場を生成するように前記電極に印加される、請求項1から20のいずれかに記載の方法。
  22. 前記第1の長さの飛行領域の前記電位および/または前記さらなる長さの飛行領域の前記電位は、選択範囲の質量電荷比のイオンを前記第1の電位差および/または前記さらなる電位差によって一方向に加速するように時間で変動され、他の質量電荷比を有するイオンは、DC軸方向電場によって別の方向に駆動される、請求項21に記載の方法。
  23. 前記軸方向に離間した電極は、前記飛行領域の前記軸方向長さに沿って配置され、RF電圧は、イオンを径方向に閉じ込めるために、前記第1の長さの飛行領域の前記電極、および/または前記さらなる長さの飛行領域の前記電極、および/または前記第1の長さの飛行領域と前記さらなる長さの飛行領域との間の前記電極に印加される、請求項1から22のいずれかに記載の方法。
  24. 前記第1の長さの飛行領域および/または前記さらなる長さの飛行領域は、零電場領域であり、前記長さの飛行領域が維持する前記電位を変更する前記ステップは、前記長さの飛行領域を零電場領域として維持することを含む、請求項1から23のいずれかに記載の方法。
  25. 軸方向電圧勾配は、前記第1の長さの飛行領域および/または前記さらなる長さの飛行領域に沿って配置され、前記長さの飛行領域が維持する前記電位を変更することは、前記電圧勾配を一定に維持しながら前記電圧勾配を形成する前記電圧の大きさを変更することを含む、請求項1から23のいずれかに記載の方法。
  26. イオンが前記第1の長さの飛行領域および/または前記さらなる長さの飛行領域を通って進行する間に前記第1の長さの飛行領域および/または前記さらなる長さの飛行領域の前記電位を変更することは、イオンが前記第1の長さの飛行領域および/または前記さらなる長さの飛行領域を通って進行するときにイオンの運動エネルギーは増大させず、イオンの位置エネルギーを増大させる、請求項1から25のいずれかに記載の方法。
  27. 前記イオン検出器は一定の電位で維持される一方で、前記第1の長さの飛行領域および/または前記さらなる長さの飛行領域に印加される前記電位は変更される、請求項1から26のいずれかに記載の方法。
  28. 前記第1の長さの飛行領域および/または前記さらなる長さの飛行領域の長さは、>2mm、>4mm、>8mm、>10mm、>20mm、>40mm、>60mm、>80mm、>100mm、>150mm、>300mm、>および600mmからなる群から選択される、請求項1から27のいずれかに記載の方法。
  29. 前記方法は、前記飛行領域を加速電極と前記検出器との間に設けることをさらに含む飛行時間型質量分析方法であって、イオンは、電圧パルスを前記加速電極に印加することによって前記飛行領域内で加速される、請求項1から28のいずれかに記載の方法。
  30. 前記イオンは、前記加速電極によって前記飛行領域内で加速されるまで飛行時間方向に速度を実質的に有さない、請求項29に記載の方法。
  31. 前記イオンが前記第1の長さの飛行領域および/または前記さらなる長さの飛行領域を離れるとき、前記電位差によって親イオンのみが加速されて、フラグメント・イオンは加速されず、あるいは、前記イオンが前記第1の長さの飛行領域および/または前記さらなる長さの飛行領域を離れるとき、前記電位差によってフラグメント・イオンのみが加速されて、親イオンは加速されない、請求項1から30のいずれかに記載の方法。
  32. イオンが中を進行する飛行領域と、
    検出器と
    使用時にイオンが前記検出器に向かって進行するように前記飛行領域に沿って電位プロファイルを維持し、
    少なくとも一部のイオンが前記第1の長さの飛行領域内を進行している間に前記第1の長さの飛行領域が維持する電位を第1の電位から第2の電位に変更するように配置、構成した制御手段とを含む質量分析計であって、
    前記変更した電位は、前記長さの飛行領域の出口に第1の電位差を与え、それにより、前記少なくとも一部のイオンは、前記長さの飛行領域を離れるときに前記電位差により加速される、質量分析計。
  33. イオンが中を進行する飛行領域、およびフラグメンテーション・デバイスを設けることと、
    親イオンまたはプリカーサー・イオンが前記フラグメンテーション・デバイスに向かって進行するように前記飛行領域に沿って電位プロファイルを維持することと、
    少なくとも一部の前記イオンが第1の長さの前記飛行領域内を進行している間に前記長さの飛行領域が維持する前記電位を第1の電位から第2の電位に変更することとを含む質量分析方法であって、
    前記変更した電位は、前記長さの飛行領域の出口に第1の電位差を与え、それにより、前記少なくとも一部のイオンは、前記長さの飛行領域を離れるときに前記電位差により加速され、その結果、前記イオンは、エネルギーおよび中のフラグメントを増大させて前記フラグメンテーション・デバイスに到達するようにする、質量分析方法。
  34. 前記フラグメンテーション・デバイスは、表面誘導解離を可能にするためのガス充填コリジョン・セルまたはデバイスである、請求項33に記載の方法。
  35. 使用時にイオンが中を進行する飛行領域と、
    フラグメンテーション・デバイスと、
    使用時に親イオンまたはプリカーサー・イオンが前記フラグメンテーション・デバイスに向かって進行するように前記飛行領域に沿って電位プロファイルを維持し、
    少なくとも一部の前記イオンが第1の長さの前記飛行領域内を進行している間に前記長さの飛行領域が維持する電位を第1の電位から第2の電位に変更するように配置、構成した制御手段とを含む質量分析計であって、
    前記変更した電位は、前記長さの飛行領域の出口に第1の電位差を与え、それにより、前記少なくとも一部のイオンは、イオンが前記長さの飛行領域を離れるときに前記電位差により加速され、その結果、前記イオンは、エネルギーおよび中のフラグメントを増大させて前記フラグメンテーション・デバイスに到達するようにする、質量分析計。
  36. イオンが中を進行する飛行領域を設けることと、
    イオンが前記飛行領域を通って進行するように前記飛行領域に沿って電位プロファイルを維持することと、
    少なくとも一部のイオンが第1の長さの前記飛行領域内を進行している間に前記第1の長さの飛行領域が維持する電位を第1の電位から第2の電位に変更することとを含む質量分析方法であって、
    前記変更した電位は、前記長さの飛行領域の出口に第1の電位差を与え、それにより、前記少なくとも一部のイオンは、前記長さの飛行領域を離れるときに前記電位差により加速される、質量分析方法。
  37. イオンが中を進行する飛行領域と、
    使用時にイオンが前記飛行領域を通って進行するように前記飛行領域に沿って電位プロファイルを維持し、
    少なくとも一部のイオンが第1の長さの前記飛行領域内を進行している間に前記第1の長さの飛行領域が維持する電位を第1の電位から第2の電位に変更するように配置、構成した制御手段とを含む質量分析計であって、
    前記変更した電位は、前記長さの飛行領域の出口に第1の電位差を与え、それにより、前記少なくとも一部のイオンは、前記長さの飛行領域を離れるときに前記電位差により加速される、質量分析計。
JP2014539410A 2011-11-04 2012-11-05 加速器デバイスを備える質量分析計及び質量分析方法 Expired - Fee Related JP6152113B2 (ja)

Applications Claiming Priority (5)

Application Number Priority Date Filing Date Title
GBGB1119059.2A GB201119059D0 (en) 2011-11-04 2011-11-04 Improvements to tof mass spectrometers using linear accelerator devices
GB1119059.2 2011-11-04
US201161556499P 2011-11-07 2011-11-07
US61/556,499 2011-11-07
PCT/GB2012/052746 WO2013064842A2 (en) 2011-11-04 2012-11-05 Mass spectrometers comprising accelerator devices

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2014532967A true JP2014532967A (ja) 2014-12-08
JP6152113B2 JP6152113B2 (ja) 2017-06-21

Family

ID=45421270

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2014539410A Expired - Fee Related JP6152113B2 (ja) 2011-11-04 2012-11-05 加速器デバイスを備える質量分析計及び質量分析方法

Country Status (6)

Country Link
US (2) US9318309B2 (ja)
EP (1) EP2774172B1 (ja)
JP (1) JP6152113B2 (ja)
CA (1) CA2854147A1 (ja)
GB (2) GB201119059D0 (ja)
WO (1) WO2013064842A2 (ja)

Families Citing this family (16)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP2850648B8 (en) * 2012-05-18 2020-10-28 Micromass UK Limited Orthogonal acceleration coaxial cylinder time of flight mass analyser
JP5993677B2 (ja) * 2012-09-14 2016-09-14 日本電子株式会社 飛行時間型質量分析計及び飛行時間型質量分析計の制御方法
GB2534946B (en) * 2013-03-05 2017-07-05 Micromass Ltd Spatially correlated dynamic focusing
WO2014184570A1 (en) 2013-05-16 2014-11-20 Micromass Uk Limited Method of generating electric field for manipulating charged particles
GB201308847D0 (en) * 2013-05-16 2013-07-03 Micromass Ltd Method of generating electric field for manipulating charged particles
GB2527886B (en) 2014-04-01 2018-12-19 Micromass Ltd Orthogonal acceleration coaxial cylinder mass analyser
JP6485590B2 (ja) * 2016-03-18 2019-03-20 株式会社島津製作所 電圧印加方法、電圧印加装置及び飛行時間型質量分析装置
GB2568354B (en) * 2017-09-28 2022-08-10 Bruker Daltonics Gmbh & Co Kg Wide-range high mass resolution in reflector time-of-flight mass spectrometers
GB201808892D0 (en) 2018-05-31 2018-07-18 Micromass Ltd Mass spectrometer
GB201808890D0 (en) 2018-05-31 2018-07-18 Micromass Ltd Bench-top time of flight mass spectrometer
US11373849B2 (en) 2018-05-31 2022-06-28 Micromass Uk Limited Mass spectrometer having fragmentation region
GB201808912D0 (en) 2018-05-31 2018-07-18 Micromass Ltd Bench-top time of flight mass spectrometer
GB201808949D0 (en) 2018-05-31 2018-07-18 Micromass Ltd Bench-top time of flight mass spectrometer
GB201808894D0 (en) 2018-05-31 2018-07-18 Micromass Ltd Mass spectrometer
GB201808936D0 (en) 2018-05-31 2018-07-18 Micromass Ltd Bench-top time of flight mass spectrometer
EP3803950A1 (en) 2018-05-31 2021-04-14 Micromass UK Limited Mass spectrometer

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH10275589A (ja) * 1997-03-28 1998-10-13 Jeol Ltd 飛行時間型質量分析装置
JP2001210267A (ja) * 2000-01-26 2001-08-03 Natl Inst Of Advanced Industrial Science & Technology Meti 粒子検出器及びこれを用いた質量分析器
US6300627B1 (en) * 1998-12-04 2001-10-09 Bruker Daltonik Gmbh Daughter ion spectra with time-of-flight mass spectrometers
JP2006260873A (ja) * 2005-03-16 2006-09-28 Jeol Ltd 飛行時間型質量分析計

Family Cites Families (14)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US2896083A (en) 1953-07-27 1959-07-21 Beckman Instruments Inc Radio frequency mass spectrometer
NL266799A (ja) 1961-07-07
CA1251870A (en) 1985-12-11 1989-03-28 Peter H. Dawson Quadrupole mass spectrometer
US5136161A (en) * 1990-12-03 1992-08-04 Spacelabs, Inc. Rf mass spectrometer
JPH10134764A (ja) 1996-11-01 1998-05-22 Jeol Ltd 質量分析装置
DE10034074B4 (de) 2000-07-13 2007-10-18 Bruker Daltonik Gmbh Verbesserte Tochterionenspektren mit Flugzeitmassenspektrometern
US7196324B2 (en) 2002-07-16 2007-03-27 Leco Corporation Tandem time of flight mass spectrometer and method of use
JP5341753B2 (ja) * 2006-07-10 2013-11-13 マイクロマス ユーケー リミテッド 質量分析計
GB0624535D0 (en) * 2006-12-08 2007-01-17 Micromass Ltd Mass spectrometer
US7663100B2 (en) * 2007-05-01 2010-02-16 Virgin Instruments Corporation Reversed geometry MALDI TOF
US7564026B2 (en) * 2007-05-01 2009-07-21 Virgin Instruments Corporation Linear TOF geometry for high sensitivity at high mass
US8674292B2 (en) * 2010-12-14 2014-03-18 Virgin Instruments Corporation Reflector time-of-flight mass spectrometry with simultaneous space and velocity focusing
JP5314603B2 (ja) * 2010-01-15 2013-10-16 日本電子株式会社 飛行時間型質量分析装置
CN103201821B (zh) * 2010-09-08 2015-08-26 株式会社岛津制作所 飞行时间型质量分析装置

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH10275589A (ja) * 1997-03-28 1998-10-13 Jeol Ltd 飛行時間型質量分析装置
US6300627B1 (en) * 1998-12-04 2001-10-09 Bruker Daltonik Gmbh Daughter ion spectra with time-of-flight mass spectrometers
JP2001210267A (ja) * 2000-01-26 2001-08-03 Natl Inst Of Advanced Industrial Science & Technology Meti 粒子検出器及びこれを用いた質量分析器
JP2006260873A (ja) * 2005-03-16 2006-09-28 Jeol Ltd 飛行時間型質量分析計

Also Published As

Publication number Publication date
US20160233075A1 (en) 2016-08-11
GB201219849D0 (en) 2012-12-19
US9552975B2 (en) 2017-01-24
GB2501784A (en) 2013-11-06
US20140284471A1 (en) 2014-09-25
EP2774172B1 (en) 2021-02-24
EP2774172A2 (en) 2014-09-10
WO2013064842A2 (en) 2013-05-10
JP6152113B2 (ja) 2017-06-21
US9318309B2 (en) 2016-04-19
GB2501784B (en) 2016-05-25
GB201119059D0 (en) 2011-12-21
WO2013064842A3 (en) 2014-02-27
CA2854147A1 (en) 2013-05-10

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6152113B2 (ja) 加速器デバイスを備える質量分析計及び質量分析方法
US9245728B2 (en) Mass spectrometer with beam expander
CA2903623C (en) Optimised ion mobility separation timescales for targeted ions
JP2017511577A (ja) 軸方向パルス変換器を備えた多重反射飛行時間質量分析計
WO2011127091A1 (en) Method for enhancement of mass resolution over a limited mass range for time-of-flight spectrometry
JP5900770B2 (ja) 直交加速同軸円筒飛行時間型質量分析器
US9997345B2 (en) Orthogonal acceleration coaxial cylinder mass analyser
US5744797A (en) Split-field interface
EP2965345B1 (en) Spatially correlated dynamic focusing
GB2505275A (en) Orthogonal acceleration coaxial cylinder time of flight mass analyser
US20010054684A1 (en) Surface induced dissociation with pulsed ion extraction
US20220099627A1 (en) Ion filtering devices
GB2534946A (en) Spatially correlated dynamic focussing

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20151015

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20160906

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20160915

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20161215

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20170516

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20170526

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6152113

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees